マイクロソフト、Armからアップルに移籍した腕利きチップ設計者を引き抜き―独自チップの開発を加速か

マイクロソフト、Armからアップルに移籍した腕利きチップ設計者を引き抜き―独自チップの開発を加速か

HJBC via Getty Images

先日アップルでM1チップ等の開発を主導していた人物がインテルに移籍したことが明らかになったばかりですが、今度はマイクロソフトがアップルからベテランのチップ設計者を引き抜いたと報じられています。

米Bloomberg報道によると、アップルのチップ設計者だったマイク・フィリッポ(Mike Filippo)氏が離職してMSに入社したとのこと。それはご本人のLinkedInプロフィールにも明記されていますが、Bloombergは同氏の移籍を、MSが「自社のサーバーチップへの取り組みを拡大しようとしている」動きだと推測しています。

フィリッポ氏は、10年間Arm社でトップの半導体設計者として活躍した後、2019年にアップルに入社。それ以前はインテルとAMDの両社に在籍したこともあり、Bloombergは「スマートフォンなどにおけるArmの基盤技術の能力を向上させたと評価されている」と実績を説明しています。

iPhoneのAシリーズチップとMacおよびiPad用のMシリーズチップは、Armアーキテクチャをベースにしています。アップルが2019年5月にフィリッポ氏を採用した際には、Mac用プロセッサにおけるインテル製からArmベースAppleシリコンへの移行(Appleシリコン正式発表は2020年6月で、約1年後)に大きな恩恵をもたらすものとして注目を集めていました。

またMSがサーバーやSurface PC向けに独自Armプロセッサを開発しているとの噂はこれが初めてではなく、2020年末に報じられたこともあります。その噂を伝えたBloombergは、インテルへのチップ依存度を下げるためのMSの戦略の一環だと示唆していました。

かたやアップル側から見れば、Appleシリコン開発を支えてきた主戦力が次々と退社し、競合他社に参加する流れにあります。

ここ数年でもM1チップやT2セキュリティチップ開発を主導してきたジェフ・ウィルコックス氏がインテルに移籍したほか、iPhoneのAシリーズチップ開発を率いた人物らがNuviaという半導体スタートアップを立ち上げ、最終的にはクアルコムに買収されました

こうした人材の引き抜きを防ぐため、アップルは2021年末に一部のトップ従業員に稀に見る高額な株式ボーナスを支給したと報じられていました。これらの額は約5万ドル~18万ドルで、ほとんどが4年間で権利確定するように設定されているのこと。

つまり、少なくとも主要な独自チップを開発している最中には離脱しないよう、対策しているのかもしれません。

(Source:BloombergLinkedInEngadget日本版より転載)

マイクロソフトが教育市場向けに安価なノートPC「Surface Laptop SE」とWindows 11 SEを発表

Microsoft(マイクロソフト)は、新型コロナウイルス流行によって変わった「新しい教室の形」に参入を図るため、Windows 11の縮小版と、Surface(サーフェイス)ブランドの他、いくつかの他メーカー製の安価なノートPCを用意した。同社がこの分野で人気の高いGoogleのChromebook(クロームブック)を視野に入れていることは明らかであり、パートナー企業もこれに賭けることにしたようだ。

詳しい紹介に入る前に、まず、このWindows 11 SEの「SE」が、Windows 98 SEの「second edition(第二版)」、iPhone SEの「special edition(特別版)」、Macintosh SEの「system expansion(システム拡張)」などと違い、特に何かを意味するものではないことを確認しておこう。このSEは「HomeやProなどの他のエディションと明確に区別するためのもの」であるとマイクロソフトはいうが、なぜそれがまったく意味のない頭文字ではなく「Students and Educators(学生および教育関係者)」の略だとはっきりいわないのか、私には理解できない(そう、誰かの真似でも問題ないと思うのだが)。

名前の由来はともかく、今回発表された「Surface Laptop SE(サーフェイス・ラップトップSE)」は、マイクロソフトがこの分野で実現したいと考えていることの観念的な形、あるいはリファレンスデザインと言えるかもしれない。これは基本的な機能を備えた250ドル(約2万8000円)のノートPCだが、リモート授業や修理しやすさを考慮して設計されている。

スペックは誰も驚くようなものではないが、これは4K VFXワークステーションではなく、宿題やリモート学習用のマシンを想定しているのだ。いくつか箇条書きにしてみよう。

Intel Celeron N4020またはN4120シリーズ(グラフィック統合型)

  • 4GBまたは8GBのRAM
  • 64GBまたは128GBのeMMC内蔵ストレージ(拡張不可)
  • 720pのウェブカメラ(「改良された顔認識」機能付き)
  • Wi-FiおよびBluetooth
  • USB-A×1、USB-C×1、3.5mmヘッドフォンジャック

USB-Cを充電に使用する機能が欠けているものの(昔ながらの円筒形の電源コネクター用ポートが別に備わる)、この価格のマシンに期待するような仕様としては過不足ない。

画像クレジット:Microsoft

ただし、画面解像度1366 × 768の11.6インチ・ディスプレイは別だ。もちろん、これは子ども向けを想定したものではあるが、それでもこの価格で買えるChromebookには、1080pのスクリーンを搭載する機種があり、文字の鮮明さと動画の質が大きく向上する。どちらもこのようなノートPCに最適化が求められるものだ。

マイクロソフトによると、高級ノートPCに搭載されている強固なキーボードを、このデバイスにも採用しているとのこと。これは良いニュースだ。また、修理性を重視している点も歓迎できる。「ディスプレイ、バッテリー、キーボード、さらにマザーボードまで、重要なコンポーネント現場で簡単に修理することができるため、IT管理者や学校にとって時間とコストの節約になります」と、マイクロソフトは記している。

マイクロソフトの他にも、Acer(エイサー)、ASUS(エイスース)、Dell(デル)、Dynabook(ダイナブック)、富士通、HP、JP-IK、Lenovo(レノボ)、Positivo(ポジティーボ)から、同様のデバイスが販売されるが、これらのマシンはIntelまたはAMDのチップを搭載しており、スペックにも多少の違いがあると思われる。すべてが新製品というわけではない(例えば、すでにDynabookのE10は2021年前半に発売されている)が、新しいOSに適合している。

これらのノートPCに搭載されるWindows 11 SEは、学校が大量に導入しやすいように設計されたOSだ。上述のハードウェアに最適化されており、Microsoft 365をはじめとする一般的なアプリやサービスがあらかじめインストールされているため、迅速かつ簡単にプロビジョニングできる。学校のIT部門だけがアプリの追加や削除をできるようにしたり、ウェブサイトの閲覧も制御できる。自動更新、クラウド管理といった機能も、すべて揃っている。

マイクロソフトのWindows 11 SEは、2つのアプリを横並びに固定できる。画像クレジット:Microsoft

マイクロソフトは発表文の中で、必ずしもすべての学生が自宅のインターネット環境に頼れるわけではないと指摘。そこで同社は、内蔵アプリがインターネットに接続できない環境でも動作するようにした。Microsoft 365アプリはオフラインでも使用でき、OneDriveは変更をローカルに保存しておき、Wi-Fiに接続した時点で自動的に同期する。

マイクロソフトは、主力OSの用途限定的な派生版では悲喜こもごもの思いをしてきた。Windows RTは最も有名な失敗作だったが、11 SEはそれとはまったく異なる。確かに、特定のハードウェアで動作するように作られており、多くの基本機能がロックされているものの、実際にそういうものを求める特定の市場を対象にしている。

かつて一時的に人気を博したネットブックも、ほとんど誰の役にも立たないものではあったが、今では必要最低限のPCとブラウザがあれば多くのことができるようになっている。願わくは、これらの控えめなノートPCが生徒たちの手に渡ることで、リモート学習の現状が少しでも改善されることを期待したい。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】Windows 11搭載「Surface Pro 8」は快速で新鮮な印象、新OSとライバルiPad Proとの比較

最新のSurface Proには、新しい良さが詰まっている。スクリーンが新しくなり、筐体も新しくなった。最新のIntel(インテル)製チップセットを搭載し、ついにThunderbolt 4にも対応してくれた。「Surface Pro 8」にはWindows 11も搭載され、多くの新機能が追加されている。特徴的なキックスタンドの動きも良くなり、オプションのキーボードも改良されている。唯一欠けているのはMicroSDXCスロットで、今回のバージョンでは採用されなかった。

Surface Pro 8は、これまでのモデルから大幅にアップデートされているが、それでいて親しみやすさも兼ね備えている。Microsoft(マイクロソフト)は、ついにSurface Proのデザインをアップデートしたが、そろそろ頃合いだったのだろう。同社は2013年にSurface Proを発表したが、7世代のプロダクトを通じて筐体はほとんど変わってこなかった。Surface Pro 8では、Microsoftが2020年に発表した「Surface Pro X」のすばらしいボディを活用した。最高だ。Surface Pro 8はこれまで以上に優れている。

私自身、これをいうことに何のためらいもない。Surface Pro 8は、これまでで最高の2in1であると。気に入っている。使っていて楽しいし、コンパチブルタイプのWindowsマシンを探している人には最適なソリューションと言えるだろう。

レビュー

Surface Pro 8はすばらしい。キックスタンドを開くと、Windows 11が起動する。遅延もほとんどない。読み込みも反応もすべてがスピーディなのだ。第11世代のIntel Core CPUを搭載したSurface Pro 8は、LightroomからFactorioまで高速に動作する。

ディスプレイも美しく、これまでのモバイルデバイスの中で最高のものの1つだと思う。残念なことに、Windowsが120Hzのオプションをコントロールパネルの奥深くに隠しているので、すべての購入者がこのスクリーンの良さを体験できるというわけではない。また、HDRのサポートについては、私は動作させることができなかったのでここで報告することができない。

Windowsは、Surface Pro 8の弱点のように思える。新しいWindows 11の状態であっても、OSはやはりSurface Proの欠点の1つだろう。Windows 11には、ユーザー泣かせな奇妙な癖があり、それに慣れるのに時間がかかった。新しいスタートメニューはあまり好きになれないし、ウィジェットのようなモバイルファーストの機能はすべてただ無造作に追加されているだけのように映る。

ハードウェア

Surface Pro 8は、2020年に発売されたSurface Pro Xの美しいアルミニウム筐体の中で、最新のIntelチップを動かしている。新しい筐体のおかげで、指紋が表面に付着することがなくなった。エッジは丸みを帯びており、過去のモデルよりも洗練されたハードウェア体験を提供してくれる。先代モデルと比較して、厚さは2mm、重さは100g増加している。その理由を尋ねたところ、Microsoftの担当者は、冷却性能の向上と大容量バッテリーは、多少の厚さに見合う価値があると感じていると答えてくれた。

Surface Pro 8は、あらゆるポータブル機器の中で最高のスクリーンを搭載している。このスクリーンは、画質とタッチスクリーン機能の両方の点で見事な仕上がりだ。明るく鮮明で、ピクセル数が多く、クリアな画面だ。リフレッシュレートは120Hzだが、この機能を有効にするには、詳細メニューの「ディスプレイ設定」で有効にする必要がある。また、HDRにも対応する予定のようだが、現時点では対応していないようだ。アダプティブ・カラー・アジャストメントにも対応している。Surface Pro 8は、周囲の光に合わせて色温度を微調整してくれる。

11.3インチのディスプレイ解像度は2880×1920、1インチあたり267ピクセル(ppi)だ。ちなみに、最新iPad Proの11インチのディスプレイは2388×1668、264ppiだ。

ディスプレイは、この新しいSurface Proの魅力の大きな部分を占めているといえるだろう。とても美しく、SlackからPhotoshopまで、あらゆるものを新しいもののように輝かせてくれる。

タッチスクリーンの操作性も向上しているようだ。新しいディスプレイ(あるいはWindows 11)は、スタイラスや指を使ったときの感触がより滑らかになっている。加えて、画面に触れることが楽しくなった。大げさに聞こえるかもしれないが、私はそう感じている。

Microsoftは「Surfaceスリムペン」の新バージョンをリリースした。この第2モデルでは、先端部のデザインを一新し、ハプティックフィードバックとともに遅延を低減している。スリムペン2は使っていて楽しい。さまざまな種類のブラシに合わせて異なるハプティックフィードバックを感じられる。ブラシを使うと、スマッジングスタンプを使うのとは違う感覚を得られる。鉛筆を選択すると、スリムペン2は擦れるような感覚を与えてくれる。アプリケーションがこの機能をサポートする必要があるが(現在はいくつかのアプリケーションがサポートしている)、この体験は過去のものとは根本的に異なるものとなるだろう。

また、Surfaceスリムペン2は、キーボードヒンジの気の利いた場所に収納して充電することが可能だ。しかし、これはSurfaceシリーズの新機能というわけではない。Microsoftは2020年に「Surface Pro X」でこれを採用していたからだ。

内部では、第11世代のIntelチップがSurface Pro 2を動かし、アクティブな冷却によって安定したパフォーマンスを維持している。今回のSurface Proは、過去のモデルほど大幅にパフォーマンスをスケールアップしているようには見えない。

私の試用機は、Core i7に16GBのRAMと256GBのSSDを搭載している。IntelのIris Xグラフィックスを採用している。このマシンの価格は1599ドル(日本では税込21万5380円)で、これにキーボードの価格が加わる(Surfaceスリムペン2の有無にかかわらず)。このモデルが、CPUにCore i7を搭載したモデルの中では最も安価な選択肢だ。もっとお金をかければ、ストレージやRAMを増やしたモデルを選ぶこともできる。価格は2599ドル(日本では税込32万5380円)まで上昇し、32GBのRAMと1TBのSSDを搭載している。

これまでのUSB-Aポートはなくなってしまった。その代わりに、ついにSurface ProシリーズにUSB-Cを導入し、最新のThunderbolt 4を採用した。この構成では、Surface Pro 8は複数の4Kディスプレイに電源を供給したり、外部GPUに接続したり、その他の激しいデータ転送を行うアクセサリーも使用したりすることができる。USB-CポートはSurface Proの充電にも対応しているが、Microsoftは独自のSurface Connectポートでの充電を推奨している。

microSDXCスロットはなくなってしまったが、SSDはユーザー自身で交換できるようになった。MicrosoftがmicroSDXCスロットを廃止したのは残念だ。これはiPad Proと比較して大きなセールスポイントだったからだ。SSDはキックスタンド下のパネルに隠れている。それを突き出せば、SDDに簡単にアクセスでき、ネジ1本で固定できる。SSDの交換には1分もかからないだろう。

バッテリー駆動時間

Surface Pro 8は、1日中使えるポータブルデバイスだ。試用機を手にしてからまだ1週間も経っていないが、頻繁に使用していて、一晩中コンセントにつないでいただけだ。しかも、私はMicrosoftのアプリを使っていない。EdgeやTeamsではなく、Chrome、Slack、Xoomを使っている。これは重要なことだ。バッテリー駆動時間について語るとき、Microsoftは、バッテリー駆動時間を延ばすためにアプリを最適化したことを明らかにした。

同社によると、Surface Pro 8は18時間のバッテリー駆動が可能とのことだが、私はその数字を達成できなかった。Chromeの使用、YouTubeTVのストリーミング、ビデオ通話などで、平均して約10時間のバッテリー駆動時間を確認した。

Surface Pro 8には新しいアクティブクーリングデザインが採用されているが、それでも触ると熱さを感じる。この熱さのために、メディアを編集する際にタブレットとして使用すると不快感があった。Lightroomは問題なく動作するが、PhotoshopではSurface Pro 8が不快なレベルまで熱くなってしまう。

ウェブカメラ

Surface Pro 8にはすばらしいウェブカメラが搭載されており、しかも適切な位置に設置されている。この配置については、MicrosoftがApple(アップル)を軽く非難してすらいる。発表会でMicrosoftの広報担当者は「そして前面カメラは、横ではなく中央の、本来あるべき場所に配置されています」と笑顔で語っていた。Appleはなぜか、iPadのカメラを画面の短辺側に配置し続けている。そのため、タブレットをラップトップモードにしてキーボードを接続すると、ウェブカメラが横にずれてしまい、奇妙なウェブカメラ体験となってしまう。

前面のカメラは非常に優れている。1080pの動画と5mpの静止画を搭載しており、ホワイトバランスや露出などの高度なコントロールが可能だ。

以下、Surface Pro 8やiPad Pro(2020)との比較だ。

Windows 11についての簡単な説明

私がPCを使う目的は主に2つある。ゲームとメディア編集だ。私がこのレビューをMacで書いているのは、それが私の仕事環境だからだ。Windowsは私の毎日の仕事道具ではないし、Windows 11は私にMac OSをやめさせようとするものでもなかった。

新しいスタートメニューは、ユーザーに圧迫感を与えるものだ。画面の中央にかなりのスペースを占めており、その大きさを正当化する理由が見当たらない。その新しいスタートメニューの大部分は空白となっている。さらに悪いことに、以前のバージョンのようにスタートメニューをカスタマイズすることはほとんどできない。

それ以外の新しいWindows体験については一応許容範囲内だ。Windowsのトップレイヤーしか使わない私にとっては、この新しいシステムは古いシステムと同じように感じる。

私はMac OSではウィジェットを使わないし、Windows 11でも使うことはないだろう。今のところ私の試用機では、これらのウィジェットはカスタマイズできない。プリインストールされているウィジェットはカスタマイズできるが、ウィジェットを追加することができない。また、読み込みや更新にも時間がかかる。

Windows 11を日常的に使用しているユーザーから見たWindows 11の詳細をまた待っていて欲しい。

Surface Pro 8とiPad Proの比較

Surface Pro 8とiPad Proは、根本的に異なる製品だが、ターゲットとする市場の多くは同じだ。Surface Pro 8が完全なデスクトップOSを搭載しているのに対し、iPad ProはiPhoneで使われているソフトウェアのモバイル版を搭載しているが、その機能は強固だ。

Surface ProとiPad Proは、どちらもすばらしいディスプレイを備えており、タッチスクリーンの機能も同様にすばらしいものだ。スタイラスも同様に機能する。新しいSurface Penの方にはハプティックフィードバックが搭載されている一方、最新のApple PencilとiPad Proの方がより正確で、より楽しく使える。

この2つを選ぶには、それぞれのユースケースを見る必要がある。Surface Pro 8はデスクトップに代わるデバイスとして優れているが、ユーザーによっては、タスク次第でモバイルOSを使った方が良い場合もあるだろう。

ここで、いくつかアドバイスがある。

Surface Pro 8がおすすめな方。

  • 独自のソフトウェアを実行する機能を備えている、デスクトップに代わるデバイスを探していている方
  • Microsoftの法人向けアプリを動かすためのポータブルデバイスが必要な方
  • ゲームが好きで、Xboxゲームのストリーミングに満足している方
  • フルサイズの着脱式キーボードが必要な方

iPad Proがおすすめな方。

  • 主流のアプリ(Adobe PhotoshopやLightroomなど)でメディアを編集するためのデバイスを探している方
  • Google(グーグル)のG-Suiteを動作させるためにハイエンドのポータブルデバイスを必要としている場合
  • Microsoft Office 365の基本機能やアプリを使っている方
  • スマートフォンに搭載されているようなモバイルファーストのゲームを楽しみたい方

その価値は?

Surface Proは、これまでのバージョンで最も優れたモデルとおえるだろう。発売時にはいくつかの重要な機能が欠けているが、可能性を十分に秘めている。この製品は、美しいディスプレイと優れた品質を備えたすばらしいセットだ。新しいスタイラスは歓迎すべきアップグレードであり、Intelの最新チップはパフォーマンスにおいて、コンピューターとしてより信頼できるものにしてくれている。

Surface Proシリーズの製品ラインは常に奇妙なポジションに位置していたが、今回のバージョンでメインストリームとしての選択に近づくことができた。これまでは、パフォーマンスがわずかに不足していて、ハードウェアもぎりぎりまぁ良いかなという具合だった。Surface Pro 8では、パフォーマンスはようやく許容できるものになり、ハードウェアは美しいものになった。Surface Pro 8は、最高のWindows 2in1といえるだろう。

画像クレジット:Matt Burns

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(文:Matt Burns、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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マイクロソフトがSurface新製品イベントで発表した「8つの新デバイス」のひとつは、PCでもタブレットでもスマホでもなく、ペンやマウスでもなく、Surfaceなどに貼り付けて使い勝手を向上する「アダプティブキット」でした。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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中身は触覚で手がかりになるバンプラベル(写真)、特定キーを分かりやすくするキーキャップラベル+アプリケータ、どのケーブルをどのポートに挿すか見やすくするポートラベル、SurfaceのキックスタンドやノートPCなどを開きやすくするオープナーサポート

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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キーキャップラベルはこれ。従来から様々な製品が市販されてきた「キートップに貼って特定キーを触覚で分かりやすくする」シールです。

こちらは色分けがない半透明のみ、かわりに○や\など指先で認識しやすい形状を数種類用意します。アプリケータはこのシールをぴったり貼りやすくあわせる補助具。

ただのシールなのでどのキーボードにも、あるいはどんな機器のキーにでも貼れますが、Surfaceアクセサリ扱いなのでサイズがちょうど良いこと、Fキー列などハーフサイズのキー用もあることが利点といえば利点。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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ポートラベルはこちら。色分けのほか、こちらも触覚でわかる手がかりで数組が用意されています。デバイスを持ち上げて側面を覗いたり、ケーブルを間違った端子に挿そうとして困惑することを防ぐ効果。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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オープナーサポートは、ノートPCの天板やSurfaceのキックスタンドなどを開きやすくするための粘着式フック。指を引っ掛けて開くものと、ストラップを結んで引いて開くものがあります。

あらゆるデバイスが薄くツルツルになってゆくなかで、わずかな窪みに指を引っ掛けて開くことを前提にする製品も増えましたが、誰でも簡単に使えるわけではありません。

Surface Adaptive Kit はマイクロソフトのデバイス部門アクセシビリティ ディレクター Dave Dameの指揮のもと、実際に様々な障碍を持つ人々や団体から意見を募り開発したプロダクト。

ひとつひとつはすでに売っているようなものですが、デバイスメーカーであるマイクロソフトが純正として用意することで、より多くの人が見つけやすく入手性が改善すること、他のツルツルなデバイスのメーカーにもこれくらいは用意して当然と追従するきっかけになる点ですばらしい取り組みです。

マイクロソフトがSurface Adaptive Kit発表、障がいがある方向けにPCのアクセシビリティを物理的に向上

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マイクロソフトのアクセシビリティへの取り組みといえば、足でも使える巨大ボタンを備えた Xbox Adaptive Controller は日本でも販売中です。

足でも使えるXbox Adaptiveコントローラ発表。拡張自在なアクセシビリティ製品

単にボタンや十字キーがでかい、床置き対応コントローラというわけではなく、各種のボタンや機能に対して3.5mmアナログ端子をずらりと用意して、市販のさまざまなデバイスを接続できるようにすることで、ユーザーそれぞれに異なるニーズに適応する点が特徴。

マイクロソフトによれば、視聴覚や運動などでさまざまな障碍をもった人は世界で10億人。またいまは無関係と思っていても、ほとんどの人はいずれ何らかの障碍を持つことになります (その前に死ななければ)。

マイクロソフトの最近のマントラ ” to empower every person and every organization on the planet to achieve more. ”、公式訳は「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」が単なるお題目でないこと、「すべての人々」を額面通りのすべてに近づける取り組みがうかがえるプロダクトです。

Surface Adaptive Kit は国内で2022年前半に提供予定。

(Source:法人向け Surface アダプティブ キット – Microsoft Storeマイクロソフト アクセシビリティ ホームEngadget日本版より転載)

マイクロソフトがWindows 11に先駆けて「Surface Laptop Studio」と「Duo 2」発表、5つの新Surfaceとアクセサリー

半年ぶりのWindowsのメジャーリリースが目前に迫る中、Microsoft(マイクロソフト)は新ハードウェアを大量に発表した。Surfaceシリーズは、最先端ハードウェアのブレークスルー対して常に刺激を与えてきたわけではないOSのコンセプトを証明するプロダクトだと考えられてきた。

このブランドは、ノートPCやタブレット、そして最近ではスマートフォンといったカテゴリー間の境界線を曖昧にすることにフォーカスし、コンシューマー向けハードウェアの可能性を押し広げる機会をMicrosoftにもたらしている。Surfaceの実績は全体的に見て堅実なものだが、フォームファクターに手を加えるということは、誰もが100%の確率で正しいことをするわけではない。

関連記事:Windows 11の提供開始は10月5日から、マイクロソフトが発表

画像クレジット:Microsoft

2020年の「Surface Duo」は、もちろん、より大きな兄弟機である「Surface Neo」を除けば、この現象の最も良い例の1つだ。この2つのデバイスは、2019年に同じイベントで発表され話題を集めた。大きく期待されていた2つのデバイスは、2つのまったく異なる理由で最終的に失望させられることになった。

Neoは単に発売されなかった。Microsoftが2021年初めにWindows 10Xをその後キャンセルしたことが、最後の釘となったようだ。Duoは発売されたが、その宣伝には応えられなかった。フォームファクターは発売時と同様に興味深いものだったが、会社は他のことに集中することを選択したため、精彩を欠いたスペックを実質的に認めることになった。私はこのプロダクトを1400ドル(約15万4000円)という価格を正当化するには至らない「未完成品」と呼んだ。

画像クレジット:Microsoft

もちろん、Microsoftははっきりと言わないだろうが、新しいSurface Duo 2は、何かをやり直すことを意味するものだ。例えばSamsungの初代フォルダブルのように、私たちが「こうあって欲しい」と願うプロダクトの延長線上にある。スマートフォンの世界では、約10年半の間、モバイルデバイスがずっと採用してきた基本的なフォームファクターを拡張するプロダクトの登場が切望されている。今回のデュアルスクリーンデバイスは、その可能性を示唆するものだといえる。画面の解像度は1344×1892、解像度は401ppiとなっている。Snapdragon 888プロセッサの搭載や、2020年モデルはLTEのみの対応だったが、5G接続が可能になったこともうれしいポイントだ。Duo 2では、(前面の1200万画素に加えて)背面に大型のカメラモデルを追加し、1200万画素のワイドと望遠、1600万画素のウルトラワイドという3つのレンズを搭載している。

画像クレジット:Brian Heater

変わらないのは、価格だ。現在予約受付中で、価格は1500ドル(約16万5000円)からとなっている。

画像クレジット:Microsoft

今回の新製品の中で最も興味深いのは「Surface Laptop studio」だ。このデバイスは、Microsoftがずっと強気で取り組んでいる2in1のカテゴリーを巧みに利用したもので、その名前はSurface StudioとLaptopの両方に敬意を表しており、おそらく両者の違いを分けているものだろう。この製品は、14.4インチのタッチスクリーンが折り紙のようなスタンドに取り付けられており、さまざまな形に配置することができる。基本的には、キーボードケースの上に、タブレットのように動くように設計されたスクリーンを搭載したノートPC(非常にMacBook風なノートPC)だ。また、製品の下側にはマグネットが付いており、同社の新しいスタイラスを取り付けることもできる。

画像クレジット:Brian Heater

この製品は、Appleが長年にわたって追い求めてきたクリエイティブプロフェッショナルをターゲットにしている。Laptop Studioは、第11世代のインテルCore H35を搭載し、i5またはi7の構成となっている。価格は1600ドル(約17万6000円)からで、現在予約受付中だ(日本では2022年前半に発売予定)。

画像クレジット:Microsoft

今回はSurface Go、Pro、Pro Xのすべてがアップデートされている。「Go 3」には新しいIntel Core i3が搭載され、パフォーマンスが最大60%向上される。10.5インチのシステムは400ドル(日本では6万5780円)からで、今後数カ月のうちにLTEオプションも追加される予定だ。「Pro 8」は、13インチのスクリーン、第11世代のインテルCoreプロセッサー、2つのThunderbolt 4ポートを搭載した2in1モデルだ。価格は1100ドル(日本では14万8280円)からとなっている。一方、薄くて軽い「Surface Pro X」は、Microsoft SQ2 ARMチップを搭載し、価格は900ドル(日本では14万2780円)からだ。

画像クレジット:Microsoft

これらすべてのモデルが、より細いペン先、触覚フィードバック、磁気充電機能を備えた新しい「Surface Slim Pen 2」に対応している。価格は130ドル(約1万4300円)。さらに、海から回収されたプラスチックを20%使用した「Microsoft Ocean Plastic Mouse」も登場する。また「Surface Adaptive Kit」は、キーキャップラベル、バンプラベル、ポートインジケータ、デバイスオープナーなどを貼り付けて、デバイスのアクセシビリティを向上させることができる。

  1. Surface-Adaptive-Kit-Hero_under-embargo-until-September-22

    画像クレジット:Microsoft
  2. Surface-Slim-Pen-2_under-embargo-until-September-22

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  3. Surface-Pro-X-Hero_under-embargo-until-September-22-1

    画像クレジット:Microsoft
  4. Surface-Laptop-Studio-Inking_under-embargo-until-September-22

    画像クレジット:Microsoft
  5. Surface-Laptop-Studio-Slim-Pen-2_under-embargo-until-September-22

    画像クレジット:Microsoft
  6. Surface-Duo-2-Internals

    画像クレジット:Microsoft

全体的に見て、良いバランスだと思う。Surface Laptop Studioは、2in1スペースのもう1つの魅力的な居場所を探っている。それはニッチだろうか?そう、おそらく。しかし、Microsoftはこの種のプロダクトを長く手がけてきたため、その規模に応じた特性を理解している。また、OSのメジャーアップデートといっても、それを推進するためのハードウェアがなければ意味がない。

一方、Duo 2は、最初の頃はうまくいかなかった待望の新製品を改良したものだ。Microsoftは、このデバイスの欠点を率直に述べており、新製品でそれに対処しようとしている。このデバイスがもっと高い価格で提供されるべきだというかなり説得力のある議論をすることもできるが、多くの奇妙なコンセプトの製品(Neoの場合)がそこまで受け入れられなかったことを考えると、このように既成概念にとらわれない製品にこだわっているようなのは良いことだ。

画像クレジット:Microsoft

その他の新しいSurface製品は、Windows 11を見据えたより洗練された製品となっている。複雑なシステム要件が示すように、Microsoftは明らかにハードウェアをアップグレードして欲しいと考えている。

「Microsoft Ocean Plastic Mouse」は、確かに、ハードウェアのアップグレードを推進するためのちょっとしたギミックだ。さらに理想的な世界では、同社のすべての機器が同じような部品で作られているはずだ。海からプラスチックを救い出すことができるなら、それはそれで良いことだと思う。「Surface Adaptive Kit」は、これまで業界をリードしてきたアクセシビリティへの取り組みのうち、消費者向けの製品となる。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

歴代最高性能のSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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秋の新デバイス発表イベントで、マイクロソフトがSurfaceシリーズの新しい製品 Surface Laptop Studio を公開しました。

Surface Laptop Studio は14.4インチのディスプレイ部とキーボード部を二段のヒンジで結び、通常のラップトップモードでも、ディスプレイを手前に倒してペン入力に適したスタジオモードでも使えるクリエーター・デベロッパー向け製品。

歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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プロセッサは4コアの11世代Core i5 / i7 Hシリーズ、グラフィックはIntel Iris XeにNVIDIA RTX A2000 または3050 Ti、メモリは32GBまで、交換可能なSSDが最大2TBなど、歴代Surface最高の性能を誇ります。

「Laptop Studio」の名称どおり、画面を引き下ろせる構造はクリエーター向けデスクトップの Surface Studio を引き継ぎつつ、下半身は通常のノート同様に使えるスタイルです。

Surfaceラインナップ間での位置付けとしては、2 in 1でありつつキーボード側にも高速なGPUを乗せた大型・高性能モデル Surface Book の後を継ぐことになります。

歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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Surface Laptop Studio の主な仕様は、

  • 14.4インチ2400 x 1600 (3:2) PixelSense Flow ディスプレイ(最大120Hzアダプティブリフレッシュレート、コントラスト比1500:1、Dolby Vision対応) 10点タッチ、Surfaceペン入力対応
  • 11世代 Core i5 / i7 プロセッサ(4コア Hシリーズ)
  • 16GB / 32GB LPDDR4 RAM
  • 交換可能SSD 256GB / 512GB / 1TB / 2TB
  • USB 4.0 / Thunderbolt 4ポート x2、ヘッドホン端子、Surface Connect端子
  • 1080p HDウェブカメラ、デュアルStudioマイク
  • Dolby Atmos 対応 OmniSonicクアッドスピーカー
  • Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1
  • バッテリー駆動時間はi5モデル最長19時間、i7モデル最長18時間
  • 重量は i5モデル 1742.9g、i7モデル 1820g
歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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新製品のペン Surface Slim Pen 2 は、Laptop Studio本体に磁力でドックして充電が可能。

新仕様として内部に振動子を搭載しており、Surface Laptop Studio または Surface Pro 8と利用することで紙に鉛筆で描く感触を再現できるとうたいます。また丸く囲んで選択など Microsoft 365のジェスチャや、Adobe Frescoなどのアプリも触覚フィードバックに対応します。

歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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通常のノートのようにキーボードを使うラップトップモード、画面を倒してタッチやペン入力に最適化したスタジオモードに対して、画面を手前に引き出した中間形態は、画面が近くゲームや動画鑑賞に最適な「ステージモード」と称しています。

歴代最強サーフェスSurface Laptop Studio発表、変則ヒンジにNVIDIA RTX A2000/3050 Ti採用

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外付けキーボードを使う場合も、不要なキーボードの分だけ画面が前に出るステージモードが最適。シリーズ共通の独自コネクタ Surface Connect端子を搭載するため、ケーブル一本でSurface Dockにつないで充電・外部画面出力・端子拡張等にも対応します。(Thunderboltでも可能ですが)

Surface Laptop Studio は1599.99ドルから。米国およびカナダでは本日より予約を受け付け、10月5日に発売します。そのほかの地域では2022年に発売予定(日本は2022年前半予定)。

(Source:Microsoft 製品ページEngadget日本版より転載)

Surface Go 3発表、Core i3搭載で高速化したWindows 11モデルが価格6万5780円から

Surface Go 3発表、Core i3搭載で高速化したWindows 11モデルが価格6万5780円から

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完全新規の Surface Laptop Studio、Pro 3以来の刷新となる Surface Pro 8が発表されたマイクロソフトのイベントでは、小型モデル Surface Go も新バージョンの Surface Go 3が登場しています。

主な更新点は、プロセッサが新しい Pentium Gold またはCore i3になり高速化したこと。そしてWindows 11搭載モデルになったこと。

Surface Go 3発表、Core i3搭載で高速化したWindows 11モデルが価格6万5780円から

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Surface Go 3の主な仕様は、

  • 10.5インチ1920 x 1280 PixelSenseディスプレイ
  • 2コアPentium Gold 6500Y または4コア第10世代 Core i3-10100Y
  • Intel UHD 615グラフィック
  • 4GB / 8GB RAM
  • 64GB eMMC / 128GB SSD / 245GB SSD (Commercial Channelのみ)
  • オプションでLTE Advanced、Nano SIM / eSIM対応
  • USB-C×1、microSDXCスロット、3.5mmヘッドホン端子、Surface Connect端子、タイプカバー端子
  • 重量 544g (Wi-Fi)、553g (LTE)

Surface Go 2から画面もサイズもそのまま、主に中身を高速化した Windows 11あわせのリフレッシュモデルです。

価格は Pentium / eMMC / 4GB / Wi-Fiの最安モデルが399ドル(日本では税込6万5780円から)。本日より各地域で予約受付を開始します。LTEモデルは米国とカナダで今年12月、そのほかの地域では2022年に発売予定。

(Source:Microsoft 製品ページEngadget日本版より転載)

マイクロソフトがSurface Pro 8発表、13型120Hz画面やThunderbolt 4で全面刷新し価格は14万8280円から

マイクロソフトがSurface Pro 8発表、13型120Hz画面やThunderbolt 4で全面刷新し価格は14万8280円から

本日開催された米国マイクロソフトのSurfaceイベントでは、Windows 11搭載となる新型Surfaceシリーズが発表されました。

中でも今回の話題の一角となりそうなモデルが、キーボード合体式の2-in-1タイプ『Surface Pro 8』です。

米国での価格は1099.99ドルから(日本では税込14万8280円から)。日本を含む各国で本日より予約受付を開始します。

最大の特徴は、ついに本体が完全新設計となった点。

Surface Proシリーズの12.3インチ・アスペクト比3:2画面をベースとした基本的な設計は、Surface Pro 3から“秘伝のタレ”のように引き継がれてきましたが(Pro 7でのUSB Type-C追加などはあったものの)、今回ついに基本設計レベルから大変更され、合わせて時代遅れ感のあった仕様が一気にアップデートされました。

その本気度は、マイクロソフト側が「Pro 3以来となる大規模アップグレード」とアピールするほど。

正面デザインは変わらずシンプルですが、画面のナローベゼル化により、より見栄え良く

正面デザインは変わらずシンプルですが、画面のナローベゼル化により、より見栄え良く

画面サイズは13インチに若干ながら大型化され、最高リフレッシュレートはゲーミングPC並みの120Hzに。さらに先行するSurface Pro Xのように、ナローベゼル化も進みました。

拡張端子もThunderbolt 4(兼USB Type-C)端子2基を搭載し、心臓部となるCPUはインテルのTiger Lake世代に。インテル提唱の”イマドキの快適PC指標”となるEvoプラットフォームにも準拠しています。

背面側には伝統の無段階キックスタンドを搭載。中央付近に見える端子が2基のThunderbolt 4(兼USB4)です

背面側には伝統の無段階キックスタンドを搭載。中央付近に見える端子が2基のThunderbolt 4(兼USB4)です

さらに別売りペンにはハプティック(触感)デバイスを搭載して、触感上でも紙とペンの書き味に近づけるなど、今後のトレンドともなりそうなアイデアも導入されています。

公開された内部構造図。基本的なパーツレイアウトはProシリーズを継承するものの、冷却機構やバッテリーの大型化が見て取れます

公開された内部構造図。基本的なパーツレイアウトはProシリーズを継承するものの、冷却機構やバッテリーの大型化が見て取れます

技術的な注目点の一つとなるのが、ディスプレイパネルの大進化でしょう。なんといっても目立つのが、最高リフレッシュレートが120Hzという点。これにより軽めのゲームなどでは表示が滑らかになり、視認性が向上します。また、ペンを使った描画などでも遅延(レイテンシ)を削減できます。

Windows 11は必要に応じてリフレッシュレートを高める「動的リフレッシュレート」に対応するため、多くのスマートフォンのように無駄な消費電力を抑えつつ、必要なときだけ120Hz表示を使えます。

サイズは13インチとわずかながら大型化し(Pro 7は12.3インチ)、合わせてナローベゼル化。とくに横置き時の左右側などはかなり狭くなり、外観上も格好良くなっています。

もちろんキックスタンドは第5世代モデルから継承された、スタジオモード(最大限に倒した、ペン入力に適した状態)にも対応。キーボードとの接続端子はSurface Pro Xに似た形状となっています(現状では互換性に関しては不明)

もちろんキックスタンドは第5世代モデルから継承された、スタジオモード(最大限に倒した、ペン入力に適した状態)にも対応。キーボードとの接続端子はSurface Pro Xに似た形状となっています(現状では互換性に関しては不明)

加えてHDR映像ソースに関しても、ドルビービジョンに対応。色表現に関しても、周囲の環境光に合わせて自動で色調整を行なうWindows機能『Adaptive Color Technology』に対応。なお同機能で必要となる環境光センサーは、顔認証カメラ部に搭載します。

解像度は2880 x 1920、画素密度は267dpi。この値はPro 4からPro 7と同じため、解像度は画面実面積分だけの拡大に留まっています。

こうした様々な改良により、公式Blog記事などでは「我々が作った中でも最も技術的に進んだディスプレイ」ともアピールします。

対する大きさと重さに関しては、本体のみでのサイズは287×208×9.3mm(幅×高さ×厚さ)で、同じく本体のみの重量は891g。Pro 7は292×201×8.5mm、775g~790gだったため、とくに重量は100gほど増しています。

心臓部となるCPU(SoC)はインテルのTiger Lake世代へ。合わせて熱輸送機構も高効率化されています

心臓部となるCPU(SoC)はインテルのTiger Lake世代へ。合わせて熱輸送機構も高効率化されています

画面周りと並んで大きなアップデートが、Thunderbolt 4(兼USB Type-C)端子を搭載する点。

CPU側に論理層コントローラーを搭載するTiger Lakeの機能を活かし、数も2基となっているため、これまでのSurface Proシリーズに比べて拡張機器の柔軟性は大きく広がっています。

ただし一方で、昨今のトレンドかUSB Standard-A端子は廃止に。良くも悪くもイマドキのモバイルPC的な割り切りとなりました。

なお電源兼拡張ユニットを接続するSurface Connect端子は、内部解説写真によれば継続採用。現時点では細かな互換性までは不明ですが、このあたりはSurfaceチームらしいところです(なお、他の端子は3.5mmヘッドホンジャックのみ)。

今回は内部に非常に自信があるためか、基本パーツを一覧で見せる写真も。マザーボードの形状などが注目ポイントでしょう

今回は内部に非常に自信があるためか、基本パーツを一覧で見せる写真も。マザーボードの形状などが注目ポイントでしょう

そして、基本的な処理速度の面もTiger Lake採用で強化。とくにGPUはPro 7で採用されたIce Lake(第10世代Core i)より、かなりの、と言って良いレベルでの高速化が期待できます(一方で、企業用モデル『Surface Pro 7+』とは同一世代となります)。

実際の処理速度に大きく影響するTDP値は15~28Wと、いわゆるモバイルノートPCの標準クラス。具体的なモデル名は、一般向けモデルが『Core i5-1135G7』と『Core i7-1185G7』。最廉価モデルでもCore i5となっている点が、ちょっとした(そしてお買い得度的には大きな)トピックです。

搭載GPUはCPU内蔵の『インテル Iris Xeグラフィックス』となります。

なお、企業向けモデルは『Core i3-1115G4』『Core i5-1145G7』『Core i7-1185G7』の3グレード構成です。企業向けモデルはLTEモデム搭載構成も販売されます(コンシューマー向けはWi-Fiモデルのみ)。

なお冷却機構などは、基本的な設計こそPro 7までを踏襲しますが、ヒートパイプなどの部品が順当に大型化している様子が見て取れます。

一部モデルのストレージ(SSD)は企業用のPro 7+と同じく、交換可能な設計。外観レベルでは形状も似ています

一部モデルのストレージ(SSD)は企業用のPro 7+と同じく、交換可能な設計。外観レベルでは形状も似ています

RAMはLPDDDR4Xの8GB/16GB/32GB。Surface Proも最大32GBに対応した点がトピックです。

ストレージは少々複雑で、交換可能タイプのSSDでは128GBか256GB。それとは別に単なる「SSD」があり、こちらは512GBか1TBという構成。おそらく後者は交換不可能な構成と思われます。

バッテリー駆動時間は公称「最大16時間」。バッテリー容量は内部写真で見る限り50.2Wh(11.38V/4414mAh)と、Pro 7の公称43Whより大幅な容量増になりました。

Pro 7の駆動時間は公称10.5時間だったため、容量増加分しっかりと駆動時間が延びたと呼べそうです。

公開された内部レイアウトを見せるための写真は“レイヤー分け”したかのようなタイプも。ただし後半はキーボードである点には留意

公開された内部レイアウトを見せるための写真は“レイヤー分け”したかのようなタイプも。ただし後半はキーボードである点には留意

またテレワークの普及に伴い、カメラも刷新。背面カメラが1000万画素(10MP)へと、解像度が向上しています(現行のPro 7は800万画素)。なおBlog記事では「10MP-4K」との記載もあるため、4K動画の撮影にも対応する模様。

なお前面カメラはPro 7と同じ500万画素でフルHD撮影に対応。Surfaceシリーズといえば、なWindows Hello対応顔認証も継承します。さらにユニットとしてみると、上述した環境光センサーが加わっています。

またマイクに関しては中・遠距離の集音にも対応するマイクロフォンアレイ構成を引き続き採用、内蔵スピーカーはドルビーアトモスに対応します。

専用キーボードはペン収納(兼充電)部を備えたPro X風の新設計に。もちろんキーボードに角度を付けた状態ではペンを隠せます。端子形状もPro Xに似た形となりました

専用キーボードはペン収納(兼充電)部を備えたPro X風の新設計に。もちろんキーボードに角度を付けた状態ではペンを隠せます。端子形状もPro Xに似た形となりました

そしてもう一つの注目点は、本体に合わせて刷新された、専用キーボードとペンです(両方とも別売り)。

キーボードは、Surface Pro X用で評価の高かった、ペン用の収納部を本体接続部付近に搭載する構造に刷新。名称もPro X版に合わせて、『Surface Pro Signature Keyboard』となっています(日本向けはまだわかりませんが、「タイプカバー」の名称が外れました)。

キーボードとペンを装着した状態ではこのような感じに。このあたりの構造はPro Xを見ているかのようです

キーボードとペンを装着した状態ではこのような感じに。このあたりの構造はPro Xを見ているかのようです

そして専用ペン『Surface Slim Pen 2』の特徴は、ハプティック(触感)振動に対応したバイブレーターを搭載している点。これにより使っている際、紙にペンを滑らすような感触をシミュレートします。

これまでのPC用ペンは、いわゆる「紙とペンのような書き心地」を追求すべく、ペン先の素材や画面側の表面加工、さらにはレイテンシ(遅延)の削減などに注力してきました。

しかし今回は「昨今技術改良の著しいハプティック系デバイスを使い、書き心地のシミュレートにより紙とペンの理想に迫る」という、良い意味で想定外の技術によるアプローチとなっています。

さらに描画時のレイテンシに関しても、Surface Pro 8側にも搭載されたMicrosoftの新世代カスタムコントローラーと、Windows 11での改良により、現行世代よりさらに低減。

画面の120Hz化による描画レイテンシ削減と合わせ(画面のリフレッシュレートが上がると、必然的にレイテンシも削減されます)、「これまで以上に自然で滑らかなインクとペンの体験を提供」とアピールします。

マイクロソフトがSurface Pro 8発表、13型120Hz画面やThunderbolt 4で全面刷新し価格は14万8280円から

このようにSurface Pro 8は、OS側となるWindows 11の刷新に合わせて、ユーザー待望のメジャーアップグレードとなった待望のモデル。

実際に主要な特徴を見ていっても、120Hz画面やThunderbolt 4端子をはじめとするパワーアップ度合は顕著。確かにマイクロソフト側が主張する大幅な強化であることは間違いありません。

Surfaceはディスプレイに関しては並々ならぬこだわりを持ったシリーズですが(例えばあまり大きくアピールしていませんが、出荷時色調整の精度なども含まれます)、今回はWin 11で焦点となるはずのリフレッシュレートでライバルとの差を付けることとなりそうです。

そして「ペンを併用するためにSurface Proシリーズを使っている」という層にとっては、間違いなく注目点となりそうなのが、触感フィードバックを搭載したペンの使い心地でしょう。少なくともPC用でのペンとしては他にないアイデアだけに、ペンも使う層によっては、本体以上に見どころともなりそうです。

(Source:Microsoft 製品ページEngadget日本版より転載)

マイクロソフトが9月22日11時(日本時間23日0時)のイベント開催告知、Surface新モデル発表か

マイクロソフトが9月22日11時(日本時間23日0時)のイベント開催告知、Surface新モデル発表か

Microsoft

Microsoftが、9月22日11時(日本時間23日0時)にイベントを開催すると告知し、ティザーサイトを公開しました。

現状では開催日時の告知があるだけで、何を発表するのかについては触れられていません。しかしタイプカバーとキックスタンドがあるSurface ProあるいはSurface Goらしき画像が表示されていることから、Surface関連イベントであることは間違いないようです。

Microsoftはこれまでも、秋にSurface関連のイベントを行うことが多く、また今年は10月5日にWindows 11の正式リリースも控えている時期。それを初期搭載するハードウェアとして、新Surfaceが登場してもおかしくはないタイミングです。

肝心な、どんな機種が登場するかについては、いまのところ具体的な情報はありませんが、カメラがアップグレードし、ブラックカラーも追加されるとの噂も出てきたSureface Duo 2がこのイベントで発表される可能性もあります。

また、ティザー画像のとおりにSurface Pro(あるいはSurface Go)の新モデルも期待できそうです。

(Source:MicrosoftEngadget日本版より転載)

Surface Duoの2つのスクリーンがゲーム画面+バーチャルコントローラーとして使用可能に

2020年12月にMicrosoft(マイクロソフト)が掲載した「Surface Duo(サーフェイス・デュオ)の今後1年」と題したブログ記事には、このデュアルスクリーンデバイスが米国以外の地域(カナダ、英国、フランス、ドイツ)でも発売予定であることや、いくつかの機能が紹介されていた。だが、このデバイスを使ってみたことがあるほとんどの人(我々を含む)は、このデバイスがまったくの未完成であることを認めている。

関連記事:Surface Duoファーストインプレッション、Gmailや電子書籍リーダーは使い勝手良好、カメラは次期モデルに期待

マイクロソフトは米国時間5月24日、Android版「Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)」のアップデートを行い、この製品のエンターテインメント性の一部を解放した。これまでベータ版として提供されてきたこの機能は、マイクロソフトの中で議論が続けられ、プレビューも行われていたが、今まで隠された機能の1つだった。

本日、#SurfaceDuoをご利用のお客様にとてもクールなアップデートが公開されました!@Xboxと協力して、私たちはその2つ目のスクリーンにタッチ式コントローラーを搭載しました。@xboxGamePassのアルティメットメンバーなら、50種類以上のゲームがタッチ操作で遊べるようになりました。

このアプリは、あなたがSurface Duoに期待する通りの使い方を実現する。横向きのCompose Mode(コンポーズモード)にすると、上の画面にゲームが表示され、下の画面はバーチャルなXboxコントローラーに変わる。もちろん、タッチスクリーンでできることは限られているが、ゲームが2画面あると便利なアプリケーションであることは確かだ。

Engadgetによると、このタッチコントローラーはXbox Game Pass Ultimateに加入しているユーザーが利用できる50以上のタイトルに対応しているという。

従来の折りたたみ式フォームファクタに代わる製品として大いに宣伝され、非常に期待されていたSurface Duoだが、発売当初は期待外れだった。マイクロソフトはその後、この製品の価格を1399ドル(約15万2000円)から999ドル(約10万9000円)に値下げしている。つまり、あまり売れていなかったということだろう。しかし、今回のようにソフトウェアのサポートが続けられているということは、初期の失敗にも拘らず、同社が今後もこの製品をサポートしていくという意思の表れなのかもしれない。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftXbox Game Pass折りたたみスマートフォンSurfaceSurface Duo

画像クレジット:Microsoft

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

【レビュー】マイクロソフトのSurface Laptop 4は予想どおり堅実な進化を遂げている

最近では、ノートパソコンのデザインで最も簡単なやり方は、Apple(アップル)のMacBook(マックブック)をそのまま模倣することだと言われている。確かにこの数年の間には、酷いケースも目にしてきた。しかし、Microsoft(マイクロソフト)はその製品ラインアップ全体の工業デザインにおいて、独自の道を挑戦的に切り開いてきた。同社の製品は概して非常に興味深く、革新的だ。最近こんな言葉はすべてのハードウェアメーカーに対して言えるものではなくなっているが。

しかし、マイクロソフトのやることが常に正しかったとは限らない。例えば、Surface Duo(サーフェイス・デュオ)では非常に大胆な試みに打って出た。確かに革新的ではあったものの、誰もに推奨できるとは言えない部分があったのも事実だ。その一方で、Surface Laptop(サーフェイス・ラップトップ)は、シリーズで最も画期的な製品というわけではないが、Windows対応のタッチスクリーンと、より標準的なノートブックのデザインを併せ持つ、一貫して最も優れた製品の1つであり続けている。

ここ数世代のモデルは堅実で、2021年のモデルも(おそらく大方の予想通り)大きな変化はなかった。約1年半ぶりの大きなアップグレードは、新しいチップ(AMD Ryzen、Intel Core i5またはi7のいずれか)の搭載と、8時間30分も長くなったバッテリー駆動時間の大幅な向上だ。基本的には、モデルの定期的な刷新時に予想される(あるいは期待される)種類の改良に過ぎない。

画像クレジット:Brian Heater

デザイン言語はほとんど変わっていない。Surface Laptopは、テーパードした側面やフェルト(アルカンターラ素材)で覆われたパームレストなど、その面では類を見ない独自性を備えている。素材の感触は良く、特に寒い日にはメタル素材製のものを明らかに凌ぐが、しかし短期間使用しただけで、すでに少し摩耗していることに気づいてしまった。

キーボードは従来と同じくソフトな感触で、驚くほどの弾力性がある。これまで私が見たノートパソコンの中で最高のキーボードというわけではないが、最悪のキーボードでもない(あのアップルの粗雑なキーボードの動きを忘れることができるだろうか?)。他のすべてのキーボードと同じように、慣れるには少し時間がかかる。

また何度も同じことを繰り返すと思うかもしれないが、おそらく毎回マイクロソフトが気候の良い時期にSurface Laptopを発表するせいだろう、私はいつもこれを外に持ち出したくなる。そして毎回、残念に思うのがあのディスプレイの反射だ。ほとんど集中できない。もちろん、多くのノートパソコンに光沢(グレア)スクリーンが採用されているが、マイクロソフトは特にその傾向が強い。この点において、Surface Laptopを陽光の下で使うことはおすすめできない。たとえ輝度を最大にしても、スクリーンは反射を打ち消すことができないからだ。

画像クレジット:Brian Heater

見える環境に持って来れば、画面の表示はきれいだ。マイクロソフトが送ってくれたのは、2サイズが用意されているうち小さい方の13.5インチで、解像度は2256×1504px、201ppiとなる(15インチでも画素密度は同じ)。我々は新色のアイスブルーを選んだ。しかし、これは微妙な色合いだ。正直なところ、私にはブルーというよりシルバー / グレーに近ように見える。スピーカーの音は素晴らしく、ウェブカメラも問題ないが、依然としてビデオ会議が多く行われている現在、そろそろ(現在の720pから)1080pにアップグレードする時に来ていると言っていいだろう。

13.5インチのモデルの価格は1000ドル(日本では税込12万8480円)からで、8GBのRAMと256GBのストレージ(SSD)、そしてAMD Ryzen 5 4680Uプロセッサを搭載する。我々の手元にあるモデルは、RAMとストレージを2倍に増やし、プロセッサをAMDからIntelのCore i7に変更した仕様で、価格は1700ドル(日本では税込21万6480円)となる。さらに600ドルを足せば、RAMとストレージがさらに2倍になる(プロセッサは同じCore i7、日本では税込29万3480円)。Geekbenchのスコアでは、シングルコアで1378、マルチコアで4876という堅実な数値が出た。パフォーマンスは全体的に安定しているものの、アップルのM1を長時間使用した後では、Intelに大変な仕事が残されていることは明らかだ。

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    画像クレジット:Brian Heater
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    画像クレジット:Brian Heater

マイクロソフトは、依然として独自のマグネット式充電ポートの採用にこだわっている。熱狂的なファンがいることは承知しているが、個人的にはUSB-Cポートをもう1つ追加するなど、より一般的な方法を採用してもらいたいと思う。だが、それでは他のSurface用のさまざまなアクセサリーとの互換性に影響が出てしまう。反対側には、USB-A、USB-C、そしてヘッドフォンジャックが備わる。これは良い組み合わせだが、ポート数が増えればさらに強化されることは間違いない。

2020年のSurface Laptop Goでは、さまざまな機能が削減されており実に失望させられた。もちろん、エントリーレベルの13.5インチLaptopは、12インチLaptop Go(日本では税込8万4480円)よりも300ドルも高い。しかし、基本的な作業以上のことをやりたいと思うのであれば、これはおそらく賢明な投資になるはずだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftSurfaceノートパソコンレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

マイクロソフトの最新Surface Laptopが4月15日発売、約12.8万円から、リモートワークにも最適

Microsoft(マイクロソフト)は当然のことながら、Surfaceシリーズの最新モデルを「生産性」のためのデバイスと位置づけている。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが続く中、多くの人々が在宅勤務への移行を急ぎ、ノートPCの売り上げは急増している。そういう意味では、Surface Laptopの最新版は新製品の中でも圧倒的な存在感を示している。

最新のSurface Laptop 4は前モデルから約1年半後に登場したため、大幅なアップグレードとはならないようだ。もちろん、クリエイター向けの2in1のコンバーチブル型モデルとは一線を画したこの製品は、同社の独自ハードウェア製品の中でも特に高い評価を得ている。

画像クレジット:Microsoft

新モデルは13.5インチまたは15インチのタッチスクリーンを搭載し、第11世代のIntel CoreまたはAMD Ryzenプロセッサを搭載する。システムの最低価格は999ドルだ(日本では税込12万8480円)と、前モデルから最低価格は変わらない。またマイクロソフトは、Laptop 3の11.5時間を超えるパフォーマンスの向上とバッテリー持続時間の延長を約束している。下の動画では「最大19時間」だとアピールしているが、これが本当なら外出先での利用時に大きな強みとなる。

システムのHDウェブカメラは前モデルをベースに、低照度での撮影機能が改良されている。これに加えて、スタジオ用マイクアレイが搭載されている。繰り返しになるが、たとえ画期的ではなくても新型コロナウイルスの時代、私たちの対人コミュニケーションのかなりの割合がウェブカムを介して行われることを考えれば、企業がこうしたスペックに注意を払うようになったのは喜ばしいことだ。

デザインは以前のバージョンと似ているが、新しいカラーオプションとしてIce Blueが追加されている。またマイクロソフトは独自の充電ポートを維持している(急速充電なら1時間で最大80%まで充電できる)。さらにDolby Atmosスピーカーが搭載されており、タッチスクリーンはSurface Penと連動する。

新型Surface Laptop 4は米国、カナダ、日本で本日より予約が可能で、4月15日に出荷が開始される。13.5インチのAMD Ryzenモデルは8GバイトのRAMと256Gバイトのストレージを搭載し、価格は999ドル(日本では12万8480円)だ。ハイエンドモデルにおいては、15インチのIntel Core i7モデルは32GバイトのRAMと1Tバイトのストレージを搭載し、2399ドル(日本では税込16万1480円))となっている。また、米国では早期予約者にはSurface Earbudsがプレゼントされる。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftSurface

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter

マイクロソフトのビジネス向け最新Surface7+はリモートワークにフォーカス、米では本日より予約開始

米国時間1月11日から本格的に始まるCESでは、リモートワークに特化した製品が数多く登場するだろう。2020年はスマートフォンの売上が低迷していたにもかかわらず、PCの売上が大幅に伸びた。オフィスからバーチャルワークへの移行など多くの変化があったが、今ではハードウェアメーカーの努力が実を結び始めている。

新しいSurface Pro 7+は、間違いなくその要件を満たしているようだ。キーボードケース付きの2in1製品を主要なプロダクティビティデバイスとして推奨することにはまだ躊躇があるが、人々はその方向へさらに進もうとしているようだ。

画像クレジット:Microsoft

主な特長としては、オプションのLTE通信および第11世代インテルCoreプロセッサによる高速処理(Microsoftによれば最大2.1倍のパフォーマンス)を実現している。これに、最大32GBのRAMと1TBのストレージが組み合わされる。ビデオ会議用の1080pウェブカメラとクアッドマイクも搭載されている。

外部ポートは1個のフルサイズのUSB-Aと、厄介なSurfaceコネクタが用意されている。残念ながら、USB-Cポートは1個しかない。フル充電での駆動時間は最大15時間だが、これは特筆するほどではない。

Wi-Fiバージョンは899ドル(約9万4000円)で、LTEバージョンは1149ドル(約12万円)からとなる。予約は本日から開始され、出荷は来週を予定している。また、すでに発表されているホワイトボード型PCであるSurface Hub 2S 85が、ついに2021年2月から「一部の市場」で発売される。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:MicrosoftSurfaceCES 2021リモートワーク

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Surface Laptop Goは確かに軽い、サブ機としてフル活用するなら10万円超の上位モデルか

エレガントなデザインのままリバースエンジニアリングで低価格化

先週、Surface Laptop Goをバックパックに詰めてハイキングに行った。数日かけて30km以上歩き、森の中の小道を抜けて危なっかしい橋も渡ったが、Laptop Goは間違いなく軽かった。

MacBook Air(2.27kg)も持って行ったのだが実はLaptop Go(1.11kg)のほうが軽い。どちらにせよたいした重さではないと思われるかもしれないが、毎日8時間道なき道を歩き通すとなるとほんのわずかの重さも大きな差となる。

ただし、Laptop Goのスクリーンは屋外で使うにはあまり向いていない。パワーが十分でない低価格デバイスとしてはやむを得ないのだろうが、反射しやすいスクリーンのせいもあって画面輝度を最大にしても屋外では見にくい。もちろん、通常こうしたデバイスは室内で用いられるのでこの点は大きな問題ではないだろう。一方で、Microsoft(マイクロソフト)がこの製品を低価格で提供できた秘密の一部がわかった気がした。

Laptop Goは先行モデルをリバースエンジニアリングして低価格化に成功した典型的なケースだ。これにより同社は、Surfaceシリーズを入門機のゾーンに向けて大きく拡大できた。当初のSurfaceは専用Windowsを使ったデバイスを作る際の標準ハードウェアの役目を果たす高価格モデルだった。しかしその後Surfaceブランドは大きく多様化した。

 

マイクロソフトはSurfaceで長年アップルデバイスを使ってきたクリエイティブなユーザーをターゲットとすると同時に、低価格入門機の分野にも手を広げた。Laptop Goは明らかに後者のカテゴリーの製品だ。GoシリーズはSurfaceの開発にあたって長年利用してきたハードウェアの開発、製造テクノロジーが低価格デバイスにも適用できるかどうかを試す試金石だった。

この試みは理解できるし、同時に称賛すべきものだ。機能と信頼性が高いノートパソコンを入門機の価格で提供することができればメーカーにとってもユーザーにとっても大きなメリットとなる。もちろんここには数多くのハードルがある。例えばまず、価格を下げるには、どの機能を省くべきかを決定しなければならない。すでに多数のメーカーがChrome OSやWindows 10Sをベースにするマシンを市場に出している。

同社がWindows 10SとSurface Laptopを発表したのは数年前で、Chromebookのライバルをそれよりずっと高い価格で販売するというのは少し奇妙な戦略だった。しかし数年かかったものの、適切な価格でSurfaceノートを発売した。ここで多年培ってきたエンジニアリングのノウハウに大いに役立てたに違いない。

新しいLaptop Goは低価格だが外観がスマートなノートだ。他のSurfaceファミリーに混じっても見劣りがしない。筐体のトップとキーボード表面はアルミ製でポリカーボネート素材と組み合わされている。ただこの部分はいかにもプラスチックな手触りだ。キータッチは私の好みからするとややソフトでぐにゃっとした感触だが、慣れればさほど気にならない。ほとんどのケースに問題なく対応できるだろう。

ポートについては好みが分かれるかもしれない。筐体左側にはUSB-AとUSB-Cが1つずつある。既存のデバイスにも将来のデバイスにも対応しようという戦略だろう。しかしUSB-Cポートを複数装備するほうが適切だったのではないか。筐体右側にはSurfaceドック・コネクターが1つあるだけだ。同社が既存デバイスへの後方互換性を配慮したことは間違いないが、それを犠牲にしてもバッテリー充電をUSB経由にすべきだったように思う。

内部は評価が分かれる。Intel(インテル)の第10世代Core i5が標準搭載されており、8万4480円(Microsoftストア価格)で入門レベルのノートにしては強力なCPUだ。しかしベースモデルはメモリーが4GB、SSDが64GBなので多くのユーザーが8GB、256GBのバージョンを選ぶだろう。

 

ここでレビューしている個体も8GB、256GBモデルで、このスペックなら十分使える。しかし、ストレージを256GBにアップグレードすると12万6280円(Microsoftストア価格)となり、「驚くほど安い」カテゴリーには収まらなくなる。256GBモデルなら指紋認証センサー付き電源ボタンも搭載される。不思議なのはキーボードの周囲にしかバックライトがない点だ。キーボード自体が光らないのは奇異な印象を与える。なお、ベーシックモデルの本体色はプラチナのみで、それ以外のモデルではサンドストーンとアイスブルーを選べる。

Laptop GoのOSは標準搭載OSはWindows 10Sだ。このマシンが登場したときのレビューで、私は「大半のユーザーは購入と同時にOSをWindows 10Sから普通のWindows 10に切り替えるほうがいい」(未訳記事)と勧めておいた。そうした点を別にすれば、Laptop Goは低価格機市場への参入の最初の試みとして十分な成果だ。軽量だし外観もスマートで機能も十分なレベルのデバイスに仕上がっていると思う。特にサブ機として好適だ。しかしこうしたマシンを今すぐ必要としているのでないなら、次のバージョンを待つのもいい考えかもしれない。

画像:Brian Heater

カテゴリー:ハードウェア
タグ:マイクロソフト、Surface

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Surface Duoの外観をチェック、折り畳み式デュアルスクリーンAndroid端末の完成度は?

電源を入れる前のデバイスのハンズオン記事を最後に書いたのはいつのことだっただろうか。魅力的な写真だけに基づいて、実際の製品を触ることなく記事を書くことは、古のガジェットブログ時代の遺物を思わせる。しかし、そんなやり方を強要するデバイスが時として現れる。

Microsoft(マイクロソフト)のSurface Duo(サーフェス・デュオ)のずっと詳しいレビューはいずれたくさん出てくるだろう。私もソフトウェアの利用体験や外出用端末としてこのデバイスと生活することついて、このウェブサイトにたくさん書くつもりだ。しかし、現時点では、読者も私もたくさんの写真と、フォームファクターに関する限られた言葉で手を打つほかはない。

関連記事:マイクロソフトのデュアルスクリーンAndroid端末Surface Duoが9月10日に米国で登場

しかし、実機レビュー以前に愛でるべき製品があるとすれば、間違いなくSurface Duoになるだろう。TechCrunchの同僚編集者が何人も、この新デバイスに色めき立つところをしばらく見てきた。おそらく、初期の折り畳みデバイスが一番近い比較対象だ。少なくとも第一印象では、Duoはそんな初期の折り畳み機器よりもしっかりと作られている。それも当然で、折り畳み式の画面そのものが弱点だった。

マイクロソフトの表示面積拡大のアプローチは、2つの独立した、しかしつながっているスクリーンという方法で実現されている。このアプローチの製品はもちろん初めてではないが、箱から取り出してみて、それは極めて確実なアプローチだと思える。壊れやすくガラスのないディスプレイやディスプレイの下に何かが挟まる心配もない。とはいえやはり欠点は、ディスプレイ間の隙間だ。それについては今後のレビューで詳しく語られるだろう。

箱から出したとき私の目を最も引いたのは、そのコンパクトさだった。ビデオやデモで見たことはあったが、もっと大きいと思っていた。実際はGalaxy Note 20より幅が広いので決して小さいとはいえないが、背の高い人ならズボンのポケットにいれてもさほど問題なさそうだ。

マイクロソフトは、ヒンジ(ちょうつがい)が重要であることを明らかにした。2つのディスプレイ(2つのバッテリーを含む)の接続を維持することと、デバイスをさまざまな角度で固定することの両方の役目を果たしている。ユーザーがどの形態で一番よく使うことになるのかはまだわからないが、これはいくつかの意味で新しいフォームファクターであるので、どんな形態でも使い勝手がよくなければならない。そのために360度の回転はスムーズで、かつ一方の画面を立てた状態でも十分に堅牢である必要がある。

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これまでのところ問題はない。Surface Duoのハードウェアは高級感満点であり、1400ドル(約14万2000円)の値札に見合うものだ。この新製品は9月10日に発売される。もっと深堀りした詳しい製品レビューを近々お送りする予定だ。

画像クレジット:Brian Heater

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PC・タブレットとしてより使いやすく格段の進化を遂げた「Surface Pro 7」

マイクロソフト Surface Pro 7

マイクロソフトの「Surface Pro」シリーズは、フル機能のWindowsが動くタブレット型PCだ。ペン入力に対応しており、オプションのキーボード付きカバー「Surfaceタイプカバー」を装着することでノートPCのように使うことができる。今回は、第10世代CoreプロセッサーやUSB Type-Cコネクタ、Wi-Fi 6などを搭載して順当な進化を遂げた最新モデル「Surface Pro 7」の使用感やパフォーマンスをレビューしていこう。

第10世代Core iプロセッサーを採用して性能を強化

Surface Pro 7は、OSにWindows 10 Home 64bit、ディスプレーに12.3インチのタッチ対応液晶パネルを採用し、5MP(500万画素)のフロントカメラとWindows Hello顔認証対応カメラ、8MPのオートフォーカス機能付き背面カメラを搭載する2-in-1 PCだ。

マイクロソフト Surface Pro 7

マイクロソフトのSurface Pro 7。直販価格は税込み10万9780円から。キーボード付きカバー「Surfaceタイプカバー」とSurfaceペンは別売オプションであることに注意

液晶ディスプレーは2736×1824ピクセル(267ppi)と変則的な解像度となっているものの、縦横比が3:2と一般的なノートPCよりも縦方向に広く、電子ブックや電子コミックスなどを見開きで楽しむのに便利だろう。

Surface Pro 7のサイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い。Surface Pro 7自体の重量はCore i7搭載モデルの場合約790g、別売のSurfaceタイプカバーが約310gとなっており、合計の重量は1kgを超える。

12.3インチのタッチスクリーン(2736×1824ピクセル、267ppi)を搭載。サイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い

12.3インチのタッチスクリーン(2736×1824ピクセル、267ppi)を搭載。サイズは292×201×8.5mmとなっており、フットプリント(占有スペース)はA4サイズ(297×210mm)に近い

マイクロソフト Surface Pro 7

ディスプレー上部のベゼルにはWindows Hello顔認証対応カメラと5MPのフロントカメラが搭載されている(写真左)。本体背面には8MPのオートフォーカス機能付きカメラを搭載する(写真右)

CPUに第10世代Core i搭載、Wi-Fi 6(11ax)をサポート

前モデルとの大きな違いは、CPUに第10世代のインテルCore iプロセッサーを採用し、無線LANがWi-Fi 5(11ac)からWi-Fi 6(11ax)に、外部端子がMini DisplayPortからUSB Type-Cに変更された点。USB Type-Cは外部映像出力やPower Deliveryにも対応しており、外付けディスプレーに画面を表示したり、モバイルバッテリーなどから給電したりすることも可能だ。

マイクロソフト Surface Pro 7

本体天面(写真上)には電源スイッチとボリューム調節、また本体左側面(写真下)には、3.5mmヘッドフォンジャックが搭載されている

マイクロソフト Surface Pro 7

本体右側面(写真上)には、USB Type-C、USB Type-A、Surface Connectポート、microSDXCカードリーダーが搭載されている。USB Type-Cは映像出力やPower Deliveryにも対応している。本体底面(写真下)には、Surfaceタイプカバーポートがある

直販サイトでは以下のような構成から選択でき、最小構成時の税込み価格が10万9780円、また全部盛りで税込み29万5680円となっている。

  • CPU: Core i3-1005G1/Core i5-1035G4/Core i7-1065G7
  • メモリー容量: 4GB/8GB/16GB
  • ストレージ容量: 128/256/512GB SSDおよび1TB SSD
  • ボディカラー: プラチナ/マットブラック
  • 重量: i3/i5の場合775g(ファンレス仕様)、i7の場合790g(ファン搭載)

Core i3とCore i5を選んだ場合はファンレス仕様となり重量は775gに、Core i7を選んだ場合はファン搭載となり重量は790gになる。いずれもバッテリー駆動時間は公称値で最大10.5時間だ。

今回は、CPUがCore i7-1065G7、メモリーが16GB、ストレージが512GB、ボディカラーがマットブラックという構成で、オプションのSurfaceタイプカバーとSurfaceペンも同時に試せた。

ボディはマグネシウム製だけあって上質な手触りで剛性も高い。背面パネルは下半分がキックスタンドとなっており、無段階で自由な角度に調節できる。Surface Proタイプカバー装着時は、キックスタンドをある程度開くことで膝の上でも十分安定して使用することが可能だった。

本体にSurfaceタイプカバーとSurfaceペンを装着した状態。ノートPCスタイルで使用できる

マイクロソフト Surface Pro 7

マグネシウム製ボディは上質で剛性が高く、使っていて安心感がある。背面下部にはキックスタンドが内蔵されており、角度を調節することで自立させられる

Core i7-1065G7は、4コア8スレッドのプロセッサーでIntel Iris Plusグラフィックスを内蔵したもの。統合型グラフィックスとしては、一般的なインテルUHDグラフィックスよりもかなりパフォーマンスが高い。実際、グラフィックス性能をはかるベンチマークでは、インテルUHDグラフィックスの倍近いスコアが出ており、負荷が中程度のPCゲームなら快適にプレイできるという結果だった。

CINEBENCH R20では、マルチコアが1743pts、シングルコアが431ptsという結果に。一般的な薄型ノートPCに搭載されることの多いCore i7-10510Uよりもマルチコアのスコアは1~2割高い

CINEBENCH R20では、マルチコアが1743pts、シングルコアが431ptsという結果に。一般的な薄型ノートPCに搭載されることの多いCore i7-10510Uよりもマルチコアのスコアは1~2割高い

PCの総合力をテストするPCMARK 10では、基本性能を示すEssentials、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivity、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationのいずれもが快適さの目安となる3000を軽く上回る結果に

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グラフィックス性能を測る3DMARKでは、ゲーミングPC向けのDirectX 12ベンチマークテスト「Time Spy」が949、同DirectX 11テストの「Fire Strike」が2812、統合型グラフィックス向けDirectX 12テストの「Night Raid」が9970、ミッドレンジPC向けテストの「Sky Diver」が9163という結果に。UHDグラフィックスの倍以上のパフォーマンスだ

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ドラゴンクエストX ベンチマークソフトはフルHD、標準品質で「すごく快適」という評価

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ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、フルHD、標準品質で「とても快適」という評価

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ストレージの性能をCrystalDiskMarkでチェックしてみたところ、PCIe接続のSSDを採用しているだけあって、シーケンシャルリード(1MiB Q8T1)が2000MB/s超と非常に高速。実際、電源オフの状態からOSが完全に起動するまで10秒とかからないほどで、アプリの起動やスリープ・休止状態からの復帰も高速だった。

SSDは4レーンのPCIe 3.0で接続されているだけあって非常に高速

SSDは4レーンのPCIe 3.0で接続されているだけあって非常に高速

バッテリー駆動時間は公称値で10.5時間となっているが、バッテリーベンチマークソフト「BBench」での計測では9時間23分という結果になった(Surfaceタイプカバーを装着した状態で、電源モードは推奨に、明るさは40%に設定し、BBenchは「60秒間隔でのWeb巡回」と「10秒間隔でのキーストローク」にチェックを入れて満充電状態から電池残量3%で自動休止するまでの時間を計測)。これだけ持てば普段使いには十分すぎるといえるだろう。

付属のACアダプターはコンパクト(写真左)。充電用のUSB Type-Aポートも搭載されている(写真右)

付属のACアダプターはコンパクト(写真左)。充電用のUSB Type-Aポートも搭載されている(写真右)

ペンの描き心地やキーボードの操作感も良好

オプションのSurfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応した本格的なもの。純正アクセサリーということもあってSurface Pro 7との相性は抜群で、視差や遅延もほとんどなく滑らかな描き心地を実現している。

別売オプションのSurfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知に対応。消しゴムとしても機能するヘッドボタンと、サイドボタンが搭載されている

別売オプションのSurfaceペンは、消しゴムとしても機能するヘッドボタンと、サイドボタンが搭載されている

Surfaceペンは本体左側面にマグネットで吸着する。持ち運びには便利だが、右利きだと着脱する際に持ち手を変えることになるのが少しめんどう

Surfaceペンは本体左側面にマグネットで吸着する。持ち運びには便利だが、右利きだと着脱する際に持ち手を変えることになるのが少しめんどう

実際にざっくりとスケッチして確かめてみたが、筆圧の違いによる濃淡の差や、ペンを傾けたときの線幅の広がりなどが自然で、紙に描くような感覚で操作することができた。ペン先の感触もソフトでカチカチせず、スムーズに線を引くことが可能だった。

Surfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知をサポートしており、紙に鉛筆やペンで描くように直感的に扱える

Surfaceペンは傾き検知や4096段階の筆圧検知をサポートしており、紙に鉛筆やペンで描くように直感的に扱える

個人的にはデフォルトのペン先でまったく問題を感じなかったが、別売で3種類のペン先がセットになった「Surfaceペン先」も用意されているので、描き心地にこだわりのある人も安心だ。

Surfaceタイプカバーは一部のキーをのぞき、キーピッチが約19mmあり、キーストロークも十分確保されている。タイプカバー自体が薄いため膝の上などでタイピングすると若干キーボード面のたわみが気になることもあるが、操作に支障をきたすほどではない。打鍵感がよく、長時間のタイピングも快適に行えた。

Surfaceタイプカバー。フルサイズのキーボードとクリックボタン一体型のタッチパッドが搭載されている。パームレストなどは耐水性のあるスウェード調のアルカンターラ素材でできており、肌触りが良く耐久性が高いのが特徴

Surfaceタイプカバー。フルサイズのキーボードとクリックボタン一体型のタッチパッドが搭載されている。パームレストなどは耐水性のあるスウェード調のアルカンターラ素材でできており、肌触りが良く耐久性が高いのが特徴

キーボード部分はバックライトを内蔵しており、暗所でもどのキーかを判別しやすい

キーボード部分はバックライトを内蔵しており、暗所でもどのキーかを判別しやすい

クリックボタン一体型のタッチパッド。細かいカーソル操作もスムーズに行えた

クリックボタン一体型のタッチパッド。細かいカーソル操作もスムーズに行えた

普段使いのタブレットとノートPCを1台にまとめたい人に最適

第10世代Core iプロセッサーやUSB Type-Cポート、Wi-Fi 6を採用し、パフォーマンスと使い勝手がより一層向上したSurface Pro 7。オプションのタイプカバーやペンを一緒に購入すれば、タブレットとしてもノートPCとしても使いやすく、テレワークから趣味のお絵描きまで幅広く活躍してくれるはずだ。

今回はパフォーマンスに優れたCore i7搭載機を試したが、Intel Iris Plusグラフィックスを内蔵しながらファンレスを実現したCore i5搭載機や、普段使いには十分な性能ながら11万円を切る価格を実現した良コスパのCore i3搭載機も魅力的。好みや利用シーンに合わせて、自分に最適な構成を選んでみてほしい。

マイクロソフト Surface Pro 7
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カテゴリー:ハードウェア

タグ:Microsoft Microsoft Surface レビュー

マイクロソフトのデュアルスクリーンAndroid端末Surface Duoが9月10日に米国で登場

Microsoft(マイクロソフト)のXbox以外のハードウェアに、人々が最後に興味を持ったのがいつだったのかを私は思い出すことができない。1年弱前に、新しいデバイスがあふれる中で、Surface Duoは多くの注目を集めた。だが同時に多くの人は、それがコンセプトデバイス以上のものになるのかどうかに疑問を抱いていた。

しかし米国時間8月12日、このデュアルスクリーンデバイスは、現実化への重要な1歩を踏み出した。リリース日と価格が明らかになったのだ。それどころか、Surface Duoの事前予約も同時に開始された。発売予定は9月10日だ。それがいくらになるかは当然気にする人は多いはずだ。

まあ世の中の仕組みから考えれば、おそらくデュアルスクリーンにつけられた1399ドル(約14万9600円)という価格は、それほど無茶なものでもないだろう。確かに、例えば第1世代の折り畳みモバイルデバイスと比べると見劣りはする。おそらく、新しいフォームファクターに何となく興味を持っていた人たちを思いとどまらせるには十分だ。

関連記事:Microsoft just announced a dual-screen Surface phone(未訳記事)

この価格付けの理由の大部分は、Surface Duoがマイクロソフトにとって、この種のプロダクトの第1世代であるからだと思われる。同社によれば、360度回るヒンジや、それぞれの画面の後ろに隠された1対のバッテリーを可能にするケーブルシステムなどを含み、システムをゼロから開発したのだという。

あらかじめお断りしておくが、私はSurface Duoを直接見たわけではない。新型コロナウィルスは私の移動能力を著しく損なっているのだ。とはいえ、今回のハードウェアはとても見栄えがいい。そしてマイクロソフトはダイナミックな2画面体験を確実にするために、Androidの基盤の上で本当にいい仕事を成し遂げている。それでも繰り返しになるが、こうした折り畳みデバイスは、提供される初期のビデオやデモでは極上のものに見えることが多いのが常である。よって私は実物を実際に手にするまでは、本格的な判断は留保しておくことにしたい。

Androidへ追加されたもののほとんどは、マルチタスクなどに重点を置いたものだ。こうしたものの最も目立つ例はおそらくApp Group(アプリグループ)だろう。これを使うことで、基本的にユーザーは、2つのアプリをデスクトップ上の1つのアイコンに結びつけることができる。アイコンをタップすると、2つのアプリが同時に開くので、たとえば片方のディスプレイに本を開き、もう片方にメモ用アプリを開くことができる。あるいは、自虐的な気分になりたいときには、2つのソーシャルメディアアプリを同時に開くこともできる。

Androidはおそらく、マイクロソフトにとって最も自明な選択ではない。これまでも同社は、人間の力がおよぶ限り多くのフォームファクターの上に、Windows 10を搭載しようと多大な時間を費やしてきた。しかしこの決定は、おそらくこの特定のハードウェアのために最適なソフトウェアの選択に本気で取り組む企業にとっての、ある種の成長を示しているものなのだろう。そしてWindows用のモバイルアプリの不足がこの意思決定に結びついたのだ。なにしろSurface Duoはニッチデバイスとして使われ始める可能性が高いのだが、可能性のあるアプリの数を制限することは、その魅力を弱めるだけなのだ。

自分自身が提供する生産性アプリに加えて、同社はすでにKindleアプリ(2画面構成にこれほどふさわしいものもない)のAmazon(アマゾン)を含む、多くの開発者と協力している。はるか昔に放棄されたCourierデバイスによる約束を、やっと実現するときが来たのだ。マイクロソフトによれば、アプリはデュアルスクリーンとは関係なく機能するものの、開発者が独自のフォームファクターに合わせてアプリをさらにカスタマイズするのに、あるAPIが役立つという。

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    提供:Micrisoft
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マイクロソフトが折り畳み式ではなくデュアルスクリーンを採用した理由は、ほとんど素材に由来しているようだ。折り畳み式のディスプレイでは、製品を十分に強いガラスで覆うのがはるかに困難になってしまう、そのことは結局ペン入力の利便性を多少なりとも損なうことになるだろう。おそらく、マイクロソフトのSurfaceペンは、プロダクトにとって重要な役割を果たすことになる。たとえそれが1399ドル(約14万9600円)の価格には含まれていないのだとしても。

もちろん、トレードオフがある。トレードオフから逃れることはできない。それがまさにこの世界の仕組みなのだ友よ。この場合、画面間のギャップが、最大のトレードオフのように思える。確かに、2つのディスプレイの合計は、8.1インチというかなりの大きさになるが、その上でビデオを見るということになると、ギャップとベゼルが本当に邪魔なものになる可能性がある。

私はSurface Duoが、最終的にマイクロソフトと業界全体にとって非常に多くの学びを提供するだろうと思っているが、少なくとも、ここ数年のうちに主要なベンダーから提供されたものの中では、最も興味深いものの1つになるだろう。

画像クレジット:Microsoft

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(翻訳:sako)

Surface Book 3はiPad ProとMacBook Proがライバルの2 in 1 PC

日本マイクロソフトは、モバイルPCのフラッグシップであるSurface Book 3を5月7日に発表、6月5日に販売開始した。2 in 1 PCにはキーボードカバー型、ディスプレイ回転型などがあるが、Surface Bookシリーズは、CPU含むメインボードを内蔵するタブレット部、ディスクリートGPU(dGPU)とセカンドバッテリーを内蔵するキーボード部で構成。3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させられるパフォーマンスを備えている。

Surface Book 3には13.5型と15型が用意されているが、今回はSurface Book 3 13.5インチを試用して、それぞれのスタイルでどのぐらいの処理性能を発揮するのかをチェックしていく。

Surface Book 3 13.5インチの価格は、19万800円~(一般向け)、18万8800円(法人向け)

タブレット部だけでも利用可能だが、当然その場合はdGPUを利用できない

Core i5モデルにはdGPUが搭載されていない点に要注意

Surface Book 3 13.5 インチには下記の4モデルがある。Core i5版のCPUは第10世代(Ice Lake)のCore i5-1035G7(4コア8スレッド、1.20~3.70GHz)、Core i7版のCPUはCore i7-1065G7(4コア8スレッド、1.30~3.90GHz)が採用されている。なお一般向けには、Windows 10 HomeとOffice Home & Business 2019、法人向けはWindows 10 Proがプリインストールされている。

  • Core i5、メモリー8GB、SSD256GB(一般向け19万800円、法人向け18万8800円)
  • Core i7、メモリー16GB、SSD256GB、GeForce GTX 1650(一般向け23万8800円、法人向け23万6800円)
  • Core i7、メモリー32GB、SSD512GB、GeForce GTX 1650(一般向け28万7800円、法人向け28万5800円)
  • Core i7、メモリー32GB、SSD1TB、/GeForce GTX 1650(一般向け31万800円、法人向け30万8800円)

プロセッサー以上の大きな違いがCore 1i5版にdGPUが搭載されていないこと。最新の3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させるためにはdGPUは必須なので、購入を検討するなら特に注意してほしい。

なお15インチモデルも同じくCore i7-1065G7が搭載されているが、dGPUは上位のGeForce GTX 1660Tiが採用されており、また、法人向けにはQuadro RTX 3000搭載モデルも用意されている。13.5インチと15インチモデルでは、画面やボディーの大きさだけでなく、グラフィックス性能も異なる点に留意しておこう。

本体天面。背面には800万画素カメラ、前面には500万画素カメラとWindows Hello対応顔認証カメラが内蔵されている

ボディーはマグネシウム合金製。本体サイズは、Core i5版が幅312×奥行き232×13~厚さ23mm、多さは1534g、Core i7版が幅312×奥行き232×厚さ15~23mm、1642g

キーボードは日本語仕様のみ。キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.5mm前後

本体前面に電源ボタンとボリュームボタンが配置されている

インターフェースは、右側面に3.5mmヘッドフォンジャック×1、USB Type-C 3.1 Gen 2×1(USB Power Delivery revision 3.0対応)、Surface Connectポート×1、左側面にUSB Type-A 3.1 Gen 2×2、フルサイズSDXCメモリーカードリーダー×1を用意

タブレット部の下部にSurface Connectポートがもうひとつ配置されている

利用スタイルでパフォーマンスが大きく変わる

今回3つのベンチマークを実施した。CPUベンチマークのCINEBENCH R20.060のCPUスコアは1655pts、3DゲームベンチマークのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2(標準品質/2560×1440ドット/フルスクリーン)のスコアは3013、ストレージベンチマークのCrystalDiskMark 7.0.0のシーケンシャルリードは2075.96MB/秒、シーケンシャルライトは807.44MB/秒という結果だ。3Dゲームやクリエイティブ系アプリを快適に動作させられるだけのパフォーマンスを備えていると言えよう。

CINEBENCH R20.060のCPUスコアは1655pts

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2(標準品質/2560×1440ドット/フルスクリーン)のスコアは3013

ストレージベンチマークのCrystalDiskMark 7.0.0のシーケンシャルリードは2075.96MB/、シーケンシャルライトは807.44MB/秒

ただし注意点がある。今回、クラムシェルモードとタブレットモードそれぞれで、ACアダプターに接続しているとき、バッテリーで駆動しているときのパフォーマンスを計測してみたが、タブレット部単体ではdGPUを利用できないため、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2のスコアが約25%に相当する743にまで落ち込んだ。その一方で、バッテリー駆動時には極端な違いは見られなかった。Surface Book 3は、dGPUに依存するゲームやアプリはクラムシェルモードで動作させるべきだ。

CINEBENCH R20.060
・クラムシェルモード
電源接続:1655
バッテリー動作:1699

・タブレットモード
電源接続:1269
バッテリー動作:1163

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2
(標準品質/2560×1440/フルスクリーン)
・クラムシェルモード
電源接続:3013
バッテリー動作:3048

・タブレットモード
電源接続:743
バッテリー動作:582
※電源モードはそれぞれ最も高いモードに設定した

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.2を実行中の表面温度は、タブレット部背面が最大48.6度、キーボード部表面が最大43.6度、キーボード部裏面が最大42.5度。ノートPCは一般的にキーボード裏面が最も温度が高くなるが、Surface Book 3はCPUが内蔵されているタブレット部背面が最も高温となっている

iPad ProとMacBook Proの領域をまとめてカバーできる1台

Surface Book 3は、iPad ProとMacBook Proをまとめてライバルに据えた2 in 1 PCだ。もちろんモバイルデータ通信機能、タブレットに特化したアプリの充実度、macOSならではの使い勝手を重視するなら両機種のいずれか、もしくは両方を選ぶべきだ。しかし、両機種の領域を1台でカバーしたいという方には最も理想に近い1台と言える。

Surface Book 3 15インチで実測した色域はsRGBカバー率96.8%。ディスプレイの色域は、残念ながらiPad Pro、MacBook Proに及ばない。クリエイティブ向けにはもっと広い色域を期待したいところだ