プライベートなソーシャルネットワークを提供するPath、ついにサービス停止

ふたたび、ソーシャルメディア・プラットフォームにさよならを言う日がやってきた。

今年初めにはKloutがサービスを停止したが、この度はPathが舞台を去ることが明らかとなった。かつてはFacebookのライバルとなるかという話もあったが、ついに閉鎖をアナウンスすることとなった(まだあったのかと驚いた人もいるかもしれない)。

8年間にわたってサービスを提供してきたPathだが、10月18日をもってサービス停止となるとのこと。App StoreおよびGoogle Playからは10月1日をもって削除されるようだ。利用している人は、10月18日までデータのダウンロードができるようになっている(ダウンロードはこちらから)。

Pathを開発したのは、Facebookでプロダクトマネージャーを務めたこともあるDave Morinと、Napster出身のDustin MierauおよびShawn Fanningだ。2010年にモバイル向けソーシャル・ネットワークサービスとして登場した。サービスはビジュアルと本当に親しい人とのつながりを重視して、50人までしか友達登録ができないという仕様になっていた。よりプライベートなつながりを求める人に向けたサービスを実現しようとしていたのだ。ただし、友人数の制限は後に緩められ、さらに撤廃されることにもなった。

ピーク時には1500万のユーザーを抱え、5億ドルの評価にもとずく資金調達などにも成功していた。誕生1ヵ月の頃には、Googleが1億ドルでの買収を狙ったほどだった。最終的にPathはシリコンバレーの大物であるIndex、Kleiner Perking、およびRedpointなどから5500万ドルの資金を集めていた。

FacebookはPathをノックアウトしたが、Pathから頂戴したアイデアもある。

ソーシャルメディアは、15億人のアクティブユーザーを抱えるFacebookの独壇場となっている。優れていると思えば、ライバルであったPathからアイデアを借用することも厭わず、今日の繁栄につなげてきている。

Pathのサービスは打開策を見つけられず、スタッフを失い、そして利用者および収益源(ないしはユーザーデータ)を失っていった。商業施設と利用者をつなぐサービス(Path Talk)に活路を見出そうとしたこともあったが、これもうまくいかなかった。結局はPathおよびPath Talkのサービスは、2015年に価格非公開で韓国のメッセージングおよび接続サービス大手であるKakaoに売却されることとなった。世界第4位の人口を抱え、Pathが400万人の利用者を獲得していたインドネシアでのサービス拡大を狙ってのことだった。ちなみにKakao自体は、東南アジア最大のインターネット関連ビジネスマーケットとなっているインドネシアで、大きな存在感を示すことに成功している。

そのような中でもPathの活路は見出すことができず、結局はPathおよびPath Talkはサービス停止を迎えることとなった。

「多くの方に愛していただいたPathのサービスを停止するのは残念なことです。Pathは2010年に、熱意あるそして優秀なデザイナーやエンジニアが作り上げたサービスです。ここしばらくの間は、なんとかサービスを継続する道を探っていました。テクノロジーおよびデザインの力で人々を幸せにし、有意義なコミュニケーションの場を提供するというミッションをなんとか果たし続けたいと考えていたのです」と、サービス停止のアナウンスには記されている。

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(翻訳:Maeda, H

親しい友だちとのみ写真を共有する、小さなSNSを目指すCamarilla

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Pathをご記憶だろうか。

アーリーアダプターたちをターゲットにして展開したサービスだったが、その方針が間違っていたのかもしれない。「親しい友だちオンリー」のソーシャル・ネットワークには、確かに存在価値があるように思うのだ。

そう考えて、新たにPath風サービスに乗り出したのがCamarillaだ。

Camarillaは、投稿した写真を1度に15人までとしか共有できないサービスだ。さらに、投稿が公開されて友だちがそこにアクセスするのではなく、ダイレクトメッセージのように受信者たちに送られるような仕組みとなっている。これにより、投稿した写真についての感想なども、コメントとして公に投稿するのではなく、プライベートに行うようになっているのだ。

Pathのように50人(最終的には150人になった)を友だちとして迎え入れるのではなく、Camarillaはネットワークを可能な限り小さなものにしておこうと考えているようだ。想定利用者は若い子持ち世代だ。この世代は大規模なソーシャル・ネットワークよりも、プライバシーを重視する傾向があるとの分析に基づいている。

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アプリケーション自体も小さなネットワークを意識して、招待制で利用できるようになっている。ユーザー毎に15名までの友だちを招待することができる。ベータ版は130ヵ国以上で利用されているのだとのこと。ただし、アクティブユーザーの数などについての詳細は明かしてもらえなかった。

最近になってCamarillaは、Amerborghより337万ドルの資金を調達している。投資家たちは、マネタイズを考えるまえに、まずはネットワークの拡大をはかりたい考えてあるそうだ。

Camarillaのアプリケーションは、iOS版およびAndroid版がある。

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(翻訳:Maeda, H

Facebook、テスト中のiPhoneアプリでPathのフライアウトボタンを真似

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Facebookの前に抵抗は無力だ。もしあなたのアイデアが彼らの14.4億ユーザーに役立つなら、少人数向けにあなたが先に作ったことなど気にかけない。それがTwitterのフォローボタン認証アカウントであれ、Snapchatの消滅する写真や写真への書き込みであれ、Facebookはすぐにライバルから吸収する。

それを偶然と呼ぶか、インスピレーションと呼ぶか、それともコピーと呼ぶか。時としてソーシャルアプリの作り方には絶対的に「正しい方法」が存在する、たとえ以前誰がやった方法でも。

Path Flyout Button Open Sourced

彼らがデザインを盗むお気に入りアプリの一つがPathだ。あるFacebook社員は、ステージ上で「FacebookはPathをコピーしようとしている」とまで言った。

Path Flyout

多くの機能がLineとWeChatといったアジアのメッセージングアプリによって海外で考案されたが、Pathがアメリカで作った機能のいくつかは直ちにFacebookで使われた。例えば、「OK」とタイプする代わりに、無言で返信ボタンを押すと肯定を意味するチェックマークが送られる。Facebookは、Messengerのサムアップボタンで同じことをした。

そして昨年Pathは、企業に電話の代わりにインスタントメッセージを送れるようにした。数ヵ月前、Facebookは同じような “Business On Messenger” 機能を発表した。

今Facebookは、多くをPathから借りている超人気のiPhone版Facebookアプリのデザイン改訂をテストしている。新画面では画面下中央のMessengerボタンが “Post” ボタンに置き換わっている。タップすると「写真を撮る」「チェックイン」「写真をシェア」「投稿する」の小さなアイコンがPostボタンから飛び出す(フライアウト)。こうすることで、カテゴリーごとのボタンで画面を埋めることなく投稿の種類を選べる。

Facebook iOS Flyout Buttons

The new Facebook For iPhone design being tested

デザイン変更のテストを見つけたのはRobert Scobleで、Facebookはデザインをテスト中であることを広報を通じて認め、「われわれは常にFacebook体験を向上する方法を探索しており、現在はナビゲーションの小さな改訂をテストしている」と私に話した。対象はごく少数のユーザーであり、全員に公開されることはないかもしれないが、Facebookのモバイルに対する意向を伝えるものではある。

この「フライアウトメニュー」は、Pathが2011年にスタートした際、最も称賛されたデザイン技法の一つだった。iOSデザイナーのDaniel Davisが考案したこのデザインは人気を呼び、自らの海賊版をオープンソース化したデザイナーもいた。

Facebook Mobile Design

Facebook’s existing iPhone design

Facebookでは、フライアウトメニューによって人々がシェアするコンテンツの幅が広がるかもしれない。アプリで撮った写真もその一つだ。フライアウト画面には十分なスペースがあるので、新たなシェアカテゴリーを加えることもできるだろう。画面トップの「近況」「写真」「チェックイン」のボタンをなくせば、Facebookはもっと直接的に行動を呼びかける「今どんな気持ち?」と書くこともできる。

ナビゲーションデザインのテストでは、FacebookのMessengerアプリへのショートカットが左上に置かれており、アプリ内のボタンで迷うことを妨げるかもしれない。

Facebookの使命とビジネスモデルのすべては、ユーザーの自発的なコンテンツ提供に依存している。しかしSnapchat等のコンテンツ作成アプリの台頭によって、Facebookはコンテンツが他のソーシャルネットワークに逃げる事態に遭遇するかもしれない。実際私も、FacebookよりもSnapchatストーリーへの投稿が増えている。

モバイルアプリのデザイン改訂によってFacebookは、今でもここが友達みんなとシェアする場所であることをユーザーに思い出させることができるかもしれない。

[画像提供:Ruben L. Oppenheimer via CourrierInternational]

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook疲れの人も本音が書ける、テキスト限定投稿サイト「LifeCLIPS」

上司や取引先とつながりすぎたせいでFacebookにプライベートなことが書きにくい。かといって、Twitterの140文字じゃ足りないし、ブログを開設するのも面倒くさい。そんな人のために作られた「LifeCLIPS」は、ブログでもSNSでもない、文章コンテンツに特化したプラットフォームだ。投稿できるのはテキスト限定、基本機能は「足あと」と「フォロー」のみと超シンプルだ。

「CLIP」と呼ばれる記事の作成画面は、真っ白な背景にタイトルと本文を書き込むスペースのみ。ボールドやイタリック、見出しなどの機能もなく、写真や動画も投稿できない。そのUIはどことなく、Bloggerを創業し、Twitterの共同創業者でもあるEvan Williamsが手がける「Medium」ライクでもある。

文章の公開範囲は全体公開・限定公開(著者がフォローしている人のみが読める)・非公開の3種類。ソーシャルでも見てほしいという人のために、FacebookとTwitterのシェアボタンも控え目ながら用意されている。

2014年1月にクローズドベータ版をリリースし、11月6日に正式ローンチ。これまでに約500人が約1400件のCLIP(記事)を投稿していて、1記事あたりの平均文字数は568文字。Facebookでよく見る「意識高い系」の投稿ではなく、セルフブランディングとは無縁の趣味やプライベートの話が多いのが特徴だという。

サービスを運営するiDEAKITT代表取締役の藤田遼平さんは、「その道の専門家ではなくても、セルフブランディング以外の目的で書かれる独自の価値観はコンテンツとして面白い」と話す。

「何を書いていいかわからない」という人には、特定のテーマ(お題)を設けることで書きやすくする。「チャンネル」と呼ばれるこの機能は、「子供の頃のヒーロー・ヒロイン」や「何度でも訪れたくなる街」といったお題をLifeCLIPSが用意。各チャンネルにはお題に沿った記事だけが集まる。将来的には、企業や団体が訴求したいテーマに沿ったチャンネルを作ることも、収益の1つとして見込んでいる。

かつての「mixi日記」の空気感をもう一度

藤田さんがLifeCLIPSでイメージしているのは「全盛期のmixi日記の空気感」だ。

「mixi日記は適度なつながりで本音を投稿できる場。かつて毎日のように投稿していた人に、『Facebookだと書きたいことも書けない?』と聞くと8割以上が同意すると思います。長い文章を書きたいニーズがあるのはmixi日記が証明済み。いいね!は100個もいらない、好きな人にだけ読んでもらえれば満足する、という人は多いはずです。その意味で、mixiと同様、誰に読まれたかがわかる足あと機能をつけています。」

ソーシャル疲れした人には、フォローし合える人数が150人までの「Path」9人限定の「Close」などのクローズドなSNSがある。まとまったコンテンツを気軽に投稿できるサービスとしては、ピースオブケイクの「note」やシックス・アパートの「Shortnote」があるし、Facebookでグループを作って文章を投稿すれば事足りるのかもしれない。この点について藤田さんは、「LifeCLIPSのベータユーザーに評価されているのはテキストのみの潔さ。写真や動画、音声など何でも投稿できるのが良しとされがちですが、文章しか書かない場所というのがわかりやすい」とテキストコンテンツの持つ可能性にかけている。