iPhoneやiPadのPrime Videoアプリ内からコンテンツの購入とレンタルが可能に

Amazon(アマゾン)が行った最近のアップデートにより、iPhoneやiPad、Apple TVのPrime Video(プライムビデオ)アプリ内からの映画の購入またはレンタルがより簡単にできるようになった。これまでPrime Videoアプリを使用しているユーザーは、視聴のためにはあらかじめアマゾンウェブサイト、またはFire TV、Roku、Androidなどの別のデバイス上のPrime Videoアプリを使って、映画を購入またはレンタルしておく必要があった。しかし、今回のアップデートで、Prime Videoユーザーはアプリから直接購入できるようになる。

この変更は正式には発表されなかったが、有効になった直後にすぐに発見された。

アマゾンはコメントを拒否したものの、TechCrunchに対して、米国、英国、ドイツの顧客向けに、現在この機能が提供されていることは認めた。

この変更によって、Prime Videoユーザーは、アマゾンの膨大なビデオカタログからタイトルをレンタルまたは購入できるようになる。カタログには、新作リリースの映画、テレビ番組、クラシック映画、受賞歴のあるもの、オスカーにノミネートされた映画などが含まれている。

これは 、iOS/iPadOS 12.2以降を実行しているiPhone、iPad、iPod touchをはじめとして、Apple TV HDやApple TV 4Kを含むほとんどのApple(アップル)デバイスでサポートされる。

アマゾンは何年もの間、ユーザーがアップルデバイス上のPrime Videoアプリから、映画やテレビ番組を直接購入できないようにしてきた。これは、アップルがそのプラットフォーム上で行われるすべてのアプリ内購入の30%を手数料として徴収することが理由だ。こうした手数料を回避するために、アマゾンだけでなく、NetflixTinderSpotifyを始めとする多くのアプリが、ユーザーをウェブサイトにリダイレクトすることによって、アップルのプラットフォームからの手数料を逃れてきた。

このニュースが報じられて以来、アマゾンがアップルと何らかの契約を結び、今回の変更を可能にしたのではないかと、多くの人が疑問の声を挙げている。特にアマゾンが30%のコストをカバーするためにレンタルまたはサブスクリプションの料金を引き上げなかったことで、その声は大きくなっている。

結局のところ、その種のことが行われているのだ。

AppleはTechCrunchに、サブスクリプションビデオエンターテインメントプロバイダーのサポートを目的としたプログラムを提供していると述べた。

「Appleは、利用者の利便性を図るために、プレミアムサブスクリプションビデオエンターテインメントプロバイダー向けのプログラムを提供しています。Apple TVアプリ、AirPlay 2サポート、tvOSアプリ、ユニバーサルな検索、Siriサポートと統合し、適用可能な場合にはシングルサインインまたはゼロサインインを行っていただけます」とAppleの広報担当者は説明した。「Prime Video、Altice One、Canal+といった、対象となるプレミアムビデオエンターテインメントアプリでは、既存のビデオサブスクリプションに関連付けられた支払い手段を使用して、映画やテレビ番組を購入またはレンタルすることができます」と広報担当者は語った。

逆にアマゾンが、AmaozonのFire TV上のApple TVアプリ内で、Appleの顧客が映画を直接買ったりレンタルできるような相互的な拡張をするかどうかはわからない。

現在が、特にApple TV+に相当するPrime Videoや、Apple TVに相当するFire TVのような競合製品やサービスを持っている会社を、アップルが競争を阻害しているのではないかという疑いの下にますます厳しく調査されているタイミングであることを考えると、アマゾンがこのプログラムを採用したことは注目に値する。

アマゾンは、Prime Videoアプリの初回起動時に、フルスクリーンポップアップで「Movie night just got better」(ムービーナイトがますます快適に)という表示を出すことで、この新機能への注意を引いている。また、ホーム画面のバナーを介して直接購入する、より簡単なオプションも提供している。

【Japan編集部注】本文中にもあるように、この機能は現在のところ米、英、独に限定されている。

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(翻訳:sako)

HuluとAmazon PrimeがNetflixの牙城に挑む

Netflixは、eMarketerの最新レポートによると今もサブスクリプション型ストリーミングサービスのナンバー1だが、Amazon Prime、Huluなどのライバルもシェアに食い込み始めている。

同社のアナリストは、今年中に1億8250万人の米国消費者がストリーミングビデオサービスを定期購読すると予測している。これは人口の53.3%に相当する。Netflixは2019年に1億5880万人の視聴者を得てトップの座を守りなお成長を続けているが、定期購入者の総数が増加する中で市場シェアは減少するだろうとレポートに書かれている。

Netflixは、Q2の米国ユーザー数が10年近くぶりに 減少した発表したが、その後も順調な成長(前年比7.6%)を続けるだろうとeMarketerは言っている。これは「Orange Is the New Black」や「Stranger Things」などの人気番組の新シリーズ、アカデミー賞受賞監督マーティン・スコセッシ監督の新作「The Irishman」などが後押ししているのだろう。

しかしもはやNetflixはストリーミングビデオで唯一の選択肢ではない。2014年に90%だった市場シェアは、2019年に87%に減少する見込みだ。

1 1市場シェアの減少は、HuluやPrime Videoといったライバルの進出が理由だ。

例えば、Huluは今年米国内視聴者数が7580万人(シェア41.5%)に達した。視聴者数は2019年に17.5%増加したが、2018年の49.6%という成長率には及ばなかった。

AmazonのPrime Videoは、今も米国第2位のストリーミングビデオサービスであり、2019年の視聴者数は9650万人(シェア52.9%)、前年比8.8%増だった。

eMarketerは、Prime Videoの利用者が2021年に米国人口の3分の1に達すると予測している。

2Netflixの市場シェア独占は、新たな脅威にも直面している。中でも DisneyとHulu、ESPNのセットは、Netflixの米国標準価格と同じ料金で提供されている。

「Netflixはここ数年強力なライバルと視聴者を奪いあっており、ストリーミングビデオプラットフォームだけでなく、有料テレビやビデオゲームからの挑戦もある」とeMarketerの予測アナリスト Eric Haggstrom(エリック・ハグストローム)氏は「真の『Netflixキラー』は存在しないが、Disneyの『Disney+、Hulu、ESPN+』のセットはそれに近いところまで来ている。現在のNetflixの答えは、同サービスを市場リーダーに押し上げた戦略を続けること。すなわちライセンス、オリジナルのコンテンツに他社よりも多くつぎ込み、競争力のある価格を消費者に提供することだ」と語る。

新たなライバルはDisneyだけでもない。

Apple TV+は今年中のサービス開始を見込んでおり、コンテンツに60億ドル費やすと言われている。当初報じられた10億ドルをはるかに上回る金額だ。月額使用料も9.99ドルという競争力ある価格帯になるらしい。

NBC UniversalとAT&T Warner Mediaも市場参入を目指している。後者はHBO Maxと組む。また、CBSとViacomの合併に続き、新会社は自社プラットフォームであるCBS All Accessと広告支援型サービスのPluto TV に新たに獲得したコンテンツを加えて強化しようとしている。

「ストリーミングビデオの市場は、ハイエンドのオリジナルコンテンツと従来の有料TVに比べて安い月額使用料によって爆発的に広がった」とハグストローム氏は指摘する。「新しい番組や映画に対する視聴者の強い欲求が、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなどの視聴者を拡大し、市場全体を広げた」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleとAmazonが仲直り、ストリーミングビデオの相互乗り入れに合意

Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)は、争いの矛先を収め、それぞれのストリーミングビデオのユーザーに対して、より良いサービスを提供することにしたと、米国時間の4月18日に揃って発表した。これから数カ月のうちに、公式のYouTubeアプリがAmazon Fire TVデバイスとFire TV Editionのスマートテレビ上でも動くようになり、反対にPrime VideoアプリはChromecastとChromecast内蔵の各種デバイス上で動作するようになる。

さらにPrime Videoは、Android TVに対応するパートナーの製品でも広く利用できるようになる。YouTubeの姉妹アプリとなるYouTube TVと、YouTube Kidsも、今年後半にはFire TV上に登場する予定だ。

Googleによれば、Fire TV上でYouTubeを見ているユーザーも、サインインすることで自分のライブラリのすべてにアクセスできるようになる。また、サポートされているデバイス上で60fpsの4K HDRのビデオを再生できるようになるという。

一方Prime Videoアプリのユーザーは、Amazonのオリジナル番組や4Kビデオを含むPrime Videoカタログからストリーミングできる。もちろん購読中のPrime Videoチャンネルにもアクセスできる。さらに、アプリ内でAmazonのX-Ray機能を利用することも可能だ。

これまで何年もの間、この2つの大企業同士の関係は良好なものではなく、さまざまな分野で競合を繰り広げてきた。ストリーミングテレビのプラットフォームやサービスをはじめとして、最近ではEchoやGoogle Homeといったスマートスピーカーの領域でも争ってきた。

Chromecastデバイスや、他のGoogle製ハードウェアは、両社の不和を反映して、Amazonサイトでの取扱を中止されたり、再び販売されたり、といったことを繰り返してきた。

2017年には、さらに別の対立が浮上した。AmazonのEcho Show用のYouTubeプレーヤーの実装についての抗争だ。Googleによれば、それは何の断りもなく実装された。そしてGoogleは、AmazonからYouTubeへのアクセスを禁止した。それに対してAmazonは、やむなくEchoのユーザーをYouTubeのホームページに迂回させるという回避策を取った。

現時点では、Googleのハードウェア製品の多くは、まだAmazonで販売されていない。特に、EchoのようなAmazon製品と直接競合するスマートスピーカーや、その他のスマートホーム関連のデバイスは見当たらない。(たとえば「google home mini」をAmazonのサイトで検索すると、その関連製品のスポンサープロダクトや、おすすめのベストセラー商品としてAmazonのEcho Dotが表示される。)

こうしたことが、消費者にとって良いことであるはずはない。しかしこれは、両社の顧客基盤が重なっているため起こることだ。たとえば、Chromecastを使っている人でも、Prime Videoでビデオを見たかったり、AmazonのサイトでGoogle製品を買いたいと思う場合もあるだろう。もちろんYouTubeはみんなが観ている。

今回の新たな協約は、ストリーミングサービスのみに焦点を絞ったものだろうと考えられている。おそらく、Amazonの品揃えや、ハードウェアに関する問題に影響を与えることはないだろう。

Amazonは、ライバルに対しては、競争自体を排除するような行動を伝統的に取ってきた。

そして長年にわたってAppleとも不和が続いていたが、ようやく2017年になって一定の合意に達した。その結果、Apple TV上でPrime Videoのアプリが使えるようになり、Apple TVのハードウェアもAmazonで販売されるようになった。

そうした、やられたらやり返すような争いは、つまるところ関連するものすべてに仇となる。Rokuは、米国内で支配的なストリーミングプラットフォームとして成功したが、中立的な立場を取り、すべてのアプリとサービスを公平にサポートしていた。Amazonがそれになんとか対抗できるようになったのは、Fire TVのハードウェアの値下げと、かなりの広がりを見せた「ファイアスティック」を使った海賊行為を目的としたアンダーグラウンドのコミュニティのおかげと言ってもいい。

「Amazonと協力し、オフィシャルなYouTubeアプリを、世界中どこでもFire TVの上で使えるようになったことにワクワクしています」と、YouTubeでプロダクトパートナーシップのグローバルな責任者を務めるHeather Rivera氏は、声明の中で述べている。「当社のフラグシップとも言うべきYouTubeの体験をAmazon Fire TVにもたらすことで、ユーザーが自分の好きなビデオやクリエイターを観る手段を増やすことができます」。

「Prime Videoのアプリを、ChromecastとAndroid TVのデバイスに移植し、お客様が好きなショーや映画を観る便利な機会を提供できることにワクワクしています」と、Prime Videoのワールドワイドビジネス開発責任者を務めるAndrew Bennett氏も述べている。「最新シーズンの『マーベラス・ミセス・メイゼル』を観るもよし、『Thursday Night Football』でひいきのチームの試合を追うもよし、最近封切りされた映画を借りて観るもよし。お客様がご覧になりたいものを、ご覧になりたいとき、どこにいらしてもストリーミングできるように、選択肢がさらに増えたのです」。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ジェレミー・クラークソンらのトップ・ギア、Amazon版新番組タイトルはグランド・ツアーに決定

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あの人気自動車番組、トップ・ギアの元プレゼンターのトリオ、ジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェイムズ・メイの3人が昨年夏にAmazonと契約したことはよく知られている。 クラークソンらは、新番組をプライムビデオでストリーミング配信することでAmazonと合意していた。そのタイトルが明らかになった。新番組はグランド・ツアー(The Grand Tour)と呼ばれる。

「ツアー」というところが肝心だ。 トップ・ギアでは毎回スタジオで収録される部分があったが、グランド・ツアーではこの部分をスタジオではなく巨大なテントの中で撮影する。そのテントが世界中を移動するという仕組みだ。「クラークソン・チームの世界キャンプ旅行」というタイトルでもよかったかもしれない。

グランド・ツアーではこの他に世界各地で撮影される短いスポット・ビデオが放映される。番組タイトルは変わり、テントという新しい要素が加わっているものの、基本的なフォーマットはトップ・ギアと基本的に同じだ。「壊れていないものは直すな」という格言のとおりだ。

クラークソンたちはAmazon版の新番組のタイトルと巨大なテントを精力的にPRしている。BBCのTop Gearへの嫌がらせにも見える。BBCは昨年クラークソンとの契約を更新しないことを決めた。これはクラークソンが番組プロデューサーに対し「なんら挑発なしに身体的攻撃を加えた」とされる事件の結果だった。

クラークソンが動いたことで、メイとハモンドも忠実に後を追った。そういうわけでAmazonにグランド・ツアーがやってきた。

この夏開始されるグランド・ツアーのテント録画への参加は抽選方式になる。申し込みの資格がAmazonのプライム会員に限られるのかどうかは明らかでない。Amazonによればテントの巡回のスケジュールや録画への参加の申し込み手続きの詳細は近く発表されるという。

新しいトップギア グランド・ツアーはAmazonプライム・ビデオの会員向けにこの秋から公開される。Amazonではトップ・ギアの視聴率からみて、クラークソンがホストする新番組が数百万の視聴者を惹きつけるものと期待している。クラークソンらの最後のBBC出演となったトップ・ギアの視聴者は530万人だった。

BBCではトップ・ギアを新しいプレゼンターでリニューアル中だ。クラークソンらのトリオを欠くBBCの新しい車番組は5月29日に第1回が放映される。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、アメリカでプライムビデオを別個に月8.99ドルで提供

2016-04-19-amazonlead

Amazonはオリジナル番組製作に多額の投資をするなどビデオストリーミングで攻勢を強めている。数年前にプライムビデオがスタートしたときはプライム会員向けに思いつきで後から付け加えたサービスのように見えた。今やAmazonのビデオストリーミングは本格的なサービスに成長しただけでなく、ビデオのみ対象に会員になることができるようになった。

今日(米国時間4/18)からプライムの非会員も月額8.99ドルを支払えばAmazonプライムビデオに参加できる。キャンセルはいつでも可能だし、1年分の会費を前払いする必要もない。
Amazonプライムビデオの会員になると、Amazonのビデオ・ライブラリーに自由にアクセスできる。ただしプライム会員の場合とは異なり、配送料が無料になったり音楽が聞けたりする特典はない。

プライム会員のアメリカにおける会費、年額99ドルについては変更はない。プライムビデオが付属するのも同じだ(少なくとも今のところは…)。プライム会費は月払いにすることも可能で、その場合は10.99ドルとなる。プライム会員の特典は会員向け無料配送、プライムビデオ、Prime
Music、Kindle Lending Library〔日本では未実施〕の利用が可能だ。他にも私が忘れているだけの特典があるかもしれない。

Amazonがサブスクリプション・サービスの特定の分野を別個のサービスとして独立させたのはこれが初めてではない。たとえば2014年の夏にスタートしたKindle Unlimitedは月額9.99ドルの会費で数多くの本が読み放題になる。

しかしAmazonのユーザーでプライムビデオに本当に関心があるのなら、やはりプライム会員になるべきだろう。月額8.99ドルは年額108ドルだが、年額99ドル払えばプライム会員になれる。しかも前述のように特典ははるかに多い。

プライムビデオを独立させたのはNetflixなどと直接に比較できるようにするためだろう。Netflixは月額9.99ドルだ。AmazonはNetflix, Hulu, HBO Nowなどのビデオストリーミングのライバルと比較して「われわれのサービスがいちばん安い」と主張できる。

トランスペアレント モーツァルト・イン・ザ・ジャングル などの成功した作品に加えて、AmazonはBBCと喧嘩別れしたTop Gearのオリジナル・メンバーと契約しウディー・アレンの次の作品も配給する。これらはすべてAmazonがプライムビデオ向けオリジナルにどれほど力を入れているかを実証するものだ。今回Amazonがプライムビデオを独立させたのは、将来Amazonプライムからビデオを外す準備かもしれない。ビデオも見たいプライム会員は2種類の会費を支払うことになる可能性もある。

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Hollywood Reporter経由

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+