Nikola、EVトラック量産に向けた進捗と厳しい損失を報告して激動の2021年を締めくくる

SPAC経由で上場した電気トラックのスタートアップNikola Corp(ニコラコーポレーション)は、過大な約束、納期の遅れ、投資家への虚偽説明での創業者取り調べといった過去を経て、商業活動に近づいている。

米国2月24日に発表された第4四半期決算で、Nikolaは最近のマイルストーンの数々と、さらに重要なことに電動大型トラックの量産を開始する計画を強調した。

投資家にとっては、2020年半ばの最高値以来、株式市場でNikolaの価値の多くが失われたため、この進展は冷ややかな慰めにすぎないかもしれない。それでも、同社CEOのMark Russell(マーク・ラッセル)氏が第4四半期決算のダイジェストで書いているように、この上場企業は「車両を納入し、収益を上げる」ことに向けて非常に熱心に取り組んでいる。

サプライチェーンの制約による遅延と証券規制当局の調査に悩まされてきたNikolaは、3月に電気トラックの量産を開始すると発表した。同社によると、生産準備が完了したバッテリー電気トラック「Tre」300〜500台を2022年第2四半期に顧客に届ける予定だ。

この見通しは、若干の進展を示している。強調しておくが、若干だ。重要なのは、Nikolaが、2件の証券詐欺と1件の通信詐欺で米連邦検事局に起訴され物議を醸した同社の創業者で前CEO兼会長のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)との間にようやく一定の距離を置くことができたことだ。同社は2021年12月、米国証券取引委員会との和解の一環として、1億2500万ドル(約145億円)の罰金を支払うことに同意した。同社は分割で支払っており、ミルトン前会長に弁済を求めると投資家向けのアップデートで述べている。

ロシアのウクライナ侵攻、中国と台湾の緊張、新型コロナウイルス感染症の大流行などを受け、世界中で株式市場が苦戦した日にNikolaは注目すべき決算を発表し、同社の株価は7%超上昇している。

同社のバラ色の見通しは、電気トラックNikola Treのプロトタイプから量産への移行だけではない。2022年中にアリゾナで同社初の水素製造ハブの建設を開始し、カリフォルニアでの2つ以上のディスペンサー・ステーションのパートナーを年内に発表する予定だと明らかにした。

Nikolaはまた、Anheuser-Busch(アンハイザー・ブッシュ)やTotal Transportation Services Inc.(トタル・トランスポーテーション・サービス)といった顧客とのパイロットテスト、Proterra(プロテラ)とのバッテリー契約の確保、トラックの資金調達を支援するCorcentric Fleet Funding Solutions(コーセントリック・フリート・ファンディング・ソリューションズ)との協力など、商業化に向けたより注目すべき進展も報告した。

Nikolaは、3カ月にわたるパイロットプログラムの一環として、カリフォルニアのTTSIに最初のTre BEV(バッテリー式電気自動車)2台を納車したという。これらのトラックは、1日に複数の荷物を運搬し、合計4500マイル(約7240キロメートル)超を走行し、1回の充電で204マイル(約330キロメートル)走行した。これは、TTSIがテストしたどのBEVよりも長い航続距離だと同社は述べている(読者のみなさんへ: あなたが好きな非GAAPベースの結果は何だろう。ソーシャルメディア企業のMAU/DAU比率か、EVに関する走行距離か)。

Nikolaはまた、Anheuser-Buschと燃料電池電気トラックTre FCEVの試験運用を開始した。Nikolaによると、2台のNikola Tre FCEVアルファが、Anheuser-Buschの南カリフォルニアの流通網で3カ月間の日常的な試験運転を行っている。

しかし、上記のポジティブな取り組みには共通点がある。それは、いずれも2021年には利益を生んでいないということだ。そのため、Nikolaの2021年第4四半期および通年の決算は大赤字だ。

決算内容

Nikolaは2021年第4四半期中、あるいは2021年のどの時点でも収益はゼロだった。つまり、売上高ゼロ、営業費は1億6270万ドル(約188億円)で2021年を締めくくった。したがって、同社の通年の営業損失はまさに1億6270万ドルだ。

この結果は、1億4680万ドル(約170億円)とやや控えめだった2020年の営業損失よりも大きく、したがって悪化した。しかし、この指標には約1440万ドル(約16億円)の減損費用が含まれていて、同社の経費増加ペースは営業損失の額面から見えるよりも大きく、経費増加ベースは収益性(またはその欠如)に重大な影響を及ぼしている。

はっきりさせておくと、これはTechCrunchも市場も予想していたことだ。Nikolaは、前述のように成長に向けた加速モードのままだ。つまり、経費は増加し、収益は将来期待されていて、潜在的な利益ははるか未来にあるということだ。これらの損失は2022年に拡大し続けるかもしれないが、最初の生産用トラックの納車が始まり、これは実際の資本、つまり収益が同社に流入し始めることも意味するはずだ。

それでも、同社の決算報告には、2021年第4四半期の損失が予想より少なかったという良いニュースもあった。Nikolaは同四半期にすべてのコストを考慮に入れると(GAAP)1株当たり0.39ドル(約45円)の赤字だったが、調整後の1株当たり純損失はわずか0.23ドル(約26円)で、これは主に株式による報酬費用と規制費用の財務的影響をコスト構成から除外した結果だ。市場は、調整後ベースで1株当たり0.32ドル(約37円)の赤字になると予想していた。これは、同社の商業的な進展と相まって、励みになると解釈されるかもしれない。

良いニュースかどうかは別として、同社は米証券取引委員会との和解に関連する支払いを前倒ししており、収益はゼロで、経費は増加している。トラックを大量に、しかもポジティブなユニットエコノミーで販売できるかどうかは、依然として不透明だ。それでも、投資家は本稿執筆時点でNikolaを30億ドル(約3470億円)と評価している。これは、同社のトラックが今後走り出し、そして走り出したときに利益が発生する、というかなり大きな賭けだ。

画像クレジット:Nikola Corp.

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(文:Kirsten Korosec、Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

EVトラック開発Nikolaが米証券取引委への制裁金支払いに142億円を準備

EVトラック開発のNikola(ニコラ)は、米証券取引委員会(SEC)と、1億2500万ドル(約142億円)の民事制裁金支払いに関して協議中だと第3四半期決算発表で明らかにした。SECは、同社が投資家をミスリードしたかどうかを調査中で、制裁金はその一環だ。

同社は第3四半期決算発表で、支払いは分割して行う予定であり、解決を見越して資金を確保していたと述べた。

2021年10月にSECとの協議が進んだことを踏まえ、同社は「2021年9月30日において発生済みの偶発債務の最善の見積もりとして、1億2500万ドルの損失を計上した」と決算発表で明らかにした。

一方、苦境に立たされている創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は、自身の刑事訴訟の防戦に忙しい。同氏は異なる2件の告発に直面している。1つは証券取引法違反の疑いでSECから、もう1つは証券詐欺2件、通信詐欺1件の刑事訴訟で米連邦検事局からだ。

Nikolaは引き続きミルトン氏の弁護士費用を負担しており、2021年9カ月間で約1260万ドル(約14億円)に上る。同社は同氏に対し「政府および規制当局の調査に関連した費用および損害」の弁済を求めると述べた。9月末時点で、同氏は同社の株式を約16%保有している。

当会計年度は、同社にとって苦難の連続だったと言っても過言ではない。2020年9月にGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)と20億ドル(約2240億円)の戦略的提携を発表したときには、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。提携の内容には、当時スタートアップだったNikolaにGMが11%を出資することと、Nikolaの燃料電池トラックの生産条件が含まれていた(この燃料電池トラックはその後つぶれた)。しかし、そのわずか1カ月後、空売り投資家であるHindenburg Research(ヒンデンブルク・リサーチ)の報告を受け、SECが調査を開始した。その後、GMは契約を解消した

SECに1億2500万ドルを支払う決定は、まず規制当局の承認を得なければならない、とNikolaは投資家に述べた。

画像クレジット:Nikola Motor Company

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動セミトラックメーカーのNikolaがボッシュと水素燃料電池モジュールの製造で提携

苦境に陥っている電動トラック開発会社のNikola Corp.(ニコラ)は、Bosch(ボッシュ)と水素燃料電池モジュールに関する新たな契約を結んだ。このモジュールは、Nikolaが開発した水素を燃料とする2台のセミトラック、短距離用の「Nikola Tre(ニコラ・トレ)と長距離用スリーパー「Nikola Two(ニコラ・トゥー)」の動力源として使用される。

「今回の発表は、ボッシュとの数年にわたる協力関係の結果です」と、NikolaのMark Russell(マーク・ラッセル)CEOは声明の中で述べている。「現存する最良の選択肢を徹底的に分析した結果、ボッシュとこの戦略的な関係を結ぶことができたことを、私たちは誇りに思います」。

このニュースは、これまで必ずしも順調ではなかった両社の関係に明るい兆しをもたらすものだ。2019年にボッシュは、この水素トラックの新興企業に少なくとも1億ドル(約110億円)を投資したが、翌年には保有する株式を減らしている。ボッシュは2020年、Nikolaの欧州事業に燃料電池を供給することも発表している。

Nikolaは、今回の提携の金銭的条件や燃料電池システムの生産規模に関する詳細を明らかにしなかった。Nikolaはアリゾナ州クーリッジにある同社の施設で、ボッシュからライセンスを受けた水素燃料電池のパワーモジュールを組み立てる。ボッシュはNikolaに、燃料電池スタックや電動エアコンプレッサー、コントロールユニットなどのキーコンポーネントと併せて、完全に組み立て済みのパワーモジュールも供給すると、米国時間9月2日に発表された声明で同社は述べている。パワーモジュールの組み立てをサポートするために、Nikolaは2023年までにアリゾナ州の施設を5万平方フィート(約4650平方メートル)拡張し、最大で50人の従業員を新たに雇用すると述べている。また、このトラックメーカーは、フェニックス近郊にある本社のエンジニアリングおよびテスト施設の拡張も計画している。

Nikolaの広報担当者によると、この新しい契約は、燃料電池システムおよびコンポーネントに関する他社との関係に影響を与えるものではないとのこと。その中には、2020年11月に発表したGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)のHydrotec「ハイドロテック」燃料電池システムに関する拘束力のないMOU(了解覚書)も含まれる。

Nikolaは2020年6月、特別買収目的会社であるVectoIQ Acquisition Corp.(ベクトIQ・アクイジション)との合併により上場を果たした。今月初め、同社は投資家に対し、年内に計画している電動セミトラックの生産台数の見通しを、50~100台から25~50台に減らすと発表したが、同社の幹部は、すでに5台のアルファ版と9台のベータ版を含む14台の試作車を製作したと述べている。

一方、Nikolaの元CEOで創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は、証券詐欺と投資家を欺いた罪で裁かれるまで、同氏が所有するユタ州の牧場に居むことを刑事裁判所に約束している。

関連記事:Nikolaが電動セミトラックの納車見通しを下方修正、バラ色とはいえない予測は収益面でも続く
画像クレジット:Nikola Corp.

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Nikolaが電動セミトラックの納車見通しを下方修正、バラ色とはいえない予測は収益面でも続く

SPAC(特別買収目的会社)との合併により上場を果たした電動トラックのスタートアップ企業であるNikola(ニコラ)は、サプライチェーンの制約から多くの遅延が発生している影響で、年内に納車できる車両の台数が半減する見通しであると、米国時間8月3日に警告した。

未だ量産開始前の段階にある同社は、第2四半期の決算発表の中で、年内に50〜100台の生産を計画していた電動セミトラックの生産台数を、25〜50台に引き下げると発表した。バラ色とは言えない予測は、収益面でも続いた。

同社は2021年度の売上高予想を、0ドル〜750万ドル(約8億2000万円)へと引き下げた。これまでは1500万ドル(約16億4000万円)〜3000万ドル(約32億7000万円)と予想していた。

Nikolaの報告によると、第2四半期の純損失は1億4300万ドル(約155億9000万円)と、前年同期の1億1570万ドル(約171億2000万円)の損失から増加したとのこと。調整後1株当たりの純損失は20セント(約22円)で、実際にはアナリストの予想よりも良い結果となった。同社の当四半期末の現金残高は6億3260万ドル(689億8000万円)となっている。

今回の決算発表では、量産前試作車のテストやアリゾナ州に建設している工場の0.5期工事の完了など、電動トラックの量産に向けた進捗状況に焦点が当てられたが、市場の関心は、見通しの下方修正や、創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が証券詐欺で起訴されたことによる影響の方に向けられた。他に同社の最新情報としては、14台の量産前試作車と、5台のアルファ版および9台のベータ版のプロトタイプを製作したことが発表された。

Nikolaの株価は、日中の取引で7.47%下落した。

2020年NikolaののCEO兼会長を辞任したミルトン氏は、米国時間7月29日、連邦大陪審により2件の証券詐欺および1件の通信詐欺の罪で起訴された。検察は訴状の中で、ミルトン氏がソーシャルメディアを利用したり、テレビに頻繁に出演したりして、同社が製品を製造する前に「Nikolaに関する虚偽の誤解を招くような情報」を市場に氾濫させる広報活動を行ったと詳述している。

2020年3月、Nikolaは特別目的買収会社であるVectoIQ Acquisition Corp.(ベクトIQ・アクイジション)との合併により株式公開することを発表した。ミルトン氏は、その年の夏に会社が上場した後、Twitterに頻繁に投稿し、個人投資家に向けて直接的にメッセージを発信していた。そして9月、GMが20億ドル(約2181億円)の出資を発表した数日後に、著名な空売り専門投資会社のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)が、Nikolaに詐欺の疑いがあると告発。米国証券取引委員会はこの件について調査を開始し、2週間後にミルトン氏は会長を辞任した。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Nikola電気自動車決算発表トラック

画像クレジット:Nikola

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

電動トラックメーカーNikolaの創業者ミルトン氏、詐欺容疑で起訴

電動トラックスタートアップNikola(ニコラ)の創業者で前CEO兼会長である、早口の演出巧みなTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が3件の詐欺容疑で起訴された。

マンハッタンの米連邦地検が米国時間7月29日に開示した起訴状によると、ミルトン容疑者は個人的な利益のために「個人投資家を欺くために詐欺計画に携わった」とのことだ。ミルトン容疑者は2件の証券詐欺、1件の通信詐欺で大陪審に起訴された。

地検は訴状の中で、ミルトン容疑者が、車両を生産する前から「Nikolaについて誤ったミスリードする情報をマーケットに広めた」PRにおいて、どのようにソーシャルメディアを活用し、また頻繁にテレビに登場したかについて詳しく述べた。

起訴内容はNikolaと、同社を2015年に創業したミルトン容疑者の大急ぎの滅裂な事業を反映している。ミルトン容疑者は最初のプロトタイプを発表してかなりの注目を集め、Nikolaが「トラック運送のiPhone」を生産すると豪語した。その後、​​Badgerという電動ピックアップトラックを含む他のプロダクトに関する約束、アリゾナ州に工場を建設するという計画が続いた。

2020年3月に同社は特別買収目的会社VectoIQ Acquisition Corpとの合併を通じて上場すると発表した。同年夏に上場後、ミルトン容疑者は頻繁にTwitterに投稿し、個人投資家にメッセージを送っていた。そして同年9月、GMが同社への20億ドル(約2190億円)の投資を発表してから数日後に、空売りで有名なHindenburg ResearchがNikolaを詐欺だと糾弾した。米証券取引委員会が調査を開始し、2週間してミルトン容疑者は会長職を辞任した

Nikolaは7月29日、いまだに大株主であるミルトン容疑者と距離をとっているとの声明を出した。

トレバー・ミルトン氏は2020年9月20日にNikolaを辞め、以来、Nikolaの運営に関与しておらず、連絡も取っておりません。本日の当局の動きはミルトン氏個人に対するものであり、Nikolaに対するものではありません。Nikolaは調査を通じて当局に協力してきました。以前発表した目標とタイムラインに全力を注いでおり、2021年後半に製造施設からNikola Treバッテリー式電動トラックを出荷することにフォーカスしています。

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タグ:Nikola電気自動車トラック裁判詐欺

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Nikolaの会長スティーブ・ガースキー氏が輸送関連への投資を検討

Steve Girsky(スティーブ・ガースキー氏)が自動運転トラックのスタートアップであるTuSimple(ツーシンプル)に投資する交渉を進めていると4人の関係者が明かした。同氏はGMの元副会長であり、現在はコンサルタントで投資家だ。同氏の特別目的買収会社(SPAC)はこの夏、水素燃料電池のスタートアップであるNikola(ニコラ)と合併した。

取引が成立していないため匿名を希望した情報筋によると、ガースキー氏がマネージングパートナーのMary Chan(メアリー・チャン)氏と共同で経営するコンサルティングおよび投資会社であるVectoIQ LLC(ベクトルQ LLC)が出資する。取引は早ければ10月中旬に完了する可能性がある。

TuSimpleとガースキー氏はコメントを控えた。

TuSimpleが資金を求めていることはよく知られている。TechCrunchは6月、TuSimpleが投資家から2億5000万ドル(約270億円)の調達を模索していると報じた。この動きに詳しい複数の情報筋によると、同社は資金調達のため投資銀行であるモルガンスタンレーを雇った。すでにSina、UPS、ティア1サプライヤーのMando Corp.から投資を受けていたが、さらにNavistarと、最近ではTraton Groupとの提携を発表した。

ガースキー氏は最近、Nikola絡みで見出しを飾った。同氏は今やNikolaの会長だ。同社は空売り会社のHindenburg Research(ヒンデンブルク・リサーチ)の痛烈なレポートで詐欺だと非難され、打撃を受けたNikolaの創業者のTrevor Milton(トレヴァー・ミルトン)氏は辞任し、その後ガースキー氏が9月に会長に就任した。2018年にガースキー氏が設立したSPACであるVectoIQ Acquisition Corp.は3月にNikolaとの合併を発表し、同氏が6月に上場を指揮した。取引に詳しい情報筋によると、ガースキー氏は元上司であるGMのCEO兼会長だったMary Barra(メアリー・バーラ)をNikolaに紹介した。9月中旬までにGMはNikolaとの20億ドル(約2100億円)相当の提携を発表した。

ガースキー氏はもうすぐNikolaの新会長に就任する。経営幹部の経験は確かにあるが、近年の活動は、アドバイザー、投資家、仲介役が中心だった。同氏は長い間、モビリティ関連の企業に関心を持っていた。自身の会社であるVectoIQ LLCは、企業への助言や、自動運転車技術、電化、コネクテッド、サイバーセキュリティー、Mobility-as-a-service(サービスとしてのモビリティ)に取り組むスタートアップと大企業を結びつけることを専門としていた。

VectoIQは、LiDAR(ライダー、光を用いたリモートセンシング技術)のスタートアップであるLuminar(ルミナー)に投資した。Luminarは、SPACであるGores Metropoulos Inc.と合併し、合併後の市場評価額34億ドル(約3570億円)で上場すると発表した。ガースキー氏はまた、自動運転車のスタートアップであるDrive.ai(ドライブai)の取締役会にも名を連ねている。Drive.aiは解散を検討していたところをApple(アップル)に買収された

情報筋によると、TuSimpleへのガースキー氏の投資は、クラス8(大型)トラックの生産をまだ開始していないNikolへの関心とは別モノだ。

2015年に発売され、中国、サンディエゴ、アリゾナ州ツーソンで事業を展開するTuSimpleは、クラス8のトラックが人間の運転手なしで動く自動運転車両技術に力を入れている。TuSimpleは米国で40台の自動運転トラックを運行しており、テストのほか、アリゾナ・テキサス間の貨物輸送に使用している。

TuSimpleは、Navistar(ナビスター)と提携し、2024年までに自動セミトラックトレーラーの開発・生産を開始する計画を7月に発表した。Volkswagen AG(フォルクスワーゲンAG)の大型トラック事業であるTraton Group(トラトングループ)は9月、自動運転トラックを開発するためのTuSimpleとの合意の一環としてTuSimpleの少数株主持ち分を取得したと語った。いずれの会社も提携の金銭的条件や少数株主の割合は明らかにしていない。取引に詳しい匿名の情報筋によるとTratonはTuSimpleへ直接投資をしたようだ。現物出資が含まれているかどうかは不明だ。

画像クレジット:TuSimple

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

詐欺疑惑渦中の電気自動車メーカーNikola会長が辞任、株価は暴落

電気貨物自動車のスタートアップ、Nikola Corp.のファウンダーで取締役会長のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が辞任した。これは著名な空売り投資機関が同社に詐欺の疑いがあると発表したことに端を発する一連の動きの中で起きた。ミルトン氏の後任にはすでにNikolaの取締役であるGM(ゼネラルモーターズ)出身のStephen Girsky(スティーヴン・ガースキー)氏が就任している。

Nikolaの株価は市場開始前の取引で30%下落し、現在25ドル前後で取引されている。この数カ月、同社の株価は乱高下を続けており、高値は79ドルにもなっていた。

ミルトン氏はTwitter(ツイッター)で「重要なのは世界を変える可能性のあるこの会社の使命であり、私自身ではない。外野席から私に向けられた非難に対し個人として身を守る」と述べた。

2020年9月に入り、空売り投資家のHindenburg Researchは「Nikolaは投資家を誤らせる情報を発表していた」とするレポートを発表していた。Nikolaはこの主張を否定している。

NikolaはHindenburgのレポートに対して「空売り投資家によるこれらの非難は事実に反しており、誤解を招くものだ。(このレポートは)ニコラの株価を下げることによって空売りによる利益を挙げようとした不当な誘導策である」と反論した。

このレポートは、NikolaがGMと大きな取引を行った直後に発表された。Nikolaの最初の電気トラックのリリースに当たってテクノロジーとマーケティングにおける支援と引き換えにGMに所有権の11%に当たる株式を与えることに合意していた。一般向け、事業者向けともに電気トラック市場は自動車メーカーが激戦を繰り広げるようになっていた。

市場では多数のイノベーションが予測されており、既存の大メーカーは有望なスタートアップと提携することで参入に要する時間の短縮を図っていた。消費者向けトラック市場のリーダーであるフォードはミシガン州のスタートアップであるRivianと契約している。最近、GMがNikolaと提携を発表した際、投資家は賢明な動きとして歓迎していた。しかしHindenburgのレポートの発表後、この契約が賢明であったか疑問が持たれている。GMの電気ピックアップトラックの将来も不透明なままだ。

【Japan編集部追記】ミルトン会長が逮捕されたという情報が流れたが、Yahoo Financeの編集委員であるBrian Sozzi(ブライアン・ソッツィ)氏は「逮捕されていない」とツイートしている。

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電気自動車メーカーNikolaに対する空売りのクレームを米証券取引委員会が調査中
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カテゴリー:モビリティ

タグ:Nikola 電気自動車

画像クレジット:Nikola

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

水素電気自動車スタートアップのNikolaが不正行為の告発について反論するも疑問は深まる

特別目的会社との合併により株式を公開した水素電気自動車のスタートアップであるNikolaは米国時間9月14日、空売り業者のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)が先週発表した、Nikolaの不正行為を告発した報告書についてポイントごとに反論した。

反論は慎重な言葉遣いにもかかわらず、いくつかの反論はより多くの疑問を投げかけ、問題のあるプロモーション戦術を明らかになった。

Nikolaの長々とした否定(Nikolaプレスリリース)は、同社の創業者であるTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が先週行った一連のツイートに続くものである。ミルトン氏はまた、同社がこの件を法律事務所のKirkland & Ellis(カークランド&エリス)に依頼したとも述べている。GM(ゼネラル・モーターズ)がNikolaの11%の株式を取得したと発表した2日後の9月10日に発表されたHindenburgの報告書は、同社の株価を暴落に追い込んだ。ちなみにNikolaの株価は同社の反論後の9月14日の取引で7%上昇している。

Nikolaは9月14日に発表した反論の中で「Hindenburgの報告書はNikolaとGMとの提携発表直後にタイミングを見計らって発表され、結果として株価が上昇したことは投資家に誤った印象を与え、Hindenburg自身を含む空売り業者に利益をもたらすための市場操作を目的としたものであると考えています」と述べている。

否定したり、説明したりしている各ポイントについてNikolaは「空売りによるこれらの主張は虚偽であり、誤解を招くものであり、市場を操作してNikolaの株価の下落から利益を得るように設計されています」という声明も発表した。

Hindenburgの報告書は、Nikolaの長年にわたる主張の正当性と縁故主義についても疑問を提起した。

注目点は2つある。大きいのは、Nikolaの反論がヒンデンブルグの批判を裏付けるかのような内容であることだ。そして、同社初のセミトラックであるNikola Oneについての嫌疑だ。Hindenburgは、このトラックは完全には機能していないと述べているが、これはNikolaがトラックの能力を誇張していると報じた今年の夏のBloombergの記事を裏付ける主張である。Hindenburgはまた、2017年のNikola Oneのプロモーションビデオでは、坂道を転げ落ちる様子が映し出されていたが、「プロトタイプの性能を誤って伝えていた」と報告書の中で述べている。

Nikolaの反論は、これらの主張に説得力を持たせてしまった。同社によると、2016年に公開されたNikola Oneは、自らの推進力で動力を得て駆動するように設計されており、ギアボックスやバッテリーなどの機能部品のリストが含まれているということだった。しかしその後にNikolaは「次世代のトラックにピボットした」と説明し、「Nikola Oneを独自の推進力で駆動させるプロセスを完成させるための追加のリソースは投資しないことを決定した」と述べている。

Nikolaは、2017年のプロモーションビデオを説明するために巧みな表現を使い、「このビデオでは、トラックが自らの推進力で走行しているとは一切言及していないが、このトラックはまさにそのように設計されている」と述べている。

同社によると、このトラックはコマーシャルのために第三者によって展示・撮影されたものだという。Nikolaは声明の中で、この第三者による映像は同社のソーシャルメディア上で「移動中」と表現されていたと述べている。

「独自の推進力で」や「パワートレイン駆動」とは記述されていなかった。Nikolaが株式を公開していたこの時期に投資した投資家は、Nikola Oneの性能を知っていた」とNikolaは述べている。

しかし、上記の発言はミルトン氏の以前の声明に反する。同氏は繰り返し、この車は「pusher」(手押し車)ではない」と述べていた。しかし同氏は、プロトタイプを動かしていた動力が何だったのか、それ以上の説明はしていない。その代わりに同社は、このプロトタイプは完全に破棄されているので完全に無関係であると主張している。

画像クレジット:

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(翻訳:TechCrunch Japan)

電気自動車メーカーNikolaに対する空売りのクレームを米証券取引委員会が調査中

米証券取引委員会(SEC)は「電気自動車メーカーのNikola(ニコラ)が『複雑な詐欺』に関与している」という情報を調査していると報じられている。これは、GM(ゼネラルモーターズ)がNikolaの株式の11%を取得した数日後の先週、一連の問題の発端となった。

Bloombergは米国時間9月14日、空売り業者であるHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)の告発の是非を評価するために、米国の機関がNikolaを調査している(Bloomberg記事)と報じた。ブルームバーグの報道は、無名の情報源に基づくもだが、時間外取引でニコラの株価は9%以上も下落した。

TechCrunchに送られてきたニコラの声明では、SECが実際に調査しているかどうかという質問には答えていない。同社は9月11日、ニコラの顧問弁護士がSECの「Hindenburg報告書に関する懸念事項」について「積極的に連絡し、説明した」と述べている。

「Nikolaはこの問題へのSECの関与を歓迎する」と同社は声明の中で付け加えている。TechCrunchは、SECがこの問題を調査していることを確認するために、SECに連絡を取っている。

HindenburgとNikolaの間で先週始まったこの騒動により、ここ数カ月でNikolaの過去の主張の一部に疑問が噴出している。9月10日に発表されたHindenburgの報告書はNikolaの株を下落させ、同社の創業者は懸念を払拭するためにTwitterで説明した。この報告書は、Nikolaの長年にわたる主張の正当性と縁故主義について疑問を提起した。

Nikolaは9月14日に、Hindenburg 報告書を反証するための丁寧な言葉でポイントごとに反論した(未訳記事)。否定したり、説明したりしている各ポイントについて同社は「空売りによるこれらの主張は虚偽であり、誤解を招くものであり、市場を操作してNikolaの株価の下落から利益を得るように設計されています」という声明も発表した。

Nikolaは9月14日に発表した反論の中で「Hindenburgの報告書はNikolaとGMとの提携発表直後にタイミングを見計らって発表され、結果として株価が上昇したことは投資家に誤った印象を与え、Hindenburg自身を含む空売り業者に利益をもたらすための市場操作を目的としたものであると考えています」と述べている。

Nikolaの長い報告書にもかかわらず、同社の以前のプロモーション戦術、特に最初の水素電気セミトラックのプロトタイプであるNikola Oneをめぐる批判が出ている。

画像クレジット:Nikola Motor

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(翻訳:TechCrunch Japan)

GMが電気トラック開発のNikolaに2120億円出資、生産でも提携

Nikola(ニコラ)とGeneral Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)は米国時間9月8日、戦略的パートナーシップを発表した。提携を通じGMはNikolaの株式11%を取得し、Nikolaのワイルドな燃料電池ピックアップトラックを2022年末までに生産する。

提携のニュースを受けて両社の株価は大きく上昇し、立会取引時間前でNikola株は45%、GM株は11%上昇した。

今回の提携で、GMは注目を集めている自動車スタートアップの1社であるNikolaに20億ドル(約2120億円)を出資する。また、株式の取得とともにNikolaの取締役会に1席を確保する。

GMのCEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は、今回の提携は同社のバッテリーと燃料電池システムを展開する別の方策であるとの考えを示した。

「当社は複数の大型EV部門で存在感を高めており、その一方でバッテリーと燃料電池のコストを下げて収益性を向上させる方策も構築している」とバーラ氏は述べた。「加えて、当社の電動化テクノロジーソリューションを大型の商業車両に適用することはゼロエミッションを目指す当社のビジョン達成において重要なステップとなる」。

今回の提携では、GMはNikolaが今後展開するクラス7・8(中型・大型)トラック向けに燃料電池を提供する唯一のサプライヤーとなる。

Nikolaにとっては生産を控えた中での、強力なパートナー獲得となる。GMは電動の燃料電池搭載ピックアップトラック「Nikola Badger」を設計、確認、承認する。同社はまたピックアップトラックの生産も担う。

Nikolaの創業者でCEOのTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏は声明で次のように述べた。「両社が手を携えることで、我々はGMの有効性が確立されたパーツ、Ultiumバッテリーテクノロジー、生産準備の整った数十億ドル(数千億円)規模の燃料電池プログラムにアクセスできる。Nikolaはサプライヤーと製造の何十年にもわたる知識、承認・テスト済みで生産準備が整っているEVプロポジション、世界クラスのエンジニアリング、そして投資家の信頼をすぐに手に入れることができる。そして最も重要なのは、General MotorsはNikolaの成功に常に関心を持っていることだ。当社は株主に3つの約束をしたが、このうちの2つを予定前倒しで果たした。素晴らしい発表だ」。

今回の提携でNikolaは生産業務を世界最大の車メーカーの1つに任せることになり、これにより発売を早めることができる。ひいては、Nikolaの投資家により早くリスクを抑えつつ利益を還元することになる。GMにとっては、少なくとも名目上は勢いのある大きな資産を手にすることになる。

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画像クレジット:Nikola Motor

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(翻訳:Mizoguchi