米公共放送PBSがYouTube TVで見られるように

YouTube TVのネットワークパートナーが、また1つ増えた。セサミストリートなどで日本人にもおなじみのPBSだ。PBSとYouTubeの発表によると、今年の終わりごろから、このアメリカの公共放送ネットワークの系列局はYouTube TVの有料会員に、ライブストリーミングとオンデマンドで番組を送れる。

PBSがデジタルのTVプロバイダーとパートナーするのは、これが初めてだ。これによって各局は、ローカルなライブストリーミングを「全米に」送れることに期待している。YouTube TVとのパートナーシップにはPBS KIDSも含まれ、その教育的コンテンツやエンターテインメントをこのプラットホームから送れる。すべてのコンテンツが、YouTube TVのビデオオンデマンドとDVRサービスによる録画可能コンテンツとして受信でき、その量に制限はない。

YouTubeは、子どもがアクセスできる一部のコンテンツについて批判されており、その対策も発表している。YouTube TVはYouTubeの本来の動画ストリーミングと違って、ネットを使うケーブルテレビや衛星テレビに似ており、月額49ドル99セントでさまざまな放送ネットワークや有料チャンネルにアクセスできる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーを搭載、2番組を同時視聴可能に

Apple TVがピクチャー・イン・ピクチャーモードをサポートすることになり、2つの番組を同時に視聴できることになる。TechCrunchもそのことを確認したが、今朝最初に報じたのはアップル関連のニュースサイト9to5Macだ。本日は、tvOSも含むアップルのすべてのオペレーティングシステムの新しいベータバージョンがリリースされた日だ。

TwitterのユーザーNikolaj Hansen-Turton氏によると、tvOS beta 2をインストールすると。画面の右下の小さなウィンドウで別のコンテンツをプレイする新しいオプションが用意されていることがわかった。その小ウィンドウは、Apple TVのメインの画面にオーバレイされる。つまりそれは、ピクチャー・イン・ピクチャーモードだ。

やがて、いくつかのサイトがこのニュースを報じた。

でも、よくわからないのは、それが最小化されたビデオプレーヤーにすぎないのか、それとも本当のピクチャー・イン・ピクチャーか、という点だ。ツイートの写真やビデオを見ると、メイン画面は静的なバックグラウンドのようだ。2つの番組が同時に映ってる感じではない。でもこれまでの私たちの理解によれば、Apple TVは二つの番組をストリーミングする機能をサポートするはずなのだ。

ただし、いくつかの「ただし」がある。

まず、ピクチャー・イン・ピクチャーがサポートされるのは、アップルが提供するコンテンツのみだ。それに含まれるのは、iTunesで買ったコンテンツ、最近ローンチしたApple TV+のサブスクリプションサービスでストリーミングされるテレビ番組や映画、そしてApple TV Channelsでストリーミングされるビデオだ。

Apple TV Channelsは、5月のTVアプリのアップデートで導入され、HBO、Starz、Showtime、EPIX、Tastemade、Smithsonian Channelなどなどの有料アドオンにサブスクライブできる。AmazonのPrime Video Channelsの有料サブスクリプションや、もっと最近のRokuのChannelにも似ている。

たとえばアップルのTV ChannelsでHBOに加入していれば、tvOSのニューバージョンが今秋後半に公開されればHBOをピクチャー・イン・ピクチャーモードでウォッチできる。HBOにウェブサイトのHBONOW.comやサードパーティのHBO NOWアプリで加入しているなら、それはピクチャー・イン・ピクチャーで見ることができない。

アップルはTV Channelsの有料サブスクリプションを今後増やすつもりだから、そうなるとピクチャー・イン・ピクチャーで見られるコンテンツも増える。

サードパーティが自分のコンテンツやアプリをピクチャー・イン・ピクチャーにするためのデベロッパーツールを、アップルはまだ提供していない。そうなるまでの間は、Apple TV Channels経由で有料番組を見るしかない。ピクチャー・イン・ピクチャーがサードパーティのウェブサイトやアプリもサポートすれば、Apple TVの収益も増えて好都合ではないだろうか。

今月初めのアップルのWorldwide Developer Conferenceでは、新しいソフトウェアが紹介される場であるにもかかわらず、ピクチャー・イン・ピクチャーモードは発表されなかった。今日それが発表されるなんて、Apple TVのファンにとってはうれしいサプライズだろう。

ピクチャー・イン・ピクチャーモードはApple TV 4KとApple TV HDの両方でサポートされるはずだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Netflixが何を見たいのか決まってないときのシャッフル機能をテスト中

Netflixが今テストしている新しい機能は、見たいものが決まってないときに便利だ。同社によるとそれはシャッフルモードのような機能で、人気番組をクリックするとランダムな回の再生が始まる。つまりこの機能を使うと、これまでのテレビのように、スイッチを入れたらすぐに何かが見られるという状態になる。

現状のストリーミングサービスでは、このような怠け者の体験が難しい。まずストリーミングアプリをセレクトし、エンドレスなメニューとリコメンデーションをスクロールして、やっと見たいものが決まる。

今度のシャッフル機能では、ケーブルテレビをつけたときのような体験が得られる。つければ必ず、何か独立局の人気番組が映る。

その新しい機能でテストされている番組は、人びとが何も見たいものがないときに選ぶ番組のようだ。たとえば「The Office」「New Girl」「Our Planet」「Arrested Development」などだ。

特に「The Office」は、暇つぶし用に見られることが多いと言われている。

それらのテレビ番組は「Play a Random Episode」(ランダムな回を再生する)というタイトルの新しい列に並ぶ。番組のサムネイルをクリックすると、そのシリーズのランダムな回の再生が始まる。

サムネイルにも赤い「shuffle」のアイコンがついていて、それをクリックするとやはりランダムな回の再生が始まる。

「NetflixやHuluはシャッフルボタンを加えてほしい。Officeを見たくても回を指定するのはかったるいから」。

(上のツイートを見ると、ユーザーも同じことを考えていたようだね)。

この新しい機能に最初に気がついたのはAndroid Policeの人たちで、NetflixのAndroidアプリにはすでにこのオプションがあるそうだ。

NetflixはTechCrunchに、シャッフル機能は検討中だがまだ始めていないと言った。同社のスポークスパーソンは曰く、「テレビのさまざまな連続ドラマのランダムな回を再生する機能をAndroidのモバイルアプリでテストしている。テストを行う地域や時間は、変わることもあり、まだ常設にはならないだろう」。

Netflixはこれまでも、ユーザーがログインしたらもっとはやくコンテンツのストリーミングを始められる方法を検討していた。そこからたとえば、予告編の自動再生や、30秒のプレビューログイン画面上での宣伝などのアイデアが生まれたのだ。

画像クレジット: Android Police

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

広告業界インサイダーのグループが、広告賞にロシア疑惑を推薦

少人数の広告業界インサイダーのグループが、今年の広告賞シーズンに向けて斬新なキャンペーン制作し、ロシアの偽情報活動をノミネートした。

The New Yorkerの報道によると、この広告インサイダーたちは、自ら制作したロシア疑惑のケーススタディー —— “ProjectMeddle.com” —— をWebby Awardsに推薦した。

Webbyアワードは「インターネット最高の作品」に対して称賛と謝意をこめて贈られる賞だ

Project Meddleの応募ビデオだけでも一見の価値がある。

広告専門家からなる同グループは有志の協力を得て、ロシアの妨害活動を強く訴える事例を、マーケティングの名作にしあげた。

グループはロシアのプロパガンダと偽情報を流布するシステムの露骨なやり口を注意喚起するべく、マーケティングの手法を使った。

ロシアが支援する活動がポケモンGOなどの人気アプリやソーシャルメディアを悪用して、自分たちの作戦を推進する「ニュース」を創作しようとしたことも、キャンペーンは指摘している。

ロシアの一連の行動が、選挙結果に何らか影響を与えたことは、運動のスコープと到達範囲から考えて疑いの余地はない。

キャンペーンを賞に応募したことで、広告業界は自らの偽善的行為と直面することになった。これが上層部が行動を起こすきっかけになれば理想的だ。

「私の願いは、あの部屋に座っている力の強い人たちの何人かだけでも『こういうことが再び起きないために、私は何をしているのだろう?』と気づいてくれること」とある参加者がThe New Yorkerに話した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonがAmazon Channelsに自主チャネルを創設(最初はアニメ専門チャネル)…テレビビジネスをディスラプトか

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Amazonが、HBOやShowtimeなどのパートナーのビデオコンテンツをオンデマンドで提供していたAmazon Channelsに、初めての自己ブランドによる会員制のチャネルを加える。これまで同社はAmazon Prime Videoのライブラリやビデオオンデマンドの提供物の充実に力を入れてきたが、今回初めてそのための自社チャネルを作るのだ。

Varietyの記事によると、Amazonは今後、このような独自チャネルを増やしていくそうだが、しかし今回のAnime Strikeは、Amazon ChannelsでアメリカのPrime会員に提供される唯一のAmazon自身によるビデオ選集だ。会費は月額4ドル99セントだが、最初の一週間は無料、広告はなく、その豊富なライブラリには現在放送中の連載アニメ“Scum’s Wish”や“Blue Exorcist: Kyoto Saga”などの同時公開ビデオも含まれている。

ライブラリは毎週アップデートされ、アニメを選んだのは、AmazonのVP Michael PaullがVarietyに語っているところによると、ファンが多いわりにはアメリカでは提供サイトが少ないからだ。Netflixにもアニメの大きなライブラリがあるが、しかし既存のテレビプロバイダーの多くが、あまり経済性(費用対利益)が良くないとして、無視しがちなジャンルだ。

Amazonは今後数か月で、このような自主チャネルを増やし、さまざまなジャンルをカバーしていく。その詳細はまだ発表されていないが、ケーブルテレビのような(見たくないものも多くある)抱き合わせ配信ではなく、単品を中心とする新しいテレビビジネスを作り、その会費売上を伸ばしていくつもりのようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NetflixのCEO、リード・ヘイスティングス、「アカウントの共有はOK」

2016-01-12-netflix

しばらく前になるが、HBOのCEOが、当面、ユーザーがHBO GOパスワードを共有してもかまわないと語ったことがある。称賛すべきことに、Netflixもこの前例にならうようだ。先週のCESのセッションで―Netflixが海外130ヵ国に進出という大ニュースに紛れたらしく、まだ報道されていないが―同社の共同ファウンダー、 CEOのリード・ヘイスティングスは「消費者がNetflixのアカウント情報を共有するのは良いこと」だと語った。

オンライン・ストリーミングの分野では、アカウントの共有というのは一般的にいえばグレーゾーンだ。 他人のアカウントを使ってコンテンツを視聴すると、消費者はそれと知らずに契約、さらには法律に違反することになる可能性がある。しかしストリーミング・サービスの運営者側からみると、 HBOの社長、Richard Pleplerがはっきりそう語ったように、アカウントの共有は一概に悪いこととばかりはいえない。Pleplerはユーザーがアカウントを共有するのは「次世代のユーザーを開拓する上で素晴らしいマーケティング手法だ」と述べた。これによって視聴が増えブランド名が浸透し、「新たなHBO中毒」を生み出すからというわけだ。

NetflixのヘイスティングスがCESで説明したのも同じようなメカニズムだ。他のユーザーのアカウントを借りてNetflixを視聴するユーザーは、やがて自身が契約者になる可能性がきわめて高い。

「Netflixのアカウントが共有されるのは歓迎だ。われわれは居間でNetflixを見ているのが2人なのか10人なのか気にしない。〔パスワードの共有は〕良いことであって悪いことではない」とヘイスティングスは語った。

ヘイスティングスは「ユーザーである両親が子供にアカウント情報を教えると、子供が大きくなったとき自分自身もNetflixのユーザーになる」と説明した。

もちろんNetflixには以前から家族のメンバーがそれぞれパスワードを作れるファミリー契約がある。しかしCEOが将来のユーザー獲得のためになるからアカウント情報の共有はOKだと考えていることが分かったのは歓迎だ。

〔家族や親しい友だち同士でない間でのパスワード共有には問題がある〕とはいえ、ヘイスティングスはそうした共有を今すぐ取り締まるつもりはないようだ。いずれにせよNetflixにはまだ大いに成長の余地がある。特に新規参入を果たした地域ではそうだ。Netflixがインドやロシアを含む130ヵ国に進出するというのがCESでのビッグニュースだった。これによって現在ユーザー7000万のサービスが世界190ヵ国で視聴可能となるわけだ。

〔日本版:Netfllixは日本でも昨年から月額650円からサービスを提供中

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterがアメリカでワンツーパンチ広告を開始―テレビCMを見たユーザーに広告ツイートが表示される

今日(米国時間7/22)、「テレビCMを打った後、ツイート広告でダメ押しする」というTwitterのテレビCMターゲティング広告が全米の広告主に公開された。この広告方式は5月からベータテストが行われていた。TwitterのNielsen調査によると、テレビ/ツイートの組み合わせ広告はテレビCMのみに比べて95%も印象が強く、購入意図が58%も高くなったという。

Twitterはこれと同時に広告主向けアナリティクス・ダッシュボードを改良し、ユーザーがキャンペーンに対してどういう反応を示しているか簡単に情報を得られるようにした。広告主はこれを参考にして、たとえばリツイートの率が高まるようにキャンペーンを修正することができる。

TwitterのテレビCMターゲティング広告の仕組みはこうだ。

仮に、Nikeがエア・ジョーダン・シリーズの新しい靴のテレビCMを流すことにしたとしよう。TwitterはそのCMがどの放送局からいつ、どの地域に対して、どの番組内で放映されたかを正確にモニタする。Twitterは番組名や番組のハッシュタグを検索し、Nikeの当該CMを見た可能性の高いユーザーを特定する。NkeはTwitterのテレビCMターゲティング広告を利用してそのCMを見たばかりのユーザーのストリームに新しいエア・ジョーダンに関するプロモート・ツイートを表示することができる。このツイートはテキストのみでもいいし、購入サイトへのリンクやVineの6秒ビデオが含まれていてもよい。

この広告方式を可能にしたのはTwitterが2月に買収したテレビ視聴分析のBlueFin Labsのテクノロジーだ。BlueFinの共同ファウンダー、Michael Fleischmanは「われわれのビデオ識別テクノロジーによってTwitterはどのCMがどの番組で流されたかをリアルタイムで自動的に判別している。そのため広告主はいちいち事前にCM放映スケジュールをTwitterに知らせる必要がない。広告主は人手を食う面倒な作業を一切せず、自社のテレビCMを補完するツイートを視聴者に向けて送り出すことができる」

しかしテレビ番組についての会話が飛び交う場所はTwitterだけではない。たまたま今日、Trendrr がFacebookと共同で行った調査を発表したが、このレポートによると、リアルタイムの会話の王者はTwitterだという通念に反して、FacebookではTwitterを始めとする他のソーシャル・ネットワークすべての合計の5倍ものテレビ番組に関するソーシャル活動が行われてされていたという。もっともTrendrrはFacebookから独自の内部データの提供を受けたということだから、多少割引して聞く必要があるかもしれない。このレポートではFacebookの「いいね!」やコメントもいわゆる「ソーシャル活動」に含まれているという。これに対してTwitterの場合、@メンションなどが正確にカウントされているかどうかには疑問が残る。私はこの後、Trendrrに調査手法の詳細を取材するつもりだ。

ともあれ、FacebookのユーザーベースはTwitterの5倍もあるので、テレビ番組に関する会話が多くてもある意味当然ではある。ただし、会話の量が多いということが広告主にとってそれだけ効果が大きいかどうかは別問題だ。

Facebookはユーザーの公開プロフィールやオフラインの購入データをベースにした広告再ターゲティングに力を注いでいるのに対して、Twitterはユーザーが何をツイートしているかを読み取るセマンティック解析で大きな進歩を遂げ、これを広告ターゲティングに生かそうとしているようだ。大規模なテレビCMを流す予算がある企業にとってはTwitterの意味論的再ターゲィングの方がおそらく魅力的だろう。

一度聞いただけでは忘れてしまうが、繰り返されれば覚える。テレビCMをツイートで補完すれば、次にショッピングに行ったときにそのブランドを認識する可能性は高まるだろう。うまく用いれば、広告主は単なるテレビCMよりずっと対話性が高く強い印象を与えるマーケティング・ストーリーを展開することが可能になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+