UberはBeaconが光るのが目印―フロントウィンドウのLEDデバイスで乗客が車を判別しやすくなる

2016-12-16-uber-beacon

Uberは今日(米国時間12/15)、Uber Beaconという新しいデバイスを一部の都市で使用し始めると発表した。

新しいハードウェアは小さなBluetoothデバイスで、Uberのロゴの形状でさまざまなカラーでに光らせることができるLEDが組み込まれている。ドライバーがBeaconをフロントウィンドウの下部に貼り付けておけば乗客は遠くからでもどれが自分が呼んだUber車か見分けやすくなるというアイディアだ。最初にBeaconが導入されるのはアメリカのマイアミ、デンバー、ナッシュビル、イギリスのニューキャッスルだ。

もっとも完全に独創的なアイディアというわけではない。ライバルのLyftはすでにAmpという多色ディスプレイを採用している。Lyftのデバイスは裏側がドット文字のデザインで、車内の乗客にメッセージを伝えることができる。

UberのBeaconはそこまで凝っていないが、サイズは十分大きく、外側を向いたLEDは十分な光量があって雨や雪など悪天候下でも判別しやすそうだ。それにLyftのアイディアをそっくり頂いたというわけでもない。Uberはシアトルで1年前の12月からさまざまなカラーディスプレイのテストを続けていた。

最終的に採用されたバージョンは、上記のとおり、乗客にとって判別しやすいUberのロゴのデザインとなった。乗客はスマートフォンのUberアプリからカラーホイールを開いてBeaconの色彩を決められる。つまり同じ場所、同じ時間に別々の乗客がまったく同じ色を選んでUberを呼ぶというような可能性はごく小さい。

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Beaconはバッテリーを内蔵しており、Uberによれば「数日もつ」ということだ。また表面の色彩がプログラム可能なので、お祝い、特別な記念日、イベントなどのためにカスタム・カラーで光らせることもできるという。今回のBeaconのロールアウトは今年のニューイヤーイブをターゲットにしている。いつにも増してUberの需要が高まる季節だが、Beaconはドライバーと乗客双方の仕事を少し楽にしてくれそうだ。

Uberでは乗客が正しいUber車を見つけるプロセスを非常に重視している。乗客のピックアップの過程における行き違いや誤解は業務全体の効率を大きく低下させるおそれがあるためUberでは改善に大きな努力を払っているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Estimoteは屋内位置情報システムをビーコン技術と「ニアラブル」のシールで構築する

屋内位置探知は遥か先にある夢で、私たちはまだそこに辿り着いていない。Wi-Fiのトラック技術や他の技術をもってしても、法人から一般ユーザーまでそれぞれが屋内施設のどこにいるか把握するのは難しい。しかし、ビーコン技術を扱うポーランドのスタートアップEstimoteのチームはその夢を実現する技術の開発に成功したかもしれない。

「Nearables(ニアラブル)」と呼ぶシールと一般的なビーコン技術を利用することで、Estimoteは屋内での人や物の動きをトラックすることができるという。どういう仕組みだろうか?

まず、ユーザーが承認しなければトラックされることはない。ネットワークに許可を与えると、ユーザー自身の地図上の位置、建物内にある物の位置、友人や同僚が屋内のどこにいても現在位置が分かる。ハリーポッターに登場する「忍びの地図(Marauder’s Map)」のような機能だが、物語のように猫を検知することはできない。(ニアラブルを猫に付ければできる。)

システムは3つ以上のビーコンとの三角測量で端末の位置を検知するという。彼らの屋内位置検知アプリはここから ダウンロードして試すことができ、詳細はここから確認できる。先日Estimoteは、数年内に屋内位置検知を店舗に導入する予定の Targetとのパートナーシップを発表した。

Estimoteのブログ投稿より:

ニアラブルの位置をどのように検出しているのか聞きたいのでしょう。まさにそこにEstimote Cloudの魔法をかけています。屋内ロケーションアプリを使用しているユーザーが、アプリを起動した状態で二アラブルのシールの検知範囲に近づくと、ニアラブルの位置がクラウドに保存されます。(今後、アプリをバックグランドで起動した状態でも機能するようになる予定です。)二アラブルがプライベート設定でも機能します。プライベート設定の場合、二アラブルの所有者にしかその位置は表示されませんが、他のユーザーも受動的に二アラブルのロケーションを更新しています。

Estimoteの共同ファウンダーのSteve Cheneyは更に補足する。「私たちは物理世界における検索を可能にしました。二アラブルを貼った物を文字通り検索することができます。二アラブルの設定が「公開」か、それがユーザーの所有物であれば、その場所が地図に表示されます。これは魔法のようです。ユーザーが屋内ロケーションアプリを起動した状態でシールの検知範囲に近づくと、二アラブルの位置がクラウドに保存されます。将来的には私たちのSDK を搭載した全てのアプリでも同様に機能する予定です。プライベート設定のニアラブルでも受動的に位置が更新されます」。

「今日の私たちからの重要なメッセージはEstimoteはビーコン企業ではないということです。Estimoteはフルスタックのロケーション情報を活用するプラットフォームです。ハードウェア、クラウドソフトウェア、デバイスのSDK、データサイエンスの多岐に渡る技術を統合し、開発者にとって親しみやすい、ロケーション情報とその状況の情報が加わったプラットフォームを構築しました」。

屋内位置検知技術の発展を目指すAppleやGoogleの他にも数社が競合するシステムを製作している。これは解決するのが難しい問題なのだ。最終的な目標は、ありとあらゆるものにビーコン技術を搭載することだ。

Estimoteは今後テクノロジーの小型化を進め、データポイント、つまり位置情報の精度を向上を図る。店舗の商品をトラックすることで、買い物客がどこに長く滞在し、どこで立ち去るかが分かるようにだろう。いずれ人が何を考えて、要冷蔵のホットドックのパックをクッキーの棚に戻すかまで分かるようになるかもしれない。これを理解するには、人類が保持しているテクノロジーより遥かに高性能なテクノロジーが必要なのかもしれないが。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

EstimoteがiBeaconを利用して屋内ロケーション機能をアプリに簡単に組み込めるキットをローンチ

EstimoteはAppleのiBeaconテクノロジーに基づいたロケーション・ハードウェアとソフトウェア・プラットフォームを開発しているスタートアップだが、このほど屋内ロケーション機能をiOSとAndroidアプリに簡単に組み込めるデベロッパー向けキットを発表した。このIndoor Locationシステムは同社の既存のビーコン・ハードウェアと新しいモバイルアプリを利用している。デモ・ビデオにあるようにセットアップはごくシンプルで、位置情報の基準点を設けるために4個のビーコン・デバイスを壁に貼り付けるだけでよい。

Indoor Locationを利用するデベロッパーは、 部屋の入り口の直近に1個、つづいて最低3個のビーコンを壁に取り付け、それぞれのビーコンにiOSデバイスをかざして位置を読み取る。取り付ける順序はEstimoteのアプリが指示する。ビーコン位置の読み取りとカリブレーションは数分で終了する。Estimoteアプリは高度な数学的処理によって部屋のデジタルマップを作成し、コード・スニペットを出力する。デベロッパーはこのスニペットをさまざまなアプリにコピー・ペーストするだけでロケーション機能を持たせることができる。たとえば美術展の解説アプリを開発している場合、Estimote Indoor Location開発キットを利用すれば、入場者1人1人の正確な位置を把握して展示品に対応する解説を提供したり、順路を案内したりするアプリが作成できる。

Estimoteはこれまで近接認識ゲートウェイ機能を提供してきた。これは壁などに設置されたビーコンがユーザーの接近を認識してなんらかのアクションをスタートさせるというものだった。ただしこのゲートウェイ機能ではユーザーとのおおまかな距離はわかるものの、位置についての情報は得られなかった。今回のIndoor Location機能はまさにこの情報を提供する。

一般ユーザーに対して位置に応じた屋内ガイダンス・サービスを提供する他に、Estimoteのロケーション機能は、たとえばスーパーマーケットで店内の顧客の行動を正確に追跡する能力も与える。ガイダンス・サービスと組みわせて顧客の動線の追跡を行えばビジネス側は非常に有益な情報を得られるだろう。またその情報の分析をベースにして顧客に対してより適切なサービスを提供することもできるはずだ。

ローンチ・パートナーにはCiscoその他のビッグネームの名前も見える。Estimoteはビーコン・ハードウェアとソフトウェア・プラットフォームのデファクト標準の地位を狙っているが、今回の屋内ロケーション機能の追加はそれに向けてさらに一歩を勧めたことになる。

〔日本版:iBeaconはiPhone 4S以降、iPad第3世代以降、iPad mini、Android 4.3以降でサポートされている。EstimoteのアプリはiOS版とAndroid版が用意されている。〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


お店のショーウィンドウのマネキン人形と商店街の買い物客がBLEビーコンで対話…イギリスで実用テスト始まる

ショーウィンドウの中のマネキン人形が、通りすがりの買い物客のスマートフォンに商品情報を送る、という試みがイギリスの3つの小売店で行われている。

そのための基本技術VMBeaconについては、今年の初めごろにご紹介したが、それはマネキン人形やそのほかの商材が、消費電力の少ない室内用Bluetooth(Bluetooth Low Energy, BLE)送信機を持つことによって、これまでのいわゆるウィンドウショッピングを‘クリックをして買い物をする’行為に変えてしまうのだ。

店主はまた、展示物と買い物客たちとの対話的なやりとりの記録を、あとで分析できる。ただし、アプリ(Iconeme)のユーザは、お店と共有してもよい個人情報(年齢、性別、居住地域など)を事前に限定できる。

VMBeaconIconemeを作っているスタートアップが、今日から実際の店舗でのテストを開始した。テストに参加したお店は、アバディーンのHouse of FraserのOnline Store(←物理店舗の名前だ)、ロンドンのHawes & Curtis、そしてキングストンアポンテムズのBentallsだ。いずれも、同社がパートナーしているイギリスと合衆国の小売企業のお店だ。

まず最大の問題はIconemeのユーザアプリ(iOSまたはAndroid)をダウンロード〜インストールしてもらうことだ。だから完全にオプトインマーケティングだが、普及浸透に時間はかかっても、スパムとして嫌われるおそれはない。

ユーザが、VMBeaconを発しているマネキン人形から50メートル以内に接近すると、自動的にアラートが着信する。送られる情報は、その服の素材、アクセサリ、値段、Webサイト上で買えるためのリンク、店内にそれがある場所など、何でもよい。もっと詳しい写真や情報を送ってあとで見てもらってもよいし、友だちとシェアしてもよい。別の特売品やサービス企画の情報へのリンクがあってもよい。

ABI Researchの最新の調査によると、Bluetoothのビーコンが使えるデバイスの市場は5年後に6000万台に達する。その低電力送信装置が当面の市場としてねらうのは、やはり小売企業であり、消費者サイドのメディアとしてはスマートフォンがメインだ。この技術により、地域のモバイルマーケティングチャネルが構成されることになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))