NASAの新HPE製スパコンが月面着陸する宇宙飛行士を支援へ

NASAとHewlett Packard Enterprise(HPE)は、米国カリフォルニア州にあるNASAのエイムズ研究センター向けに新しいスーパーコンピューターを開発し、アルテミス計画の月面着陸における着陸プロセスのモデルとシミュレーションを支援する。

このスーパーコンピューターは、米国の天文学者のRobert Grant Aitken(ロバート・グラント・エイトケン)氏の名前から「Aitken」と名付けられ、理論性能で最高3.69ペタフロップスでのシミュレーションが可能だ。AitkenはHPEとNASA、エイムズ研究所が共同設計したモジュール式のデータセンターで、2017年からスーパーコンピューターのハードウェアの冷却に使用する水とエネルギーの量を大幅に削減するプロジェクトがすすめられてきた。

Aitkenは第2世代のIntel(インテル) Xeonプロセッサ、Mellanox InfiniBandの高速ネットワーク、221TBのメモリをストレージとして搭載する。これはNASAとHPEにおける4年間の協力の成果であり、月に打ち上げられるアルテミスの宇宙船の突入、降下、着陸のさまざまな方法をモデル化し、シミュレーションを実行してその可能性を判断し、最良かつ最も安全なアプローチを決定するのを助ける。

HPEとNASAの協力はこれだけではない。宇宙空間の環境にも耐えられる新型のエンタープライズ向けコンピューターを開発し、火星を含む長期間ミッションのテストを準備するために、2017年に国際宇宙ステーションへと送った。その後、このパートナーはこのスーパーコンピューターをサードパーティーの実験用に昨年公開した。

HPEはまた、スーパーコンピュータを開発しているCrayを13億ドル(約1400億円)で買収すると今年発表した。CrayはNASAのスーパーコンピューター開発における長年のパートナーで、NASAの専用のコンピューターモデル部門の設立や、エイムズ研究所のCentral Computing Facilityの立ち上げに携わったこともある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ヒューレット・パッカード・エンタープライズがスパコン大手クレイを1430億円で買収

HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)Cray(クレイ)を13億ドルで買収することを発表した。これによりHPEはCrayのハイパフォーマンスコンピューティングを取り込むことになり、おそらく将来の量子コンピューティングに向けて足がかりを得ることになる。

買収額は1株35ドルで、昨日の終値29.81ドルに5.19ドルのプレミアムを乗せた。

Crayは1970年代に設立され、一時は米国のスーパーコンピューター業界を引っ張っていたが、時代は変わってマーケットがシフトしたいま、今回の買収は理にかなうものだ。

Constellation Researchの創業者で主任アナリストのRay Wang氏は「買収はマーケットのハイエンド部分の統合となる。HPEにとっては賢い買収だ。Crayはしばらくの間損失を計上してきたが、素晴らしいIPポートフォリオと、量子時代の鍵を握る特許を持っていた」とTechCrunchに対し語った。

HPEの会長でCEOのAntonio Neri氏は買収をWang氏のようにはとらえていなかったが、両社を統合することにチャンスを見出した。「我々のワールドクラスのチームとテクノロジーを合体させることで、次世代の高度なハイパフォーマンスコンピューティングに向けて取り組むチャンスを手にし、また人々の暮らしや仕事を向上させるための重要な役割を担う」と発表文で述べた。

CrayのCEOで会長のPeter Ungaro氏もその意見に同意している。「CrayとHPEのコンビネーションで、急成長中のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)業界とAI業界のリーダーになる。そしてどちらの社も単独ではつかめなかったであろう多くのチャンスを生み出せる」と、今回の買収を発表したブログ投稿に書いた。

Moor Insights & Strategyのプリンシパル・アナリストであるPatrick Moorhead氏は、HPCは急成長マーケットの1つであり、HPEはそこで存在感を出したいことを暗に示してきたと語る。「私はこの買収に驚いていない。この買収の成功度合いは2社の統合によって決まるだろう。HPEはスケールアップと消費モデルを持ち込み、Crayは専門性とコネクティビティのIPを持ち込む」と説明した。

買収が今後どのように作用するかは不透明だが、この手の買収は2社が1社になるため、通常オペレーション部門での解雇を伴う。また、CrayがHPEの一部になるため、この買収がCrayの顧客に影響するかどうかも不透明だ。しかしHPEは、新たに得る資産をCrayの新プロダクトと組み合わせて使いながらハイパフォーマンスコンピューティングのプロダクトをつくる計画を持っている。

HPEは、2014年にHPが2社に分割されたときに組織された。HPはプリンター部門を、HPEは企業部門を受け持っている。

今回の買収は今後、規制当局のチェックを経るが、すべて順調に進めばHPE会計年度の2020年第1四半期に完了すると見込まれている。

イメージクレジット: Courtesy of Cray

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(翻訳:Mizoguchi)

SUSEがHPEのOpenStackおよびCloud Foundry関連資産(そして人材)を買収

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SUSEの名は、Linuxのディストリビューションで知ってる人が多いと思うが、相当前から、OpenStackエコシステムの、目立たないけど一貫した活動メンバーだった。しかし最近の数か月、このドイツ企業はこの世界の強力なコンペティターとしても動き始めている。とくに今という時期は、OpenStackをめぐる企業の整理統合が進んでいるだけに、その動きは注目される。

今日(米国時間11/30)SUSEは、同社がHPE(Hewlett Packard Enterprise)のOpenStack(IaaS)およびCloud Foundry(PaaS)関連資産と人材を買収する、と発表した。これはHPEの、ソフトウェアビジネスをMicro Focusに売り払う(HPEは“spin-merge”する、という言葉を使っている)という決定に続く動きだ。ちなみにそのソフトウェアビジネスには、HPEが110億ドルで買ったAutonomy(その後90億ドルに減価)も含まれる。さらにもうひとつ言うと円が閉じるのだが、Micro FocusはSUSEのオーナーでもある。そしてそのSUSE が、今回はHPEのOpenStackおよびCloud Foundry資産を拾っているのだ。

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SUSEの主張では、今回の買収で同社のOpenStackポートフォリオがより充実し、またCloud FoundryのようなPaaS資産は、同社自身のエンタープライズ対応SUSE Cloud Foundryソリューションの市場化を助ける。

SUSEのCEO Nils Brauckmannはこう語る: “この買収の原動力となったものは、弊社の顧客とパートナーにエンタープライズ的価値をお届けしている、オープンソースのソフトウェア定義インフラストラクチャの提供への、SUSEのコミットメントだ。これはまた、有機的成長(本体の成長)とテクノロジーの買収を組み合わせてビジネスを構築していく弊社のやり方を、世に示すものでもある。重ねて申し上げると、この戦略は市場と世界のオープンソースコミュニティに、SUSEが進歩的で活発な企業であるという、強力なメッセージを送っている”。

SUSEはこれにより、LinuxとOpenStackとCloud Foundryに関してHPEの最優先オープンソースパートナーになる。

しかしHPEはOpenStackとCloud Foundryのゲームから完全に撤退するわけではない。HPEはSUSEのOpenStackおよびCloud Foundry技術を、同社自身のHelion OpenStackとStackatoソリューションに向けてOEMしていく。HPE自身の言葉によると、今回の動きは同社の戦略の“進化”を意味しているにすぎず、それによって同社は“ハイブリッドクラウドソリューションの次の進化の開発に集中できるようになる”、のだそうだ。同社の顧客がHelionプラットホームの将来性について不安を抱(いだ)き始めない、とは想像できないが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SGI(元Silicon Graphic)をHewlett Packard Enterpriseが$275Mで買収

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この10年あまり、SGIは低迷を続けた。かつてSilicon Graphicsという名で知られた同社は2009年に破産を宣言し、その同じ年に二束三文でRackableに買収されたが、そのときに社名をSGI(Silicon Graphics Internationalの頭字語)に変えられ、世間を混乱させた。

昨年HPからスピンアウトしたHewlett Packard Enterpriseが、かつて(HP時代)の競合他社SGIのまるまるすべてを、約2億7500万ドルで買収することになった。この額には同社のキャッシュと債務の両方が含まれる。一株あたりでは、7ドル75セントだ。

SGIは今でも、サーバーマシンと高性能コンピューターのメーカーであり、全世界に1100名の社員がいる。買収の発表声明でHPEは、以前の競合相手であるSGIが、“わが社に新しい製品ジャンルとそれに伴う新たな市場機会もたらす”、と述べている。買収の完結…各種の規制をクリア…は来年のQ1を予定しているが、その後は同社のプロダクトが一つのポートフォリオに入れられる。

SGIのCEO Jorge Titingerはこう述べている: “弊社の高性能コンピューターと高性能なデータ技術および分析能力は、30有余年にわたるイノベーションの歴史を持ち、HPEの業界最高のエンタープライズソリューションを補完する。両社の組み合わせは、今日の複雑なビジネスの諸問題に対応し、必要とされるデータ分析能力と、大量のデータをセキュアに処理できるツールを提供する”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))