今晩午前3時からのアップルイベントで期待される新製品、iPhone SE、MacBook、iPad Airそして新チップ

一連のバーチャルイベントについていえることは、メーカーが我々に近づく確かな方法を手に入れたということだ。古き良き出張の時代、大きなショーの数週間前には、Palo Alto Travelodge(パロ・アルト・トラベロッジ)(良好のWi-Fiと、そうでもない朝食)の宿泊を予約したものだ。バーチャルへの移行は、企業が社員にパソコンの前で1時間過ごさせるために、スターの登場を約束する必要がなくなったことも意味している。

最近のニュースに流れる絶え間ないリークからは、Appleにとってかなり控えめなイベントが予想される。その予想は、会社の標準的リリース間隔によっていっそう増強される。Appleは2021年秋のイベントに、それはそれはたくさんの商品を詰め込んだ。そこにはiPhone 13、Apple Watch 7、iOS、そしてショーの人気をさらったいくつかのiPadがあった。半導体の遅れとホリデーシーズンが完璧に重なり合って、最近の記憶の中で最大のAppleイベントになった。

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というわけで今週はiPhone 14もApple Watch 8もない。それでも新しいiPhoneは見られそうだ。Appleが新しいiPhone SEを出す期限を過ぎているというわけではない。なぜならこのお手頃端末のリリース間隔は、よくいって不定期だから。今回は、2016年と2020年に続くSE第3世代になる。お手頃iPhone(前世代は399ドル、日本では4万9800円からだった)は過去数年にわたって多くのファンを獲得し、その1人でもあるTechCrunchのDevin Coldewey(デビン・コールドウェイ)記者は、かつて同製品の「死」を悼んだこともあった。

このラインは、Appleの歴史的工業デザインの最後の痕跡を残す商品としてよく知られている。iPhoneがフルスクリーンになって切り欠きが付く前のデザインだ。長年のApple予言者であるMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏は、2年の空白の後にこの端末が戻ってくることをいち早く指摘した1人だ。同氏は、ほとんど変わらないデザイン、A15チップ、ストレージは64~256 GBと伝えている。しかし、ショウの呼び物は、入門レベル機種への5Gの追加だ。

iPadが再び話題をさらうかもしれない。第5世代のAir(エア)が予想されており、2021年のmini(ミニ)から多くの特徴を引き継ぐだろう。iPhone SEと同じく、この機種も2020年以来改定されていない。オプションの5G、A15チップ、カメラハードウェアとソフトウェアのアップグレードなどが噂されている。

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2021年は2020年版M1チップのスーパーチャージ版が2種類登場したが、2022年のどこかの時点でM2がやってくる可能性が高い(イベントのタイトル、Peek Performanceにあるパフォーマンスのチラ見せはこれのこと?)。Appleが新しいチップを発表するとすれば、まず間違いなく新しいMacハードウェアと一緒だ。2022年、噂の先頭を切っているのは、薄くて軽い長年の人気機種、MacBook Airの新バージョンだ。Mac Miniも、そして大きくてよりPro(プロ)ライクなiMacも期待されている。

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噂の最後を飾るのは27インチのAppleディスプレイだ。現在同社が販売している32インチPro Display XDRのハードルを下げるものだ。ここ数年で世界の大部分がリモートワークに移行していることから、この種の製品の需要が高まっていることをAppleは間違いなく知っている。しかし5000ドル(日本では58万2780円)という価格はどうみてもほとんどの人の手には届かない。

最後に、この種のハードウェア・イベントには、いくつかのOSアップデートが必ずついてくる。macOS、iOS、およびiPadOSのアップデートが予想される。

イベントは米国時間3月8日太平洋時刻午前10時、東海岸時刻午後1時(日本時間3月9日午前3時)に始まる。それでは現地でお会いしましょう。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル、自分でiPhoneやMacを修理するための純正パーツ・ツールを提供するプログラムを発表

Apple(アップル)からうれしい、そして予想外のアップデートがあった。同社は、ユーザーが自宅でデバイスの一般的な修理を行えるようにするための新しいプログラム「Self Service Repair」を発表した。このプログラムでは、故障したデバイスを持っているユーザーに、同社のGenius Bar(ジーニアスバー)で使用しているものと同じ「Apple純正」のツールや部品が提供される。

また、新しいApple Self Service Repair Online Storeでは、オンラインの修理マニュアル(動画ではなくテキスト)を提供する。これは、同社が独立系修理業者(現在、米国内に2800社とApple正規サービスプロバイダー5000社が存在)向けに、ディスプレイ、バッテリー、カメラの修理を中心にiPhone 12と13から展開してきたものと似ている。また、M1Mac向けの同様のサービスも「間もなく」開始する予定だ。

COOのJeff Williams(ジェフ・ウィリアムズ)氏は今回の発表のリリースの中で「Apple純正部品へのアクセスを拡大することで、修理が必要になった際の顧客の選択肢がさらに広がります」と述べている。「Appleは過去3年間で、Apple純正部品、ツール、トレーニングを利用できるサービス拠点の数を約2倍に増やしてきましたが、今回、自分で修理をしたい人のための選択肢を提供します」。

Appleは具体的な価格をまだ公表していないが、顧客が破損した部品をリサイクルのために郵送した場合、最終的な価格に対するクレジットを得る。2022年初めに米国でサービスを開始する際には、約200種類の部品やツールを提供する予定だ。修理作業を自宅で行っても機器の保証は無効にはならないが、修理の過程でさらに製品を破損させてしまった場合は無効になるかもしれない。なのでマニュアルをしっかりと読んだ方がいい。これらを確認した上で、Apple Self Service Repair Online Storeから部品を購入できる。

今回のニュースは、修理する権利の法制化を求める動きが強まっている中でのものだ。これには家電業界の一部の大物が反対している。米議会図書館は最近、ユーザーによる修理を妨げるDMCA(デジタルミレニアム著作権法)の適用除外を承認した。「違法な修理制限に対処するために、FTC(米連邦取引委員会)は法的権限に基づいて、適切な法執行や規制、消費者教育などの選択肢を追求していく」と記されたFTCの5月の議会への書簡を受けて、大統領までもがこの問題に取り組んでいる。FTCはまた、消費者が購入・所有した製品を修理する際の選択肢を確保するために、州または連邦レベルで議員と協力する用意がある、としている。

修理できるようにすることを支持する人たちは、計画的な陳腐化による価格負担の軽減や、E-waste(廃棄物)に関する世界的な関心の高まりなど、多くの問題を挙げているが、後者は過去数年間にわたってAppleが取り組んできた問題でもある。スマートフォンの技術が高度化するにつれ、家庭での修理がますます困難になっている。バッテリー交換が可能だった時代からは程遠い状況だ。こうした中、ユーザーの修理性を前面に押し出したFairphoneのようなブティック系の製品が生まれた。

Appleの新しいプログラムは、2022年以降、さらに多くの国で展開される予定だ。それでも同社は明らかに、状況が許す限りユーザーに正規販売店での修理を奨励しているが(特にAppleCare+に加入している場合)、自分の手で解決したいと考える多くのユーザーにとっては、これはすばらしい一歩となる。

画像クレジット:Apple

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

アップルが次期MacBook Airのさらなる薄型軽量化、MagSafe搭載を計画中と報道、2021年後半に登場か

Bloomberg(ブルームバーグ)の報道によると、Apple(アップル)はMacBook Airの新バージョンを開発中で、M1チップを搭載し2020年末にアップデートされた現行製品よりも薄くて軽い、新しい本体デザインを採用するという。報道の情報源によると、早ければ製品は2021年後半か2022年にはリリースされる予定で、MagSafe充電(次期MacBook Proでも2021年中に復活すると噂されている)も採用される予定だ。

MagSafeは電力供給と充電機能を提供し、2つのUSB 4ポートが新しいMacBook Airのデータ転送に利用される。ディスプレイのサイズは現在の13インチのままだが、Appleは画面のエッジを囲むベゼルを狭くすることで、本体サイズを小さくすると伝えられている。

Appleは今後2年間で、独自のAppleシリコンプロセッサでMacの全ラインナップを刷新する計画を立てている。2020年末、M1チップを搭載した初のAppleシリコン搭載Macが発表され、Intel(インテル)製プロセッサを搭載した前モデルから性能が大幅に向上した。しかし物理的なデザインは基本的に旧モデルと変わらず、いつ本体デザインを変更したMacを発表するのかと噂になっていた。

また、AppleはMagSafe充電を採用した新しいMacBook Proの開発にも取り組んでいると報じられているが、これもBloombergによると、物議を醸しているTouch Barインターフェイスを捨てて、専用のSDカードスロットを復活させる可能性がある。これらの変更はすべて、Appleが2012年に最初のRetinaディスプレイを搭載したMacBook Proを導入したときに行ったデザイン変更を、元に戻すことになる。しかしそのデザイン変更は同社の愛好家やプロの顧客の一部から、不満の声が寄せられていた。

関連記事:MagSafeとAppleシリコン搭載の新MacBook Proを2021年後半に計画中か、Touch Bar廃止の可能性も

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleMacBook AirAppleシリコン

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

M1搭載MacBook Airレビュー、新しい扉を開けたAirは多くの人におすすめしたいAppleシリコンMac

ハードウェアのレビューはおおむね退屈な仕事だ。ときには、何か新しいものや、地球を震わせる可能性のあるものが登場するが、全体としては地道な進歩があるだけだ。製品ラインを新鮮に保つために、小さく徐々に変化を刻んでいく中で、やり方を間違えなければ、ライバルとの差別化を果たすことができる。

Apple(アップル)も、もちろんその意味で、誰にも負けないくらい有罪だ。これは、12カ月から24カ月で繰り返される製品サイクルの宿命に過ぎない。すべてのリフレッシュが革命とはなり得ないのだ。しかし、それがいつものことだとしても、やがてゲームチェンジャーはやってくる。製品ラインにより深い変革をもたらす、否定しようもない何かが、状況を変えるのだ。前回から3カ月の時間をおいて開催された、2020年3度目の大規模プレスカンファレンスで発表された3種のMac(マック)には、まさにそれが当てはまる。

かつてアップルが、それまで10年以上にわたって依存していたチップテクノロジーのPowerPC(パワーPC)から、インテルプロセッサーに跳び移ってから15年が経った。そのときの移行は、アップルが選んだ技術の限界に突き当たったために行われたものだ。それまでPowerPCはアップルを大いに支えていたが、それでもアップルが欲する次世代ポータブル端末のためのパワーに欠けていたのだ。

そのときの移行と同様に、Appleシリコンへの動きは何年も前から続いてきた。同社は、サードパーティ製のコンポーネントから脱離するために、全体的な努力を続けてきた。とりわけ、市場で基本的に他社と同じ部品を使っている限り、製品を差別化することはますます難しくなってきている。もちろん、独自のプロセッサを生み出すことは、時間のかかる難しいプロセスだ。しかし、ありがたいことに、同社は幸先のよいスタートを切ることができた。

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同社のモバイルデバイスを駆動するArmベースのチップが、素晴らしい出発点となった。アップルはこれまで数世代にわたり続けてきた学習の成果に基いて構築を行うことが可能になり、アップルのソフトウェアが追い求める永遠の聖杯、すなわち完璧な互換クロスエコシステムに、ますます近付くことになる。iOSで実現された要素は、何年もの間にmacOSへと少しずつ取り込まれ続けてきた(この傾向はBig Surで間違いなく加速している)。またIntel Macオーナーたちの移行を簡単にするために、アップルはmacOSとiPadOSでソースコードを共有できるCatalyst(カタリスト)を提供している。

画像クレジット:Brian Heater

数え切れないほどの噂と数カ月のおあずけの後、3種のAppleシリコンMacがついに登場した。そしてその結果は、ひと言でいうなら「素晴らしい」だ。過去数日間の間に、コミュニティに多くの驚きをもたらした、さまざまなベンチマークの結果を、きっと目にしていることだろう。アップルが自身のプレゼンテーションでそのパフォーマンスについて語ったのは事実だが、具体的なベンチマークなしではそうした数値は割り引いて考えられがちだ。TechCrunchでは3人の記者が3つのシステムを手分けしてレビューすることになった。そして正直なところ、みんながこのシステムができることに圧倒されたといっても過言ではない。

さて、まずはM1を簡単に紹介しよう。

  • 2倍のパフォーマンス向上を謳う8コアCPU
  • 最大2倍のグラフィック性能の向上を提供する、7コアまたは8コアGPU(利用するAirモデルによって異なる)
  • 16コアのニューラルエンジン
  • 処理性能の向上
  • 画像信号処理の改善

特にAirはエアは、2020年3月にリリースされた同システムの最新バージョンの、真に力強い改良バージョンとなっている。すべてが明かされたいまでは、それはまるで、はるか昔のことだったように感じるかもしれないが、実のところわずか8カ月前のことなのだ。このシステムは、特に2つのベンチマークで優れている。すなわちバッテリー持続時間(簡単なビデオ再生によって測定)と、システムのCPUとGPUのパフォーマンスを、実際の状況をシミュレートしながらテストするGeekbench(ギークベンチ)だ。ついでながらいうなら、すべてのあらゆる動作が機敏なのだ。

画像クレジット:Brian Heater

アプリはほぼ瞬時に開き、4Kビデオの編集などのリソース集約的なタスクは、驚くほどキビキビ動く。これらのいくつかは、システムを限界まで追い込まずとも、すぐに気づくことができる変化だ。スリープ状態からすぐに利用可能になるという、巧妙な仕掛けのことを考えてみよう。これは、モバイルデバイスでは当たり前のことだが、デスクトップではあまり見かけることはない。

これらの進歩は、おそらく当然のことながら、同じ外観で到着した。新しいMac mini(未訳記事)や13インチのProと同様に 、Airは今年初めにリリースされたものとみかけはそっくりだ。おそらくアップルは、製品が内部では劇的な変化を遂げるため、外観上では一貫性を保とうとしているのだろう。それともリデザインがArmへの移行とは歩調が揃っていないのかも。まあ、あるいはアップルは現在のデザインを、薄くて軽量のラップトップのためのプラトン的理想の一種だと考えているのかもしれない。

いずれにせよ、新しいAirをラインナップから選ぶべきか否かで、読者は悩んでいることだろう。私は公の場でそのシステムを使ってみたが、私が次世代Macでほんの少し先行していることに気がつく人はいなかった。正直な気持ちをいえば、もしアップルがこの瞬間を、素晴らしい劇的なリデザインで飾ってくれたなら良かったのにと思う。少なくとも中身の変化にともなって外見が変わったことを非難する人はいない。まあそれでも素直になろう。Airの物理デザインはここ数世代変わって来なかったが、それでも市場で最も象徴的かつ外観の優れたノートパソコンの1つのままなのだ。

これには、MacBook の他の製品ラインと差別化される、薄くて斜めのデザインが採用されていて、2.8 ポンド(約1.27kg)という重量は13インチのMacBookよりも0.2ポンド(約90g)軽い。それは大きな違いではないが、時間とともに腰にくる負担に違いが出てくる。このことはこのシステムを週末に15マイル(約24.1km)ほど歩いて持ち運んだ人間としての意見だ。

画像クレジット:Brian Heater

今回も2つのUSB-Cポートが同じ側面に配置されている。私はいつでもより多くのポートが必要だと主張している、特にポートの1つが、ほぼ常に充電ケーブルで塞がれてしまう現実を考えるとなおさらだ。私はまた、ポートの間隔をもう少し広げて欲しい。できればマシンの両側に配置してもらえるとありがたい。配置によってケーブルに余裕がない場合や、ポートに少々幅のあるものを挿し込もうとする場合に助かるからだ。もちろんこうした点は、今回のアップグレードによって2つのポートを失った新しい13インチProとは異なり、驚くようなものではない。

だがProの変更は、アップグレードを検討しているユーザーにとっては辛い。この変更は新しいM1 SOCの制限と関係しているのだろう。だが、もし私がギャンブラーなら、きっと様々な可能性がやってくることは合理的に予想できるというだろう。例えばプロユースにフォーカスしたチップの次のバージョンでは、最初のAppleシリコン16インチMacBook Proなどで、より多くのポートが採用されるだろう。

実際アップルは、2021年のどこかで登場する可能性の高い新しいプロ向けデバイスとの差別化のために、今回の発表では多くのアップグレードを控えた可能性が高い。それはすべてアップルのMac戦略の構成の一部であり、私たちはスローモーションでその進行を見ているところだ。新しいAir、13インチのMacBook ProそしてMac mini は、Mac製品のエントリーレベルを代表するものたちだ。このカテゴリは、近年、アップルのより注力しているカテゴリーで、iPhoneとApple Watchの製品ラインでも見かけることができる。

もちろん、長年にわたるプレミアム「Apple Tax」(Apple税)のコンセプトは残されているが、アップルはローエンドの製品を改善するために労力を注いでいる。Macによるこの戦略のより驚くべき側面の1つは、アップルがMacBook Airと13インチMacBookの間のギャップをどれくらい小さなものにしたのかという点だ。もちろん、2つのデバイスの間には違いがある。多くの人にとって、最大の違いは、Airの999ドル(日本価格税別10万4800円)と、13インチMacBook Proの1299ドル(日本価格税別13万4800円)という最低価格での300ドル(日本価格では3万円)の差だ。

では、アップルはこの価格差を、どのように正当化しているのだろうか?さらに重要なポイントは、大多数のユーザーにとって、高額商品を買うことが、どのような違いにつながるのだろうか?これ以上進む前に、新しいAirとProの主な違いを書き出そう。

  • バッテリー Pro:最長20時間まで、Air:最長18時間まで
  • ディスプレイ Pro:明るさ500nit、Air:400nit
  • マイクアレイ Pro:スタジオ品質の3マイクアレイ、Air:3マイクアレイ
  • タッチバー Pro:有り、Air:なし
  • スピーカー Pro:高ダイナミックレンジのステレオスピーカー、Air:ステレオスピーカー
  • ファン Pro:有り、Air:なし

最後の点は、パフォーマンスという点では最も重要だ。M1の登場によって、ファンレスのMacBook Airが可能であることが示された。これは以前のモデルでは聞いたことがない。これは、将来登場するMacBookたちの薄さを予告するものであり、直近のご利益としては、極めて静かな動作を意味する。実際、この数日間どれほどストレステストを加えても、システムは不気味なほど沈黙したままだ。しかし本当にストレスをかけ続けた場合には、パッシブ冷却システムではAirがかなり熱くなってしまう可能性があることは注意しておこう。さらに、ワークロードの観点では、リソースを大量に消費するタスクの最中に、システムが遅くなる可能性がある。だがそのためには本気でシステムを追い込まなければならない。

例えばFinal Cut Proで5分の8Kクリップをエクスポートすることを考えてみよう。Proで33分13秒、Airで32分59秒というその結果の差は、正直なところ無視しても構わないものだ(一方、参考までにMac Proは、5分半という圧倒的な速度で両者に打ち勝った)。WebKitのコンパイルを同様に実行してみた。それはAirで25分5秒、Proでは20分43秒だった。この違いは完全に無視できるものではないが、どちらのシステムも2019年の16インチMacBook Proの26分56秒を打ち負かした。そしてどちらのM1システムも、処理中に失ったバッテリーは9%程度に過ぎず、これは16インチMacBook Proの39%に対してはるかに少ない。

新しいM1チップは、リソース集約型のタスクを実行する場合でも、非常にエネルギー効率に優れている。ビデオ再生テストでは16時間の再生が可能だった。これはアップルが述べている最大18時間よりは短いが、それにもかかわらず素晴らしい数字だ。おそらく充電器を持たずに家を出ても不自由を感じることはないだろう。

Matthew記者の数字によれば、Proはさらに優れている。彼はアップルの宣伝文句に示された20時間前後を達成することができた。その高い数字が達成できたのは、ノートパソコンの厚みがあるために、バッテリーの容量が大きいからだ。しかしいずれにせよ、2つの新しいシステムは、2019年の16インチと13インチのProを完璧に打ち負かした(こちらはそれぞれ8時間8分と、6時間40分だった)。それは重要なメトリック中でもとりわけ大きなものだ。

画像クレジット:Bryce Durbin

それでは、Geekbenchの5つの数字を見てみよう。新しいAirとProの数字は非常に似通っている。これは、それぞれの内部を考えると、予想された結果だ。繰り返しになるが、ファンレス設計のAirに目に見えるような問題を引き起こさせるためには、長時間かけて厳しくシステムを本当に追い込む必要がある。Proはシングルコアで1711、マルチコアで7549を記録した。Airは平均で、それぞれ1725と7563を記録した(良い比較のために、Miniが同様の1748と7644を記録したことを付け加えておこう)。

Geekbenchの数値の歴史的な文脈を示しておこう。いくつかの関連する例、2020年初めのCore i7 MacBook Airの平均は1136の平均だったが、13インチProは1240だった。(Rosetta 2エミュレータを使用して)ベンチマークのIntelバージョンを実行してみると、数字は予想通り悪化したが、それでもIntelシステムを上回っている。そして実際、Intel用に設計されたアプリは極めてスムーズに実行された。

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私たちが実行したベンチマークのほとんどで、2つのシステムは互いに著しく近いスコアを記録した。いい換えれば、このレベルでシステムを探している人の大半は、制限にぶつかるようなことはあまり起こらないと考えても安全だということだ。ハードウェアの限界に挑戦するタスクを頻繁に実行しているような人にとっては、新しい13インチProを今すぐ購入するか、16インチのようなモデルが店頭に登場するのを待つのかが難しい選択肢となる。その情報についてさらに詳しく知りたいなら、Matthew記者による新しい13インチProのレビュー記事を読んで欲しい。

画像クレジット:Apple

しかし、より確実にいえることは、アップルはクリエイティブのプロたちに改めて焦点を定めた、はるかに強力な利用ケースを手に入れたということだ。このカテゴリは長い間、クリエイティブのプロたちとは切っても切れない関係だったが、アップルがその市場の一部をMicrosoft(マイクロソフト)のSurface(サーフェス)シリーズなどに明け渡したとみなされ得る場面もあった。アップルは、Touch Bar(タッチ・バー)がその関係を再燃させると主張したが、私は前機種よりも、はるかに重いワークロードを処理できるMacBook Airの方が、プロたちとの関係の再燃をはるかに強く引き起こすことになるだろうと思う。

そして率直にいうなら、私はTouch Barがなくてもまったく困らない。私の主力ノートパソコンは、Touch Bar付きの15インチProだが、その機能は私のワークフローに実際に影響を与えることはない。もちろん試したことがないわけではない。ProとAirを区別しようとする人にとっては、問題になるような機能の違いはほとんどないのではないだろうか。それはともかく、Touch Barの中の私のお気に入りの機能であるTouchIDは提供されている。これは1つ前のAirにも提供されていたものだ。全体として、薄いTouch barの上の写真や絵文字をスクロールする機能よりも、指紋でログインする機能の方が便利であると思っている。

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タッチといえば、誰もが認識しているのに口に出さない件がある。一部で噂されていたタッチスクリーン式Macは、今回のイベントでは発表されなかった。それでも、macOSとiOSの間で線があいまいになり続けて、それほど遠くない将来のある時点でそれが登場することを期待することは合理的だ。モバイルオペレーティングシステムから主要な機能を採用する傾向を続けているBig Surを見ればそれはよくわかる。

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私が最近のmacOS 11.0(Big Sur)の記事でも書いたように、多くの機能が実質的にタッチスクリーン操作を求めるようなものになっていた。コントロールセンターに新しく追加されたスライダーを考えてみよう。もちろん、トラックパッドでもちゃんと操作することはできる。だがそれを指でスワイプできた方が満足度は高いだろう。このことは、M1でネイティブに実行することができる、iOS用に最適化された特定のゲームをプレイするときにさらに顕著になる。ゲーム「Among Us(アマング・アス)」を例にとろう。大人気のソーシャルゲームを新しいAirでプレイしてみた。ゲームプレイは予想通りスムーズだが、トラックパッドでの操作はタッチ操作よりも自然さが足りない。

この実装では、画面上のジョイパッドを制御するためにマウスポインタを使用するか、単に登場キャラクタをポイントして正しい方向を示すことになる。ゲームは、固定サイズのウィンドウに表示され、そのウィンドウをフルスクリーンに拡大することはできない。M1チップが、未来のMacエコシステムを切り開くためにはまだ時間がかかる。そのエコシステムではチェックボックスをチェックするだけで、簡単にiOSアプリをMac App Storeを通して配布できるようになるだろう。だが多くの場合、特にプロユースを意識したアプリケーションの場合には、追加の最適化が行われることは確実だ。

画像クレジット:Brian Heater

その他のプライマリ入力デバイスとしてのキーボードは、最新のIntel Airとほぼ同じだ。これは以前のものに比べるとずいぶん良いものとなっている。その以前のものは間違いなくアップルが忘れたいと願うキーボードの黒歴史だ。それは岩のように固く、耐え難いほどやかましかった。それらはまた、動かなくなることによって、多くのユーザーに過度のストレスを引き起こした。最新バージョンに採用されたシザーメカニズムは、以前のバタフライメカニズムに比べてはるかに優れている。現在のものが、最高のノートブックタイピング体験だとはいわないが、以前のモデルと比べたら月とスッポンだ。

触れておくべきもう1つの側面はウェブカメラだ。ほとんどのノートブックのレビューで触れられることは滅多にないが、なにしろ今年は2020年だ。それは奇妙な要求が生まれた奇妙な年であり、私たちはZoom(ズーム)を介して他の人間との相互作用の大半をこなしている。とんでもない話だが、それが人生だ。多くの人びとが、すでに在宅勤務へのシフトの一環として、外部ウェブカメラに投資していることは間違いない。おそらく初めて、多くのもしくはほとんどの人にとって、ウェブカメラが購入を決める際の重要な要素になったのだ。

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実際には、アップルは前回のAirのためにカメラをアップグレードしていた。しかしそれは完全なものではなかった。つまり、今回はセンサーは同じで、カメラはいまでも720pに固定されているのだが、M1のSOCデザインの一部として組み込まれた新しい画像信号プロセッサ(ISP)が、より良い画像を生み出すのだ。上の写真でその違いをみることができるだろう。率直にいえば、どちらも素晴らしいとはいえないが、一方は他のものよりも明らかに悪さの程度が低い。左側が新しいAirの画像だ。

解像度はまだ低いが、特に色は確かに改善されている。ホワイトバランスは現実により近く、影もより良く処理されている。自分の外部ウェブカメラに関しては、例えばExtra Crunchのパネルの機会に出演するときまでまだ取っておこうと思うが、ちょっとした会議であれば、Airで参加しても構わない。今回は、アップルが新しいシステム上で、ウェブカメラをリフレッシュして入れ替えるための絶好の時期だったのだろう。一般的には、ノートパソコンの蓋に厚みを与えてしまうカメラのハードウェアには制限があるといわれているが、もし大胆に予想するならば、きっとアップルはウェブカメラをProモデルの差別化要素として考慮していると思う。

一方、マイクは、AirとProを区別するためのポイントのままだ。上のリンクから、Intel版とArm版のAirで録音した声を聞くことができる。違いがわかるだろうか。正直なところ、私には区別がつかない。ウェブカメラと同様に、これらはカジュアルな会話に使うのは問題がないが、例えばポッドキャストの録音に使いたいとは思わない。

今回発表された3つの新しいシステムは、Macの未来への第一歩を表している。Appleシリコンの可能性に関しては、興奮すべきことがたくさんある。M1チップは、多くのタスクで劇的な性能向上を実現し、消費電力の削減よるバッテリー寿命の大幅な向上も達成できた。

画像クレジット:Brian Heater

だがこれらのモデルには、指摘しておくべきいくつかの制限がある。現在の構成では、2つのUSB-Cポートが最大であるように見える。3つのモデルはすべて16GBのRAMが最大容量だ。これらの制限が問題になるとしても、アップルはまだ当分はIntelモデルを売り続けてくれるだろう。

6月のWWDCでAppleシリコンが発表されたとき、Tim Cook(ティム・クック)CEOはフル製品ラインの移行には2年かかると指摘していた。つまり、私たちはまだこの旅の入口に立ったばかりであり、例えばMakBook Proの真の姿がどれくらい劇的に違うものなのかといった、たくさんの疑問を解き明かして行かなければならない。

一般的なニーズを持つほとんどのユーザーにとって、Airは良い選択肢だ。もしいま新しいMacBookを購入しなければならないとしたら、私はAirを選び、さらにメモリとストレージを強化するだろう。これはコンパクトなボディにおさまった驚くほど強力なマシンだ。

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タグ:AppleMacBook AirApple Siliconレビュー

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(翻訳:sako)

​新型13インチMacBook Proは新M1チップ搭載し、13万4800円から

Apple(アップル)から新しい独自チップを搭載した3つの新デバイスが登場した。新型MacBook AirとMac miniの発表に続いて、同社は13インチのMacBook Proをアップグレードした。

米国時間11月10日のイベントでアップルは、このシステムを「M1チップができる究極の表現」と呼んだ。​少なくとも、このシステムは新チップの能力の限界を押し広げているようだ。​ウェブブラウジングで17時間、ビデオ再生で20時間という長いバッテリー駆動時間を実現しており、これは同社がMacBook製品で提供している最高のスペックだ。

現時点ではベンチマークの詳細は不明だが、アップルによると以前のモデルに比べてほぼ2.8倍の性能向上と、5倍高速なグラフィックスを実現するという。またMacBook Airとは違い、内部にはファンがある。Touch Barはそのままでウェブカメラも大きくは変わらないが、同社はソフトウェアベースの性能向上をアピールしている。また、マイクも強化されている。本体には2個のThunderbolt / USB 4ポートを搭載。8GBのRAMと512GBのストレージが最低構成で、それぞれ16GBと2TBにアップグレードできる。

アップルによると、前世代と比較してM1を搭載した13インチMacBook Proでは以下のことが可能になったという。

  • Xcodeでのコードビルドが最大2.8倍高速になる。
  • Final Cut Proでの複雑な3Dタイトルを最大5.9倍速でレンダリングできる。
  • ​Unity Editorで複雑なゲームシーンを最大3.5倍の速さでスムーズにデザインできる。
  • ML作成機能でMLタスクを最大11倍高速に実行できる。
  • ニューラルエンジンの驚くべきパフォーマンスにより、djay Pro AIでリアルタイムでレコーディングからビート、インストゥルメンタル、ボーカルトラックを分離できる。
  • DaVinci Resolveで、1フレームも落とさずにフルクオリティの8K ProResビデオを再生できる。
  • M1チップのワットあたりの性能の向上により、1回の充電で4倍のコードをコンパイルできる。

MacBook Airと同様、MacBook Pro価格は据え置きだ。価格は1299ドル(日本では税別13万4800円)からで、予約販売は始まっており、来週には出荷が開始される。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

ARMベース「Apple M1」搭載MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniが11月17日発売

ARMベース「Apple M1」搭載MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniが11月17日発売

Apple(アップル)は11月11日、ARMベースの独自SoC「Apple M1チップ」搭載のMac新製品として、13.3型ノートの「MacBook Air」および「MacBook Pro」、小型デスクトップの「Mac mini」を発表した。筐体デザインは従来通り。直販価格は、MacBook Airが税抜10万4800円から、MacBook Proが税抜13万4800円から、Mac miniが税抜7万2800円から。発売はそれぞれ11月17日。

    • 13.3インチMacBook Air:直販価格税抜10万4800円から。Apple M1(8コアCPU、7コアGPU、16コアNeural Engine)、8GBユニファイドメモリー、256GB SSD。最大解像度2560×1600ピクセル。Thunderbolt/USB4×2、Wi-Fi 6(11ax)。最大15時間のワイヤレスインターネット
    • 13.3インチMacBook Pro:税抜13万4800円から。Apple M1(8コアCPU、8コアGPU、16コアNeural Engine)、8GBユニファイドメモリー、256GB SSD。最大解像度2560×1600ピクセル。Thunderbolt/USB4×2、Wi-Fi 6(11ax)。最大17時間のワイヤレスインターネット
    • Mac mini:直販価格税抜7万2800円から。Apple M1(8コアCPU、8コアGPU、16コアNeural Engine)、8GBユニファイドメモリー、256GB SSD。Thunderbolt/USB4×2、USB A(最大5Gb/s)×2、HDMI 2.0。Wi-Fi 6(11ax)、有線LAN(1000BASE-T)