Cyanogen Inc.の実質倒産でCyanogenModは新たに‘Lineage’へフォーク

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クリスマスの休暇もそろそろ終わる、と思っていたら、Cyanogenのファンにはジェットコースターのような急変が待っていた。昨日(米国時間12/23)Cyanogen Inc.は突然、CyanogenOSのサポートを打ち切る、と発表し、短い声明で“すべてのサービスとCyanogenがサポートしてきたナイトリービルドが”年内に中断される、と告げた。

今日(米国時間12/24)発表された“A Fork in the Road”と題するポストでは、CyanogenMod(CM)を作ってきたチームが、その前の発表が結果的に自分たちのプロジェクトに“とどめを刺した”、と認めた。チームはこう述べている:

“インフラが使えなくなっただけでなく、われわれCMを作ってきたコミュニティはCMの将来の方向性について何も決められなくなった。ファウンダーのSteve Kondikの個人的リスク負担により、彼のビジネスおよび夢として始まったこの資産およびブランドは、何らかのサードパーティ法人に売られることになるだろう。グループを維持して、自力でインフラストラクチャを再構築できたとしても、その後のCMの開発は、ブランドがいつか売られるかもしれないという懸念の暗雲の下(もと)で行われることになる。”

しかし、昨日のそっけない発表にはコミュニティの多くが不意を突かれたとしても、チーム自身は懸命に生き残り策をさぐっていたようだ。数週間前にはCyanogen Inc.がだしぬけに、協同ファウンダーでTwitterハンドル@cyanogenの保有者であるSteve Kondikと絶縁し、そのとき、Lineageという言葉が浮上してきた。

そして今や、Lineageは正式の名前になった。CyanogenModのチームは今では、社名〜ブランド名を変えただけだ、と言い張っている。“最近のCMはプロフェッショナルなクォリティーと信頼性を十分期待できるまでに成長してきたが、元々それは、草の根的なコミュニティのの努力である。今回のフォークは、CMのそんなルーツへの回帰だ”、と彼らは声明している。

Lineageのソースコードは今GitHubで入手できるが、来年、企業としてのより正式な存在になれば、それにふさわしい形になるものと期待される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CyanogenのMODプラットホームでアプリとOSの深い統合が可能に

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ふつうモバイルアプリはそれ独自のユーザー体験であり、オペレーティングシステムと仲は良いが、それに完全には統合されていない。AndroidをベースとするCyanogen OSを作っているCyanogenが今日(米国時間2/22)ローンチしたMODは、オペレーティングシステムにもっとダイレクトに統合化されたアプリを作れる、というデベロッパープラットホームだ。

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‘オペレーティングシステムにもっとダイレクトに統合化’とはどういう意味かというと、通常はOSのデベロッパーしか使わないような多くのネイティブAPIへのアクセスを提供し、アプリのより統合化されたバージョンや、既存のアプリのエクステンションを作れるようにする、という意味だ。

このやり方にはセキュリティ上の問題もあるので、Cyanogenは特定少数のデベロッパーにしかこのプラットホームを公開していないが、長期的にはすべてのデベロッパーに公開したい、という。

Cyanogenによると、このような’mods’(OSに対するハック)が“アプリの進化を促進し、‘ポストアプリの時代’の先駆けになる”、のだそうだ。

実際にMODで何ができるかというと、たとえばデベロッパーは、自分のVoIPアプリを直接、Androidのダイアラーアプリへ統合できる。CyanogenのチームはSkypeでそれをやってみて、その成果はたぶん、Cyanogen OSの次のアップデートで、ほかのMODsたちと一緒に同梱されるだろう。

Skypeの統合があると、Cyanogen OSのユーザーは、ダイアラーから直接、ふつうの電話ネットワークか、それともSkypeにするかを選べる。これまでのように、個々のアプリ独自のダイアラーというものは要らない。

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CyanogenはMicrosoftと関係が深くなっているので、CyanogenのチームはMicrosoftのパーソナルアシスタントアプリCortanaの音声認識サービスをカメラアプリに統合した。すると、カメラのボタンを操作しなくても、音声でセルフィー(自撮り)が撮れる。MicrosoftのHyperlapseも、カメラアプリに直接統合するつもりだ。

さらにCyanogenは、MODを使ってより対話的なロックスクリーンを作り、ユーザーがOSにログインしなくても、お気に入りのソーシャルネットワークからアップデートが分かるようにした。

このプラットホームは、来月のCyanogen OS 13.0のローンチで、Cyanogenデバイスに展開される。

また、MODを使いたいと言っている同社のOEMやMNOパートナーたちのためのプログラムも立ち上げようとしている。Cyanogenはこれらのパートナーに開発キットを提供し、また、ソフトウェアと最新世代のチップセットとの互換性の確立に努めている。

CyanogenとCyanogen OSは今だにニッチのプロダクトだ。だから、このような新しい軽量アプリの開発に時間や労力を投資するデベロッパーがどれだけいるか、が問題だ。iOSとAndroidのアプリを作るだけで、手一杯かもしれない。でも、多数のデベロッパーが関心を持たなくても、このやり方自体は文句なしにおもしろいから、ほかのOSのベンダたちも同じ道を志向するかもしれないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Cyanogenスマートフォンをついにヨーロッパでキャリアがサポート、強敵Google Androidに対する勝算は?

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オープンAndroidのCyanogenフレーバーが、ヨーロッパでキャリアから少し愛されようとしている。というのもSpainのTelefonicaが今日(米国時間11/12)、このモバイルOSを載せたスマートフォンBQ Aquaris X5を、Movistarというキャリアブランドでローンチするのだ。

この機種は、Telefonicaのドイツとイギリスのキャリアでも年内にローンチする予定だ。とくにイギリスでは来月、O2から提供される。またMovistarによると、このブランドが進出しているほかの国でも、そのうち発売される。

お値段は、スペインのMovistarのSIMフリー機種は209ユーロ、2年契約なら月額わずか8.7ユーロだ。

ハードウェアとしては、5インチのディスプレイ、プロセッサはSnapdragon 1.4Ghzクワッドコア、RAM 2GB、内部メモリ16GB、リアカメラ13MP、…と見てくると、まぎれもなくモバイルのミッドレンジ機だ。OSはCyanogen OS 12.1、これはAndroid 5.1.1(Lollipop)がベースで、独自の機能として、データを共有する場合のプライバシー制御や、スパム検出機能のある発信者番号通知などがある。後者は、CyanogenとTruecallerとのパートナーシップによる。

Cyanogen自身はこのところ相次ぐ投資台風に襲われていて、3回のラウンドでなんと計1億1500万ドルも調達した。投資家はAndreessen Horowitz、Index、Qualcomm、Foxconnなど大物揃い。彼らは、“中身の濃い”モバイルプラットホームとしての将来性に賭けているのだ、とCEOのKirt McMasterが2013年の時点で述べている。

でも今のモバイルは、GoogleフレーバーのAndroidが支配しているのではないか? 勝てないなら敵陣に加われ(If you can’t beat ‘em, join ‘em)、という古いことわざがあるが、Cyanogenの場合は敵陣に加わりつつ、ひと味ふた味違ったところを見せる、という戦法だ。

すでにOEMのレベルでは、イギリスのWileyFoxや中国の OnePlusなどがCyanogen機を作っているが、キャリアのレベルでのサポートが得られたことは今後にとっての意味が大きい。しかもTelefonica系のストアでは、お客が、買う前に試用できるのだ。

途上国を対象とするMozillaのFirefox OSも、キャリアのサポートが得られるようになってから約30か国で使われるようになった。Cyanogenはターゲットがそれより大きいから、いろんな市場でAndroidと直接対決するだろう。キャリアが採用したことの効果については、今後を見守るしかない。

でも、グローバルにシェアの大きいAndroidの中で、強力な選択肢が増えることは、消費者にとって良いことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

スマートフォンの新進スタートアップOnePlus, CyanogenMod搭載でカスタマイズの自由を強調

スマートフォンは機種によってどれも他と違う性格を持っているが、今度出たOnePlus Oneは(HTC OneのOneと混同しないこと)、仕様的にはもっとも高価格帯に属するスマートフォンと肩を並べつつ、しかしお値段的には彼らよりも広い客層をねらっている。OnePlus Oneは白の16GBバージョンが299ドル、黒い64GBが349ドルで、5月半ばに発売される。より魅力的なスペックと、より買いやすい価格でNexusキラーをねらっており、CyanogenModの搭載によりユーザ体験のカスタマイズの幅が大きいことが特長だ。

OnePlus OneのプロセッサはSamsung Galaxy S5と同じSnapdragon 801 2.5GHzクァドコア、RAM 3GB、5.5インチ1080pのIPSディスプレイをGorilla Glass 3が保護、Sony製13MPのリアカメラは4Kのビデオも撮影可、フロントカメラは5MPだ。バッテリーは3100mAh、デュアルバンド802.11ac WiFi、Bluetooth 4.0、さらにGSM、WCDMA、そしてLTEに対応。

〔ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。〕

電池が交換できない、microSDカードのスロットがない、など不満もあるが、OSにCyanogenModを採用していることは、それだけでもおもしろい。OnePlusのファウンダPeter Lauは元OppoのVPで、Oppoの旗艦機N1にこのAndroidフォークを搭載した張本人が彼だ。Oneの背面には、OnePlusのマークと並んでCyanogenのロゴが彫られている。ありとあらゆるカスタム化が可能、オープンなアクセス、ROMをフラッシュできる、SMSの暗号化、などが最初からサポートされている。

5月半ばにローンチされるのは、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、台湾、イギリス、そしてアメリカ合衆国だ。今のスマートフォン市場で新興企業が先頭集団に食い込むことはきわめて困難だが、この製品に込められた同社の主張には力が感じられる。どれだけの消費者が、今の快適なOEM製品を捨てて新しい冒険を楽しむか、それを見守りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


CyanogenがOppoスピンオフOnePlusとパートナーシップ, CyanogenMod機共同開発へ

Androidの変種実装系の中で最大の人気を誇るCyanogenModのメーカーCyanogen Inc.は昨年、Benchmark CapitalとAndreessen Horowitzから二回分けて計3000万ドルを調達し、そのお金を使って、それまでギークしかその名を知らなかったプロジェクトをメインストリームに押し上げる努力をしてきたが、このたび、CyanogenModを実機上に展開する技術と経験を持つOnePlusをハードウェアパートナーに迎えた。

実機展開の技術と経験のある者とは、中国のOEM Oppoの元VP Pete Lauで、彼はOppoのスマートフォンN1にCyanogenModを載せた経験をもとにOnePlusを創業した。彼が、その技術はビジネスになる、と信じたのは、OEMにとってそれが、オリジナルのAndroidの実装作業ほど簡単容易ではなく、特殊な作業になるからだ。

Cyanogenとのパートナーシップを発表するブログ記事でOnePlusは、“CyanogenModのチームと協働することによって最良のハードウェアと最良のソフトウェアを結びつけたい。彼らは今、特殊な機能や仕組みを持った、CyanogenModのカスタムバージョンを開発中である”、と言っている。つまり、Google起源のAndroid機Nexusのように、Cyanogen起源のCyanogenMod機を作るのだ。

この、パートナーシップの最初の成果については、具体的な説明がない。N1に搭載されたCyanogenModとどこがどう違うのか、…情報は乏しい。標準Android側からの批判などもない。でも雰囲気としては、ミッドレンジのデバイスではない。OnePlusにとっては“未曾有の高規格機”だ、と言ってるぐらいだから、高級機になるのだろう。

“高速で、クリーンで、ビューティフル”とも言っているが、これも具体性のない言葉だ。この縁組から一体どんな子が生まれるのか、それに関する情報はとても少ない。しかし確実なのは、ギークの玩具から一般消費者にも喜ばれるCyanogenModへの変身だ。

OnePlusのOnePlus Oneと呼ばれるそのAndroid機ならぬCyanogenMod機は、発売予定が今年の前半だ。最初は発売地域を限定すると思うが、その次は当然、全世界への展開となる。

この記事の出典は : @whatthebit

[画像はFlickrJohan Larssonより]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android代替実装系CyanogenModのインストーラアプリをGoogleはPlayストアから排除へ

【抄訳】

意外と早かったね。GoogleはCyanogen Inc.に対し、同社のAndroid変種バージョンのインストーラをGoogle Playのストアから取り下げるよう求めた。

Cyanogenは、ギークたちに人気のあるそのAndroidアフターマーッケットバージョンCyanogenModを、正規のAndroidやiOSなどとも互角に競合するメジャーな存在にしていくために、9月にはBenchmark Capitalから700万ドルの資金を調達していた。

そのための取り組みの端緒として同社は、今月初めに、技術知識のないAndroidユーザでも自分のデバイスのROMをフラッシュできるように、CyanogenModのインストーラアプリをリリースした。

ところが、昨日のブログでCyanogenは、 Google Playのサポートチームから、そのアプリを取り除くよう求められた、と述べている。その理由は、Playのデベロッパ約定違反で、取り去らなければ強制的に排除する、とGoogleは言っている。

Cyanogenが自社製のAndroid変種の人気を高めようとする努力が、どうやらGoogleの逆鱗に触れたようだ。

なぜそのインストーラアプリを取り去るようCyanogenに求めたのか、Googleに問い合わせているが、まだ返答はない。

【中略】

Androidはオープンなプラットホームだから、Cyanogen自身のWebサイトをはじめ、いろんなところからCyanogenModをインストールできる。ただし、そのやり方は、Google Playから入手したインストーラアプリを単純に動かすことに比べると、少々面倒だ。

その点に関してCyanogenはブログ記事で、“今回のトラブルを克服するために、今後は弊社自身のホスティングサービスからCyanogenModをインストールできるようにしたい”、と言っている。

今の一般市販のAndroid携帯の上のAndroidオペレーティングシステムは、キャリアが独自の加工を施したものが多い(スキンの独自化など)。またそのために、本来のAndroidよりも動作が遅くなっているものも少なくない。高性能なクリーンOSと、その上の、正規のAndroidにない高度な機能(OpenVPNクライアントなど)を使いたい人にとっては、CyanogenModはこれからも重要な選択肢だ。ちなみに、Googleから排除を命じられるまでの2週間あまりで、そのインストーラアプリは数十万回ダウンロードされた。需要や関心がとても多い、ということだね。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidを勝手に改良したCyanogenModに待望のインストーラが登場

700万ドルのシード資金を数か月前にBenchmark Capitalから調達した‘勝手に改良Android’のCyanogen Inc.がその当時持っていたビジョンは、Androidの同社が独自に料理したバージョンがiOSや正規Androidに次いで第三位のモバイルOSになるという、ささやかなものだった。

しかしそのためには、そのCyanogenModと呼ばれる実装をできるだけ多くのデバイスに載せる必要がある。そこで今日同社は、そのための大きな一歩を踏み出した。ハッキング趣味のないふつうの人でも自分のスマートフォンでその改良OSを使えるための、インストーラアプリをGoogle Play Storeから提供開始したのだ。

たかがインストーラが、なぜニュースになるの? それまでCyanogenModを自分でインストールする過程は、ほとんどの人がびびってしまう茨の道だった。また、インストールに成功しても、すぐにそれが動く機種と、ドキュメンテーションを読みながら、そしてときどき頭を抱えながら、苦労しなければならない機種もある。これでは、今後多くの機種に載ることなど、ありえない。

しかし今回出たインストーラも、一筋縄では使えない。インストールするとき、補助的にWindowsアプリケーションを使う必要がある*。Mac用の補助アプリケーションも近く出る。また現在サポートされているデバイスのリストも、ごく限られた機種だけだから、マスマーケットへの浸透はまだ先の話だ。〔*: Linux用のインストーラ補助アプリケーションは出る予定がない。スマホをUSBでPCにつないだら、Linuxの場合はコマンドラインからインストール作業を進める。詳細はフォーラムコメントページなどから。〕

でも、正規のAndroidを捨ててCyanogenModなどに乗り換える動機は何だろうか? 超簡単に言うと、CyanogenModは頻繁なアップデートによって新しい機能がどんどん導入されているからだ。CyanogenModの歴史に比べると、会社としてのCyanogenはまだ日が浅い。でも、停滞はしていない。同社は最近、中国のOEM Oppoとパートナーして、そのN1スマートフォンがCyanogenModをサポートすることになった。パートナーシップの働きかけは、今後も各社に対して行っていく予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))