フォードはCiscoと提携して電気自動車をビデオ会議の空間に

Ford(フォード)のEVピックアップトラック「F-150ライトニング」には最近、双方向充電機能が搭載され、万一のときに家庭用バックアップ電源として使えるようになった。今度は会議ソフトウェア「Webex」のメーカーであるCisco(シスコ)との新たな提携で、EVをオフィスのバックアップにしようとしている。

FordのJim Farley(ジム・ファーリー)CEOは米国時間3月22日「我々は全力で、スタートアップのスピードと限りないイノベーションをもたらす、お互いに独立しつつ補完するビジネスを構築しています」と発表した。同社がここ数カ月で発表した計画としては、EVとICE(内燃機関)事業の分離、2023年末までに年間60万台のEV生産、今後数年間でヨーロッパ市場に7種類の新型EV投入がある。

Fordがアメリカ人ドライバーの心をつかむには、2020年3月以来インターネットで最も頻繁に使われている用途であるオンライン会議を電気自動車に装備する以上に良い方法はないだろう。Fordの電気自動車プログラム担当バイスプレジデントであるDarren Palmer(ダレン・パーマー)氏は報道発表で「我々は人と人とがつながる方法を検討しています。人々が自動車を高品質のオフィスとして活用しコラボレーションをしない理由は見当たりません」と述べた。

そのためにFordとCiscoは提携して「SYNC4A(Fordのインフォテインメントシステム)のブラウザエクスペリエンスを開放」し、現在はHTML5セントリックのOS上でネイティブに動作するWebexアプリを開発中だ。パーマー氏は「Fordは電気自動車の次世代エクスペリエンスに向けてWebex by Ciscoで連携することに期待しています。Webexはセキュアで没入できるコラボレーションのエクスペリエンスを提供すると我々は考えています」と述べた。

家からビデオ会議に参加しているときに猫がウェブカメラの前に飛び出してくるのは、まあまあかわいいかもしれない。子どもが後部座席で誰が触ったとか触っていないとか大声で騒いでいるのは、あまりかわいくはない。このように大音量で妨害されることを防ぐために、将来のFordのEVにはWebexの「Optimize for My Voice(自分の声に最適化)」機能が搭載される。これは車内にいて会議に参加していない人はすべて自動でミュートする機能だ。ドライバーが注意散漫にならないように「Webexなどのコラボレーション機能は車が止まっているときだけ動作し、運転中はオーディオのみにします」とパーマー氏は述べた。両社はアプリの最終的なリリースのスケジュールを明らかにしていない。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のAndrew Tarantola(アンドリュー・タラントラ)氏はEngadgetのシニアエディター。

画像クレジット:Ford

原文へ

(文:Andrew Tarantola、翻訳:Kaori Koyama)

NASAが「アルテミス1号」にAlexaおよびCiscoのWebex統合、音声操作でテレメトリー読上げやビデオ通話なども可能に

NASAが「アルテミス1号」にAlexaおよびCiscoのWebexを統合、音声操作でテレメトリー読上げやビデオ通話なども可能に

Amazon

NASAは、Amazon、Cisco、ロッキード・マーティンと協力して宇宙飛行士がAI音声アシスタントなど商用技術によって、その活動に利益を得られるかどうかを確認する実験計画「Callisto」を発表しました。

Callistoでは、Amazonの音声アシスタントAlexaおよびCiscoのWebex技術をOrion宇宙船に組み込み、音声アシスタントやビデオ通話およびホワイトボード機能といった商用コミュニケーション技術の宇宙空間での有効性を確認します。

音声アシスタントにビデオ通話といえば、映画『インターステラー』でマシュー・マコノヒー演じるクーパーが、宇宙船に届いた家族からのビデオメッセージを見るシーンが思い出されます。あの場面ではクーパーが「数十年分のビデオメッセージがたまっている」と言うコンピューターに対して「最初から再生しろ」と音声で指示を出し、それを視聴します。

実験ではそれと同じようなことを、AmazonやCiscoの商用技術で実現できないか探ってみようというわけです。

最初の試験飛行は、無人のOrion宇宙船が月を周回したのちに地球に戻るアルテミス1号ミッションで実施されます。無人で行われるため、ヒューストンの宇宙センターにいるオペレーターが、仮想の乗組員として宇宙船に音声コマンドを送信、それが船内のスピーカーで再生され、Alexaがそれに対して期待するように動作するか、Webexを使用できるかなどを確かめるとのこと。Alexaは宇宙船のテレメトリーを監視できるように組み込まれ、飛行士は宇宙船の移動速度や月まで残りの距離をたずねたりすることができるようになるでしょう。

また、ホワイトボードの機能は機内の複数のカメラを使用してテストされ、地上管制からの書き込みが機内できちんと表示されるかを確認します。地上と宇宙で落書きを送りあうのにかかる時間は、管制センターが通信の遅れに対処するための方法を検討することにも役立ちます。

深宇宙ではインターネット接続など利用できるべくもありませんが、AlexaやWebexが機能するには代替の通信ネットワークが必要になります。そのため、惑星間ミッション中の通信に使用されるNASAのDeep Space Network(DSN)が使用されます。

Amazonは、Artemis I の実験で得た知見を元に、将来のミッションのため、また地上のインターネット接続環境がほとんど利用できない人々のためにAlexaに改良を加えるとしています。また仮想乗組員として音声コマンドの送信などを体験する機会を、将来の宇宙飛行士である学生らへのSTEM教育の一環として提供することも考えています。

ゆくゆくは、宇宙船に統合された音声AIアシスタントが、長い深宇宙の旅で暇を持て余した飛行士の会話相手になることも想像できます。しかし飛行士には「何か面白いチャレンジを教えて、とだけは聞くな」とアドバイスしておくべきかもしれません。

(Source:AmazonEngadget日本版より転載)

SlackやMicrosoft Teamsなどプラットフォームを超えてチャットできる企業向けメッセージサービス「Mio」

Mio(ミオ)は、Zoom Chat(ズーム・チャット)、Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)、Slack(スラック)、Cisco Webex(シスコ・ウェブエックス)などのメッセージングサービスを横断して、企業チームの協業を支援するスタートアップ企業だ。同社は米国時間12月9日、シリーズA投資ラウンドを実施し、870万ドル(約9億9000万円)の資金を調達したと発表した。このラウンドは、Zoom(ズーム)とCisco Investments(シスコ・インベストメント)が主導した。

2016年にオースティンで設立し、Y Combinator Winter 2016(Yコンビネータ2016年冬)クラスに参加したMioは、これで総額1700万ドル(約19億3000万円)を調達したことになる。その他の投資家には、Goldcrest Capital(ゴールドクレスト・キャピタル)、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)、Two Sigma Ventures(ツー・シグマ・ベンチャーズ)、Khosla Ventures(コースラ・ベンチャーズ)、Y Combinator(Yコンビネータ)、Capital Factory(キャピタル・ファクトリー)などが含まれる。

プラットフォームを超えてチャットができることは、社内では普通、あまり問題にならないが、組織を超えて仕事をしていると問題になる。従来、この種の会話は、対面でもバーチャルでも、事前に計画されたミーティングで行われていた。しかし、新型コロナウイルス感染流行の発生により、このように社外組織と協業するユースケースでも法人メッセージングサービスへの移行が加速した。

画像クレジット:Mio

MioのCEO兼共同設立者であるTom Hadfield(トム・ハドフィールド)氏は「この分野の互いに異なるプレイヤーたちは、自分たちの壁に囲まれた庭を競合他社から遮断しておきたいと考えるのではないかと、あなたは思うかもしれません。しかし、ZoomとCiscoがMioに投資しているという事実は、相互運用性を非常に重視していることを示しています」と、筆者に語った。さらに同氏は、Microsoft(マイクロソフト)とMeta(メタ)が最近、Teams(チームズ)とFacebook Workplace(フェイスブック・ワークスペース)の統合で提携したことや、SlackとTeamsもVoIPの統合で以前から提携していることを指摘した。

「Microsoft Teams はローカルエリアネットワーク(LAN、構内通信網)のようなもので、Microsoftは常に Microsoftユーザー間でメッセージを配信します」と、ハドフィールド氏は語る。「TeamsのユーザーがSlackのユーザーにメッセージを送りたい場合、職場でのコミュニケーションにワイドエリアネットワーク(WAN、広域通信網)を経由することになります。それがMioで構築しているものです」。

CTOのJames Cundle(ジェームズ・キャンドル)氏と共同で会社を設立したハドフィールド氏によると、同社のチームはこの数年、メッセージングクライアント間の基本的な違い(Slackがカスタム絵文字をサポートしていることなど)の管理や、チャンネルの扱い方など、技術的な課題への対応に取り組んできたという。プラットフォームが異なればユーザーに課せられる制限も異なるし、APIも常に変化する。

画像クレジット:Mio

「コラボレーション業界は、2000年代初頭にAIM、ICQ、MSN、Yahoo! Messenger(ヤフー・メッセンジャー)を接続していたTrillian(トリリアン)のような『多頭型クライアント』から長い道のりを歩んできました」と、ハドフィールド氏は説明する。「10年前には、XMPPやSIPなどのオープンスタンダードが大々的に推進されましたが、標準化団体はチームコラボレーションの急速な革新に追いつくことができませんでした。Mioは、一般に公開されているAPIを連合させることでこの問題を解決しているため、各プラットフォームがそれぞれのペースで革新しても問題ありません」。

このようなサービスに対する明白なニーズがあることを考えれば、そこに多少の競争が生じることは当然だろう。Zoom(ネクストプレーン)も同様の機能を提供しており、Matrixは分散型メッセージングのためのオープンソースプロトコルを使って、SlackやDiscord(ディスコード)などの橋渡しを行っている(ただし、Teams、Zoom、Webexは含まれない)。「我々はMatrixやNextplaneと緊密に協力して、統一メッセージング・エコシステムという共通のビジョンを推進していくつもりです」と、ハドフィールド氏は述べている。

Mioは新たに調達した資金を使って、Google Chat(グーグル・チャット)やMetaのWorkplace(ワークスペース)、Symphony(シンフォニー)など、対応するメッセージングサービスを追加し、同社のサービスを強化することを計画している。また、サービス間でプレゼンス情報を同期させることができるプレゼンス統一化機能も導入する予定だ。

「コラボレーション業界の最大手2社による今回の投資は、相互運用性の新しい時代の到来を告げるものです」と、ハドフィールド氏はいう。「これによって、地球上の誰もが、どのチャットアプリを使っているかに関わらず、お互いにコラボレーションできる『コラボレーション・ニルヴァーナ(協業涅槃)』に、私たちは一歩近づきます」。

画像クレジット:Morsa Images / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

シスコ・NEC・アラクサラが重要インフラ向け機器サプライチェーンの真正性確認にブロックチェーン活用

シスコ・NEC・アラクサラが重要インフラ向け機器サプライチェーンの真正性確認にブロックチェーン活用

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月24日~1月30日の情報から。

アラクサラネットワークス(アラクサラ)とシスコシステムズ(シスコ)および日本電気(NEC)は1月29日、国内の重要インフラに向け情報セキュリティ対策における戦略的協業を発表した

製品の製造から実際に稼働するまでの一連のサプライチェーンについて、シスコから出荷された製品の真正性をアラクサラが強化・確認するセキュアサプライチェーンマネージメントにより安心・安全を担保。NECは、2021年4月以降順次ネットワークシステムとして顧客向けに販売を開始する。

現在、サイバー空間における脅威が深刻化している中で、重要インフラにおけるネットワークシステムは、サプライチェーンの信頼性の向上やサイバー攻撃などによる障害発生の低減など、インフラサービスの安全かつ持続的な提供が求められている。また、ネットワークシステムの運用・管理の効率性も重要という。

今回の協業は、この状況に対応するもの。シスコとNECは重要インフラを支える情報通信機器の提供を長年にわたって行っており、ネットワークの高信頼化・セキュリティ・運用管理技術を持つ国産ベンダーのアラクサラとも連携することで、より優れたソリューション提供を目指す。

具体的な協業として、シスコはグローバルに展開しているルーター製品をアラクサラに提供。アラクサラは、大規模WANアグリゲーション向けルーターCisco NCS 5500、560および540の真正性(Authenticity)確認や連携するソフトウェアを開発し、Cisco NCS 5500/560/540 Trusted by ALAXALAとしてNECに提供する。NECは、2021年4月以降順次ネットワークシステムとして顧客向けに販売を開始。当面はNECからの販売となるものの、その他のアラクサラの販売・保守パートナーを通じた販売も行う。ターゲット市場は、電力、道路・鉄道、政府・自治体、通信事業者といった重要インフラを担う企業や機関。

また、製品の製造から実際に稼働するまでの一連のサプライチェーンについて、シスコから出荷された製品の真正性をアラクサラが強化・確認するセキュアサプライチェーンマネージメントにより安心・安全を担保する。

アラクサラは、同社のセキュリティ・運用管理ソリューションについて、Cisco NCS 5500、560および540の基本ソフトウェアIOS XRのAPIを利用し連携させることで、ネットワークシステムの状況の把握・運用支援を可能にする。将来的には、3社の技術を連携させた、運用中のネットワーク機器の脆弱性を標的としたコードインジェクションによる不正命令実行・プログラム改変などを監視し、よりセキュアな運用管理ができるソリューション提供を目指す。

シスコとNECは2020年2月、安全保障領域や重要産業インフラ向けとして、ブロックチェーン技術を活用しサプライチェーン管理を強化したネットワーク機器を提供すると発表。機器固有IDやデジタル署名など複数の技術要素によってハードウェアとソフトウェアの両面から機器の真正性を確認するシスコ独自のTrustworthy技術、メモリー容量が少ない機器や遅延時間制約の厳しい機器向けのNEC開発による軽量改ざん検知技術、またNECのブロックチェーン技術を組み合わせ、製品出荷前・構築時・運用中の真正性を確認するプロセスの強化を開始している。

シスコ・NEC・アラクサラが重要インフラ向け機器サプライチェーンの真正性確認にブロックチェーン活用

この取り組みでは、両社の技術によって検査した履歴情報をブロックチェーンに記録。ネットワーク管理者は、出荷検査・ネットワーク構築・運用中の各タイミングで、シスコ機器の真正性を監視できるという。対応機器をネットワークシステム全体に拡大することで、サプライチェーン全体を通した真正性を管理できるよう、今回の協業に先駆け取り組みを進めてきた。

関連記事
日立とみずほがブロックチェーン活用した金流・商流・物流の一体管理とサプライチェーンファイナンスの実証実験
FBIとNSAが米連邦機関で進行中のハッキングは「ロシア起源の可能性が高い」と述べる
トレードワルツと三菱商事など計5社がブロックチェーン基盤の貿易情報連携による電子化実証事業
米国の新型コロナ追加経済対策にファーウェイとZTEの機器排除費1965億円が含まれる
サイバーセキュリティ企業FireEyeが「国家の支援を受けた」ハッカーから攻撃されたと言及
英国がファーウェイの5G機器設置禁止を2021年9月発効に前倒しへ
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.11.8~11.14)
ロシアと北朝鮮のハッカーが新型コロナワクチン製造会社を標的にしているとマイクロソフトが指摘
暗号資産・ブロックチェーン業界の最新1週間(2020.9.13~9.19)
三井物産流通とNTTコミュニケーションズがイーサリアム基盤のサプライチェーンDX実証実験推進で合意
米司法省が米企業へのサイバー攻撃容疑で中国ハッカー集団5人を起訴
Ciscoがソフトウェアサービス部門充実のためインターネット監視ソリューションのThousandEyesを買収
米国土安全保障省がイランからのサイバー攻撃に備えるよう企業に警告

カテゴリー:セキュリティ
タグ:アラクサラネットワークスエンタープライズサイバー攻撃(用語)サプライチェーン(用語)Cisco Systems / シスコシステムズ(企業)日本電気 / NEC(企業)ハッカー / ハッキング(用語)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

CiscoがイスラエルのPortShiftを買収、DevOpsとKubernetesのセキュリティを強化

Cisco(シスコ)は、セキュリティソリューションの拡大に向け、また1件買収を実行する(Ciscoブログ)。今回は、特にDevOpsとコンテナマネジメントが対象だ。Kubernetes(クバネテス)ネイティブのセキュリティプラットフォームを開発したイスラエルのスタートアップであるPortShift(ポストシフト)を買収する。

取引条件は明らかにされていないが、イスラエルのメディアであるGlobesは買収当日の遅い時間に1億ドル(約106億円)と報じた(TechCrunchが現在確認中)。PortShiftは軍出身のサイバーセキュリティのグループが創業したTeam8(チーム8)から約530万ドル(約5億6000万円)を調達した。Team8はイスラエルのセキュリティスタートアップのインキュベーターであり投資家だ。CiscoはMicrosoft(マイクロソフト)やWalmart(ウォルマート)とともにTeam8を支援する大企業(未訳記事)の1つだ(実際彼らがTeam8に参加しているのは、開発中の最先端テクノロジーを早期に調べて情報を得るためでもあり、創業者が最近の企業のセキュリティニーズを理解する一助とするためでもある)。

この買収はコンテナ化、特にKubernetesが数々の企業をどのように掴んだかだけでなく、この分野で働き、コンテナ化とKubernetesを中心にビジネスを構築している人々がその周りのセキュリティにますます注目していることを裏付けている。

他の企業もコンテナとその保護方法に力を注いでいる。CiscoがPortShiftを買収すると決めたようなM&A取引は、大手ハイテク企業がこの分野に賭けている例であり、エンドユーザーの製品に対する幅広い需要も示している。2020年初め、Venafi(ベナフィ)はKubernetesの証明書のコントローラーを扱うJetstack(ジェットスタック)を買収した(未訳記事)。StackRoxは2020年9月に、Kubernetesセキュリティへの独自のアプローチのためにHPEを含む投資家から資金を調達した。

Ciscoの場合、この買収はいくつかの点で戦略的な適合性がある。CiscoはGoogle(グーグル)とクラウドサービスの長年のパートナー(未訳記事)であり、それに関連してCiscoはコンテナ化に関するサービスを何年にもわたって構築してきた。また、サイバーセキュリティの分野でも多くの買収を行っている。Duoを23億5000万ドル(約2490億円)し(未訳記事)、OpenDNSを6億3500万ドル(約670億円)で(未訳記事)、そして最近ではBabble Labsを買収した(Babble Labsはビデオ通話のバックグラウンドノイズ低減を手がける。品質が向上するだけでなく、ユーザーが不要なチャットやプライベートなチャットを意図しない相手に誤って聞こえないようにすることもできる)。

しかし、Emerging Technologies and Incubation(ET&I)GroupのSVPであるLiz Centoni(リズ・セントーニ)氏がブログ投稿で述べているように、Ciscoはこの直近の買収により、ネットワーク上の人々を安全にするための投資とともに、顧客がアプリケーションとワークロードをより安全にするという点にも注意を向けている(DuoやBabble Labsのような企業の買収の主な目的)。

コンテナの分野では、多くの領域でコンテナアーキテクチャー周りにセキュリティの問題が発生する可能性がある。ミスコンフィギュレーションが原因になる可能性もある。アプリケーションの監視方法が原因かもしれない。または、開発者がオープンソースライブラリーをどのように使用するか。企業は規制コンプライアンスをどう守るか。その他のセキュリティの脆弱性には、安全でないコンテナイメージの使用、コンテナの相互作用に関する問題、不正なプロセスに関わるコンテナの使用、コンテナがホストから適切に分離されていない点などが含まれる(The State of Security記事)。

セントーニ氏は、PortShiftにCiscoが関心を寄せたのは、PortShiftが上述したようなKubernetesセキュリティの多くの側面をカバーするオールインワンプラットフォームを提供しているからだと述べている。

「今日、アプリケーションのセキュリティスペースは非常に細分化されており、多くのベンダーが取り組んでいるのは問題の一部のみにすぎない」とセントーニ氏は述べている。「Portshiftチームはクラウドネイティブアプリケーションのライフサイクルの大部分にまたがる機能を開発しています」。

PortShiftは、コンテナ構成の可視性、脆弱性管理、構成管理、セグメンテーション、暗号化、コンプライアンス、自動化を向上させるためのツールを提供している。

買収はCiscoの2021年会計年度の前半に完了する予定だ。その頃にPortShiftのチームがCiscoのET&Iグループに参加する。

関連記事:Ciscoがビデオ会議から周辺ノイズをAIで取り去るBabbleLabsを買収、子どもの声や私語、芝刈機の音も消せる

カテゴリー:セキュリティ
タグ:CiscoPortShift買収

画像クレジット:Frank McKenna / Negative Space

原文へ

(翻訳:Mizoguchi