AWSの機械学習勉強用キーボード「DeepComposer」が1000円程度で買える

米国時間4月2日、AWSは同社のDeepComposerキーボードを単独で販売すると発表した。ただしDeepComposerは、ハッカー用のメカニカルキーボードではなく、AIを使ってユーザーの入力から曲を作るAWSのサービスであるDeepComposerで使う小さなMIDIキーボードだ。

2019年のAWS re:Inventで発表されたこのキーボードは、やや混乱を招いた。まず、Amazonの発表が一般向け製品のようだった。DeepComposerのサービスそのものは、ハードウェアのキーボードがなくても利用できる学習ツールで、キーボードのDeepComposerはその点で、同じくAWSのDeepLensDeepRacerのようなハードウェアに位置づけが似ている。それはデベロッパーに敵対的生成ネットワークについて教えることが目的で、同じくDeepLensとDeepRacerも機械学習の特定の技術にフォーカスしている。

ユーザーがハードウェアまたは画面上のキーボードを使って短いメロディーを弾くとDeepComposerサービスが、ユーザーが指定した曲調に基づいて自動的に伴奏を作り出す。昨年re:Inventで聴いたかぎりでは、出来栄えは好悪まちまちだったが、現在はもっと良くなっているかもしれない。しかし、これはトップ40に入るような曲を作るためのツールではなくて、あくまでも学習ツールだ。学習はこのキーボードがなくてもできると思うが、使ってみたい人は今やAmazonで買える

関連記事: なぜAWSはMIDIキーボードを売って機械学習を教えようとするのか

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSが機械学習のためのミニレースカー「DeepRacer」をアップデート

AWSは2018年に開催したデベロッパーカンファレンス「re:invent」で、超小型のレースカーと、それらがレースするリーグを作った。それは、デベロッパーたちに、機械学習を楽しく教えるための教材だ。2019年のre:Inventは来週始まるが、それに先駆けて同社は米国時間11月27日、その車とレースのスケジュールのアップデートを発表した

AWSでバイスプレジデント兼チーフエバンジェリストを務めるJeff Barr(ジェフ・バー)氏はブログで「AWSのイベントで競走する機会を増やし、またユーザー主催のさまざまなイベントのマルチカーレースでも単なる計時ではなく実際の競走で勝てるように、DeepRacerのセンサー能力を強化してアップグレードした」と書いている。

まず、DeepRacer Evoというニューモデルが登場した。2018年のオリジナルモデルの拡張バージョンで、ステレオカメラとLIDAR(ライダー)がある。バー氏によると、これらのセンサーは単なる飾りではない。

「ライダーや立体カメラを加えて、障害物の発見と対応能力を強化した。ほかのDeepRacerも見つけることができる。これによってデベロッパーは、強化学習というエキサイティングな分野を勉強できる。それは自動運転に適した機械学習の方法だ」と同氏。

すでにオリジナルのDeepRacerを持ってる人は、センサーアップグレードキットを買って改造してもいいし、新たにDeepRacer Evoを買ってもいい。どちらも発売は来年だそうだ。

このような車を提供するからには、競走の機会も必要だ。そこで、レーシングリーグがある。同社の計画では、来年はレースの回数を増やし、レースの種類も増やす。昨年はスピード競走だけだったが、強力なセンサーが加わったことを生かして、障害物を避ける能力の競争のほか、前年のように1台ずつ計測されるスピードではなく実際に複数の車による文字どおりのレースを開催する。

AWSの人工知能と機械学習担当のゼネラルマネージャーであるRyan Gavin(ライアン・ギャビン)氏が、今年の早い時期にTechCrunchのライターであるFrederic Lardinois(フレデリック・ラルディーノア)に「このミニレースカーを作ったのはデベロッパーたちに高度な技術を学んでもらうためだ」と述べている。

そのときギャビン氏は「機械学習の面白さを多くのデベロッパーに知ってもらうために何ができるか、いつも考えていた。そしてこのレースカーは、彼らの食いつきがとてもよくて、すぐにレースが始まった。そして私たちも、この楽しくて面白いやり方で強化学習をデベロッパーに学んでもらえるだろう、と気づいた。そのためには、レースをもっと競走性のある本物のレースにしなければならない。世界初の、自動運転によるレーシングリーグだ。世界中から集まったデベロッパーが、互いに自分の車を持ち込んで競走するだろう」と語っていた。

来週のre:Inventでは、DeepRacerの出番が多い。すでに持ってる人たちによる予選レースもあるし、もちろん決勝もある。初心者にはAWSが、DeepRacerの特訓コースとワークショップを提供する。

関連記事
Amazonが開発者たちに機械学習を教えるために、縮小版自動運転車を発表
Why AWS is building tiny AI race cars to teach machine learning(なぜAWSは機械学習を教えるためにAI内蔵レースカーを作ったのか、未訳)

画像クレジット: Amazon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSのSageMakerを使えばふつうのデベロッパーが機械学習のモデルを作れる

クラウドサービスは、ソフトウェアやインフラストラクチャの‘管理’という面倒な部分を取り除いてくれる。今日では、機械学習が多くのデベロッパーたちのあいだで急速に関心を集めつつあるが、AWSはそれのいちばん面倒な部分、すなわち機械学習のモデルの構築とデプロイの過程を、同社のクラウドサービスにより、単純化しようとしている。

そのサービスが、今日(米国時間11/29)のre:Inventカンファレンスで発表されたAmazon SageMakerだ。それは、デベロッパーやデータサイエンティストに、機械学習のモデル制作プロセスを管理するためのフレームワークを提供し、そのプロセスに通常含まれる複雑面倒な部分を取り去る。

AWSのシニア・テクニカル・エヴァンジェリストRandall Huntが、このサービスを発表するブログ記事〔上記リンク〕で、デベロッパーが新しいアプリケーションで機械学習を利用するときのプロセスを加速化するフレームワークを提供することが、サービスの基本コンセプトだ、と言っている: “Amazon SageMakerは、完全な管理を伴う。エンドツーエンドの機械学習サービスであり、データサイエンティストやデベロッパー、それに機械学習のエキスパートが、大規模な機械学習モデルを迅速に構築・訓練・ホストできるようにする”。

またAWSのCEO Andy Jassyは、このサービスを紹介するとき、こう述べた: “Amazon SageMakerを使えば、ふつうのデベロッパーが機械学習のモデルを容易に訓練しデプロイできます”。

この新しいツールには、三つの主要部分がある。

まずNotebook。これはオープンソースの標準的なツールJupyter Notebooksを使って、モデルのベースとなるデータを概観し整理する。この最初のステップは、EC2の標準的なインスタンスを使ってもよいし、もっと厳しい処理要求があるならGPUインスタンスを使う。

データが用意できたら、モデルの訓練を始める。これには、モデルのためのベースアルゴリズムも含まれる。モデルのフレームワークは、TensorFlowなどを自分で持ち込んでもよいし、あるいはAWSが事前に構成したものを使ってもよい。

re:Inventのステージで、JassyはSageMakerの柔軟性を強調した。すぐに簡単に使えるツールとして使ってもよいし、自分のフレームワークを持ち込んでもよい。どちらの場合でも、そしてソースが何であっても、サービスはもっともポピュラーなアルゴリズム向けに調整されている。

Constellation ResearchのVPで主席アナリストのHolger Muellerによると、この柔軟性は両刃の剣だ: “SageMakerはアプリケーションを作るときの作業努力を大幅に減らしてくれるが、そのためにAWSは多くのモデルを無理やり多面的に(polyglot)サポートしようとしている。AWS/Amazonが本当に欲しいのは、多くのユーザーをつなぎとめることと、計算とデータの負荷が大きいことだから”。

彼は、AWSがTensorFlowのような独自のニューラルネットワークフレームワークを提供すべきだ、と主張する。しかしまだ、そんな話はどこにもない。

今のところAmazonは、モデルを動かすために必要なインフラストラクチャのすべてを自前で整え、ノードのエラーやオートスケーリング、セキュリティパッチなどの問題を…フレームワークが何であれ…自分で処理する。まさに、多面的だ。

Jassyによると、モデルが出来上がったらそれをSageMakerから動かしてもよいし、ほかのお好きなサービスを使ってもよい。彼曰く: “これはデータサイエンティストやデベロッパーにとってすばらしいツールだ”。

このサービスは、AWSの無料ユーザーなら無料で利用できる。しかし処理量が一定のレベルを超えたら、使い方やリージョンに応じて課金される。



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Amazon Transcribeは、AWS向けの高度な書き起こしサービス

今日(米国時間11/29)Amazonは、AWS専門のデベロッパー会議、AWS Re:INVENTを主催している。同社はそこで期待の新サービス、Amazon Transcribeを発表した。このサービスは現在プレビュー版が公開されており、数ある自動書き起こしサービスとは一線を画している。

ビデオやオーディオがウェブの多くを占めるようになった今、メディア内の情報を解析することは益々困難になっている。一つの方法はオーディオ部分を書き起こしてテキストに変換することだ。テキストはインデックス化や検索が可能なので新たな可能性が開かれる。

Amazon Transcribeのために、同社は音声認識エンジンを開発した。Amazon S3アカウントに保存されているオーディオファイルを文法的に正しいテキストに変換する。

Amazon Transcribeは、現在英語とスペイン語で利用できる。同社は数週間のうちにもっと多くの言語を追加すると約束した。

Amazon Transcribeの隠し味ともいえるのが、賢い書式設定と句読点の追加だ。複数の話者も識別し、タイムスタンプを付加するので会話の区別がしやすくなる。

Amazonはいくつかの利用場面を紹介した。たとえば、オンラインビデオに自動で字幕をつけることができる。カスタマーサポートへの電話を記録して分析するのにも適している。

同サービスは通話録音などビットレートの低いオーディオファイルでも利用できるほか、システムが製品名を理解しやすくするために、独自の語彙を追加することもできる。

Amazon Transcribeは、 本日発表されたAmazon TranslateとAmazon Comprehendという2つの新サービスと合わせて使うのにも便利だ。こうしてオーディオ録音を意味のあるデータに変えられるようになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、re:inventカンファレンスでグラフDB、Neptune発表

Amazonは開催中のAWS Re:INVENTカンファレンスで次々の新しいサービスを発表している。さきほど紹介された新しいデータベース、Amazon Neptuneは特にグラフ関係の処理を目的としたサービスだ。もしサービスにソーシャルネットワーク的要素を組み込もうとしているならこのデータベースは役に立つかもしれない。

伝統的なリレーショナルDBの問題点は、もともと複雑なソーシャルグラフを扱うようにデザインされていないことだ。RDBでは友達関係やフォロー関係のリストを扱うのが難しい。たとえばソーシャルグラフから共通の友達を抽出しようとすると、そのたびにきわめて複雑なクエリーを発行する必要があった。

これまでのやり方でこの問題を解決するにはコンピューティング能力をアップするしかなかったが、Amazon Neptuneはソーシャルグラフ処理に特化したデータベースの提供で応えようとするものだ。
Neptuneは数十億に上るソーシャル関係を処理するために最適化されており、一つのクエリーを処理するのに1000分の1秒単位の時間しかかからない。Neptuneは問題発生時の高速切替、過去の一定の時点へのリカバリー、異なるアベイラビリティー・ゾーンへのバックアップを作成などをサポートする。現在使用されていないデータの暗号化も可能だ。

Amazonでは既存のテクノロジーとNeptuneの互換性に配慮している。Neptune DBサービスはグラフモデルとしてProperty GraphとW3CのRDF(Resource Description Framework)、これに準拠したクエリー言語のApache TinkerPop GremlinとSPARQLをサポートする。

グラフデータベースがソーシャルネットワークやデートアプリで有用なのはもちろんだが、商品などを推薦するレコメンデーションエンジン、ロジスティクス、DNAのシークェンシングなどそれ以外にも多数の応用場面があるはずだ。この数か月、有力企業がNeptune採用に踏み切るか動向に注意する必要がある。さらに詳しい情報はこちら

〔日本版〕AWS は現在限定プレビュー中。上のリンク先から試用の申し込みができる。

Featured Image: Hoxton/Tom Merton/Getty Images


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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AWS re:Inventでバーチャル・プライベート・サーバー、Lightsail発表―5ドル/月より

2016-12-01-aws-lightsail

今朝(米国時間11/30)のAWS re:InventカンファレンスでAmazonは新しいバーチャル・プライベート・サーバー〔VPS〕を発表した。料金は1台当た月5ドルからだという。このVPSサービスはLightsailと呼ばれ、ユーザーはクラウド上で簡単にサーバーを立ち上げることができる。しかも低価格で設定や管理の面倒な点は表に現れない。

AWSのCEO、Andy Jassyによれば、サーバーの立ち上げに通常なら必要とされる技術的知識をLightsailのユーザーは一切必要としないという。

またJassyはユーザーはメニューから必要とするオプションを選ぶだけでよいと説明した。 たとえばまずOSとしてUbuntuを選び、 あらかじめ付属する5つのバンドル(CPU、ストレージ、メモリなど)でVPSに必要なスペックを選択する。最後に名前を付けるだけで、すぐに作動させることができる。

クラウド上でバーチャル・マシンをスタートさせるために必要な各種の作業、たとえばストレージやセキュリティーを設定するなどの作業は非常に煩雑かつ技術的知識を必要としがちで、これがVPSの利用にあたって大きなハードルとなっていた。

Trinity Venturesのパートナー、Dan ScholnickはTechCrunchのインタビューに対し「この発表はAWSがマーケットを拡大しようとしていることを示す動きの一つだ。AWSは既存分野を守ることにも容赦ないが、可能性があればどこへでも出て行き、ライバルの弱みを攻撃する。ここ数年はAmazonのエンタープライズ市場への進出が注目された。今回の発表はデベロッパーに低価格で簡単にコンピューティング・パワーを提供するというAWSのデジタル・ビジネスの出発点に戻り、弱点を補強する動きだろう」と述べた。

面倒なしにサーバーを手早く立ち上げたいスタートアップやデベロッパー(個人かもしれない)にとってLightsail VPSは朗報だ。もちろんユーザー全般に向くプロダクトではない。それなりの技術的知識があり、自分が何を必要としているかよく知っているユーザー向けのプロダクトではある。しかしそのようなユーザーにとっては詳細なオプションが簡単に選択でき作業は大きくスピードアップする。スタートアップの立ち上げコストを削減するのにも大きな効果があるはずだ。

〔日本版〕AWSのカンファレンス関連記事に関しては下のバナーから参照できる(英語版)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+