SpaceXとノースロップ・グラマンが2026年までISSへの商業補給サービスを行うことに

NASAがSpaceX(スペースX)に新たな注文を出した。

同局は米国時間3月23日、商業補給サービス2(CRS-2)契約に基づく補給ミッション6件を、SpaceXに追加発注したと発表した。

NASAは、ISS(国際宇宙ステーション)への補給サービスを請け負うもう1つの主要プロバイダーで、航空宇宙産業の主要企業であるNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)にも、さらに6つのミッションを発注している。

NASAは2016年、SpaceXとノースロップの両社に、2024年までの商業補給契約を付与した。3番目に選ばれたサプライヤーはSierra Nevada Corporation(シエラ・ネヴァダ・コーポレーション)だ。CRS-2では、各サプライヤーに最低6回のミッションを保証し、さらにNASAが必要に応じて追加ミッションを発注するオプションが設けられている。3社が獲得した契約の潜在的最大値はそれぞれ140億ドル(約1兆7000億円)だが、NASAが支払う最終的な金額は発注数によって異なると、同局は述べていた。

今回の受注によって、CRS-2のミッションは、ノースロップが14ミッション、SpaceXが15ミッション、シエラ・ネヴァダが3ミッションとなり、合計32ミッションとなった。

現在までに、SpaceXはこのようなフライトにかなり慣れている。同社は以前のCRS契約であるCRS-1で、20の補給ミッションを完了させた。NASAの監察官によると、これらのミッションのためにSpaceXに支払われた総額は30億4000万ドル(約3700億円)で、1ミッションあたり約1億5200万ドル(約185億円)になるという。

SpaceXは、同社の「Dragon(ドラゴン)」宇宙貨物船と「Falcon 9(ファルコン9)」ロケットを使ってISSに物資を届けており、2012年にISSへの最初の補給ミッションを実施して以来、これを続けている。地球を出発した後、Dragon貨物船はISSとランデブーし、自律的にステーションにドッキングする。

SpaceXは、貨物船のDragonをベースにした有人宇宙船「Crew Dragon(クルー・ドラゴン)」を使って、ISSへの商業乗員輸送サービスも提供している。

画像クレジット:SpaceX

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

宇宙ステーションの運用ギャップ回避のためにNASAがBlue Origin、Nanoracks、Northrop Grummanと450億円以上の契約を締結

NASAは、2030年までに国際宇宙ステーション(ISS)を商用ステーションに置き換える予定であることを公式に(かつ静かに)認めてからわずか2日後に、今度は民間ステーションの計画のさらなる推進のために、3社と4億ドル(約450億円)以上の契約を結んだ。

NASAと商用低軌道(LEO)目的地プログラムの下で契約を結んだ3社は以下のとおりだ。

  • Nanoracks(ナノラックス)、1億6000万ドル(約180億5000万円)
  • Blue Origin(ブルーオリジン)、1億3000万ドル(約146億7000万円)
  • Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、1億2560万ドル(約141億7000万円)

NASA商用宇宙飛行のディレクターであるPhil McAlister(フィル・マカリスター)氏は米国時間12月2日に、NASAは合計11件の提案書を受けとったと語った。彼は、選択された3つの提案には、多様な技術的概念と、ロジスティックならびに打ち上げロケットのオプションが提供されていると付け加えた。「この多様性は、NASAの戦略の成功の可能性を高めるだけでなく、高度なイノベーションにもつながります。それは、宇宙に対するほとんどの商用の取り組みの中で重要なのです」と彼はいう。

3社はすでに、提案に関わるいくつかの詳細を発表している。Blue Originは、そのステーションコンセプトを「Orbital Reef(オービタル・リーフ)」と呼び、Boeing(ボーイング)やSierra Space(シエラ・スペース)、その他と共同で設計している。チームは、2027年にステーションを打ち上げたいと述べている。一方Nanoracksは、親会社のVoyager Space(ボイジャースペース)ならびに航空宇宙業界の雄Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)と共同で開発中のステーションを「Starlab(スターラボ)」と呼んでいる。Northropはステーションの提案に派手な名前を付けていなかったが、Dynetics(ダイネティクス)と協力して、Cygnus(シグナス)宇宙船をベースにしたモジュラー設計を提供しようとしている。

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NASAがISSの廃止と新しいステーションの導入の間にギャップがないようにしようとしている中で、今回の重要な契約は2フェーズプロセスの最初のフェーズに相当する。NASAは、議会ならびに最近の監察総監室の報告書の両方で、LEOにおける経済的繁栄の全体的な成功は、このギャップを回避することにかかっていると繰り返し強調してきた。

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画像クレジット:Blue Origin

NASAは報告書の中で「ISSが廃止された後に、低軌道(LEO)に居住可能な商用目的地がない場合、NASAは、月と火星への長期にわたる人間の探査ミッションに必要な、微小重力健康研究と技術実証を実施できなくなり、それらのミッションのリスクが高まったり遅延したりするだろう」と述べている。

この潜在的なシナリオを回避するために、NASAは、1つ以上の商用LEO「目的地」(ステーションと呼ばれることもある)を2028年までに運用可能にすることを提案した。これによって2030年に引退する予定のISSと2年間の並行運用期間が生じる。その報告書はそのタイムラインを達成できる可能性についての疑問は投げかけているものの、今回の3社とNASAの幹部はそれぞれ、ステーションの運用ギャップを回避できることに自信を持っていた。

「商用貨物便が打ち上げられてから10年経った今でも、人びとは商用航路の堅牢性とアイデアと柔軟性に疑問を抱いています」とNanoracks CEOのJeffrey Manber(ジェフリー・マンバー)氏は述べている。「確かに、今後の課題は残っています、【略】しかし私たちには堅牢性があり、一緒に取り組んでいるプロバイダーが多数います。これは、リスクの軽減を進め、商用航路に複数のプロバイダーを配置するためのまさに正しい方法なのです」。

この最初の一連の契約は、2025年まで続くと予想される設計や作業を各企業が遂行するのに役立つだろう。

NASAは、2026年の開始を目標とするプログラムの第2フェーズでは、このグループの企業または他の参加企業から人間が使用するステーションを1つ以上認定し、最終的には軌道上サービスを購入しステーションを利用する多くの顧客の1つになる予定だ。NASAは声明の中で、これにより、人間を再び月に送り、最終的には有人宇宙飛行を火星に送り込むことを目的とするArtemis(アルテミス)計画に集中できるようになると述べている。

今回のフェーズにいないことで目立っているのはAxiom Space(アキソム・スペース)だ、同社はISSに取り付けるためのモジュール(自社のステーションとして自己軌道を回り分離する)を打ち上げるための別契約を獲得しているが、今回のプログラムには参加しなかったことを明かしている。

もちろん、大きな問題は、これらのステーションの最終コストがどれだけになるか、そしてNASAが最終的に全体のコストのどれ位を支払うかということだ。マカリスター氏は、NASAが「入札の方々がこれらの活動への財政的貢献を最大化することを奨励しています」と述べ、現在NASA以外の投資が約60%を占め、NASAの貢献は40%未満であると述べた。しかし、3社とNASAは、ステーションの設計、立ち上げ、運用にどれだけの資本の投下が必要なのかと予想しているのかという点はあまり語ろうとしなかった。

画像クレジット:Nanoracks

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(文: Aria Alamalhodaei、翻訳:sako)

月面で宇宙飛行士が乗る車両の設計チームをノースロップ・グラマンがリード

航空宇宙最大手企業のNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)は、AVL、Intuitive Machines(インテュイティブ・マシンズ)、Lunar Outpost(ルナ・アウトポスト)、Michelin(ミシュラン)を含むチームを率いて、Artemis(アルテミス)計画の宇宙飛行士が月面で移動するための車両を設計する。このLunar Terrain Vehicle(月面地形車、LTV)は、まだ人類が一度も訪れたことのない月の南極地域における探査の重要な鍵となる。

ノースロップは、各システムの統合と宇宙機の設計を担当する。チームの他の企業は、LTVの設計に重要な幅広い能力を持っており、それぞれの得意分野に注力する。AVLは自動車のパワートレインや先進運転支援・自動運転システムの開発・試験を行っており、Intuitive Machinesは自社の「Nova-D(ノヴァD)」宇宙船でペイロード輸送の経験がある。Lunar Outpostは地球外の地表を走る無人探査機の開発に取り組んでいる。フランスの多国籍企業であるミシュランは過去に月面探査車のタイヤをNASAと共同開発した実績がある。

チームはほぼ間違いなく、近々NASAから通達される提案要求の一部として、NASAに設計を提出することになるだろう。これはNASAがHuman Landing System(有人着陸システム)契約の下で、月着陸機の開発をてがける企業を選定した際に用いたプロセスと同様だ。NASAはまだLTVの提案依頼書を発表していないが、ノースロップ・グラマンでは来年初めになるのではないかと予想していると、広報担当者はTechCrunchに語った。

しかし、契約募集がまだ発表されていないにもかかわらず、同宇宙機関はすでに車両の開発に影響を与える要求を開示し始めている。NASAは、このプロジェクトに関連する文書の中で、落札者に求めるものとして、月面で最大20kmの距離を充電なしで移動できること、長い月の夜に耐えられる可能性があること、最低でも800kgの輸送能力があること、などの詳細を示している。

NASAの発表によると、この月面車の打ち上げは2027年頃の打ち上げを想定しているとのこと。つまりこれは、アルテミス計画が始動してから月に送られることを示唆している。NASAの代表者は先日、人類を数十年ぶりに月に送ることを目的とした同プログラムの最初の有人ミッションが、2025年に延期されることを認めた

画像クレジット:Northrop Grumman

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NASAがアルテミス計画の月着陸機コンセプト開発でSpaceXやBlue Originなど5社と契約

NASAは、Artemis(アルテミス)計画の一環として、着陸機のコンセプトを開発する総額1億4600万ドル(約160億円)の契約を、SpaceX(スペースX)、Blue Origin(ブルーオリジン)、(ダイネティックス)を含む5社と締結した。

その内訳は、Blue Originに2650万ドル(約29億円)、Dyneticsに4080万ドル(44億6000万円)、Lockheed Martin(ロッキード・マーチン)に3520万ドル(約38億5000万円)、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)に3480万ドル(約38億円)、SpaceXに940万ドル(約10億3000万円)となっている。提案書を提出したBlue Ridge Nebula Starlines(ブルー・リッジ・ネビュラ・スターライン)とCook & Chevalier Enterprises(クック・アンド・シュヴァリエ・エンタープライゼス)の2社のみが契約を獲得できなかった。

契約は、NextSTEP-2(Next Space Technologies for Exploration Partnerships、次世代宇宙探査技術パートナーシップ)のAppendix N(Sustainable Human Landing System Studies and Risk Reduction、持続可能な有人着陸システムの研究とリスク低減)に基づいて締結されたものだ。2021年7月初旬に発表された募集要項によると、この契約の目的は「コンセプトの研究、持続可能な有人着陸システムの運用コンセプト(地上および飛行)の開発、およびリスク低減活動のために、潜在的な商業パートナーと協働する」となっている。

これは実際には、選定された企業が着陸機の設計コンセプトを開発し、部品の試験を行い、性能や安全性などを評価することを意味する。

この契約は、2021年4月にNASAがSpaceXのみに与えた有人着陸システムの契約とは別のものだ。そちらの契約については、Blue OriginとDyneticsの両社が政府の監視機関に異議を唱え、後にBlue OriginはNASAを相手取った訴訟で反論しており、それは現在も継続中だ。

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しかし、今回の選定結果は、今後10年間の着陸機開発契約に影響を与えることになるだろう。NASAは声明で「これらの企業が行う仕事は、将来的にNASAが求める月周回軌道から月面までの定期的な宇宙飛行士の移動手段を提供するための戦略と要件の形成に、最終的に役立つことになるでしょう」と述べている。

Blue Originの提案は、Lockheed MartinとNorthrop Grumman、そしてDraper(ドレイパー)を含む、Blue Originが「ナショナルチーム」と呼ぶグループからのものだ(Lockheed社とNorthrop社は、Appendix Nの下で個別にも契約を獲得している)。

「この契約において、我らがナショナルチームは将来の持続可能な着陸機のコンセプトに貢献する重要な研究とリスク低減活動を行います」と、Blue Originの広報担当者はTechCrunchに説明している。「また、私たちはこの取り組みにおいて、他の複数の企業や全国のNASAフィールドセンターと密接に連携していきます」。

2020年に承認されたアルテミス計画は、アポロの時代以来となる人類の月面再訪だけでなく、2020年代後半までにそのような旅を定期的に行えるようにするという多くの目的がある。さらにNASAは、月に留まらず、火星にも人類を送り込む惑星間探査にまで拡げることを目指している。

「NASAの重要なパートナーとして、また商業的パートナーシップがいかに効果的に機能するかを示す好例として、Northrop Grummanは有人宇宙探査における実績を築き上げていきます」と、Northrop Grummanの民間商業衛星担当VPを務めるSteve Krein(スティーブ・クライン)氏は声明の中で述べている。「当社は、月への再訪と火星に人類を送るというNASAの野心的な目標を達成するために、Blue Originとナショナルチームとのパートナーシップを継続していきます」。

画像クレジット:Getty/Walter Myers/Stocktrek Images / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

軌道上の燃料補給サービスを目指すOrbit Fabの資金調達に航空宇宙分野大手ノースロップとロッキード参加

サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業のOrbit Fab(オービット・ファブ)は、軌道上における燃料補給サービスの第1人者になることを目指しており、その実現に向けて1000万ドル(約11億円)以上の資金を調達した。この資金は、早ければ2022年末に開始を予定している燃料補給実験に使われる。同社はこの実験で、2機の燃料補給シャトルを宇宙に送り、ドッキング、燃料の移送、ドッキング解除の3つのステップを繰り返し行う予定だ。

今回の投資ラウンドは、Asymmetry Ventures(アシンメトリー・ベンチャーズ)が主導し、既存投資家のSpaceFund(スペースファンド)と、新たな投資家として丸紅ベンチャーズおよびAudacious Venture Partners(オーデイシャス・ベンチャー・パートナーズ)が参加した。中でも注目すべきは、Northrop Grumman Corporation(ノースロップ・グラマン・コーポレーション)とLockheed Martin Ventures(ロッキード・マーチン・ベンチャーズ)の両社も出資に参加したことである。請負業者として競合する2社が一緒に投資を行うのは初めてのことだと、Orbit Fabの共同設立者であるJeremy Schiel(ジェレミー・シエル)氏はTechCrunchに語った。

「私たちはすべての船を引き上げる潮目のようなものです」と、シエル氏はいう。「どちらかの企業に競争力を与えるのではなく、宇宙における持続可能性のために、全体としてより良い選択肢を採ることができるのです」。

同氏のいう「2つの大手企業を仲良くさせること」は、宇宙空間での燃料補給という事業を有利に進めたい同社にとって、重要な鍵となる。2019年のTechCrunch Disrupt Battlefield(テッククランチ・ディスラプト・バトルフィールド)で最終選考に残ったOrbit Fabは、RAFTI(Rapid Attachable Fluid Transfer Interface、高速取付可能流体移送インターフェース)と呼ばれる給油バルブを開発しているが、この部品は宇宙機が地球を離れる前に設置する必要がある。つまり航空宇宙関連業者など大手顧客から、購買契約は衛星が軌道に乗る前に獲得しなけれはならないのだ。

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RAFTIを搭載した宇宙機は、地球低軌道や静止軌道、そして最終的にはシスルナ空間(地球と月の間)に配置されたOrbit Fabの燃料補給シャトルとドッキングできるようになる。2025年までには、すべての宇宙機にRAFTIが搭載されるようになることを期待していると、シエル氏は語っている。さらに長期的には、小惑星から採掘した材料を使って宇宙空間で燃料を製造するという、より大きな目標を同社は掲げている。

「私たちは宇宙のDow Chemical(ダウ・ケミカル)になりたいのです」と、シエル氏はいう。「月面採掘業者や小惑星採掘業者の最初の顧客となって、彼らが採掘した材料を買い取り、それを使って実用的な推進剤を軌道上で製造できるようにしたいと考えています」。

Orbit Fabによると、軌道上での燃料補給は急成長する新しい宇宙経済の基盤となるもので、物品や宇宙機をある軌道から別の軌道に移動させる必要が生じたり(これには非常に多くの燃料が必要だ)、資源を地球に戻すためのサプライチェーンを構築する際に不可欠となる。

「私たちは、宇宙で製造する推進剤のサプライチェーンになりたいのです」と、シエル氏は付け加えた。

画像クレジット:NicoElNino / Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ノースロップ・グラマンが軌道上の古い衛星の再生に成功、衛星の寿命を5年延ばす

宇宙防衛産業大手のNorthrop Grumman(ノースロップ・グラマン)が新しい衛星テクノロジーを開発した。同社のミッション延長のための衛星、MEV-2をインテルサットのIS-10-02衛星にドッキングさせ、同衛星の寿命を5年延長することに成功した。これによりオービタルサービスと呼ばれる衛星サービス業務がビジネスとして極めて大きな可能性を持つことを証明した。

2020年8月に打ち上げられたMEV-2はインテルサットの通信衛星の軌道に同期した。インテルサット衛星は打ち上げ後18年で当初の運用予定期間をすでに5年も超過しており、まもなく退役が予定されていた。しかしOSAM(軌道上サービス・組立・製造)ビジネスが指すのは、まさにこのような状況で衛星を再生することだった。成功すれば運用者には数百万ドル(数億円)の効果がある。

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米国時間4月13日の軌道上作業でMEV-2衛星はIS-10-02に慎重に接近、ドッキングに成功した。MEV-2はそれ自身が燃料をフルに搭載した新しいエンジンとなり、インテルサット衛星の寿命を5年間延長した。ノースロップ・グラマンの広報担当者は「MEV-2は、10-02衛星の新しい動力原と考えてください」と語った。同社のプレスリリースによればドッキングの仕組みは次のようなものだ。

MEV-2のドッキングシステムはインテルサット衛星の後端にある位置制御用液体アポジモーターの噴射ノゾルに挿入するプローブを備えています。軌道上にある衛星の8割近くがこうしたノズルを備えているのでMEVは多様な衛星にサービスを提供することができます。液体アポジモーターの噴射ノズルはドッキングシステムのプローブを捕獲するための誘導コーンの役割を果たします。ドッキングプローブはモーター内部に入ったところで拡張されてカスタマー衛星を捕獲します。続いてプローブは3本の支柱を備えたドッキングリングによって両衛星を確実に結合します。

MEV-2に先行するMEV-1は2020年インテルサットのIS-901衛星とドッキングし軌道変更に成功している。

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しかし、その場合、衛星は活動を停止しており、復帰に適した軌道に軌道に入っていなかった。そのためMEV-1には、ミッションの最初の部分でのアプローチに少しだけ余裕があった。

MEV-2の場合、IS-10-02衛星は通常の軌道上で運用されていたため、サービスを提供する宇宙船は対象となる衛星の運用を妨げないようにアプローチを調整する必要があった。もちろん、稼働中の衛星にサービスを提供できるようになることは、死んだ衛星にしか対応できない状況から大きなステップアップになる。

そして当然のことながら、目標は、数年も衛星にしがみつくことなく別の衛星をドッキングして燃料を補給できる宇宙船を作ること、そして故障した部品を修理して、99%機能する衛星を燃え尽きることなく軌道上に留めておくことだ。Orbit Fabのような新興企業は、これを実現するために必要な部品やポートの製造と標準化を目指しており、Northrop Grummanは2024年に打ち上げ予定の次のトリックでロボットによるサービスミッションを計画している。

カテゴリー:宇宙
タグ:Northrop Grumman人工衛星

画像クレジット:Northrop Grumman

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(文:Devin Coldewey、翻訳:滑川海彦@Facebook