FacebookがAndroidデベロッパ向けに便利なオープンソースツール3種をローンチ

今週行われたFacebookのデベロッパカンファレンスF8で発表されたものの多くがiOS関連だったが、今日(米国時間3/26)はAndroidデベロッパ向けに三つのオープンソースのツールがリリースされた。

最初のYear Classと名付けられたライブラリは、ユーザが使っているデバイスの古さ新しさに合わせてデベロッパがアプリの機能を自動的に変えられる。たとえば古いデバイス向けにはアニメーションの方式を変えたり、最新のスマホ向けには美麗な表示機能を有効にしたりする。Year Classは生物個体の出生年別分類を表す“年級”という意味で、CPUのスピードやコアの数、RAMのサイズなどから、ユーザデバイスがどんだけ古いか新しいかを判断する。下図は、各年の代表的な機種だ(もちろんAndroidに限定)。

第二のツールNetwork Connection Classは、同じくClassでも出生年ではなくネットワーク接続のクォリティを表す。たとえばHSPAという言葉は、実際の接続速度を表していない。Facebookによると、HSPAの実効速度には最大で5倍の開き(差)がある。

そこでデベロッパは、このツールを使ってユーザごとの実効速度を知り、アプリの機能を調整できる。Year Classに比べるとセットアップのためのコードが多くなり、また実効速度を知るためには最初にかなりの量のデータを集めなければならない。

第三のツールFrescoは、Androidアプリ用の画像ライブラリだ。とくに、アプリが複数の画像をロードしようとしたときに、巧妙なメモリ管理と画像のストリーミングにより、メモリ不足に陥らないようにする(GIFアニメなんかは、サイズが大きくなりがちだ)。

そのほかこのライブラリには、プレースホルダを表示する機能や、画像をキャッシングする機能がある。技術的な詳細は、ここで読める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


F8:FacebookのAquilla大型太陽光ドローンはインターネット接続を万人に提供する

今日(米国時間3/26)はFacebookのデベロッパー・カンファレンス、F8 2015の2日目だが、今朝のキーノートでCTOのMike Schroepferkが何十億人もの人々に新たにインターネット接続を届けようとする同社の試みのカギとなるハードウェアを明かした。

Aquila〔ラテン語でワシの意味〕というコードネームで呼ばれる巨大ドローンは翼幅がボーイング767ほどもある。しかし極めて軽量の素材を用いるので、重量は自動車1台分程度だという。

今日のF8ではこの他にもオープンソースの開発ツール、React Nativeやビデオやテキストのコンテキストを理解する新しい人工知能のデモも行われた。

Aquilaが信じられないほど軽いのは、太陽光を動力源に連続して3ヶ月も滞空しなければならないからだ。大型ドローンを6万から9万フィート〔18kmから27km〕の高空に長時間飛ばすだけでも難しい課題だが、Facebookの目的はこのドローンを利用して地上の人々にインターネット接続を提供しようというところにある。

Aquila is the first complete concept we’ve seen come out of Facebook’Facebookがイギリスのドローン・スタートアップAscentaを主として人材獲得のために買収したのは約1年前になるが、その成果がまとまった形で公表されたのは今回が最初だ。〔Googleも同じ頃インターネット接続提供のためにドローン・スタートアップ、Titan Aerospaceを買収している。〕Aquilaはこの夏にも試験飛行が予定されているが、実用化開始までにはさらに数年かかるもようだ。

画像: Harvest Zhang/Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、Messengerプラットフォームを公開。コンテンツ作成や企業との対話に利用


今日(米国時間3/25)のF8カンファレンスで、Facebookは新たにMessengerプラットフォームを発表した。6億人のユーザーがサードパーティーツールを使ってコンテンツを作成、共有して、企業に電話やメールをすることなく直接対話できるようにするものだ。ESPN、JibJab、Giphyらの初期パートナーから提供されるコンテンツツールは、今日から利用できるようになる。Facebookは、限られたパートナーとビジネスチャット機能を開発中で、いずれ公開される模様だ。

本日Facebookは、Messenger上の体験を提供するデベロッパー向けに、SDKを公開した。

この発表は、Facebookがコンテンツに焦点を当てたMessengerプラットフォームを作るという、先週私が報じたスクープと一致する。Facebook Messengerの責任者、David Marcusは、「6億人規模のメッセージングプラットフォームをデベロッパーに開放するのは、欧米では初めてだ」と語った。

Facebookは、Parseデベロッパー、広告主、ウェブサイト、およびニュースフィードに関しても、数多くの新機能を公開した。発表の全容は本誌の“Everything Facebook Launched At F8″で見ることができる。

Messengerコンテンツアプリ

Messengerコンテンツアプリは、Messengerの入力ボックスの写真やスタンプアイコン横の「…」ボタンから利用できる。Messenger対応アプリをアプリストアからダウンロードするための直接リンクも置かれている。ユーザーはそれらのアプリを使ってGIFアニメや特殊効果を入れたビデオを作ったり、コンテンツを発見したら、すぐにそれをMessenger経由で友達にシェアできる。

初期のMessengerコンテンツアプリパートナーは以下の通り:ESPN, Bitmoji, JibJab, Legend, Ultratest, Ditty, Giphy, FlipLip, ClipDis, Memes, PicCollage, Kanvas, JJ Abrams’ studio Bad Robot’s Action Mobie FX, Boostr, Camoji, Cleo Video Texting, Clips, Dubsmash, Effectify, EmotionAR, EMU, Fotor, Gif Keyboard, GifJam, Hook’d, Imgur, Imoji, Keek, Magisto, Meme Generator, Noah Camera, Pic Stitch, PingTank, Score! on Friends, Selfied, Shout, StayFilm, Facebook Stickered, Strobe, Tackl, Talking Tom, Tempo, The Weather Channel, to.be Camera, およびWordeo。

こうした機能をMessenger自身に追加すればユーザーは邪魔に感じたり混乱したりする恐れがあるが、Messengerプラットフォームアプリは、独立したコンパニオンアプリとして動作する。

「たとえ今日パートナーと共に追加した機能の1/10でも、われわれが[直接Messengerに]追加していたら、ひどく遅くなってしまうだろう」とMarcusが私に言った。「使いたくない人は、使うことを強制されない…なぜなら新しい体験はMessegner内部にはないからだ。アプリ全体の体験が大きく膨らむのではない」。

パートナーを選ぶために、Facebook社員らは様々なクリエイティブアプリを試し、気に入ったものを選び、連絡を取った。Marcusによると、「殆どのアプリが底力を発揮して記録的な時間で完成させた」。そして、メッセージを送れるのはユーザーだけでアプリ自身ではないのでスパムの心配はない、とMarcusは信じている。

鮮烈なシェア方法を用意することによって、MessengerはSMSや他のメッセージアプリ、WeChat、Line、Kik、KakaoTalk、Google Messenger等と差別化しようとしている。FacebookはMessenger自身で収益化はしないが、Facebookやニュースフィードの利用を促進することが広告収入の増加につながる。

顧客から企業へのチャット

Facebookは、Messengerによる個人対企業コミュニケーションの再発明を目指している。要するに人々は電話のプッシュ音でカスタマーサポートのツリーをたどるのが嫌いだ。無限に続くメールのスレッドも面倒だ。1本のチャットスレッドに匿名でテキストメッセージを送る方が良い。

そのためにFacebookは、初期パートナーのEverlaneとZulilyと協力して、顧客と企業の対話方法を変えようとしている。例えば、Everlaneで何かを買った後、注文内容を変更したいときはMessengerを通じて店に連絡できる。

また、注文の確認メールを何通ももらう代わりに、Messengerでメッセージを受け取ることができる。

カスタマーサポートは、ZenDeskの統合のおかげでMessengerを使えるようになう。すでにカスタマーサポート用のライブチャットシステムを利用している企業も、Messengerに乗り替えることができるだろう。

企業は、自身で専用アプリを持っていなくても、Messenger経由で顧客にプッシュ通知を送れる。

従来厄介者だった顧客-企業コミュニケーションを取り込んでプラットフォームへの囲い込みを推進できるだけでなく、FacebookはEコマースの価値ある洞察を得ることができる。Facebookは、誰が何を買いどの企業と接触しているかを知れば知るほど、広告のターゲットやニュースフィードコンテンツの調整が正確になる。

プラットフォームの企業利用をFacebookがどう収益化するかについて、Marcusは私にこう話した、「現時点では考えていない。しかし時間と共に、消費者にとっての問題を解決し、企業が顧客に接触する良い方法を用意することができれば、良いビジネスモデルが見つかるだろう。両者にとっての問題を解決することが重要だ」。

新たなアプリ発見手段

Messengerプラットフォームは、Facebookへの固定化を促進し、ユーザーの自己表現を助け、カスタマーサポートの問題を解決する可能性を持っているだけでなく、アプリデベロッパーにも膨大な影響を与えるかもしれない。

現在アプリストアはゴミで埋め尽され、高品質の製品を見つけるのは困難だ。Messengerプラットフォームは、選ばれた良質アプリを発見する方法を生み、デベロッパーのビジネス構築に必要な公開の場を提供するだろう。

Marcusは、Messengerコンテンツアプリプラットフォームが解決する2つの大きな問題は、「(1) アプリの発見が簡単ではない、(2) シェアが難しい」であると説明する。ユーザーが既に持っているアプリでさえ、それを探して立ち上げ、何かを作り、カメラロールに保存し、目的のメッセージスレッドを探し、コンテンツをアップロードして、ようやくシェアできる。Marcusは、「われわれは優れたコンテンツを作りあるいは見つけることと、それを友達と共有することの距離を縮めた」と強調した。

Facebookは、世界一のメッセージングアプリになるためには自分だけで全部はできないことを知っている。サードパーティーデベロッパーや企業と協力して、コンテンツや商用価値を高めることによって、Messageは単なるチャットアプリの枠を越える。それは、人と世界全体をつなぐコミュニケーション・レイヤーになろうとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook F8カンファレンス、初日のまとめ

今日(米国時間3/25)、Facebookのデベロッパー・カンファレンスF8が開幕した。初日の主要な発表をまとめてお送りする。大小さまざまな発表があったが、ここでは特に重要なものを選んで簡単に紹介する。

画像をクリックするとさらに詳しい元記事iにジャンプする〔日本版記事がある場合は日本版に飛ぶ〕。

メッセンジャーのプラットフォーム化

先週、われわれが全力を挙げてスクープに成功したとおり、 FacebookはMessengerをプラットフォームとしてデベロッパーに開放することに踏み切った。これによってデベロッパーはMessengerに新たな機能を追加できるようになる。GiphyのようなリアルタイムGIF画像検索、ボイスメッセージの声をいろいろに変える、チャットしながらお絵かきして友達に送れるようにする、など応用は無数に考えられる。Messenger内にミニ・アプリ・ストアができたようなものと考えるとよいだろう。

新しいリアルタイム・コメント・システム

Facebookを利用したブログのコメントシステム(この記事の下にも設置されている)はたいへん実用性の高い機能だが、リリース以来アップデートがないままかなり時間がたつ。

今日のアップデートで、ブログとFacebookページでコメントがリアルタイムで同期するようになった。つまりこの記事の末尾のコメント欄にコメントすると、すぐにTechCrunchのFacebookページにもそのコメントが反映する。

FBビデオがエンベッド可能に

FacebookはYouTubeの縄張りにも侵入しよとしている。Facebookビデオが他サイトに簡単にエンベッドできるようになった。もしかするとこれによってYouTubeにはアマチュアのホームビデオ的な投稿が減るかもしれない。Facebookはエンベッド・ビデオにも広告を表示するのだろうか? おそらくそうなるだろう。

360°全周ビデオ

面白いことに、Facebookは3D全周ビデオをニュースフィードでサポートすると発表した。ユーザーはビデオの再生中、マウスのカーソルで視点をあちこち動かすことができる。普通のディスプレイで全周ビデオを表示してもそれほどのインパクトはないが、カギはFacebookが買収したOculus Riftにある。バーチャル・リアリティー・ヘッドセットを装着して360°全周ビデオを再生するとそのインパクトは強い。FacebookはニュースフィードのVR化を狙っているのだろう。

あと10年くらいするとパパが子供にこんなことを言っているかもしれない。

「パパの若い頃はみんなでいっしょに>映画を見たんだぞ。みんなで同じスクリーンを見たんだ。そのスクリーンは平らだったんだ!」「わかったよ、パパ。いいからRiftを返してよ」

ParseはIoTのSDK

われわれは全速力でInternet of Things〔モノのインターネット〕の時代に突入しようとしている。コーヒーメーカーから冷蔵庫、照明、家のドアまでがインターネットに接続された世界だ。しかしモノのインターネットの規格化、標準化(そして当然相互運用性の確保)に関してはまだほとんど実績が挙がっていない。.

今日のF8でFacebookはParse for Internet Of Thingsを発表した。 これはさまざまなIoTプロジェクトにバックエンドを提供するSDKだ。相互運用性に関しても、まずArduinoをサポートし、順次範囲を拡大していくという。

LiveRail

去年、FacebookはLiveRailを買収した。これはサイトやアプリ内の広告スペースを入札によって販売する広告マーケットプレイスだが、今回、2つの変更を行った。まずビデオに加えてモバイル・ディスプレイ広告をサポートした。また広告のターゲティングのために匿名化されたFacebookのユーザー・データが利用できるようになった。

アプリのアナリティクス

Facebookはアプリとユーザーについてもちろん膨大な情報を持っている。今回Facebookはその一部をデベロッパーに公開し、どんな人間が彼らのアプリを使っているのか判断する手助けとすることを決めた。自分たちのゲームのプレイヤーは女性が多いのだろうか? ティーンエージャーの割合は? ティーンエージャーのアプリ内購入の平均は? アプリ内購入者の平均年齢は20代だろうか? Facebookの新しいアナリティクス・プラットフォームはそうした疑問に答えてくれるという。

明日のF8、2日目のレポートをお楽しみに。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


F8開幕:Facebookビデオが他のサイトに簡単にエンベッドできるようになる

Facebookはユーザーが実際にFacebook上にいないときでもFacebookの利用を増やそうと努力している。

今日(米国時間3/25)開幕したFacebookが主催するデベロッパー向けカンファレンスF8で、Facebookビデオを他のサイトに簡単にエンベッドする機能が発表された。

Facebookにビデオをアップロードするのは簡単だが、これまでそのビデオを外部にエンベッドするのは知識のないユーザーには不可能だった。Facebookのビデオプレイヤーのソースコードを開いてあれこれ試してみるとうまくいくこともあったが、もちろんYouTubeを使う方が簡単だ。

しかし今後は、YouTubeその他のビデオ共有サイト同様、「エンベッド」ボタンを押すだけでエンベッドに必要なコードが入手できるようになる。コードを自分のブログに貼り付ければ、Facebookビデオがページにポップアップする。

遅かったとはいえ、歓迎すべき動きだ。これまでFacebookにビデオをアップロードしたいが、別のサイトでも表示したいという場合、Facebookにアップロードした後YouTubeなどにアップロードし直すという手間がかかっていた。これからはFacebookに一回アップロードするだけでよい。それにFacebookとしても、他サイトで再生されたビデオも自分たちのビデオ・ビューの回数に勘定できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、360度ビデオをニュースフィードとOculusでサポート


Facebookはニュースフィードへの360度ヒデオのアップロードをサポートし、OculusゴーグルではOculus VRを体験できるようにする。Facebook CEOのMark Zuckerbergは、今日の年次F8デベロッパーカンファレンスでこの新機能を発表した。没入型ビデオ体験では将来ライブ中継もサポートするとZuckerbergは言った。
これは同社が先に「テレポーテーション」機能について漏らした際に指していたものだ ― その意味について多くの人々が憶側したが、F8のキーノートに基づけば、Oculusベースの360度没入型ビデオのようだ。

最近、他社もこの種の全周ビデオのサポートへの動きを見せている。GoogleはYouTubeへの360度ビデオのアップロードをサポートし、ChromeとAndroidアプリで再生すればヒデオで周囲を見回すことができる。、

Zuckerbergは、Facebookが360度ビデオをエンドユーザーに公開する時期については具体的に話しなかったが、実際の使い方については、ユーザーがパースペクティブをカーソルでコントロールするところを簡単に披露した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook