TeslaがRivianを提訴、営業秘密窃盗と従業員不正引き抜きを主張

Tesla(テスラ)は電気自動車メーカーのRivian(リビアン)と4人の元従業員を従業員不正引き抜きと営業秘密窃盗の疑いで提訴した。

サンタクララのカリフォルニア上位裁判所で起こされた訴訟をBloomberg(ブルームバーグ)はいち早く報じている

Teslaは、RivianがTeslaの従業員に対し退職時に専有情報を持ち出すようそそのかしたと主張している。また、最近Rivianに入社したばかりの従業員に共通する「怪しいパターン」を発見したとも主張している。

訴状にはこうある。「Teslaが現在、理解しているところでは、Rivianは最近退職したTeslaの従業員に、RivianがTeslaのどういった機密情報を必要としているか教えた。Rivianと従業員は、機密情報の取得が従業員のTeslaに対する秘密保持義務違反にあたることを十分に理解していた。にも関わらず、従業員はRivianが正に求めていた情報をRivianに渡した。その情報は、Rivianに競争上の大きな優位性をもたらす機密性が非常に高い企業秘密だ」。

Teslaは訴状で4人の元従業員を名指ししたが、同社による調査は継続していると付け加えた。同社はRivianで働いていた別の元従業員2人を特定し、彼らが「Teslaの企業秘密、機密情報、専有情報を不正に流用した可能性がある」と主張している。

訴状で特定された企業秘密には、採用慣行や給与水準や候補者リストなど人材発掘と採用に関連する文書が含まれている。故意に盗まれたとされる文書には製造プロジェクトの管理情報もある。

TeslaはRivianが178人の元従業員を雇ったと主張している。そのうち約70人はTeslaから直接Rivianに移ったという。

Rivianはそれに応えて、主張には根拠がないとしてTechCrunchに声明を出している。

当社は、Teslaが電気自動車の可能性への期待を再定義するにあたってリーダーシップを発揮したことを称賛します。Rivianは能力が高く使命に燃えるチームで構成されており、当社のビジネスモデルとテクノロジーは長年におよぶエンジニアリング、設計、戦略開発に基づいています。これには、テクノロジーおよび自動車業界全体の何千人もの従業員の貢献とノウハウが必要です。当社はすべての従業員がRivianに入社する際、前職の知的財産をRivianに持ち込んでいないこと、および持ち込まないことについて従業員に確認を求めます。この訴訟の主張には根拠がなく、Rivianの文化、精神、企業方針に反するものです。

Rivianは企業秘密を盗んだとTeslaが提訴した最新の企業になった。自動運転スタートアップのAurora(オーロラ)に対する2017年の訴訟( Fortune記事)など、Teslaによる訴えの中には完全に取り下げられたものや合意に至ったものもある。  Xpeng Motors(シャオペン・モーターズ)に対する訴訟(未訳記事)のように続いているものもある。Zooxに対する訴えは2020年4月に和解した。

Rivianは過去18カ月間で数百人を雇用するなど、事業を拡大している。同社には約10年の歴史があるが、表舞台に出たのは創業者兼CEOのRJ Scaringe(R・J・スカーリンジ)氏がLAオートショーで2台の車を発表した2018年後半だ。

それ以来RivianはEV業界の寵児となった。最近25億ドル(約2600億円)の資金を調達し、業界初のEVピックアップトラックの市場投入を目指している。

RivianにはAmazon(アマゾン)、Ford(フォード)、T. Rowe Price(Tロウプライス)の助言を受けたファンドや企業など、著名な投資家が投資する。アマゾンは顧客でもありRivianに10万台のEVバンを注文した。

同社はイリノイ州ノーマルに建設中の工場でR1T EVピックアップトラックとR1S SUVを組み立てる予定だ。アマゾンへのEVバン納入に向けた準備も始める。3つの製品はすべて2021年に市場投入される予定だ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:Mizoguchi

テスラの蓄電事業は小規模ながらQ2に着実な伸び

Tesla(テスラ)の蓄電事業は第2四半期に加速し、同社の4四半期連続の黒字達成にもわずかながら貢献した。米国時間7月22日に発表された四半期決算で明らかになった。

商用・住居用の蓄電事業ならびにソーラー事業の売上はテスラの事業全体においてはわずかなものだ。同社の売上の大部分は自動車部門が占める。しかし第2四半期決算は、蓄電事業、特に2019年にローンチされた発電所規模の蓄電プロダクトであるMegapack(メガパック)が有望であることを示している。Megapackは同社が南オーストラリアで展開した大規模なバッテリーシステムの後に作られた。

テスラはソーラー事業と蓄電事業をそれぞれに展開しているが、売上に関してはこの2つの事業を合算するので、Megapackがどれくらいうまくいっているのか完全に把握することはできない。ただ、同社は第2四半期決算発表の中で、Megapackを「Winner」(勝者)と取り上げ、初めて黒字を達成したと記した。

「このプロダクトにはかなりの需要があり、出来る限り早急に生産率を上げる」と、パワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当上級副社長Drew Baglino(ドリュー・バッリーノ)氏は決算発表で述べた。

これまでの4年間、テスラは投資家らに同社を単に自動車メーカーとしてではなくエネルギー企業としてみるよう求めていた。一部のアナリストは同社の事業の真の価値はエネルギー事業と自動車事業が対等になったときだと考えている。対等というのは、Elon Musk(イーロン・マスク)氏も追求している目標だ。

しかし同社のエネルギー事業と自動車事業はやがて対等になるという請け合いにもかかわらず、蓄電とソーラーは自動車事業の影に隠れてきた。現在のところ蓄電事業は同社全体の売上高に占める割合は小さいが成長している。CEOのマスク氏はエネルギー事業が長期的には自動車事業とほぼ同じくらいの規模になると予測した。ただ、そのタイムラインは明らかにしなかった。

テスラ待望のプロダクトは、同社の自動化されたエネルギー売買用の機械学習プラットフォームAutobidderだ。「Autobidderはグリッドの安定化を提供し、物事が「超スムーズ」であることを約束する」とマスク氏は述べた。また「持続可能なエネルギー問題を解決するために必要不可欠なもの」とも語った。

結局、蓄電の展開は四半期ベースで61%増え(260MW/hから419MW/h)、事業は新型コロナウイルスパンデミック前の水準へと回復し始めていることを示している。第2四半期における蓄電の配備は前年同期比でわずか1%増で、同社が2019年第3四半期と第4四半期に達成した数字までにはもうしばらくかかる。

一方で、テスラのソーラーパネルの展開は縮小した。同社は第2四半期に27MWのソーラーパネルを設置した。これは前四半期比23%減、前年同期比7%減だ。減少の一部は、経済後退と、新型コロナウイルス対応として全米で展開された外出禁止令のためだ。

同社はSolarCityの買収で、米国の主要なソーラーパネル設置事業者となった。しかし SunrunとVivint Solarが米国マーケットでシェアを拡大し、トップの地位から転落した。テスラはいま、Solar Roofで再びシェアを拡大しようとしている。Solar Roofは、何年もかけて開発・テストされてきた板状の製品だ。同社は7月22日、Solar Roofの設置台数は第2四半期に前四半期の3倍になったと述べた。ただ、実際の数字については明らかにせず、いくつのSolar Roofの設置が完了したのかは不明だ。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

テスラが4四半期連続で黒字、Q2売上高は5%減の約6445億円

Tesla(テスラ)は4四半期連続で黒字となった。米国7月22日の株式市場クローズ後に発表した第2四半期決算によると、これまでで最長の黒字期間となる。

前四半期から売上高は伸びず、前年同期比では5%減だったにもかかわらず、事業経費の削減と当局からのクレジット収入(ゼロエミッション車規制制度で得られるもの)のおかげでTeslaは収益を確保した。同社はまた、Full Self Driving(FSD、完全自動運転)機能のリリースに関連する繰延られていた売上高4800万ドル(約51億円)を計上できた。

Teslaの第2四半期決算の最終損益は1億400万ドル(約111億円)、1株あたり0.50ドル(約53円)の黒字となった。参考までに、昨年同期は4億800万ドル(約435億円)の赤字、1株あたり2.31ドル(約246円)の損失を計上した。第2四半期の調整EBITDAは12億1000万ドル(約1290億円)で、前年同期の5億7200万ドル(約610億円)から増えた。

特定の支出を除いたTeslaの調整後純利益は4億5100万ドル(約480億円)で、1株あたりの価値は2.18ドル(約232円)だった。

ヤフーファイナンスによると、アナリストは売上高52億3000万ドル(約5580億円)、1株あたり11セント(約11円)の損失を予想していた。Tesla株は決算ニュースを受け、時間外取引で7%高の1698ドル(約18万円)をつけた。

Teslaの売上高は60億4000万ドル(約6445億円)で、前四半期の59億8500万ドル(約6390億円)を上回り、前年同期を5%、約3億ドル(約320億円)下回った。2019年第2四半期の売上高は63億ドル(約6720億円)だった。

Teslaは、売上高には車両販売や当局からのクレジット収入、エネルギー発電とストレージ事業の販売などが前期に比べて増えたことが貢献した、と述べた。しかし、そうした数字は車両平均販売価格やサービス価格の低下で相殺された。

車両販売台数は第1四半期から3%増加し9万891台となったものの、昨年同期に比べると5%少ないというのも記すに値するだろう。Teslaは原因として、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによるカリフォルニア州フリーモント工場の一時閉鎖などを指摘した。

自動車関連の粗利益率は昨年同期の18.9%から25.4%に改善した。同社は当局からのクレジット収入は自動車売上高に計上していて、これは粗利益に含まれる。

第2四半期のクレジット収入は4億2800万ドル(約457億円)だった。クレジット収入は昨年第1四半期後に落ち込み、今年再び増加するまで1億1100万〜1億3400万ドル(約118〜143億円)で推移していた。同社は第1四半期にクレジット3億5400万ドル(約378億円)を計上したが、これは2019年第1四半期から64%の増加だ。

同社の第2四半期のフリーキャッシュフローは4億1800万ドル(約446億円)だった。前四半期はキャッシュフローはマイナスだった。しかし2019年第2四半期の6億1400万ドル(約655億円)からは31%減となった。同社は以前、2020年にフリーキャッシュフローをプラスにすることを目標にしていた。第1四半期のフリーキャッシュフローは8億9500万ドル(約955億円)のマイナスで、目標を達成できていなかった。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

イーロン・マスク氏の2回目となる約2200億円ストックオプション獲得、取締役会の承認待ち

米国時間7月21日、Teslaは4カ月続いた高値の後、直近6カ月の平均時価総額が1500億ドル(約16兆円)を超え、理論的にCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の数十億ドル(数千億円)価値の権利確定オプションは解除された。

Reutersが最初に報じたように、Teslaが直近6カ月間時価総額1500億ドルを達成すると、マスク氏は2018年の株主総会で承認された前代未聞の報酬パッケージ12分割の2回目を手にする権利を得る。

その節目はTeslaが第2四半期決算を報告する予定日の前日に達成された。

この報酬制度(Teslaリリース)では、2030万株のストックオプションが169万株ずつ12回に分けて授与される。購入オプションはTeslaが定められた時価総額と調整後売上(株式報酬などの一時経費を除く)を達成したときに権利が有効になる。取締役会が節目を承認すれば、マスク氏は169万株を大幅に割引された1株あたり350.02ドルで購入できる。

米国時間7月22日の株価である1568.36ドルに基づくと、マスク氏は169万株を約21億ドル(約2200億円)で売却できる。ちなみに最初の分割分をロック解除した最初の節目は、Teslaの取締役会が5月に承認している。つまり理論的にマスク氏は、本日の株価に基づくと42億ドル(約4500億円)の利益を得られる。しかし、そこには重要な落とし穴がある。マスク氏はこの2018年CEO実績報酬の権利行使で獲得したいかなる株式も、行使後5年以上保持しなければならない。

SEC(証券取引委員会)の登録情報によると、マスク氏は上記したいずれのオプションも行使していない。

ストックオプションの最初の分割分を獲得するためには、Teslaの時価総額が直近6カ月平均1002億ドル(約11兆円)を超えることに加えて、年間売上200億ドル(約2兆1000億円)あるいは調整後EBITDA売上15億ドル(約1600億円)のいずれかを達成する必要がある。その次の節目に達するためにはTeslaの時価総額がさらに500億ドル(約5兆3000億円)増加し、売上350億ドル(約3兆7000億円)または調整後EBITDA売上30億ドル(約3200億円)を超えなくてはならない。

第3分割分の資格を得るには、Teslaの6カ月平均時価総額2000億ドル(約21億円)および売上550億ドル(約5兆9000億円)または調整後EBITDA売上45億ドル(約4800億円)のいずれかが満たされる必要がある。

画像クレジット:Saul Martinez / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テキサス州はTeslaのCybertruck生産工場誘致に最低15億円の税控除を提示

テキサス州議会は、Tesla(テスラ)とそのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏に工場建設のための新たな優遇措置を提供した。

オースティンを抱えるトラビス郡はTeslaの新工場建設候補地となっているが、郡委員会は、米国時間7月14日に少なくとも1470万ドル(約15億8000万円)相当の固定資産税控除を承認した。10年の期間を考えると、さらに多額になる可能性がある。この優遇措置は、デルバイエ学校区の教育委員会が2020年7月初めに承認した4660万ドル(約49億9000万円)の固定資産税減額に上乗せされる。

この控除承認のニュースを受けて、Teslaの株価は時間外取引で3.5パーセント上昇した。

地元紙オースティン・アメリカン・ステイツマンが最初に伝えたところによれば、この取り決めは新工場建設を期待してTeslaの鼻先にぶら下げられた最新のニンジンだという。そこでは、東海岸市場向けの完全電動トラックCybertruck(サイバートラック)とModel Yが生産されることになっている。

だがもちろん、この取り決めには条件がある。

トラビス郡との合意に従い、Teslaは、最初の5年間で新工場に11億ドル(約1200億円)を投資しなければならない。それと引き換えに、トラビス郡はTeslaが支払うべき固定資産税の70パーセントを払い戻す。Teslaの工場への投資が11億ドルを上回った場合は、払い戻し率は75パーセントに増える。いかなる内容であれ工場への投資が20億ドル(約2100億円)を超えた場合は、Teslaへの固定資産税払い戻し率は80パーセントとなる。

トラビス郡は、もしTeslaが11億ドルを投資すれば、固定資産税の払い戻しを計算に入れても、10年間で880万ドル(約9億4300万円)の税収が新たに加わると見積もっている。

Teslaの投資額が目標に達しなかったとき、またはいずれかの年に求められる雇用者数を下回ったときは、固定資産税の減免は受けられない。またTeslaが契約に違反した場合には、郡には払い戻し金を回収する権限が与えられる。

この優遇策パッケージの承認が早かったのは、地方行政が新規雇用に飢えていることの表れだ。Teslaもそこをよく承知している。Teslaはプレゼンテーションの中で、トラビス郡の失業率について触れていた(Bloomberg記事)。2019年の2.2パーセントから、2020年4月には失業率が12パーセントに跳ね上がっている。

マスク氏は2020年3月に、CybertruckとModel Yクロスオーバーを国内で生産する新巨大工場の建設予定地を「物色」しているとツイートしていた。

当初、Teslaはナッシュビルに目を付けていたが、突然、オースティンの東部とオクラホマ州タルサに切り替わった。オクラホマ州議会は、内容を一般公開しないものの、独自の優遇策パッケージを提示している。

Teslaはテキサス州当局に対して、5000人の雇用を約束している。そのうち25パーセントは「有資格」職で、最低年収7万4050ドル(約790万円)、残りは中間所得職で年収
4万7147ドル(約500万円)が支払われるという。

ネバダ州とニューヨーク州でのTesla工場建設の承認プロセスが何らかの参考になるなら、州による優遇措置もあり得る。例えばTeslaは、Texas Enterprise Fundからの税金で賄われる助成金を求めることもできる。テキサス州にはこの他にも優遇できる方法がある。同州では禁止されている、自動車メーカーが消費者に車を直接販売できる権利だ。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(翻訳:金井哲夫)

テスラが電動SUVのModel Yを値下げ、長距離四輪駆動バリエーションが5万ドルを切る

Tesla(テスラ)がさらに車両価格を下げた。今回は同社が2020年3月に出荷を開始した電動SUVの「Model Y」だ(未訳記事)。同モデルの長距離四輪駆動バリエーションは現在、購入価格が4万9990ドル(約540万円)となっており、以前より3000ドル(約32万円)安くなっている。この値下げは先週末にElectrekが最初にレポートしている

2020年5月にテスラは、セダンのModel SやSUVのModel Xなどの高級車を含むいくつかの車両価格を引き下げた。新しい価格設定は米国の自動車メーカーが新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより経済的な影響を受け、消費者を引き付けようとしていることに由来している。

関連記事:テスラが主要製品を大幅値下げ、Model SとModel Xの無料充電は廃止に

Ford(フォード)やGM、Fiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)といった伝統的な米国の3大自動車メーカーは、ローンの据え置きまたは長期の支払いオプションに加えて金利0%のプランを提供しているが、他の自動車メーカーも新規購入者へのアピールとして、既存の所有者がローンを滞納しないようにするためのインセンティブや支払いプランを発表している。

2020年7月初め、テスラは第2四半期(4月〜6月)に9万650台の車両を出荷したと発表したが、新型コロナウイルスと米国の主要工場の生産が数週間停止したため4.8%の減少となったものの、アナリストの予想を上回っていた。納入台数の大部分(8万50台)はModel 3とModel Yで、残りの1万600台は高級車のModel SとModel Xだった。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Sunrunが3440億円でVivint Solarを買収しTeslaのエネルギー事業に戦いを挑む

2014年にTesla(テスラ)がSolarCity(ソーラーシティー)を買収したことで、この電気自動車メーカーは住宅用太陽光発電の世界でも誰もが認める強力なプレイヤーとなったわけだが、そのリードは攻撃的な計画で突進してくる最大のライバルSunrun(サンラン)により着実に縮められてきた。現在、住宅用太陽光発電設備の設置業者Vivint Solar(ビビント・ソーラー)を32億ドル(約3440億円)で買収したSunrun(Sunrunリリース)は、トップの地位を固めたように思われる。

Teslaの創設当初、Elon Musk(イーロン・マスク)氏は同社を単なる電気自動車のメーカーではなく、エネルギー企業として位置づけたいと努力していた。Teslaが26億ドル(約2800億円)の値を付けSolarCityを買収(未訳記事)したとき、その動きは「ゼロエミッションの発電オプションを提供する」という同社の「基本計画」の第1段階が最高潮に達したものと見られていた。

その計画が今、住宅用太陽光発電を専業とし、規模の効率性により安価なパネルを提供できるライバルの上場企業から、大きな試練を突きつけられていると太陽光発電分野に詳しいアナリストたちは話す。

Sunrunは恐ろしいほど大きくなります」と、JMP Securities(JMPセキュリティーズ)のJoe Osha(ジョー・オシャ)氏はBloomberg Newsに語った。「彼らは明らかに規模と効率を追求しています」。

事実、Sunrunの声明によれば、企業合併による事業の効率化で年間およそ9000万ドル(約97億円)の節約になるという。また規模の経済により、送電網に電力を供給するための電力会社との契約をさらに有利に進めることができる。

SunrunはBlackstone(ブラックストーン)の支援を受けたVivintの買収を発表した際に、50万世帯という合算顧客ベースは3ギガワットを超える太陽光発電アセットに相当すると認めている。この数値は米国の住宅用太陽光発電市場全体から見れば、3パーセントの占有率に過ぎない。

Bloomberg NEFのデータによれば、Sunrunはすでに住宅向け太陽光発電設備の設置事業でTeslaを抜き、四半期ごとの両社を合わせた住宅用太陽光発電設備の新規リース件数は、全体の75パーセントを占めているという。

「米国人はクリーンで災害に強いエネルギーを求めています。Vivint Solarは重要で質の高い販売チャンネルを追加したことで、合併した両社がより多くの世帯への認知を広げ、家庭での太陽光発電と蓄電の利点に理解を深めてもらうことが可能になりました」と、SunrunのCEOで共同創設者のLynn Jurich(リン・ジュリック)氏は声明の中で述べている。「今回の取引により、私たちの規模は拡大し、中央集中型の公害をまき散らす発電所に取って代われるよう、そして完全なクリーンエネルギーの未来に向けて加速できるよう、私たちの電力供給ネットワークを成長させることができます」。

14億6000万ドル(約1570億円)全額株式交換による買収(およそ18億ドル、約1940億円が負債と想定)を行ったSunrunはTeslaの太陽光発電事業の強力なライバルとなるが、Teslaにはこの住宅用太陽光発電のライバルを通じて、より多くの蓄電池を販売できるというチャンスもある。

SunrunとVivintは、太陽光発電パネルを設置する際に顧客に蓄電池も勧めるだろう。となれば、Tesla製のPowerwall(パワーウォール)か、LG Chem(LG化学)と共同で製造している自社製のBrightbox(ブライトボックス)のいずれかを扱うことになる。

投資家たちはこのSunrunの最新の行動に反応して、同社株に資金を投入している。Sunrunの株価は、正午の取引で5ドル上昇した。

画像クレジット:Yahoo Finance

「Vivint SolarとSunrunは、長い間、クリーンで手頃な価格の災害に強い住宅向けエネルギーの供給という共通の目標を掲げてきました」とVivint SolarのCEOであるDavid Bywater(デイビッド・バイウォーター)氏は声明の中で述べている。「Sunrunと力を合わせることで、より幅広い顧客へのリーチが可能になり、クリーンエネルギーの受け入れと送電網の近代化のペースを速めることができます。今回の取引は、私たちのお客様、株主、そして私たちのパートナーに価値をもたらすと信じています」。

画像クレジット:Vivint Solar

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(翻訳:金井哲夫)

Teslaが中国でCybertruckの予約受付を開始

Tesla(テスラ)は中国の顧客向けに、全電動ピックアップトラッであるのCybertruckの予約を始めた。これは巨大で未来的なトラックに対する市場の関心を測るものだ。

Teslaの中国サイトにある予約ページに、Redditのチャンネルであるr/teslamotorsにユーザーu/aaronhryが最初にポストした。ElectrekもRedditの投稿を報じている(Reddit投稿)。

カリフォルニア州ホーソーにあるのTesla Design Centerで2019年11月にベールを脱いだCybertruckは、2022年後半に生産開始とされていた。それでも何千人もの米国の消費者たちが、100ドル(約1万800円)の前金を払ってこのトラックに殺到した。公式発表の数週間後には、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はTwitterで25万台の予約があったことを発表した(Twitter投稿)。

Teslaは今回、中国の消費者の関心の大きさを測ろうとしている。

中国でも米国でも、予約の何割が実際の売上に結びつくかは予測できない。その答えがわかるのは早くても1年後だろう。Teslaはまだ、その生産拠点すら決めていない。

2020年3月のマスク氏のツイートによると、Teslaはイーストコーストの市場向けにクロスオーバー車のModel YとCybertruckを生産する工場の立地を探しているという。マスク氏は当時、その工場は米国の中心部になるだろう、といっていた。

最初、Telaは候補地としてナッシュヴィルに打診していた。その後同社は、オースチンとタルサに関心を寄せていた。オースチンの話は急速に進み、工場は市の外にできると思われたが(未訳記事)、タルサもTeslaとの話はまだ続いていると主張している。

Teslaによると、Cybertruckには3つの車種がある。シングルモーターで後輪駆動の最安モデルは3万9900ドル(約430万円)で重量3.4トン、航続距離400km以上だ。中位モデルはデュアルモーターで全輪駆動、荷重4.5トン、1回の充電で480km以上走る。価格は4万9900ドル(約540万円)だ。

3つめの上位モデルはモーターを3つ搭載し重量6.3トン、航続距離800km以上となる。このバージョンは「トライモーター(tri motor)」と呼ばれ、価格は6万9900ドル(約750万円)となっている。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

テスラは第2四半期に9万台超の車両を出荷、予想より減少幅小さく

Tesla(テスラ)は米国時間7月2日の木曜日、第2四半期(4月〜6月)に9万650台の車両を出荷したと発表したが、これは新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響により米国の主要工場での生産停止が数週間続いたため、前年同期比で4.8%の減少となった。

逆風にもかかわらず、予想を上回る数字だった。

出荷車両の大半(約8万50台)はModel 3とModel Yだった。残りの1万600台はより高価な Model SとModel Xだ。テスラは各モデルの出荷台数内訳を提供しておらず、また地域に関する情報も公開していない。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で販売台数が減少すると予想していたアナリストの予想はさまざまで、3万9000台と予想する人もいれば、あるいは8万3000台と予想する人もいた。FactSetの調査によれば、多くのアナリストはテスラが第2四半期に7万2000台を出荷すると予想していた。

今回の発表を受けて、7月2日の朝の時間外取引で株価が9%近く上昇し、1218.21ドル(約13万円)となった。発表の簡単な内訳は以下のとおりだ。

  • 第2四半期に9万650台の車を出荷したが、第1四半期は8万8400台、2019年第2四半期は9万5200台だった。
  • 第2四半期に8万2272台の車両を生産したが、第1四半期は10万3000台、2019年第2四半期は8万7048台だった。

テスラに勤務する複数の関係者によると、第2四半期末までの数週間、従業員に新たな販売目標が課せられたという。同社はまた、中国と北米での車両価格を引き下げた。どちらの戦略も、電気自動車の需要を喚起することが目的だ。

この計画は第2四半期には効果があったようで、アナリストは今年の残りの期間、テスラにより大きな期待をかけるかもしれない。

テスラの株価は7月1日の市場で急上昇し、同社の時価総額は約2080億ドル(約22兆円)に達し、トヨタを抜いて時価総額で世界一の自動車メーカーとなった。CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が、従業員に販売と生産の目標達成を祝うメールを全社に送ったと報じられたことも、株価を上昇させた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが時価総額22兆円超でトヨタを抜く、自動車メーカー世界首位に

米電気自動車メーカーのTesla(テスラ)はこの10年で市場のルーキーから時価総額の点で世界で最も価値の大きい自動車メーカーへと成長した。同社がFord(フォード)とGM(ゼネラルモーターズ)の時価総額を抜いてから随分経つが、1月に時価総額が813億9000万ドル(8兆7000億円)に達したとき、史上最も価値の大きい米国の自動車メーカーになった。

それでも、いくつかの自動車メーカーはなおテスラの先を行っていた。だがそれも本日(米国時間7月1日)までだ。テスラの株価は7月1日の取引開始後、4%近く上昇して 1,129.18ドル(約12万円)となり、過去52週間の最高値を更新した。時価総額は現在2080億ドル(約22兆3000億円)近くに達し、トヨタを抜き世界で最も価値の大きい自動車メーカーとなった。トヨタの時価総額は2027億4000万ドル(約21兆7000億円)だ。

同社の株価は一部のアナリストを困惑させてきた。論争や挫折が続いたにもかかわらず、上昇と下降を続け、その後上昇、上昇、さらに上昇を続けたからだ。世界で最も価値の大きい自動車メーカーとしてのテスラの新しい地位は世界販売台数に見合っていないが、投資家の意欲を弱める材料ではない。テスラは確かに生産と出荷を加速している。2019年には36万7500台の電気自動車を出荷した。前年比50%増だ。より安価なモデル3の販売に大きく支えられ、過去最高を記録した。

トヨタは年間1000万台の車を生産している。

テスラは、投資家が従来の自動車メーカーに当てはめていた法則から逃れた。自動車メーカーというよりはテクノロジー企業として見られている。アナリストの予測はCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏の将来の製品に関する約束に注目しがちだが、それらは決して実現しないかもしれない。出荷台数や生産台数、あるいは売上高などの四半期ごとの実績数値は、ゆっくりした足取りとなっている。

テスラの株価も、新型コロナのパンデミックが自動車業界に及ぼした影響を免れたようだ。テスラでさえ新型コロナ関連の減速と一時的な生産停止を経験したが、投資家は買い続け、株価を押し上げた。

テスラの株価は、7月1日か2日に発表される第2四半期の出荷台数と生産台数がアナリストの期待通りかそれを上回る場合、再び上昇する可能性がある。FactSetによると、アナリストらは第2四半期の販売台数を7万2000台と予想している。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

米国家幹線道路交通安全局がテスラ車のタッチスクリーンの不具合を調査、NANDフラッシュメモリが原因か

米国家幹線道路交通安全局(NHTSA)が、テスラの古いModel Sにおけるタッチスクリーンの故障の申し立てについて、予備調査を開始した。

同連邦機関が調査を開始したのは、2013年から2015年までのModel S車両に搭載された、タッチスクリーンの故障に対する苦情を、テスラの所有者から13カ月の間に11件受け取ったことによる。この問題は、問題のあるフラッシュメモリデバイスが原因となって発生し、タッチスクリーンが黒くなってしまうというもので、バックギアを選択すると背面カメラの画像が表示されなくなる現象も含まれている。

NHTSAの予備評価の焦点は、8GB eMMC NANDフラッシュメモリデバイスを内蔵したNVIDIA(エヌビディア)のTegra 3プロセッサだ。フラッシュデバイスには、書き込みと消去のサイクル数に基づく有限の寿命がある。中央ディスプレイ、すなわちメディアコントロールユニットに、時期尚早に障害が起きるのは、eMMC NANDフラッシュ内のメモリが故障するためだと言われている。

NHTSAは当初、このフラッシュメモリデバイスを使用する6万3000台のModel S車両が影響を受ける可能性があると推定した。だが同機関は、その数は最大15万9000台におよぶ可能性があるとも指摘している。Tegra 3プロセッサーは、2012年から2018年にかけてModel Sのセダン、および2016年から2018年にかけてModel XのSUVで使用された。

インフォテインメント、ナビゲーション、ウェブブラウジングなどを提供するテスラのタッチスクリーンは、そのデザインが高く評価されている一方で、特にフラッシュメモリデバイスを中心とした故障しやすさが批判されている。

NHTSAによると、このeMMCメモリは、パフォーマンスが次第に低下する期間が過ぎると故障する。最終的な障害は、音声ならびに視覚的機能の喪失を引き起こす。その中にはバックギアを選択した際にリアカメラの画像表示が失われる現象も含まれている。

MCU障害のその他の影響としては、エアコンの温度制御がデフォルトで自動モードになってしまったり、バッテリー充電電流や再充電時の最大状態に制限がかかったりする。なおこの故障は、ブレーキ、速度制御、ハンドルなどの車両制御システムには影響しない。

画像クレジット:Christopher Goodney/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

新型コロナで延期していたテスラの大規模バッテリーイベントと株主総会は9月15日に仮決定

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏はかなり前から「Battery Day(バッテリー・デイ)」を宣伝してきたが、とうとう数カ月以内には実現する見込みだ。マスク氏はTwitter(ツイッター)で、2020年9月15日が「テスラの株主総会とバッテリー・ディ」の「仮予定日」となり、これには通常の株主総会とテスラ車両に電力を供給するバッテリーのセル生産システムの案内が含まれると語った。

もともと2020年4月に予定されていた 「バッテリー・ディ」 は、すでに何度か延期されている。5月そして6月へと延期されたが、マスク氏が明かした最新の9月というスケジュールは、現在進行中の新型コロナウイルスによる世界情勢と、テスラ社内での新型コロナウイルス(COVID-19)への対応、地方自治体によるロックダウン、従業員の健康と安全に関する複雑な問題(Bloomberg記事)を考えると、はるかに現実的に思える。

パワートレインのコンポーネントを含む予定だった以前のイベント内容は変更され、バッテリー・デイはバッテリー性能と出力の改善に焦点が絞られる。Tesla Model Sは、走行距離400マイル(約640km)以上のEPA認定を得た最初かつ唯一の電気自動車であり、またテスラは低コストで長寿命の新しいバッテリー技術に取り組んでいることが報じられており、2020年中か2021年初めに中国向けのModel 3に導入される計画だとReuters(ロイター)が2020年初めに報じている。

これはテスラが2019年にサイバートラックを発表して以来、初めての重要なイベントとなるだろう。同社のバッテリー技術に関する革新は、内燃式燃料車からより多くの顧客を移行させ続けるという点で、テスラにとって最も重要な優位性となる可能性が高く注目を集めることになるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラが奴隷解放記念日に無給休暇を取得可能と社員に通知

米国時間6月19日金曜日午後8時のわずか前、Tesla(テスラ)の人事部門は米国の従業員にメールを送り、米国で奴隷制度が終了した記念日である6月19日を祝うために休暇を取得できることを伝えた。

そのすぐ後、人事担当責任者のValerie Capers Workman(バレリー・ケーパーズ・ワークマン)氏は、その日に休暇を取った社員は無休扱いになると明言したことがTechCrunchが見たメールでわかった。CNBCが今朝のメールを最初に報じた。そのメールは西海岸の社員の始業時間に送られた。ニューヨーク州バッファロー工場など、その他の時間帯で働く人びとにとって、メールは大きく就業時間に食い込んでから届いた。

テスラはコメント要求に答えていない。

祝日当日というメールのタイミングに批判が集まった。6月19日に計画されていた同社のカリフォルニア州フリーモント工場のデモへの影響も問題となった。同工場では1万人以上が働いている。

その日の午前中に、おそらく批判への回答として、Tesla CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、今後TeslaとSpaceX(スペースX)では6月19日を国民の祝日として扱うとツイートした。

その後のツイートでMusk氏は、社員はPTO(有給休暇)を取得する必要があることを確認した。社員は勤続年数と職位に応じて年間決められた日数の有給休暇を与えられる。メディアに話す了解を得ていないという理由で匿名を希望した社員数名は、新型コロナウイルスのパンデミック期間中、予防のために有給休暇を使い果たしたとTechCrunchに語った。

Juneteenth(ジューンティーンス)は1865年6月19日、南軍将軍ロバート・E・リーがバージニアで降伏してから2カ月後、テキサス州ガルベストンの奴隷たちが、ある北軍将軍が当地を訪れたときに自分たちの自由を知ったことの記念日である。エイブラハム・リンカーン大統領が奴隷解放宣言に署名してから2年以上後のことだった。

今年、警察の暴力と黒人に対する構造的人種差別に対する全国的な抗議活動を受け、Square(スクエア)、Twitter(ツイッター)を始めとする多くのテック企業がジュンティーンスを認め、有給休暇として扱う計画を発表した。他の企業もそれぞれの方法でこの日の認知を表明した。

関連記事:奴隷解放の6月19日を記念する動きが米テック企業の間で続出

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが米国産Model 3にもワイヤレス充電とUSB-Cポートが標準装備に

Tesla(テスラ)のカリフォルニア州フリーモントで生産されるModel 3にワイヤレス充電パッドとUSB-Cポートが標準装備されるようになるようだ。このアップグレードは最初にテスラ専門メディアのDrive Tesla Canadaが取り上げた。自動車専門メディアのElectrekもこの変更を報じた。

今回のアップグレードにより、テスラの中国工場で生産されるものと同じModel 3になる。ワイヤレスのスマホチャージャーとUSB-Cポートは3月から納車が始まった新Model Yにまず搭載された。 以来、この新機能を古いModel 3にも持ってくる取り組みを展開し、最初に中国工場で組み立てられたModel 3に登場した。Drive Tesla Canadaによると、6月4日以降に組み立てられたModel 3で標準装備となった。

Teslaはまだ、2020年6月4日以前のModel 3のオーナーには125ドル(約1万3000円)で新機能搭載を提供している。アフターマーケット企業のJeda ProductsもQiワイヤレスチャージャーを99ドル(約1万1000円)で販売している。

アップグレードはおそらく、組立をより効率的にすること、それから新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで販売がスローダウンしているために、潜在顧客を引きつけられる車両にするのが狙いだろう。

Teslaは今年第1四半期にアナリストの予想を上回る8万8400台を販売した。それでも、新型コロナパンデミックにより需要が抑制され、またロジスティック面で問題が生じるなどしたために前四半期比21%減だった。同社は第1四半期に前四半期比2%減の10万3000台を生産(テスラのプレスリリース)した。

3月31日までの第1四半期には、新型コロナで中国と欧州のサプライチェーンや販売に混乱が生じた。期末に向かうにつれ、パンデミックによる経済への影響は米国に波及し、第2四半期はひどいものになっている。同社は通常、四半期末から数日して生産台数と販売台数を発表する。第2四半期は6月30日までだ。

画像クレジット: Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

マスク氏の「Semiトラック大量生産」メモでテスラ株価が1000ドル超え

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏がメモの中で、3年近く前に発表した電動大型トラック(クラス8)のTesla Semiについて「『全力を尽くし』て大量生産を開始するときだ」と述べた。

従業員向けのメモについてはCNBCが最初に報じた。TechCrunchもこの短いメモを確認したが、大量生産がいつ始まるかなどの詳細は書かれていなかった。マスク氏はメモが事実であることをTwitter(ツイッター)で認めた。

漠然とした内容のメモと、メモを認める「イエス」という言葉はウォール街にとっては十分なものだった。テスラの株価は米国時間6月10日朝に6%超上昇し、1000ドル(約10万6960円)を超えた。米国東部時間午前10時50分時点で1009.84ドル(約10万8000円)だった。同社の時価総額は今や1870億ドル(約20兆円)超となった。

「Tesla Semiは限定的に生産されてきた。これにより、デザイン面で多くの点を改善できた」とマスク氏はメモで述べた。バッテリーとパワートレインはネバダ州スパークスにある同社のギガファクトリーで生産される。マスク氏はトラックそのものがどこで生産されるのか言及しなかったが、他の作業はおそらくネバダ州以外で行われる、とメモに記した。

メモ全文は以下のとおりだ。

Tesla Semiを大量生産すべく、全力投球するときだ。これまで限定生産されてきたが、これによりデザイン面で多くの点を改善できた。バッテリーとパワートレインの生産はネバダ州のギガで行われ、その他のほとんどはおそらく他州でとなる。ジェロームと私はこの素晴らしいプロダクトをマーケットに投入するためにあなたたちと共に働くことを楽しみにしている!

最終組立てがどこで行われるかTwitterで聞かれたマスク氏は「いずれわかる」と答えた。

Tesla Semiは2017年11月にデビューしたとき、大評判となった。発表の際、マスク氏はSemiがModel X、Model S、Model 3のような走りになると約束した。またこのトラックには驚くべきスペックが備わっていた。そのうちの1つが、フル積載状態で時速65マイル(105km)で走行したときの航続距離が500マイル(約805km)というものだ。

SemiはすぐさまModel 3の影に隠れた。Model 3は数カ月も生産が追いつかなかった。そしてModel Yがデビューし、生産が始まった。そのうちSemiはTeslaの決算報告から姿を消した。

今年初めの第4四半期決算で、同社はそれまでの数カ月で初めてSemiについてアップデートし、「今年台数限定で生産する計画だ」と述べた。

その後同社は直近の四半期決算発表の中で、Semiの生産・販売時期を2021年に後ろ倒しにすると明らかにした。当初の目標から2年遅れとなる。

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(翻訳:Mizoguchi

テスラ取締役会がイーロン・マスク氏の832億円以上の報酬を承認

Tesla(テスラ)の取締役会は、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏に数十億ドルが支払われる空前の報酬パッケージの第1回ぶん(7億ドル以上の価値)を支払う重要財務事項を承認した。同社が5月28日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した書類による。

この決定によって同氏は第1回ぶんとして約169万株を大幅な割引価格で購入する権利を得た。同社株の5月28日の終値805.81ドルに基づくと、価値は7.75億ドルになる。同氏はこのストックオプションを1株当り350.02ドルで購入できる。

「この説明書の日付をもって、この報酬の12回分割の1つが授与・行使可能となり、マスク氏の行使価格は1株当り350.02ドルで、同氏が権利を行使して購入した株式には最低5年間の猶予期間が適用される」とSEC提出書類に書かれている。

この報酬計画は2018年に株主総会で承認され、2030万株の購入権が169万株ずつ12回に分割された。購入権はテスラの時価総額、売上および調整後利益(株式による報酬などの一時的費用を除く)が決められたマイルストーンに達した場合、12回に分けられて有効になる。

取締役会と株主がこの計画を承認した時点で、同氏は新株が発行されなければ理論的に560億ドル近くを手にすることができた。しかし、昨年テスラは27億ドルの株式と転換社債を売却したことを当時ロイターが報じた

ストックオプションの1回目を手にするには、テスラが時価総額6カ月平均1002億ドルに達し、年間売上200億ドルまたは調整後EBITDA 15億ドルを達成しなくてはならない。次回を受け取るためには、テスラが時価総額 500億ドルを上積みし、売上350億ドルまたは調整後EBTDA 30億ドルを達成しなければならない。

取締役会は時価総額と売上のマイルストーン達成を承認した。もう1つのマイルストーンである調整後EBITDA 15億ドルも達成されたが、取締役会による正式な承認が必要になるとSEC提出書類に書かれている。

Tesla SEC May 2020

画像クレジット: Screenshot/SEC filing

マスク氏がストックオプションを行使するためには、取締役会がそれぞれのマイルストーンの達成を承認する必要がある。12回すべてを行使するためには、テスラの時価総額が6500億ドルに達しなければならない。

同氏はこれまでに給与を受け取ったことがない。代わりに、株主の承認を得て、株式ベースの報酬制度を選んだ。前の株式報酬制度で同氏は、2012年に約7800万ドル相当のストックオプションを受け取ったが、テスラが生産台数と時価総額のマイルストーンを達成したあとに与えられたものだった。

2018年のCEO報酬制度は、マスク氏が次の10年間テスラに所属することを保証しただけでなく、重点が置かれているのは時価総額と売上であり、必ずしも利益ではない。

提出書類によると、テスラの定時株主総会は7月7日に予定されている。

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが主要製品を大幅値下げ、Model SとModel Xの無料充電は廃止に

Tesla(テスラ)は電気自動車製品ラインアップを値下げした。新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの打撃を受けた売上の回復が狙いだ。

Reuters(ロイター)とElectrek(エレクトレック)が最初にこのニュースを報じた。Model 3のスタンダードレンジ・プラスのベース価格は3万7990ドル(約410万円)となり、2000ドル(約21万5000円)下がった。しかし最大の下げ幅は、同社の高額・高級車のModel SセダンとModel X SUVだ。

Model Sのロングレンジ・プラスは5000ドル(約53万9000円)下がって7万4990ドル(約81万円)になった。さらに高価なModel SパフォーマンスおよびModel Xの2車種も5000ドル値下げされた。

この値下げは、新型コロナウイルスによる長期ロックダウンの後、各自動車メーカーが購買者を引きつけようと模索する中の方策だ。新型コロナは需要を抑制し経済を一変された。Ford(フォード)、GM(ゼネラルモーターズ)、Fiat Chrysler(フィアット・クライスラー)の3大メーカーは、ゼロ金利融資や延べ払い、長期支払いなどの選択肢を提供している。

ほかの自動車メーカーでは、Hyundai Motor America(ヒュンダイ、現代自動車)、Kia Motoers America(キア・モーターズ、起亜自動車)、北米日産、米国トヨタ、Volkswagen of America(フォルクスワーゲン)も、新たな特典や支払いプランを発表し、既存オーナーのローン焦げ付きを防ぐとともに新規購入を奨励している。

またテスラは、今回の値下げに合わせて、新規販売のModel SおよびModel Xの無料無制限スーパーチャージを中止した。同社は無料スーパーチャージについて、この数年間中止と再開を繰り返すなどどっちつかずの態度を続けてきた。

当初、無料無制限スーパーチャージはテスラ車購入とセットになっていた。その後同社はスーパーチャージャー・ネットワークの無料無制限利用を段階的に廃止し始め、2017年1月1日以降の購入者には毎年400kW/h(キロワット時)、約1000マイルぶん(約1600km)の無料充電が提供された。それを使い切ると少額の充電料金が課せられる。

さらにテスラは紹介プログラムによる無料プランを縮小し、Model S、Model X、およびModel 3のパフォーマンス版の購入者に限り、スーパーチャージャーの無料無制限利用が可能になった。この無料無制限スーパーチャージャーの紹介プログラムも9月18日に終了する。

TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、この特典は「維持困難」であると発言し、それ以来販売促進のために何度か特典を復活させた。そして2019年8月、同社の高級電動車の売上増を狙って、再び特典をよみがえらせた(未訳記事)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「テスラはCybertruckを小さくしない」とイーロン・マスク氏

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が、世界滅亡後をイメージした冷間圧延鋼製全電動トラック「Cybertruck」(サイバートラック)を発表後、この車が市場に出る時にはもっと小さくなるのではないかという憶測が巷にあふれた。

Cybertruckは今も生産にはほど遠い。この全電動トラックをつくるための工場もまだない。しかし5月23日に同氏は、サイズについてある情報を発信した。同氏はツイートで、「昨夜Franzと設計を確認した。3%小さいだけでも小さくなりすぎる。サイズはほとんど変わらない。将来もっとタイトなトラックを作ることにはなるだろう」と語った。FranzはTeslaのデザイン責任者であるFranz von Holzhausen(フランツ・フォン・ホルツハウゼン)のことで、「タイト」(Tight)は「ライト」(Light)の間違いだと思われる。

この発言が重要なのは、CNBCで5月27日放映予定のJay Leno’s Garageの番組予告の中で、マスク氏がJay Leno(ジェイ・レノ)氏に、実はこの車は5%大きすぎると語っていたからだ。「今のプロポーションを保って5%小さくすればいい」とマスク氏は言い、後に「ふつうのガレージに収まる必要があるから」と付け加えた。

以前に同氏は、Cybertruckの車幅をおそらく1インチ(2.5 cm)縮めるだろう、「長さを6インチ(15 cm)超減らしても機能や美観を損ねることはないだろう」と語っていた。

テスラはCybertruckの大きさを公表していない。そしてTechCrunchは、発表イベントに巻き尺を持っていくのを忘れた(学んだ教訓)。

この2カ月間にマスク氏は、Cybertruckに関する新情報を何度かツイートし、オフロード性能を高めるためにダイナミック・エアサスペンションの振れ幅を広げ、「少し浮き上がるだろう」と語ったが、それ以上は言及しなかった。

関連記事:テスラの完全電動トラック「Tesla Cybertruck」の注目ポイント

テスラはCybertruckに3種類のモデルを用意することを明らかにしている。最低価格モデルは、シングルモーター、後輪駆動、牽引能力7500ポンド(3.4トン)、航続距離250マイル(402km)、価格は3万9900ドル(約430万円)と同社ウェブサイトに書かれている。中位モデルは、デュアルモーター、全輪駆動で、牽引能力1万ポンド(4.5トン)、航続距離300マイル(482 km)で、価格は4万9900ドル(約537万円)だ。

そして最上位モデルはモーター3台の全輪駆動車で、牽引能力1万4000ポンド(6.4トン)、航続距離500マイル(805km)。「tri motor」(トライ・モーター)と呼ばれるこの車の価格は6万9900ドル(約753万円)だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラの車載ゲームにFallout Shelterが登場、最先端地下シェルターをシミュレーション

1年近く前、Bethesda Games(ベセスダ・ゲームズ)のディレクターであるTodd Howard(トッド・ホワード)氏は同社の「『Fallout Shelter』(フォールアウト・シェルター)がTesla(テスラ)のディスプレイに搭載されるだろう」と話した。そして2020.20ソフトウェアアップデートを通じて到着した。最初にドライバープラットフォームのTeslascopeで案内された。

Teslaのアーケードはドライバーが停車しているときに車内でビデオゲームができる機能で、Fallout Shelterはアーケードのゲームとしては最新作となり、より現代的なゲームの1つだ。他には2048、Atari(アタリ)のSuper Breakout、Cuphead、Stardew Valley、Missile Command、Asteroids、Lunar Lander、Centipedeがある。またアーケードには改善が図られた(より難しくなったことを意味する)バックギャモンやチェスもある。

ゲームの追加といくつかの改良があった2020.20ソフトウェアアップデートは、まだすべてのテスラ車両に行き渡っていない。この中には筆者のドライブウェイに停めてあるModel 3も含まれる(まだ前回の2020.16.2.1アップデートのソフトウェアで、ここにはバックギャモンの改善と新Tesla Toyboxが含まれる)。

しかしYouTubeチャンネルのホスト、JuliansRandomProjectはすでにソフトウェアのアップデートを受けた幸運な人の1人で、Falloutの様子や車両でどう作動するかをうつしたビデオをリリースした。Roadshowもアップデートを報道し、JuliansRandomProjectのビデオを掲載した。そのビデオは以下に埋め込んでいる。

Fallout Shelterはソフトウェアアップデートの中の1つの新機能にすぎない。車のオーナーが(駐車している間)Netflixや他のビデオを鑑賞できるシアターモードでビデオの再生や一時停止、早送りをコントロールできるようハンドルにいくつかの機能が加わった。

Traxという曲を録音できる機能も改良された。Traxではトラックの音を編集したり微調整したりできるピアノロールが表示されるようになった。

画像クレジット: Screenshot of Fallout Shelter

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(翻訳:Mizoguchi

テスラがフリーモント工場の操業再開を巡るアラメダ郡に対する訴訟を取り下げ

Tesla(テスラ)は、米国カリフォルニア州にあるフリーモント工場の再開強行を巡り、今月初めにアラメダ郡を相手に起こしていた訴訟を正式に取り下げた。

訴訟取り下げは5月20日に受理され、テスラのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏と郡の衛生、警察当局との戦いに幕が降ろされた。5月9日、同氏が訴訟および事業の州外への移動をほのめかした数時間後に訴状が提出され、アラメダ郡に対して差止および宣言的救済を求めた。Reuters(ロイター)が最初にこのニュースを報じた。

この訴訟は、テスラのフリーモント工場での生産再開計画が、郡の新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止策による外出禁止令延長によって阻止されたことを受けて起こされた。訴状提出の2日後にマスク氏は、郡の命令を無視して工場を再開した。

電気自動車の組み立てが行われているフリーモント工場における生産は、アラメダ郡ならびにカリフォルニア州ギャビン・ニューサム知事の発令した外出禁止令によって3月23日以来停止している。

マスク氏は操業再開の根拠として、ニューサム知事が発行した工場の再開を認める新たなガイダンスを挙げた。しかし州知事のガイダンスは、地方自治体がさらに制限の強い規則を適用する可能性があることを警告していた。アラメダ郡はほかの湾岸地区の郡や市とともに、外出禁止令を5月末まで延長した。後に命令は修正され、一部の制限が緩和されたが、製造業に対する制限は解除されなかった。

テスラと郡当局は、同社が社員を呼び戻して操業再開の準備に入ったあとも交渉を続けた。その結果、郡は同社が生産再開に備えた最小限の基本的作業を進めることを認めた。

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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