Vivaldiブラウザーがv.1.5にアップデート、IoTとの統合を目指してまずスマート電球の色とWebを同期

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言い過ぎかもしれないが、いまどき、一般大衆に新しいブラウザーの登場に気づいてもらうのは、おそらくすごく難しい。今ではインターネットユーザーの多くが、自分のやり方というものを持っている。ほかに良いものがいろいろあっても、自分好みのやり方にはまっている人たちにとっては、いまさら別のものに変えるのはしんどい。

昨年、元OperaのCEOだった人が立ち上げたVivaldiは、今あるブラウザーよりもっと強力なコントロールとカスタム化ができるブラウザーを求めているパワーユーザーが、ターゲットだ。たしかに、この生まれたての赤ちゃんのようなブラウザーには、楽しい技(わざ)がいろいろある。訪ねたサイトに関するノート(注記)を書いて保存できること、検索欄をカスタマイズできること、タブの閲覧をいろいろコントロールできること、などなど。

しかし、何がどうであれ、これまで無関心だった一般大衆ユーザーにとって気になるのは、今度の新しい機能ではないだろうか、どこかの店内で、横目でちらっと見ただけも。そう、バージョン1.5のVivaldiは、ホームオートメーションとの連携を望んでいる。Philips Hueの明かりを、ブラウザーと同期できるのだ。

今回新たにPhilips Hue Theme Integration機能(Philips Hueのテーマを統合)により、Philipsのスマートライトの色とユーザーが訪れたサイトの色を同じにする。しかもこれは、同社が今後導入する機能の実験でもあるらしい。現時点では、ちょっと風変わりな機能に過ぎないようだが、今後はもっと有意義な機能に変身するらしい。たぶん、ね。

上述の、元Opera CEO、Jon von Tetzchnerはこう言ってる:

これはまだ第一歩にすぎないが、たとえばメールやWebの通知が明かりの変化で来ることを想像してみてほしい。Vivaldiはあらゆるもののカスタム化と柔軟性(自由性)を目指す。Philips HueのようなIoTデバイスの統合で、Vivaldiがあなたとあなたの毎日の生活に適応していけるのだ。

そう、まさに、想像、イマジンです。ボスが近くにやってきたら、ストロボやサイレンで通知するように、できるのかな?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Philipsの新しい〈つながった〉歯ブラシは、歯科医を想定して作られている

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先月、歯科技術のスタートアップ、ONVIがカメラ内蔵の歯ブラシを発売した。ユーザーは自分の歯がゆっくりと朽ちていく様子をアップで見ることができる。これは、幸いなことにそれとは違う。

多くの点で、Philipsの新しいスマート歯ブラシはOral-Bの製品に似ている。Sonicare FlexCare Platinum Connectedという長ったらしい名前のBluetooth対応電動歯ブラシは、使用者の歯磨き習慣を追跡し改善するために作られた。

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発売前に同社と話した時、広報担当者は「真に意味のあるイノベーション」の必要性を強調し、それは「つながった歯ブラシは誰でも作れる」からだと言い、つまるところ、今200ドルの高級な電動歯ブラシを買うような人には、一日に2回歯を磨くよう念を押す必要などないのだから、と付け加えた。

つまり、スマート歯ブラシを作るなら、スマートに作らなくてはいけない、ということだ。言い換えれば、歯ブラシを〈つなぐ〉だけのために、つながった歯ブラシを作ってはいけない。

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ここでPhilipsが強く推しているのが3Dマウスマップで、歯科医はこれを使って、ユーザーの磨き過ぎあるいは磨き足りないことによる問題を個別に指摘することができる。アプリはその情報を利用して、歯を磨く間どこに時間を費やすべきかを決める。また、決められた2分間の歯磨きが終った後、どこが抜けていたかを知らせて、時間を延長するタッチアップ機能もある。

ユーザーの動作は内蔵センサーが検知し、リアルタイムでブラッシング状況を表示する。この情報は時間と共に記録され、歯科医は次の定期検診までに対処の必要な箇所を特定できる。歯磨きの宿題のようなものだ。

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歯ブラシ自身には、3段階の強度設定、圧力センサー(強く押しつけすぎると警告する触感ブザー付き)、タイマー等が備えられている。ブラシの先端はゴム素材を使って歯と歯ぐきを保護している。そして会社の説明によると、バッテリーは最大2週間持続するとのことなので、旅行のお供にもなりそうだ。

Sonicare FlexCare Platinum Connectedは、7月から200ドルで発売される。ブラシ部分のバクテリアを消毒するUVサニタライザーとのセットも提供される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IoTを妨害する最大の敵は当のプロダクトのオーナーだ

[筆者: Lisa Jackson]

編集者注記: Lisa Jacksonはfrogの役員で戦略部長。

物のインターネット(Internet of Things, IoT)は、確かに大きな好機だ。それにより、企業の場でも生活の場でも、これまでよりも正しいデータに基づいて意思決定ができるようになるだろう。企業の役員や管理職にとっては、新しいツールにより職場における無駄と非効率を減らせるようになる。

でもそんな未来が実際に訪れるためには、IoTの財務的妥当性や、そのための戦略的パートナーシップ、そしてプラットホームの複雑性が、IoTの最大の天敵であるプロダクトのオーナーに与える影響を、よく知らなければならない。

財務的妥当性

これまでプロダクトは、いくつかの段階から成る製品開発の過程を経てローンチし、ROIやマージンの計算が意思決定をガイドした。このような従来的なレンズを通して見ると、IoTデバイスはそのほかの投資対象候補と比べて全然魅力的に映らない。IoTはプロダクトのコストを急騰させ、しかもそれは使われるセンサの費用だけではない。そのほかに、既存の製品が新しい工業デザインを必要とし、電力や(インターネットへの)接続性の要求に対応するために製造ラインも更新しなければならない。

たとえばWhirlpoolの試算では、皿洗い機にインテリジェンスを加えると一台あたりのコストが5ドル上昇する。それにソフトウェアの費用(開発、運用、資本支出)が加わると、古典的なCFOの目の玉が飛び出るような、とてつもない回収期間になる。

Clay ChristensenがHarvard Business Reviewに寄稿した記事“The Capitalist’s Dilemma”(資本家のジレンマ)の中で、成功の測度として一般的によく使われる財務指標が、成長への投資を妨げている、と指摘している。そこでIoTの分野では、役員たちはむしろ、決算報告のためのレンズではなく、エコシステムのレンズを使って価値創造の機会を見つけるべきだ。

Philips社が 照明システムHueを作ったとき、必要な投資を営業利益だけで正当化しなかっただろう。むしろ同社は、デベロッパコミュニティの参加性に期待し、結果的にそのコミュニティは今日まで、Hueのプラットホーム上で200近いアプリケーションをローンチした。

物やサービスやドルやデータのフローに対しては、長期的な評価が必要であり、そしてその予想利益は、エコシステム内のすべての機会可能性に基づいて算出されなければならない。そういう、対象視野範囲の広い試算技術によってのみ、IoTへの投資の真の事業価値が認められ、実現され、そしてその長期的な計量が可能になる。

戦略的パートナー

IoTデバイスそのものの直接的な売上は少ないし、それは最初から当然視されていることも多い。そしてパートナーシップによる売上は、新たな見込み客生成やデータの収益化により相当大きいことが多い。正しいパートナーシップを確立するためには、起業家的取り組みが必要である。そういう路線で、NestはMercedes-Benzと、JawboneはWhirlpoolと組んだのだ。このような事業展開は、飛び込み営業や、シリアスな交渉の積み重ねを必要とする。IoTに死をもたらす天敵であるプロダクトのオーナーは、そういうB2B方面のやる気や能力を完全に欠いていることが多い。彼らが、時間がない、を、言い訳にするのは、もってのほかだ。

プロダクトのオーナーは事業展開における自己のロール(役割)に関してあらためて自覚とやる気を出し、同じくエコシステムのレンズを活用して、重要なパートナーシップを築くための機会を見つける必要がある。関係の構築に関して能力と経験のあるスタートアップの人材を、スカウトするのもよい。その場合、技術や製造過程に関して彼らにオープンにするリスクを覚悟しないと、彼らもパートナーとしての十分な活躍はできない。プロダクトのオーナーには、それまでのノンコミュニケーションでぬくぬく快適な繭(まゆ)を破って、自ら外へ出てくる元気が必要である。

プラットホームの複雑性

IoTデバイスはソフトウェアとクラウドプラットホームを必要とする。ソフトウェアという言葉を聞いてビビるようなハードウェアメーカーは、ソフトやクラウドがからむ開発過程や組織展開を、登頂不可能なヒマラヤの高峰のように感じる。物づくりは上手だがソフトウェアの能力を欠いていた企業(通信事業者や家電メーカーなど)は、インターネットに接続されたデバイス(コネクテッドデバイス, connected devices)を商業化するために完全なリストラをやるべきである。Honeywellは、温度計の製造とセキュリティシステムの制作が別事業部だったが、シームレスなスマートホームソリューションを売っていくために、組織と製品開発計画の、思い切った整理統合を行った。

インターネットに接続されたデバイスの未来は、新しい前向きの仕組みに基づく価値の測度を必要とする。

プラットホームというハードルを克服するために、ほかの業界から学ぶのもよい。たとえば成功事例の一つであるMedtronicのCareLinkプラットホームは、医師がインターネット経由で患者の医療器具をチェックできるシステムだ。成功企業の共通点は、できるかぎりアウトソーシングすること、組織の設計に戦略的投資を行うこと、そして買収をためらわないことだ。IoTの世界には敏捷なスタートアップたちが迅速に行動して価値あるリソースを提供している。Samsungが最近買収したSmartThingsなどは、その好例だ。

あらゆる業界で、プロダクトのオーナーは、1)財務的妥当性と2)戦略的パートナーシップの構築、および3)プラットホームの複雑性というハードルに直面している。企業のデジタル部門は、単純素朴なプロダクトマージン(という伝統的な視点)と、中核的事業が築くべき新しい価値との、違いを理解してもらう必要性に(社内的に)迫られている。私が見てきた小売企業たちは、組織改変をせずに個々のインターネット接続プロダクトをその都度ローンチしてきたため、いつまでもスケーラブルなプラットホームを欠き、行き詰まってしまった。組織を整理統合して、十分に大きくてスケーラビリティのあるプラットホームを持つべきである。また資本調達力が十分にある公益企業は、しかし事業展開のスキルがないため、小規模で実験的なIoTしかできないところが多い。

搾乳器のメーカーMedelaの場合は、顧客である多くのママさんたちが、センサを内蔵してインターネットに接続された搾乳器による、適切な授乳の指導(授乳量など)を期待していた。MITの研究室がたまたま、そんなコンセプトのための搾乳器ハッカソンを開催した。しかしMedelaは、市場で噂されたにもかかわらず、そんなイノベーションに乗らなかった。それは、現状で十分利益が上がっており、マーケットシェアも大きく、既存のパートナーシップは主に流通方面だけだったからだ。同社にはIoTに向かうインセンティブがなく、そのハードルが高すぎた。

IoTプロダクトのオーナーたちよ、同情はするけど許しはしない。コネクテッドデバイスの未来は、その価値が、新しい前向きの仕組みによって測られるようにならないかぎり、開けない。自分の事業をエコシステムのレンズを通して見ることによってのみ、IoTの真のポテンシャルを探求できる。戦略的パートナーシップと、複雑なプラットホームへの思慮深い投資によってのみ、そのポテンシャルを実らせることができる。

コネクテッドデバイスのネットワークが大きくブレークする臨界質量に達するためには、プロダクトのオーナーがこのチャレンジに取り組み、われわれみんなが待ち焦がれている未来のヒーローになる必要がある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Philips、今年第2四半期にAndroid搭載4Kテレビを市場投入予定

Google TVというものはいらなくなるのかもしれない。テレビが「Android TV」に進化しそうな様子もあるからだ。先陣を切ったのはPhilipsで、Ultra HD(4Kとも呼ぶ)のテレビを発表した(via 9to5Google)。OSにAndroidを搭載しており、本年度第2四半期に市場に登場してくる予定だとのことだ。まずはヨーロッパおよびロシアにて登場することとなっている。ネット接続型テレビはみなこの方向に進んでいくのではないかとも思うのだがどうだろうか。

Philipsの新ラインとなる8000シリーズは48インチおよび55インチの1080Pフルハイビジョンおよび44インチの4Kモデルとなる。Google Playに接続して、Netflix、YouTube、ないし他のアプリケーションを簡単にインストールすることができる。またウィジェットを表示していろいろな最新情報を取得することもできる。さらに、ゲームコントローラーなどによる操作もできるようになり、Androidゲームを大画面でコントローラーを使ってプレイすることができるようになる。

もちろん、Google TVが公式に停止になったわけでもない。Android TVへの名称変更を考えているという話もあった。しかし今回紹介しているPhilipsのプロダクトはそのままAndroidであり、確かに使い勝手が良いものであるように思われる。テレビへのAndroid採用が広がっていくのかどうかはまだわからない。GoogleとしてはTVプロダクトについて、別の方向性を模索しているのかもしれない。いずれにせよ、どういうモデルが世に広まっていくことになるのか、いろいろなメーカーが活発に動き出すものと思われる。

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(翻訳:Maeda, H