人気VRゲーム「Beat Saber」が「アーリーアクセス」を脱して値上げ

VR(バーチャルリアリティー)で一番人気のゲームが、今月中に値上がりしプレイ可能なヘッドセットが増える。

先週TechCrunchでは、Beat Saberの詳細な長文記事を書いた。チェコ・プラハの小さなVRスタジオが作ったベストセラーゲームは大きな収益をメーカーにもたらしている。Guitar HeroとFruit Ninjaを合わせたようなゲームで、EDM(エレクトロダンスミュージック)の流れる中をライトセーバーをもって進んでいく。100万本以上売れている。

今週Beat Game社は、ほとんどのバグを修正したという確信を深め、さらに売上を伸ばすに違いないアップデートを発表した。

来る5月21日に、Beat GamesはValveのSteamストアバージョンおよびOculus Homeプラットフォーム向けバージョンの価格を20ドルから30ドルに上げ、PS VRバージョンと同価格にする。今回の価格改定に伴い、同社はこれまでゲームに冠していた「アーリーアクセス」のタイトルを外した。これはゲームがまだベータ版であり不具合が残っていることを意味していた。同社はMediumの投稿にそのことを詳しく書き、ゲームが「安定バージョン」のレベルに達し、「フルゲーム」になったと感じていることを述べた。

ゲームがアーリーアクセスを脱すると、長らく約束されていたレベルエディターが加わり、ゲーマーは自分のオーディオトラックに合わせてカスタムレベルを作れるようになる。

価格改定の5月21日というのは任意の日付ではなく、Oculusの新しいヘッドセットであるRift SとQuestの発売日だ。

Questと言えば、OculusはRift用のゲームをすでに持っているユーザーがQuestのゲームを無料でダウンロードできるクロスバイというシステムを導入した。しかしBeat GamesはTwitterで、このシステムに対応しない旨を発表したので、Questユーザーは代金を払わなくてはならないが、メーカーは追加のミュージックパックなどのアドオン機能が使えると言っている。

今後Beat Saberは全プラットフォームで統一されていくので、一部の機種だけがアップデートされることはなくなる。これはクロスプラットフォームのマルチプレーヤーゲームの可能性が開かれることを意味している。

価格改定は来週で、5月21日まではアーリーアクセス価格でゲームを購入できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Niantic、会社評価額39億ドルで2億ドル調達か?

ポケモンGOを開発、運営しているNianticは、シリーズCラウンドで39億ドルの会社評価額で2億ドルの調達を図っているという。このラウンドはIVPがリードし、SamsungとaXiomatic Gamingが参加するとWSJのKaty Roofが報じている

これにより、Crunchbaseのデータでは、同社の調達総額は4億2500万ドルとなる。 Nianticの直近のラウンドの評価額は30億ドルだった。

われわれはNianticにコメントを求めている。

ARテクノロジーに注力してきたNianticは最近アップデートされたIngressや近く登場が予定されているハリー・ポッターなどのモバイルゲームを開発、運営している。同社は2010年にGoogleの社内スタートアップとして設立されたが、2015年に独自の事業としてスピンアウトした。大ヒットとなったポケモンGOをリリースしたのは独立の翌年だ。

同社は現在、ポケモンGOに続くヒットを目指して、ハリー・ポッター・シリーズをテーマとした拡張現実モバイルゲーム、Harry Potter:Wizards Unite〔邦題未定〕の開発に取り組んでいいる。ポケモンGOの成功が巨大だったこともあり、次作の成功はNianticにとって極めて重要なものとなるだろう。ゲームのリリース日程はまだ明かされていない。


画像:Niantic

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滑川海彦@Facebook Google+

日本のVRスタートアップ、ダズルが2億円を調達 ― VR分析ツール「AccessiVR」を6月に正式リリースへ

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「Dazzle VR ROOM」の様子

「VR元年」と呼ばれた2016年も、あっという間に過ぎ去ってしまった。でも、VR業界の注目度は高いままだ。

VRプロダクト向け分析ツールの開発を手がける日本のダズルは3月1日、施工図作図や技術者派遣を行う夢真ホールディングス、およびグループの夢テクノロジーから総額2億円の資金調達を完了したと発表した。同社は2016年5月に同じく夢真HDから1億5000万円を調達しており、累計調達金額は3億5000万円となる。

これにともない、ダズルの監査役に夢真HDの佐藤義清氏、そしてスマートフォン向けサービス開発を手掛けるアクロディアの永山在郎氏が就任。また、経営顧問にスカイマーク元代表取締役会長の井出隆司氏が就任する。

ダズルはこれまでに、スマホゲームやVRゲームなど数点のゲームコンテンツをリリースしてきた。なかでも、スマホRPGの「ヴァリアントナイツ」は累計140万ダウンロードを達成している。そして、本日からクローズドβを開始するのが、VRプロダクト向け分析ツールの「AccessiVR(アクセシブル)」だ。今回調達した資金もこの開発費用に充てられる。

AccessiVRは、VRプロダクトの分析および運用サポートサービス。同ツールを利用することで、ユーザーがどこでコンテンツから離脱したか、そして、ユーザーがコンテンツのどこを見ているのかをヒートマップで確認することなどが可能だ。このヒートマップは、ユーザーが向いている方向の中心を視点とするかたちで作成されているそうだ。Unity5、Unreal Engine4など、国内外で使用される主要な開発言語に対応していて(Unreal Engineは正式版から)、対応デバイスもOculus Rift、Gear VR、HTC Viveなど幅広い。 data2

具体的な料金プランは未定だが、導入費用と初月利用料は無料で提供される見通しだ。正式版のリリースは6〜7月頃を予定している。

VRプロダクト向け分析ツールの例として挙げられるのが、バンクーバーの「cognitiveVR」だ。また、開発ツールであるInstaVRでもヒートマップ分析機能などが利用できるようになっている。コンテンツメーカーだったダズルがAccessiVRをリリースすることで、それらの分析ツールと直接的な競合関係になるわけだ。代表取締役CEOの山田泰央氏は、「日本企業として地の利を生かし、まずは日本、次に中国、そしてアジア諸国というかたちでアジアのマーケットを素早く獲得していく。アジアはVRにとって重要なマーケットになると思う」と今後の戦略について話す。

また、AccessiVRはプロジェクトの予算やKPI目標の設定、そしてその管理などが可能な「運用サポート機能」が備わっていることも差別化要因の1つだと山田氏は語る。加えて、「ライトなSDKをつくるという点にはかなり注力していて、他の分析ツールと比べてFPSのロスが少なくなるように開発している」そうだ。

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CEOの山田泰央氏(写真左)とCOOの出口雅也氏

今後、コンテンツメーカーだったダズルが分析ツールという新しい分野にビジネスを拡大していく。中長期的には、分析ツール開発事業がダズルの柱になっていくようだ。「分析ツールを開発して提供するためには、僕らでもコンテンツをつくって社内でもPDCAサイクルを回さないと顧客と対話できない。だからこそ、現在はVRゲームの開発も行っている」と山田氏は話す。

それと、TechCrunch Japanの読者であれば、少なくとも1ヶ月に1度くらいは日本のVR企業に関する記事が公開されていることにお気づきのことだろう。この市場に対する注目度は高いし、ポテンシャルも大きい。Goldman Sachs Asset Managementは、2025年にVR/AR市場は約800億ドルへと拡大し、PC・スマートフォンに続く第3のプラットフォームとして市場を形成する可能性があると予測している

僕たちが最近取り上げたものだけでも、CADデータを使ったVRコンテンツの「ワンダーリーク」VRアプリ開発ツールの「InstaVR」ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の「FOVE」VR特化型インキュベーション施設の「Future Tech Hub」VR触覚コントローラーの「H2L」などがあり、日本のVR業界全体の温度が徐々に上がりつつあるように感じる。2016年に約12億円を調達したFOVEや今回のダズルをはじめ、日本のVR業界でも大型の資金調達も増えてきている。

ところで、VR業界全体の構造がある程度形成されるにつれて、「Oculus Store vs SteamVR」というコンテンツプラットフォーム争いの構図が生まれた。これについては、以前FOVEの小島由香氏も言及している。これまでVRコンテンツを製作してきた山田氏に意見を聞くと、「Steamにはコアなゲームユーザーが多く、それだけHMDを持っているユーザーの率も高いと思う。また、長年ゲームプラットフォームとしてやってきただけあってコンテンツメーカーへの対応も優れていて、結果的にリリースまでの時間が短いのもSteamだ」との話があった。多少、Steam有利の感はあるのだろうか。

かつてフリーランスエンジニアだった山田氏が、「クリエイターが楽しく働ける環境を作りたい」という思いで2011年に立ち上げたのがダズルだ。そして、同社は2015年にVR事業を本格化。現在は40人の従業員をもつ。また、「VR元年と呼ばれた2016年を過ぎた今年だからこそ、VRに触れる機会を提供したい」というアイデアがきっかけで、同社は3月22日までオフィスの一部を開放。「Dazzle VR ROOM」と銘打ってVR体験スペースを提供している。

VRゲームのSurviosがMGM、電通ベンチャーズなどから5000万ドルを調達

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ハリウッドとVRの恋愛関係が続いている。

VRゲームのSurviosは現地時間13日、合計2回のラウンドを通して総額5000万ドルを調達したと発表した。2回のうち1回のラウンドでリード投資家を務めたMGMがその大部分を出資している。もう片方のラウンドにおけるリード投資家はLux Capitalだ。その他にも、Shasta Ventures、Danhua Capital、Shanda Holdings、Felicis Ventures、電通ベンチャーズも本ラウンドに参加している。

Surviosは今回のラウンドについて多くを語っていない。特にMGMの資本参加に関連する情報については口を閉ざしている。その中でSurviosは、このパートナーシップによって同社は「バーチャルリアリティのコンテンツ製作業界で主導権を得るという目標に、私たちを近づけてくれる」とコメントしている。本ラウンドにより、MGM CEOのGary Barberが同社の取締役に就任している。

2015年、MGMはインタラクティブな動画製作を手掛けるInterludeにも出資している。Interludeが製作する動画のエンディングは、ユーザーの行動によって変わるようになっている。

オンデマンドの動画サービスやストリーミングビデオが人気を集め、以前よりも映画館に行って映画を観るという人が少なくなった今、ハリウッド業界はバーチャルリアリティの出現をチャンスと捉えている。映画館ならではのプレミアムでアーケード型の映画鑑賞体験を復活させるためだ。

現在、ハイエンドのVRシステムは約1000ドル以上で販売されている。Surviosが発売するVRゲームの「Raw Data」はHTC Viveでプレイすることができるゲームだ。HTC Viveの販売価格は799ドルで、ハイエンドなゲームPC環境を必要とするシステムだ。コンシューマー向けヘッドセットの普及はアナリストの予想よりも遅れている。知名度の高いヘッドセットの販売価格は、まだ高いままだ。

Survios CEOのNathan Burbaは「ローケーション・ベースのエンターテイメントがもっと普及してほしいと思います」とTechCrunchとの取材の中で話す。「(ロケーション・ベースのエンターテイメントは)人々を媒体に誘い込むには欠かせない方法です。それが普及することで、私たちがリリースする作品の上に追加的な収益構造を築くことが可能になるのです」。

Surviosの「Raw Data」は、現存する様々なゲームタイトルの中でも、素晴らしい販売記録を最速で樹立したタイトルの1つだ。同タイトルはSteamストアのHTC Viveコーナーにリリースされてから1ヶ月あまりで100万ドル以上の収益をあげている。

今回調達した資金の用途は様々ある中で、同社はこの資金を利用してゲームタイトルの追加やゲームジャンルの拡充を目指すと話している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter