世界最大級のスタートアップデータベース・CrunchBaseのプレジデントが来日講演

TechCrunchの読者ならCrunchBaseはご存じだろう。CrunchBaseは、2007年にローンチしたWikipediaライクなスタートアップのデータベースだ。TechCrunchの創業者であるMichael Arlingtonの指示のもとで開発された。

CrunchBaseには、スタートアップの概要やそのボードメンバーのほか、シリーズごとの資金調達額、投資家、プロダクトなど、50万件以上の情報が登録されている。まさに世界最大級のスタートアップデータベースだ。CrunchBaseでは、ここに蓄積されたデータをもとに、日々さまざまな分析記事やグラフ、インフォグラフィックスなどがTwitterブログを通じて公開している。例えばこちらの記事はアジア圏における9月のスタートアップの資金調達状況を紹介したものだ。これを見れば、インドでの活発なスタートアップ投資の状況が見て取れる。

また、最近どのジャンルのスタートアップに投資が流れているかなんてことも、こちらのグラフのように一目瞭然だ。これは2014年の第3四半期を、2013年の同時期と比べて伸び率を示したもの。IoTが単なるバズワードではなく、実際の投資額としても前年同期比170%以上も伸びていることが分かる。右端にあるクラウドコンピューティングのジャンルは落ち着いて、いまはビッグデータ解析(左から2番め)にお金が流れている様子も見て取れる。投資が増えているから単なるバズワードではない、という訳ではないが、TechCrunchの記事を読むだけでは印象としてしか見えてこないトレンドがハッキリと可視化されてることがお分かりいただけると思う。少し前の情報になるが、スタートアップの動向を分析した翻訳記事などもあるので、是非とも読んでみて欲しい。

米国のTechCrunchでは、その多くの記事にCrunchBaseの情報が紐付けられている(記事の右側のカラムにある情報だ)。CrunchBaseは現在20人超のチームでサービスを開発しているそうで、2014年4月には(リリースから7年経ってようやくとも言われているようだが)「CrunchBase 2.0」としてサイトをリニューアルしている。API化を進めて、外部サービスとの連携やビジュアライゼーションで活用しやすくなったほか、ほぼ完全なWikipediaモデルに移行して、誰でもソーシャルのIDを紐付けることで情報の追加・編集ができるようになった。

そんなCrunchBaseだけれども、11月18日〜19日に開催予定のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」に登壇することが決定した。現在プレジデントを務めるMatt Kaufman氏が、CrunchBaseの豊富なデータをもとに世界のスタートアップの動向を語ってくれる予定だ。

ちなみにこのCrunchBase、現在は日本語を含むマルチバイト文字には対応していないのだけれども、もちろん日本の情報を登録可能だし、実際結構な数の情報が登録されている。例えばこのグッドパッチの記事のように、国内の記事に関しても積極的に情報を紐付けていく予定なので、スタートアップのみんなはどんどん情報を登録して欲しい。11月のKaufman氏の講演にあわせて、日本向けの展開についても紹介できるかも知れないのでご期待頂きたい。

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増井雄一郎氏、堤修一氏も参加決定、TechCrunch Tokyo Hackathonは空き枠あり!

11月に開催するTechCrunch Tokyo 2014だが、このイベント本編ともいえる11月18日(火)、19日(水)の2日間に先立つ週末の11月15日、16日の土日に「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」を開催予定というのは、すでに告知の通り。東京・台場のコワーキングスペース「MONO」を借りきって200人規模での開催を予定している。

すでにたくさん参加表明を頂いているハッカソンだが、特別参加エンジニアとしてゲストをお招きしたのでお知らせしたい。増井雄一郎(masuidrive)氏と、堤修一氏だ。2人にはエンジニアとして最初からチームに入り、ブレストや開発、プレゼンなどをしていただくことになっている。

masuidrive、もしくは「風呂グラマー」としても知られる増井雄一郎氏は、現在、料理写真共有サービスの「ミイル」の元CTOで、現在は店舗向け予約受け付けサービスの「トレタ」のCTOとして活動している。PukiWikiなどのオープンソース活動や早い次期からRuby on Rails関係の開発で知られていて、2008年4月にはアメリカでBig Canvas社を設立して、iPhoneアプリなどの開発を行うなど、そのときどきに「来そう」なテクノロジに早く飛びつくタイプだ。そして2010年12月から2年弱は、米Appcelerator社のテクニカルエバンジェリストを務めるなど、ごりごりのエンジニアというよりも、会社も含めて新しいアプリやサービスを作る活動を続けてきた人でもある。最近では個人でメモサービスの「wri.pe」やRubyでiOSアプリのネイティブアプリが作れる「MobiRuby」など話題になるプロダクトをリリースしている。ハッカソン向きのプロダクト指向の強いエンジニアだと思う。

もう1人の堤修一氏は、昨年のTechCrunch Hackathonで講演をお願いして、「スキルなし・実績なし 32歳窓際エンジニアがシリコンバレーで働くようになるまで」というタイトルで以下のような発表をしていただいた。このスライドは昨年ネット上で話題となった。

堤氏はiOS方面では良く知られたエンジニアで、500 Startupsに参加するグロース・プラットフォーム「AppSocially」の元開発者でもある。かつて「スキルなしのおっさんだった」というが、京都大学大学院で情報学をやってNTTデータやキヤノンで音声・画像処理の研究開発をやっていたという時点で、「スキルなしはねぇだろ」とツッコミたくなるわけだが、それにしても着実にステップアップしている感がすごい。2014年に独立してからは、iBeaconを実店舗に導入する仕事や、BLE関連の仕事として、WHILLやMoffといった日本発のハードウェアスタートアップに携わるなど多くのプロジェクトをこなしているそうだ(ブログ1ブログ2)。どうやったら、そうやって面白いプロジェクトに関わってエンジニアとして生計を立てて行けるのかについて考察した「とあるシングルスタックエンジニアの生存戦略」(おもしろく働くための、わらしべ長者方式)もエンジニアであれば必読だ。

さて、TechCrunch Tokyo Hackathonだが、まだチケットに余裕がある。ガチでプロダクトを作っている増井氏、堤氏らと楽しくハックしたい人は是非早めの参加登録をお願いしたい。

 


締切は今夜! 「深夜」までスタートアップバトルの参加企業を受け付けます

11月18日、19日のTechCrunch Tokyo 2014での目玉企画の1つ、スタートアップバトルの参加企業の受付締切がいよいよ今夜いっぱいとなったので関係者の皆さんにリマインドしたい。締め切りは本日3日金曜日の深夜23時59分だ。

いや、分かる。応募と簡単にいってもスタートアップでの仕事は1人3役ぐらいやっていて、多忙なもの。応募するつもりだったものがウッカリ締切日が来て、気付いたら夜! みたいなことは良くある。そして、実はぼくらの応募フォームにはそれなりの量の質問が用意されているので、提出には時間も必要だ。ということで、実はこれは例年のことだけれど、締め切り時刻は23時59分としつつ、TechCrunch Japanとしては学生が提出するレポートを待つ大学教員のような気持ちで「深夜いっぱい」は応募を受け付けているので、ともかく今夜間に合うように提出してもらえればと思う。

応募はこちらから

Photo / Adam Mayer


TC本家から、今年はCatherine Shuが11月のTechCrunch Tokyoにやって来る!

11月18日、19日の2日間で開催予定の「TechCrunch Tokyo 2014」には、毎年アメリカの本家TechCrunchから編集長や主力ライターが参加している。今年はCatherine Shuが来ることが決定したのでお知らせしたい。TechCrunchを良くご覧頂いている方であれば、彼女がよくアジア圏のスタートアップ事情について書いているのをご存じかもしれない。Catherineはアメリカ生まれだが、中国系アメリカ人で、いまは台湾・台北に拠点を移して活動中。本人いわく、中国語能力を実戦投入すべく挑戦中なのだそうだ(つまり英語が第一言語のアメリカ人)。ちなみに最近TechCrunchのライターは東西のアメリカ両海岸だけでなく、台北やロンドンにもいて24時間体制で動くようになっている。時差や取り扱うネタの関係もあって、ぼくが良くネタのやりとりするのもCatherineだったりする。

ちょっと脇道にそれるようだが、Catherineが書いた中でぼくが個人的にいちばん好きな記事について紹介したい。今年7月に掲載された「We Need To Talk About Depression」(「うつ病について話そう」)という記事だ(未訳)。日本でもアメリカでもスタートアップ業界というと華やかで成功譚に溢れているイメージを持つ人が多いかもしれない。一方で多くの起業家は絶望的な困難に直面し、時に自らの命を絶つほどに精神的に追い詰められるケースすらある。強く、明るく、前向きでなければならないという文化的な暗黙のプレッシャーがあることに対して、そうでないことを認めてもいい、ということを、Catherineが自らのうつ病の体験を重ねつつ、強いフラストレーションにさらされた起業家たちの声を集めて書いた記事だ。身内自慢になってしまうかもしれないけど、個人的体験をパブリックにシェアした勇気と問題提起に、ぼくはちょっと感動した。

さて、そんなCatherineはTechCrunchで最も活発に記事を書いている主力ライターの1人で、カバーエリアは幅広い。そして台北にいながらあちこちに電話をかけまくって、アジア圏のスタートアップだけでなく、北米のスタートアップについても良く書いている。

中国・アジア関連の情報を英語で発信した記事だと、以下のような例がある(全てTechCrunch Japanで未訳なのは申し訳ない)。

Alibaba’s IPO Means Consumer Tech Innovations From Asia Can’t Be Ignored Anymore

Logistics Company aCommerce Raises $10.7M Series A To Serve Southeast Asia’s Booming E-Commerce Market

Ambi Climate Wants To Make Summers In Asia More Bearable

Uber Will Focus On Southeast Asia Launches Over The Next Two Months

Xiaomi, What Americans Need To Know

Catherineは、もともと日本にとても興味があったのだけど、今回ついに初めて東京に来れるというので楽しみにしていると話している。Catherineに限らないが、欧米人が「アジア」というとき、その言葉が具体的に指すものが「中国+東南アジア」だったりすることが増えている気がしている。特にハードウェア分野で中国と米国がテックセクターで急接近してエコシステムを作り始めているいま、日本のグローバルでの存在感が日本海あたりに埋もれつつあると感じることすらある。日本は特殊過ぎる上に、言語障壁が高いこともあって外部から見えづらい。今回、Catherineに来てもらおうと思った理由の1つに、日本の起業家やVCの方々とコネクションを作ってもらう場になればということがある。

と、そんなCatherineにも会えるTechCrunch Tokyo 2014は11月18日、19日の2日間。まだまだチケットは発売中なので是非会場に足を運んでもらえたらと思う。

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急げ! TechCrunch Tokyoスタートアップバトル応募締め切りは1週間後の金曜日!

恒例のスタートアップのお祭り「TechCrunch Tokyo 2014」を今年も11月に開催する。開催まで2カ月弱となってセッションプログラムの告知も順次開始しているが、メインコンテンツの1つでもある「スタートアップバトル」への登壇スタートアップの募集のほうは、実は締め切りが早めなので、イケてる起業家の皆さんにリマイドしたい。

応募の締め切りは10月3日金曜日23時59分まで!

バタバタするウィークデーを避けて、ぜひ週末にでも、こちらの応募フォームからエントリーしてほしい。

今年のTechCrunch Tokyo 2014は渋谷・ヒカリエの広々とした会場を借りている。去年の参加者数はユニークで約1500人。恐らく今年の参加者規模は過去最大になると思うので、ぜひ大勢の観衆、VCやTechCrunchスタッフの前で、プロダクトをお披露目してほしい。告知通り優勝賞金は100万円で、応募資格は、

・未ローンチまたは2014年1月以降にローンチしたデモが可能なプロダクト(サービス)を持つスタートアップ企業(未公開プロダクトを歓迎します)
・創業年数3年未満(2011年11月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。なお、このイベント以前に開催された他のイベントで受賞をしていないプロダクトを優先します。

となっている。事前審査で決勝進出の約10社を選出し、TechCrunch Tokyo 2014の2日目となる11月19日水曜日午後に決勝戦を行う。決勝では各社5分間でピッチをして、さらに5分の質疑応答時間をもうけている。

今年もTechCrunch本家からスタッフがやってきて審査員として加わるので、英語圏でのメディア露出をのぞむスタートアップにとっては売込みのチャンスでもある。ふつうにぼくを捕まえて「US TechCrunchのスタッフを紹介しろ!」と脅してもらえれば、「日本のスタートアップを世界へ」をミッションの1つと考えているぼくとしては全力でご紹介しようと思っている(というか、普段からUSへの紹介はやっているので、ken@techcrunch.com までどうぞという話なのだが)。


Google Docsの生みの親、現Box CTOのSam Schillace氏がTechCrunch Tokyo 2014に登壇決定!

11月18日、19日の2日間で開催予定のTechCrunch Tokyo 2014の海外ゲストスピーカーとして、先ほどProduct HuntのRyan Hooverの登壇決定をお知らせしたが、もう1人が正式に決まったのでお知らせしたい。現在、企業向けクラウドストレージを提供していてIPOも噂されるBoxのCTOを務めるSam Schillace氏の登壇だ。

Schillace氏は、今もコードを書くようなバリバリのテクノロジストでありながら、連続起業家としてもシリコンバレーで良く知られた存在だ。後にGoogle Docsとなるプロダクト「Writely」を世に送り出し、それを2006年にGoogleへと売却したスタートアップ「Upstartle」の創業者でCEOという経歴をもつ。2004年にWritelyのプロトタイプと最初のバージョンを作ったのがSchillace氏だ。

Schillace氏のようにテクノロジーバックグランドで大きく成功している起業家は日本では少数派だと思う。Schillace氏は、1991年にPIM(今でいうToDoやカレンダーを兼ね備えたアプリ)を開発するVirteroを創業したのを皮切りに、20年以上ものソフトウェア開発での起業とM&Aによる事業売却を重ねてきた。

1995年には当時Macで人気だったアプリシリーズ「Claris」に対して、後にClaris HomePageとなるホームページ作成ソフトを売却。1996年にはBitcraft社を創業し、CEOとしてサーバサイドJavaScriptエンジンを開発。これをマクロメディアへ売却して、移籍先のマクロメディアではエンタープライズ向け製品を担当していた。しばらくのコンサルタント業などを経て2004年に創業したのがUpstartleだ。Writelyを開発して2年でGoogleへと売却し、GoogleではGoogle Docsだけでなく、GmailやSites、Reader、Blogger、PicasaなどGoogleのプロダクトなどのチームを管轄していたという。また、2011年から2012年にかけては、Google Venturesで投資チームのプリンシパルとしても活躍している。

Ajaxを使ったワープロを2004年に作ったとか、1996年にサーバサイドJavaScriptをやっていたことなど、ちょっと普通じゃない。現在は約140人のエンジニアからなるBoxの開発チームを率いていて、エンタープライズ向けクラウドの未来を構想している。これだけの経験とポジションにいながら、今でもjQueryやiOSのプロジェクトに関わったり、次に手を出すべきプログラミング言語はScalaかCoffeeScriptかというようなテッキーな議論をしたりするそうで、日本にはあまりいないタイプの連続起業家だ。

TechCrunch Tokyoのステージでは、エンジニアとしてのバックグランドを持つ連続起業家という視点から、起業することや、エンタープライズの世界に切り込むこと、そして現在構想しているクラウドの新しい方向性について語っていただく予定だ。

TechCrunch Tokyo 2014まで2カ月弱。まだ海外や国内の豪華ゲストに多数参加いただくことになっているが、詳細は随時お伝えしていく予定だ。参加を検討いただけていた方は、ぜひお早めにチケットをご購入いただければと思う。なお、5枚以上から買える団体チケットや、限定50枚の学割チケットも今なら残っているので是非チェックしてほしい。

おっと、投資家や事業担当者の前でプロダクトをお披露目できる賞金100万円のスタートアップバトルに登壇する企業の応募締め切りは来週の金曜日と迫ってきているので、この週末にでも是非、こちらからお申込みいただければと思う。

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50枚限定の早い者勝ち、「TechCrunch Tokyo 2014」の学割チケットを販売開始

11月18〜19日に東京・渋谷ヒカリエで開催するイベント「TechCrunch Tokyo 2014」。すでに400枚超の申し込みがあった超早割チケット(販売終了)に加えて、通常の前売りチケット、5枚以上の購入が必須だが割引となる団体向けチケットを提供しているが、今回新たに「学生チケット」の提供を50枚限定で提供する。

学生チケットはその名の通りだが、学生を対象にした割引チケットだ。TechCrunchを読んでいる、ITのことをもっと勉強したいという学生やスタートアップでインターンをしたり、自ら起業している学生に向けて、通常の前売りチケットの半額以下となる7560円でチケットを提供する。当日受付の際には学生証が必要となるので忘れないようにして欲しい。

もちろんこのチケットでも、TechCrunch Tokyo 2014のすべてのプログラムを楽しんでもらうことが可能だ。ランチタイムや夜の懇親会では、ミートアップのために長めの時間を設ける予定だ。ここで起業のパートナーや先輩起業家、投資家たちとの接点を作ることができるかもしれない。

photo by
hackNY.org


11月のTechCrunch Tokyoで、スタートアップ・デモ・ブース出展企業の募集を開始!

昨年に比べて数倍のペースで超早割チケットが売れていて好評の11月のイベント、「TechCrunch Tokyo 2014」だが、本日よりスタートアップ・デモ・ブースの出展企業の募集を開始したのでお知らせしたい。創業3年以内のスタートアップ企業の皆さん向けに、格安でプロダクト・サービスのお披露目ができる場所を40ブース分用意したので是非ご活用いただければと思う。

ちなみに創業3年以内であれば、デモブース出展だけでなくて、スタートアップバトルへの応募もご検討いただければと思う。こちらは予選審査があるので必ず登壇できるというわけではないが、絶好のプロダクトのお披露目、もしくはローンチの場だと考えている。

スタートアップ・デモ・ブース申し込みページはこちら

イベント名:TechCrunch Tokyo 2014(ハッシュタグ #tctokyo)
イベント開催日:11月18日(火)、19日(水)
会場:渋谷ヒカリエ(東京都渋谷区渋谷2−21−1)
出展料:5万8320円(税込み。2名分の参加チケットが含まれます)
販売数:40ブース
条件:創業3年以内の企業
主催:AOLオンライン・ジャパン株式会社
問い合わせ先:techcrunch@event-info.jp

今年のTechCrunch Tokyoの会場は、広さ、グレードともにだいぶパワーアップして東京・渋谷のヒカリエで開催予定だが、この会場を借りた理由の1つは、ホール以外の通路やホワイエなどに展示スペースがたくさんあることだ。会場のレイアウトは以下の通りで、黄色と青のエリアが展示スペースとなっている。

スタートアップ企業にとってプロダクトやサービスを展示するメリットは、起業家や投資家といったスタートアップ関係者のコア層だけでなく、TechCrunch読者というアーリーアダプター層にアピールできること、それからイベントに足を運んでくれる大手企業の新規事業開発部門の方々との出会いのキッカケが作れること、そして法人顧客獲得のキッカケが見込めるといったところだろうか。まあ、志の高い若いスタートアップ企業には目の前のマネタイズよりも、プロダクトを磨くことのほうが大事だろうから、フィードバックを受け取る場として見て頂いてもいいのかもしれない。それから最近とても良く聞く話だが、伸び盛りのスタートアップ企業におけるエンジニア不足には深刻なものがあるようだ。なので、会場に足を運んでくれるエンジニアの皆さんと、スタートアップ企業との出会いの場というようなこともあるのかなと想像している。


11月のTechCrunch Tokyoでは週末2日間のハッカソンもやります! 参加者募集開始!

11月に開催するTechCrunch Tokyo 2014だが、今年もまたハッカソンを行うことにしたので、お知らせしたい。イベント本編ともいえるTechCrunch Tokyo 2014は11月18日(火)、19日(水)と2日間の予定だが、「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」のほうは、それに先立つ週末の11月15日、16日の週末の土日は東京・台場のコワーキングスペース「MONO」を借りきって200人規模で行う予定だ。200人というのは、たぶん日本のハッカソンとしては最大規模といえる参加者数だ。

今日から参加者の募集を開始したので、ぜひ早めの登録をお願いしたい。参加費は1人5000円。2日間ハックし続けるのに必要な5回分の食事をご用意させていただく。会場は24時間使えるので、土曜の朝10時から日曜夕方までひたすらハックしても良いし、チームメンバーと徒歩圏内にある大江戸温泉でビールを飲みながら「企画合宿」をやっても良いと思う。200人だと全部で40〜60チームということになるが、優秀賞に選ばれた上位5チームには、TechCrunch Tokyo 2014に無料招待させていただくほか、特別セッションで各5分の発表もしてもらえればと考えている。

ひと口にハッカソンといっても色々ある。テクノロジーカットで、特定の技術が流行の兆しを見せているので、興味のあるエンジニアで集まってハックしようという、割とハッカソンの原型ともいえるものがある。これはシード・ニーズという分類軸でいえば、シード側のハッカソンだ。逆に、大学や起業サークルなどが行うビジネスコンテスト的な、ニーズ側に近いハッカソンもある。また最近ではネット企業が人材獲得や自社技術の宣伝、外部の知恵を取り入れたいというオープンイノベーション的発想から主催されるハッカソンも増えてきている。

TechCrunch Japanがハッカソンを主催する理由は2つある。

1つは、日本のハッカーたちにこそ、もっとスタートアップ界隈に目を向けてほしいと考えていること。もう1つは、テックとビジネスの交差点を用意することで、そこで化学反応が起きることを支援したいと考えていることだ。

そこで今回のハッカソンでは参加者の役割を3つに分けて、それぞれチケット販売枚数に上限をもうけたい。エンジニア枠が130人、デザイナ枠が35人、企画担当枠が35人だ。ハンダごてでもIDEでもテキストエディタでも何でも良いが、実際に手を動かせるエンジニアが主体のハッカソンにできればと考えている。主催者や審査員として、ぼくは結構な数のハッカソンを見てきたが、チーム5人のうち1人しか手を動かす人がいないというような状況もあった。そういうのは異常だと思うのだ、下の写真のように。

もちろんエンジニア以外のデザイナーや、ディレクター・企画担当者にも来て欲しい。

ハードウェアスタートアップMoffを創業した高萩昭範氏は、2013年に大阪で行われたハッカソンの場でできた、企画、エンジニア、デザイナーの3人がコアメンバーとなっているのだと、以前ぼくに話してくれた。主催者による割り振りによって、たまたま同じテーブルの席に座った、その時のメンバーが後に起業したという。そんなことがあるのかと思う人もいるかもしれないが、海外だとハッカソンから起業というのは時々聞く話ではある。

ハッカソンには個人での参加も、チームによる参加もオッケーだ。個人で来ても、ちゃんと初日の朝に「自分が作りたいもの」をベースに相性の良さそうな人たちと組むチームビルディングの時間をもうけるので、これが初めてだという人も是非参加を検討してもらえたらと思う。

なお、API協賛企業やスポンサー企業も同時に募集しているので、うちのサービスのAPIを提供したいとか、モジュールを使ってほしいといった方がいれば、tips@techchrunch.jp 宛てにご連絡いただければと思う。ちなみに、今年春に大阪で行ったTechCrunch Hakathon Osaka 2014では、こちらの記事にあるようなAPIを企業にご提供頂いた。


スタートアップのお祭り「TechCrunch Tokyo 2014」、超早割チケットの販売を開始しました!

すでにアナウンスした通り、TechCrunch Japanは今年も11月にスタートアップのお祭りイベント「TechCrunch Tokyo 2014」を開催する。今年は18日(火)、19日(水)の2日間、東京・渋谷のヒカリエでこれまでで最大となる1500人規模での開催を予定している。昨年は開催日程こそ2日間だったものの、プログラムは実質1日半だったほか基本的にセッションは1トラックだけだったが、今年は丸2日間。大ホールと小ホール、そしてイベントフロア全体を借りきって、たくさんのスタートアップ関係者、またスタートアップやテック系ビジネスのトレンドに興味がある人すべてに来て頂ければと思っている。

まだこれから順次公表していく予定だけれども、去年同様にシリコンバレーから起業家を中心に海外ゲストらをスピーカーとして迎え、講演やパネルディスカッションを予定しているほか、本家TechCrunchからもスタッフがやってくる予定だ。去年のイベントの登壇者紹介や、当日の様子は、こちらから記事をたどることができる。

去年までと違う点が2つある。

1つは会場の広さだ。ぼくは何度か下見をして気に入ったのだけど、ヒカリエのイベントフロアは通路が広い! このフロアにより多くの企業やスタートアップの方々にプロダクトやサービスを出して、交流の場としてほしいと考えている。

上図の右側、青エリアのスタートアップデモブースについては、創業3年以内という条件を満たしていれば、基本的にスタッフ2人ぶんの参加チケット代でブース設置が可能なので、ぜひスタートアップの皆さんにはプロダクトのお披露目などに使ってほしいと思っている。これだけの規模でスタートアップが集まる機会は国内でもそうそうないはずだ。ちなみに去年のTechCrunch Tokyoの参加者は、ソフトウェア関連(12.2%)、Web・モバイル関連(30.3%)、その他IT関連(6.4%)、通信サービス(12.4%)、広告・メディア(18.5%)と、テック系、情報系の人が多く、参加者の所属企業規模も1000人以上が35%となっていて、スタートアップのお祭りではあるのだけれど、トレンドをウォッチしているテック業界の人たち、スタートアップとの協業を模索する大企業の経営企画部や新規事業の担当者の方々なんかにも多くご来場いただいている。オープンイノベーションの時代ということで、TechCrunch Tokyoにはスタートアップの人も、大企業の人も、中堅ネット企業の人も、みんな来てほしい。今年は休憩時間やランチタイム、夕方以降のミートアップの時間を多めに設ける余裕のあるスケジュールを予定しているので、セッションに参加して「スピーカーがしゃべるのを聞く」というだけでなく、出演者や他の来場者との交流も目当てに参加してもらえればと思う。

もう1つ、去年までとの大きな違いとして、日本最大規模のハッカソン「TechCrunch Tokyo Hackathon 2014」を予定していることも挙げたい。イベント本編は火曜日、水曜日なのだが、それに先立つ週末の土日(15日、16日)を使って、お台場で200人規模のハッカソンを開催予定だ。根っからのハッカーや現役エンジニアばかりでなく、自分でテック系スキルを習得して手を動かそうとしている起業家なんかに集まってもらいたいと思っている。200人だと全部で40〜60チームということになるが、優秀賞に選ばれた上位5チームには、TechCrunch Tokyo 2014に無料招待させていただくほか、特別セッションで各5分の発表もしてもらえればと考えている。こちらは後日詳細をアナウンス予定だ。

さて、そのTechCrunch Tokyo 2014の一般参加チケットの販売を本日から開始したのでお知らせしたい(チケット購入ページ)。登壇者などはプログラム詳細は順次発表予定だが、その代わり8月末日までは「超早割」ということでチケット代は2日間通し、ランチとミートアップの軽食・ドリンクが2日ぶん付いて9000円(税込み9720円)となっている。9月以降の「前売りチケット」が1万8000円(税込み1万9440円)、そして当日券が2万7000円(税込み2万9160円)となっているので、チケット購入はお早めに!

おっと、今年もスタートアップバトルを開催予定で、参加チームの募集をすでに開始しているので、プロダクトのローンチを控えているスタートアップ関係者は、是非こちらから申し込みをしてほしい。ちなみに去年のスタートアップバトルの様子はこちらの記事で読める。


今年も秋に! TechCrunch Tokyo 2014は渋谷・ヒカリエで11月に開催します!

毎年秋にTechCrunch Japanが開催しているイベント「TechCrunch Tokyo」の開催日が決まったのでお知らせしたい。今年は11月18日(火)、19日(水)の2日間にわたって東京・渋谷のヒカリエで開催する。

一昨年に約750人だった参加者数は、昨年は1500人弱と倍増したので、今年は3000人! ……なわけないのだけど、だいぶ大きな会場を抑えたので、ぜひたくさんの方にご来場頂ければと考えている。ヒカリエのイベントホールに行ったことのある人なら分かると思うが、AホールとBホールの両方を借りて、通路の半分はスタートアップ企業のブースで埋め尽くしたい、というぐらいの勢いで計画を進めている。今年もスタートアップ企業のブース出展料は低くさせて頂ければと考えている。

今年もまた国内外のテック業界のキーパーソンや注目スタートアップの起業家などをお呼びして、テクノロジービジネスの話題やスタートアップの現在について、講演やパネルディスカッションを行う予定だ。スタートアップ業界の投資家や起業家の方々だけでなく、テクノロジー業界を注目しているような企業の方々、学生さん、エンジニア、マーケター、企画屋さんなど、幅広い層の人に参加してほしいと思っている。そして今年も米国からTechCrunchの共同編集長か記者が来る予定だ。

今年もスタートアップバトルやります!

そして今年もまたスタートアップバトルを予定している。詳細はまだ決まってないが、プロダクトをオーディエンスの前で披露するピッチと質疑のセッションを10〜20チームぐらいに行ってもらって勝者決めるコンテストだ(去年の様子は、こちら)。

ベンチャーキャピタルの投資家や個人投資家、大企業の新規事業担当者など、スタートアップ企業にアツい視線を送っている人たちの前で未来を変えるプロダクトをローンチしてみませんか? 夏とか秋ごろにサービスローンチを考えているスタートアップ企業の人たちには、ぜひTechCrunchでのデビューを検討してもらえればと思う。

ちなみに、去年優勝したのは指輪型ウェアラブルデバイスの「Ring」を披露したログバーだ。審査員の1人だった本家TechCrunch共同編集長のアレクシアもとても気に入っていたし、Kickstarter開始時にはTechCrunch Japanでも、本家TechCrunchでも記事にしている。そうそう、これを書いている数日前にはKickstarter上のRingのキャンペーンは終了していて、5161人の支援者と約88万1000ドルの資金を集めているね。すごいね! (念の為に書いておくと、TechCrunchとしてRingは応援も期待もしているが、今のところ手放しで賞賛する気はない。まだ実物を触っていないしね)

基調講演、パネルセッション、スタートアップバトルのほかにも、昨年同様にハッカソンCTO Nightなどの企画も考えているので、順次アナウンスさせて頂ければと思う。また、昨年に参加者の方々から頂いた声を反省材料として、今年は「交流の場」となることを強く意識したプログラムを検討している。というのも、より多くのセッション(コンテンツ)を用意して時間イッパイに詰め込むことがサービスなのだと考えて、休憩時間を最小限にしてセッションを詰めまくったのだが、セッションだけではなく、「もっといろいろな参加者と話したかった」という声を数多く頂いたからだ。なので、ランチや、セッション終了後の交流会についても時間的にも場所的にも余裕を取ろうと考えている。


TechCrunch Tokyo 2013:スタートアップバトル出場24社を紹介 – 優勝は指輪型デバイスのRing

3回目の開催となったTechCrunch Tokyo 2013は初の2日間を通してのイベントだった。今回は目玉企画のスタートアップバトルに予選から24社が登壇し、それぞれのプロダクトを紹介してくれた。

スマートフォンアプリ、Webサービスのみならず、ハードウェアや3Dプリンタを取り扱うサービスなどバラエティー豊かなスタートアップ達をイベントに来れなかった読者の皆さんにぜひご紹介したい。まずは決勝に進出した10社から。

Ring(株式会社ログバー):最優秀賞
スタートアップバトル最優秀賞に選ばれたRingは全く新しいウェアラブルデバイス(入力デバイス)だ。名前の通りリングの形状をしており、指にはめて利用する。Google Glassやスマートウォッチといったウェアラブルデバイスはディスプレイが付いていて、その上でアプリなどを動かすが、Ringは入力デバイスとして機能する。

例えば、テレビに向かって人差し指で「TV」と書くとテレビがONになったり、「$12」と書くと支払いが完了したり。会場では実際に電気をつけるデモを行ってくれた。

現在複数の企業とパートナーシップを結びプロダクト完成に向けて日々開発を続けている。2014年中の出荷を目指しており、1万円から2万円程度で販売する予定だそうだ。

planBCD(KAIZEN platform):審査員特別賞
planBCDはグロースハック系のサービスで、jsのコードを1行追加するだけで簡単にA/Bテストができる他、グロースハッカーのクラウドソーシングサービスとしても利用できる。

クラウドソーシングではKAIZEN platformが抱える200名以上のグロースハッカーが改善案を提出してくれる。それを実際にA/Bテストにかけて、効果があるか測定できる。βテストで20件ほど試したところplanBCDの提案は既存のデザインよりも71.4%の確率で改善したそうだ。スマートフォンに限ると今のところほぼ100%で改善できている。

年内にはグロースハッカーを500名にまで増やし、年明けには1,000人の確保を目指している。

flier(株式会社フライヤー):エボラブルアジア賞/kobo賞
flierは毎月20冊の本を選定し、要約文を送ってくれるサービスだ。毎年新たに出版される本の数は増えており、良書を見つけることは難しくなっている。flierから配信される要約文はA4サイズで5枚程度の分量で、ちょっとした時間で読み切れるようになっている。スマホやタブレットに最適化されており、雑誌感覚のインターフェイスとなっている。

すでに国内の大手出版社のうち17社と協業しており、コンテンツは全て利用許可を取っている。10月10日でのローンチ以降、IBMやJT、デトロイト・トーマツなどが採用しているという。書籍要約のニーズを持っているユーザーは世界で3,000万人以上と見込んでおり、平均単価1万円で3,000億円の市場規模があるそうだ。

Locarise Analytics(Locarise株式会社):アマゾンウェブサービス賞
先日のOpen Network LabデモデイFall 2013でも取り上げたLocariseは実店舗向けのGoogle Analyticsを提供する。来店客や店のウィンドウを見ている顧客の行動を取得/分析し、ウィンドウを見ていた人が店に入るコンバージョンレートや、店内の滞在時間、購入までの経路といった情報をダッシュボードにまとめて教えてくれる。

どのように情報を取得するのかというと、店舗側にセンサーを設置しておき、来店客が持っている端末のWiFi信号を定期的に受信している。この信号を処理することで彼らの行動をウォッチするそうだ。

WiFiをONにしているスマートフォン所有者だけの行動を分析するには偏りが出るのではないかという疑問もあるが、40%程度の顧客を分析できれば充分であるという。すでにサービスは稼働しており、数十店舗が利用している。

Ietty(株式会社ietty):KDDI賞
iettyは住みたい物件の条件をいくつか登録しておくと、ぴったりの部屋を教えてくれるサービスだ。賃貸市場の営業は店で来店者が来るまで待っている時間が長いため、人件費のうち1,200億円程度が無駄になっているという。iettyはこの1,200億円が投入されるようなプラットフォームを目指している。

ユーザーの条件を基に営業マンが最適な部屋を提案してくれるし、直接コミュニケーションを取れるため、わざわざ店に足を運ばずにすむ。6月から15社とβテストを開始しているが、他の賃貸情報サイトに比べると成約率は高いようだ。

xica adelie(株式会社サイカ):マイクロソフト賞
近年人間が扱うデータ量は増えてきた。Webサービスやアプリではもちろんだが、後ほど紹介するLocariseのようにオフラインでも様々なデータを取り扱うようになっている。しかしこれらのデータの統計を取り分析することは容易ではない。ツールの使い方を学習するにも時間がかかるし、専門家に外注するとかなりの費用がかかる。

そこでXICAはプロ向けではなく、素人向けの統計分析ツールを提供する。データを入力すると、重要なKPIに対してどのアクションがどのくらい影響を与えているのかを可視化してくれる。10日前に正式ローンチしてから5社が利用を開始し、さらに8社が利用することに決まっているそうだ。値段は1アカウント月額5万円となっている。

Money Forward クラウド会計ソフト(株式会社マネーフォワード):PR TIMES賞
マネーフォーワードは本誌でも何度か取り上げているし、クラウド家計簿サービスとして知名度は高い。昨年12月のローンチから月次平均43%で成長を続けており、数十万人のユーザー居るそうだ。

サービスを続けていく中でユーザーから多かった要望の1つが事業向けも使いたいとのことだったので、新しく事業向けのクラウド会計サービスを開発したという。基本的な会計機能の他に、レシートをアップロードすると自動で入力される機能や、これまでの収入/支出から将来のキャッシュフローを計算してくれる機能なんかもある。

マネーフォーワードとしては会計サービスとしてだけでなく、経営サポートツールとしても提供していきたいそうだ。

Rinkak(株式会社カブク):NTTドコモ・ベンチャーズ賞
Rinkakはもの作りを簡単にするためのプラットフォームだ。3Dプリンタが徐々に安くなってきたとはいえ、現状ではモノを作るためにはまだ大変な面も多い。商品の試作を作るのに高額な費用と時間がかかったり、製造時に最低ロット数を頼まなけらばならなかったりする。

Rinkakでは製造と販売と発送をサービス側が担当し、クリエイターはプロダクトをデザインすることだけに集中できる。3Dデータをアップロードすると、製造コストが自動で計算される。後はクリエイターは値段を設定するだけで商品を販売できるのだ。試作品は5,000円から1万円程度で作成できる。

すでにサービスは稼働しており、フィギュアやiPhoneケース、アクセサリーなどが集まっており、3Dプリンタでしか作れないデザインのものが多く販売されているようだ。

Virtual Cycling(株式会社キーバリュー)
Virtual Cyclingはエアロバイクを楽しくするサービスだ。フィットネスクラブに通ってもそのうち70%以上が退会してしまうそうだが、それは運動が単調でつまらなく、仲間が居ないからだという。

Virtual Cyclingはエアロバイクにデバイスを取り付けて、専用のゴーグルを使う。Google Mapsのストリートビューを使っており、自転車を漕ぐと世界中どこへでもいけるし、空を飛ぶことなんかもできる。デバイスの値段は2,000円から3,000円程度を予定している。

PlugAir(Beatrobo)
BeatroboはCDを新しいデバイス「PlugAir」に置き換えようとしている。CDは購入したらCDプレイヤーで再生できるように、PlugAirはスマートフォンのイヤホンジャックに挿して再生できるデバイスだ。

一昔前はCDプレイヤーやMDプレイヤー、そしてiPodなどのデバイスが音楽を再生するためのデバイスとして定着していたが、現在はスマートフォンが主流となっている。そこでスマートフォンに最適な楽曲供給源を目指そうとしている。

スマートフォンではiTunesなどから楽曲をダウンロードすれば音楽を聞くことはできるが、PlugAirではCDのように友達に貸しても聞けたり、CDジャケットのようにPlugAirをアーティストに合わせてカスタマイズしたりできる。友達にシェアした回数に応じて特典を設けるなど、独自の楽しみ方を模索中だ。第一弾としてはUniversal Musicと提携し、12月中に販売を開始する予定だ。

以下は予選に出場した14社。

ビザスク・フォー・ビジネス(株式会社walkntalk)
様々なビジネスの場で経験者のアドバイスが欲しいことは多々ある。そんな時にスポットで適切な人にスポットコンサルティングを頼めるサービス「ビザスク」のエンタープライズ版が「ビザスク・フォー・ビジネス」だ。こちらは秘匿性の高い案件なども発注できる。ビザスクは経済産業省から”多様な「人活」支援サービス創出事業」の委託先”として採択されている。

YAMAP(株式会社セフリ) 
このアプリは名前からも想像できるように、山(YAMA)のマップ(MAP)を提供する。単に山のマップを扱うだけではなく、登山では電波がないことも多いため、電波無しでも現在地を取得できる仕様になっている。登山人口は1,000万人ほど居るそうで、アウトドア市場全体を見れば3,300万人も居るこの市場に便利なツールを提供する。すでに1万ユーザーを獲得。

Relux(株式会社Loco Partners) 
100項目におよぶ独自の審査基準で宿泊施設を審査し、高品質な旅行体験を保証する宿泊予約サービス。チェックイン日と宿泊人数を入力すると最適な宿泊先を提案してくれる。現在のユーザーの予約単価は9万円ほどで、これは競合サービスよりも格段に高い。これまでの累計流通総額は1,500万円、年末までには4,000万円ほどを見込んでいる。

Dr.Wallet(株式会社Bear Tail)
このサービスに関しては本誌ではローンチ時KDDI∞Labo第5期採択時などにも取り上げたのでご存知の方も多いだろう。Dr.Walletはレシートをアップロードすると人力でデータ化してくれるクラウド家計簿サービスだ。8月19日のローンチ以降、10万ダウンロードを達成している。

StepUp.io(Benkyo Player LTD)
動画で何かを学ぼうとする人向けのツールを提供する。例えばダンスを学びたい時にパートごとに動画を簡単に切り分けてリピート再生することができる。料理や楽器といったカテゴリーの動画とも相性が良さそうだ。ビジネスモデルとしてはグループ機能や現在はYouTubeの動画に対応しているがユーザー独自のビデオをアップロード可能にする際に有料化を考えているという。

Cosmection(株式会社シンセレンス)
最も自分に合うコスメ商品を見つけてくれるサービス。化粧品は高評価のレビューの商品でも、自分の肌に合うとは限らない。Cosmectionではすでに使っている製品や同じ傾向にあるユーザーのデータを基に最適な品を提案してくれる。

PlayLife(株式会社プレイライフ)
遊びの体験を皆で共有し、より一層遊びを楽しくしようというのがPlayLifeだ。お気に入りの女子会スポットや、楽しかったプチ旅行の体験なんかを投稿して共有することはもちろん、サービス内で友達を遊びに誘うこともできる。

FunPicty(SODA株式会社)
FunPictyはドコモ・イノベーションビレッジ第1期デモデイに登壇した笑いがコンセプトのプラットフォームだ。面白写真アプリをいくつか保有しているSODAは短命で終わってしまうそれらの写真アプリからの画像を1つのプラットフォームにまとめることで新しい価値を生み出そうとしている。

・ゲームシスト(デジママジデ株式会社)
インディーズゲームの開発者向けのサービスで、一緒にゲームを作る仲間を集めて開発したり、ゲームをリリースできる。リリース後のマーケティングやアドバタイジングまでも面倒を見てくれる。

infogra.me Visualize Engine(インフォグラミー株式会社)
infogra.meは誰でも無料で簡単にインフォグラフィックを作るためのツールでデータを入力するとキレイなインフォグラフィックをすぐに作成してくる。インフォグラフィック作成サービスとしてはinfogr.amやvisual.lyなどが存在する。

Cumiki(Cumiki)
他人が書いたコードを読むのは大変である。途中からジョインしたり跡継ぎの人のためにノートを書くにしても面倒で更新に時間がかかってしまう。cumikiではコードをドラッグするとポストイットのようなポップアップが表示されそこへ簡単にメモできる。また、コードとメモが紐づいているので、元のコードがアップデートされた場合でも自動的に最新版を追跡して対応関係を保つことができる。

Revolver(株式会社リボルバー):レディー・ガガやオバマ大統領などは自らのための専用のSNSを構築している。最近では自分たち専用のSNSを作成する事例も増えてきているそうで、この需要に応えるべくRevolverは開発された。ユーザーは簡単に特定の人やテーマ、会社についての専用SNSを作成できる。

TSUKULINK(株式会社ハンズシェア) :東京オリンピックが決まり膨大な予算が投下される業界の1つである建築だが、現状はあまり明るくないようだ。賃金の低下や人手不足といった問題を抱えている。しかし、雪国では冬の間に雪の影響で仕事ができなく手が余っているなど地域や時期によって差があることも確かだ。そのような非効率な点をTSUKULINKではマッチングしてくれる。

cutty(株式会社アクトキャット)
美容師は約3年かけて技術を習得している。その技術を習得するためには練習が必要であり、そのためにカットモデルを探している。原宿や渋谷なんかで美容師がカットモデルを探しているのを見かけることは多いだろう。Cuttyではそんな悩みを解決すべくカットモデルと美容師をマッチングさせるサービスだ。全て無料で利用でき、美容室のクーポンなどでマネタイズする。


「井口さん、Telepathyは本当に作れるんですか?」TechCrunch Japan編集長が自社イベントで切り込む

スタートアップに関する日本最大規模のイベント「TechCrunch Tokyo 2013」が11月11日から12日にかけて開催された。2日目のオープニングセッションに登場したのはメガネ型ウェアラブルデバイス「Telepathy One」を開発するベンチャー、Telepathy創業者の井口尊仁氏と、同社に投資したFirsthand Capital Managementの最高投資責任者であるKevin Landis氏だ。

Telepathyというデバイスが実現する世界観について、そしてウェアラブルデバイスの未来について、TechCrunch Japanの西村賢編集長が切り込んだ。

Telepathy Oneは「Google Glass対抗」としても注目を集めるウェアラブルデバイスで、井口氏いわく、コミュニケーションにフォーカスした設計が特徴とのこと。言ってみれば「コミュニケーショントースター」というべき存在なのだという。「トースターというのはそれを見たときに、何に使うものなんだろう?と迷う人がいない」と井口氏は語った。Telepathyもコミュニケーションというシンプルな目的のために使われるデバイスになるようだ。

井口氏は現在のスマートフォンについて次のような課題を感じている。「スマホの大部分はコミュニケーションやシェアのために使われているが、たとえばFacebookで写真を撮って、アップロードして、シェアするのに12〜13ステップくらいかかっている」。だがTelepathyを使えば、これらのステップを限りなくゼロに近づけられるという。

「何かを伝えて、わかりあう。そういう日々行っていることをゼロステップに近づけて、まさにテレパシーのような体験を作りたい」。Telepathyはこうした井口氏の思想が盛り込まれた製品だそうだ。

ただし、その製品自体のスペックについては多くが語られることはなかった。常に身につけてネットに常時接続するにはバッテリの課題があるが、それについては「どのようにバッテリをマネージメントするか頑張っているところ」と話すにとどめた。Telepathyを操作するUIはどのようなものになるかを聞かれると、「たくさん話したいが広報から止められている(笑)」。

アイウェア型デバイスは腕時計とは違う。メガネをかける習慣のない人が朝起きて、それを装着するのはかなりのハードルではないだろうか。

井口氏は「それを考えると夜も眠れないし、朝も起きれない」と漏らした。「モーニングプロブレムとイブニングプロブレムという2つの課題がある。モーニングは朝それを持って出掛けてもらうこと。イブニングは電源をチャージしてもらうこと。それをクリアするためにはデザインもテクノロジーもアプリもUIも全部優れていないといけない。それを考えるとなかなか大変な開発だ」

途方もないチャレンジのように感じられる。西村編集長も堪らず聞いた。「井口さん、これ本当に作れるんですか?いつ出るんですか?」

井口氏はこう切り返した。

「我々はスタートアップなので誰もが容易にできることにチャレンジする必要はないし、そこにイノベーションはない。開発が大変でよかった。厳しいチャレンジに挑戦することができてよかった。」

決して強がりではないようだ。「ウェアラブルデバイスは誰にとっても大変なものだ。キラーアプリとそれを気持ちよく使えるようにするUI、バッテリコントロール、アプリを動かすチップセット、ディスプレイの機能、それらを含めて決して簡単ではない。でも簡単ではないからこそやっている」と言い切る。

そんな井口氏に投資するKevin Landis氏は、当然ウェアラブルデバイスの未来に大きな可能性を感じている。「携帯電話がスマートフォンに移り変わり、いまやスマートフォンは電話以上の存在になった。この薄い板のようなデバイスで何でもできる。ウェアラブルデバイスはその次の拡張になるだろう」(Kevin)。

Kevin氏はすでに世に出ているウェアラブルデバイスのうち、FitbitやJAWBONEも成功するとみている。「IPOもうまくいくだろう。2014年から15年にはできる」と予想した。その理由は彼らが「健康」という1つのユースケースに絞った上で、大きな市場を狙っているからだという。

「同じようにTelepathyもフォーカスしている。Facetimeを使うときに、お互いがデバイスを覗きこまなくても済むようになり、体験を共有し、より感情をコミュニケーションに入れられる。人が製品を意識しなくなり、製品が消える。それがもっとも美しい姿だ。」(Kevin)

しかし、何でもできるスマートフォンはかなり汎用的な機器として成功したのではないか? 西村編集長は聞いた。

そんなことはないと井口氏は言う。「たぶん皆さん、相当記憶の彼方に忘れていると思うが、iPhoneの最初のキラーアプリはiPodだった。あれだってウェアラブルデバイスだ。それまでデジタルとつながっていなかったミュージックプレイヤーをネットにつなぎ、1000曲をポケットに入れた。そこに音楽をデリバリーするiTunes。それがエコシステムの土台になっている。我々もそういうものを作ろうとしている。ウェアする価値のある、デイリーに必要な、かつウェアラブルじゃないとできないような体験性を、まさにiPodが音楽の聴き方を変えたような形で提供したい」

ところで2013年に入って腕時計型デバイスが出揃ってきた。SamsungやSonyが製品を発売し、Appleも「iWatch」なるものを開発しているとされる。なぜTelepathyは腕時計型ではなく、アイウェア型なのだろうか。

「大きなチャレンジだが、ウェアラブルに最適化された最高なUIを実現したいからだ。Google Glassもそこに大きな予算と高いR&D能力をつぎ込んでいる。コンピュータが使われる新しいスタイル、OS、アプリケーション、エコシステムを、一度にパラダイムシフトとしてやれるチャンスが、いま目の前にある」(井口氏)

もう一度聞きたい。いつ出るのだろうかーー。

井口氏は答えた。「2015年になると競争のチャンスがなくなる。2014年に届けたい。まずは米国のマーケットに向けて出す」。