Rettyが飲食店向けモバイル注文システム「Retty Order」を今秋提供、飲食店経営のDX実現第1弾

Rettyが飲食店向けモバイル注文システム「Retty Order」を今秋提供、飲食店経営のDX実現第1弾

実名口コミグルメサービス「Retty」(iOS版Android版)運営のRettyは8月21日、飲食店経営のDX実現を目指し、飲食店向けモバイルーオーダーシステム「Retty Order」を2020年秋めどに提供開始すると発表した。また、同サービスに賛同し、開発フィードバックに協力可能なパートナー飲食店店舗を募集。協力期間中の無料サービス提供などの特典を用意している。

Retty Orderは、スマホによるモバイルオーダーですべての注文を完結させることで、店舗のオペレーションを効率化。丁寧な接客コミュニケーションが可能になり顧客体験を向上させるなど、飲食店経営のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するサービスという。テイクアウト機能については、すでに一部店舗にて導入を開始済み。

Rettyが飲食店向けモバイル注文システム「Retty Order」を今秋提供、飲食店経営のDX実現第1弾

Retty Orderが目指す飲食店経営のDXとしては、データを活用した新しい顧客体験、ペーパーレスで効率的な業務フロー、キャッシュレスによるスマート決済を掲げている。

また同サービスに賛同し、開発フィードバックに協力可能なパートナー飲食店店舗の募集を開始。協力期間中の無料サービス提供などの特典を用意している。問い合わせは、Retty Orderサイトより行える。

2011年6月サービス開始のRettyは、グルメに強いこだわりを持つ方々を中心に、「オススメ」したいお店の情報を実名ベースで投稿する形で運営。「自分にベストなお店が見つかる」グルメサービスとして、20〜40代の男女を中心に、幅広い年代が利用しているという。2018年11月には、月間利用者数が4000万人を突破した。

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スマホ決済のPayPayとグルメサービス「Retty」を運営するRettyは4月2日、Retty上でPayPay加盟店の紹介、PayPayアプリ上でRettyの掲載店舗情報を表示といったサービスの連携を開始した。

Rettyは月間4000万人以上が利用する実名口コミグルメサービス。4月下旬からはスマホアプリ上でPayPayを利用できる飲食店を検索できるようになる。PayPayでは「第2弾100億円キャンペーン」を実施中で、還元上限5000円として決済金額の20%がPayPay残高に還元される。もちろんRettyに掲載されているPayPay利用可能店舗でも同キャンペーンは有効だ。歓迎会などが多くなる4月、5月、幹事としてこっそりRettyでPayPay対応店舗を予約するものアリだろう。

両社は今回の提携の狙いとして、ユーザーの利便性向上と掲載店への集客支援を挙げている。今回の連携を機に、Retty掲載店のみの還元キャンペーンなどを実施すれば、飲食店に対してRettyやPayPayへの加盟喚起を促せる。またRettyがキャンペーンの原資を負担すれば、臨機応変なキャンペーン施策を打てるはずだ。

実名グルメサービスRettyにYJキャピタルが資本参加、ヤフーと戦略的提携へ

グルメ情報の実名投稿メディア「Retty」を運営するRettyは5月16日、ヤフー子会社のYJキャピタルによる資本参加と、ヤフーとの戦略的パートナーシップを構築すると発表した。

Rettyは2011年6月にサービスを開始した、実名でのグルメ情報投稿サービス。20代から40代の男女を中心に利用者を抱え、2017年5月には月間利用者数が3000万人を突破した。2016年7月にはWiLなどから11億円の資金調達を実施している。

今回の資本参加によるシナジー創出を実現するため、Rettyとヤフーはグルメ情報サービス領域での戦略的提携に合意。ユーザーのニーズに合った飲食店の紹介、飲食店への送客をさらに強化するため、両社で飲食店向けのオンライン予約・集客サービスの開発を検討していくという。

ヤフーでは現在、地域情報サービス「Yahoo!ロコ」での飲食店情報提供、「Yahoo!ダイニング」での飲食店予約受付などのサービスを展開している。また2012年8月に、カカクコムが運営する食べログと、ヤフーからの送客に応じて広告収入を得るという形で連携している。

Retty代表取締役の武田和也氏は、今回の資本参加・連携について「日本最大級のポータルサイトであるヤフーからのRettyへのアクセスは非常に多く、ヤフーユーザーに向けてより充実したグルメサービスを展開していくことは、Rettyユーザーへのサービス拡充にも繋がると判断した」とコメント。

「飲食店向けのオンライン予約・集客サービスの開発については、両社のアセットや強みを最も発揮できる領域であり、かつインターネットにおけるユーザーの強いニーズである『お店が見つかり予約できる世界』を実現するために最良の取り組み」として、この領域からのパートナーシップ構築となった経緯を説明している。

また武田氏は「その他の具体的な取り組みについて現時点では未定」としながら、「Rettyの保有する数百万件の口コミデータや1500万枚超の投稿画像、約80万件の飲食店基本情報と、ヤフーが提供する地域情報サービスとの連携強化などを通じて、Rettyのグルメメディアとしてのさらなる成長を目指したい」と述べている。

オフィス訪問:グルメサービス「Retty」の会議室名は料理、、、と思ったら違った

起業を目指す学生、事業を始めたばかりの起業家にとって、自分たちの将来像を描くことは重要なことだと思う。それと同じく、一足先にスタートを切った先輩企業たちの今の姿を見ることも参考になるかも知れない。

僕は先日、実名制グルメサービスを運営するRettyのオフィスに行ってきた。2010年11月に創業した同社のサービスは、今や月間3000万人が利用するまでに成長。2016年7月には総額11億円の資金調達も発表している。

そんな同社は、2017年7月にそれまでの五反田から麻布十番へとオフィスを移転したばかりだ。今回僕がおじゃましたRettyの新オフィスはこんな感じだった。

オフィスの全体像が分かる写真は下のフォトギャラリーに載せておくけれど、なかでも注目していただきたいのは、企業ごとの個性がでる会議室の名前だ。

会議室「タコス」改め、「9番」

Rettyの会議室の入口には、社員が撮影した料理の写真が飾ってある。

そして、それらの会議室は料理の名前がつけられている、、、と思ったら違った。正確に言えば、そういう試み自体はあったそうなのだが、結局浸透せずに実際には番号で呼んでいるのだとか。オフィスあるあるだ。

ちなみに、TechCrunch Japanを運営するOath Japanの会議室名は花の名前で統一されている。僕はただの1つも覚ていない。

  1. オフィスに入ってすぐの受付
  2. 社員の皆さんが集う共同スペース
  3. 共同スペースには大きな本棚も
  4. 本棚の裏に設けられたメイン会議室
  5. 各会議室には、社員が撮影したグルメ写真が飾られている
  6. 創業メンバーや社員たちの写真
  7. Rettyユーザーとの写真も
  8. 社内ミーティングやユーザーとの交流イベントに使われるイベントスペース

「信頼性、評価された」 実名制グルメサイトのRettyが月間ユーザー3000万人に

Retty代表取締役の武田和也氏

最近は情報の信頼性が問われることが増えているが、実名制を採用することで投稿の信頼性を担保しているグルメサイト「Retty」が好調だ。サービスを提供するRettyは7月13日、MAU(月間利用者数)3000万人を突破したことを明らかにした。

2016年7月にWiLなどからの資金調達を発表していたRetty。その際にはユーザー数2200万人(5月時点では2000万人)という数字を発表していたが、1年後の2017年5月には3000万人の大台を突破したとのことだ。登録された飲食店は約80万店舗、口コミ数は正確な数値を開示していないものの、数百万件規模になるという。

2016年12月には、フードジャーナリストや料理に造詣の深い人物らによる「TOP USER PRO」と、特定のジャンルやエリアに詳しい一般ユーザーによる「TOP USER」の認定制度を開始。現在51人のスペシャリストが認定されているが、彼らを起点にした飲食店の検索が可能になった。また2017年2月にはオウンドメディアの「Retty グルメニュース」を開始している。さらに同年6月には検索機能を強化した。

Retty代表取締役の武田和也氏はサービスの成長について、「アプリのダウンロードは引き続き伸びている。今は信頼性が求められている時代。実名投稿で信頼できるサービスであることや、信頼できる口コミが集まって検索でも上位に表示されるようになったことなどが評価されたのではないか」と説明する。

同社は五反田から麻布十番にオフィスを移転したばかり。新オフィスでは約100人のスタッフ(インターン等合わせると約170人)が働く。

「この1、2年でやってきたのはマネタイズの強化。ある程度マネタイズのめどが立てば引っ越そうと決めていたが、いよいよ黒字化も見えてきた」(武田氏)。Rettyでは現在、飲食店向けの集客支援事業と、アドネットワークやタイアップといった広告事業を展開している。今後も引き続き国内でのマネタイズを進めるが、並行してサービスの海外進出も本格化する。「すでにアジア向けにサービスを展開しているが、それは強化していく。サービスの特性として、2年くらいはコミュニティを作っていくものになる。まずはコミュニティマネージャーを置いて小さく立ち上げていっているが、比較的うまくいっている状況」(武田氏)。年内にも世界数カ国の都市ごとにサービスを提供していく考えだ。また今後はインバウンド向けの施策も検討中だという。

実名グルメサービス運営のRettyがWiLなどから11億円の資金調達、月間ユーザー数は2000万人突破

Facebookアカウント連動による実名グルメサービス「Retty」を運営するRetty。同社は7月28日、WiL、ABCドリームベンチャーズ、既存投資家(EIGHT ROADS VENTURES JAPAN)を引受先とした約11億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。またRettyではあわせて、MAU(月間ユーザー数)が5月に2000万人を突破したことも発表した(2016年7月時点で2200万人)。

Rettyでは今回の資金調達を元に、開発者の確保やオフィス環境整備を行うほか、サービス改善や規模拡大を進める。

ちょうど1年前に開催した戦略説明会で月間ユーザー数1000万人と発表していたRetty。Retty代表取締役の武田和也氏によると、その後も1カ月に約100万人ペースでユーザーを増やしてきているという。口コミの投稿数は80万店・270万件で、「口コミが一定の数になって、(ユーザー増加の)カーブが大きくなってきた」(武田氏)という。また都内が中心だった口コミも、大阪や名古屋、福岡、札幌など地方都市でも増加しているという。ユーザーの属性は20代〜50代だが、中心となるのは30代。各種競合サービスと比較しても若い世代が利用しているという。

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このユーザー数増加の原動力は何か? 武田氏は流入経路の割合を非公開とした上で、「SEOの割合は大きい」と語る。またスマートフォン(ウェブ、アプリ含む)とPCで比較すると、スマートフォンからのアクセスが7割になっているという。同社では年内にも月間ユーザー数3000万人を目指す。

Rettyではナショナルクライアント向けのブランディング広告と店舗向けの集客支援サービスでマネタイズを進めている。売上は両事業で「ちょうど半々くらい」(武田氏)な状況だが、近い時期にも単月黒字化する見込みだという。「集客支援事業もユーザー数が1000万〜1500万人を超えた頃から認知も広がって伸びてきた。競合サービスに追加して導入を決めてもらっているイメージ」(武田氏)

食べログ、「東京都の月間口コミ数ナンバーワン」と発表したRettyに反論

東京における月間口コミ投稿数の遷移

7月2日開催の事業戦略説明会で、「東京都において、国内最大のグルメサイトの月間口コミを超えた」と語り、サイト名こそ自ら出さないものの、東京都内の口コミ数でグルメサイト「食べログ」(MAUで6859万人で国内最大のグルメサイトだ)を上回ったと発表したグルメサイト「Retty」運営のRetty。その発表内容に対して食べログを運営するカカクコムが「Retty株式会社発表の弊社サイト「食べログ」口コミデータの訂正」という名称で反論のコメントを発表している。

食べログは200文字以上のコメントのみ「口コミ」として計測

食べログサイドの説明によると、実際にRettyに対して事実関係を確認したところ「口コミ数」自体が異なる基準で算出されているのだという。具体的には以下の通りだ。

■「食べログ」の口コミ数の基準
200文字以上のコメントを含む口コミ数

■「Retty」の口コミ数の基準
コメント無し、写真無しのものでも、スコアと利用シーンなどのお店の魅力が伝わるものを含んだ投稿数

食べログでは、「おいしい」「行きました」だけの短い口コミや、「(写真がないので)本当に行ったか分からないけど口コミしました」といった口コミはそもそも口コミではない、そんなノイズを排除した数字を出していると言っているわけだ。食べログがRetty基準で計算した場合の月間口コミ実数は以下の通り。Rettyの月間口コミ数は発表されたグラフから見る限り5万件弱(実数は現在同社に確認中)。まだまだ倍近くの数があるというわけだ。逆に言えば、Rettyが食べログの月間口コミ数の半分になるまで来ているとも見られるが。

4月 9万6802件
5月 10万5362件
6月 9万8527件

Rettyの投稿は「東京都が大半」と主張する食べログ

食べログはこれに加えて、Retty基準での全国の口コミ数も発表している。直近3カ月で毎月30万件の口コミが投稿されており、「東京都の投稿が大半であるRetty社に対して、食べログでは東京都以外の全国各都市においても活発に投稿が行われております」としている。

4月 29万7086件
5月 33万6333件
6月 29万7284件

Rettyは累計口コミ数170万件とは発表しているものの、東京以外での口コミ数については発表していない。昨日の説明会でもRetty CFOの奥田健太氏が「大阪をはじめとした都市部を中心に成長している」といった旨を説明するにとどまっている。そのため具体的な数字に関してはなんとも言えないけれども、東京での口コミが中心になっているのは間違いないだろう。

その根拠となるのはRettyが実名制を採用していること。RettyはFacebookログインを使った実名制のサービスだ。実際の口コミ数は非公開でも、「口コミを投稿することが可能なユーザー数」を調べることは容易だ。

Facebookの広告ツールの数字をもとにすると、国内の18歳〜65歳以上のFacebookユーザーは2300万人、そのうち東京都のユーザーは450万人(周辺のエリアでは神奈川県:230万人、埼玉県:120万人、千葉県:120万人、エリア合計で920万人)、大阪府は210万人(周辺エリアでは京都府:65万人、兵庫県:110万人、奈良県:65万人、エリア合計で450万人)、愛知県は150万人となっている。東京と大阪、もしくはそれぞれの周辺地域を含んだ数字を比較しても東京のFacebookユーザーは2倍という状況なのだ。この数字だけでもある程度口コミが東京に集中していることは想像できると思う。

食べログの発表についてRettyに聞いたところ、以下のような回答が返ってきた。

弊社として「口コミ」の定義を、コメント投稿に加えて、ユーザーにより選択された「オススメ度」と「利用シーン入力」、「おすすめの食事入力」などユーザーのお店選びの意思決定に資する情報としております。
ここの部分に関して両社の解釈が異なっていると思われます。
競合他社が「Retty社の口コミ数の定義に従った場合の食べログの口コミ数」として発表している数値は、リソース等不明なので詳細わかりかねますが、上記解釈の相違により我々の定義による競合他社の数値とは異なっており、依然、我々の発表した競合他社の数値は、Rettyの定義において正しく算出する上では、間違っていないものと考えています。
従って、競合他社のリリース内容に関しては、弊社はなんらその正確性/妥当性について保証していない点お伝えいたします。

食べログの「文字数も写真もない口コミは口コミじゃない」という意見に対して、Rettyは「文章以外の指標を入力することは、ユーザーの意志決定を助ける立派な口コミだ」としているのだ(もちろん、食べログにも点数をはじめとした各種の指標がある)。

両社の指標の是非については読者の判断にゆだねたい。しかしこうして食べログが緊急のリリース(プレスリリース配信サービスの「PR TIMES」では19時04分配信だった。通常プレスリリースは10時とか15時といったキリの良いタイミングにセットしておくものだ)を出すということは、かつてぐるなびやホットペッパーによる営業力勝負のグルメサイト全盛期の時代から着々とその地位を築いてきたきた食べログが、今度は後発のRettyを意識せざるを得ない状況に来ている、ということは確かだろう。

グルメサービスのRettyが10億円を調達、年内にも海外展開–アプリも検索ロジックを一新

Retty代表取締役の武田和也氏

実名グルメサービス「Retty」を手がけるRettyが、年内にも北米およびアジア進出を目指す。海外進出、そして組織体制強化に向けて、Fidelity Growth Partners Japanのほか、既存投資家のグリーベンチャーズ、みずほキャピタルから合計10億円の資金調達を実施した。

ユーザー数は月間100万人単位で増加

2013年12月に3億3000万円の資金調達を実施したRettyだったが、その後2014年に入りユーザー数は急増。2015年2月には月間700万人を突破。直近では1カ月100万人単位でユーザー数が増加しており、3月は800万人まで増加する見込みだという。ちなみにグルメサイト古参のぐるなびはユーザー数5200万人(2014年12月時点)、カカクコムの「食べログ」は6369万人(2014年12月時点)。どのサービスも開示された資料などを見ると、ユーザー属性は30〜40代が中心だそう。

Retty代表取締役の武田和也氏は、「ぐっと伸びているのを実感している。ユーザーだけでなく、店舗からの認知も上がっている。最近ではテレビCMをやってるサービスなども多いが、我々ははほとんど広告などを使っていない。口コミやSEOでの自然増だ」と語る。口コミは現在150万件、掲載店舗数は都市部を中心に全国25万件。「良質なコンテンツが蓄積された結果、それが価値を作っている」(武田氏)。

店舗の情報をテーマごとに複数件紹介する「まとめ」もトラフィックを集めているそうで、「『渋谷 ランチ』といった検索でも検索結果上位に入っている」(武田氏)という状況。なお全体のトラフィックはすでにスマートフォンが8割以上(ウェブ、アプリの合計。比率は非公開)で、PCは2割に満たない状況だという。

年内にも北米、東南アジアへ進出

今回の資金調達の目的の1つが海外進出だ。年内にも北米および東南アジアにコミュニティーマネージャーを置き、サービスを展開していくという。

「『英語圏』『スマートフォン』『外食文化』の3つのキーワードを重視している。Rettyは2011年6月にスタートしてここまできたので、先行投資で2年くらいはかかると思っている」(武田氏)とのこと。

すでに北米ではYelp(全世界で1億3500万ユーザーだ)が国内の食べログ的な立ち位置になっている印象もあるが、サンフランシスコやニューヨークなど、都市ごとのサービス展開を検討しているそうだ。アジアに関しては、シンガポールや香港などの名前も挙がった。

100人超の組織に、インターンも活躍

Rettyは今月中にもオフィスを移転する予定。現在は社員数は約30人、インターンも約20人(そこから新卒の社員になった人間もこれまで3人ほどいるそうだ)という規模だが、これを数カ月以内にも100人体制まで拡大する予定だという。余談だが、すでにインターンから「カウモ」「TravelBook」といったサービスを手がける起業家も生まれているそうだ。

ビジネス面では、2014年9月からネイティブアドを開始。すでに複数のナショナルクライアントから出稿があったという。「ユーザー数が数百万人となってから、店舗などからの問い合わせ件数も変わってきた」(武田氏)。また以前から語っていた店舗向けの有料機能についても、一部試験的に提供を開始しているそうで、状況を見て正式に展開していく計画だ。

アプリも刷新、ユーザーの好みを検索に反映

実は取材のたびに何度もスマートフォンアプリのユーザー数を聞いてきたのだけれども、Rettyは一度もその数字を開示していない( Google Playで確認しても「インストール数1万~5万件」とのことなので、700万というユーザー数全体から考えれば決して大きい数字ではないと思う。ちなみにぐるなび、食べログはともに「100万〜500万件」)。そんなスマートフォンアプリにもテコ入れを実施している。

iOS版はアプリをフルリニューアル。UIを一新したほか、検索ロジックについては、ソーシャルグラフやユーザーの嗜好(しこう)性を重視するように大きく変更した。Android版アプリでも検索機能が新しくなった。

例えば食べログなどで「渋谷 カレー」と検索した場合、どのユーザーであっても同じ点数順のランキングが表示されるが、新アプリでは、ユーザーがRetty上でフォローしているユーザーやブックマークしているレストランの傾向によって、独自の検索結果を表示するのだという。

「ランキング形式での表示は分かりやすいが、『高級な店』を求めている人もいれば『コストパフォーマンスのいい店』を求めている人もいる。アプリでは多様性を打ち出して、ユーザーごとに好みに合う結果を提供する」(武田氏)


実名制グルメサービス「Retty」は月間ユーザー300万人に 検索機能も刷新

グルメサービスには「ぐるなび」「食べログ」といった巨人が存在するが、一方でRettyが運営する実名型グルメサービス「Retty」がユーザーを拡大させている。これまでの口コミ投稿は90万件を超え、月間利用者数は2013年10月に100万人を突破。2014年2月には200万人となり、4月には300万人まで拡大しているという。この数字は、前年同月比で927%増となる。ユーザーは30〜40代の男女を中心が中心となる。


Retty代表取締役の武田和也氏によると、すでにスマートフォン(ウェブ、アプリの合計)へのアクセスが9割を占めており、ウェブに関しては検索流入も増加している。「Googleが検索のアルゴリズムをアップデートしているが、SEOではなくコンテンツの内容を意識してきたRettyにとってはプラスになると考えている」(武田氏)。スマートフォンにおけるウェブとアプリのアクセス数の比率は非公開とのこと。

そんなRettyは5月26日、スマートフォンアプリの店舗検索機能をリニューアルを実施した。今回のリニューアルでは、店舗情報の下部にユーザーの口コミが表示され、より「人」にフォーカスした検索が可能になるという。たとえば「広告代理店の人がお勧めする会食のお店」「女性がススメルデートのお店」といった、口コミ投稿者の属性や嗜好をもとにした店舗検索ができる。

またRettyでは、一部店舗に限定して試験的に店舗情報の管理機能などを提供をし始めている。こちらは今夏にも正式に公開される予定だ。


実名グルメ「Retty」が3.3億円調達、「行きたい」ユーザーにクーポン配布で収益化

実名ベースの飲食店口コミサービス「Retty」を運営するRettyは2日、シリーズBラウンドとして、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、みずほキャピタル、既存投資家を割当先とする総額3億3000万円の第三者割当増資を実施した。これに伴い、Rettyを収益化する人員や体制を強化し、2014年春から飲食店向けの課金サービスを始める。

Rettyはお気に入りの飲食店の情報を友達と共有できるソーシャルグルメサービス。登録ユーザーの8割以上がFacebookアカウントでログインしているので、信頼性の高い実名ベースの口コミが投稿されるのが特徴だ。他のユーザーの投稿に「行きたい」ボタンを押して「行きたいお店」リストに追加し、外出先からスマホで現在地周辺の「行きたい」店を確認するといった使い方もできる。

「Retty上でグルメな友人や食の嗜好が合う人をフォローすれば、例えば渋谷で働く人がランチで通っている飲食店がわかったり、広告代理店の人がオススメする接待用の飲食店をチェックすることもできます。備忘録のかわりに気に入った飲食店を登録するユーザーも結構多いですね。」(Rettyの武田和也社長)

最近では検索エンジンやソーシャルメディア経由の流入が増え、10月にはユニークビジター数が100万人を突破、翌11月には130万人まで伸びている。これまでに投稿された口コミは70万件を超え、掲載されている飲食店16万件のうち8割に「行きたい」ボタンが押されているのだという。

2011年5月にサービスを開始して以来、ユーザー数を増やすことに注力してきたRettyだが、いよいよ収益化に着手する。まずは「行きたい」ボタンを押したユーザーに対して、飲食店がクーポンを配信するツールを有償で提供する。実名ベースで「行きたい」意志を表しているユーザーにリーチできるので、単なるバラマキのクーポンよりも効果が高いとみている。資金調達では、収益化に向けたエンジニアやマーケティング人員を強化。社員を現在の7名から約30名に増員する。

余談になるが、Rettyは7名の社員全員に「ランチ自転車」を与えているのだという。オフィス周辺にあるRettyで話題の飲食店でランチする際の移動手段として使うためだ。Rettyは赤坂、新宿、六本木、築地と次々にオフィスを移転しているが、理由は「周辺の飲食店をすべて制覇したため」(武田氏)。そして築地の飲食店を食べ尽くしたのか、12月には恵比寿に引っ越しした。

「単なるグルメ好きと思われるかもしれませんが、サービスの運営メンバーはいちばんのヘビーユーザーであるべきなんです。Rettyをやっていると行きたいお店がどんどん増えてきて、実際に投稿すればバグも見つかり改善案も出てくる。もちろんグルメが好きなので、恵比寿でもエンゲル係数を気にせずに食べ尽くしていきますよ。」

Rettyは2012年10月、グリーベンチャーズ、NTTインベストメント・パートナーズ、三菱UFJキャピタルの3社を引受先として、総額1億円のシリーズAラウンドの資金調達を実施。その1年前には、サイバーエージェント・ベンチャーズとエンジェル投資家から2200万円を調達している。