記事や広告コピーのタイトルを評価して改良方針を示唆するSharethroughのHemingwayツール

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ライターや編集者の多くが同意すると思うが、記事のタイトル(大見出し)*を書くのは難しい。その記事の重要な内容を伝えていて、しかも面白くて、見た人がちょっと気になるタイトルをひねり出すのは、容易ではない。〔*: 英語では’headline’、ヘッドライン。〕

一方、企業やマーケターも独自のコンテンツを作っているから、悩みは同じだ。ネイティブ広告の広告屋さんSharethroughはこの問題を、Hemingwayと名付けた新しい無料のプロダクトで解決しようとしている。それは、タイトルを見て評価し、点をつけ、その改良アイデアを提供するサービスだ。

SharethroughのCEO Dan Greenbergによると、そのねらいはマーケティングやコンテンツの素材をどれも、画一的でUpworthy的なタイトルにすることではない。むしろ彼によると、これからは“正直で率直でストレートなこと”が尊重される時代になるから、タイトルも、何かをほのめかしているものではなく、何を言ってるのかずばり分かるのが好まれる。

要するに、今までやたら多かった“さあ!これからどうなるのでしょう?!”スタイルのタイトルは、クリックを誘うための釣り餌だ。しかしそれでもなお、実際にそれをクリックする人はとても少ない。だからむしろ、メッセージそのものをダイレクトに伝えるタイトルの方が、理にかなっているのではないか。たとえ人びとがその記事を読んだり、ビデオを見たりしなくてもよいように、だ。しかも企業や製品をプロモートしなければならないマーケターにとっては、このことはなおさら重要だ。広告のインプレッションからお金を得ようとするニュースサイトなんかよりも、ずっと重要。

Greenbergはこう主張する: “もしもぼくがTeslaやVolvoなら、タイトルがすべてだね。Webサイトに誰かが来るとか来ないとか、そんなことはどうでもよい。人びとがそのタイトルを見て、何かを分かってくれれば、それでよい。製品について、新しい認識を持ってくれれば、それでよいのだ”。

それは、理論的にはすごく正しいと思えるが、Hemingwayはそれをどう実践しているのか? Greenbergによるとそれは、モバイル広告の広告効果を測定するためにSharethroughが行った調査の結果に基づいて、既存のタイトルの評価(点付け)や、ベストプラクティスの提案をしている。評価点は複数種あり、それらによって、タイトル案のエンゲージメント力を評価したり、あるいはタイトルを見たけどクリックしなかった人たちへのブランドリフト力を評価したりしている。

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当然ながら、ぼくもこいつを試さざるをえない。ぼく自身の最近のタイトルをいくつかHemingway氏に見てもらったが、その評価結果は辛い。どれもこれも、“平均的(average)”と言われた。この評価には、本誌TechCrunchの読者が多数、貢献している、とぼくは疑っている。〔←もちろんジョーク〕

この記事のタイトル「Sharethrough grades your headlines with its new Hemingway tool」(Sharethroughはあなたのタイトルを同社の新しいHemingwayツールで評価する)も、試してみた。得点は70点、ポジティブ(良い)の項目ではHemingway氏曰く: (1)ポジティブな感情の使い方が多すぎない、(2)企業名や製品名がある、(3)アクションを表現する言葉(アクティブな言葉)を使っている。一方、ネガティブ(悪い)の項目では: (1)タイトルが長すぎる、(2)抽象的な描写でなくもっと具体的な状況を示唆する言葉(context words)を使え…たとえばセレブを利用するのはどうか、だとさ。

ぼくの場合残念ながら、適切なセレブが思い浮かばなかった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ボストンのスタートアップ、SnapAppが1200万ドルを調達―B2Bの対話的マーティングツールを提供へ

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コンテンツ・マーケティングのSnapAppがシリーズAのラウンドで1200万ドルを調達した。

ボストンを本拠とするこのスタートアップは、計算器クイズ対話的ビデオ、インフォグラフィックスその他オンラインで利用可能なさまざまなマーケティング・ツールを制作している。企業のマーケティング部門、ことに他の企業にプロダクトを販売しようとするB2Bのマーケティング部門にとってSnapAppのツールは利用価値が高い。

SnapAppのCEO、Seth Liebermanはメールで次のように説明した。「対話的コンテツはマーケティング・ツールの未来だ。対話性に本質的に備わるユーザーを引き込む力がこうしたコンテンツを魅力的なものにしている。われわれのツールの対話性のおかげで、マーケッターは見込み顧客により優れた教育効果を提供できるだけでなく、見込み顧客が将来直面するであろうさまざまな問題に関していち早く圧倒的なビジネス情報をつかみ、解決策に誘導することが可能になる」

SnapAppのツールはOracle、Cisco、EMCなどの大企業に採用されている。興味あるユーザーはSnapAppのサイトで無料のサンプルを試すことができる。

今回のラウンドで資金を提供したのはProvidence Equity Partnersだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ランサーズとアイレップが提携、クラウドソーシングを使ったコンテンツマーケ支援事業

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クラウドソーシングサービスを展開するランサーズとマーケティングエージェンシーのアイレップは6月8日、コンテンツマーケティング領域での業務提携を締結した。2社は共同でコンテンツマーケティング支援サービス「ONE CUSHION(ワンクッション)」を提供する。

ONE CUSHIONは、ランサーズに登録するライターに対して試験を実施して、人材を選抜。試験に合格したライターに限定してクライアントワークを発注することで、クライアントは品質の高いコンテンツをもとにしたコンテンツマーケティングを実現できるというもの。ライターのアサインやディレクションをランサーズが、クライアントとのコミュニケーションや最終的な校正等をアイレップが担当する。

このONE CUSHION、もともとランサーズ、アイレップがそれぞれ今まで提供してきたサービスの強みを組み合わせたモノだという。

企業がオウンドメディアを立ち上げるなどして、コンテンツ(記事など)をフックに、消費者や顧客との関係性を築くことを指すコンテンツマーケティング。ランサーズ上にはこれまでもコンテンツマーケティングに向けた記事作成——1記事数十円〜数百円という、価格重視で品質を問わないモノかから、特定分野に特化したライターでないと書けないような比較的高単価のものまで——の依頼は数多くあったし、例えば「金融」といったテーマに特化した記事作成に特化したメディアにライターのリソースを提供するといった法人向けのビジネスも行ってきているのだそうだ。

またこれまでSEMや広告運用などを通じて企業のマーケティング支援をしてきたアイレップでは、2年ほど前から編集プロダクション(編プロ)などライターを束ねる企業と組み、コンテンツマーケティング事業を進めてきた。

アイレップが事業を進める中で課題を感じていたのは、コンテンツの品質。例えば著名な編集プロダクションと組んでも、その品質は実際に記事を書くライター個人の能力によって左右されるため、「ライターのアサイン状況次第では満足できない結果になっていた。ライターの高度な標準化が必要になった」(アイレップ取締役の下山哲平氏)という。その解決策として、同社では社内で編集・校正の機能を持つようになったのだという。

だが最終的な品質のチェックを社内でするのであれば、編集機能のある組織と組むよりも、クラウドソーシングようにライターが集まるプラットフォームと組む方が安価なわけだ。そんなことから複数の事業者と話し合いを進め、今回のランサーズとの提携に至ったのだそう。「(クライアントから来た)案件をそのままプラットフォームに投げるのではなく、間に入ってクライアント、ライターの両方とコミュニケーションをとるディレクターが必要。そこに投資をし、注力しているのがランサーズだった」(下山氏)。

 

“インフォグラフィックを作る”から”いろんなビジュアルコンテンツを作って売る”に変わったVisuallyが$8.1Mを調達

インフォグラフィックが嫌いな人には凶報だ。インフォグラフィックのマーケットプレースだと思われているVisuallyがこのほど、シリーズAで810万ドルを調達した。

でも最初インフォグラフィックを作るツールを提供していた同社は、その後マーケットプレースに変わり、インフォグラフィックがほしい企業と、それを有料で作る人を結びつけるようになった。

それとともにVisuallyは、インフォグラフィック専門ではなくなり、今では“ヴィジュアルコンテンツの世界的マーケットプレース”を自称している。このサイトのおすすめページを見ると、圧倒的に多いのはインフォグラフィックだが、ほかに対話的グラフィクスビデオもある。協同ファウンダでCEOのStew Langille(前はMint.comのマーケティング部長)によると、今後はモバイルアプリも扱っていくそうだ。

“プラットホームを限定しないものを提供していきたい”、と彼は言うが、Visuallyが扱わないコンテンツもあるのだろうか? “うちが売るのは、ストーリー性のあるコンテンツだね。企業のロゴのデザインなんかは、ストーリー性がないから、やりたくないね”、だと。

Visuallyのマーケットプレースをこれまで利用した企業の中には、AOL(本誌TechCrunchのオーナー)、Red Bull、Twitter、NBC、P&Gなどがいる。一般のクリエイティブエージェンシーに比べると、納期は1/3、料金は半値以下だそうだ。だから、彼らとの商戦には勝つことが多い。クリエイティブエージェンシーもそれなりの存在価値はあるけど、企業のコンテンツやキャンペーンでは最近ますますVisuallyが利用されることが多くなっている、とLangilleは曰(のたま)う。

“エージェンシーの仕事は効率が悪いから、仕事がうちに来ることが多くなってるんだよ”、だそうである。

今回の投資ラウンドを仕切ったのはCrosslink Venturesで、Correlation Ventures、SoftTechVC、500 Startups、Giza Ventures、Quest Ventures、Kapor Capitalらも参加した。CrosslinkのEric Chinが、Visuallyの取締役会に入る。

810万ドルのうち、VCからの投資は610万ドル、残る200万は転換社債だ(昨年発表)。2011年にはシード資金200万ドルを獲得している。

今後は、コンテンツの種類を増やすとともに、カスタム化の充実、制作の自動化、制作後のコンテンツの流通のためのツールの充実を図りたい、とLangilleは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ソーシャルメディア・キュレーションサービスを展開するStorify、コラボレーション機能およびエクスポート機能を追加

ソーシャルメディアのキュレーションサービスを展開するStorifyが、新機能のリリースを行った。Storifyは、企業ブランドなどによる利用を増やしつつあるが、そうした利用者に大いに歓迎されそうな機能だ。

最も注目されるのは、共同編集(コラボレーション)機能だろう。これまではStorifyを複数の利用者で使おうとした場合、全員でひとつのアカウントおよびパスワードを共有する必要があった。もちろんこうした方法は望ましいスタイルではない。政治的な話をするときに、人とアカウントをシェアすることを気味悪く思う人も多いだろう。

この度の改良により、パスワードを共有してひとつのアカウントで作業するのではなく、別の利用者にもアカウントを利用する権利を付与できるようになった。また編集内容を間違って消してしまったり上書きしてしまったりするのを防ぐために、コンテンツをロックする機能も追加された。ところで当方では、新機能がリリースされる前に少し使ってみることができた。その時の様子では、誰かが編集しているときに別の人も同じ記事を編集しようとすると、編集中の人に通知が送られるようになっていた。この通知に応じて保存して作業を終了(別の人に編集権を渡す)したり、あるいはそのまま作業を継続することができる(この場合は編集権は移動せず、新たに編集しようとした人は、すぐには編集を行うことはできない)。将来的には、同じ記事についてでも、異なるセクションならば複数の人が同時に編集できるようにしたいと考えているそうだ。また、それぞれの人に応じたパーミッションレベルの導入も行いたいとのこと。

また、StorifyをPDFとしてエクスポートする機能も追加された。すなわちビジネス目的で作成したStorifyをクライアントに見せようと思った場合、メールで添付できる形にするために新たな編集作業を行ったりする必要はなくなったわけだ。

尚、これらの機能が利用できるのはStorifyの有料利用者だ。有料サービスというのは、今年になってから導入されたもので、VIPBusinessのプランが用意されている。共同ファウンダー兼CEOのXavier Dammanによると、有料利用者は130以上となっているのだそうだ。ジャーナリストやメディア企業が大いに興味を示しているStorifyではあるが、実は利用者の90%がパブリッシャーではないのだそうだ。実はそうした傾向を目にしてDammanは企業向けの有料サービスも構築することとしたのだそうだ。すなわち、既存のメディアには担い切れない部分があると、多くの人が考えているのだと考えたわけだ。

パブリッシャー以外にどのような人が利用しているのかと言えば、スポーツチームや大学などでも利用されているとのこと。そしてやはりメーカー・ブランドや、そのブランドの販売などを行うエージェンシーからの利用が多いのだそうだ(有料版のリリースにあたっても、そうしたメーカーからのストーリーを展開する場所としての役割を強調していた)。

「メディアとブランド、ないしコンテンツマーケティングが展開される場は多様になってきました」とDammanは言う。「ブランド側も独自のストーリー展開を試みるようになってきており、そうした中、ジャーナリストが利用していたツールを利用するようになってきているのです」。

そもそもはメディアによる利用を想定していたStorifyだが、時代の流れに乗って、その活躍範囲を広げつつあるということのようだ。DammanおよびStorifyの他のメンバーたちの多くもジャーナリストとしての経験を持つ。今後も双方にとって有益なツールを提供して行きたい考えだ。

ところで、今回の発表には有料利用者以外にも関係するものがある。すなわち、上に掲載したように、綺麗に並んだグリッドビューが利用できるようになっており、これは全利用者が使うことができるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)