SXSWにイーロン・マスクがサプライズ登場――宇宙旅行のビジョンを語る

TeslaとSpaceXの共同ファウンダー、イーロン・マスクは、HBOのSFスリラー、Westworld,(ウエストワールド)をテーマとしたSWSXのパネルディスカッションに突如現れて喝采を浴びた。 テレビ・ドラマのシリーズの共同製作者、ジョナサン・ノーランの紹介でステージに登場したマスクに聴衆は「イーロン、アイラブユー!」と叫んだ。

ステージでマスクは宇宙旅行の素晴らしさについて語った。 Teslaを宇宙に送れたことについて「こういう時代に生まれたことに幸運を感じる」と述べた。マスクはまず現代の社会で不幸な出来事が無数に起きていることを認めた。

「世界中で恐ろしいことが毎日起きている。解決しなければならない問題が数多くある。意気阻喪させられるような悲劇だらけだ」とマスクは言う。

「しかし悲惨な問題をひとつずつ解決していくことだけが人生ではない。人生には自分を奮い立たせるような目標が必要だ。毎朝目を覚ましたときに人類の一員であることに喜びを感じられるような目標だ。これがわれわれが目標としていることだ」

マスクはSpaceXが最近、Falcon Heavyの発射に成功したことについて触れた。Falcon 9にブースターをさらに2基追加した大型ロケットはダミーのペイロードとしてマスクの愛車のチェリーレッドのTeslaとSpaceXが開発した宇宙服を来たマネキンを搭載していた。

またマスクはロシアの科学者で宇宙旅行の父と呼ばれるコンスタンチィン・ツィオルコフスキーに深い感謝を表明した。ツィオルコフスキーは「地球は人類のゆりかごだ。しかし人類はずっとゆりかごに留まってはいないだろう」述べたことでも知られる。

マスクは「人類は宇宙に向けて飛び立ち、そうすることによって認識の枠組も変えていかねばならない」というツィオルコフスキーのビジョンを知って興奮したことを述べた。

「うまく表現できないくらい興奮した。生きていてよかったと思った。皆さんも同様であってほしい」

ジョナサン・ノーランとウエストワールド・シリーズの共同製作者、リサ・ジョイは以前、Falcon Heavyの打ち上げを紹介する短いビデオを製作したことがある。このビデオはマスクのInstagramからアクセスできる。

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画像;Photo by Amy E. Price/Getty Images for SXSW/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

月にモバイルネットワークができる!

ローミング料金はいくらになるのだろうか。月(そう、あの自然の地球衛星)にモバイルネットワークが作られつつある。このネットワークを使うと、HDビデオのライブを月面から地球にストリーミングできるだろう。Elon Muskのスターマン劇以来、宇宙ストリーミングが注目の的だ。

月面ネットワークを構築するのは、キャリアーのVodafone Germany、ハードウェアメーカーのNokia、そしておそらくもっとも意外なのが、自動車メーカーのAudi。Reutersが伝えた。このプロジェクトは先日バルセロナで行われたMobile World Congressで発表された。必要なネットワークハードウェアを送るための打ち上げ目標時期は2019年で、打ち上げはSpaceXが担当する。

参加各社はベルリン拠点の有志科学者チーム、PTScientistsと協力してプロジェクトを進める。

モバイルネットワークを月に作るというと、一見未来的な目標だが、このプロジェクトが利用するのは4G接続で、現在世界展開の初期段階にある5G標準ではない。プロジェクトがやや古いテクノロジーを使うのは意図的であり、宇宙の厳しい環境下で使うために信頼性が高く運用が容易なものを選んだ。

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SpaceX、フェアリングの洋上ネットキャッチに惜しくも失敗――Falcon 9による衛星打ち上げは成功

Falcon 9で複数の衛星を打ち上げる今日(米国時間2/22)のミッションは成功したが、SpaceXはペイロードのフェアリングを洋上でキャッチするのには惜しくも失敗した。

機敏に操縦できる回収船、Mr. Stevenの後甲板に巨大なアームを設置し、ネットを張り渡してパラシュートで降下してくるフェアリングを捕獲しようというのが当初の計画だった。わずか数百メートルの距離だったが、フェアリングは標的から外れて海中に落下した。しかしその後フェアリングは無事に海中から引き上げられたという。

SpaceXのCEO、イーロン・マスクはFalcon 9の打ち上げ直後に、フェアリングをキャッチしようと試みているとツイートした。フェアリングにはパラシュートが装備され、艀がキャッチできる程度のスピードで降下させる計画だった。パラシュートは予定どおり作動した。

これまでのSpaceXのフェアリング回収の努力は部分的な成功だった。大気中を飛行する際にペイロードを保護するフェアリングは宇宙に出たところでロケットから分離し、地表に向けて落下する。前回は(今日同様)海中に落下し、SpaceXはそれを船上に拾い上げていた。艀上のネットで捕獲すれば海中から回収する手間が省ける上にフェアリングに対するダメージも少ない。しかしこのネットによるキャッチは今回のミッションでいちばん困難な部分でもあった。

数百メートルの差でミス。 しかしフェアリングは無事着水。もう少し大きいパラシュートで降下速度を減らせばキャッチできるはず。 ― イーロン・マスク

フェアリング回収にこだわる理由はコストだ。フェアリングは600万ドルの部品で、Flcon 9を使い捨てで打ち上げるとした場合のコストの1割を占めるという。フェアリングを回収して繰り返し利用できるようになれば大幅なコスト削減につながる。SpaceXではロケットのほとんどあらゆる部分を再利用し、宇宙に出るコストを劇的に低下させることを目指している。

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イーロン・マスクの掘削会社、ニューヨーク・ワシントン間Hyperloopの予備認可を取得

ワシントンDCからニューヨークまで29分で行けるというのはウソのような話だ。実際、ウソっぽい。しかし、だからといってElon Muskの東海岸にHyperloopを走らせる計画は止まりそうにない。

そして、これはごくごく小さな一歩にすぎないが、Muskのトンネル掘削会社であるBoring Companyは、米国首都内で同計画の準備および予備掘削を実施するための認可を得た。正確な位置は「53 New York Avenue NE」、マクドナルドの隣で「アルコールたばこ火器爆発物取締局」の近くだとWashington Postは伝えている。

昨年7月、Elon Muskはツイッターで、東海岸の複数州にまたがる地下Hyperloopの建設について政府の許可を口頭で取り付けたと書いた。そのような許可は正式には存在しないが、Bloombergはトンネル計画について、ホワイトハウスとBoring Companyの間で前向きな会話があったことを確認した

この許可というのは、実際のトンネル —— ニューヨークからフィラデルフィア、ボルチモアを経由してワシントンDCに向かう —— を掘るために必要な許可とは大きく異なるが、まずは第一歩だ。最近Muskは、メリーランド州ホーソーンで総延長10.3マイル(約16 km)の運行を開始するための条件付き認可を取得した。メリーランド州政府は、トンネルは295号線の下を通ること、およびワシントン― ボルチモア間が最初に建設されることをWahington Postに話した。

Hyperloopの駅は、ニュヨークのユニオンステーションやペンステーションなどの見慣れた駅と比べると比較的小さなものになる。上記4都市をつなぐ主要路線のほかに、ニューヨークの中心駅から放射状に広がる小路線も計画されている。

現在ニューヨークからワシントンDCまでおよそ3時間かかる。移動時間1時間でミーティングに行けるならたしかに嬉しいが、この最初の認可は、レース前のアスリートがストレッチしているところに相当する。始まるのはこれからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスクのテスラとスターマンはここにいる――軌道追跡サイトでチェックしよう

先日、イーロン・マスクのSpaceXの最新大型ロケット、Falcon Heavyで宇宙に飛び立ったチェリーレッドのTesla Roadsterとその運転席に座ったダミー、スターマンは火星と地球の軌道を横切りながら太陽を周回する巨大な楕円軌道を描いている。しかし搭載バッテリーが切れて、通信が途絶した今、Teslaとスターマンがどこにいるかの知るにはどうしたらよいだろう?

SpaceXの大ファンで、航空宇宙産業でエンジニアとして働いているBen Pearsonが、Where is Roadster(ロードスターは今どこ?)というサイトを開設している。これはJPL(NASAジェット推進研究所)の Horizonsシステムを利用してTeslaの軌道を表示している。これによればTeslaとスターマンのコンビは火星だけでなく、太陽や他の惑星にも接近することがわかる。

このサイトではスターマンの任意の時間における位置や速度も示してくれるので、火星に近づきつつあるのか遠ざかりつつあるのかなどもわかる。このサイトは公式にSpaceXやTeslaと提携しているわけではないが、イーロン・マスクがツイートで取り上げているのが面白い。

たしかこのあたりに駐めたはず。 ―イーロン・マスク

Falcon Heavyが飛び立った後も、このサイトがあればマスクは自分のTeslaをパーキングした場所を探してうろうろせずにすむわけだ。

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【動画】Falcon Heavyの発射を見守るイーロン・マスク

この1週間、SpaceXの間違いなく巨大なFalcon Heavyロケットの初打ち上げを、私たちは眺めながら、果たしてちゃんと打ち上げることができるのだろうかと、固唾を飲んでいた。イーロン・マスクもそれは同じだった。

ナショナル・ジオグラフィックが、打ち上げの際の素晴らしい舞台裏映像を掲載した。それは打ち上げの約15秒前から、ミッションが大成功を収めたことをイーロンが認識するまでを撮影したものだ。彼らは完璧な打ち上げを成し遂げただけでなく、3つのロケットコアのうち2つを(同時に!)驚嘆すべき美しさで、着陸させたのだ。

この打ち上げは、SpaceXの本当に何年にも及ぶ努力の集大成だった。それでも何が起こるかについては、誰も絶対確実なことは言えなかったのだ。イーロンは 打ち上げ前の夜、 記者団に対して 「発射台から飛び立って、粉々に砕けなければ満足だよ」と語っていた。以下のビデオでは本当に嬉しそうな彼の様子を見ることができる。

Falcon Heavy発射直前のイーロン・マスクの様子を追った、独占舞台裏映像

(上記の動画がモバイルでは再生できないという報告が来ている。もしその場合はこのリンクを試して欲しい)。

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(翻訳:sako)

SpaceXのFalcon Heavy、歴史的達成――打ち上げ、サイド・ブースターを地上回収とも成功

SpaceXはFalcon Heavyの最初のテスト発射に成功した。この大型ロケットはFalcon 9のブースターを3基用いており、ライバルの2倍以上の大重量のペイロードを衛星軌道に投入する能力がある。今日(米国時間2/6)東部時間午後1:30、フロリダ州ケープカナベラルのケネディー・スペースセンターのLC-39A発射施設からFalcon Heavyは予定どおり打ち上げられた。

今回の打ち上げはSpaceXにとって歴史的な達成となった。同社は2011年から大型ロケットの運用能力を獲得しようと努力してきた。当初の目標は2013年だったが、さまざまな事情がこれを妨げて、延期を重ねてきた。それが今日ついに成功した。SpaceXが当初2年で大型ロケットを打ち上げられると考えていたがイーロン・マスクはその後「あれはうかつな考えだった」と述べた。結局スケジュールには大幅な遅れが生じた。

Falcon Heavyは Merlinエンジンを9基装備するブースターを3基用いる(Falcon 9の3倍だ)。地球低軌道への衛星打ち上げ能力は140,700
lbs(63.8トン)、静止遷移軌道(GTO)へは 58,900 lbs(26.7トン)だ。さらに火星に37,000 lbs(16.8トン)のペイロードを送ることができる。SpaceXはFalcon Heavyを火星有人探査計画のカギと考えているため、こうした数字はそれぞれ重要だ。

SpaceXの今回のテストで、イーロン・マスクのチェリーレッドのTesla Roadsterは地球と火星を周回する軌道を目指す。Teslaの運転席にはSpaceXで開発された宇宙服を着たダミーが着席している。データストレージにはアイザック・アシモフの偉業を記念して宇宙SFの古典3部作が収められている。またSpaceX社員全員の名前を刻んだネームプレートも搭載されている。ミッションが成功すればこうしたペイロードは10億年にもわたって宇宙を旅し続けることになるはずだ。

SpaceXがNASAからリースしているケネディー・スペースセンターのLC-39Aも歴史的な重要性をもつ発射施設だ。SpaceXが利用する以前はNASAのスペースシャトル、さらにそれ以前はアポロ計画で用いられた。

SpaceXではブースター3基をそれぞれ回収する計画で、うち両サイドの2基については順調に地上回収に成功している。中央のブースターは大西洋上のドローン艀上に着陸させる予定だ。われわれはその成否についてSpaceXからの公式発表を待っている。

さらに取材中…

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赤いテスラには「スターマン」が乗っていた――イーロン・マスクのFalcon Heavy、打ち上げ準備完了

イーロン・マスクはケープカナベラルでSpaceXが始めて発射するモンスター、Falcon Heavyの最終点検に忙しい。今回のペイロードはマスクの愛車、チェリーレッドのTesla Roadsterで、ロケット先端のファエリング内に設置されて宇宙に飛び出す。

このTelsaにはドライバーが乗っていることがInstagramに投稿された写真で判明した。SpaceXが開発したクールな宇宙服を着用したダミーの宇宙飛行士だ。マスクはこのドライバーをデビッド・ボウイーの曲にちなんでStarmanと名付けている。

打ち上げは火曜日の東部時間午後1:30に予定されている〔日本時間2/7明け方〕。願わくば、ボウイーの名曲に乗って無事に宇宙に飛び出してもらいたい。

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今回のペイロードはもちろんFalcon Heavyのテスト用ダミーだが、宇宙に送られる物体としていちばん愉快なものだろう。同時に人類が環境に与える負荷を最小限にするためにイーロン・マスクが挙げてきた業績や地球外に植民するというビジョンを巧みに象徴するものとなっている。

TechCrunchでは記者がケープカナベラルに出向き、現地からこの歴史的打ち上げをレポートする。ご期待いただきたい。

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イーロン・マスクの「火炎放射器」完売で売上1000万ドル

Elon Muskがトンネル掘削会社、Boring Companyからロゴ付きで売り出した「火炎放射器」は売り切れた。つまり2万人が500ドルの火炎放射器を予約注文したわけだ。これでBoring Coの金庫に1000万ドルの資金が増える計算となる。

マスクはこのデバイスをトンネル掘削会社のウェブサイトで数日前に売り始め、昨日は1万5000台が売れたと ツイートしていた。同じくマスクのツイートによれば残る5000台も行き先が決まったという。

火炎放射器、完売

Boring Co.の最初のプロダクトは5万個の帽子だったが、火炎放射器は同社として初のメカ製品となる。マスクは自分の商才に多いに満足しているだろう。そのっ証拠に、火炎放射器の購入者にはBoring Co.ブランドの消火器を無料でプレゼントすると気前のいいところをみせている。

このオリジナル消火器はBoring Co.から単独で30ドルで発売されていた。しかし危険性のあるデバイスを売ることに対する一部からの批判に配慮したものか、そんな高い値段で消火器を買う人間が誰もおらず、在庫を処分することにしたのかは不明だ。

もちろん製造原価その他のコストがあるので1000万ドルがまるまるBoring Co.の儲けになるわけではない。 しかし利益率は非常に高いはずだし、その額もとうていバカにできるようなレベルではないだろう。

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イーロン・マスク、火炎放射器を1万5000台売ってトンネル会社に750万ドルをもたらす

Elon Muskのトンネル掘削会社、The Boring Company は火炎放射器の販売によって十分な資本を獲得しつつある(そう、火炎放射器(flamethrower)だ)。どうみても法外な値段のこの代物は、材料費30ドルほどで自作できそうだが、500ドルで売られており、Elon Muskの穴堀りベンチャーはすでに750万ドルを稼いでいる。

これは発売開始からわずか1日の出来事で、消火器の売上は含まれていない(こちらも30ドルと高すぎる値付け)。Muskによると、これまでに売った火炎放射器は1万5000台で、この販売期間中に用意されているのは全部でわずか2万台だ。

つまり、在庫が一掃される可能性は高いので、この公共交通の歴史に残るかもしれない一品をぜひとも欲しいという人は、今すぐ行動を起こすべきだ。あるいは今の生活を続けて、このサーカスショウを無視して会社の本業であるべき地下をつなぐハイパーループネットワークの建設に注目するのもいいだろう。

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イーロン・マスクの「火炎放射器」はすでに350万ドル分の予約注文を確保

ロゴ入り帽子の次火炎放射器だった。イーロン・マスクのBoring Companyは地下に高速でトンネルを掘削するベンチャーというより今のところライフスタイル企業として実績を挙げている(奇妙なライフスタイルだが)。ともあれ相当の売上が立っている。

20ドルの帽子は5万個売れ、Boring Co.の売上はなんと100万ドルとなった。昨日(米国時間1/28)注文の受付を開始した火炎放射器は1台500ドルで最大2万台を準備しているという。昨晩予約はすでに7000台となった。つまり350万ドルの売上だ。この記事の執筆時点でもまだ予約可能なので、売り切れてはいないのだろう。

火炎放射器2万台が売り切れる総額100万ドルの売上になる。ロゴ入り帽子の10倍だ。 マスクのもうひとつの事業、Teslaの場合も電気自動車を手に入れるには予約しなければならず、その際にかなりの内金(といっても最終的な販売価格に比べれば割合は小さい)を支払う必要がある。

Boring Companyの場合は地下トンネルを予約販売できない(少なくとも難しい)のでマスクのブランド価値が高いことを利用してライフスタイル製品のマーケットにハイパーループ顔負けの超高速で参入したに違いない。

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イーロン・マスクの「火炎放射器」は本物――Boring Co. が500ドルで予約受け付け中

イーロン・マスクの設立したトンネル掘削会社、The Boring Companyについて、マスクが「ロゴ入り帽子5万個が売り切れたら火炎放射器を売ればいい」と言っていたのを覚えているだろうか? 「火炎放射器」は本物だった。しかも大枚500ドルを無駄にする気なら注文の予約もできる

先週、メディアに噂が流れた後、マスクは土曜日に火炎放射器の存在を認めた。The Boring Company製火炎放射器は実際に機能する。ご覧のとおり、InstagramにはBoring Co.のスタッフが(十分に安全性について訓練を受けているのだと思うが)2台の製品から盛大に炎を吹き出さている。

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キャッチフレーズによると「パーティーを盛り上げること間違いなし」だそうで、また「世界でもっとも安全な火炎放射器」だそうだ。ネットから500ドルで注文するような人種はどのみち安全性など気にしていそうにないが。500ドルの価格には税、送料は含まれていない。出荷はこの春からだという。

またサイトは「国外への発送の場合、別途通関手数料が必要になる場合がある」と注意を促している(税関で没収されないことを祈る)。また購入希望者には事前に取扱説明書と使用の条件についての文書が送られてくるので、これに合意する必要があるそうだ。

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Boring Co.は消火器も販売する。関連商品で売上を伸ばそうということらしい。価格は30ドルだが、「この値段はどこよりも高い」とBoring Co.自身が認めている。しかし会社のロゴのステッカーがついているそうだ。写真がないところを見ると火炎放射器ほど印象的な外観ではないのだろう。

イーロン・マスクのBoring Companyは(社名が示すとおり)トンネル掘削が本来の目的で、そのためにボーリングマシンまで購入している。しかしこの会社が収益、あるいはすくなくとも何らかの実績を上げるまでには(すでにトンネルを掘り始めているとしても)だいぶ時間がかかるはず。そこで会社のロゴ入りのおかしなプロダクトを売って資金を稼ぐことにしたらしい。遺憾ながらこれで世界の火炎放射器の総数はだいぶ増えるに違いない。

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これも念のために言っておくが、火炎放射器を売るなんてのはとんでもなくバカバカしいアイディアだ。絶対買ってはいけない―面白いことが好きなら別。(イーロン・マスク)

〔日本版〕Boring Co.のサイトには実際に広告が掲載されている。海外発送にも対応しているというが、実際に製造されたとして輸入可能かどうか定かでない。ただし「草焼きバーナー」で検索すると同クラスの能力の製品は国内で多数販売されている。

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SpaceX、Falcon Heavyエンジンの地上テストに成功――本番打ち上げは「来週あたり」

SpaceXは巨大な新ロケット、Falcon Heavyの地上エンジン・テストに成功した。 いよいよ本番打ち上げの幕が開く。今日(米国時間1/24)実施された発射台上でのロケット噴射は実際の打ち上げに向けて必須のステップだった。各ブースターに9基ずつ、トータル27基のMerlinエンジンがすべてが正常に働くことが確認された。

テストはSpaceXのケープ・カナベラル発射施設で行われたが、実際の打ち上げもこの場所からとなる。SpaceXではテスト後に「すべて順調だった」と発表した。SpaceXのCEO、イーロン・マスクはこのテストが成功したので最初のフライトは「来週あたり」になるととツイートした。

今朝のFalcon Heavyの静止噴射の結果は良好だった。 蒸気が巨大な積乱雲を作った。打ち上げは来週あたりになる ―イーロン・マスク

これはグッドニュースだ。打ち上げは昨年の暮に予定されていたが延期となった。今年に入ると、予算が議会でブロックされて政府の活動が一時停止した。これでSpaceXが打ち上げに利用しているケープ・カナベラルのNASAの施設も閉鎖され、さらに遅れが出るのではないかと懸念されていた。議会における妥協により連邦政府の活動は(当面)再開され、SpaceXは巨大ロケット打ち上げ準備を再開できることとなった。

Falcon Heavyは現在のFalcon 9の3倍近い大重量のペイロードを搭載できる。1回のミッションで複数のクライアントのために多数の衛星を打ち上げることが可能になれば宇宙利用の経済性が一層高まるものと期待されている。また最終的にはイーロン・マスクのビジョンである有人火星旅行にも利用されるはずだ。

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SpaceXの新しい巨大ロケット、Falcon Heavyが発射台に姿を現す

衛星打ち上げで順調に成功を重ねているSpaceXだが、新しいFalcon Heavyロケットのテストフライトに向けての準備も進んでいる。Falcon Heavyは地球低軌道に大重量のペイロードを運び上げることを目的としたヘビーデューティー・ロケットだ。1段目には従来のFalcon 9のブースターを3基束ねたものが用いられている。テスト発射は向こう数週間以内にフロリダ州ケープカナベラルの施設から行われる。

Falcon Heavyは昨年暮にケープカナベラルに到着していたが、いよいよ発射台に垂直に設置された姿を表した。発射を控えて詳細なチェックが行われているところだという。SpaceXは新ロケットのをドローンで撮影した驚くべきビデオと発射台上の巨大ロケットの姿をクリアにとらえた新しい映像を公開した。

Falcon Heavyの発射時推力は226トン以上。これはボーイング747旅客18機の最大推力に匹敵する。現在運用されるものとしては2位を2倍以上回って世界最大のロケットとなる。

Falcon Heavyのトップには大きなカーゴポッドが装着されFHのロゴがはっきり読み取れる。われわれがよく知っているとおり、ペイロードはイーロン・マスクの愛車、チェイリーレッドのTesla Roadsterだ。 実験が成功すればFalcon Heavyはイーロン・マスクの野心的ビジョン、火星植民を実現するために用いられることになる。

しかし今回はなんといってもFalcon Heavyの最初の打ち上げの試みであり、すべてが計画どおりに進まない可能性は十分にある。マスク自身、超特大の火の玉が中継される可能性を認めている。いかにシミュレーションを繰り返そうと、実際の打ち上げはコンピューターが予言するのとは何かしら違ったコースをたどるものだ。

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イーロン・マスク、「Model Yのすぐ後」にピックアップトラックを作ると約束

Teslaの全電動セミトラック と第2世代Roadsterを11月に発表したばかりのElon Muskは、今日(米国時間12/26)Twitterで、Teslaをもっと良くするには何をすればいいかをファンに尋ねた。

MuskはTeslaのピックアップトラックを要望した人に答えて、「ピックアップトラックはModel Yのすぐ後に作ることを約束する。基本設計とエンジニアリング要素は5年近く前から私の頭の中にある。作りたくてたまらないんだ」と言った

サイズについてMuskは、Ford F-150と同じくらいだが「真に革新的な(と私が思っている)機能を付けるために、たぶんほんの少し大きくなるだろう」と語った。

これはさして驚くことではない。なぜならMuakは今年、今後数年のうちに電動ピックアップを披露するつもりだと話していたからだ。そして11月にセミトラックを発表した大イベントで、Muskは電動ピックアップトラックの画像を披露し、その設計はセミトラックを基にしたものだった。さらに2016年に発表したMuskの「マスタープラン、パート2」には、Teslaが「新しいタイプのピックアップトラックをつくる」計画が書かれていた。

タイミングに関する唯一の手がかりは、TeslaがModel Yのすぐ後にピックアップを作るということだけで、そのModel Yはまだ正式公開されていない。 Model YはクロスオーバーSUVと呼ばれるカテゴリーに属する車て、開発は後期段階にあると報じられている。TeslaはModel Yを2020年までに出荷する計画だ。

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イーロン・マスクはFacon Heavyの初飛行にTesla Roadsterを本当に載せる

今日(米国時間12/24)Elon Muskは自身のInstagramで、大型ロケットFalcon Heavyの初飛行に積載される貨物の画像を掲載した。それは、赤いTesla Roadsterだった。SpaceX CEOは以前、この車を打ち上げると発言してからジョークであることを匂わせたが、後にSpaceXが再度これを認め、今回この投稿でついに正式となった。

Muskによると、初飛行時の積載物は実際の貨物を想定して重量を提供するだけであることが普通で、コンクリートや鉄のブロックが使われるという。彼はもっと面白いことをしたかったので、来年初めに打ち上げ予定で現在ケープカナベラルで最終試験中のFalcon Heavryには、Tesla Roadster(当初のモデルで、最近発表された改訂版ではない)が搭載されている。

載せられたRoadsterは、計画通り発射されればデビット・ボウイのスペース・オディティを流しながら「10億年続く火星の周回軌道」に入る。ただし、スムーズにことが運ばない可能性はゼロではない。Musk自身、Falcon Heavyが離陸後に爆発を起こすかもしれないと示唆している。

いずれにせよ、Tesla車が実際にFalcon Heavyの初飛行に搭乗することがわかった。ロケットはMerlinエンジン27基によって推進される。これはFalcon 9エンジンを3体まとめたものに相当する。

SpaceXはIridium ミッションの打ち上げにも 成功し、2017年を締めくくった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXの巨大ロケット、Falcon Heavy、ケープカナベラルで最終調整中

SpaceXは新しい巨大ロケット、Falcon Heavyを2017年中に打ち上げることできなかった。しかしこのモンスターはフロリダ州ケープカナベラルに到着し、打ち上げを控えて各種のテストが行われている。これには静止状態でのエンジンのフル出力テストや最終組立が含まれる。テスト飛行は来年早々に予定されている。

SpaceXのCEO、イーロン・マスクはケープカナベラルの同社施設でほぼ組み立てを終えたFalcon Heavyの写真を公開した。今後ロケットの先端にフェアリングやペイロードが取り付けられることになる。横に3本並んでいるのはそれぞれが9基のMerlinエンジンを搭載したブースターだ。このブースターは基本的に現在打ち上げに用いられているFalcon 9のブースターと同じものだ。しかも左右に取り付けられたブースターはSpaceXの過去のミッションですでに飛行したブースターだという。

Falcon HeavyはSpaceXの新しいハイキャパシティー打ち上げシステムで、最大63トンのペイロードを低軌道に投入する能力がある。SpaceXは1回のミッションで多数の衛星を打ち上げることができるようになる。あるいはまったく新しい大型のペイロードを扱う能力も得る。

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SpaceXではFalcon Heavyのテスト飛行を来年1月に予定している。ペイロードはマスクの愛車、Teslaロードスターだという。最初はジョークだと思われていたが、そうではなかった。もちろんFalcon Heavyの初打ち上げは花々しい大爆発に終わる可能性もなくはない。マスク自身が過去に「ロケットにはいつも打ち上げ直後に炎上する可能性がある」と警告していたとおりだ。

新しいロケットのテストには大きなリスクが付きものだ。Falcon Heavyのような強大な推力のモンスターとなれば、それがどのように作動するかは、いかに地上でテストやシミュレーションを繰り返しても、実際に発射してみる以外に知るすべがない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

たとえ倒産してもTeslaは偉大な会社だ

Teslaは会社としては皆に愛されている。しかしビジネスとしては? 数多くのトップクラスの投資家がTeslaの事業について不満を口にしている。たとえば「投資に対する利益という観点からはTeslaは破滅的だ」という主張がある。また「Teslaは毎分8000ドルの金を燃やしている(毎時48万ドル)」、あるいは 「Teslaはライバルがいないのに巨額の金を失いつつある―しかも近く巨大なライバルが登場する」などだ。

空売りで名高い投資家のJim Chanosはこうした問題をシビアにまとめて、「時価総額数百億ドルの上場企業が巨額の損失を出している。このビジネスは循環的だ。貸借対照表には目一杯レバレッジがかかっている。会計処理には疑問が多い。多くの幹部が会社を去っている。運営するCEOは事実に向き合いたがらない。これだけ悪材料が揃っていれば十分だ。ダニが詰まった箱のようなものだ」と述べている大勢の人間がTeslaには倒産が迫っていると考えている。もちろんこれは今に始まったことではなく、何年も前からTeslaの財務を疑問視する声は出ていた。しかしこれまでのところそうした意見はすべて間違いだった。しかし今後はどうだろうか?

今のところはっきりしたことは誰にも言えない。しかし(たとえば私のように)Teslaに何の財政的利害もない人間はTeslaが倒産しても困りはしない。

いや、冗談を言っているのではない。金がすべての成功の尺度である資本主義における企業の目的は投資家に利益をもたらすことにある―少なくとも倒産しないことにある、とわれわれは考えがちだ。もちろんほとんどの会社についてこれは正しい。しかしTeslaは別だと思う。経済学者のチャールズ・グッドハートは、ある指標が経済運営の目標になると、その指標は間もなく指標としての用をなさなくなると述べた。 これはまさしく金というもの性質を言い当てている。 Teslaという会社の目的は金を儲けることではない。電気自動車をマス市場に普及させ、そのインフラを形成するためのパイオニアだ。Teslaが先陣を切ったバッテリーのテクノロジーは自動車以外にもあらゆる場所に用いることができる。利潤を上げることは付随的な目的に過ぎない。

つまり、企業として儲けていようといまいと、Teslaは目的を達成することに成功している。Teslaは世界最大級の工場を作った。現に世界でもっとも大きい工場を建設中だ。まだ完成していないが、一部はすでに稼働を始めている。高級電気自動車市場を支配しているだけでなく、あらゆる電気自動車市場において大きな存在となりつつあり、バッテリー・パック市場でも重要な役割を果たしている。

イーロン・マスクはこうした事業から利益を上げることができればもちろん嬉しいだろう。細かいことを言えば、それが経営者としての信任義務だ。しかし利益を上げることに失敗したら失敗ではない。もちろこれは株主、投資家以外の話だが(またTeslaがどうなろうとイーロン・マスクが貧乏になる心配はない)。

儲けを出すことが不可能な事業であってとしても、マスクは要するに市場でだぶついていた資金をTeslaという優れた目的のために使ったというに過ぎない(興味深いのは、そこで得た技術的成果をオープンソースの特許としたことだ)。マスクは、会社としては膨大な損失を出しながら単に自動車だけでなく、われわれの明日の生活を一変させるようなテクノロジーを開発し広く社会に貢献したことになる。

Teslaの株式の価値がゼロになり、会社がデフォールトに陥って投資家は1ドルについて数セントの残余財産しか得られないことになっても、Teslaという資産、つまり工場、ソフトウェア、人材はそのまま残る。どんな破産裁判所であれ、Teslaは部分をバラ売りするより全体のほうがはるかに価値が高いことを認識するだろう。Teslaはドーバー海峡トンネルのような存在ではないだろうか。ドーバー海峡トンネルは民間資本で建設されたものの、投資家にとっては完全な失敗だった。「トンネルはわれわれ全員が恩恵を被るすばらしい施設となった。ただしその建設に資金を出した人々にとってはそうではなかった」と評される。

これはもしかするとTeslaにも当てはまるかもしれない。投資家、株主に対して不公平な意見だろうか? そうではない。これは資本主義の見本だ。誰も投資を強制されたわけではない。儲けが出ると期待して金を出したのだ。そこには当然リスクがある。しかし財政的利害関係者でないなら、Teslaのビジネスについて暗い予言を叫びたてるマスコミの意見は無視してもいいだろう。Teslaの財政がどうなろうと、われわれ一般人はすべて勝者なのだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスクのトンネル掘削会社、ロゴ付帽子を売った「イニシャル・ハット・オファリング」で30万ドルを調達

帽子はお好きかな?もしそうなら、もうThe Boring Companyの地下トンネルネットワーク掘削能力に貢献したことだろう。Elon Muskが前面にロゴ(J.J. エイブラムス監督のデザインだと言っていた)をあしらったThe Boring Co. hatを発売して以来、同社はこれまでに30万ドルを売り上げた。

たいそうな数の帽子だ。1つ20ドルとして、10月の発売以来1万5000個売った勘定になる。よく売れたことは発売から24時間に8万ドル売ったときにわかったが、この比較的退屈で平凡な帽子の勢いは続いてるようだ。

ちなみにMuskはこれを「イニシャル・ハット・オファリング」と呼んでいるが、最近スタートアップの間で資金調達ツールとして話題のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を皮肉っていることは明らかだ。

さて、Teslaの充電ステーション型携帯用バッテリーパックを作ったElonなら、Boring Co.用にはなにを作るのか?
トンネル掘削機型の座薬だろうか?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスクのThe Boring Company、LAの地下トンネルを初披露

Elon Muskは、SpaceX本社の近くカリフォルニア州ホーソーンの地下にトンネルを掘っている。市議会からは承認を得ている。MuskのBoring Co.は掘削とトンネル建設で既に多大な進捗をみせているようで、Muskが共有したトンネル内部の写真には補強されたトンネルが視界の彼方へと伸びるところが映っている。

トンネルの壁はパネルで覆われ、ケーブルと上部の大型管路に加えて照明や軌道とおぼしきものも見える。ロサンゼルス近郊のこのトンネルはBoring Co.が初めて手掛けたものだが、同社は最近メリーランド州でも掘削の暫定許可を受けている。この第2のテスト掘削はHyperloop地下ネットワークの一部となる可能性もある。

MuskのLAトンネルは、現在のトンネル掘削事業より低コスト高効率の掘削計画の実現性をテストするパイロットプロジェクトであり、最終目標は都市部の地下にトンネルネットワークを作り、地上の障害物や交通を避けて輸送サービスを提供することだ。

The Boring Co.は、都市間にHyperloopトンネルを建設して高速移動を可能にするという壮大なビジョンにはまだまだ遠いが、掘削とトンネル建設の初期テストは急速に進展しており、中傷する人々に対してこれは単なる夢物語ではないと証明する材料になりそうだ

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook