テスラが10テラワット時の生産を目指すタブレス構造バッテリーの概要を公開

Tesla(テスラ)が自社で設定した年間10〜20テラワット時のバッテリー生産という野心的なゴールに到達するためには、バッテリーと生産方法を進化させる必要がある。

米国時間9月22日のTeslaバッテリーイベントで、同社はCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏がやり遂げると主張する一連のイノベーションを発表した。すべては、新構造のバッテリーから始まる。

この発表の中で、同社は新しいセルのデザインも公表している。新しい80ミリ長と呼ばれるもので、セルのエネルギー密度は5倍、出力は6倍となり、走行距離は16%伸びるという。

「私たちはこのセルの生産を、我々の10ギガワット試験製造工場で間もなく開始します」と、Teslaのパワートレーンおよびエネルギー工学上級副社長であるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏はいう。

ただし、この新しいセルの製造システムは、まだ稼働していない。試験製造工場で「まもなく取りかかる」段階だとマスク氏は念を押した。

従来のバッテリーは、陽極、陰極、セパレーターの3つの要素で構成されている。この基本構造に加えて、セルのエネルギーを外部電源につなぐためのタブがある。大きなフォーマットのリチウムイオンセルでは、セル内のフォイルとタブは「フォイル・トゥー・タブ」溶接によって接続されている。

リチウムイオンは、陽極から陰極へセパレーターを通して移動し、バッテリーの充放電を行う。この方式は何十年も前から変わらず、変わった部分といえばほとんどが素材科学に関連するものと、バッテリーのサイズぐらいなものだ。

従来型のリチウムイオン・バッテリーと、その要素である陽極、陰極、セパレーターを示した図。(画像クレジット:Tesla)

出力と密度を高めたことで、熱の問題が引き起こされたとバグリーノ氏は言う。

「そこが、我々のチームが克服目標に定めた課題です」とバグリーノ氏。「私たちは、この等式から熱を取り除くタブレス構造を思いつきました。これでコストは格段に下がり、製造工程もうんとシンプルになります」。

Teslaは従来のフォイルにレーザーでパターンを焼き付け、「Shingled Spiral(シングルド・スパイラル)」を通して活性物質の中で数多くの接続を可能にする。この新デザインは製造を単純化し、部品点数を減らし、電気の通り道も短くできる。そのようにしてTeslaは、主張どおり発熱を抑えているとバグリーノ氏は話していた。

「円筒形にして電極を排除したことで、巻きとコーティングの工程が劇的に簡単になり、発熱対策と性能の面で高い性能を発揮します」とバグリーノ氏。

マスク氏も同意している。「タブがあることで大変な苦労を背負ってきた」とイベントで話していた。

電子の移動距離が短くなってセルの熱問題は縮小し、大型のタブレスセルでも電子の通り道は短くなると、マスク氏はいう。彼は、セルが大きくなっても、小さなタブ付きのセルよりも重量出力比は優れていると説明していた。

「とても難しい仕事です」とマスク氏。「誰もやったことがない。だから、タブレスセルなんてものをどうやって作り、実際に使えるものにして、トップキャップに接続するのか、それを考え出すために、Teslaのエンジニアは本当に大変な苦労を強いられることになります」。

これは、世界を再生可能エネルギーに大きく近づけようとするTeslaの冒険の旅の中で、電気貯蔵技術向上のための数あるステップの第一歩だ。

「数多くの試行錯誤をすることになりますが、ここまでたどり着けたことを大変に嬉しく思います」とバグリーノ氏は話していた。

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イーロン・マスクが2021年後半発売のフラッグシップセダンTesla Model S Plaidを公表

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(翻訳:金井哲夫)

イーロン・マスクが2021年後半発売のフラッグシップセダンTesla Model S Plaidを公表

Tesls(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)は米国時間9月22日、同社のフラッグシップセダンの最新バージョンであるModel S Plaid(プレイド)の存在を明らかにした。Plaidは、1回の充電で少なくとも520マイル(836km)を走行できる能力を備える。

より強力な電気駆動システムと搭載したModel S Plaidは、2021年末まで発売されないが、テスラではすでに14万ドル(1470円)程度からの注文を受け付けている。

マスク氏は2019年9月、「Ludicrous(テスラ車の超加速モード)の先にあるのはPlaidだけ」とツイート。より高性能な車両へ予告は、映画「スーパーボール」を思わせるものだった。なお当時、マスク氏はこの新しい電気自動車は約1年後に生産が開始されると述べていたが、いままさにその時期に差し掛かってる。

テスラの年次株主総会のあとに開催された「Battery Day」の中で行われた発表でマスク氏は、「Model S Plaid」が2021年後半に生産開始されることを発表した。テスラのウェブサイトでは1000ドルの返金保証金が必要で、2021年後半に納入が開始されるとしている。

Model S Plaidでは、3つのモーターを搭載し、現在のModel Sと同Xに搭載されているデュアルモーターシステムよりも1つ多くなる。

マスク氏によると、この新しいPlaidパワートレインには3つのモーターが搭載され、現在のModel SとModel Xに搭載されているデュアルモーターシステムよりも1つ多いという。その結果、Model Sよりも高速で、航続距離が長く、より高価なモデルとなっている。このパワートレインは1100馬力を生み出し、最高速度は時速200マイル(約322km)に達し、時速0〜60マイル(0〜96km)までを2秒以内で加速できる。

同氏は昨年、Model Xと次期RoadsterにもPlaidパワートレインが搭載されることを明らかにしていていたが、今回の発表でこれらのモデルがより強力なパワートレインを搭載するかどうかについては言及しなかった。

マスク氏は、カリフォルニア州モントレーにあるLaguna Segaのレースウェイで、1分30秒3でラップを終えたModel S Plaidのクリップを公開している。これは、テスラが昨年Plaidのパワートレインとシャシーのプロトタイプで行ったテストよりも6秒早いタイムだ。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:TechCrunch Japan)

未来のテスラ車のバッテリーは車体と一体構造で剛性、効率、安全性、コストを改善

Tesla(テスラ)はバッテリーパックの実装方法を根本的に見直し、単なる燃料源ではなく、車両の構造要素に変えようとしている。米国時間9月22日のTeslaバッテリーイベントで、Elon Musk(イーロン・マスク)氏はこれを民間航空機の燃料タンクと比較して話した。かつては翼の中のタンクに燃料を入れていたが、タンクは内部構造にボルトで止められていた。後に、翼自体を燃料タンクにすることで、燃料の搭載量だけでなく、重量や部品使用に関してもずっと効率がよくなることに気がついた。

「現代の飛行機では、燃料タンクというより翼は燃料タンクそのものが翼の形をしているだけだ」とMマスク氏はいう。「これは間違いなく取るべき道だ。燃料タンクは二重構造になっており、もはや貨物ではない。それは飛行機の構造の基本であり、技術の大躍進だった。我々は車で同じことをやる」。

バッテリーセルを車体の構造要素に変えることで、現在存在しているバッテリーセルの構造支柱を取り除いたと想定した机上計算以上の質量を節約できる、とマスク氏は指摘する。それは、バッテリー自体が支柱のかなりの役割を果たすからだ。その結果、直感に反するかもしれないが、車両全体の安全性も高まると同氏はいう。

Teslaは、構造接着剤として働きさらに難燃剤としても機能する充填剤を作ることでこれを実現しようとしている。結果的に「バッテリーセルを車体の上部板と下部板に接着させ、上下の鉄板の間でせん断伝達が可能になる」とマスク氏はいう。

関連記事:Tesla introduces its tabless battery design on the road to 10 terawatt hours of production

「こうすることで驚くべき剛性が生まれ、実質的に二層の鉄板の間にハニカム構造をサンドイッチすることになる。これは超高速なもののあるべき姿だ」と彼はいう。「実際、飛行機よりもうまくいく、なぜなら燃料は液体なのでこうはいかないからだ」。

最終的に、Tesla車をどんな一般車よりも堅牢にできる構造ができ上がる。堅牢な設計は全体的安全面からも優れており、バッテリーはさらに効率的になるとともに、バッテリーセル自体にかかる応力やひずみによる「任意点集中荷重」を避けることができる。

「さらに、バッテリーセルを車体の中央に近づけることができる、なぜならあらゆる支柱の類がなくなるからだ」とマスク氏は語る。「つまり構造的パッケージの体積効率は非構造的パッケージよりもはるかに高い。しかも、バッテリーセルは中央に近づく」。

これで側面衝突の衝撃がバッテリーセルに到達する可能性が低くなり、バッテリー火災の原因になる衝撃を受けにくくなる。加えて、「極慣性モーメントを改善する」とマスク氏はいう。これは、車両の総合的操縦性や運転、操作の感覚が向上することを意味している。

最後に、構造的バッテリー設計では現在のTesla車のバッテリー設計より部品が370個少なくなり、これはコストおよび潜在的故障箇所を大きく減少させる。新方式は、彼が発表した他のバッテリー革新と合わせて、製造面でも大きな節約になるとマスク氏は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏がバッテリーの技術革新でテスラの電気自動車が約260万円になると発言

Teslaは米国時間9月24日のBattery Dayイベントで、同社の自動車用バッテリー技術におけるさまざまなイノベーションを披露した。イベントでTeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏とパワートレインとエネルギー技術担当上級副社長であるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、同社の新しいアノードおよびカソード技術と材料科学、リチウムの自社採掘、バッテリーをより安価にし持続可能にする製造工程の改良などについて解説。これらを統合することで、2万5000ドル(約260万円)の価格帯で電気自動車を消費者に提供できるようになるはずだと述べている。

「2万5000ドルという価格帯で、非常に魅力的な電気自動車を作ることができると確信している。しかもそれは、完全な自動運転が可能だ。2万5000ドルは、電気自動車の価格としてはとても安価なものであり、多くの人が気軽に電気自動車を買えるようになるだろう」とマスク氏はいう。

マスク氏がTesla車の2万5000ドルの価格帯について口にするのは、これが初めてではない。2018年8月に彼は、3年ほどでその目標価格帯を実現できると述べている。しかし同じく2018年8月にマスク氏とバグリーノ氏は同社が定時した技術を効果的な規模で量産するには2、3年先のことになると認めているため、2年経った現在、ゴールポストはまた遠くなったようだ。これはマスク氏によくある話だ。

Teslaは年間10〜20テラワットという世界的なバッテリー生産能力達成の実現に役立つ新しいタブレスバッテリーセルの設計も詳細に発表した。この設計は既存セルの5倍のエネルギー密度と6倍の出力を提供し、使用する車両の航続距離を16%伸ばすという。

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Future Teslas will have batteries that double as structure, making them extra stiff while improving efficiency, safety and cost(未訳記事)
Tesla introduces its tabless battery design on the road to 10 terawatt hours of production(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスク氏が「テスラ車が搭載するHEPAフィルターを使った高性能家庭用空調システムをいつか開発する」と発言

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は以前、Tesla(テスラ)車が誇る「生物兵器防衛モード」を自慢していたが、これは高効率HEPA空気濾過のおかげもあって、悲惨な状況に直面しても車内に高品質な空気を提供できるよう設計されている。マスク氏はTwitterで、いつか家庭用の空調システムに同様の空気濾過システムを提供したいと投稿した。

テスラは主に自動車メーカーだが、SolarCityの買収、ソーラーパネルを組み込んだ屋根用部材の生産、家庭でのグリーン電力源から発電した電力を貯蔵するためのテスラバッテリーのビジネス構築のおかげで、すでに家庭用エネルギーと発電のビジネスにも参入している。

住宅建設や他のインフラ部分に参入する動きはまだないようだが、冷暖房の供給源にもよるが、住宅全体のエネルギー商品の大きな部分を占めているため、実際のところ空調(HVAC)システムは同社の事業の拡張に寄与するだろう。

John Mackey:イーロン・マスクがテスラに「バイオハザードモード」を搭載したときは、ふざけているだけだと思っていた。車がおならをしながら走るんだから。しかし、これは私たちの家の空気の質だから、天才イーロンの勝ちだ。窒息しないように車に乗って行く。

家庭用HVACの効率を高めることは、真のオフグリッド(またはほぼオフグリッド)の自給率の達成を容易にするのに役立つと思われるため、ほかのテスラのホームエネルギー製品を消費者にアピールできるという利点もある。

同社のHEPAフィルターに関しては、ジョークのような名称であるにも関わらず、実際にテスラは生物兵器防衛モードを非常に真剣に考えている。2016年の同社ブログ記事では「標準的な自動車用フィルターの10倍の効率」というHEPAフィルターの主張を裏付ける試験データとともに、システムの設計に何が使われたかを詳細に説明している。記事では山火事について言及していないが、テスラは「ラッシュ時のカリフォルニアの高速道路、臭い湿地帯、カリフォルニアのセントラルバレーの牛の牧草地、中国の大都市」への対応を課題に挙げている。

現在、米国西海岸の大部分を荒廃させている山火事は、環境条件が気候変動の影響を受け続けているため、今後さらに悪化すると多くの専門家が予測している(CapRadio記事)。この状況を踏まえ、かつ顧客の生態系への影響を中和または低減する幅広い製品を提供するというテスラの大きなビジデス目標を考えると、より効率的で効果的な家庭用HVCA製品は、同社の業務における専門知識から大きく外れていないように思える。

関連記事:Teslaの生物兵器防衛モードは、途上国市場に向けた天才的発想

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

パナソニックがTesla Gigafactoryの生産ラインを刷新、密度5%増、コバルト使用量減の新型バッテリーを製造へ

パナソニックは、Tesla(テスラ)と共同運営する米国ネバダ州にある巨大工場に新たな生産ラインを追加し、電池セルの容量を10%増やす拡張を進める。

Gigafactory 1(ギガファクトリーワン)と名付けられた同州スパークスにある施設は、世界規模でのバッテリー容量を拡大し、電気自動車のコストを削減するというテスラの計画の目玉だ。パナソニックは、このプロジェクトにおいて最も重要なパートナーであり、最近の合意に基づき、少なくとも2023年までの提携が決まっている(米証券取引委員会資料)。

両社は当初、年間35GWh(ギガワットアワー)の電池生産能力を備えるGigafactoryを計画していたが、その目標は既存の13番目までの生産ラインで達成された。今回の拡張は、Reno Gazette Journal and (リノ・ガゼット・ジャーナル)紙が最初に報じ、TechCrunchが確認したもので14番目のラインが追加されることになる。

パナソニックは、このラインの追加によりGigafactoryで100人以上の雇用を増やす必要があると述べている。「建設プロジェクトはすでに進んでいる」と同社はTechCrunchに説明した。同社はこの新ラインを加えると同時に、新技術を導入した「2170」タイプのリチウムイオン電池も生産し、テスラに供給する。新タイプは現行タイプに比べてエネルギー密度が5%向上し、コストのかかるコバルト含有量が削減されているのが特徴だ。パナソニックは、既存の13ラインのバッテリセル生産設備のすべてをアップグレードする。この新技術により、今後5年間でエネルギー密度を20%向上させることが期待されている。

セルのエネルギー密度が向上するということは、理論的にはテスラがバッテリーパックでも同じメリットを得ることを意味する。その結果、Model 3やModel Yのバッテリーの航続距離も向上するはずだ。この2170タイプのバッテリーは、Model 3と最新車のModel Yに使用される。高価で社会・環境コストのかかるレアメタルであるコバルト含有量の低減も、電池の価格を下げるのに役立つだろう。

画像クレジット:Smnt Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 License.

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラ株が9月8日朝の取引で17%下落、幅広いテック系の売りで急落

先週の9月3日木曜日と4日金曜日の公開市場の売りは今週にもおよび、米国時間9月8日朝のNasdaq総合指数は2.5%下落した。米国では今週月曜の9月7日がLabor Dayで祝日だったので、短縮された週の初めの9月8日にハイテク株が大幅に下落。さらに広範に指数を下げている中、有名なテクノロジー企業やテクノロジー系企業の中には、さらに苦境に陥っている企業もある。

Tesla(テスラ)もそのような企業の1社で、9月8日の早い取引で同社の株式はその価値の約17%を下げた。

米国で電気自動車とバッテリーを開発・販売しているテスラは、1株2000ドルの大台を突破した後、最近5対1で株式を分割した。「株だけが上がる」時代の中で、テスラは強気な投資家に人気があることを証明している。同社を自動車会社と呼ぶだけでも、ソーシャルメディア上で侮辱や罵声を浴びせられることがある。

奇妙なことに、このニュースは取引が行われる前に価格決定されていたはずであることを考えると、テスラの株式は分割プロセスの間に価値を獲得した。

にもかかわらず、テスラにとってはまたしても厳しい1日となり、株価の下落が加速し始めている。Yahoo! Financeによると、テスラの分割後の52週の最高値は502.49ドル。同社の価値は現在1株当たり345.75ドルで、テスラの価値が最近の高値から30%以上下落していることを意味している。

【更新】今朝の時点でテスラが約50億ドルの株式を売却したことを見逃していた。CNNによると、金曜日に完了したことを考えると、それが終わったというニュースが会社にどのような影響を与えるべきかはわずかに不透明です。すべての同じ、コンテキストは重要な落ちたので、私はそれを追加したかった。

私は9月8日の朝にテスラの株式売却が完了したことを見逃していた。同社の株式は50億ドル(約53000億円)ほど売却された。CNNによると売却は8月4日の金曜日に完了しており、売却完了のニュースが同社の株価に与える影響はやや不透明だ。

しかし、株価が再評価されたのはテスラだけではない。SaaSを開発するスタートアップ企業のパフォーマンス指標であるBessemer Cloud Indexは約1.8%下げ、直近の過去最高からは約15%下落している。Nasdaq総合指数は最近の高値から8.9%ほど値を下げている。

ハイテク株の売却時の懸念は、上場を目指すハイテク企業やスタートアップ企業への熱狂を弱める可能性がある。そして、リスクのある株式に対する投資家の熱が下がれば、SPAC(特別目的買収会社)のような金融機関の輝きが薄れることは想像に難くない。

いずれにせよ、テスラ株は本日急落しており、NikolaはGMが同スタートアップの11%、20億ドル(約2120億円)相当の株を取得したというニュースで持ち直している。

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

1週間のモビリティ関連記事を一覧できるThe Station:9月第1週号

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今週もThe Stationにようこそ。この記事は人や荷物をA地点からB地点に移動する、現在と未来のすべての方法に捧げられたニュースレターだ。

感想や批判、意見そして貴重な情報は、いつでもkirsten.korosec@techcrunch.comにメール、もしくはTwitter(ツイッター)で @kirstenkorosecにDMして欲しい。

まず、投資の話から始めよう。

今週の投資案件

いろいろあったが、今週目立つのは新しいSPAC(特別買収目的会社)だ。ご存知のように、またSPACがやってくる。SPACの合併の発表の中には、実績のない若い企業が懸命に資本を求めるといったケースもあるが、今週のものは違う。

Volkswagen Groupが支援する固体電池企業のQuantumScapeが、特別買収目的会社であるKensington Capital Acquisition Corp.との合併に合意した。この合併によりQuantumScapeの事後の市場価値は33億ドル(約3500億円)になる。

QuantumScapeは、若いスタートアップではない。おおよそ10年前に創業し、早くからKleiner PerkinsやKhosla Venturesといった高名な投資家の関心を集めていた。Volkswagenが登場するのは2012年で、2020年の2億ドル(約212億円)を含めQuantumScapeに対して総額で300億ドル(約3兆1800億円)を投資している。

QuantumScapeには、電気自動車用の全固体電池を商業化するという資本集約的な目標がある。全固体電池は固体の電解質を使用し、リチウムイオン電池に見られる液状ないしジェル状の電解質を使わない。開発者たちによると、固体の電解質はエネルギー密度が大きく、軽量小型の電池でも航続距離を伸ばすことができる。また固体電解質は熱管理がしやすくて火災の危険が少ないため、今日のEVに見られる冷却システムを必要としない。

今週の(やや少なかった)そのほかの投資案件

Geely Automobile Holdingsは上海の公開株市場STAR Marketで200億元(約3100億円)を調達する計画だ。その資金は自動車の新しい車種と技術に投じられるとロイターは報じている

インドのフードデリバリースタートアップであるZomatoが、Temasekから6200万ドル(約65億7000まねん)を調達し、2020年1月に完了する予定だった資金調達を再開した。シンガポールの国営投資企業であるTemasekは同社の子会社MacRitchie Investmentsからその投資を行ったと申請文書で述べられている。

関連記事:
VWが支援する全固体電池開発のQuantumScapeが特別買収目的会社経由で上場へ
インドのフードデリバリーのZomatoがシンガポールの国家投資部門から65.9億円を調達

今週の自動運転企業:Yandex

自動運技術となると米国の企業に話になりがちだが、他の国・地域の話題もある。ロシアの上場企業であるYandexは、検索サービスからスタートしたテクノロジー大手だが、同社も米国以外の自動運転車企業の1つだ。

Yandexには米国のGoogle(グーグル)と同じく、さまざまな分野に手を出してきた結果の1つとして自動運転車技術がある。2020年1月にラスベガスで開催されたCESで、運転席に人がいない自動運転車の公道デモに乗ったことがある。デモは技術上の問題を隠して行われることも多いため、私はいつも半疑って見ているがYandexのそれは違った。その車両は、積極果敢な運転で自信に満ちた走り方をした。路上に停まっているバスを避け、左折も駐車場への停車もできた。Yandex提供のこのGIF画像はモスクワ市内のものだ。

このような話をしたのは、今週、Yandexがその自動運転車部門をMLU BVからスピンアウトすると発表したからだ。MLU BVはライドシェアとフードデリバリーのジョイントベンチャーで、Uberとの共同経営だった。2019年は、YandexとUberがMLUのIPOを計画している、と報じられた(Bloomberg記事)。その際の評価額は77億ドル(約8160億円)とされている。

このスピンアウトの一環としてYandexは、その事業に1億5000万ドル(約159億円)を投資する。1億ドル(約106億円)が株式、5000万ドル(約53億円)が転換社債だ。この過程でYandexはUberの株の一部を買い取るため、スピンアウトした事業の73%を手に入れ、Uberが19%を持つ。残り8%はYandexの自動運転グループの役員と社員が手にする。Yandexによると同社はこれまでに、およそ6500万ドル(約69億円)をこの事業に投資してきたという。

TechCrunchのエディターであるIngrid Lunden(イングリッド・ランデン)が彼女の記事で述べているように、スピンアウトによってこの部門の経済性とMLU部門のコストベースが改善される。しかしYandexによると、スピンアウトは自動運転への投資をさらに本格的にするために行なった、という。

関連記事:ロシアYandexがUberとのJVから自動運転事業をスピンアウト、159億円を新会社に投資

電気自動車の関連技術

電気自動車そのものではないが、関連技術であるアプリの話題もあった。

アプリといえば、これまでにもいろいろなものが登場している。Teslaの人気に刺激されたもので、ドライバーがルートを調べたりするものが多く、ほとんどのアプリにソーシャルな機能がある。Tezlabは以前、TechCrunchでも採り上げたことがある。

今回ご紹介したいのは、Nikolaだ。このアプリはDavid Hodge(デビッド・ホッジ)氏のホビープロジェクトとして2018年にローンチした。ホsジ氏は公共交通機関のためのアプリEmbarkを制作し、Apple(アップル)が2013年に彼の会社ごと買収した。数年間、同社にいたホッジ氏は、その後Stripeへ移った。しかし、このアプリ「Nikola」で彼はまた独立している。

今週、ホッジ氏はNikola 2.0をローンチした。2.0は会員制のアプリで、TeslaのオーナーにTesla車の状態をモニタリングする。今後はTesla車以外にも拡張する予定だという。

画像クレジット:Nikola

現在、アプリはiOS版のみで、ユーザーにバッテリー残量や効率、エネルギー消費量、最高速度と平均速度、毎週の電力漏れ、運転と充電の履歴などを教えてくれる。データは税金や経費といったレポートでそのまま使える。バッテリー残量はApple WatchのNikolaコンプリケーションでもチェックすることができ、Nikola Fleet Statsで他のTeslaドライバーと比較することも可能だ。

Nikolaレポートと呼ばれる機能も興味深い。これはEVのオーナーが車を買いそうな人たちと共有するCarfaxレポートに似ている。このNikolaレポートのデータ収集は、始まったばかりだ。

関連記事:TezLabアプリはテスラ車のためのFitbitだ

そのほかの注目ニュース

ついに、今回のニュースレターも最終第4コーナーに入った。

Bay Area Rapid TransitことBARTは、個人用吊革を販売している。電車の中などで、どこにも触りたくない人はバーに簡単に取り付けることができる。

GMとFordはどちらも、政府と約束した人工呼吸器の総額数百万ドル(数億円)の契約を完了し、合わせて8万台を納品した。

GMと本田技研工業は、自動車の生産で北米地区における法的拘束力のない提携を結んだ(Detroit Fee Press記事)。これにより、長年協力関係にあった両社が生産の一部を共有する。特に両社は自動車の車両プラットフォームを共有し、それらの車は各自のブランドで販売される。また部品や資材の購入、研究開発、インターネット接続サービスでも協力する。

自動運転トラックのIkeは、今週ビッグニュースがあった。RyderとDHLとNFIがIkeを、彼らの自動運転技術のプロバイダーとして選んだのだ。規模を発表していない企業もあるが、3社合わせて、Ikeの技術によるトラックの最初の1000台を予約した。

Ikeの共同創業者でチーフエンジニアのNancy Sun(ナンシー・サン)氏が、10月6日と7日のTC Sessions: Mobility 2020のバーチャルステージに登壇する。サン氏の話をまだ聴いたことのない人は、きっと感動するだろう。イベントはかなり大きなものになり、まだご案内していない登壇者も多い。

Lucid Motorsは米国時間9月9日にLucid Airを披露する予定だが、そのラグジュアリーな電動車の情報を今も小出しにしている。今回のLucidの発表は、Airのクォーターマイル9.9秒説だ。Tesla Model Sより速く、現在、市場にあるほとんどの一般市販車よりも速い。

走行距離制の自動車保険を提供するMetromileによると、同社はFord Motorと提携して(Business Wire記事)、インターネット接続可能な車種のオーナーには個人化された自動車保険が提供される。

Teslaは多くの予想に反してS&P 500社にはならなかったが、ファンは米国時間9月4日にTwitter上で、EtsyやTeradyneやCatalanがS&P 500社に選ばれたことを嘆いた。

Torc Roboticsと親会社のDaimler Trucksは、自動運転トラックの合同公道試験を2020年9月にニューメキシコで延長し、アルバカーキ地区にテストセンターを作る計画である、と発表した。

米国政府は、国のどこでいつ誰が自動運転車をテストしているかを多くの人がわかるようにするオンラインツールを公開した。ツールの公式名はAutomated Vehicle Transparency and Engagement for Safe Testing Initiative tracking tool(安全な試験計画のための自動運転車の透明性および社会性追跡ツール)だ。単純明快なツールだが、情報提供は企業の自由意志であるため完全なツールではない。この国の自動運転車技術に関する情報が1カ所ですべてわかるような、充実したツールに成長して欲しい。

電動自転車のVanMoofが、米国内で3つ目となる店舗をシアトルにオープンする。店舗が増えるということは、同社が好調であることだ。VanMoofの米国における電動自転車の売上は、2020年3月以降前年比で85%も増えている。

Volkswagenが、近く発売される全電動のコンパクトSUVであるID.4の画像をちょい見せした。それは、最新のテクノロジーの世界と、昔ながらのトグル(切り換えスイッチ)やボタンの世界の両者を、うまく均衡させた設計かもしれない。これがEVの世界における「3匹のくま」になるのか?9月末にはわかるだろう。

関連記事
GMとフォードが新型コロナで米政府と契約していた人工呼吸器生産を完了
Lucid Motorsが来週発売の電動セダン「Lucid Air」で9.9秒のクォーターマイルを達成、テスラを破ったと主張
VWのオール電化車ID.4は室内照明を使ってドライバーとのコミュニケーションを図る

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タグ:SPAC Volkswagen Group QuantumScape 自動運転 Yandex Tesla

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Lucid Motorsが来週発売の電動セダン「Lucid Air」で9.9秒のクォーターマイルを達成、テスラを破ったと主張

米国カリフォルニア拠点の電気自動車メーカーであるLucid Motors(ルシード・モータース)は、電動セダン「Lucid Air」の発表日に設定されている来週、Tesla(テスラ)をターゲットにすることが明らかになようだ。ここ数週間、同社は充電時間、推定航続距離、双方向のパワーフローなど明らかにしてきた。そして本日米国時間9月12日、クオーター(4分の1)マイルタイムを含むLucid Airの注目すべき側面を明らかにした。Lucid Airはどのテスラ車よりも速いことをうたっている。

Lucid Motorsによると、Lucid Airは9.9秒でクオーターマイル(約400m)を走ることができる。これはテスラのModel Sはもちろん、市場に出回っているほとんどの市販車よりも速い。

もちろん、この速度を出すにはコストがかかる。第一にドライバーは、信号機に近づくと速度を落としたり、停止させる必要がある。そして、安全のためドライバーは10秒未満でクォーターマイルに到達することを期待すべきではない。Lucid Motorsは、経験豊富なドライバーの技術と、ウォームアップ済みタイヤを使ってトラック上で達成したのだ。

Lucid Airは、各車軸にモーターを利用した1080馬力のパワートレインを搭載している。モーターを組み合わせると、2.5秒で時速60マイル(約96km)まで加速できる。確かにこれはテスラのModel Sよりも速い。

Lucid Motorsは2016年に最初にLucid Airを発表。ようやく量産バージョンの生産をスタートさせ、顧客が購入できる準備が整った。航続距離は517マイル(約832km)。クオーターマイルの加速については、ほとんどのエキゾチックなスーパーカーの大半に打つ勝つことができるだろう。

画像クレジット:Lucid Motors

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが最大5300億円の新規株式売り出しを発表、株価は3月中旬から598%上昇

Tesla(テスラ)は米国時間9月1日、最大50億ドル(約5300億円)の新規株式を売り出すと発表した。同社の株価が過去にない上昇を続けていることを受けた動きだ。

同社は、米証券取引委員会に提出した申請書の中(Teslaリリース)で「成行注文」提供プログラムを通じて「その時々に」株式を売る、とした。Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)、BofA Securities(バンク・オブ・アメリカ・セキュリティズ)、Capital Inc.(キャピタルインク)、Citigroup Global Markets Inc(シティグループ・ グローバル・マーケッツインク)、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)などがテスラの意向を汲んで株式を販売する。

テスラ株は9月1日、ニュースを受けて下落して始まった。午前中に4.25%安になり、その後戻した。記事執筆時点での株価は株式分割後の価格で0.34%安の469.40ドル(約4万9700円)だ。

同社は新たに調達することが予想される資金の詳細な計画は示さなかった。その代わり、申請書の中で「財務のさらなる強化と一般事業目的」に使うつもりだと述べた。

新たな資金の注ぎ込み先はたくさんあるだろう。同社は日々のオペレーションに加え、ベルリンやオースティン近くの工場を含むいくつかの建設プロジェクトを抱える。

同社は急上昇中の株価の力を最大限引き出すためにすでに動いていた。2020年8月に役員会は、株式1株を5株に分割することを承認した。分割の発表は、このところテスラ株が急上昇していたのに続くものだ。

8月31日に1株が5株に分割されるのを控え、同社の株価は8月28日に2213.40ドル(約23万4500円)をつけた。分割後の取引開始価格は444.61ドル(約4万7100円)。個人投資家がチャンスとばかりに飛びつき、これまでより小さい価格でもテスラ株の勢いは削がれなかった。分割後の株価は8月31日に12.6%上昇し、498.32ドル(約5万2800円)で引けた。

1年前、テスラ株は227.45ドル(約2万4100円)だった(分割調整価格では45ドル、約4770円)。2020年3月までは上昇と下落を繰り返していたが、その後上昇トレンドに乗った。3月18日以来、テスラの株価は598%上昇した。

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Tesla Gigafactoryがランサムウェア攻撃の標的に、おとり捜査で容疑者は逮捕

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)に対して試みられたそのサイバー攻撃を「深刻」と形容した。そのコメントは、同社がネバダ州リノの近くの巨大な工場で、結果的には失敗したランサムウェアのターゲットになったことを認めている。

司法省が米国時間8月27日に発表した訴状は、ネバダ州スパークスの某企業に対する事前に阻止されたマルウェア攻撃を記述している。テスラはスパークスに工場があり、バッテリーのセルやパック、そして電動モーターを作っている。訴状にテスラの名はないが、ElectrekやTeslaratiなどいくつかのブログがターゲットが同社だったと報告している。

TESLARATI:テスラ社員は100万ドルの支払いを見送り、FBIと協力してサイバーセキュリティ攻撃を阻止

Elon Musk:ほんとうにありがとう。これはかなり深刻な攻撃だった。

司法省によると、ロシア国籍の27歳の青年、Egor Igorevich Kriuchkov(エゴール・イゴレビッチ・クリチュコフ)がテスラの社員を贈賄し、マルウェアを同社のネットワークに仕込もうとした。

そのマルウェアがランサムウェアをインストールするという設計で、後者は被害者のファイルを暗号化して、元に戻すための身代金(ランサム)を要求する。訴追者によるとランサムウェアの手口は進化していて、最近流行っているのは被害者のファイルを暗号化するだけでなく、そのデータをハッカーのサーバーに取り込む。そして身代金を払わないとデータを公開するぞと脅す。

テスラのGigafactoryと呼ばれている工場でクリチュコフはその社員に会い、彼に100万ドル(約1億600万円)を渡してマルウェアをコンピューターのネットワークに導入するよう求めた。その社員はテスラに報告し、テスラはFBIに通知した。FBIはその社員をおとり捜査に使っていたのだ。

その後、クリチュコフは8月22日に逮捕された。

画像クレジット:Smnt/Wikimedia Commons CC BY-SA 4.0のライセンスによる

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これなら買える、子どもサイズのテスラModel Yが約1万円で登場

あなたが私と同じように、投資の失敗続きでフルサイズのTesla(テスラ)を買うお金がないなら、Radio Flyerの新製品はまさにそんな私たちのためにある。新製品はModel Yの縮小版(全長66cm)で18歳以下の子ども用だが、小さい頃にかえってこれに乗り、子どもに負けないぐらいの声で「ブルルーン!」と叫ぶことは十分にできる。投資といえば、Fyre Festivalでは大損したが、そのうち絶対取り返すつもりだ。

「My First Model Y」と名づけられたこのモデルは、テスラのデザインスタジオとRadio Flyerのプロダクトチームのコラボによるもの。本物のModel Yにはないライドオンバージョンで、しかしクラクションはあるし、実車ではアップグレードオプションである黒いホイールがあり、機能的なステアリングホイールもある。お値段は99ドル(約1万400円)だ。トリムレベルは1つしかない。

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Radio Flyerとテスラの最初のコラボレーションはTesla Model S for Kidsだった。今回のModel Yには、そのときと違ってバッテリーがない。動力は、子どもが足で蹴ることだ。おかげでとても安くできたし、低年齢の子どもも遊べる。

自分の1998年型トヨタ・カムリのリアウィンドウに油性ペンで「Tesla」と落書きするぐらいなら、むしろこっちを買った方が楽しいだろうね。

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初めて1800ドルを突破したテスラ株の理由なき高騰

米国時間8月17日、Tesla(テスラ)株が初めて1800ドルを突破した。同社の時価総額を3410億ドル以上(約36兆円)に押し上げる驚きの急騰だ。

いくつか数字を見てみよう。テスラは2019年に36万7500台の自動車を販売し、2020年には50万台の大台を目指している。その時価総額はアメリカの三大自動車メーカーであるGM(ゼネラルモーターズ)、Ford(フォード)、Fiat Chrysler(フィアット・クライスラー)を合わせたよりも大きい。それどころか、現在テスラの時価総額は、3社「合計」の3.5倍を超えている。

ちなみにテスラが2020年に50万台以上(決して小さくない数字である)の車両を販売予定なのに対して、2019年にFordは米国だけで241万台を売った。同じ年にFiat Chryslerは220万台、GMは289万台を米国で販売した。それでいて、テスラは3社を束にしたより何倍も価値が高いのだ。

値上がりの理由?

米国時間8月17日、テスラ株が11.2%以上値上がりして1835.64ドルで引けた根本的理由は見当たらない。MarketWatchによると、WedbushのアナリストであるDan Ives(ダン・アイヴス)氏が8月17日にテスラに対して高評価を与えたようだが、それはそれだけのこと。数百億ドル(数兆円)の価値を上げる話ではない。

これは、有名電気自動車会社でこの春始まった値上がりが、テスラが最近発表した5対1の株式分割計画で加速されているという話だ。

小さな雪玉が雪崩へと変わるように、その変化は驚くべきものだった。2年前のテスラを思い出して欲しい。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は「資金を確保した」とツイートし、テスラを1株420ドルで買い戻して非上場化しようと考えていた。

その後、マスク氏は発言を撤回し、テスラは上場を維持した。しかし、その後の一連のツイートや漏洩したメールが米国証券取引委員会(SEC)の目に止まり、後にマスク氏を証券詐欺で告発した。不正行為を認めないまま両者は和解に至った。その際テスラは、独立社外取締役2名を登用し、マスク氏が3年間会長職につかないことに合意した。

不安定な株らしく価格は乱高下した。2019年8月にテスラ株は52週安値の211ドルに達した。それ以来同社株は約770%値上がりした。

テスラの価値を評価する

金融界で繰り返されるジョーク。ある会社の株価に説明できないおかしなことが起きた時、その動きは「まちがいなく」将来のキャッシュフローの現在価値の変化に基づいている。8月17日にテスラ株が、重大ニュースもないのに急騰したのはその一例だ。

つまり、この動きはテスラの将来のキャッシュフローの現在価値の変化に基づいている。

ジョークはさておき、どんな財務基準で測ってもテスラ株のおかしな過剰買いは見られない。YChartsによると、株価売上高倍率で見てテスラは売上の13.7倍前後で取引されている。GMは?0.38倍。トヨタ自動車の株価売上高倍率はGMよりずっと高く、0.77倍でGMの約2倍だ。

しかしそれはテスラが支配する売上マルチプルの一桁パーセントにすぎない。トヨタ自動車の株価純資産倍率は0.98倍、テスラは34.6倍だ。これもYChartsのデータによる。

これはテスラがライバルたちを抜き去って電気自動車市場でトップの座を確保し、今後10年間EVを支配して株主には配当と買い戻しのシャワーを浴びせるということなのかもしれない。少なくとも8月17日の株価はそう振る舞った。もし、投資家の期待に届かなかったときには、どこかで反発があることを予測されたい。そしておそらくあと何日かは、また理由もなく10%高くなるかもしれない。

おわかりのように、将来のキャッシュフローの現在価値が10%上がったとしても、ニュースには出ない。

以上、なぜテスラ株が上がったのかを探ろうとする、KrstenとAlexの今日の見立てだ。お楽しみあれ。

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Android Automotive初搭載EVのPolestar 2は駆動性と楽しさでTesla Model 3を上回る

私はTesla Model 3(テスラ・モデル3)よりもPolestar 2(ポールスター2)の運転を楽しんでいる。Polestar 2は、より快適で、より良い作りになっているように見えるし、車内エンターテインメントシステムもより優れている。ただし、従来の自動車の評価基準からすると、Polestar 2はいい車だが、Tesla Model 3よりもお勧めするのは難しい。

Polestar 2は、Tesla Model 3の弱点を突いている点では優れている。Polestar 2は、スウェーデンのラグジュアリーブランドとパートナー関係にあるため、フィット感と仕上げはBMW、Mercedes(メルセデス)、Volvo(ボルボ)に匹敵する。

しかし、この車にはテスラの魅力的なエコシステムに匹敵するものがない。Polestarは自社のEV充電ステーションのネットワークを持っておらず、同社が無線アップデートで斬新なソフトウェア機能をロールアウトするかどうかは不明だ。テスラには、刺激的かつ魅力的なブランド文化があり、この点は車を購入する際に十分考慮する価値がある。

ファーストインプレッション

私はPolestar 2で、郊外やミシガン州の未舗装路を走り回った。高速道路でも運転し、買い物にも使うなど長い朝を過ごした。数時間運転したあと、バッテリーにはまだ120マイル(約193km)走行できる残量が残っていた。

EPA(米環境保護庁)はPolestar 2の航続距離の評価をまだ発表していないが、Polestar自身はフル充電で275マイル(約442km)まで走行できると発表している。実際に私が試乗した限りではもう少し短い250マイル程度(約402km)だった。とはいえ、この車に乗っていた短い時間に未舗装路を走ったり、スピードを出して運転したことが原因かもしれない。ちなみに曲がりくねった未舗装道路は、AWDシステムと49/51の前後重量配分のおかげで乗り心地はよかった。

Polestar 2は素敵な車で品質も最高だ。ドアはバタンと音を立てて閉まり、シートは支えがあって快適で、ダッシュボードはリサイクル素材で作られている。高級であると同時に環境問題に対して責任をもつなど、まるで成熟した自動車会社が作った車のようだ。

私はPolestar 2がいかによくできているかを詳しく説明することができないが、この完成度はPolestarとボルボとの密接な関係によるものだろう。

3年前にボルボとGeely(ジーリー)の2社の合弁でスタートしたPolestarは、すぐに独立して独自の自動車メーカーとなった。とはいえ、独立後も両社との関係は深い。同社は、ボルボ、ゼネラルモーターズ、BMWと同様に、自動車のOEM(相手先ブランドでの生産メーカー)とみなされており、車体番号、製造施設、経営陣などは独立している。

Polestar 2は、同社の第2世代モデルだ。同社は15万5000ドル(約1650万円)のハイブリッドスポーツカーのPolestar 1からスタートしたが、限定1500台の生産でこの3年で北米に輸出されたのはわずか450台だ。数週間前に市販のPolestar 1に乗ってみたが、パワートレイン(駆動システム)が素晴らしいことがわかった。ハイブリッドシステムは、最高のスポーツカーと同じレベルの優れた車になるようにチューニングされていた。

Polestarによると、同社の車は運転が楽しくなるようにデザインされており、2つタイプに分かれているという。ハイブリッドのPolestar 1は、パワフルで力強い運転ができる。全電気式のPolestar 2はPolestar 1とは当然異なり、運転者の楽しみに合わせて調整されている。前述のようにPolestar 2はTesla Model 3よりも運転しやすい車だと感じた。

Polestar 2の電気モーターは、制御された状態で動力を供給する。電気式のPolestar 2は、ギクシャクした感じはなく滑らかで洗練されている。アクセルを踏み込むと徐々にパワーを蓄え、ゆっくりと始動して素早く加速する。5秒以内に時速60マイル(約96km)を叩き出すことができるので、ファミリーカーとしては十分な速さだ。私の経験では、Model 3の電力供給は加速の瞬間に多くの電力を供給するようにチューニングされている。Model 3は非常に速いのだが、標準モードでも一部の人には速すぎるかもしれない。

Polestar 2とModel 3の加速の違いは、微妙だが本質的なものだ。Model 3は、ドラッグレースではPolestar 2を抜き去ることができるが、それはほとんどのドライバーには関係ないだろう。私にとっては、少し遅くても十分に速いPolestar 2のほうが運転していて楽しい。

Polestar 2では、安定して曲がれるし、アンダーステアもまったくない。最高の4ドアセダンのような制御性能を備えている。これにはいくつかの理由がある。1つは、車重のバランスがほぼ完璧で、フロントが49%、リアが51%になっている点。そして、その重量のほとんどがバッテリーが配置されている車の底部に集中しており、車体の揺れを軽減している。もう1つは、各車軸に搭載された電気モーターがAWDシステムを介して素晴らしいトラクション(牽引力)を生み出している。

私は数時間しか乗っていないので「Polestar 2を毎日運転するのはどうなのか?」と聞かれたら「まだ何とも言えない」としか答えられない。しかし、後部座席は中型車にしては十分な広さで、床面積はTesla Model 3よりも充実しているように感じた。ハッチエリアは広く、フロントには小さな収納スペースがある。

Polestar 2では航続距離が欠点になるかもしれない。Tesla Model 3と比較すると、Polestar 2の航続距離は短いのだ。Model 3はフル充電で322マイル(約518km)を走行できるが、Polestar 2の航続距離は約275マイル(442km)だ。興味深いことに、Polestar 2はModel 3よりも大きなバッテリーパックを搭載している。しかし、Polestar 2はガソリン車にも使用されているボルボ/Geelyのプラットフォーム上に構築されており、車体が重いことも航続距離に影響しているのだろう。

Polestar 2には、ボルボのデザイン言語のヒントが随所に見られる。私にとっては、未来的でシックなデザインでとても気に入っている。存在感と落ち着きがあるほか、ボディーは滑らかでありながら角張っている。内装も同じで実線とシャープな曲線で構成されている。

PolestarのCEOであるThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)氏は、長年のカーデザイナーであり、Polestar 2が彼の影響を受けていることは明らかだ。デザインは、Polestarを体験するうえで最も重要なポイントだろう。インゲンラート氏は、Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループのAudi(アウディ)やSkoda(シュコダ)で同様の役職を歴任した後、Polestar入社前はボルボのデザイン担当上級副社長を務めた人物だ。

Polestar 2のインテリアは、ほかの車よりも必要最低限のシンプルなものだがModel 3よりは少し複雑だ。ハザードライト、ラジオのスイッチ、後部エアコン、前部エアコン、音量調節ノブなど、物理的なボタンはほとんどない。ステアリングホイール(ハンドル)の左右にある2本の軸がこれらの機能を制御する。ステアリングホイールはボルボの最新の車から供給されたもので、メディアコントロールとクルーズコントロールが利用できる。

センタースクリーンは大型で見やすく見やすい位置に配置されている。Polestar 2で数時間走行した際に不快な眩しさは経験しなかった。なお、写真ではセンタースクリーンが薄暗いが、これは運転席から離れるとバッテリーを節約するために画面を暗くする仕様のためだ。

結局のところ、製造品質が最も重要であることに変わりはない。Polestar 2はModel 3のようにリスクを感じない。Model 3にはこれまで、数多くの設計上および製造上の問題があった。Polestar 2はスタートアップ企業の第2世代の車ではないと感じる。

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Android AutoではないAndroid Automotiveを搭載

Polestarは、Android Automotiveを提供する最初の企業だ。従来のAndroid Autoとは異なり、Polestar 2の主要なインターフェースになっている。ラジオから気候情報、車両の設定や地図、アプリ、コネクテッドサービスまで、すべてを制御するシステムだ。

Android Automotiveは素晴らしい。インターフェイスはすっきりとしていて、最高のスマートフォンのように反応がいい。すべての機能を利用するには、ユーザーはGoogleアカウントにサインインする必要がある。普段使っているメインアカウントにログインしてもしい、Polestar 2のためだけに別のアカウントを作成していいだろう。いずれにしても、一度サインインするとGoogle Homeアカウントに接続されているデバイスを含め、地図、アプリ、その他のサービスに接続することができる。もちろんAndroid Automotiveは、Googleアカウントにサインインしなくても使用できる。このステップをスキップしてもユーザーはほとんどの機能にアクセスできるが、一部のパーソナライズオプションは利用できない。

Android AutomotiveはGoogleアシスタントを内蔵している。そして、私がこれまで使った車内音声サービスの中で初めてうまく機能した。「OK、Google、Spotifyをオンにして」と言うだけでSpotifyを使える。場所を伝えれば、その場所を表示してくれる。温度を変更するように頼むと、Android Automotiveが車載のエアコンを制御してくれる。いくつかの機能はネット接続が必要になるが、ほとんどの車内設定はネット接続なしで使える。

私がPolestar 2に乗っている間、Android Automotiveには本当に感銘を受けた。使い勝手を考えてUI/UXが論理的に設計されている。なお、このシステムは近々ほかの車にも導入される予定で、前述のようにPolestarはシステムを導入した最初の自動車メーカーにすぎない。

Android AutomotiveはiOSデバイスでも動作するようだ。Polestar 2は近日中に無線アップデートでCarPlayにも対応する。iPhoneユーザーはBluetooth接続でAndroid Automotiveとペアリングできるようになる。

Polestarとテスラ、どちらを選ぶべきか

私はPolestar 2に感銘を受けたものの、全力でお勧めするのは難しい。私にとっては、航続距離が短くてもModel 3よりも優れた車だと感じる。しかし、Polestar 2には欠けているものがあるのだ。

テスラ車にはさまざまな欠点があるものの、テスラは革新的ないくつかの事業を展開してきた。全国に充電ステーションのネットワークを構築し、ソフトウェアアップデートで常に新しい機能を提供し、オーナーに喜びと感動、そして驚きを与えている。例えば、犬だけを車に残しても適切に温度管理してくれるペットモードなどがある。同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏のTwitterアカウント宛てにペットモードが提案されたあと、テスラはすぐにセンタースクリーンに情報を表示しながらオーナーがペットを安全に車内に待機させておけるモードをロールアウトした。これはほんの1つの事例に過ぎないが、テスラ車の乗車体験について理解しやすい内容だろう。Polestarが同じような乗車体験をPolestar 2で提供するかどうかは不明だ。実際のところ、その可能性は低いと考えられる。

PolestarはModel 3ではなく、むしろテスラに対抗して販売している。テスラ車を購入するということは、その車を補完する各種サービスのエコシステムを購入することだ。テスラは車がライフスタイルの選択肢の1つであることをよく知っており、素晴らしい文化を築いた。

Polestarの幹部は、自分たちが苦しい戦いをしていることを理解しているようだ。一方では、同社はテスラのエコシステムや文化と戦っており、同社はテスラの足跡をたどっているようにも見える。同社は、ディーラーでの車の販売を止め、テスラの直営店のように高級ブランド店が並ぶ有名なショッピングエリアのような注目度の高い場所に店舗をオープンさせている。まさにテスラのショールームと同じだ。テスラと異なるのは、購入者がより早く車を入手できるようにするため、これらの店舗はボルボのディーラーが所有しており、販売とサービスを手掛ける。

Polestarは、テスラではなく欧州ブランドの高級中型車に対抗して販売している側面もある。少なくとも同社は公式にそう説明している。これには一理あるだろう。Polestar車の製造品質はテスラよりも優れており、ヨーロッパの最高品質と同レベルだからだ。

結局のところ、Polestar 2はTesla Model 3よりも優れているのか?答えは「イエス」だ。しかし、どちらを買うかを決めるのは複雑な問題も絡み合う。

Tesla Model 3は、充電でより遠くまで走ることができ、テスラのスーパーチャージャーネットワークとシームレスに統合されている。これは購入時に考慮すべき重要な要素だろう。新しい機能を展開し続けるというテスラの方針は車を常に最新で刺激的な状態に保てる。こちらも購入者にとってもは見逃せないポイントだ。

Polestar 2はModel 3よりも価格が高いが、同じ価格帯の車だと言える。各種装備を整えたPolestar 2の価格は6万ドル(約640万円)前後から、同様のスペックを備えるModel 3の価格は5万ドル(約530万円)前後からとなっている。ただし米国では、Polestar 2は7500ドル(約80万円)の税額控除の対象となる。

テスラはさておき、PolestarはPolestar 2という素晴らしい車を作っており、これは賞賛されるべきことだ。この自動車会社は3年前に設立され、世界中に800人の従業員がいるだけで、まだ世界レベルの自動車を作る段階には至っていない。にもかかわらず、このような展開ができる自動車会社はほかにほとんどないだろう。そしてPolestarには将来の大きな計画がある。SUVのPolestar 3を2022年に発売する予定で、まったく新しいプラットフォームで航続距離もずっと長くなるそうだ。

いまは、Polestarが車を作ったという情報を周知させることが最も重要だ。

画像クレジット:Matt Burns

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(翻訳:TechCrunch Japan)

イーロン・マスク氏がテスラの二要素認証導入は「恥ずかしながら遅れている」と語る

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間8月14日に、同社モバイルアプリへの二要素認証の導入が「恥ずかしながら遅れている」と認めた。

マスク氏は8月14日にTwitterのフォロワーからの質問に大して 「申し訳ない。恥ずかしながら遅れてしまっている。SMSや認証アプリを使った二要素認証は現在、最終検証段階だ」と答えている。

マスク氏は2020年4月に、セキュリティレイヤーの強化は「すぐに行う」と述べていた。最初は2019年5月に、二要素認証を追加すると言及していた。その後、二要素認証がテクノロジーの世界で広まっており、テスラのオーナーたちは要求を強めている。

Cybergrade:イーロン、二要素認証はどうなっている? 今、作業しているの? 去年は、ITシステムのオーバーホールが忙しかったようだけど。

Elon Musk: 申し訳ない。恥ずかしながら遅れてしまっている。SMSや認証アプリを使った二要素認証は現在、最終検証段階だ。

二要素認証(two-factor authentication)は二段階確認(two-step verification)とも呼ばれ、パスワードといった自分が知っているものと、スマートフォンのような自分が持ってるものを組み合わせる。それにより、ログインする者が本物のアカウント保有者であることを確かめる。テスラなどの場合は、その車のオーナーであることも確認する。

一部のウェブサイトはテキストメッセージでコードを送ることによって二要素認証を行っている、ハッカーがそのコードを横取りすることもある。もっと安全なのは、セキュリティの専門家が推薦しているオーセンティケーターと呼ばれるスマホアプリを使うことだ。

テスラのモバイルアプリのセキュリティ強化は、緊急の課題でもある。テスラのアプリはオーナーにとって重要なツールであり、彼らはそれを使って車両のさまざまの機能をコントロールする。

Bluetoothが有効になっている場合、テスラのアプリを使えば、ドライバーは自分のスマートフォンをテスラの新型車のキーとして使うことができる。アプリでドアやトランク、フランク(前トランク)のロックやアンロック、HVACシステムをオン、充電をモニタしコントロール、車両の位置確認、サービスのスケジューリングなど数多くの機能がある。

現在、二要素認証はハッカーが盗んだパスワードを使ってユーザーのアカウントに侵入することを防ぐために広く利用されている。ツイートへの返事でマスク氏は「SMS『や』認証アプリを使う方法を確認している」と述べており、今のところテスラの二要素認証がSMSを使うのか、それともスマホのアプリを使うのかはっきりしていない。

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カテゴリー:セキュリティ

タグ:Tesla イーロン・マスク

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Teslaの訴訟は「中傷が目的」だとしてRivianが逆訴訟で反撃

Rivian(リビアン)はTesla(テスラ)が起こした訴訟を却下するよう裁判官に求めた。そこで訴えられた3つの主張のうち2つ、企業秘密の窃取と人材の引き抜きを立証するに足る表明がなく、従ってRivianの評判を貶め、求人努力を傷つけたという理由からだ。

もう1つの主張は、4人の前テスラ従業員に対する契約違反の問題だが、これに関しては「異議申立」も却下も求めなかった。なぜなら、Rivianには直接関係のないことだからだ。だが、この4人についても弁護士から同様の請求が出される可能性は残されている。

テスラにコメントを求めたが、返事は得られなかった。回答があり次第、更新情報をお伝えする。

2020年7月、テスラはRivianと4人の元従業員に対して、人材を引き抜き、企業秘密の窃取したと主張し訴えを起こした。テスラの訴えの具体的内容は、間もなくテスラを退職する従業員に、どのような機密情報が欲しいかを伝えていたというものだ。

Rivianは、8月10日にサンタクララのカリフォルニア州最高裁判所に起こした訴訟で、同社には「人材を雇用する際には、他社の秘密情報を持ち込ませないための厳格な規範と手順がある」と主張した。Rivianは、テスラが企業秘密としている情報は、Rivianにも同社のいかなるシステムにも一切使われいないと話している。

Rivianの主要な論点は、訴因構成に足る事実をテスラは明示していないということだ。この法律用語は、平たくいえば、テスラの主張には訴える権利を与えられるほどの十分な内容がないということだ。Rivianはテスラの訴訟の根拠は事実ではなく、憶測だと論じている。

「特に裁判所は、テスラの訴えの中に散見されるそうした明らかな憶測を信じないように」とRivianは訴えの中で求めている。

Rivianはテスラの訴えに反論したばかりではない。それは不当だとして自身も訴え返した。

Rivianの弁護団は、テスラの訴訟は、法的な知的財産権の防衛や保護が目的ではなく、Rivianの勢いを「弱めようとする不適切で悪意ある試み」のために訴訟を利用し、ブランドに傷を付けることが目的だと主張した。またテスラは、自社の従業員に会社を離れないよう脅しをかけるために訴訟を利用したとも訴えている。

残念なことに、Rivianの名前に傷を付けることだけがテスラの隠れた目的ではありません。むしろ彼らは、これは2つめの不適切な目的のために訴えをでっち上げたのです。その目的とはすなわち、自社の従業員に脅迫のメッセージを送ることです。テスラを離れようなどと思うなよ、と。カリフォルニア州には従業員の移動の自由を守る強力な公共政策があり、非競争契約が制限されていることを考慮すれば、テスラの苦情は、4人の元従業員に対する、テスラを離れてRivianに加わったことへの制裁が目的であることがわかります。

この反論はまた、訴訟のタイミングについても疑問を呈している。訴訟は、複数のファンドとRivianがT. Rowe Price Associates Inc.(ティーロウ・プライス・アソシエイツ)のアドバイザーアカウントから250万ドル(約2億7000万円)を調達(未訳記事)したことをRivianが発表した直後に起こされている。

画像クレジット:Rivian

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(翻訳:金井哲夫)

絶好調のテスラが1株を5株に分割すると発表

米国時間8月11日の通常取引の終了後、米国の有名な電気自動車企業であるTesla(テスラ)が1株を5株に分割すると発表した。この分割の発表の前にはテスラの株式の総額が最近の四半期の中で最高の反騰を示した。

同社の株価はこのニュースでさらに急騰し、時間外で8%上がった。

いつも人騒がせな企業であるテスラは2019年に、ささやかに211ドルで取り引きされていた。今日のニュースの後では、それが1485ドルになっているる。時価総額はあっさりと2500億ドル(約26兆6800億円)を超え、テスラは世界でもっとも価値ある企業の一員になった。いうまでもなく、世界で最も価値のある自動車メーカーでもある。

ざっと計算してみると、分割後の価値は297ドル(1485 / 5 = 297)ぐらいだろう。

この株式分割は、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏がテスラの非公開化を検討しており、「資金は確保した」という悪名高いツイートしてから2年後のことになる。そのときテスラはマスク氏が社員に送った彼の発言の根拠を説明するメールを公開したが、わずか数週間後には撤回して公開企業であり続けると発表した。

ツイートは米国証券取引等監視委員会の目に止まり、その後委員会はマスク氏を証券詐欺で告訴した。当事者は不正行為を認めずに和解に至った。

和解案では、テスラは2人の独立取締役を追加することで合意し、マスク氏が3年間会長職から離れることになった。

その後テスラの株価は乱高下を経験したが、この春からの好調期に入った。そしてFord(フォード)やGMのような自動車メーカーの株価が低迷する中でも、テスラの株価は急上昇している。今回の株式分割は、その急速な価格上昇の論理的な結論だろう。

画像クレジット:David Butow/Corbis/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

パナソニックがテスラのEV向け新高密度電池を9月から生産、将来的にはコバルトフリーを目指す

パナソニックは、Tesla(テスラ)向けに生産している「2170」リチウムイオン電池のエネルギー密度を5%向上させ、高価なコバルトの使用を減らす新たな技術を開発した。

エネルギー密度の高い新2170電池は「パナソニックが米国ネバダ州スパークスにあるテスラの工場で製造する」とパナソニックが7月30日明らかにした。9月の生産から電池をアップグレードする。同社はスパークス工場内で13ラインを稼働させていて、年間生産能力は35GW/h(ギガワットアワー)だ。「13ラインすべてがゆくゆくは新テクノロジーに対応する」とPanasonic Energy North Americaの社長を務めるAllan Swan(アラン・スワン)氏は述べた。ただし、全システムがいつアップグレードされるのか明確なタイムラインは示さなかった。

「当社はさらに大きく前進しようとしている」とスワン氏は最近のインタビューで述べていた。「パナソニックとしては楽しみだ。当社はコバルトフリーと、高エネルギー密度のバッテリー開発に取り組んでいて、そうした技術をどのように利用したいか顧客に選択肢を提供する」。

新バッテリーが生産される施設はGigafactory 1(ギガファクトリー1)だ。この工場は、グローバルでのバッテリー生産能力を拡大し、EVのコストを抑制するというテスラの計画のカギを握る。パナソニックはこのプロジェクトで最も重要なパートナーであり、最新の契約(米国証券取引委員会提出のFORM 8-K書類)期間は少なくとも2023年までだ。パナソニックは2170電池をGigafactory 1で生産していて、それを使ってテスラがModel 3用のバッテリーパックを作っている。2170電池はテスラの最新車両Model Yにも使われている。

手短に説明すると、バッテリーには2つの電極がある。片側がアノード(陽極)、その反対がカソード(陰極)だ。電解物質はその真ん中に位置し、充電や放電のときに電極間でイオンを動かしてクーリエのような働きをする。

エネルギー密度の高い電池は、エンジニアがより大きなエネルギーをその空間に詰め込む方法を開発したことを意味する。電池のエネルギー密度5%改善は、テスラのバッテリーパックでも同様のアップとなるはずだ。結果として、テスラのModel 3とModel Yの航続距離が伸びる。高価で、社会的そして環境的コストも伴う希少なコバルトの使用抑制は電池の価格抑制にも役立つかもしれない。

パナソニックの日本にある工場は円筒形リチウムイオン「18650」電池を生産していて、これはテスラのModel SとModel Xに使われている。同社は18650電池をすでに改良し、コバルトの使用を減らすとともにエネルギー密度を向上させている。

パナソニックはバッテリー電池のカソード化学にNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)を使っている。同社は使用されるコバルトの量を明らかにせず、テクノロジーの詳細についても語らない。ただ、円筒形車両バッテリーに使われるコバルト量はグローバル需要の2%以下だと述べた。

NCAはNCMよりもコバルトを使わない。パナソニックによると、NCAカソード化学はコバルトを減らすため開発されてきた。同社はコバルトをまったく使わない電池を目指していて、すでにR&Dラボでは実現している。数年内にコバルト不使用のバッテリーを商用化する計画という。

画像クレジット: Smnt / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 4.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

テスラが自動運転ソフトと駆動システム、バッテリーを他メーカーに供給へ

Tesla(テスラ)でCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間7月28日夜にTwitter(ツイッター)で、同社が他の自動車メーカーに「ソフトウェアをライセンスし、パワートレイン(駆動システム)とバッテリーを供給する」意向であると語った。さらにマスク氏は、テスラがさまざまな運転状況に合わせた高度なクルーズコントロールを可能にする運転支援ソフトウェアであるAutopilot(オートパイロット)もライセンスの提供範囲に含まれていることを付け加えた。

同氏は、ドイツの自動車メーカーがEVを製造するにあたり、テスラとの技術格差をいかに埋めようとしているかを書いたテスラ専門のニュースサイトであるTeslarati(テスララティ)誌の記事に言及した。Volkswagen(フォルクスワーゲン)のHerbert Diess(ヘルベルト・ディース)会長は過去の発言で、マスク氏とテスラのさまざまな分野における実績を称賛していた。

VWは独自のEVプラットフォームであるMEBを開発し、スポーツセダンからSUVまで複数の電気自動車の基盤として利用しようとしている。また同社は、MEBの技術をほかの自動車メーカーへライセンスすることにも積極的で、昨年7月にFord(フォード)のヨーロッパ事業向けにライセンス契約を結んだ。

マスク氏は、テスラがライセンスに関心を持ったのは「ライバルを倒すのではなく、維持可能エネルギーを加速する」という同社の根底にある目標に端を発しているとツイートで語った。同社が目標達成のために技術を開放する意志を表明するのはこれが初めてではない。2014年に同氏はブログで「テスラは自社の知的財産を『同社のテクノロジーを善意で使いたい人全員に』利用できるようにする」ことを発表した。

だからといってテスラがときおり潜在的ライバルを法的手段の標的にするのをやめたわけではない。先週同社は電気自動車メーカーのRivianおよび元社員4名を営業秘密窃盗と従業員の不正引き抜きがあったとして訴えた。

プラットフォームのライセンス供与や部品の供給は、自動車メーカー業界では多くの前例がある。また、テスラの自動車販売売上にマイナスの影響をあたえるものでもない。それは同社のセールスポイントがパワートレインとバッテリーという基本部分以外にもたくさんあるからだ。

VWはフォートとの提携を発表した時に、MEBの契約を通じて最大200億ドル(2兆1000億円)の売上を期待していると語り、その大部分がMEBの部品供給によるものだと語った。テスラも同様の利益を、おそらく世界的に拡大して実現するだろう。もし同社がパワートレインとバッテリーの生産能力を自社の需要以上に高めることができればなおさらだ。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国は今やテスラの売上の4分の1近くを占めている

Tesla(テスラ)は販売の勢いを維持するために中国に期待しており、その計画は順調に進んでいるようだ。

最新の米証券取引委員会 (SEC) への提出書類(テスラIRサイト)よると、6月30日までの3カ月間の中国での売上高は、前年同期比102.9%増の14億ドル(約1500億円)だった。これは、同四半期におけるテスラの総売上60億ドル(約6300億円)に占める中国の割合が、前年同期の約11%から23.3%になったことを意味している。

中国の消費者に手ごろな価格で提供するために、テスラは上海政府から50年間のリース契約を結び、同地にGigafactoryを建設した。これにより生産コストを抑えつつ地方税の恩恵を受け、関税を回避することができる。合意によると、同社2023年末から毎年22億3000万元(約3300億円)の税金を中国に支払うとともに、140億8000万元(約2兆1000億円)の設備投資を行う。

テスラは昨年末に中国製造のModel 3の出荷を開始(未訳記事)しており、世界最大の自動車市場である中国での生産工程に電動SUVことModel Yを追加する予定であることが、提出資料から明らかになった。今月初めには、2022年後半まで生産を開始しない近未来デザインなCybertruckの予約を中国で開始した。

中国での出荷台数は第2四半期(4月〜6月)に急増したが、新型コロナウイルスによる生産停止などの問題により、テスラ全体の販売台数は全体で4.8%減少(未訳記事)した。一方、同四半期は4期連続の黒字となった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter