ロン・コンウェイ:シリコンバレーはNSAについてもっと議論すべきだ。しかし私は先頭に立つ人物ではない

シリコンバレー有数の投資家、Ron Conwayは今日(米国時間9/9)、国家安全保障局および消費者プライバシーを巡る問題に、自分は関与しないという立場を明らかにした。銃規制や移民法改訂など他の多くの課題で忙しすぎることに加え、自らのベンチャーキャピタル会社、SV Angelの経営を手伝うという「本業」もあるためだと言う。

Michael Arringtonに、NSAで今起きていることや、国家安全の名の下にプライベートデータを盗聴する同局の役割、さらにはシリコンバレーがこ戦おうとしていないことについて尋ねられ、Conwayは次のように答えた。

「わわれは国家安全のバランスを取る要があるが、9/11というものもある・・・透明性とのバランスを取らなくてはならない」と、ConwayはTC Disrupt San Franciscoの聴衆に向かって言った。「個人的には、NSAがどうデータを消化し、どれほどの期間保管するかによると考えている。私がかかわっていく中で、昨年は銃の安全性、移民法改訂、および市民参加という3つの問題を選んだ。テクノロジーを地域コミュニティーに溶け込ませるために、われわれは多くのことを行ってきた」。次にConwayはArringtonに矛先を向けた。「もしこれが、あなたが情熱を傾けている問題なら、自分が行動すべきだ」。

[より具体的には、Arringtonの質問はもっと挑戦的だった。「なぜあなたは、傍観するだけで何もしないのか?」と彼は尋ねいた。「われわれが話しているのは、文明の終りと生活上のプライバシーの終りについてだ」]

この発言と時を同じくして、FacebookGoogle、およびYahooは揃って、NSAの要求に関する情報の公開をさらに可能にするよう米国政府に強く働きかけた。

これはConwayが何も意見を持っていないということではないが、彼の戦う姿勢のなさはある意味で、VCや小さなスタートアップにとってこの話題への反応が難しいことをものがたる。「最近60日間の出来事は、透明性と国家安全との間にはバランスが必要だということを示している・・・しかし、私は今年の残る時間を移民法改訂に費やすつもりだ。私は、同時にNSA改革もやるなどと言えるほどほら吹きではない。現時点では私にとって移民法改正の方が重要だ・・・あなたは完壁なリーダーのようだ。

この日の午前に、サンフランシスコのエド・リー市長もこの話題に言及した。「もっと多くの人がこれについて議論すべきだ・・・この論争がどこへ向かっているのかわれわれは知らない。同時に、多くの人々がわれわれの取るべきバランスについて話し合うべきだという目標もある。個人情報がとんでもない形で使われることを私は好まない」。彼は、例えばサンフランシスコの街頭カメラは、バランスを取る必要があることを指摘した。同市は抗義運同中はスイッチを切るが、それ以外は街頭犯罪を妨ぐためにスイッチを入れておくことを決めた。

Michael Arrington(TechCrunchファウンダー)は自らの意志を表明し、NSA、セキュリティーと情報、およびシリコンバレーがこのストーリーで果たしている役割について強く訴えた。彼は、シリコンバレーの企業は大小を問わず、一連の情報要求やその他国家安全の名に下に政府組織が行ってきたことに対して十分に抵抗していない、と信じている。

「この国の政府には恐怖を感じる。そしてそれと戦うためにシリコンバレーが殆ど何もしていないことにうんざりしている」とArringtonは今日のブログに書いた。

Ron Conwayについては名指しで、「Ron Conwayには質問するつもりだ。彼はSandy Hook Promiseを通じて一年近く銃規制を推進しているが、米国政府による人権の大規模破壊に対するシリコンバレーに役割について一言も発していない。彼は、真の透明性や政府に対する真の反抗をリードすることによって、数多くのことができたはずだ。しかし、何一つ行動していない。私はその理由を知りたい」

Sandy Hook Promiseは2013年3月に立ち上げられた、銃器による暴力を減少または排除するスタートアップへの投資を約束する共同体だ。Arringtonは今日この取組みを「漠然としている」と評した。

Arringtonが、Ed LeeとRon Conway、後にはSV Angelのパートナーらと話すところのビデオ全編を下に貼った。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookのグラフ検索がGoogleに追いつくには課題山積―精度の向上とサードパーティーのデータへのアクセスが必須

今日(米国時間7/8)、Facebookはアメリカで英語版のグラフ検索の一般公開を開始した。実際にこのサービスを利用してみると、Facebookから構想が発表された当初には予想されなかったような問題が表面化している。

現在、Facebookサイト内の検索はユーザー、投稿された写真、場所、施設などをより適切に発見させることを対象としている。 しかしこのグラフ検索が機能するためには、たとえばレストランの推薦やお気に入りの音楽アルバムなどのユーザーデータを利用することが必要だ。

一言でいえば、グラフ検索はさらに広範囲なユーザー・データへのアクセスを必要とする。ところがPRISMスキャンダルで、NSAがFacebook、Google、Yahoo、Microsoftその他のサイトから情報を得ていたことが明らかになり、ユーザーの不安が増している。

Facebook自身のデータだけでは十分ではない

現在のグラフ検索の核心をなす検索エンジンは、Facebookユーザーが友だち、友だちの友だちと共有し、あるいは一般に公開しているデータを対象としている。この中には居住地域、訪問した場所、位置情報タグのついた写真、「いいね!」したFacebookページなどの情報が含まれる。

残念ながら、Facebookの「いいね!」データは、特に企業のページに対する「いいね!」はユーザーが本当に推薦していることを意味しない。 「汚い「いいね!」(dirty likes)と呼ばれたりするが、企業はFacebookページでファンを増やすためにあの手この手でキャンペーンを仕掛けて「いいね!」をかき集める。「いいね!」を押すと懸賞に応募できたり、特別なコンテンツが見られたり、割引クーポンが入手できたりするなどの仕掛けが頻繁に使われている。 こうして集めた「いいね!」は本来の意味からはかけ離れたものが大部分だ。

これに加えて、ユーザーは定期的にアップデートを受け取るために仕方なく「いいね!」をする場合がある。たとえば近所の生鮮食品店やショッピングモール、子供の通う学校などだ。実際に意見を聞いてみれば別に推薦しているわけではないということもよくある。また「いいね!」を押さない主義のユーザーもいるし、Facebookにページが作られていない企業のプロダクトを強く推薦するユーザーもいる。

つまりFacebookの「いいね!」は、検索エンジンが関連性を判定する情報、検索用語でいう「シグナル」として利用できる。しかしこれ単独ではユーザーが「いいね!」の対象を推薦していると判断する材料にはできない。

Facebookはユーザーがレストラン、店舗、施設などにチェックインしたときに残すレビューも利用しようとしてしている。しかしレストランやホテル、観光地などのユーザー・レビューの分野ではFacebookよりはるかに知名度が高く、膨大なデータを抱える専門サイトがいくつも存在する。だからグラフ検索の精度を高めるためにはFacebookはユーザーがサードパーティーのサービスで共有した情報にもアクセスする必要がある。しかしFacebookはこの点では将来どういう連携策を取るつもりなのか、スケジュールを含めて明らかにしていない。

Facebookはさらにユーザーデータを必要とする

アメリカの英語版Facebookユーザーは今日から新しい検索インタフェースが利用できる(全員に公開されるまでには数週間かかるもよう)。さて、そこでユーザーはまず何を検索するだろう? ある会社に友だちが働いているかどうか、近く訪問する予定の都市に友だちがいるかどうかを調べるかもしれない。あるいは「パリの写真」を検索して友だちの目でパリ観光を楽しもうとするかもしれない。

しかし長期的な視野で考えると、Facebookはグラフ検索をGoogle検索の代わりとして使わせ、Facebookへのトラフィックと滞在時間を大きく増加させたいだろう。前述のようにFacebokkは今後ローカル・レビューやSpotifyのような音楽ストリーミングなどサードパーティーのサービスと提携して検索対象のデータを拡大する計画だ。

今年中にはグラフ検索をモバイル化すると同時に、ユーザーの近況アプデートのテキストを解析して場所や友だちとの関係に関する情報をさらに詳しく収集し、推薦情報を得られるようにするという。

プライバシーに関する懸念

PRISMスキャンダルが暴露される以前は、 「いいね!」やチェンクイン、レビュー投稿などの情報をベースにしたグラフ検索は、Google検索に代わって、それまで個々のユーザーのソーシャルグラフ中に囲い込まれていたデータを広く共有し、役立てることができる素晴らしいツールになるという楽観的な見方が強かった。しかし現在ではユーザーはFacebookの主張する「もっと透明でもっと結び付けられた世界」に対して懐疑的になっている。グラフ検索はもちろんユーザーのプライバシー設定を尊重する仕組みになっているが、ユーザー情報の共有の拡大を目指していることには変わりがない。行き過ぎたソーシャル化への懸念とゆり戻しが起きている現在、ユーザーの関心は情報の共有範囲を狭め、匿名性を拡大する方向に向いている。これはFacebookを含むさまざまなソーシャル・サービスにとって逆風だ。

Facebookはグラフ検索を広告プラットフォームに利用する計画なので、PRISMスキャンダル以後の懐疑的な空気の中で、個人情報を検索エンジンに入れることに対するユーザーの警戒心を解くためにさらに努力する必要があるだろう。その点からも、Spotifyで聞いている曲とかひいきの寿司レストランといった公開することに抵抗の少ないサードパーティー・サービスの情報にアクセスできるかどうかはグラフ検索にとって決定的に重要だ。

残念ながら現在のFacebookのグラフ検索はこうした点で大いに改善の余地がある。しかしこのサービスは今誕生したばかりだ。Facebookには膨大なサードパーティーのデベロッパーとアプリ、そのデータが存在する。グラフ検索はウェブ検索でGoogleに及ばないとしても、この強みを生かすことができればFacebookに少しでも長く滞在させ、Facebook広告を少しでも多くクリックさせるのに役立つだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NSAのスパイ疑惑は、米国クラウドビジネスの信用を失墜させる。EC副委員長が警告

NSAのスパイ疑惑は、アメリカのクラウドコンピューティング・ビジネスを支える信用を失墜させる、とNielie Kroes欧州委員会副委員長が今日(米国時間7/4)のスピーチで警告した。さらにKroesは、クラウドビジネスへの波及効果を避けるために、ヨーロッパに住み事業を展開している個人や企業のデータへの監視とアクセスの範囲と実態を「明瞭かつ透明」にするよう再度アメリカに要求した。

ヨーロッパ人の信用を失うことは、アメリカのクラウド事業に「数十億ユーロ規模」の影響を与えるだろう、と彼女は付け加えた。

Koresが話したのはエストニアで行われた記者会見中で、クラウド購買のEU共通仕様合意のために開かれた欧州クラウドパートナーシップ運営委員会の後に行われた。

スピーチの一部を下に引用した。この中で彼女は、クラウドコンピューティング・ビジネスは広範囲に影響を与える米国政府監視プログラムの中でも特にリスクが大きく、それはこのビジネスが顧客の〈預けているデータが安全に保管されているという〉信用の上に成り立っているからだと語った。

Kroesは次のように語った。

もし企業や政府が自分はスパイにあっていると考えるなら、彼らがクラウドを信用する理由は減り、その結果機会を逃がすのはクラウド事業者である。

もし、データが自分の意志に反して共有されていることを疑いあるいは知っているなら、誰が企業秘密や他の重要データを金を払って他人に預けるたろうか。表玄関であれ裏口からであれ、賢明な人間はそもそも情報が公開されることなど望まない。顧客は合理的に行動するので、事業者は膨大な機会を失うことになるだろう。

ここで機会を失うのは主としてアメリカの事業者だ。なぜなら主として彼らがクラウドサービスのリーダーだからだ。ここから最近の疑惑に関する新たな関心事が想起される。具体的には、米国政府によるヨーロッパのパートナー、同盟国の監視に関わる疑惑だ。

もしヨーロッパのクラウド利用者が米国政府やその保証を信じられなければ、米国クラウド事業者を信じることもないだろう。それが私の予測だ。そしてもし私が正しければ、米国企業への影響は数十億ドル規模になる。

もし私が米国のクラウド事業者なら、たった今自国政府に対して強く不満を感じているだろう。私には何の思惑もない。私は、開かれた市場、自由の価値、そして新しいデジタル革新の機会に全力を注いでいる。

彼女は、国家安全保障局(NSA)が行っているとされる大規模監視プログラムで、米国企業がデータ採取の手先として利用されていることを挙げ、プライバシーの保障能力は競争上の強みであり、クラウドを提供する米国以外のスタートアップや企業にとって心の糧になると示唆した。

「プライバシーに力を入れている企業は今すぐ名乗り出て実践すべきだ。それが賢い企業というものだ。2013年こそがその年だ。これには優れたプライバシー保護を提供するサービスへの関心を活用すべきヨーロッパ企業も含まれている。

Kroesは、「場合によって」権力が「オンラインに保管されているデータをある程度アクセスする」ことには正当性があるとを認め、子供の保護とテロリズムを「好例」として挙げた。ただしそのようなアクセスは「法律の透明な規則」に基づくべきであり、それは「規則の例外」であることを強調した。政府によるデジタルデータの定期的監視は、スパイ行為をルール化することで、これを根本から覆えそうとしている。そして、日々定期的にスパイを強要される米国企業を傷つける危険をはらんでいる。

「クラウドセキュリティーへの懸念は、市場のオープン化よりもセキュリティの保証を優先させるよう、欧州の為政者たちを容易に動かす ― そして影響は米国企業に及ぶ」と彼女は付け加えた。

「クラウドには大きな可能性がある。しかし可能性は不信な空気の中では意味を持たない。ヨーロッパのクラウド利用者とアメリカのクラウド事業者や為政者たちは慎重に考える必要がある」

しかし、Kroesの発言と同じ日に、フランスにも独自のPRISM風データ収集プログラムがあるというニュースが浮上した。一方英国は以前諜報機関GCHQを通じて同様の組織的データ収集に熱中していると指摘さている。このため、NSAに後押しされた米国企業への反発も、その恩恵を受けるヨーロッパのクラウド企業はKroesが言うほど多くはないかもしれない。

[画像提供:DJ-Dwayne via Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAの通報者スノーデン、香港からロシアへの旅を経てエクアドルに亡命を申請

ここ数週間、国家安全保障局(NSA)の監視プログラムPRISMをはじめとする数々の政府行動を暴露した通報者、Edward Snowdenは、香港を離れ現在乗り継ぎのためモスクワにいる。Snowdenに法的支援を続けているWikileaksによると、彼は「亡命のために安全な経路でエクアドル共和国に向かっており、外交官およびWikileaksの法律顧問に付き添われている」。

初期の報道で示唆されていたその民主的国家はベネズエラで、モスクワは彼の旅の第一通過点にすぎなかった。しかし、どうやらWikileaksのファウンダー、Julian Assangeにも亡命を提案したエクアドルは今回も興味を示しているようだ。先週、Snowdenはアイスランドに向かうつもりであると言われていた。

アップデート(太平洋時刻 9:58am)確かにSnowdenは、エクアドルへの亡命を申請したようだ。つい先ほど同国の外務大臣がこれをツイートした。

[エクアドル政府は、Edward J. #Snowdenからの亡命申請を受け取った]

Wikileaksもプレスリリースを更新した:「彼は亡命のために安全な経路でエクアドル共和国に向かっており、外交官およびWikileaksの法律顧問に付き添われている」。本稿もこれを反映して更新した。

[エクアドル大使は今もここモスクワ空港にいる。エクアドルがEdward Snowdenの最終目的地のようだ]

われわれが調べた限り、モスクワからエクアドルの首都キトに向かう直行便はないので、Snowdenは民間機を利用し、何ヶ所かで乗り継ぐ必要があるだろう(距離は標準的ジェット旅客機の航行距離をはるかに越えている)。キューバは可能性の高い候補地であり、今日、もしSnowdenがベネズエラに向かうならと議論された時にも選択肢に挙がっていた。米国は Snowdenのパスポートを無効化しており、これはエクアドルへの入国には問題ないものの、彼の旅程を複雑化する可能性はある。

Snowdenは合法的に香港を離れることができさと、今日香港政府は発表した。これは米国からの逮捕請求が「香港法の要求を完全に満たしていなかった」ためだ。香港は米国に対して追加情報を要求したが、未だにそれを受け取っていないため「Snowdenが香港外へ移動することを制限する法的根拠」がなかった。

なお、香港は米国に対して、自国のコンピューターシステムが米国機関によってハックされたとする先の報道について説明を要求していることも注目される。

Snowdenはアエロフロート機で香港からモスクワに向かい、数時間前に着陸したが、最新報道によると、彼はそこからキューバを経て最終的にベネズエラに向かうと見られている。もし彼がモスクワのシェレメチェボ空港に乗り継ぎのために滞在しているのであれば、たとえ米国が要求してもロシアが彼を拘留できる可能性は低い。ABCのKirit Radia記者は、Snowdenの同乗客から話を聞き、彼の乗った便は「外交官車両」に出迎えられたが、どこの国のものかは不明だったと伝えている

[ロシアのインターファクスによると、ベネズエラの外交官が、モスクワ空港の駐機場でSnowdenを車に乗せた。すぐに連れ去った。#NSA]

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(翻訳:Nob Takahashi)


米国政府、NSAは法的承認なく国内通話を傍聴可能とする報道を否定

昨日(米国時間6/15)の、NSAが議会に対する秘密の説明会で、同局アナリストは「本人の判断のみ」で国内通話を傍聴できると発表したとするCNETの報道は、テクノロジーおよび政治ブログ界で大きく話題になった。しかし今日国家情報長官(ODDI)は、この記事を「事実に反する」とする声明を発表した。

CNETの記事は、Jerrold Nadler下院議員のコメントに基づいており、記者によると、同議員はNSAから「通話の内容は『アナリストのみの判断』でアクセスできる」と言われた。もしこれが真実なら、アナリストの勘だけで国内通話の傍聴が可能というのは、かなり危険な発想だ。

ODNIによると、「一人のアナリストが適切な法的承認を得ずに国内通話を盗聴できるという説明は事実に反しており、議会に対してもそうは伝えてもいない」。ODNIによると、下院議員らは、外国諜報活動偵察法(FISA)702条の適用に関して説明を受けただけで、これは正当な海外情報収集目的で滞在している外国人を対象としている。

ODNIが以前説明したように、この法令はアメリカ人を対象として使用することができない。しかし、多くの評論家が指摘するように、これらのプログラムの適用範囲から考えると、国内通話および他の通信手段も網にかかる可能性は高い。さらに政府は、調査対象がアメリカ人または合法的市民ではないという判断には、わずか51%以上の確信があればよいとしている。

以前、国家情報長官、James R. Clapperは、NSAのPRISMプログラムに関する最近の暴露報道には「多数の誤り」が見られ、データの発掘および「いかなる米国市民、あるいは在米人を意図的に標的とする」ためにPRISMを利用することはできないことも主張している。

元の記事を報じた後、CNETは記事の見出しを「NSA、令状なしで米国内通話の傍聴可能と認める」から「NSAのスパイ活動範囲、米国内通話内容にも拡大」へと変更し、Nadler議員を主たる引用元とした。記事の主旨は変わっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAはプライベートデータにアクセスしたがそれは”直接アクセス”ではなかった–NYTの報道より

混乱という名の霧が徐々に晴れて、NSAの監視計画PRISMを取り巻く事実が少しずつ分かってきた。The New York TimeのClaire Cain Miller記者の記事によると、ユーザに対する政府のスパイ行為を手伝ったとされるテク企業は、たしかにサーバへの直接アクセスができるバックドアを提供してはいない。

しかし記事によると、政府と自分たち…Microsoft、AOL、Apple、Facebook、Yahoo、Paltalkなどの企業…にとって、“政府の適法的な要求に応じて外国人ユーザの個人データをより効率的かつよりセキュアに共有する”ことが、より容易にできるべく便宜を図った、とされている。

場合によっては、そのためにコンピュータシステムに変更を加えた企業もある。たとえばGoogleとFacebookは、政府機関のデータ要求に対応するための“セキュアなポータル”を作ることを議論したらしい。要求されたデータをそこにアップロードしておき、政府機関にはそこからデータを取り出してもらうのだ。それはスパイ小説に出てくるdead dropを思わせるが、しかしそれ的な部屋は通信企業のスィッチングセンターにはかなり前からあったという。

記事はさらに、ある政府機関が特殊なソフトウェアを企業のサーバにインストールした例を挙げている。企業名は明らかでないが、そこから数週間に亘ってデータを政府職員のラップトップにダウンロードしたそうだ。

どんどん増加〜更新されていくサーバ上のデータを、リアルタイムで監視するケースもあったようだ。

企業は、何も知らないと言い張っているが、彼らのその主張と、この記事に述べられていることは、言うまでもなく大きく隔たっている。The New York Timesは、この対政府作業を担当させられた社員には箝口令が敷かれているのだ、と主張している。でもGoogleやFacebookのような企業の内部で、どうやって隠しおおせることができたのか、それが不思議だ。

〔関連記事: 企業はNSAのために隔離システムを作った(未訳)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


煙幕のような関与否定声明の向こうに本当の事実が透けて見える

“直接的なアクセス”をさせたことがない、は、“アクセス”をさせたことがない、とは違う*。“バックドアはない”、は、“ドアはない”とは違う。“法に従ってのみ”は、PRISMが違法だったを意味しない。また、関与するために計画のコードネームを知っている必要はない。Larry、そしてZuck、きみたちはNSAのデータスパイ計画への関与の否定を、平明率直な言葉で語っていない。そして、その理由も分かる。きみたちは政府のスパイ行為を手伝ったが、そのあと、口止めされたのだ。〔*: direct access, 関連記事: 直接的ではないアクセスをNSAに与えた。〕

The New York Timesの記事は、きみたちがそれをそれと知りながら、NSAのデータ監視計画PRISMに関与した、と言っている。きみたちは、人びとのプライベートな通信とWeb上の行動を政府がのぞき見するために、“鍵のかかったメールボックスを作ってその鍵を政府に与えよ”、とまで言われた。

PRISMに関して言っていいこととわるいことが事前に決められていて、きみたちはそれを気にしているのだろう。というかきみたちは、政府に透明性の向上を求めることによって、なんとか反撃しようとしているのかもしれない。Markの声明の最後のくだり、“すべての政府は、公共の安全のためのすべての施策に関し、透明性を確保すべきである”を解読すると、こうなる: “われわれは手錠をかけられているから、われわれの関与を明かせるのは政府だけである。ぜひ、そうしてほしい”

しかし残念ながら、実際にはきみたちはNSAに、われわれのプライベートなデータへのアクセスを提供し、だからきみたちの、率直ぶりっこしているが技術用語の多い声明文は、事実が明るみに出た今、私たちを悲しませるだけなのだ。

きみたちが使った言葉は、事実を偽装している。直接的アクセスは、あいだに何もない無制約のアクセスだが、政府は、サーバに直接アクセスしなくても必要な情報を得ることは十分にできる。バックドアは、ホストが知らなかった、あるいは同意しなかったアクセスのことだが、きみたちはNSAの覗き行為を十分に知っていた。NSAの行為は法によって保護されているのだろうから、合法なのぞき見のみ認めるというきみたちの言い分は、空文だ。PRISMという名前を知らなかったというが、政府がスパイ行為をするにあたって、計画のコードネームとか、そんな細かいことをきみたちにわざわざ教えるだろうか? 彼らは、データが必要だ、と言っただけだ、きっと。

今となっては、これらの言い訳はうつろに響く。ふつうの市民にとっては、細部はどうでもいい。彼らは“ぼくたちはNSAを手伝わなかった”というきみたちの声を聞いたが、でも実際には手伝った。だから、彼らのきみたちへの信頼は、崩壊した。

危ないのはきみたちのビジネスと、私たちの生活だ。ぼくの友だちは全員、Google Docsを使っている…それは良いことだと思っていた。Facebook Eventに友だちを誰でも招待できる…それもすてきなことだ。でも、そんな友だちが、きみたちの言うことを信じられなくなってDocsやEventを使わなくなったら、すごく不便だ。でも、不便さよりもっと重要なのは、PRISMがわれわれの自由を奪ってしまったことだ。

しかも、今のきみたちの沈黙は、罪を認めているシルシだろう。われわれの政府はきみたちを、おそろしい立場に追い込んでしまったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleのPageに続きFacebookのZuckerbergもPRIZMへの関与を否定

Mark ZuckerbergがさきほどFacebook上で、FacebookがPRISMに関与したという非難に対し、個人として応答した。その中で彼は、同社のサーバへの“直接的アクセス”を政府に与えたことは一度もない、と言明している。

数時間前にはGoogleがやはり、PRISMをめぐるあれやこれやに対して応答した。この、PRISMと呼ばれる、NSAとFBIによる国家レベルのハッカー行為、いやクラッカー行為により、合衆国の情報技術系大企業Facebook、Google、Microsoft、Appleなどのサーバがアクセスされ、ユーザ情報が盗視された、と言われている。

Zuckの応答はLarry Pageのそれと、あまり変わらない:

PRISMに関するひどい報道に対して、個人的に応答したい。

Facebookは合衆国やそのほかの政府に弊社のサーバへの直接的なアクセスを与えるいかなる計画にも、加担したことはない。弊社は、Verizonが受け取ったとされているような、大量の情報やメタデータを求める、何らかの政府機関からの包括的要求や裁判所命令を受け取ったことは、一度もない。もし受け取っていたら、断固拒否したであろう。PRISMについても、昨日までは一度も聞いたことがない。

政府がFacebookにデータを求めるときには、弊社はその要求を慎重に精査し、正しい手順に従っていることと、すべての関連法に照らして要求が適法であることを確認し、法が正当に要求している情報である場合のみそれらを提供する。ユーザの情報の安全と保安のためには弊社は今後とも断固たる態度をとり続ける所存である。

すべての政府は、公共の安全のためのすべての施策に関し、透明性を確保すべきである。それが、市民の自由を守り、われわれが末永く望む安全で自由な社会を作るための、唯一の方法である。

このポストは私がこの記事を書いてる時点(日本時間6/8 7:00amごろ)で56000あまりのLikeを集めている。

なお、Pageの声明文とZuckerbergのそれは、とてもよく似ている。下に引用したツイート中にあるリンクのDocを、チェックしてみよう:

この計画に関わったとされるすべての企業が関与を否定している。それらは、Facebook、Google、Microsoft、Apple、Yahoo、Dropbox、PalTalk、そしてAOLだ。8社中5社は、いかなる政府機関にもサーバへの“直接的アクセス”を与えたことはない、と言っている。半数以上が、“PRISMという名を聞いたことがない”、という。PageとZuckerbergの両人は共に、“昨日初めて知った”と言っている。

各社の声明があまりにも似ていることを、陰謀説の根拠とする者もいる。それは必然的なドミノ効果だ、と見る向きもある。事実はいまだに闇の中だが、一社が関与を否定したら他もそれに従わざるを得ない。

〔訳注: 私はFacebookアカウントをアメリカのオレゴン州あたりからハックされ、Facebookを(パスワード変更後)完全脱会したけど、その完全脱会の“完全性”にもいまだに完全な信頼はおけない。Facebookは、こんな退屈な声明文ではなく、ログとその分析結果を公開したらどうだろう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、「政府のPRISM監視計画には情報もバックドアも提供していない」と全面否定

アメリカ政府によるPRISM監視計画に基づくユーザー情報へのアクセス要求を受けたと報じられた企業はそろって計画への参加をを否定する短い声明を発表している。もちろんGoogleも同様の声明を発表した。同時に、CEOのラリー・ペイジと最高法務責任者のデビッド・ドラモンドによる詳しいコメントを公表した。

この中でペイジとドラモンドは「Googleはアメリカ政府にユーザー情報への直接アクセスを許可したこともデータセンターへの『裏口』を提供したこともない。またGoogleは昨日までPRISMなる計画の存在さえ聞いたことがなかった」と主張している。

またコメントには「Verizonが受けたとされるような何百万もの通話情報を開示するに至るような広汎な情報提供要請をGoogleが受けたことはない。今週マスコミが報じるまでそうした計画が存在することも知らなかった。そのような計画が存在したことを知って大いに驚いている」と述べられている。

もちろん一番重要な一節は「Googleは今後とも政府にユーザー情報への無制限なアクセスを提供するつもりはない。Googleが政府にそのような無制限のアクセスを与えているというマスコミ報道は全くの誤りである」という部分だろう。

ペイジとドラモンドは「Googleは情報開示を求める法的要求を拒絶することに一度ならず成功してきた。今回の事件は政府の情報収集にはさらに透明性の高いアプローチが必要だというわれわれの以前からの信念を強めるものとなった」と書いている。そのアプローチの具体的な内容までは説明されていないが、「現在の法的プロセスに蔓延している秘密主義はわれわれが尊重してきた自由を危険にさらすものだ」と指摘している。

〔日本版〕Facebookのマーク・ザッカーバーグも同様の趣旨のコメントを発表した。”

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+