スペースXが「米国のほうき」でさらに48基のスターリンク衛星を打ち上げ

SpaceX(スペースX)のStarlink(スターリンク)ミッションがまた1つ、高く高く遠くへ飛んでいった。米国太平洋標準時3月9日の午前5時45分、フロリダ州ケープカナベラルの宇宙軍施設第40発射施設からFalcon 9(ファルコン9)ロケットが打ち上げられ、地球を周回してインターネットを提供しているSpaceXの2000基に及ぶ衛星群に、新たに48基の衛星が追加された。

今回の打ち上げはブースターにとって4回目で、ミッション開始から数分後に大西洋に浮かぶ無人のドローン船「A Shortfall of Gravitas(厳粛さが足りない)」に着陸した。

2022年に入ってから7つのStarlinkミッションに加え、他の3つのミッションも打ち上げているSpaceXにとって、今回の飛行は目新しいものではなかったが、打ち上げのシークエンスにおいて、おもしろい一節が含まれていた。

「米国のほうきを飛ばし、自由の音を聞く時が来ました」と、SpaceXの打ち上げディレクターは打ち上げの「ゴー」を出す前に呼びかけた。

このコメントは、ロシアの国営宇宙機関Roscosmos(ロスコスモス)を率いるDmitry Rogozin(ドミトリー・ロゴージン)氏が先週、両国間の緊張が高まる状況を受けて、米国へのロシアのロケットエンジンの販売を禁止した後に述べた嫌味にちなんでいる。同氏は国営放送で「何か他のもの、自分たちのほうきにでも乗せて飛ばせばいい」と語っていた。

Falcon 9はSpaceXが開発したMerlinエンジンを搭載しているが、米国の他のロケット(United Launch AlliancesのAtlas VとNorthrop GrummanのAntares)はロシアのエンジンを搭載している。ULAは今後の打ち上げに十分なエンジンの在庫があると発表しているが、Northrop Grummanは、禁輸措置が同社のミッションにどのような影響を与えるかについて声明を出していない。

いずれにせよ、米国のロケット打ち上げの大半を占めるのはSpaceXであり、9日の打ち上げが示したように、同社のほうきも好調だ。

SpaceXの次の打ち上げは、Starlinkのミッションではなく、有人ミッションだ。3月30日に打ち上げられる予定のAxiom-1ミッションは、国際宇宙ステーション(ISS)への初の民間飛行となる。SpaceXは、すでにNASAのクルーを4人ISSに送り込み、民間人だけのクルーがCrew Dragonカプセルで数日間地球を周回したInspiration 4ミッションも行っており、有人ミッションの分野ではかなりの経験を積んでいるといえる。

画像クレジット:SpaceX / Flickr under a CC BY-NC 2.0 license.

原文へ

(文:Stefanie Waldek、翻訳:Den Nakano)

国際宇宙ステーションで高校や学習塾が科学実験、SpaceXのFalcon 9でJAMSS実験装置Kirara 3号機を本日打ち上げ

国際宇宙ステーションで高校や学習塾が科学実験、SpaceXのFalcon 9・ドラゴン補給船でJAMSS実験装置Kirara 3号機打ち上げ

国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の運用・利用支援などを行う有人宇宙システム(JAMSS。ジャムス)は米国時間12月21日、SpaceXのドラゴン補給船に宇宙工場モデル「Kirara」3号機を搭載しFalcon 9ロケットで打ち上げる(CRS-24・SpX-24ミッション。記事掲載時点では打ち上げ成功)。Kiraraは主に、創薬分野で利用される高品質タンパク質結晶生成を宇宙で行うサービスのための実験装置として、複数の企業や団体からの宇宙実験を請け負っているのだが、今回新たに「Kiraraシェアサービス」を開始し、初めての試みとして、日本国内の学校や学習塾から募った宇宙教育ミッションも行うことになっている。

今回の打ち上げに参加する団体は、東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部、欧州コンフォーカルサイエンス、静岡大学電子工学研究所、米国のBayer、ハンガリーのInnoStudio、フランスのInstitut Laue-Langevin、スペインのCSISとIACT、そして教育関連では、茨進、日本旅行(ミライ塾)、柳川高等学校、東京都立小石川中等教育学校、みどりの学園義務教育学校、Nikkei宇宙プロジェクト。

なかでも、市進教育グループの茨進では、JAMSSと共同でISSでの宇宙実験教育を実施する予定となっており、その材料の準備を子どもたちが行った。柳商学園柳川高等高校は、高校主催による宇宙でのタンパク質結晶生成実験を行う。みどりの学園義務教育学校は、持続可能な社会の実現に向けて学んだ成果であるデータやメッセージをSDカードに納めて宇宙に打ち上げる。

Kirara 3号機を載せたSpaceXのFalcon 9は、米国時間12月21日にケネディー宇宙センターから打ち上げられ、翌22日午前4時半ごろ(米国東部標準時間)にISSにドッキングする予定。

SpaceX、ブラックホールを観測するNASAのX線偏光望遠鏡を打ち上げ

SpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットが、NASAのX線偏光観測衛星「Imaging X-ray Polarimetry Explorer(IXPE)」を搭載して飛び立った。2017年に最初に発表されたIXPEは、ブラックホールや中性子星などの宇宙線源から飛来するX線偏光を測定できる初めての衛星だ。

冷蔵庫サイズのこの衛星には、光の方向、到達時間、エネルギー、偏光を追跡・測定できる3つのX線偏光望遠鏡が搭載されている。それらすべての望遠鏡からのデータを組み合わせることで、NASAはX線を放出する謎の天体がどのように機能しているのかをより深く知ることができる画像を形成することが可能になる。例えば、超新星残骸の中心で中性子星が高速回転している「Crab Nebula(かに星雲)」の構造をより詳しく知ることができるのではないかと期待されている。

ブラックホールを観測することで、人類がまだほとんど知らない宇宙の領域について、IXPEは科学者の知見を深めることができる。ブラックホールがなぜ回転しているのか、どのように宇宙の物質を飲み込んでいるのかなどの手がかりを得られるかもしれないとともに、新たな発見につながる可能性もある。今回のミッションの主任研究員であるMartin Weisskopf(マーティン・ワイスコフ)博士は、ブリーフィングで次のように述べている。「IXPEは、宇宙がどのように機能しているかについての現在の理論を検証し、磨きをかけるのに役立ちます。また、これらのエキゾチックな天体について、これまでの仮説よりもエキサイティングな理論を発見できるかもしれません」。

SpaceXは今回の打ち上げに、前回のミッションで使用したFalcon 9ロケットを使用した。順調にいけば、ロケットの第1段はIXPEを宇宙に運んだ後、同社のドローン船「Just Read the Instructions(つべこべ言わず説明書を読め)」に着陸する。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:NASA

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)

最初の「宇宙製造施設」をSpaceXのFalcon 9ロケットで軌道に運ぶとVarda Space Industriesが発表

宇宙空間に製造施設を建設したいと考えているスタートアップ企業のVarda Space Industries(ヴァルダ・スペース・インダストリーズ)は、2023年に最初の宇宙機をSpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットに載せて軌道に打ち上げる契約を結んだと、米国時間10月11日に発表した。

同社が初めて軌道に送り込む宇宙機の現物は、SpaceXのライバル会社であるRocket Lab(ロケット・ラボ)が製造する。Rocket Labは、Vardaのために後に続く2基の宇宙機も製造することになっている。これら3基の宇宙機には、Vardaが製作した2つのモジュール(微小重力下で製造を行うモジュールと、地球に持ち帰るための再突入カプセル)が備わる。

それぞれの宇宙機は、軌道上に3カ月間ほど留まり、約40〜60kgの製造した素材を、再突入カプセルで地球に持ち帰ることを目指している。

Vardaの目標は、宇宙空間でしか持続的に得ることができない微小重力の恩恵を、バイオプリントされた臓器や特殊な半導体などの革新的な材料の製造に活かすことだ。

カリフォルニア州トーランスを拠点とするこのスタートアップは、SpaceXのベテラン社員だったWill Bruey(ウィル・ブリュイ)氏とFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)のプリンシパルであるDelian Asparouhov(デリアン・アスパロホフ)氏が2020年11月に設立。以来、急速に成長してきた。2021年7月に4200万ドル(約47億5000万円)のシリーズA資金調達を発表したVardaは、2023年に2回、そして2024年に3回目の打ち上げを行うという意欲的な打ち上げスケジュールを計画している。

関連記事:無重力状態が続く「地球外」工場実現を目指すVarda Space Industries

Vardaの宇宙機は、Falcon 9のライドシェアミッションで打ち上げられる数多くの物体の1つである。宇宙に行くためのコストを顧客間で分散させ、実質的に相乗りで宇宙に到達することを可能にするライドシェア・ミッションは、新しい、そして儲かるプログラムだ。SpaceXは太陽同期軌道に最大200kgのペイロードを送りたい個々の顧客が支払う打ち上げ費用を、100万ドル(約1億1300万円)まで削減することを約束している。

画像クレジット:Joe Raedle / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Inspiration4の民間人クルー、宇宙へ。スペースXの初となる民間人だけの打ち上げミッション成功

史上初、民間人だけのクルーで宇宙にたどり着いた。

Inspiration4クルーは、米国東部標準時午後8時4分(日本時間9月17日午前10時4分)にフロリダ州のNASAケネディ宇宙センターを離陸し、訓練を受けた宇宙飛行士がゼロという人類史上初の宇宙ミッションをスタートした。

再利用可能なFalcon9ロケットの第1段は、地球に帰還するまでに燃焼を2回行い、打ち上げ後9分半ほどでスペースXの無人機「Just Read the Instructions」に垂直着陸した。Dragonは、米国東部時間午後8時16分(日本時間9月17日午前10時16分)に第2段から分離した。

2段目の分離(画像クレジット:SpaceX

4人の乗組員は、Falcon9ロケットに取り付けられたスペースXのCrew Dragon Capsuleに乗って軌道上で過ごすことになる(このDragonは2回目、Falcon9の第1段は3回目の利用となる)。この高度は、2009年にハッブル望遠鏡の修理を行ったとき以来、人類が到達した最高高度となる。現在のハッブルや国際宇宙ステーションの軌道よりも高いため、宇宙にいるすべての人間の上を飛ぶことになる。

乗組員は、宇宙にいる間に地球を15周する。宇宙空間にいる間、Crew Dragonのノーズコーンに取り付けられた透明な観測ドーム「キューポラ」から宇宙空間を見ることができる。これは、宇宙にある連続した窓としては最大のものだ。Inspiration4は、宇宙飛行が人体に与える影響を解明するための研究をはじめ、さまざまな科学実験を軌道上で行う。また、宇宙飛行が人体に与える影響を知るための研究も含まれている。研究対象となるのは自分自身で、乗組員は飛行前、飛行中、飛行後に自分自身の生物医学的データや生物学的サンプルを収集する。

関連記事:SpaceXが「最も宇宙にいると感じられる」展望ドームをDragon宇宙船の先端に設置すると発表

現在のところ、億万長者がいなければ民間宇宙飛行は行えない。Inspiration4にもその1人がいる。ミッションの司令官であり、資金提供者でもあるJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、決済処理会社Shift4 Paymentsで財を成した。残りのクルーである医師助手のHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏、地球科学者で科学教育の博士号を持つSian Proctor(シアン・プロクター)氏、ロッキード・マーティンのエンジニアであるChris Sembroski(クリス・センブロスキー)氏たちは才能豊かで、並外れた勇気を持っていることは明らかだが、普通の人たちだ。

発射台39AでFalcon 99ロケットを見るInspiration4のクルー(画像クレジット:SpaceX

このミッションはセント・ジュード研究病院のための募金活動だ(セント・ジュードの募金キャンペーンに寄せられた約7万2000件の寄付の中からセンブロースキーしは選ばれた)。クルーは総額2億ドル(約220億円)の募金を目指した。アイザックマン氏は1億ドル(約110億円)を寄付し、ミッションは目標を大きく上回り、打ち上げ時には3億ドル(約330億円)近くに達している。

民間人による最近の宇宙飛行と比べてはるかに長いミッションに向けて、乗組員たちは、レプリカのDragon Capsuleで12時間、さらに30時間のフライトシミュレーションを行い、2021年5月にはワシントン州のレーニア山に登るなど、何百時間ものトレーニングを行ってきた。

スペースXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、ケネディ宇宙センターでクルーを見送った。また、スペースXのカスタム宇宙服を着た2台のModel Xで発射塔に向かうなど、スペースXらしいスタイルを貫いた。今回のミッションにおけるNASAの関与は、100万ドル(約1億1000万円)相当のサービスや機材を提供した程度のものだったが、スペースXを現在のような高い地位にまで押し上げる上で、NASAは重要な役割を果たした。スペースXは、2014年にNASAから26億ドル(約2841億円)を獲得し、商用クループログラムのもと、Crew Dragonを開発した。

世界最大かつ最も収益性の高い打ち上げ会社であるスペースXにとって、大きな節目となった。今回の打ち上げは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏やRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏がここ数カ月で行ったものとは大きく異なるものだ。類似点もあるにはあるが、Blue OriginやVirgin Galacticのミッションよりも、クルーはより高く、より長く飛行することになるからだ。しかし、スペースXの有人宇宙飛行担当シニアディレクターであるBenji Reed(ベンジー・リード)氏が先に述べたように、3社とも宇宙飛行を「航空会社のようなモデルに進化させる」という目標を持っている。

関連記事
Blue Origin初の有人飛行成功、ベゾス氏ら4人が宇宙を体験
ヴァージン・ギャラクティックとブランソン氏は宇宙への乗客初打ち上げを祝う

リード氏は「究極的に私たちは、多くの惑星を生命のあるものにしたいと考えています。つまりそれは、何百万人もの人々を宇宙に送り出すことを意味します。長期的なビジョンは、宇宙飛行が航空券を買って行くようなものになることです」という。

2021年も、スペースXはより多くの有人ミッションを実施する予定だ(ただし、全員が民間人のクルーということはない)。2021年末にはFalcon9によるISSへの宇宙飛行士輸送が予定されており、2022年初めには初の商用Axiomミッションが実施され、同じく宇宙ステーションへの輸送が予定されている。「Dragonのマニフェストは、刻々と忙しくなっています」と付け加えた。

すべてが計画どおりに進めば、3日後にはInspiration4のクルーがフロリダ沖のメキシコ湾または大西洋に着水、地球に戻ってくる姿を見ることがでる。天候も重要だ。「打ち上げ時の天候だけでなく、3~4日後の帰還時の天候も考慮しなければなりません」とリードは米国時間9月14日の記者会見で説明した。

クルーが軌道上にいる間は、Inspiration4のメンバーであるセンブロスキー氏(宇宙でウクレレを演奏する予定)が監修したプレイリストを聴くことができる。

画像クレジット:SpaceX

関連記事
KDDIがイーロン・マスク氏率いるSpaceXのLEO衛星通信サービスStarlinkをau通信網に採用
新型コロナウイルスの影響から液体酸素が不足、ロケット打ち上げ延期の原因に
画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Katsuyuki Yasui)

SpaceXがStarlinkの端末10万台を出荷、今後の打ち上げにはStarshipを利用する計画

Elon Musk(イーロン・マスク)氏のStarlinkプロジェクトは、人工衛星のコンステレーションにより、グローバルなブロードバンド接続を提供する。当プロジェクトがこのほど、10万台の端末を顧客に出荷した。

10万台の端末を出荷した。

2019年の11月に衛星の打ち上げを始め、翌年2020年には一部の顧客に月額99ドル(約10870円)でベータアクセスの提供を開始したが、その1年後に端末10万台は資本集約型のサービスにとって驚くべきペースだ。SpaceXはこれまでに1700基以上の衛星を打ち上げており、出荷された10万台の端末に加えて、50万台以上のサービスの追加注文を受けている。

同社は衛星の打ち上げに自社のFalcon 9ロケットを使っているため、ペースが速いのも意外ではないかもしれない。今や時価総額が最大の宇宙企業である同社にとって、このような垂直的統合こそが中心的な戦略だ。

Starlinkのベータ版顧客の多くは、従来のブロードバンドへのアクセスが限られているか、存在しない遠隔地や田舎に住んでいる。Starlinkは499ドルの初期費用がかかるが、その中にはサービスの利用開始に必要なユーザー端末(スペースXは「Disy McFlatface」と呼ぶ)、Wi-Fiルーター、電源、ケーブル、三脚などのスターターキットが含まれている。

画像クレジット:Starlink

しかしStarlinkの急速な成長は同社の積極的な戦略を反映したものだが、プロジェクトとしてはまだ始まったばかりだ。SpaceXにいわせれば、これは本プロジェクトの始まりに過ぎない。同社は最終的に、約3万個のスターリンク衛星を軌道上に打ち上げ、ユーザー数を数百万人にまで拡大したいと考えている。米国時間8月18日に連邦通信委員会(FCC)に提出した次世代Starlinkシステムの申請書によると、コンステレーションの構成を2つに分けて提案しており、そのうち1つは、同社の次世代重量物打ち上げ用ロケットStarshipを使用する。

完成後のコンステレーションは総衛星数2万9988基となり、SpaceXの提案によると、同社のFalcon 9ロケットを使用する別の構成もある。しかしいうまでもなく、ペイロードの大きさで有利なのはStarshipだ。

「SpaceXは新しい打ち上げ機Starshipの進んだ能力を有効利用する方法を見つけました。同機はより多くの質量を速く、効率的に軌道へ運ぶ強化された能力を持ち、また上段の再利用性も増しているため効率性はさらに良い」と同社の修正申請書にある。

関連記事
SpaceXが初の買収、衛星ネット接続のSwarm Technologiesを全額出資子会社に
SpaceXの大型ロケット「Super Heavy」と宇宙船「Starship」が初めて合体、全高120mは史上最大
ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信
画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

SpaceXが88機の衛星を軌道に乗せ、2021年初めて1段目の地上着陸に成功

SpaceX(スペースエックス)は、米国時間6月30日外部顧客向けの衛星85基とStarlink(スターリンク)衛星3基を軌道に打ち上げ、同社のライドシェアミッション(相乗りミッション)で2回目の成功を収めた。このTransporter-2(トランスポーター2)ミッションは、1回目のライドシェアミッションよりも宇宙に送り出す物体の数は少なかったものの(Transporter-1では143個の衛星を打ち上げ、新記録を達成した)、全部を合わせた質量はより大きなものになった。

このTransporterの打ち上げは、同社のライドシェアビジネスモデルの一環である。2019年に発表されたこれらのミッションは、ロケットのペイロード容量を複数の顧客に分配することで、それぞれの顧客のコストを低減させる。多くの顧客は、こうした手段を使うことなしには、軌道に乗せるための費用を支払うことが不可能な中小企業だ。それでも今回SpaceXは、ロケットを満載にし、運用をまかなうための収入を手にすることができた。

今回のFalcon 9(ファルコン9)ロケットは、米国東部時間6月30日午後3時31分(日本時間7月1日午前5時31分)頃、フロリダ州のケープ・カナベラルから離陸した。これは2021年における、20回目のFalcon 9の打ち上げで、ロケットの1段目を海上の無人船ではなく陸上に戻すことを狙った2021年最初の打ち上げだった。1段目のブースターは米国東部時間6月30日午後3時34分(日本時間7月1日午前5時34分)頃に分離してケープカナベラルに戻り、発射から約8分後には着地に成功した。今回は同ブースターにとって8回目の飛行となる。

画像クレジット:SpaceX

このミッションには10社近くの顧客が参加しており、その中には14社の顧客に代わって36機の小型衛星を打ち上げるSpaceflight(スペースフライト)のような顧客のペイロードを編成する打上げサービス事業者や、同社のSherpa-LTEという名の電気推進機なども含まれている。また、宇宙情報企業Umbra(アンブラ)の初の打ち上げ衛星や、Loft Orbital(ロフト・オービタル)の「ライドシェア」衛星であるYAM-2とYAM-3も搭載されている(それぞれの衛星には、別々の顧客のための5つの独立したセンサーが搭載されている)。

今回の打ち上げはSpaceXにとって2021年20回目にあたるものだったので(これまでの総ミッション数としては127回目)、2021年の打ち上げ回数は2020年の記録である26回をはるかに上回ると考えても良いだろう。

今回のTransporter-2の打ち上げは、当初米国時間6月29日に予定されていたものが延期された2回目の試行だった。1回目の打ち上げは、プロペラ機がフライトゾーンに侵入してきたために、発射11秒前に中止された。このことを受けて、SpaceX CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、規制システムが壊れていると発言した。

残念ながら、無闇に巨大な「立入禁止ゾーン」に他の航空機が侵入してしまったため、本日の打ち上げは中止となりました。

大規模な規制改革なしに、人類が宇宙飛行文明を手に入れることはできません。現在の規制システムは壊れています。

関連記事:スペースXが最新Falcon 9打ち上げで衛星投入数の記録達成、143機の衛星を軌道上へ

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Starlink人工衛星

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

スペースXがDragon貨物輸送宇宙船を打ち上げ、新型太陽発電パネルやクマムシを宇宙ステーションへ

SpaceX(スペースX)のDragon(ドラゴン)カプセルが、再び国際宇宙ステーション(ISS)に向かっている。

同社は米国時間6月3日に、NASAから委託された22回目となる商用補給サービス(CRS)ミッションを打ち上げた。これはSpaceXが過去12カ月間にISSへ送ったカプセルとしては5回目になると、同社のDragonミッション管理担当ディレクターを務めるSarah Walker(サラ・ウォーカー)氏は、メディア向け会見で述べた。また、(再利用ではなく)新しいFalcon 9(ファルコン9)ロケットブースターを使った2021年最初の打ち上げでもある。

ロケットは米国東部時間午後1時29分にフロリダ州のケープ・カナベラルを、南と東から嵐の雲が迫っていたものの、予定どおりに離陸。第1段機体は計画どおりに分離し、打ち上げから8分後に大西洋に浮かぶ「Of Course I Still Love You(もちろん、今でも君を愛している)」と名づけられた無人船にタッチダウンした。カプセルを軌道に投入させる第2段は、打ち上げから12分後に分離、こちらも予定どおりだった。

今回のFalcon 9ロケットよる補給ミッションでは、新型太陽発電パネルを含む3.3トン以上の研究材料、物資、ハードウェアをISSのクルーに送り届ける。これは、SpaceXがNASAと結んだ新たな商業軌道輸送サービス(CRS)契約に基づく2回目のミッションで、1回目は2020年12月に行われた

関連記事:SpaceXが100回目のFalcon 9打ち上げに成功、新Cargo DragonをISSへ

Dragonカプセルには、Colgate(コルゲート)の歯磨き粉を使って細菌の繁殖を調べる口腔内細菌、宇宙環境での生息と繁殖を試みる原始的な生物であるクマムシ(愛称、ウォーターベア)、宇宙飛行中に多くのクルーが罹患する腎臓結石の形成に対する微小重力の影響を調べる調査など、ISSで実施される多くの研究実験材料が積まれている。

また、りんご、ネーブルオレンジ、レモン、アボカドなどの生鮮食料品も運んでいる。

3328kgの積荷のうち、1380kgは宇宙インフラ企業のRedwire(レッドワイヤー)が開発した新しいロールアウト式の「flexible blanket(フレックスブランケット)」太陽電池パネルが占めている。「従来のリジッドパネル式太陽電池パネルと比べ、フレックスブランケット技術は質量や性能の面において利点があります」と、Redwireの技術ディレクターを務めるMatt LaPointe(マット・ラポイント)氏は、TechCrunchに語った。

この太陽電池パネルは、Dragonの非加圧トランクに収納されている。iROSA(ISS Rool-Out Solar Arrays、国際宇宙ステーション・ロールアウト式太陽発電パネル)をISSに送るミッションは3回予定されており、今回はその1回目だ。ラポイント氏によれば、各ミッションでは2セットずつ運ばれることになっているという。全部で6セットのiROSAが設置されれば、合計120KWを超える電力を生み出すことができる。2021年3月に特別目的買収会社との合併による上場を発表したRedwireは、新しいiROSAによって、ISSの発電量は20~30%向上すると述べている。

Dragonカプセルは6月5日の午前5時頃に宇宙ステーションに到着し、ISSのHarmony(ハーモニー)モジュールのポートに自律的にドッキングする予定だ。その後、1カ月以上を宇宙ステーションで過ごし、調査・帰還用の貨物を積んで地球に帰還、大西洋に着水することになっている。

関連記事:買収意欲旺盛な宇宙インフラ企業RedwireがSPAC経由で株式公開へ

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXCargo DragonNASAISSFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Firefly Aerospaceの月着陸船は2023年にSpaceX Falcon 9で月に飛ぶ

Firefly Aerospaceは、ロケットを開発しているだけでなく、並行して、同社の初めての月着陸船Blue Ghostを作っている。Blue Ghostは2023年に、別の打ち上げ企業SpaceXのロケットに乗って旅をする、と今日(米国時間5/20)同社が発表した。

Firefly Aerospaceも自社の打ち上げ機を開発中だが、最初の軌道飛行を目指しているAlphaロケットは、大きなペイロードを月に運べるロケットではない。一方SpaceXは、まだFalcon 9を月へのミッションで送り出したことはないが、そのほかのミッションでは何度も成功している。その仕様では月への配達も可能であり、商用月着陸船のそのほかの開発企業も、多くが打ち上げ機として同機を選んでいる。

関連記事: NASA issues new call for lunar payload deliveries from its commercial moon lander partners(未訳)

FireflyのBlue Ghostは、わずか2年後に旅立ち、NASAの月への商用ペイロードサービスであるCommercial Lunar Payload Services(CLPS)のために10個のペイロードを運ぶ。NASAはその事業を利用して、月面に実験装置を運ぶミッションを民間企業に与える。その一部は、人間による月探検と究極的には長期居住を目的とするArtemisミッションの準備でもある。

SpaceXが選ばれた理由の一部は、Falcon 9の性能仕様ではBlue Ghostが自分の燃料を多く節約でき、着陸船が約150kgの積荷を運べるからだ。他の多くのCLPSプロバイダーと同じくFireflyも、他の民間企業からNASAの実験装置と並ぶペイロードを奪い、節約で生じたスペース(積載量)を売上増に結びつけたいからだ。

CLPSの下(もと)での最初の着陸船の打ち上げは、今年の第四四半期を予定している。現在は計6社が選ばれているが、それらの打ち上げの予定は2023年内だ。

関連記事: As launch market matures, space opportunities on the ground take off(未訳、有料記事)

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Firefly Aerospace

[原文へ]

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

NASA

4月24日、日本人飛行士の星出彰彦氏ほから4人を乗せたSpaceX Crew Dragonが、再利用された宇宙船として初めての国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功しました。このCrew-2ミッションは、再利用されたFalcon 9ロケットによる初の有人ミッションでもあります。

また、ISSで星出飛行士を迎えた野口聡一らが乗り込んで打ち上げられたときにCrew Dragonに登場したのはNASAと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の飛行士でしたが,今回はそれに欧州宇宙機関(ESA)の飛行士も加えた3機関の飛行士が同時にCrew Dragonに搭乗した初のミッションであり、初物づくしのミッションになっています。

なお日米欧の宇宙機関の飛行士が同時にSpaceXの宇宙船でミッションを行うのもこれが初めて。NASAにとっても20年ぶりのことです。さらに言えば、日本の飛行士が2名同時にISSに滞在するのは、2010年の野口飛行士と山崎直子飛行士以来の出来事です。

今回のドッキングでISSに搭乗した4人を加えて、現在ISSには11人の飛行士が滞在していることになります。これもまた、スペースシャトルが現役だったころ以来の人口密度。ただし、Crew-1ミッションでこれまでISSに滞在していた野口飛行士ら4人は、約6か月の滞在を終えて28日に地球へ帰還の途に就く予定。ISSは星出飛行士が船長に就任します。

スペースXが再利用Dragon宇宙船で初めてISSにドッキング、宇宙飛行士11人揃う

NASA TV

再利用宇宙船によるISSへの人員輸送成功は、民間企業による宇宙飛行がさらに一般的になってきたことを示すものです。SpaceXは、2022年1月には民間だけでの宇宙飛行ミッションAX-1を計画しており、さらISSへの人員輸送も、すでに2023年までの予定が組まれているとのことです。

ちなみに、JAXAのリリースによると星出飛行士のISS滞在中の任務としては「次世代水再生システム構築に向けた技術実証、筋萎縮予防に貢献可能なバイオ素材の有効性検証や細胞内の重力感知メカニズムに関する宇宙実験、船内ドローンロボットを使ったプログラミング競技会」などが予定されています。

(Source:NASAJAXASpaceXEngadget日本版より転載)

関連記事
スペースXが再利用Dragon宇宙船での宇宙飛行士の打ち上げに初成功
SpaceXがFalcon 9による第2クルー打ち上げをライブ中継
SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功
NASAとSpaceXがCrew Dragonの初運用打ち上げを11月14日に予定、野口聡一宇宙飛行士も搭乗

カテゴリー:宇宙
タグ:Crew Dragon(製品・サービス)JAXA(組織)SpaceX / スペースX(企業)NASA(組織)Falcon 9(製品・サービス)

スペースXが再利用Dragon宇宙船での宇宙飛行士の打ち上げに初成功

SpaceX(スペースX)は米国時間4月23日の金曜日朝、Crew Dragon宇宙船の打ち上げと軌道投入を予定通り実施し、またしても有人宇宙飛行を成功させた。Crew DragonはFalcon 9ロケットに搭載され、米フロリダ州ケープカナベラルから東部時間4月23日午前5時49分(日本時間4月23日午後18時49分)に離陸した。搭乗したのはNASAのMegan McArthur(メーガン・マッカーサー)飛行士、Shane Kimbrough(シェーン・キンブロー)飛行士をはじめ、JAXAの星出彰彦、ESAのThomas Pesquet(トーマス・ペスケ)氏ら4名の宇宙飛行士である。

これはスペースXにとって、2020年のCrew-1に続く2回目のNASA向けの正式な宇宙飛行士輸送ミッションだ。Crew-1とは異なりCrew-2では、Crew-1の打ち上げ時に使用された第1段ブースターや、ペースXが初めて有人宇宙飛行を行った際に使用されたCrew Dragonカプセルなど、宇宙船システムのうちの2つの再使用部品が使用された。Crew DragonカプセルはNASA向けの宇宙船認証プログラムの最終デモンストレーションミッションで、Bob Behnken(ボブ・ベンケン飛行士、このミッションのパイロットであるマッカーサー飛行士はベンケン飛行士の妻)とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)飛行士をISSに送り込んだ。同社は再使用部品を使用することは新品部品を使用するよりも間違いなく安全であると指摘しており、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOは4月22日の夜に行われたXPRIZEのPeter Diamandis(ピーター・ディアマンディス)氏との会話の中で「工場から出てきた宇宙船の初飛行」には参加したくないと述べている。

Crew Dragonは目標とする軌道に到達し、これから24時間弱かけて国際宇宙ステーション(ISS)とのランデブーを実施する。そして翌日の早朝には、スペースXのもう1機のCrew Dragonが2021年4月初めにISSの別のポートに移動した際に空けられたばかりのドッキングポートに取り付けられる予定だ。

今回の打ち上げにはブースターの回収も含まれており、スペースXのドローン着陸パッドを使って海上に着陸した。このブースターはすでに2組の宇宙飛行士を搭乗させており、改修後にさらに別の宇宙飛行士を乗せることができる。

スペースXとNASAとのCommercial Crewプログラムは、NASAが研究や宇宙開発ミッションのためにより多くの民間企業と提携する動きの中でも、重要な成功例であり続けている。アポロ計画以来初めて月に人間を帰還させるアルテミス計画の有人着陸システムの開発に、NASAはスペースXを起用した。同社の有人宇宙飛行計画にとって次の大きなマイルストーンは、現在秋に予定されている民間人のみで構成されたミッションの初飛行だ。

関連記事:SpaceXとNASAが4人の宇宙飛行士を乗せた初の有人Dragon運用ミッションの打ち上げに成功

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXCrew DragonFalcon 9ロケットNASAJAXA

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:塚本直樹 / Twitter

スペースXが新たに60基のStarlink衛星を打ち上げ、1カ月あまりで計300基が地球低軌道へ

SpaceX(スペースX)は米国時間4月7日、地球低軌道に展開するブロードバンドコンステレーション「Starlink(スターリンク)」衛星を新たに打ち上げた。これで3月4日以降に打ち上げられたStarlink衛星は300基となり、5回のフライトで60基ずつという速いペースを維持している。

前回の打ち上げは米国時間3月24日で、その前は3月14日、3月11日、3月4日だった。SpaceXは、2021年中に合計1500基のStarlink衛星を打ち上げることを目標としているため、このペースは意図的に速いものとなっている。この特に忙しかった月の前にも、SpaceXは他に4つのStarlinkミッションを打ち上げており、その中には他の顧客の衛星も運んだSpaceX初のライドシェア専用ミッションも含まれる。

関連記事:スペースXがStarlink衛星をさらに60機打ち上げ、3月だけで240機も投入

SpaceXは、これまでに全部で1443基のStarlink衛星を打ち上げている。しかし、これは現在軌道上にある衛星の総数を反映したものではない。初期に打ち上げられた衛星のいくつかは、計画通りに離脱したためだ。現在、FCC(連邦通信委員会)に申請されている周波数スペクトラムに基づくと、最終的に計画されているコンステレーションの規模は、最大で4万2000基の衛星を含むと予想される。

SpaceXは先日、NASAと新たな協定を結び、両組織がそれぞれの宇宙船の接近や衝突を回避する方法を定義した。NASAはこの種の事故を回避するための方策を制定し、すべてのロケット打ち上げ会社に遵守を求めているが、SpaceXによるStarlinkミッションの規模と頻度から、より広範な追加協定が必要になった。

関連記事:NASAとSpaceXがStarlink衝突予防のため高度な情報共有契約を締結

今回の打ち上げでは、使用したFalcon 9(ファルコン・ナイン)ロケットの、これで7回目となるブースターの着陸も行われた。大西洋に浮かぶSpaceXの着地パッドに予定通り着陸したブースターは、今後の再利用のために改修が行われる予定だ。また、SpaceXは、離陸時に衛星を保護する分割式の貨物カバーであるフェアリングを、海上で回収することも検討している。同社はこれまでパラシュートで減速して落下するこのカバーを空中で回収するために使用していた2隻の船を退役させたばかりだが、現在は着水後に海から回収して再利用することを目指している。

画像クレジット:SpaceX

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXStarlink衛星コンステレーションFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

初の完全民間有人宇宙飛行の1座席はSalesforceマーク・ベニオフ氏らの審査委員会が決める

SpaceX(スペース・エックス)による初の完全民間有人宇宙飛行ミッションは、計画どおりに進めば2021年中にCrew Dragon(クルー・ドラゴン)カプセルを使って4人のクルーを軌道へと運ぶ。クルーの1人は審査委員会によって応募した起業家の中から選ばれる。委員会のメンバーは、Salesforce(セールスフォース)CEOのMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏、Fast Company(ファスト・カンパニー)編集長Stephanie Mehta(ステファニー・メータ)氏、ユーチューバーのMark Rober(マーク・ローバー)氏、およびBar Rescue TVのホストJon Taffer(ジョン・タッファー)氏だ。多岐にわたる人々だが、この狂乱ぶりには理由がある。

この席は乗船する4人のうちの1人分だ。1つ目はコンテストとミッションのスポンサーであり、Shift4 Payments(シフト4ペイメンツ)のファウンダーで、このフライトを支援するためにわずかとはいえない金額を費やすことを選んだJared Isaacman(ジャレド・アイザックマン)氏に渡る。2つ目は、先にアイザックマン氏が明かした通り、 セントジュード小児研究病院の従業員で元がん患者のHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏に決まった。

関連記事:骨肉腫サバイバーの女性がSpaceXの初の完全民間有人宇宙旅行のクルーに

残る2つの席は、それぞれ別のコンテストによって決定される。1つは現在進行中の慈善募金活動を通じてセントジュード小児研究病院に寄付した米国市民全員に与えられる。もう1つは、審査委員会によって決定され、勝者はShift4のeコマースプラットフォームShift4Shop(シフト4ショップ)に店を持っている応募者の中から選ばれる。

そのとおり。このとてつもなく高額で開拓精神あふれる宇宙ミッションは、アイザックマン氏率いるShopifyライバルのグロースマーケティングキャンペーンでもあるのだ。ただし公正を期すために言っておくと、当選者の店は新しくなくてもよい。既存のShift4ユーザーも応募可能で当選の権利がある。

勝者を決める条件として発表されているのは「創造力と革新性と決断力を有する事業主または起業家」つまり、まあ誰でもよい。私はベニオフ氏、メータ氏、ローバー氏(ユーチューバーであるとともに元NASA JPLのエンジニア)、タッファー氏の面々が、果たして誰を選ぶのか非常に関心がある。

このInspiration4(インスピレーション・フォー)ミッションは現在2021年第4四半期の打ち上げを予定している

関連記事:SpaceXが初の完全民間有人宇宙飛行を2021年中に実施、Shift4 Paymentsのジャレド・アイザックマン氏ら4人が乗船

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Crew Dragon民間宇宙旅行

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook

骨肉腫サバイバーの女性がSpaceXの初の完全民間有人宇宙旅行のクルーに

SpaceX(スペースエックス)は今や人々を宇宙に運ぶ事業を展開している。計画どおりにいけば、乗り込む全員が民間宇宙旅行客という初の宇宙旅行を2021年後半に初めて実施する。そして今、億万長者でShift4Paymentsの創業者Jared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏の旅に加わる人物が明らかになった。St. Jude Children’s Research Hospital(セントジュード小児研究病院)の従業員で元患者のHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏だ。

関連記事:SpaceXが初の完全民間有人宇宙飛行を2021年中に実施、Shift4 Paymentsのジャレド・アイザックマン氏ら4人が乗船

同氏はSpaceXのDragonに搭乗する4人のメンバーの1人としてアイザックマン氏によってすでに選ばれていた。打ち上げられれば、このミッションには詳細不明の軌道上を回りながら数日間過ごすフライトが含まれる。アイザックマン氏は2021年初めに宇宙旅行を発表した記者会見で、セントジュード小児研究病院から誰を選んだのか「すでに知っている」としていたが、披露するのは後に取っておくと話していた。

同氏は、自身が命名したフライト「Inspiration4」の数カ月におよぶキャンペーンを展開している。宇宙旅行の残る2席は現在進行中の2つのコンペティションで選ばれた人物に提供される。1人は打ち上げにともなう募金キャンペーンでセントジュード小児研究病院に募金した人の中から選ばれる。残りの1人はShift4が新たに立ち上げたeコマースプラットフォームでオンラインストアを開く起業家から選ばれる。

AP通信が報じたように、アルセノー氏は骨肉腫サバイバーで、医師助手として2020年にセントジュード小児研究病院へと加わった。予定されているフライトで宇宙に行くとなれば、同氏は数多くの「初」記録を打ち立てることになる。その1つが、わずか29歳で宇宙にいく最年少の米国人というものだ。また同氏は10歳のときにセントジュード小児研究病院で骨肉腫の治療を受け、人工膝と大腿骨にロッドを装着していて、人工装具をつけて宇宙に行くというのも初だ。

打ち上げにかかる費用はすべてアイザックマン氏がSpaceXに支払う。このミッションにともなうセントジュード小児研究病院から選ばれた人の納税義務もカバーする。同氏はまた、他のクルーを選ぶために使われる募金活動で集まった費用に加えて、自身の基金からセントジュード小児研究病院に1億ドル(約105億円)を寄付することも約束している。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Crew Dragon民間宇宙旅行

画像クレジット:Inspiration4

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

SpaceXが初の完全民間有人宇宙飛行を2021年中に実施、Shift4 Paymentsのジャレド・アイザックマン氏ら4人が乗船

SpaceX(スペースX)は、初の完全民間有人宇宙飛行ミッションの計画を発表した。高価な銀河系旅行の打ち上げは、2021年第4四半期の実施を予定している。このミッションには、SpaceXの宇宙船Crew Dragonと打ち上げロケットFalcon 9が使用され、決済プラットフォームShift4 Payments(シフトフォー・ペイメンツ)のCEOであるJared Isaacman(ジャレド・アイザックマン)氏が選ばれた3名のメンバーとともに乗船し、アイザックマン氏と彼の会社およびSt. Jude Children’s Research Hospital(セントジュード小児研究病院)がスポンサーを務める。これも製品の採用を推進する方法の1つだ。

ミッションはInspiration4と呼ばれ、すでにデジタルの世界では大きく注目されており、カウントダウンタイマー付きのウェブサイトもある。4人乗りの座席のうち2つはセントジュード病院に贈られ、その1つは小児病院の前線で働くヘルスケアワーカー(すでに決まっているが、アイザックマン氏が彼女は多様な選択肢の1人であると言った以上は明かされていない)に、もう1つはセントジュードに寄付した人たちによるオンラインコンテストの参加者から選ばれる。最後の1席はShift4のeコマース向けオンラインプラットフォームでビジネスを構築した起業家に渡る。

アイザックマン氏はセントジュード病院に1億ドル(約105億円)を寄付することをInspiration4キャンペーンの一環として約束しているほか、キャンペーンを通じた寄付でさらに1億ドルを集める見込みだ。アイザックマン氏は16歳の時にShift4 Paymentsを開業し、現在、年間2000億ドル(約20兆9800億円)以上の取引が行われているが、同氏は他に民間空軍を創設、指揮していたこともあり、後に大手国際民間軍事企業のBlackstoneに売却した。アイザックマン氏の会社は米国空軍のためにパイロットの訓練を行い、彼自身も商用および軍用飛行機の訓練済みパイロットとして認定されている。

Shift4 Paymnentの創業者でCEOのジャレド・アイザックマン氏。SpaceX初の完全民間有人飛行の最初のメンバーに選ばれた(画像クレジット:SpaceX)

アイザックマン氏は、宇宙船Dragonの指揮官を務める。宇宙船は完全自動で飛行するが、緊急時にはある程度の専門知識を持つ者が船内にいる必要があるので、理に適った選択だ。アイザックマン氏のパイロットとしての経歴と大富豪であることを考え合わせると、この役割の有力候補である。

ミッションの性質上、事前の民間宇宙飛行士訓練があり、軌道メカニズムや無重力操作などの指導も受ける。フロリダ州のケネディ宇宙センターから飛び立ち、地球軌道を複数(約90分間に1回)周回し、宇宙船は複数日間、宇宙に留まる。SpaceX創業者のElon Musk(イーロン・マスク)氏は、最終的にはジャレド(・アイザックマン)の判断になるが、会社は2~4日間を想定していると語った。その後、地球の大気圏に突入し大西洋に着水してSpaceXクルーに回収される。当ミッションではこのフライトのために現在国際宇宙ステーションにドッキングしているSpaceXのDragonカプセルを使用するつもりで、打ち上げに関するNASAの承認と協力を取り付けてある、とマスク氏は語った。

以前SpaceXは、宇宙船DragonがNASAから有人飛行の認定を受けたあかつきには、民間ミッションを実施したいという意向を明らかにしていた。今私たちは最初の専用民間ミッションの打ち上げが迫っていることを知ったわけだが、それはVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の準軌道宇宙循環機による日帰りツアーをはじめとする他の民間宇宙旅行計画を追い抜くかもしれないということでもある。

フライトはどの軌道を目指すのかを尋ねられたマスク氏は、「強調したいのは、どこへ行きたいかを決めるのは、本人次第だということだ。私たちはそこへ連れていく」とはぐらかし、アイザックマン氏が近日中に決定して発表するとつけ加えた。別の質問で、乗組員はどんな装備を持ち込めるのかと尋ねられると、マスク氏は再び船長に委ね「過ごす時間に安らぎをあたえるものがあれば、ちょっとすてきですね」とアイザックマン氏は語った。

関連記事
SpaceXとSpace Adventuresが提携し2021年にも宇宙旅行を提供
成層圏気球での宇宙旅行提供を目指すSpace Perspectiveが7.3億円調達

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Crew Dragon民間宇宙旅行

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Nob Takahashi / facebook

スペースXが最新Falcon 9打ち上げで衛星投入数の記録達成、143機の衛星を軌道上へ

SpaceX(スペースX)は米国時間1月24日に実施されたTransporter-1のミッションで、1回で投入された衛星数の記録を更新した。この打ち上げは同社のライドシェア専用ミッションの最初の試みで、複数の顧客でロケットのペイロード容量を分割することでそれぞれのコストを削減しながら、完全な打ち上げの実施と必要な収益のすべてをスペースXに提供した。

今回の打ち上げには143機の衛星が含まれており、そのうち133機はペイロードを予約した他の企業からのものだった。スペースXはまた自社のStarlink衛星10機を打ち上げ、同社のブロードバンド通信ネットワークを運用するためにすでに軌道上に送られている1000機以上の衛星に加えた。先週の打ち上げ配信の中で同社は、カナダで顧客へベータ版サービスを開始し、プライベートなプレローンチテストを英国にも拡大することを明らかにした。

本日の打ち上げでは、48機のSuperDove地球観測衛星を打ち上げたPlanet Labs、36機の自社製小型IoT通信衛星を打ち上げたSwarm、8機の自社製通信衛星を追加したKeplerなどが顧客に名を連ねた。スペースXが現在実施しているライドシェアモデルは、小規模な新規宇宙開発企業やスタートアップ企業が軌道上で運用可能なコンステレーションをより早く構築するのに役立ち、Rocket Lab(ロケット・ラボ)や新規参入のVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)のような他社の小型ペイロードランチャーを補完するものだ。

今回のスペースXの打ち上げは、Starlink衛星を極軌道に投入する初の試みでもあり、これは同社のブロードバンドサービスの継続的な拡大における重要な鍵となる。ミッションにはFalcon 9ロケットの第1段ブースターの着陸と回収の成功やブースターの5回目の使用、打ち上げ時にペイロードを保護する半分のフェアリングの両方の回収も含まれており、フェアリングは同社の回収船で大西洋の海から回収され、整備され再利用される予定だ。

関連記事
スペースXが2021年最初の打ち上げでStarlinkを60機投入、Falcon 9ロケットの再利用記録も更新
150の超小型人工衛星によるIoT用ネットワークを提供するSwarm、月額500円程度で利用可能
ヴァージン・オービットが輸送用航空機を利用する打ち上げでオービット(軌道)到達に初成功

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXが記録的な数の衛星を搭載した初の専用ライドシェアミッションをライブで公開、予定変更で日本時間1月25時0時から

【更新】米国時間1月23日の打ち上げは、天候のため中止に。翌日である東部標準時1月24日午前10時(日本標準時1月25日午前0時)に行われる。

SpaceXはライドシェア専用ミッションの第1弾を打ち上げる。これは2019年に導入されたもので、小型衛星の運用者がSpaceXのFalcon 9ロケットの打ち上げ時に搭載物の一部を予約できるというものだ。Falcon 9は現在、製造されているほとんどの小型衛星と比べて、比較的大きなペイロード容量があるため、このようなライドシェアミッションは、中小規模の企業やスタートアップに、現実的な予算の中で彼らの宇宙船を軌道に乗せる機会を提供する。

今回、Falcon 9に搭載されている貨物用カプセルには、合計133基の衛星が搭載されている。これは、インド宇宙研究機関のPSLV-C 37が2017年2月に打ち上げた104機の衛星のペイロードを超えるもので、単一のロケットで打ち上げられた衛星数としては過去最高記録となる。また、今回の打ち上げはSpaceXのライドシェア機能だけでなく、複数のペイロードを比較的迅速に異なる記号に展開させることを含む、打ち上げでの複雑な調整機能の重要なデモンストレーションになる。

※リンク

特に今回の打ち上げは、軌道上のトラフィック管理をどのように行うのかという点が注目されている。というのも、今後、民間による打ち上げの活動量がどうなるかを明確に示しているためだ。打ち上げられる衛星の中にはiPadほどのサイズしかないものもあり、専門家たちは衝突の可能性を避けるために、どのように展開、追跡されるか最新の注意を払うことになるだろう。

今回、打ち上げられるペイロードには、Swarmの小さなIoTネットワーク衛星が36機、KeplerのGEN-1通信衛星8機など大量のスタートアップ衛星が含まれている。また、SpaceXのStarlink衛星は10機、Planet Labsの地球観測衛星も48機搭載されている。

関連記事:150の超小型人工衛星によるIoT用ネットワークを提供するSwarm、月額500円程度で利用可能

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

スペースXが2021年最初の打ち上げでStarlinkを60機投入、Falcon 9ロケットの再利用記録も更新

SpaceX(スペースX)は8回目の飛行となるFalcon 9ロケットを使用した、2021年の最初のミッションで17回目のStarlink衛星を打ち上げを行い、ロケットを着陸させその再利用プログラムの記録を更新した。これにより、Starlinkのコンステレーションは合計約1000基になった。同社はサービスのベータプログラムを英国とカナダに拡大し、カナダ・オンタリオ州の僻地にあるFirst Nationsコミュニティに最初のサービスを提供する。

打ち上げは東部標準時午前8時2分(太平洋標準時午前5時2分)にフロリダで実施され、打ち上げから約1時間後に予定通りに衛星が投入された。この打ち上げに使用されたブースターは、上述したように先に7回飛行している。これには、2020年月12月に衛星ラジオネットワークをサポートするために軌道上にSiriusXMを投入するのに使用されたものを含む。

今回の打ち上げは、海上に配置されたスペースXのドローン回収船が停泊していた着陸ゾーンの風が、同社が設定した安全値を超えていた「エンベロープ拡張」条件での着陸の試みだったことからも、注目された。

この成功により、スペースXはロケット回収を試みるための風速に対する許容範囲を広げることができるため、着陸ゾーンの気象条件による打ち上げのキャンセルが減ることになるだろう。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

SpaceXによる米偵察衛星を打ち上げが12月19日に延期、ロケット上段の液体酸素タンクに異常見つかる

東部時間午前11時15分(日本時間12月18日午前1時15分)アップデート:SpaceX(スペースX)は米国時間12月18日のミッションを中止し、米国時間で12月19日午前9時(日本時間同日午後11時)から始まる3時間の打ち上げウィンドウで再度挑戦する予定だ。ロケット上段の液体酸素タンクにて異常に高い圧力が確認されたが、同社はこれを解決するために作業を進める。

SpaceXは米国時間12月18日、Falcon 9ロケットをケネディ宇宙センターから、米国東部標準時午前9時(日本時間同日午後11時)に打ち上げる予定だ。ミッションでは米国国家偵察局(NRO)の偵察衛星が搭載され、Falcon 9の一段目のブースターの回収も予定されている。

このFalcon 9の第1段ブースターはこれまでに4回飛行しているが、その中にはSpaceXがNASAのために国際宇宙ステーション(ISS)に向け実施した2回の民間補給ミッションやStarlink衛星の打ち上げ、そして8月にアルゼンチンの宇宙機関のための衛星打ち上げであるSAOCOM 1Bミッションなどが含まれる。

SpaceXはケープ・カナベラル宇宙基地の着陸地点への着陸を試みる予定で、これは海上の2隻のドローン着陸船の使用に比べると珍しいケースだ。同社の洋上着陸は、陸上への着陸に十分な燃料が搭載されていなかったロケットブースターの回収を可能にするために導入された。一方で今回のNROミッションでは「打ち上げ地点への着陸」を可能にする。

気象条件にもよるが気象条件にもよるが、通常打ち上げウィンドウが長くなるとSpaceXはの最初の時間での打ち上げを目指す。現在の状況であれば、上記のストリームは東部標準時の午前8時45分頃(ウィンドウの15分前)に開始されるはずだ。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceX、翻訳:塚本直樹

画像クレジット:SpaceX

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter

スペースXがFalcon 9ブースターの7回目の打ち上げに成功!

SpaceX(スペースX)はさらに60機の衛星を低軌道衛星群に追加するという、新たなStarlinkミッションを実施した。これは世界を高速ブロードバンドでカバーするという同社の取り組みにとって良いニュースであり、米国時間11月24日の打ち上げはFalcon 9ロケットの第1段ブースターが新記録の7回目の飛行を実施したことからも、再使用可能なロケットシステムの開発というスペースXの重要な展望にとっても良いニュースである。

スペースXは第1段ブースターの6回の再使用飛行の記録を更新し、大西洋上のドローン船への制御着陸でブースターを回収した。

本日の打ち上げはフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から実施され、東部標準時午後9時13分(太平洋標準時午後6時13分)に離陸した。このミッションでは以前のミッションで1回飛行している半分、および以前に2回使用されている別の半分を含む、ペイロードを保護するフェアリングカバーを使用している。

スペースXはすべての新しい部品を使用するのではなく、以前のミッションで使用された部品を飛行させることでコストを削減し、ユーザビリティの向上を目指している。今日のミッションは結果として、これまでで最も費用対効果の高い打ち上げであると考えられる。

これは16回目のスターリンクミッションであり、これまでに1000機近くの小型衛星が打ち上げられてきた。同サービスは現在ベータ版として運用されており、最近ではアメリカの一部からカナダ南部の地域にまで拡大している。

カテゴリー:宇宙
タグ:SpaceXFalcon 9Starlink
画像クレジット:SpaceX

原文へ

(翻訳:塚本直樹 / Twitter