オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルサービスを手がけるNearMe(ニアミー)は3月30日、空港と市内を結ぶ送迎サービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)について、北九州空港に本拠を置く航空会社のスターフライヤーと提携を開始。北九州空港と北九州市内をドアツードアで結ぶ空港版スマートシャトルの予約を、同日よりスタートしたことを発表した(前日までの事前予約制のため運行開始は4月1日から)。九州エリアでは、福岡空港の送迎シャトルに続いて2空港目となる。

NearMeは、独自のAIを活用し、2019年夏に空港送迎版の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)のサービスを開始。2022年2月、北九州市が行なう「スタートアップSDGsイノベーショントライアル事業(実証支援事業)」を通じ、北九州市内・苅田町と北九州空港をドアツードアで結ぶスマートシャトルの実証実験を実施した。今回その結果を受け、スターフライヤーの協力のもと北九州空港と市内を結ぶ送迎シャトルのサービス開始に至ったという。

nearMe.Airportは、北の新千歳空港から南の那覇空港まで、今回の北九州空港を含め全国13空港で利用できるようになった。

スマートシャトル」運行概要

  • サイトURLhttps://app.nearme.jp/airport-shuttle/
    ・多言語対応。現状は日本語と英語、今後は5カ国語対応予定
  • 利用方法:オンラインによる事前予約制。前日18時までに予約
  • 運行開始:2022年4月1日
  • 発着点:北九州空港←→北九州市内の指定箇所

料金

  • 北九州空港←→北九州市小倉南区、苅田町:1回2480円(税抜)/人から
  • 北九州空港←→北九州市小倉北区:1回3980円(税込)/人から
  • 北九州空港←→北九州市門司区:1回4980円(税込)/人から
  • オンライン決済が可能なのでチケット不要。飛行機遅延に伴う料金請求はなし
  • 各エリア内であれば乗降車場所問わず定額
  • 大人1名につき、12歳未満の児童2名まで半額適用

また同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

NearMeが街中のタクシー相乗りサービス「ニアミー タウン」を中央区・千代田区・港区・江東区で2月24日15時スタート

NearMe(ニアミー)は2月23日、タクシーの相乗り(略称「シェアタク」)解禁を受け、街中でも行きたいところまでドアツードアで移動できる「nearMe.Town」(ニアミー タウン)を2月24日15時からサービススタートすると発表した。東京都中央区・千代田区・港区・江東区の4エリアで展開する。

利用希望者は、ニアミー タウンの登録サイトにおいて、NearMe公式LINEアカウントの友達追加を行い、アンケートに回答すると受け取れる招待メッセージから参加できる。

乗車前日の18時までに予約するシステムのため、24日から予約開始で25日から乗車が可能となる。運行時間は7~22時(降車時間)まで。1乗車あたりの可能人数は5名、1組あたりの最大人数は4名。発着点は展開する都内4区の全域。料金は国土交通省からの相乗り通達内容に沿って算出される。

nearMe.Town(ニアミー タウン)詳細

  • 予約開始日:2022年2月24日15時から
  • 乗車可能日:2月25日から(乗車前日の18時までに予約)
  • 利用方法登録サイトにおいてNearMe公式LINEアカウントを友だち追加し、簡単なアンケートに回答。その後、随時送られる招待メッセージから参加
  • 運行時間:朝7時(乗車)から夜22時(降車)まで
  • 1乗車あたりの乗車可能人数:5名
  • 1組あたりの最大人数:4名
  • 発着点:東京都内4区(中央区、千代田区、港区、江東区)の全域
  • 料金:相乗り通達内容に沿って料金を算出

同サービスは、国土交通省が発表した、2021年11月1日運用開始の一般乗用旅客自動車運送事業における相乗り旅客の運送を受けたもの(一般乗用旅客自動車運送事業における相乗り旅客の運送の取扱いについて)。これにより、配車アプリなどを介して、目的地の近い乗客・旅客同士を運送開始前にマッチングさせて運送するという、シェアタクが可能となっている。

同社は、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献する「瞬間マッチング」プラットフォーム作りを目指し、まずはMaaS領域において、主に空港と都市をドアツードアで結ぶオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)を2019年8月から展開。すでに全国11空港に拡大しており、その実績を基に独自開発のAIを発展させ、同乗者同士のルーティングの最適化を行ってきた。

NearMe代表取締役社長の髙原幸一郎氏は、今回の相乗り解禁を心待ちにしていたとして、「ニアミーはタクシーをシェアするドアツードア移動で電車・バス・単独のタクシー乗車に次ぐ『第4の公共交通機関』を目指しています」と述べている。

なお同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

多様な交通データを統一的に扱えるMaaSデータ統合基盤TraISAREを手がけるMaaS Tech Japanが3.2億円調達

多様な交通データを統一的に扱えるMaaSデータ統合基盤TraISAREを手がけるMaaS Tech Japanが3.2億円調達

MaaS Tech Japanは12月8日、第三者割当増資による3億2000万円の資金調達を発表した。引受先はリード投資家のDBJキャピタル、またゼンリンフューチャーパートナーズ、東京海上日動火災保険、三菱商事、SMBCベンチャーキャピタル、個人投資家など。

調達した資金は、プロダクト開発体制の強化、社会実装に向けた営業展開の加速、データアライアンスの拡大の拡大にあてる。また、出資を受けた事業会社との連携の下、プロダクトの機能向上と新サービス開発を進める。ゼンリングループが保有する鉄道・歩道・道路関連地図データを活用した様々なモビリティデータ連携の加速、東京海上日動火災保険との提携による保険商品の共同研究やデータ活用、三菱商事との提携によるモビリティサービスやスマートシティなどの分野での事業開発を推進する。多様な交通データを統一的に扱えるMaaSデータ統合基盤TraISAREを手がけるMaaS Tech Japanが3.2億円調達

  • プロダクト開発体制の強化:これまでMaaS Tech Japanは、事業者や自治体との共同プロジェクトにより、事業者・エリア毎のニーズ確認、プロダクト導入を進めてきた。今後はそれらの取り組みを通じて得られた知見やマーケットニーズを踏まえ、より多くの自治体・エリアに利用されるようプロダクトの機能開発を加速させるため、開発体制を強化する
  • 社会実装に向けた営業展開の加速:より多くの事業者・自治体の課題解決に貢献できるよう、社内だけでなく、パートナーも含めた営業体制の構築を進め、プロダクト展開を加速
  • データアライアンスの拡大:MaaSのサービス開発やPDCAを実行するためには、様々なモビリティデータの連携が必要となる。今後、今回出資を行った事業会社とのデータ連携を通じて、モビリティデータの拡充を行ない、MaaSデータ統合基盤、MaaSコントローラの取り扱いメニューを拡大する

2018年11月設立のMaaS Tech Japanは、「100年先の理想的な移動社会の基盤を構築する」をビジョンとして掲げ、理想的な移動社会の実現に向けて、プラットフォーム開発事業、コンサルティング事業を展開。都市・交通分野におけるモビリティデータの利活用による、都市・交通DXの推進を目的に、以下3つのプロダクトを開発し、現在様々な自治体・エリアで、これらプロダクトの展開を通じた課題解決を進めている。

  • MaaSデータ統合基盤「TraISARE」(トレイザー):鉄道、バス、タクシー、飛行機など交通に関する多種多様なデータ(モビリティデータ)をシームレスに統合し、統一的な取り扱いを可能とするデータ統合基盤
  • MaaSコントローラ:公共交通やモビリティサービスなど、様々なモビリティデータを組み合わせて分析し、交通事業者や自治体の交通サービスのプランニング、モニタリングを支援する分析ソリューション
  • MaaSアプリ:モビリティや目的地の検索・予約、クーポン・インセンティブ発行機能など、事業者や自治体がMaaSサービスを提供するために必要となる各種アプリケーション

視覚障がいを持つ人のモビリティを強化するためスマート杖のWeWALKと提携したMoovit

世界的に人気の旅行計画アプリを提供するMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)プロバイダーであるインテル傘下のMoovit(ムーヴィット)は、視覚障がい者がより安全かつ効率的に目的地に到達できるようにするために、スマート杖の会社WeWALK(ウィーウォーク)と提携した。

WeWALKの研究開発責任者Jean Marc Feghali(ジャン・マルク・フェガリ)氏によると、WeWALKのアプリは、MoovitのTransit APIと統合される予定だ。このAPIは、視覚障がい者が公共交通機関を安全に利用できるようにするために、地域の交通機関の公式情報とクラウドソースの情報を組み合わせて、各旅程に最適なルートを導き出す。

今回の提携は、共有する電動スクーターや自転車をアプリ内に表示するための、Lime(ライム)、Bird(バード)、そして最近ではSuperpedestrian(スーパーペデストリアン)などのマイクロモビリティ企業とMoovitとの統合に続くものだ。また、Moovitは、交通不便地域の利用者のためのオンデマンド交通サービスや、自律走行型送迎サービスを提供するためにインテルのMobileye(モービルアイ)と提携するなど、新たなビジネスユニットを立ち上げている。

現在3400都市で展開しているMoovitは、あらゆる場所で、あらゆる人にサービスを提供しようとしているようで、その中にはもちろん視覚障がい者も含まれるべきだ。障がい者コミュニティ向けの交通技術は決して多くはないが、いくつかの有用なイノベーションが生まれ始めている。例えば、本田技研工業のインキュベーション企業であるAshirase(あしらせ)は、最近、WeWALKの杖に似た靴の中のナビゲーションシステムを発表した

杖自体は、シャフトを介してアナログ的に地上の障害物を検知することができるが、杖に取り付けられたスマートデバイスは、超音波センサーを用いて上半身の障害物を検知する。また、杖に内蔵された振動モーターによる触覚フィードバックにより、さまざまな距離の障害物を警告する。

「WeWALKは、バス停への道案内など、さらに多くのことができます」とフェガリ氏は、TechCrunchの取材に対し述べた。「Bluetoothを介して、スマート杖は、WeWALKスマートフォンアプリに接続します。このアプリは、最も包括的で利用しやすい視覚障がい者向けナビゲーションアプリの1つだと考えています。当社のアプリは、Moovitサービスと、当社が独自に開発したナビゲーションエンジンとアプリのインターフェースを統合して、徒歩や公共交通機関のナビゲーションや都市探索機能を提供します」。

ユーザーがアプリに目的地を入れてルートを選択すると、スマート杖は音声ガイドとロービジョンマッピングによってユーザーの旅を段階的に案内し、交通機関の停留所を指示したり、次の交通機関の車両が到着したことを知らせたりする。また、乗車時や目的の停留所に到着した際には通知されるため、利用者は自分が正しい停留所にいることや、降りるタイミングを知ることができる。

ユーザーにとっての一番の利点は、片手で携帯電話を持ち、もう片方の手で杖を持つ必要がないことだ。スマート杖の柄の部分にはアプリと接続されたタッチパッドが内蔵されており、ジェスチャーを使ってスマホを操作しながら、現在地の確認、交通機関の時刻表や近くの交通機関の停留所の確認、目的地までの移動などができる。

「例えば、ユーザーがインペリアル・カレッジ・ロンドンに向かう際には、スマート杖がルートの選択肢をアナウンスし、各段階に応じてユーザーを案内します」とフェガリ氏は述べた。「歩きの場合、WeWALKはバッキンガム・パレス・ロードを12時の方向に50m進み、3時の方向に右折してステーション・ロードに入りますとアナウンスします。地下鉄の駅では、WeWALKが電車の到着時に乗るべき電車を通知し、降りる必要がある前にユーザーに知らせます」。

今回の提携は、金曜日の国際障がい者デーに合わせたもので、視覚障がい者が雇用や教育、社会活動の機会を得るために、より自律的で自由な移動ができるようになることを期待している。

「目の不自由な方は、これまでにないほど自立した生活を送ることができているが、公共交通機関を利用して移動することはまだ困難で、圧倒されることもあります」Moovitのチーフグロース&マーケティングオフィサーYovav Meydad(ヨバフ・メイダッド)氏はコメントしている。「今回の提携により、移動手段の障壁を取り除き、人々に安心感を与え、より多くの機会にアクセスできるようになることを目指します」。

画像クレジット:Moovit

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

計158のMaaS系サービスをまとめた「MaaSカオスマップ」2021年度版をボールドライトが公開

  1. 計158のMaaS系サービスをまとめた「MaaSカオスマップ」2021年度版をボールドライトが公開

MaaS推進の基盤となるオリジナルの観光客向け地図などを簡単に実現できる観光DXプラットフォーム「Platinumaps」(プラチナマップ)を運営するボールドライトは9月21日、計158のMaaS系サービスを掲載した「MaaSカオスマップ」2021年度版を公開した。また、Platinumapsをアプリ化する「プラチナApps」機能の提供開始を明らかにした。

カオスマップ2021年版の考察

日本政府が強力に推進する超スマート社会「Society 5.0」ではシームレスで効率的な次世代移動サービス「MaaS」の実現が重視されており、MaaSは2030年に約2兆8000億円の市場規模になると予測されている。ボールドライトによると、2021年度は「混雑情報配信」「統合型アプリ」が増加傾向にあり、新型コロナウイルスの影響の他、自治体や民間の新プレイヤーの参入が見られたという。

コロナ対策のため、混雑情報配信が増加

2020年度と比較すると、コロナ対策のためのリアルタイム「混雑情報」配信の実証実験が増加した。混雑情報配信は、訪問者が事前に安全性を確認することで密回避できるだけでなく、店舗や施設にとっては閑散時と混雑時どちらでも適切な人数が集客可能になる。密回避のための、人の分散や移動を促進する人流制御機能の強化は特に今後必要とされると想定される。

近距離移動や移動自粛へのニーズの変化

コロナ禍の影響で遠距離の移動が制限された昨今は、遠方への旅行からマイクロツーリズムと呼ばれる居住地近隣の観光にシフト。移動需要の変化を受け、観光型MaaSは特に近距離へのサービス展開を重視しているという。各サービスの近距離移動や移動自粛に対する機能強化が今後も進むかどうかは、ワクチン普及や変異型ウイルスの感染拡大など、コロナ禍の状況次第と考えられるとしている。

魅力発信をするコンテンツ強化の必要性

各MaaSプラットフォームにおける「検索、予約、決済」機能の完成度が高まり、徐々に移動の理由となる「目的」開発のため、魅力的な観光施設や飲食店などのコンテンツ配信が進んでいるという。プラットフォームの完成度が高まりつつある今後は、事業社単体ではできないコンテンツ拡充が加速すると見られ、プラットフォーマー・自治体・コンテンツ事業者などの事業者間連携において、どのようなコンテンツをどのように配信していくかを協議していく必要性があるという。

国産プラットフォームの振興

スーパーシティ・スマートシティの基礎ともなるMaaSは、自治体によるDX推進の柱に位置づけられ、2019年前後から官民連携のMaaS組織が矢継ぎ早に立ち上がった。先行する海外のMaaSプラットフォームでは、グローバルや国内全体で利用できる大規模な共通プラットフォームが多く見受けられる一方、日本国内では各地域特性の課題からサービスの内容・質が市場ごとに異なるため、地域ごとのサービス開発が進んだ。例えば、過疎化により医療福祉やラストワンマイルに課題を持つエリアもあれば、観光目的の回遊重視のエリアなど様々あるという。

今後MaaSプラットフォーム事業者は、必須の共通基盤と各地域ニーズに対応可能な柔軟性の高いプラットフォーム構築が覇権争いの要となるとしている。

Platinumaps(プラチナマップ)のアプリ化、「プラチナApps」提供開始

Platinumapsは、多彩な表現によるオリジナル地図を作成可能な、次世代型観光DXプラットフォーム。「観る」「食べる」「買う」といった目的別レイヤーの高速切り替え、クーポン、スタンプラリー、グラフィックマップなど場所の魅力を高める機能が充実しているという。一目でわかる画像ピン、地図の上を滑らかに動くバスやクルーズ船など、観光客を目で楽しませる工夫も盛り込めるそうだ。さらに、混雑情報配信やCo2濃度計測などコロナ対策機能も採用している。

Platinumapsは、従来利用者がすぐに利用できるウェブサービス体裁で提供してきたが、より詳細なデータの活用や決済などの要望増に伴い、今回アプリ化対応を可能にした「プラチナApps」の提供を開始したという。計158のMaaS系サービスをまとめた「MaaSカオスマップ」2021年度版をボールドライトが公開

このプラチナAppsは、ウェブ版デジタルマップとネイティブ化されたアプリ版を1つのCMSから管理可能で、ウエブとアプリ両方のデジタルコンテンツを相互運用できるという。また、観光アプリに必要となる、観光ガイド、デジタルマップ、モビリティトラッキング、コース案内、スタンプラリー、クーポン配布、決済基盤などの多様なコンテンツをワンストップで提供し、かつ、利用者の行動データ分析も可能ととしている。

プラチナAppsは、北海道ニセコ町の観光アプリ「NISEKO NOW!」に導入済みで、利用ユーザーは、ニセコエリアの観光スポットの確認、おすすめの観光ルートをマップ上に表示するガイドツアー機能やクーポン、デジタルスタンプラリー機能などを利用できる。

2019年4月設立のボールドライトは、より豊かで持続可能な未来創出を目的とするイノベーター集団。SDGs・観光DXを推進し、「世界から紙の地図を削減する」をミッションとしたPlatinumaps事業を軸に、目的・手段・消費を一体化させた観光DXプラットフォームの社会実装を通じ、観光市場、MaaS市場の未踏領域に挑戦する。計158のMaaS系サービスをまとめた「MaaSカオスマップ」2021年度版をボールドライトが公開

スマホを使った観光向け交通関連サービスHoraiのscheme vergeが2.2億円調達、事業者向けにHorai for Bizを開発

スマホを使った観光向け交通関連サービスHoraiのscheme vergeが2.2億円調達、事業者向けにHorai for Bizを開発

「都市の再発明」を目指すアーバンエンジニアリング企業scheme vergeは9月10日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による約2億2000万円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家の環境エネルギー投資、また山口キャピタル、サムライインキュベート。累計調達額は約2.9億円となった。

また、今後のスマートシティ領域への展開を見据え、松尾豊氏(東京大学教授・人工知能学会理事)および大口敬氏(東京大学教授・次世代モビリティ研究センター長)をアドバイザーに招聘し、最新の知見を取り入れた事業開発・プロダクト開発を推進する体制を整えた。

2018年7月設立のscheme vergeは、多様化・個人化が進む観光客のニーズに応えることに特化した、スマートフォンを使った交通関連サービス「Horai」を開発。2019年には瀬戸内のアート巡りを海上モビリティの面から支援するHoraiアプリ(Android版iOS版)をリリースしており、ユーザーは、写真から好みのアートサイトをアプリ内で選び、島をめぐる旅程を手軽に作成できるようにしている。移動手段にはフェリー・旅客船が表示されるほか、乗り合い海上タクシーの予約も可能。国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」「日本版MaaS推進・支援事業」に採択されるなど、MaaSやスマートシティ構築、あるいは観光DXのソリューションとして採用されているという。

また、Horaiの開発を通じて構築したシステムを展開することで、三重県伊勢市や神奈川県三浦半島、長崎県五島列島など様々な地域におけるMaaSの構築にも活用されており、「スーパーシティ」事業においても「連携事業者候補」に全国5つの自治体で採択されている。

調達した資金は、プロダクト開発体制の強化と、各地での事業開発を推進するための人材採用・体制強化を中心に投資する予定。具体的には、観光・飲食・小売などローカルビジネス向けに、複数業態・事業をまたいだワークフロー構築や顧客管理の電子化が行える事業者向けプラットフォーム「Horai for Biz」の開発を進めており、MaaSや観光DXを進めるうえでの課題解決に役立てるとしている。

Horaiアプリにおいても、「エンドユーザー(観光客)の使いやすさに寄り添ったUIUXの改善」「ローカルサービス(訪問先)のさらなる掲載数増」「旅程作成アルゴリズムの大幅な精度向上」によって、大幅な改良に取り組む(今冬リニューアル予定)。

また、主な資金使途であるプロダクト開発とは別に、scheme vergeの核である「アーバンエンジニアリング」の確立に向け、建築情報スペシャリストやデータサイエンティストを含めたプロフェッショナルサービス体制への投資を進めているという。東京大学杉山将研究室や建築情報学会、Agoopなど様々なバックグラウンドをもったメンバーを集めており、学生・社会人を問わず広く採用を行っている。

これら採用に加え、アドバイザーに就任した松尾豊氏と大口敬氏と連携して、データ利活用に戦略的に取り組み、AI・ディープラーニングの社会実装に関する知見と、交通・都市マネジメントに関わる知見を掛け合わせることで、「エリアマネジメント」や「不動産利活用」の最適化とノウハウ可視化に取り組む。

一部エリアにおいては、実際にビーコンやスマートロック、予約管理システムを前提とした施設の運営・プロデュースや、それらからのデータを用いた複数施設の開発・運営計画の立案などが進展している状況という。

さらに、瀬戸内や大阪など、ビジネスの現場にブランチを形成し、各地のエリア課題を調査しながら、解決のロードマップを設定する体制も構築。これにより、スマートシティ・スマート社会・スマート観光の領域において、「様々なシステムを導入するだけでなく、地域(エリア)全体として既存・新規のデータ利活用に戦略的に取り組みたい」といった問題意識をもった顧客と共同で、エリア課題の解決・新規価値創出に取り組むとしている。

パーソナルモビリティの「WHILL」が出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる実証実験を産科病棟で開始

WHILL国立成育医療研究センターは6月16日、出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる「WHILL自動運転システム」の実証実験を開始したと発表した。同サービスはこれまで、病院外来や空港などでの活用事例があったが、病棟内での利用は国内初となる。

出産直後の患者は、身体の痛みなどのため車椅子でLDR(陣痛・分娩・回復室)から病室に戻ることが多く、医療スタッフが車椅子を押して移動しているという。その際、医療スタッフは新生児を乗せたカートや、患者さんの荷物などを運ぶ作業もあり、大きな業務負荷がかかっている。

実証実験では、WHILL自動運転システムを産科病棟に取り入れ、医療スタッフの業務効率化や患者の移動における安全性・利便性などを検証する。WHILLを実際に利用した患者からは、「従来の車椅子より振動が少ないので乗り心地が良かった」「WHILLの振動が少ないので、傷(会陰切開)に響かなくてよかった」などの声が寄せられているという。

今回の取り組みで利用しているWHILL自動運転システムは、自動運転・自動停止機能などを搭載したパーソナルモビリティ「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するシステムとで構成される、歩道・室内領域向け自動運転システムとなっている。あらかじめ収集した地図情報と、センサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行・自動運転による無人での返却も可能だ。

今後、実証実験の結果を基に国立成育医療研究センターとWHILLは連携を深め、 医療現場におけるサービスの向上を図る。将来的には、WHILL自動運転システムの利用範囲を拡張する計画を進め、現在の病室前までの移動サービスから、患者がベッドへの移動がより楽になるよう、各病室内まで自動運転で入っていくシステムを構築することを検討していく。

なお今回の取り組みは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」プロジェクトによる支援を受けて行われる。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:WHILL出産自動運転 / 自律運転(用語)妊娠(用語)MaaS(用語)日本(国・地域)

ゼンリンCVC子会社出資第1号の「レイ・フロンティア」とゼンリンが移動最適化や位置情報ビジネスで提携

レイ・フロンティアゼンリンは6月3日、MaaSビジネス・スマートシティの実現に寄与する人々の移動データの収集、地図情報と連携させた分析を用いた移動の最適化関連事業の強化、迅速な研究開発の実行、地図情報を活用した位置情報ビジネスの強化などを目的とした業務提携契約を締結したと発表した。なお、レイ・フロンティアは、ゼンリンのCVC事業子会社ゼンリンフューチャーパートナーズが運営する「ZFP 第1号投資事業有限責任組合」の出資第1号となっている。

近年、地方創生実現に向け、都市・地方が抱える交通サービスの課題を解決するMaaSの導入が注目されているという。MaaSは、複数の公共交通サービスやそれ以外の移動サービスとの連携により、個別ニーズに対応することが期待されるため、移動データの活用が重要となる。

そこで両社の保有技術をかけあわせることで、MaaS領域における事業強化、スマートシティの実現に寄与すると判断し、業務提携契約を締結したという。

レイ・フロンティアは、数秒単位での位置情報の取得が可能な位置情報収集技術「SilentLog SDK」、AI活用の行動分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」を所有。ゼンリンは、自動車用ネットワーク、鉄道路線、駅構内通路、歩行者用ネットワークなど、移動に最適化された地図データベース「Mobility based Network」を保有している。これらの技術を組み合わせ、高精度な位置情報を収集し、分析しやすいデータベースとして管理することにより、さまざまな利用用途に応じたデータ活用が実現するとしている。

  • ゼンリン「Mobility based Network」:自動車用ネットワーク、鉄道路線、駅構内通路、歩行者用ネットワークなど、移動に必要なあらゆるネットワークを組み込み、各ネットワークを交通結節点で接続したMaaSに最適化された基盤データベース。電車からバスへの乗り換え経路の表現や、IoT機器で収集した移動情報の可視化などを実現
  • レイ・フロンティア「SilentLog SDK」:既存モバイルアプリケーションに組み込むことで、低消費バッテリーかつ高密度な位置情報の取得が可能になる位置情報収集エンジン。スマートフォンが搭載している各種センサーデータを活用した独自技術により、バッテリーの消費を1日平均3%にまで抑えながら、数秒単位での位置情報の取得が可能
  • レイ・フロンティア「SilentLog Analytics」:SilentLog SDKを使ったモバイルアプリケーションおよびその他デバイスから収集した行動情報を、リアルタイムかつ匿名で分析する。人々の行動を誘発するためのAIを活用した行動分析プラットフォーム

すでに両社は、2021年度に長崎市において実施する観光型MaaS実証実験に向けたスマートフォンアプリの共同開発に着手済みという。この業務提携契約に基づき、まずは長崎市内の各観光エリア間の移動を喚起するためのストーリー型コンテンツの提供や、公共交通・民間サービスとの連携、「Silentlog SDK」の組み込みによる観光客の移動データの収集を実現するスマートフォン向けアプリケーションの共同開発を行う。

また実証実験を通じ、位置情報と地図データを組み合わせ、観光客の交通機関の利用状況、観光施設や飲食小売店への立ち寄り情報の分析を行う。その分析結果を基に、観光客の特性・行動モデルを生成し、移動予測・行動予測による観光客へのレコメンドサービスを実現し、観光客に寄り添ったサービスづくりを目指す。

両社は、MaaS以外の事業領域でも、近年注目されているロケーションビジネス(広告ビジネス)へのエリアマーケティング情報の提供や、スマートシティ時代に向け官民連携で推進している官民データ連携基盤の構築への位置情報ソリューション提供を通じ、社会課題解決に寄与することを目標としている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:ゼンリン(企業)ゼンリンフューチャーパートナーズMaaS(用語)レイ・フロンティア(企業)日本(国・地域)

シンガポール拠点のライドシェアSWAT Mobilityが資金調達、日本におけるサービス開発に投資

シンガポール拠点のライドシェアSWAT Mobilityが資金調達、日本におけるサービス開発に投資

シンガポール拠点のモビリティスタートアップ「SWAT Mobility」の日本法人SWAT Mobility Japanは2月8日、資金調達を発表した。調達額は非公開。引受先はグローバル・ブレインが運営するグローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合(GB7号ファンド)など。またグローバル・ブレインは事業開発や知財戦略など多面的に成長支援を行う。

調達した資金により、日本におけるサービス開発への投資や、モビリティに関する国内の様々な課題解決を主導していく。

日本では、地方の人口減少と付随する移動人員の減少、路線バスの撤退などによる地域公共交通の利便性低下といった課題を抱えており、それら解決のため、独自アルゴリズムの開発強化からサービス展開までさらに投資していくという。

また、都市部を中心とする営業員・保守員の「移動」効率化、営業車両の削減によるコスト最適化を実現する、都市型法人向けライドシェアサービスの展開も進める。

SWAT Mobilityは、テクノロジーの力で「移動」に関する様々な課題解決を進め、効率的で消費者にとって最適な移動を実現する社会に向けて取り組む。

SWAT Mobilityは、最小の車両台数で、複数の乗客を効率良く相乗りさせる高精度のルーティングアルゴリズムを保有し、オンデマンド相乗りサービスを世界7カ国(シンガポール、日本、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、オーストラリア)で展開。

オーストラリアでは、オンデマンド公共バス(MetroConnect)を運行。トヨタ・モビリティ基金との協力の下、コロナ禍における医療従事者の通勤負担削減のためオンデマンド送迎サービスをタイ、フィリピン、インドネシアで運行した。

日本では、新潟市における市街地オンデマンドバス導入に向けた実証実験や、J:COMと共同で営業社員を対象とした都市型法人向けライドシェアサービスの活用を進めるなど、MaaS(Mobility as a Service)の観点から日本の市場環境に合わせた取り組みを実施済み。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:資金調達(用語)SWAT MobilityJ:COM MaaS配車サービス / ライドシェア(用語)MaaS(用語)モビリティ日本(国・地域)