月にモバイルネットワークができる!

ローミング料金はいくらになるのだろうか。月(そう、あの自然の地球衛星)にモバイルネットワークが作られつつある。このネットワークを使うと、HDビデオのライブを月面から地球にストリーミングできるだろう。Elon Muskのスターマン劇以来、宇宙ストリーミングが注目の的だ。

月面ネットワークを構築するのは、キャリアーのVodafone Germany、ハードウェアメーカーのNokia、そしておそらくもっとも意外なのが、自動車メーカーのAudi。Reutersが伝えた。このプロジェクトは先日バルセロナで行われたMobile World Congressで発表された。必要なネットワークハードウェアを送るための打ち上げ目標時期は2019年で、打ち上げはSpaceXが担当する。

参加各社はベルリン拠点の有志科学者チーム、PTScientistsと協力してプロジェクトを進める。

モバイルネットワークを月に作るというと、一見未来的な目標だが、このプロジェクトが利用するのは4G接続で、現在世界展開の初期段階にある5G標準ではない。プロジェクトがやや古いテクノロジーを使うのは意図的であり、宇宙の厳しい環境下で使うために信頼性が高く運用が容易なものを選んだ。

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新しい宇宙服の‘無事にお家(うち)に帰る’機能は、宇宙飛行士の生命を救うだろう

VCの老舗Draperは最近、研究開発部門を作ったが、そこから産み落とされる最初の卵は、船外作業をした宇宙飛行士が安全に帰船できるための宇宙服だ。すでに特許を申請しているその技術は、本船に帰還する際の宇宙飛行士自身による、ぎごちない‘手作業ナビ’をなくして自動化する。

その機能を宇宙飛行士自身やそばにいるほかのクルー、あるいは地上にいるスタッフがonにすると、宇宙服が内蔵している補助エンジンが作動し、自動的に、指定された安全な場所までガイドする。宇宙ではGPSが使えないから、本船帰還のナビで間違うと、酸素不足など生命の危険にさらされる可能性もある。本製品は、そういうヒューマンエラーを自動的に防ぐ。

そのシステムは帰還過程の100%をコントロールするわけではないが、宇宙服の中にいる飛行士のHUD(ヘッドアップディスプレイ)上に、視覚的な情報や指示を表示する。また進行方向を変えるべき箇所では音声による指示も行われる。さらに、船外活動中で起きた異状に関しては、触覚へのフィードバックも行われる。それらのサインが、最初から決まっているプランからの逸脱を緊急要請する場合もある。

応用範囲は宇宙だけでなく、地上での危険作業やスカイダイビングなどにも利用できる。またブーツやグラブについても研究が進められており、それらの末梢器具からのさらに精密な位置/動き情報を期待できる。

多くの場合、これまでの宇宙服は着用者にとって邪魔物である。しかしこのような研究によって機能が強化され、邪魔物を卒業できるかもしれない。火星の植民地化など、宇宙の適正な商用化が軌道に乗るためには、多機能で安全性の高い宇宙服がどうしても必要だ。

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Google Mapsで訪問できる太陽系の惑星に冥王星と火星が加わった、土星の衛星も

Googleが今日(米国時間10/16)Google Mapsの、太陽系の主な惑星とその衛星を仮想訪問できる機能をアップデートした。今回のアップデートで冥王星と金星、そしていくつかの衛星が加わり、またそれらをMaps上で見つけやすくなった。これでGoogle Mapsには今や、16の天体の画像がある。

Googleは前から、火星と、地球の衛星(月)の詳細画像を提供していたが、それらをMapsから見ることは久しくできなかった。しかし今では土星の衛星エンケラドスディオーネ、3つめに大きな衛星ヤペトゥスなども、Google Mapsから行けるようになった。

これら、さまざまな衛星や惑星のマップは、天文アーチストBjörn JónssonとGoogleが共同で制作した。

この新しい画像にアクセスするためには、ふつうの地上のGoogle Mapsからズームアウトしてもよいし、ここからいきなり行ってもよい。

これらの惑星の探検をすべて終了したら、最近Google Mapsのストリートビューに加わった国際宇宙ステーションに立ち寄ってみるのもよいだろう。

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SpaceX、Falcon 9ロケットの発射と3度目の回収に成功

本日(米国時間10/11)SpaceXはFalcon 9ロケットの今年15回目の打ち上げに成功した。ロケットはフロリダ州のケネディ宇宙センターから飛び立ちEchoStarおよびSESの二重目的ミッションをもつ衛星を搭載している。今回打ち上げに使った第一段ロケットは2月に宇宙ステーションの補給ミッションで飛んだ後回収され、SpaceXによって修復された。

LC-39Aの発射は、6:53 PM EDTからのSpaceXの発射時間帯の初期に実行された。積載された通信衛星はクライアントであるEchoStarのKuバンドおよびSESのCバンド両方の送受信が可能だ。

SpaceXは、第一段ロケットの回収に再び成功した。これは、状態がよければ使用したFalcon 9を3度目の飛行に利用できることを意味している。着地したのは大西洋上のSpaceXのドローン船 “Of Course I Still Love You” 。SpaceXにとって、Falcon 9第一段ロケットの18回目の着陸成功だった。

これはSpaceXにとって、月曜日午前のイリジウム-3ミッションに続く、今週2回目の打ち上げだった。将来SpaceXは、打ち上げのペースを早めるだけでなく、ロケットを24時間以内に再利用したいと考えている。同じ週に複数のロケットを打ち上げられるようになれば、長期計画にも良い影響を与える。

発射からおよそ30分後、SpaceX Falcon X第二ステージは、積荷を目標軌道に配置することに成功し、SpaceXにとって本ミッション全体が成功裏に終わった。

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World Viewの成層圏気球がツーソン本社からの浮上操作に成功、商用化に一歩前進

成層圏気球をさまざまな目的のために提供するWorld Viewが、同社の発表によると、アリゾナ州ツーソンの本社から、その最初の浮上に成功した。その新しい本社は公式には2月にオープンしたが、その後今日まで各種の準備作業に追われ、本日(米国時間10/1)やっと初浮上に至りついた。

World Viewは高高度の気球船を使うことにより、商用宇宙ビジネスに新しい分野を開拓しようとしている。その気球は地球の大気圏の上端で運用され、科学研究や観測などの目的に、低地球軌道人工衛星よりずっと安い費用で利用できる。その成層圏高度は、長期的な観測サイトにも適しており、気象観測や国防用途にも向いているとされる。

ツーソンにおける初浮上は、土曜日(米国時間9/30)に行われ、その前の気球充填テストは8月半ばに行われた。ツーソンの本社には浮上のための施設設備だけでなくオフィスもあり、巨大な気球を手作業で組み立てるための世界最長のテーブルもある。将来的には客室のある気球も構想しており、それが実現したら成層圏観光旅行や科学者たちの搬送も可能になる。

World ViewのCEO Jane Poynterによると、ツーソンからの最初の浮上は同社の(ブランド名)Stratollite気球の一連の開発および立証過程における、重要な里程標のひとつにすぎないが、今日の成功を踏まえて今後は徐々に、長期の滞留や永続的ステーションの実現に向けて努力していかなければならない、という。

ツーソン本社ではなく試験サイトからの浮上では、すでに気球の27時間の連続飛行に成功している。複数の気球の、数時間でなく数か月の一斉滞留が可能になれば、商用の運用もできる、と同社は考えている。

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NASAとロシア、月宇宙ステーションの共同開発で合意

今年の国際宇宙会議で、NASAとロシアの宇宙機関、ロスコスモスが共同声明に署名し、地球を遠く離れ月軌道を周回する宇宙ステーションを共同開発する意志を表明した。月面探査と深宇宙科学両方の拠点となる。

これはNASAが熱望するいわゆる「深宇宙ゲートウェイ」コンセプトの探究と開発の一環であり、人類の宇宙探査の範囲と能力を拡大するための戦略基地を目指している。NASAは人類を月より遠くに連れていきたいと思っている。言い換えると、このゲートウェイコンセプトは、月の周辺に軌道周回宇宙ステーションを置くことで、計画の実践的可能性を高めようとするものだ。

「深宇宙ゲートウェイはまだコンセプト形成の段階だが、人類の宇宙探査を前進さする第一歩としてのシスルナ(地球と月の間)空間進出に国際的関心が高まっていることをNASAは歓迎する」とワシントンのNASA本部長官代理、Robert Lightfootがこのニュースを伝えるプレスリリースで語った。「ロスコスモスと共同署名したこのような声明は、ゲートウェイ構想が手頃価格で維持可能な探査アーキテクチャーの先駆けとなることを示している」。

ロスコスモスとNASAの共同作業はまだごく初期段階にある ―― 将来共同作業に合意する可能性に関する合意とみることもできる。しかし、将来月の周回軌道に科学および探査施設を設置することについて、開かれた会話が持たれる良い兆候だ。

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ペギー・ウィットソン飛行士、288日間の宇宙滞在から帰還

記録破りの宇宙飛行士、Peggy Whitsonが、宇宙滞在累積日数の記録保持者として宇宙から帰ってくる。地球着陸の模様はライブストリーム中継される。

軌道離脱噴射は今晩(米国時間9/2)5 pm PT(西海岸時刻)に始まり、着陸予定時刻は6:22 pm(彼女が着陸するカザフスタンでは日曜日の7:22 am)。

Whitsonは、288日すなわち約10カ月間を宇宙で過ごし、その間宇宙ステーションは4623回軌道を周回した。これは米国の宇宙飛行士Scott Kellyの宇宙滞在連続340日に次ぐものだが、Whitsonは累計665日を宇宙で過ごしており、宇宙経験はどのアメリカ人よりも長い。

6月の帰還を予定していたが、今年になってロシアの宇宙開発組織、RoscosmosがISSミッションからクルーを引き上げたため、3カ月の期間延長を快諾した。

Whitsonは、ロシアのミール宇宙ステーションと国際宇宙ステーション(ISS)の両方に滞在した数人のロシア人記録保持者をランキングで追っている。しかし、Whitsonはほかにいくつもの印象的記録をもっている。ISS初の女性コマンダー(船長)を務め、最長宇宙遊泳 60時間を記録したことに加え、宇宙へ行った女性としては最高齢の57歳だ。

現在3回目のISSミッション遂行中のWhitsonは、4月に宇宙初の4Kストリーム中継を、ラスベガスで行われていた全米放送事業者協会ショウに向けてビデオを送信した。

Whitsonの帰還便には、同じくISSを離れる米国宇宙飛行士Jack FishcerおよびロシアのFyodor Yurchikhinも同乗する。

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Google Mapsのストリートビューで国際宇宙ステーションの中を探検散策できる

Google Street View(ストリートビュー)でこれからは、国際宇宙ステーション(International Space Station, ISS)の中を探検できる。ストリートビューが宇宙に入り込むのはこれが初めてで、ISSを訪ねる機会などないわれわれ一般大衆に、その15のモジュールすべてを見せてくれるのだ。

最新の画像を見ながらさまざまなモジュールを歩き、というか漂(ただよ)い、あなたがその一時寄留の間(かん)に出会ういくつかの複雑な装置の説明を読むこともできる(下図)。なにしろISSは、複雑難解の塊(かたまり)である。ストリートビューにとっても初めてだから、今後何度も撮影して見せ場を増やしていただきたい。宇宙ステーションの中でも、ストリートビューならではの移動画像をそのまま見られるのが、なかなかすてきだ。

宇宙飛行士たちがこのプロジェクトのために画像を撮り集めてくれたとき、たまたまSpace XのDragonがISSに駐機していたので、ステーションへの貨物の配達の様子を見ることができる。

地上と違ってISSは無重力空間のラボだから、すべてを見るためには文字通り360度の撮影が必要だ。しかし残念ながら今のストリートビューの技術は宇宙空間向けに最適化されていないから、その点、まだ完全ではない。

でもユーザーインタフェイスはおなじみのストリートビューそのものだから、気楽にクリックしながらあちこちを見られる。ではでは、Google Mapsへ行ってこいつをトライしましょう。

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Lockheed MartinがスタートアップTerran Orbitalに投資してナノサテライトのブームに乗るつもり

航空宇宙産業のリーダーLockheed Martinが、アメリカのナノサテライト企業Terran Orbitalに投資したことは、成長を続ける商用宇宙利用において小型衛星、とりわけ安価で軽量な人工衛星が、業界の新旧両勢力から重要な機会と見なされていることの、ひとつの例だ。

Lockheedはキャッシュと現物支給で今回の投資を行ったが、両社は過去に、DoDやNASAの仕事でパートナーしたことがある。Lockheed側の意図は、Lockheed Martin Venturesの常務取締役からの声明では、“敏速で応答性が良く、コスト効率の良い技術によるミッションとそれらの実証デモンストレーションへの関心が、弊社の顧客において昨今ますます増大しており、それに対応するため”、としている。

Boeingが開示した独自の計画では、同社の人工衛星製造ビジネスを再構成して、現在の大型衛星をはるかに下回るコストによるナノ衛星の生産に注力していく、となっている。そこは今、比較的低い起業コストで商用宇宙ビジネスへの参入をねらうスタートアップにとっての温床でもあり、Lockheedのようなレガシーの業界リーダーが今後の有力な商機とねらうのも、当然と言える。

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SpaceX、Falcon 9を48時間以内に2度目の回収

SpaceXは再びFaxcon 9を宇宙に送り出した。今回のクライアントは国際衛星通信会社のIridiumだ。6月25日(米国時間)のIridiium-2ミッションで、Falcon 9はカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ちあげられた。搭載された10基の人工衛星はIridiumのNEXT衛星群の一部となる。SpaceXによる打ち上げがすべて完了すれば全部で75基になり、地球上の誰もが地球上の誰とでもつながることができるようになるとIridiumは言っている。

さらにSpaceXは、Falcon 9の第一段ロケットを、悪条件のにもかかわらず海上の無人着陸船に無事着地させた。発射の直前、SpaceXファウンダーのElon Muskは、着陸船の“Just Read The Instructions”が過酷な気象条件のために最後の段階で移動を余儀なくされ、回収成功の可能性は低くなったと語った。

本ミッションは、Falcon 9第一段ロケットの新しいグリッドフィンシステムを始めて使う打ち上げでもあった。グリッドフィンは、Faclon 9ロケットの再利用可能な第一段が地球の大気圏に再突入して地上に戻る際、方向操作の補助に使用される。このロケットで使用されている新グリッドフィンはシールデッドアルミニウムではなく純チタンで作られている。こうしてSpaceXは改装工事の必要なく再利用が可能となり、今後の再打ち上げの価格時間と費用をさらに減らすことができる。

[チタン製グリッドフィンの近接画像。高速で大気圏に突入する際に赤熱するため塗装されていない]

SpaceXはわずか数日前にブルガリア衛星の打ち上げを終えたばかりだ。そこで使われたロケットは1月に実施されたSpaceXの最初のIridiumミッションに使われ、大西洋の着陸用ドローン船“Of Course I Still Love You.”に着地した第一段ロケットの回収にも成功した。

打ち上げからおよそ一時間後、Falcon 9の第二段ロケットはIridium NEXTの衛星10基をそれぞれの軌道に送り出した。これまでのところSpaceXのミッションは成功しているようだ。

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SpaceX、米軍機密衛星NROL-76の打ち上げに成功

SpaceXは機密扱いの衛星NROL-76の打ち上げに2度目の試みで成功した。国家偵察局(NRO)を通じて米軍と結んだ初めての大型契約だった。SpaceXはロケットが軌道に何を運んだか公表することはできなかったが、フロリダ州ケネディー宇宙センターのLC-39A施設からロケットが離陸する様子をライブ中継した。

ロケットは7:15 AM EDTに予定通り発射され、目標軌道に向けてすばやく上昇した。第一段ロケットは予定通り切り離され、ケープカナベラルのSpaceXの着陸パッド、LZ-1に軟着陸すべく地球への帰路についた。

4月30日に予定されていた最初の打ち上げは、センサーの問題が原因で離陸までわずか52秒の時点で中止された。今日の打ち上げも、高高度の風速のために危機一髪だった。SpaceXのCEO Elon Muskは、Falcon 9宇宙船の積載量が最大であったことを踏まえると、ごくごく中止に近い状況だったと語った

[NROスパイ衛星の発射とロケットの軟着陸はうまくいった。難しい判断だった。上空の風速変動は理論的負荷制限の98.6%に達していた]

ロケットの第一段は、NROL-76衛星とFalcon 9第二段から切り離されたあと予定通り地球に戻り、フロリダ州ケープカナベラルのLZ-1 着陸地点でSpaceXの管制着陸によって回収された

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SpaceX、Falcon 9再利用による打ち上げコストは初回の「半分以下」

実際SpaceXはFalcon 9ロケットの再利用でいくら節約できたのか?それほどでもないと思うかもしれない。なにしろ今回のSES-10の打ち上げは彼らにとって初めてのロケット再利用だったのだから。しかし、SpaceXのプレジデント、Gwynne ShotwellはSpace Symposiumカンファレンスで、昨年の宇宙ステーション補給ミッションCRS-8で使用したFalcon 9ロケットの再生コストは、新品を作るのと比べて「半分よりはるかに少なかった」と言った。

これには回収したロケットを運用可能な状態にするために必要な多大な作業も含まれているとShotwellは言った。Space Newsが報じた。つまり、今後もコスト削減は進ばかりだという意味だ。SpaceXは今回の再生作業に「将来行うときよりもはるかに多くの力を注いだ」からだとShotwellはカンファレンスで言った。

しかし、だからといって現在SpaceXが請求している打ち上げ料金が大きく下がるとは限らない(現在会社が公表している費用は約6200万ドル)。以前Elon Muskは、これまで再利用可能ロケットの開発にかかった費用について話したことがあり、個々の打ち上げコストが下がったとしても開発費用は回収する必要がある。

さらにShotwellは、SpaceXが打ち上げに使ったペイロードフェアリングの回収も試みていると語った。これはロケットが宇宙に送り出すもの(衛星、補給物資等)すべてを、発射の際に受ける力や空力加熱から保護するためのハウジングだ。SpaceXはSES-10の打ち上げで2つの部分からなるフェアリングの一部を回収することに成功し、状態も極めて良好だった。フェアリング一つに600万ドルの費用がかかるため、これを再利用することでさらに打ち上げ費用を下げることができる。

SpaceX CEO Elon Muskは打ち上げ成功の後、会社の次の目標は、同じロケットを再打ち上げするまでの時間を24時間以内にすることだと語った。

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SpaceX、軌道ロケットFalcon 9の再打ち上げに初めて成功

SpaceXは、同社のロケットFalcon 9の再打ち上げに初めて成功した。地球周回軌道に乗るロケットを再利用した世界初の快挙だ。この実績は、ロケット打ち上げを低価格にして企業や政府機関が利用しやすくする、というSpaceXの長期事業計画にとって極めて重要な意味を持つ。宇宙飛行の経済を根本から変えることで野心的プロジェクトを推進し、最終的には火星旅行を目指す。

このロケットが最初に使用されたのは昨年のことで、Falcon 9ロケットを海上に浮かぶSpaceXの無人ドローン船に軟着陸させることに成功した。国際宇宙ステーションに物資を補給するCRS-8ミッションの一環として昨年4月に実行された。それ以来SpaceXは再飛行の実現に向けてテストを重ねてきた。

「我々は火星への片道旅行をめざしているのではない。必ず帰ってこられることを約束したいと思っている」とSpaceXの社長、Gwen Shotwellが発射前のインタビューで語った。「それはロケットシステムの再利用が必要であることを意味している」。究極的には着陸した同じ日に再打ち上げできることが目標だと彼女は言い、今回使用したFalcon 9ロケットは再利用するための改修に4か月を要したことを付け加えた。

再利用可能なロケットを作ることも、それをすぐに再利用できるようにすることも、商用宇宙飛行市場への道を大きく広げる鍵だとSpaceXは言う。

この歴史的快挙を成し遂げたSES-10ミッションは、顧客である人工衛星運営企業のSESのために通信衛星を打ち上げることが目的だった。SpaceXにとってSESのための任務はこれが3度目で、SESにとっては軌道に乗せた11個目の人工衛星だ。この衛星は静止衛星と呼ばれ、ロケットによって最終配置地点に置かれたあとは、地球軌道上の固定位置に静止し続ける。

SES-10人工衛星は6:59 pm EDTに無事配置された。これは費用を負担する顧客を含めてミッション全体が成功を収めたことを意味する。

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Blue Originに10万ドル払って宇宙旅行するときの座席はこれだ!

宇宙ロケットなどの記事を書いていると、自分も宇宙へ行きたくなる。今度のこれはBlue Originの記事だけど、やはり自分自身が宇宙へ行ってみたいよね。とくに、今回渡された素材は、同社のNew Glennロケットの豪華なインテリアの写真だから、なおさらだ。本革を贅沢に使っているし、しかもどのシートも窓側シートでかつ、通路側シートなのだ。

これらはもちろんモックアップだけど、10万ドル+αでチケットを買って10分間の宇宙旅行を楽しむときも、Ars Technicaによると、これとほぼ同じだそうだ。カプセル内の中央の装置が宙に浮いているのなんて、すごくクールだね。しかもこれは、Blue Originが昨年のロケットでテストした脱出エンジンで、緊急時にカプセルをロケットから最大限の力で素早く切り離すのだ。

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コックピットが全景ビューのパノラマだとかっこいいけど、でも表面に透明部分が多いとロケットの強度を確保できないのだろう。それとも、強度的には可能だけど、ラグジュアリー仕様の車のように、費用が高すぎるのかもしれない。

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SpaceX、NASAと協同で火星の着陸地点を検討中

SpaceXは同社の宇宙船が初めて火星表面に着陸するときのことをすでに考えている。計画性があるのか希望的観測なのかは読者の評価に任せる。同社はNASAと協同で赤い惑星の着地候補点を探している。

民間宇宙会社SpaceXでDragonロケットの誘導、ナビゲーション、および制御システムの責任者を務め、火星探査の上位計画にも関与しているPaul Woosterは、テキサス州で行われたカンファンスの席上、SpaceXはNASAのジェット推進研究所と協力して着地候補地点および実現性を検討していると述べた。SpaceNewsは、非常に有力な候補地が既に特定されたと報じている。

火星探査機にとって理想的な着地点とはどんなところだろうか。地表付近の氷の近くは大いに有力だ。地球からの輸送なしに長期滞在生活を維持するための となるからだ。もう一つ重要な要素は赤道近くで日照が良い低地であることで、動力および温度条件が有利になる。いずれも通常は地表から遠くない大量の氷と共存できないため着地点候補は絞られる。

この火星着地点はSpaceXの長期目標である火星滞在を視野にいれているが、科学、商用などのクライアントのニーズにこたえるための着地も検討している可能性がある。

SpaceXにとって、火星はいまだに遠いターゲットだ。赤い惑星への最初の打ち上げは当初2018年の予定だったが、早くても2020年中ごろになりそうだと同社は言っている。どうやら最初のミッションは目的地を正確に把握することにあるようだ。

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NASAが考えたエウロパの着陸船は三流SF誌の表紙絵のようにケバいぞ

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別の惑星へのミッションが実際に始まるずっと前から、NASAなどの宇宙関連部局は、なぜどうやってそれに取りかかるか、に関する報告書を作らせていた。今週出た、その種の報告書の最新版は、木星の第二衛星エウロパを扱っているが、これは全太陽系の中でももっとも興味深くて神秘的な天体のひとつだ。そしてまた、生命の痕跡がありそうな天体、にも属している。

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エウロパの凍った地殻の下にあると思われる金属が滲出した液状の水は、地球外生物がいちばん見つかりそうな環境、とされている。

報告書はとても長くて技術的だが、関連の文書や研究はここでダウンロードできる。でもこの記事では、エウロパの着陸船を想像で描いた、アーチストの作品を鑑賞しよう。大きな画像を、ここで入手できる。でも、画像の上にタイトルがほしいよね。

報告書はエウロパへのミッションの目標を三つ挙げている。生命の証拠を探すこと、この衛星の可住性を評価すること(温暖ではないが液状の水はプラスだ)、そして、今後の参考のために地表と地表直下の性状を調べること。

これらの目標を達成するために必要な、機器も挙げている。まだ、今の技術では存在しないものもあるが、いずれも、今あるものや、近く実現するものに類似している。上図の着陸船は、それらの物の組み合わせの一例だ。あまり丈夫そうに見えないのも、意図的なのだ。われわれはついつい、長期滞在による探査活動を連想してしまうが、実際にはほんの数週間で、木星からの大量の放射能で、鶏の唐揚のように揚げられてしまうだろう。

報告書は、熱心な宇宙ファンの人にとっては、ざっと見るだけでもおもしろいだろう。でもぼくはここで、表紙のすばらしいアートをみんなに見せたかった。すごいね、Michael Carrollさん。

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国際宇宙ステーション、初の商用エアロックを2019年に設置へ

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国際宇宙ステーションに 初の商用エアロック(気密区画)が設置される。宇宙用設備を作るNanoRacksがBoeingと協同で開発し、2019年を目標に打ち上げ、結合する。この商用エアロックは、CubeSats(小型低価格の人工衛星)を始めとする小型実験機器をISSから発射する際の利用を念頭に設計されている。ISSからの衛星発射は、最近民間宇宙会社の間でよく用いられている方法だ。

NASAはかねてからISSを低軌道商用利用に開放する意志が強かった。現在進行中の宇宙ベースの研究や科学的探究の新たな資金源を開拓するために、民間による継続的運用を増やそうとしている。このエアロックは、宇宙船からの衛星発射および、BoeingやSpaceX等の民間宇宙輸送業者を利用して、ISSに商用実験機器を配送することで活動を支援する。

この開発段階に致るまでにNASAは、NanoRacksが作成したBoeingとの独立パートナーシップ契約によって独自のエアロックを開発するという提案を受け入れた。エアロックを製造するためには、第一段階として昨年末の開発に先立ちNASAとNanoRacksの間で取り決めた一連の手順を踏む必要がある。すべてが計画通りに運べば、現在2019年に予定されているISS補給ミッションでこのエアロックを送り込む。

Boeingはエアロックの圧力接続部分の製造を担当する予定で、装置全体がモジュール化され再利用可能に設計されている。将来ISSが別の民間軌道プラットフォームに置き換えられた場合、NanoRacksは自社のモジュールを新しい宇宙船と結合する。

地球低軌道は、民間企業が営利運用を行う最適な場所になりつつある。エアロックのようなミッションの重要部分で資金を提供し所有することは、この新興市場で早く好位置を確保する有力な手段だ。

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最後に月面を歩いた宇宙飛行士、ジーン・サーナン氏が82歳で死去

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1972年12月7日、アポロ17号のミッションはジーン・サーナン船長の指揮の下で実行された。その4日後、クルーは月面に着陸した。それはサーナンにとって3度目で最後の宇宙への旅だった ― そして、結果的に現在までにNASAが月面に人間を送った最後の計画となった。

政府組織であるNASAの型にはまった業務の中にありながらも、月面を歩いたわずか10人の中の一人になることに、サーナン氏は子供のような興奮を隠すことができなかった。

「アポロ17号のこの第一歩を、これまで支えてくれた人々全員に捧げます」と、着陸船を降りた船長が無線で言った。「何ということ! 信じられない!」

月面を離れるにあたっての彼の言葉は、さらに思慮に富み、われわれが宇宙計画に期待する深遠さをものがたるものだった。「当面は最後になるであろう月面での歩みを進めながら、私はアメリカの今日の挑戦が、人類の明日の運命を築いてきたことを記録に留めたい」

NASAの報道 によると、サーナン氏はテキサス州で今日(米国時間1/16)闘病の末に亡くなった。82歳だった。「ジーンの足跡は月に残り、彼の業績は私たちの心と記憶に刻み込まれている」、NASAが発表した声明の中でチャールズ・ボールデン長官が語った。

元海軍パイロットのサーナン氏はNASA在任中、月に2回渡航した3名のうちの一人となったほか、初めての月面着陸の、いわゆる「ドレスリハーサル」でアポロ10号にも塔乗した。サーナン氏は、あの痛ましいジェミニ9号計画の飛行士として、宇宙遊泳した2人目のアメリカ人でもあった。

再びサーナン氏の言葉を引用する:

私たちは挑戦の時代に真っ只中にいる。その挑戦にはチャンスがついてくる。空はもはや限界ではない。不可能という単語はもはやわれわれの語彙にはない。われわれはやると決心したことはどんなことでもできることを証明してきた。限界を決めるのは自己満足だけだ。

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SpaceX、1月14日の打ち上げに備えFalcon 9ロケットにイリジウム衛星を積み込む

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SpaceXのロケット発射復活第一弾を数日後に控え、イリジウム計画の通信機器がFalcon 9ロケットに積み込まれた。予定通りに運べば1月14日に宇宙へ向けて飛び立つ。当初は1月9日に発射予定だったが、ヴァンデンバーグ空軍基地発射台の気象条件のために延期された。

この新たな機会は、2016年9月1日にFalcon 9が打ち上前の燃料充填時に発射台で爆発して以来、SpaceXに与えられた初めてのチャンスだ。爆発の理由は液体酸素貯蔵タンクの圧力容器の不具合に関連していることがわかったと、調査終了後にSpaceXが公表した。同じことが二度と起きないよう、短期的には既存機器の修理、長期的には将来のロケット製造過程の変更という両面で対応して万全を期すとSpaceXは言っている。

[ヴァンデンバーグの強風雨のために発射は延期された。他のスケジュールと調整の結果、次の予定日は1月14日になった。]

イリジウム衛星は音声およびデータのネットワーク構築に用いられ、SpaceXの事故以来初となるこのミッションには10台が積載される。昨年9月に発射台で爆発したロケットには、Facebookがアフリカ未開地域へのインターネット提供活動に用いる衛星が載せられていた。

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パンスターズ計画、5年間2ペタバイトの巨大宇宙観測データを公開

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パンスターズ(Pan-STARRS)計画で5年間にわたりハワイ、マウイ島のマアナケア山頂天体観測から撮影した50万枚の画像によって、天文学者は新たに強力なデータ資源を得た。今日(米国時間12/19)一般公開された2ペタバイト(2 x 10^15)のデータは、天空の3/4を網羅し、恒星、星雲、小惑星等数十億個の天体を写し出す。

これは印刷して壁に飾る種類の画像ではないが、上に載せた観測範囲全体の可視光を映しだした画像は実に美しい。ハッブル天文台等で撮影した写真が超望遠レンズで写した個々の表情だとすれば、これはわれわれの宇宙近隣を撮った超広角写真だ。実際には何千ものレイヤーを重なり合わせて作られている。

長期間にわたり繰り返し観察することで、地球近傍天体や、明るいけれども短時間の事象、大規模な現象等を追跡することが可能になる。パンスターズによって、数十の小惑星やクエーサー(準恒星状)が発見され、宇宙マイクロ波背景放射の「コールドスポット」といった謎の事象の定義にも役立っている。プロジェクトの成果の一部は、この(やや古い)PDFに記載されている。

Pan-STARRS1 Observatory「パンスターズは、既に地球近傍天体や太陽系のカイパーベルト天体から、星間の浮遊惑星まで様々な天体の発見に成功している」とプロジェクトの責任者であるハワイ大学のケン・チャンバース博士がニュースリリースで言った。「銀河系内のダストを3次元にマッピングすることで、新たな星の流れを発見したほか、新種の爆発星や初期宇宙の遠方クエーサーも見つけた。

今回公開されたのは “static sky” と呼ばれる5年間の観測データを平均した値だが、来年には高精度の大規模データが公開される。知りたいことのわかっている人はパンスターズのウェブページへ行けば見つけられるはずだ。

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