Sumo Logicのアプリケーションモニタリングとリアルタイムデータ分析がコンテナをサポート

アプリケーションの状態をリアルタイムで分析するSumo Logicの長年の目標は、顧客企業のデータの理解を助けることだ。そのデータが、どこに潜んでいても。しかしコンテナの時代になると、コンテナは本質的に短命だから、その目標がさらに難しい。そこで同社は、にもかかわらず、コンテナ化されたアプリケーションでも扱えるように、プロダクトの強化を発表した。

その新しい機能は、DockerのユーザーカンファレンスDockerConで披露された。このイベントは今週、サンフランシスコで行われている。

SumoのCEO Ramin Sayerによると、コンテナの定着は、DockerとKubernetesがメインのツールとして使われるようになった12〜18か月前から始まった。その人気を見て、Sumoは自分たちもコンテナに対応したい、と考えた。“DockerとKubernetesは圧倒的にスタンダードなツールとして新旧大小あらゆるショップで、新しいアプリケーション開発や既存のオンプレミスアプリケーションのクラウドへの移行、あるいはワークロードをベンダーAからBへ容易に移行できるようにするために、利用されている”、と彼は語る。

もちろん彼は間違っていない。コンテナとKubernetesは1年半前ぐらいから大々的な離陸が始まり、デベロッパーもオペレーションもどちらも、それらの理解と採用に奮励努力してきた。

“しかしそれらの利用が標準化してきたために、その扱い方もわかりやすくなってきた。そしてコンテナの扱い方が分かってくると、コンテナ化アプリケーションのベンチマークも提供できるようになった”、とSayerは説明する。

同社はそれを、エージェントを使わずにやろうとする。アプリケーションがVMで動こうが、コンテナで動こうが、どこで動いても、Sumoはデータを捕捉して、ユーザー自身には困難だったフィードバックを届ける。

スクリーンショット提供: Sumo Logic(トリミングした)

同社はKubernetesとAmazonのElastic Container Service for Kubernetes(Amazon EKS)をネイティブでサポートする。Kubernetesのユーザーお気に入りのオープンソースのモニタリングツールPrometheusもサポートする。Sumoの目標は、顧客が問題を早く修復し、ダウンタイムを減らすことだ。

こういう新しいテクノロジーを揃える中で重要になってくるのが、顧客への周知と教育だ。“顧客にはガイドを提供し、ベストプラクティスや使い方のコツを教える。彼らがやってることだけでなく、Sumoのほかの顧客との比較も提供している”、と彼は語る。

Sumo Logicは2010年に創業され、これまでに2億3000万ドルを調達してきた(Crunchbaseによる)。最近のラウンドは、昨年6月にSapphire Venturesがリードした7000万ドルのシリーズFだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DockerもついにKubernetesをネイティブでサポート、Swarmの併用も可能

コンテナのオーケストレーションといえば、Googleが開発したオープンソースのツールKubernetesが今や事実上のデフォルトスタンダードになってしまったようだ。だから今日Dockerが、コペンハーゲンで行われたDockerCon EuropeでKubernetesのネイティブサポートを発表したことには、誰も驚かないだろう。

同社独自のオーケストレーションツールDocker Swarmを完全に放棄したわけではないが、今回初めてKubernetesのネイティブサポートを提供したということは、今やそのユーザー数がとても多いから、コンテナ企業である以上、サポートせざるをえないのだ。ただしDockerの場合は、ユーザーがランタイムにオーケストレーションエンジンを選択できる。DockerのプロダクトマネージャーBanjot Chananaによると、毎回SwarmかKubernetesかどちらかを選べるが、コードを替える必要はない。

これまでも、DockerでKubernetesを使うことはできたが、それは必ずしも容易ではなかった。今回発表されたKubernetesのサポートにより、Docker Enterprise EditionとDocker Developer Editionのどちらのユーザーにとっても、それがずっと単純になったはずだ。

Chananaによると、Dockerのアーキテクチャのおかげで、KubernetesとDocker Swarmの併用はそれほど難しくなく、違和感もない。Dockerは顧客に、プログラムのコンテナを作るための標準的な方法を提供している。それはDevOpsモデルでは通常、デベロッパーの担当になる。

一方オペレーションの方は、コンテナのライフサイクルの間にそのデプロイとセキュリティと管理を担当し、そのためにコンテナオーケストレーションツールを使用する。最近の2年間でAWS, Oracle, Microsoft, VMwareとPivotalなどのビッグネームがこぞってKubernetesを採用し、彼らはオープンソースのKubernetesプロジェクトの拠点であるCloud Native Computing Foundationにも参加した。それによりデフォルトスタンダードとしてのKubernetesの地位が、いよいよ確定した。

これだけの企業がKubernetesバスに乗り込んでしまったからには、Dockerも顧客の要望に従わざるをえない。Dockerはこれまで、自社のオーケストレーションツールを使いながらKubernetesをサポートすることもできていたが、でも今後は、大多数のコンテナワークロードでKubernetesが選ばれることが、確実になってきた。

なお、今週のThe Informationの記事によると、GoogleはKubernetesを開発していた2014年に、Dockerをコラボレーションに誘(さそ)っている。でも当時DockerはSwarmを選び、そしてGoogleはCloud Native Computing Foundationへと向かった。今日の発表は、まさに円が閉じたようであり、これからはDockerも、(コードはホストしないけれど)Kubernetesをサポートしていくことになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

レガシーアプリケーションをコンテナ化するDockerの新サービスModernize Traditional Applications

今日(米国時間4/19)オースチンで行われたDockerConカンファレンスでDockerが、Modernize Traditional Applications(MTA) Program(従来型のアプリケーションを現代化する事業)と呼ばれるサービスを発表した。それは、現役の古いアプリケーションをDockerのコンテナに収め、Docker Enterprise Editionの管理下に置き、それらに現代的なインフラストラクチャを使わせるようにするサービスだ。

同社はアプリケーションをそのように移行させる能力に自信を持っていて、アプリケーションが一定の基準を満たしていれば良い結果を‘保証する’とまで言っている。

Dockerがこのツールを作っていた最近の半年間で気づいたのは、顧客たちがコンテナ化をやりたくてうずうずしていることだ。彼らは必ずしも、マイクロサービスに全面的に移行できるほどのスキルや意志は持っていないが、コンテナ化がもたらす数々のメリット…ポータビリティ、効率、セキュリティなど…をいつまでも指をくわえて見ていたくはない。DockerのCOO Scott Johnstonはそう説明する。

“アプリケーションを本格的なマイクロサービスのプロジェクトに移行しなくても、弊社の技術で既存のアプリケーションをコンテナに入れられることに、彼らは喜んでいる”、と彼は語る。

これまでのアプリケーションは、全体が一つの一枚岩のようなものとして配布されていた。しかしコンテナ化のキモであるところのマイクロサービスアーキテクチャでは、アプリケーションを、マイクロサービスと呼ばれる個々の離散的なピース(小片)の集まりへとモジュール化し、それによってデプロイと管理を大幅に容易にする。そんな形の環境では、デベロッパーはプログラミングに集中し、アプリケーションのデプロイをオペレーションのチームが担当できる。これがいわゆる、DevOpsと呼ばれているやり方だ〔※1※2〕。今日発表された新しいサービスにより顧客は、マイクロサービスへの全面的な移行をしなくても、コンテナのメリットを享受できる。

そのためにDockerのチームは、Avenade, Cisco, Microsoft, HPEなどのパートナーの協力を仰ぎ、彼らのレガシーアプリケーションの一部をコンテナ環境へ移行させた。しかもこれらのベンダが抱える多くの企業顧客は、そうした方が良さそうなアプリケーションをたくさん動かしているから、Dockerの市場開拓という面からも都合がよろしい。

同社は、一定の基準を満たしているレガシーアプリケーションなら、そのコンテナ化の成功を期間限定一定料金で保証できる、と感じた。この一見大胆な約束は、このサービスのベータ期間に得た所見に基づいている。レガシーアプリケーションの中には、簡単にコンテナ化できるものもあれば、あまり良い候補とは言えないものもあった。そしてそのような体験から、保証は可能、と確信した。

“われわれとして言えるのは、エンタープライズのアプリケーションスイートは何千ものアプリケーションで構成されていて、その中には必ず、その基準を満たすものもある、ということだ。確実に、そう言えるね”、とJohnstonは語る。

彼によると、今の企業の中には、IT予算の80%近くをレガシーアプリケーションのサポートに費やしているところもある。Dockerなら、大げさなことをしなくても、それらを現代的なアーキテクチャへ移行して、サポート費用を軽減できる。しかも保証対象のアプリケーションなら、その工程は超簡単だ。

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Dockerがついにv1.0に、サポートとドキュメンテーション完備で本格商用化へ

Dockerプラットホームを支える企業Docker, Incが今日、同社主催のカンファレンスDockercon14で、Docker 1.0のリリースと“Docker化”されたプロダクトのためのマーケットプレイスを発表した。

CEOのBen Golubによると、これらの発表は同社のこれまでの15か月にわたる集中的な開発努力の成果だ。Golubの説明によると、1.0は初めての、商用サポートとドキュメンテーションが完備したプロダクションクォリティーのバージョンである。彼曰く、これまでは多くの人たちが0.xバージョンの開発に従事してきたが、これからはコミュニティサポートではなく商用サポートがつくので、銀行などの保守的な企業でも安心してDockerを利用できる。

Docker 1.0はGoogleが開発した新しいコンテナ技術の実装系の一つで、アプリケーションを、これまでのように変更を加えたり、開発サイクルの新しいステージに入るたびに、まったく新たな再インストールや再構成を必要とせず、安全に配布できる。

これまではデベロッパと運用者(ユーザ、オペレーション側)は利害が相反していた。デベロッパは必要に応じて変更を加えたいし、運用者は安定性を欲する。しかし変更を加えたことによって、他の部分や構成要件などが変わって、オペレーションサイドを悩ませることが多かった。

“Dockerは、この面倒な問題でデベロッパを救った”、と彼は言う。“それと同時に、アドミンの苦労もなくなった。DevとOpsの両方がハッピーになった”。

彼の説明では、Docker 1.0ではデベロッパはラップトップの上でボタンを一つ押すだけであり、プロダクションや、ステージング、顧客環境の側では、すべてが従来どおりに動く。デベロッパが開発ワークフローの次のステップに移って何かを変えても、プログラムを壊したり、問題の原因究明に苦労することがない。

すなわちプログラムをDockerのコンテナに安全に収めることによって、デベロッパがその内部を変えても外側の状態は前と変わらない。

また、Docker 1.0と併せて発表されたDocker Hubは、デベロッパが“Docker化”されたアプリケーションを見つけたり発表する場だ。Docker化アプリケーションとは、Dockerを使って動かすように調整されているアプリケーション、という意味だ。このハブでデベロッパは、ほかのデベロッパとコラボレーションすることができるし、また、Dockerのメンテなたちに会うことができる。ここに寄与貢献されるものを、メンテナたちがフィルタして、特定のジョブやプラットホームに合ったものを見つけるのだ。

Golubが言うには、オープンソースで行くなら全身でその世界に浸らないとだめだ。今では社員35名(+1匹の亀さん) を450名のデベロッパのコミュニティが支え、Dockerの開発や、カンファレンスの開催に尽力している。始まってからまだわずか15か月なのに。

このコミュニティ集団こそが、DokcerプロダクトとDocker Hubのメンテナンスの中心的な力であり、彼らがあらゆるコンテンツのクォリティーをたえずチェックしている。また、彼らの寄与貢献に悪い部分があれば、市場から叱声が返ってくる。

カンファレンスについては、Golub曰く、たった二つの新製品だから、カンファレンスなんかたいしたことない、と最初は考えていた。でも日程を決めて実際に準備を初めてみると、すごい大仕事であることが分かった。“最初は、カンファレンスはいいアイデアだと思ったんだけどね”、と彼はジョークを言う。

数からいえば、大成功だった。最初は500名を予定していたが、先週金曜日には急遽100名追加し、それでも、チケットにあぶれた人が400名以上いた。

講演者はGoogle、IBM、Rackspace、Red Hatなど大物企業の人たちばかり。Wired誌は、GoogleがDockerに深くコミットしていると報じ、GooglerのEric Brewerが二日目に行ったスピーチは、Dockerの知名度と関心を大きく高めただろう。

最近同社は、シリーズBで1500万ドルを獲得した。本誌TechCrunchの記事によると、そのラウンドを仕切ったのはGreylock Partnersだ。参加した投資家はInsight Venture Partners のほかに既存の投資家Benchmark CapitalTrinity Venturesだ。なお、Yahoo!のファウンダJerry Yangも、初期に同社に投資している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))