以前は家族が静かにサンクスギビングデー(感謝祭)を祝った翌日のブラックフライデーが年末セールの開始を告げる日と考えられてきた。しかしここ数年のネット通販の普及で状況は大きく変化した。統計から見ると、年末セールはサンクスギビングデーその日から始まることになったようだ。
Adobe Digital Insightsによると、アメリカでのサンクスギビングのオンライン販売の売上は新記録の28.7億ドル、対前年比で18.3%のアップになったと推計している。これはAdobe自身の予測、27.9億ドルを上回る数字で、1日あたりの売上として突出している。これと比較して、たとえば、2016年のサンクスギビングの売上は19.3億ドルに過ぎなかった。
サンクスギビングでの売上は年末セールの出足を占う重要な要素と考えられている。つまりオンライン通販企業に」とって非常に重要な日だ。今年の数字は年末商戦の主戦場がオンラインに移ってきたことと消費者がオンライン通販に信頼を深めていることを示すものだろう。
Adobe Digital Insightsでは 通販トップ100社のデータをもとにアメリカにおけるオンライン通販の80%をカバーしている。消費者はサンクスギビングの昼食に七面鳥を食べた後、
オンラインの買い物サイトに突進したもようだ。これによりサンクスギビングの午後だけで13億ドルの売上があった。われわれが得た最初の数字は同日午後2時(太平洋時間)の15.2億ドルだった。オンライン注文の半分弱、46%をスマートフォンからの注文が占めた。
アップ分について、16.8%は11月の平均が反映されている。11月1日から22日までの売上合計は対前年比で17.9%アップしており、この22日間で10億ドルの売上があった。これは消費者がオンライン通販を信用するようになったことと同時に、セールス活動が例年よりさらに前倒しでスタートしたことも影響しているだろう。
物理的店舗の多くがサンクスギビングの日には休んでいるか遅く開店する。逆にアメリカの消費者の多くは在宅しており、冬支度に目を向けている。こうした状況をオンライン通販企業は有利に利用して割引セールで攻勢をかけたようだ。【略】
スマートフォンなどのモバイル・デバイスはさらに大きな存在になっている。特にこういった休日に自宅の居間で家族に囲まれれている消費者はわざわざデスクトップの前に座ったりノートパソコンを開いたりするよりもスマートフォンから買い物をすることを好むだろう。
Adobeの調査によれば、スマートフォン経由の46%のうち、今朝の44.2%から2ポイント増加しているという。モバイル経由の注文数自体は対前年比で15%のアップだった。
Adobe Digital Insightsと並んでAmazonも統計を発表している。これによれば、今年のサンクスギビングのセールスは昨年に比べて50%アップだった。Alaxaの普及に力を入れているAmazonでは、Alexaの音声アシスタントを経由した注文に特別割引を実施した。
デスクトップからのネット注文の割合は時間とともに減少の傾向をみせた。トラフィックの44%を占めたものの朝の数字からは2%のダウン、昨年同期からは11%のダウンとなった。タブレットの割合も微減で、トラフィックの10%を占めたが昨年に比べて5.7%の減少だった。
とはいえ、スマートフォンは商品をブラウズするには良いが、高額商品の購入にはまだ向かないようだ。現在スマートフォンは売上の30.3%を占めている。これは昨年に比べて8ポイントのアップだが、今朝は34%だったから4ポイントのダウンだ。
デスクトップのセールスは57.2%を占めてたが7.3ポイントのダウンだった。タブレットは12.5%を占めて、こちらも7ポイントの減少。ただしこうした数字は時間とともに変化するので一日が終われば違った数字になっている可能性がある。IBMによれば、トラフィックではなくセールス全体の34%はモバイルからだという。
売れたアイテムを見ると、コンピューターは平均して11.2の割引、テレビは15.1%、おもちゃが11.4%の割引だった。ブラックフライデーにはさらにディスカウントの率がアップするはず。
Amazon.comについては、先日のPrime Day同様、Alexaデバイスが売れ筋のトップだった。Amazon以外のマーチャントではTP-LinkのSmart Plug、 SandiskのUltra 64GB Micro SDカード、Keurigのコーヒーメーカー、K55 K-Classic Single Serve Programmable K-Cup Podが強かった。Alexaの音声コマンドを通じて売れたトップ・アイテムはEcho Dot、Fire TV Stick with Alexa Voice Remote、新しいEcho、TP-Link Smart plugなど。
Adobe Digital Insightsの予測では今年の年末セールスは総額1074億ドルに達し、昨年にくらべて13.8%のアップになるだろうという。
当初の記事を最新の統計でアップデートした。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)