ノキア、Lumia 520の好調を背景にWindows Phone全体でも90%の市場シェア

あとしばらくすれば、ノキアのハードウェア部門はMicrosoft傘下となる。しかしそうなる以前の現在でも、このフィンランド発メーカーのノキアは、Windows Phoneマーケットでの主導的立場に立っている。AdDuplexの記事によれば、ノキアはWindows Phone市場にて90%のシェアを獲得しているのだそうだ。

つまりは10台のうち9台のWindows Phoneがノキア製だということになる。さらにシェアは月ごとに拡大しているようなので、今では90%以上ということになっていそうだ。あるいは既に「Windows Phoneはノキア製」という状況になっているのかもしれない。

尚、現在市場に出ているWindows Phoneのうち、75%以上がWindows Phone 8のものなのだそうだ。Microsoftは昨年、MicrosoftはWindows Phone 7.xの利用台数が3倍に成長するだけの台数を出荷し、これらは現在でも利用されている。もちろんWindows Phone 7.xからWindows Phone 8に買い替えた人もいるだろうが、しかしそれでもWindows Phone全体の中で4分の3を占めるまでにWindows Phone 8利用者が増加したことを意味する。

売れ筋はローエンドモデルのLumia 520だ。この1ヵ月でシェアを3.3%伸ばしている。同一ファミリーになる521もWidows Phone中3.4%のシェアを獲得してトップ10に入ってきている。最新のLumia 525は間もなくリストに登場してくることだろう。

Lumia 520がこれだけ大きなシェアを獲得しWindows Phone(およびNokiaSoft)の屋台骨を支えるまでになっているのは、ベトナム市場の影響が大きい。ベトナムのWindows Phone市場では、57%を520が占めているのだ。スマートフォンの中でも低価格なところが支持されて、大きな数を売り上げているわけだ(訳注:ちなみにアメリカでの520の割合は7.2%、ドイツでは9.9%、インドでは43.4%となっている)。

ノキアのポジションが高くなっているのは、低価格のLumia 520およびそのシリーズで、新興国における市場シェアを大きく獲得していることによる。もちろんMicrosoftとしてはここで満足するわけにはいかない。Windows Phone 7.xは過去のデバイスとなりつつある。そうした中、アメリカ市場においても充分に戦えるデバイスを必要としており、そして前世界に置いて確たる地歩を築きたい考えだ。この点で、2013年の第4四半期にて、Wondiws Phoneが1000万台の販売台数を獲得できるかどうかが大いに注目に値する。これを達成できなければ、Windows Phoneの成長に暗い影を感じざるを得ないということになりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


動き出すWindows Phone?! 日々500本の新アプリケーションが登場し、累計でも30億ダウンロードを達成

本日(米国時間11月20日)、Windows Phone用のInstagramおよびWazeがリリースされた。長らく登場が待たれていたアプリケーションだ。

また、これと同時にMicrosoftはWindows Phoneを巡る現状を示す数値をいくつか発表している。まだ充分な規模に達したとは言えないが、着実な成長を示す数値となっている。曰く、Windows Phone用のアプリケーションダウンロード数は30億となっているそうで、これはなかなか立派な数字だ。但し他の人気プラットフォームと伍するにはもちろん時間が必要だ。たとえばiOS版のアプリケーションダウンロード数は累計600億に達しているのだ。

またアプリケーションのトランザクション数は毎日1000万件に上り、すなわち月間にすると3億件となっているのだそうだ。9月には1日あたりのトランザクション数が900万で、6月には666万ので、かなり伸びているのは間違いない。日々500本の新しいアプリケーションがアップロードされてもいるのだそうだ。

Windows Phone 8のリリースが、成長のきっかけとなっていることは間違いない。「月間有料アプリケーション売上」はリリース以来181%の伸びとなっている。さらにこの一年を振り返ると、アプリケーションのダウンロード数は290%の伸びを示している。Windows Phoneのマーケットは確かに(現状では)小さなものだが、成長率の面で見ればなかなかの好成績をあげている。

こうした数字を見れば、開発者たちにとってもWindows Phone環境に向けてアプリケーションを投入するのに十分なマーケット規模があるように思える。但し、母国であるアメリカでなかなか数を稼げていないのを問題視するむきもある。アメリカではiOSおよびAndroidがアプリケーションプラットフォームとしてほとんどを占めており、開発者もなかなかWindows Phone向けに参入することができずにいる。

ちなみにWindows Phoneの端末販売台数も大いに伸びている。年間単位でみれば3桁の成長率になることもしばしばだ。但し昨年の数値があまりに小さかったために成長率が大きく見えるということもあり、成長率を示す数値の大きさが、すなわちiOSやAndroidに対抗し得ることを示すものではないことには注意が必要だ。

今後について言えば、まだまだやらなければならないことは山積みだ。アメリカ国内での販売台数もなんとか増やしていく必要がある。これがなくては開発者に振り向いてもらうことなどもできない。

しかし公開されている数値を見る限り、Microsoftは資金やその他のリソースを注入して、なんとかWindows Phoneプラットフォームを「考慮に値する」レベルのものとして仕上げてきたように思える。Windows Phone向けの開発を行うということが冗談以外の何物でもないと考えられていた時代も、さほど昔のことではないのだ。

Windows Phoneの将来はまだどうなるかわからない。しかし現在の流れは、確かにポジティブな未来を示しているようにも思える。

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(翻訳:Maeda, H


ノキア、北米で大躍進。Q3の端末出荷台数は前年比367%増

Nokiaの最新業績報告によると、同社はついに北米地区で、Windows Phoneベースのスマートフォン、Lumiaの市場を軌道に乗せた。これは、プラットフォーム自身にとっても、Nokiaの端末事業を70億ドル以上で買収するMicrosoftにとっても朗報だ。

Nokiaの北米における端末台数は、2013年第2四半期の50万台から、第3四半期には140万台へと増えた。第1四半期は40万台、1年前の第3四半期は30万だった。同地域における四半期当たりの出荷台数を1四半期で3倍近くに伸ばしたことには、驚くほかない。

Nokiaによると、「北米における連続成長は、当社のスマート・デバイス事業の売上増が主な要因」だという。つまり、売上増の大部分はスマートフォンによるものだ。そして、米国内のモバイル市場がカナダよりはるかに大きいことを踏まえると、殆どの販売は国境の南側で起きたと考えられる。

つまりNokiaは、第3四半期に前期よりはるかに多くのWindows Phone端末を売ったことになる。ざっと見積って、米国内で100万台以上のLumiaを売ったと考えていいだろう。

以下がそのグラフだ。

Nokia Lumiaシリーズのスマートフォンは、2011年11月に発売された。同社の第4四半期中にあたる。この期に同社は「世界で100万台以上のLumia」を販売したことを後に明らかにした。

続く2012年第1四半期、Nokiaは販売台数を公表しなかった。2012年第2四半期には、世界で400万台売ったと報告した。ここからは、Nokiaが控え目ながら順調にLumiaシリーズの売上を伸ばしていたと見ることができる。

しかし、2012年第3四半期、販売台数は290万台に落ち込み、同社にとって非常に苦しい時期を迎えた。Nokiaは「Lumiaの新製品群によるすばらしいイノベーションが次に来ることを公表した」ことが原因だと指摘した。

それ以来、Lumiaの販売は期毎に伸び続け、2012年3Qの440万台から、直近の2013年3Qには880万台へと増えた。以下のグラフで全貌がわかる。

つまり、世界市場での成長は順調で、次の第4四半期には、初めてWindows Phone端末の販売台数を1000万の大台に乗せられるかもしれない。しかし北米市場については、同社の苦戦を認めなくてはならない。グローバル事業が拡大を続ける中、北米は停滞している。

しかし、ローエンドのLumia 520(および521)とハイエンドのLumia 1020に加え、Windows Phone 8のソフトウェア改善によって、少なくとも米国での成長に必要なカギは解かれたようだ。

これは重要だ。もしNokiaがこの市場で失敗すると、通信会社の支援が打ち切られる危険もある。この種のものはひとたび失うと、再び獲得することは難しい。すなわち、好調な第3四半期は、米国市場におけるNokiaが長期的に存続できることを暗示しているとも言える。

NokiaのWindows Phone戦略は、長年批判の的となり、見込みがない、運がない、不誠実、高価だと言われ続けてきた。MicrosoftのWindows Phone戦略も同様にやり玉に上げられてきた。今や両者がタッグを組み、非難の的が一点に集中するので時間の節約だ。冗談はさておき、Nokia ― Windows Phone OEMの事実上の標準 ― は、数四半期前と同じ台数を出荷できることを証明した。しかし、北米の問題は消えていない。Microsoftは自身のプラットフォームを自国の市場で売ることかできるのか? 長年のつらい歩みを経て、答えはもうすぐはっきりするだろう。

では次の目標は何か。Lumiaの北米売上を伸ばし続けること。もしNokiaが、この地域で例えば200万台第4四半期に販売できれば、ゲームとして成立するだろう。

データはすべてNokiaによる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Twitter、Windows Phoneアプリを改訂。ツイートをストリーム内で54ヵ国語に翻訳

Twitterは今日(米国時間10/8)、同サービスのWindows Phoneアプリを改訂し、ツイートをストリーム内で54ヵ国語に翻訳できるようになった。翻訳にはBingを利用する。また、ツイートをWindows Phone端末のロック画面にも表示できるようになった。これは、Nokiaの ‘Glance’ [チラ見]機能が公開された時に便利だ。Glanceは電話機がロック状態の時でも情報を表示できる。この機能が一般公開される際にはTwitterアプリもその機能に対応してアップデートされると思われる。

このTwitterアプリ改訂には、検索機能の改善、およびいわゆる「発見」機能も含まれ、現在Twitterが取り組んでいるユーザー維持への挑戦とも一致している。

視覚的には、新たに濃色のテーマが追加された。これはWindows Phoneにマッチしたもので、ユーザーは背景を明るいあるいはぼんやりしたトーンに設定することができる。全体的に見てこのアップデートは価値があり歓迎だ。Twitterが ― 少なくとも現在 ― Microsoftのモバイルプラットフォームにコミットしていることを示している。

アップデートされたアプリケーションは、ここでダウンロードできる。

TwitterはなぜWindows Phoneをサポートするのか? このプラットフォームは何とかモバイルで3番手の位置にいる。何十億ドルという費用と何年もの歳月をかけ、Microsoftはスマートフォンのテーブルに席を一つ確保した。そしてTwitterは、ユーザー数拡大と広告収入に飢えている今、モバイルのいかなるプレーヤーも無視できる状況にない。そこでWindows Phone用Twitterアプリのアップデートとなった。今後もサポートが続きそうだ。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


Microsoft、HTCのAndroid Phoneを使ってWindows Phoneとのデュアルブートを画策中?!

AndroidフォンのセカンドOSとしてWindowsを搭載するというのはどうだろう。そんなアイデアを持って、MicrosoftがHTCにアプローチしているのだそうだ。報じているのはBloombergだ。2つのOSをどのような形で共存させるのかは定かでない。デュアルブートを行うのか、それともハードウェアが共通というだけで、どちらかのOSが搭載されている端末を選択するということなのだろうか。いずれにせよ、Microsoftは、自社製モバイルOSの普及に向けて、できることはなんでもやろうと考えて、そして動き出したのかもしれない。

Bloombergの情報源によれば、話はまだまだ始まったばかりなのだそうだ。HTCの気持ちを動かすために、Windows Phoneのライセンス価格を低く、あるいはなしにするという提案も行っているらしい。この話の相手がHTCであるのは、既にMicrosoftのパートナーとしてWindows搭載のスマートフォンを出したこともあり、Androidを含めた双方に経験を持っているからだ(Windows Phoneに肩入れしていたというわけではないが、それは置いておくことにしたようだ)。MicrosoftのOS部門トップのTerry MyersonがHTCとの話を進めるために台湾を訪問するのだとBloombergは報じている。

あり得ない話だと思う人もいるかもしれないが、真実かもしれないと思わせる要素もある。もともとHTCはMicrosoftから頼まれてWindows Phoneを世に出しているというような雰囲気もあったが、それがMicrosoftによるNokiaの買収で、少々話が変わってきているということもある。またHTCが、なかなか売り上げを伸ばせずにいる状況もある。すなわちHTCとしても、利用者に対するアピールのためには、少々変わったデバイスを出してでも、注目を集めたいと考えている関係者もいるはずなのだ。

またMicrosoft内にもAndroidとのうまい関係を築きたいと考えているグループがあるようなのだ。情報筋によればMicrosoftの若いエンジニアでSurfaceタブレットでもAndroidとのデュアルブートにすべきだと考えている人がいるらしいのだ。そういう人たちならば、HTCのデバイスを使って、デュアルOSのスマートフォンを実現したいと考えていても不思議ではない。ちなみに、TechCrunchに入った情報によると、若手には賛同する人も多いが、管理職層のウケがあまりよくないらしい。

しかし、時代は動きつつある。CEOのバルマーは来年中に退陣する予定であると、8月にアナウンスした。エグゼクティブ層にもさまざまな動きが見られる。たとえばXbox部門のヘッドであったDon MattrickやWindows部門のSteven SinofskyはMicrosoftを去った。そうした大きな動きの中では、おそらくより良い未来を目指したラディカルな動きも認められるようになるに違いない。HTCのデバイスに、2つのOSをのせてみようというのも、そうした流れの中では当然に出てきそうなアイデアであると言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Windows Phone、中南米モバイル市場で第2位に躍進。Nokia – Microsoftの関係を実証

Microsoftは、IDCの最新データによると、Windows Phoneは中南米で2番目に多く利用されているモバイルプラットフォームである、と発表した。これを二次市場における小さな勝利にすぎないと無視することは簡単だが、このニュースは、インストールベースを成長させて出荷台数の成長を加速させる、というWindows Phoneの戦略を検証するものだ。

Microsoftは明らかにこの銀メダルを誇りとして、データを報告すると共に「1年間で、このオペレーティングシステムは4位から2位に上った・・・前四半期から12%成長した」と語った。

これには要素が2つある。Microsoftは数を稼ぐことに必死で、低価格端末は新興市場で好調である。そして、Windows Phoneの全世界市場における総シェアは低いが、少なくとも一つの半球では活路を見出した。

Windows Phoneが中南米で第2位になったというニュースは、最近のNokia Lumia 520端末販売の急成長を踏まえれば驚きではない。この低価格機は、たちまちWindows Phoneで最人気の端末になり、元のタイトル保持者たちを脅かしながら上昇速度を落としていない。

中南米におけるWindows Phone市場シェアの急変は、過去数ヶ月間のLumia 520の急成長と強い相関がある。AdDuplexのデータによると、この間に同端末の出荷台数が加速した。さほど頭をひねらなくても、Lumia 520の販売が中南米市場シェア拡大を後押ししたと推論することは難しくない。

Microsoftもそう言っている。「中南米では20ヵ国以上で、Nokia Lumia 520などの低価格スマートフォンをはじめ、さまざまなWindows Phone端末を利用できる」。Microsoftは、長期にわたる高価でどこか垢抜けしないモバイルへの取り組みが、ようやく陽の目を見ただけでなく、その賭けの背後にある戦略が正しかったことを示唆している。

Nokiaは最台のOEMパートナーとして、Microsoftに自身だけでは作ることも育てることもできなかった二次市場参入の道を与えた。そしてその二次市場がWindows Phoneの数を支えているようだ。

Microsoftは、Lumia 520から華美なLumia 1020端末まで、あらゆる市場に参入したいと考えている。しかし、同社が長らく求めてきた成長は、今のところ途上国の低価格端末から生まれているようだ。

トップ画像提供:Vernon Chan

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(翻訳:Nob Takahashi)


この分ではクリスマスまでにWindows PhoneのシェアはNokiaが独占する?

お断り:この記事のタイトルは誇張されている。しかしそれほど誇張されているわけではない。そこにMicrosoftにとっての問題がある。

AdDuplexグループが発表した今月のレポートによると、Windows Phoneの置かれている状況は7月とほぼ同様のようだ。Lumia 520は他のWindows Phoneを圧倒、HTCが後退した後、Nokiaは急速にWindows Phoneのデファクト標準になりつつある。

Nokiaのシェアは7月には85%だったが、8月には86.9%にアップしている。1ヶ月で約2%ポイント増加したわけだ。この分ではもともと小さいWindows Phoneのシェアのほとんど全部をNokiaが獲得するのも遠くないだろう。

またAdDuplexによれば、最新フラグシップモデルのLumia 1020はその直前にリリースされたLumia 928より売れているという。つまりNokiaのセールスは実際、増加していると推定してよい。Nokiaが今後数ヶ月このペースで売上を伸ばすのも不可能とはいえないだろう。エントリーモデルとしてはLumia 520が成長を続けているし、Lumia 1020はアメリカで100ドル値下げするなどマーケティング努力を強めている。

Nokia以外のWindows Phoneのメーカーは? HTCが辛うじて残っている。HTCのシェアは7月の11.5%から8月には9.8%に下落した。これはちょうどNokiaの増分と見合いになる。HTCのシェアが「無視出来るレベル」になるのはいつだろう? 5%を切ったときか? 今の傾向のままだとそれは3ヶ月先ということになる。つまりクリスマス前だ。.

Windows Phoneの出荷量は増えている。第4四半期にはおそらく1000万台が出荷されるだろう。しかしながら、なにかドラマティックな事態が起きないかぎり、この四半期のうちにWindows Phoneは事実上Nokia Lumiaファミリーに独占されることになりそうだ。

Windows Phoneにとって良いことか、悪いことか? 販売数が伸びるのはMicrosoftにとってネコにマタタビのように魅惑的だろう。しかしプラットフォームのサポートが縮小するというのは危険なことだ。Windows Phoneの運命は以前にもましてNokiaが握ることになった。Microsoftのモバイル事業はNokiaと運命共同体になっている。Windows Phoneというきわめて重要で、きわめて金のかかる事業がそういう状態になることはMicrosoftにとって居心地の悪い事態だ。

「MicrosoftはNokiaを買収すべきだ」という主張は、数多くのメーカーが争ってWindows Phoneを作ろうとしていた時期には意味をなさなかった 。しかしそんな時代はとうに過ぎ去った。今やNokiaが優れたプロダクトを作るのに失敗すればWindows Phone全体が崩壊しかねないという状況だ。いやはや。

画像:Vernon Chan

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Windows PhoneのYouTubeアプリをアク禁―「HTML5で書け」とMicrosoftに要求

今朝(米国時間8/15)、GoogleはMicrosoftのYouTubeのWindows Phoneアプリをアクセス禁止 にしたことを認めた。これはアプリが発表されてから50時間後の決定だった。Windows Phoneユーザーは当然ながら失望している。

いったいどういう事情があったのか? ここ数時間、私が状況を調べてみたところ、以下のようなことがわかった。

Microsoftが新しいYouTubeアプリをWindows Phone向けに最初に発表したのは5月だった。 Googleはこれに不満を抱いた。このアプリはGoogleの配信する広告を正常に表示せず、ビデオのダウンロードが許されていた他、Googleブランドの表示もGoogleが望むような仕様になっていなかった。Microsoftはいったんアプリを引っ込め、両者はアプリの修正に向けて協力していくことで合意した。

それなのに修正されたはずの新アプリが再度、アク禁となってしまったわけだ。問題の原因は、GoogleがアプリがHTML5で開発するよう要求したのに対し、Microsoftは機能面ではGoogleの3つの要求を容れたものの、Windows Phoneプラットフォームの技術的な制約のために不可能だとして、あくまでネーティブ・コードで開発を続行した点にある。

MicrosoftはまたGoogleに対して「将来、Windows Phone側の準備が整い次第HTML5に移行する」ことを約束した(つまりMicrosoftはWindows Phoneのメジャー・バージョンアップに取り組んでいる)。

しかしこの点に関して両者の合意ができないまま、Microsoftはアプリを公開してしまった。当然Googleは不快になり、YouTubeへのアクセス権を剥奪した。またMicrosoftはGoogle自身が利用しているモバイル広告APIへのアクセスを要求していたが、Googleはこれも却下した。

Googleは「YouTubeアプリの開発者は全員が同一のガイドラインに従うべきだ」というコメントを発表した。つまり全員がHTML5で開発せよということだ。それは理にかなっているように聞こえるが、全員というのはGoogleには適用されない。Google自身のiOS向けとAndroidのYouTubeアプリはネーティブ・コードで記述されている。

しかしそのぐらいでGoogleはたじろがず、Microsoftに「そいつをHTML5で書け」と要求した。そこでMicrosoftは困難な立場に立たされた。Windows PhoneにきちんとしたYouTubeアプリが必要なのはもちろんだが、Windows Phoneがアップデートされるまで正常に動作するYouTubeアプリはHTML5で書けない。そこでMicrosoftはGoogleにアク禁にされる可能性が十分あるのを知りながらネーティブ・コードのアプリを一方的に発表するという少々図々しい戦術を取った。で、予想どおりGoogleはアク禁にした。

テクノロジー界隈では「事実は小説より奇なりだ」。

いい迷惑なのは何百万人もWindows Phoneユーザーだ。もちろん、モバイル版Internet Explorerを使えばWindows PhoneでYouTubeを閲覧するのは可能だ。今後どう決着がつくか予想はできない。ともあれ今後もGoogleとMicrosoftは小競り合いを続けていくことになるだろう。

アップデート: MicrosoftはHTML5問題を詳しくブログ記事で説明している。

[画像:Flickr]

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スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Windows Phone用簡易アプリビルダーApp Studioはローンチから48時間で3万のプロジェクトをサポート

今日(米国時間8/8)のWindows Developer Showぼくはゲストだったが、MicrosoftのBryan Tomlinsonの発表では、新製品Windows Phone App Studioが同社が期待した以上に使われているそうだ。ローンチから48時間内で、およそ3万のアプリケーションがその上で作られ始めた、という。

需要が予想以上だったので、目下Microsoftは利用を“制限”しつつある。でも、その待たされ時間はせいぜい一日ぐらいだろう。

3万のプロジェクトがスタートした、とは一体どういう意味か? それはつまり、それだけの数のデベロッパやノンデベロッパたちが、このツールの試用を開始した、ということだ。ぼくもその一人だが。

でも、問題はそれを取り巻くコンテキストだ。ツールがリリースされた火曜日には、Microsoftは作例を示しつつ、全世界の“有能なデベロッパ”向けの製品だと説明した。その点が、ちょっとしっくりしない。

本誌では、ぼく以外にDarrell Etheringtonも、Microsoftによるこのツールの位置づけを疑問視している。このツールでぼくみたいな人間が、発表する価値のあるアプリケーションを作れるだろうか? Darrellはこう書いている:

Windows Phoneの比較的シンプルなヴィジュアルスタイルはこのプラットホームのアドバンテージであり、いろんなアプリのルックスをまあまあに見せる。だから、今後このツールの利用が盛り上がらないとも限らない。でもそれよりもっと可能性が高いのは、図表機能や検索やライブラリの充実などの面で、デベロッパが幻滅を味わうことだ。

その通りだ。今日のショウに登場したTomlinsonだけが、このアプリケーションは、簡単なアプリを友だちの携帯に直接ロードするとか、まったくの未経験者にアプリ開発を初体験させる、といった軽い目的に適している、と言った。たしかにApp Studioは、そういう目的ならパーフェクトだ。これこそが、この製品の正しい売り方だと思うが。

でも2日前には同社は、App Studioはベテランのデベロッパ向け、と言っていた。それは、今日言われたことの正反対だ。メッセージが迷走していると混乱を招き、マスコミも一般大衆も困惑する。要するにMicrosoftは、本当はこの新サービスの適性がどこにあるか、知っているのだ。そしてそれは、とても良いことだ。

App Studioをちょっと試したくなった方は、ここへ行きましょう。

画像クレジット: Vernon Chan

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


App StudioでWindows Phoneアプリを作ってみた, がっかりした

今日のDarrellの記事によると、これからはWindows Phoneアプリを誰にでも作れるらしい!

[記録破りの短時間でアプリを作れる]

どんなオプションがあるのか。

[空のアプリを作る(→)]
[テンプレートからアプリを作る]

そしてさらにその下のオプションは:

メニューアプリ: あなたはレストランのオーナーですか、それとも毎週行くお気に入りの場所はありますか? このテンプレートを使ってあなたのお客さんや友だちに見せるメニューを……

ぼくはレストランのオーナーではないから、[空のアプリを作る]を選ぼう。

ロゴをアップロードできなかった。ごめんねTechCrunch、ただで宣伝してあげられなくて。では、次を見よう:


いろんなものを加えていくんだが、ちょっと混乱した。やっとできたぞ、ほら!:


おやおやこのアプリにはすでにボタンがある。やるもんだね、Microsoftさん。


何もかもピンクだ。これはジョークのつもりか。とにかく、次へ行こう。


編集長!完成です。待望の、Windows Phone用TechCrunchアプリができました!

このゲームに勝ったら結果はこうなる:


これはずるい、かな。でも完全にずるくはないね。

Microsoftは、誰もが簡単なWindows Phoneアプリを作れるためのツールを作った。プログラミングの次のレベルへ行きたければ、そのアプリのソースコードのダウンロードもできる。これはちょいと、やってみたくなるよね。余計な苦労をしてコードをコンパイルしなくても、オブジェクトとそれらの関係をマウスで指定してやれば、最初のアプリが完成するんだ。

AppleやGoogleには、こんなツールはない。彼らのプラットホーム、iOSとAndroidは、Windows Phoneよりもずっと前からあるのに。

Windows Phoneに欠けているものは、アプリケーションの量ではない。すでに16万もある。欠けているものは、一連のすばらしいアプリだ。そんな、すばらしいアプリを作れる優秀なデベロッパは、このツールに感動しないだろう。

学生生徒や、アプリ開発を生まれて初めてやる人にとっては、Microsoftは良いものを作った。だから中学校や高校向けに売れば、大量の人がアプリ開発を初体験するだろう。しかしWindows Phone Storeで売れるようなアプリを作るのは、無理だ。

では、当のMicrosoftがねらっているのは、どちらの層か? 学生生徒か? 有能なデベロッパか? どうやら、後者らしい:

分かっています。あなたはすばらしいアイデアをたくさん抱えた有能な、しかし十分な時間のないデベロッパです。あなたの最新のイノベーションをすばやく形にしてテストすることができたら…。Windows Phone App Studioでは、それができるのです!

Windows Phone App Sudioを使うと、アプリを素早く作って公開し、テストし、クライアントや同僚やフォーカスグループと共有できます。 変更したり、変種を作りたい? App Studioならそれも簡単です。

これは、うそでも、はったりでもないだろう。

ぼくは、Windows Phoneそのものに関しては楽観的だ…ワルいねDieter…彼らのデベロッパ対策もそれなりに機能している。実際にチームの連中に会って戦略レベルの話をしたこともある。とっても、頭の良い連中だ。でも今回のツールは、アプリのアイデアをラフスケッチできるにすぎない。

ぼくが、嫌だなと思うのは、MicrosoftがこのWindows Phone App Studioを本格的な開発ツールとして宣伝していることだ。メディアはそれを、デベロッパを囲い込むためにMicrosoftはヤケクソになっている、と見ている。そこまでする必要は、なかったと思うが。

でも、LyftがWindows Phoneにも対応したら、ぼくはまた戻るだろうな。

ただし、いわゆる‘アプリケーションジェネレータ’がそれほど美しいアプリケーションを作れない、という例は過去にも山ほどある。たとえばiOS上には、技術者でない人でもアプリを作れるというAppyPieがあった(やれやれ)。だいたいどれも、結果は良くないよね。

カット画像クレジット: Karin Dalziel

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Windows Phone、アメリカにおける市場シェアの伸びは、年間で僅か1.1%

Microsoftはスマートフォン市場の活動を諦めるつもりはない。戦う武器として用意しているのがWindows Phoneだ。ただ、現状ではとても成功と呼べる状況にはなく、主戦場であるアメリカ国内においてもなかなか成長が見られずにいる。

Windows Phone 8をリリースし、そしてNokiaやHTCから発売されて、確かに販売台数の伸びは見られた。たとえば2012年の第2四半期にNokiaは、Windows Phone搭載のLumiaを400万台販売していた。それが2013年の第2四半期には740万台に伸びた。年間で見れば45%の伸びということになる。

この数字自体は悪いものではない。しかしNokiaは、他のOEMメーカーがWindows Phoneの世界から消えていく中、単一供給者となりつつあることも見逃してはならない。Nokia以外ではHTCがごくわずかなシェアを持っているに過ぎない。

Lumiaの販売台数の確認によりWindows Phoneも伸びを示したのではあるが、しかしアメリカ国内での市場シェアなどを見れば、決して喜ぶべき状況ではないことがわかる。最新のKantarレポートによれば、米国スマートフォン市場におけるWindows Phoneのシェアは4%に過ぎないのだそうだ。昨年比でも1.1%しか伸びていないことになる。

成長率の点から見ても、かなり問題があると言わざるを得まい。

1.1%の伸びというのが、昨年の伸び率との比較で言えば37%の伸びになるのだと言うようなことは可能だ。しかし、それももともとが非常に小さなものであるが故に達成している数値に過ぎないのだ。Windows Phoneの市場というのは、現在のところiOSやAndroidの十分の一の規模もない。

自らを第三勢力と位置づけてはいる。しかしWindows Phone 8が登場しても、Ballmerの「非常に小さな市場からスタートして、かなり小さな市場を獲得しつつある」というような冗談が、冗談にならないような状況にあるわけだ。

売れない理由がWindows PhoneがハードウェアやOS面にあるわけではないと思う。実際のところ、使ってみるとなかなか快適な機械だ。Nokiaはなかなか良い仕事をしていると言って良いだろう。しかしアプリケーションの面では先行他社に対して大きな遅れをとってしまっているのだ。WiredのAlexandra Changも指摘しているように、この状況には改善の兆しすら見られない。

そうした状況を招いている原因は何か。簡単に言ってしまえば市場シェアがあまりに小さく、開発者や企業にとってメリットのない環境になってしまっているということだろう。この面から見れば、4%の市場シェアはあまりに小さく、先行きはまだまだ険しいということになる。

WMPoweruserに面白い記事があった。「MicrosoftのWindows Phone部門のリーダーであるJoe Belfioreたちは、スプリント競技ではなく、マラソン方式でシェア拡大を狙っていくと言っている」というものだ。しかしマラソンとジョギングが別物であることもまた、意識しておいた方が良いと思うのだ。

Top Image Credit: Al Pavangkanan

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(翻訳:Maeda, H)


MicrosoftはNokia買収の一歩手前まで行っていた(WSJ報道)

MicrosoftとNokiaはここ数年かなり親密で、フィンランド企業がスマートフォンのOSにWindows Phoneを選んだことを発表をした時点で、多くの人々がこれを買収の前兆だろうと憶測した。そして、Wall Street Journalによると、実際その方向に話は進んでいたようだが、その後交渉は決裂した。

WSJによると、交渉は今月に入るまで行われれていたが、もはや復活が不可能な段階まで関係は破綻しているという。つまり、MicrokiaもNokrosoftも当分ないという意味だ。それまでの交渉は非常に順調だったが、両社が直面する財務的問題のために結局物別れに終った。

Microsoftが求愛をやめたと記事は伝えている。Nokiaは苦戦を続けており、Windows Phone計画も同社の継続的損失を建て直すには至らなかった。Nokiaは前四半期にアナリスト予測に届かず、経常損失も出したが、1年前よりはずっと小さかった。しかし、同社の端末売上は前期、前年同期いずれからも減少していた。

基本的にMicrosoftとNokiaの交際期間は長かったため、Microsoftにはこの結婚が両者いずれにも幸運をもたらさないであろうことを知る十分な時間があった。実際、ここ数年のNokiaの業績とモバイルプラットフォームとしてのWindows Phoneの実態を知る者にとっては、合併が検討されていたことも、それが破談になったことも、どちらも驚くに値しないだろう。

残るはMicrosoftがスマートフォンで次に何をするかだ。果たしてSurface方式に自社独自のプロジェクトを立ち上げて活生化させるのか、それともモバイルOSに火をつけてくれそうなNokia以外の誰かを見つけるのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi)


MicrosoftとGoogleが仲直り: Windows Phone用の”正しい”YouTubeアプリを共作へ

昔々Microsoftは、Windows Phone用のYouTubeアプリを作るべきと考え、実際にかなりすごいアプリを作り上げた。ユーザがYouTubeのビデオをダウンロードできるし、しかも広告がまったくない。しかし、誰が見ても当然ながら、Googleにとってそれは、おもしろくない。そのアプリの魅力である機能は、YouTubeのサービス規約に違反しており、そこでこの検索巨人は、悪質アプリの削除をMicrosoftに要請した

その後いろんなやりとりや懐柔策などがあったあげくに、この二社はどうやら合意に達したようだ。MicrosoftとYouTubeが今日(米国時間5/24)発表した声明は、両社が共同で、規約に違反しないWindows Phone用YouTubeアプリを作る、と確言している。

以下が、その(短い)声明の全文だ:

MicrosoftとYouTubeは共同で、今後数週間以内にYouTube for Windows Phoneアプリをアップデートし、広告の有効化など、YouTube APIサービス規約の遵守を図る。その間Microsoftは、Windows Phone Storeにある既存のYouTubeアプリを以前のバージョンで置き換えるものとする。

という次第だが、あまり感動的なニュースでもない。Microsoftが油断していたところにGoogleの怒りが炸裂し、それでは広告はすべて表示いたしましょうという話から、Googleは同社に対し“必要なAPI”へのアクセスをOKしたのだ。しかしGoogleの担当者によると、YouTubeのiFrame APIはかなり前から一般公開されているのだから、そもそもMicrosoftが最初からそれを使わなかったことが、不可解である、と。Microsoftが対Googleネガキャン専用サイトScroogledを作ったりして、両社の中はこじれていたが、とりあえずこの件では仲直りしたらしいからめでたいけど、そのとばっちりは消費者に及ぶ。

数週間後には、広告満載のYouTubeビデオを見るアプリがWindows Marketplaceに登場し、それをダウンロードしたWindows Phoneのユーザは面食らうことになる。Windows Phoneはこのところ、アプリの高品質化に努めているし、消費者も、改良ではなくわざわざ改悪されたアプリを見るのは興ざめだ。いくら、ルール遵守が優先する、とは言ってもね。

Microsoftは、YouTubeとの共作による新バージョンを出すまでのつなぎ策として、“旧アプリの新バージョン”をこのほどWindows Marketplaceに出品した。それを使うと、ビデオのダウンロードはもうできないが、“再生中の広告排除”はまだ生きている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ABI調査:AndroidおよびAppleの2社寡占に風穴は空くのか? 2013年14億台中Windows Phoneが4500万、BlackBerry 10は2000万ほどの見込み

Huawei Windows Phone 8今年はAndroid + iPhoneによる寡占状況に変化があるかもしれない。市場調査を行なっているABI Researchのレポートだ。レポートによると、スマートフォン市場全体でGoogleが57%を占め、AppleのiOSが5分の1ほど(21%)となるそうだ。両者を合わせたシェアは78%ということになる(Strategy Analyticsによると、昨年第4四半期では両者で92%のシェアを握っていた)。

もちろん78%が大きなシェアであることは言うまでもない。Windows Phone 8のMicrosoftや、BlackBerry 10のBlackBerryもそれぞれ数百万単位のデバイスを販売することとなると思われるが、シェアで見ると1桁のシェアに留まることになろう。Windows Phoneの方は3%、BlackBerry 10の方がさらにその半分と予測されている。

利用台数をもう少し詳しく見ると、Windows Phoneが4500万台でBlackBerry 10が2000万台だとしている。ABI ResearchのアナリストであるAapo Markkanen曰く「2013年はMicrosoftとBlackBerryも、若干の成長を遂げることになるのではないでしょうか」とのこと。2013年末時点でのスマートフォン台数は全体で14億台になると見込んでおり、Androidが8億台、iOSが3億台を占めることになりそうだとのこと。MicrosoftおよびBlackBerryの入り込む余地も残されているわけだ。

もちろん薔薇色の未来というわけではない。ABIで企業部門のディレクターを務めるDan Shey曰く、BlackBerryは企業と消費者の双方に対して強くアピールしていく必要があるとのこと。「BlackBerryとしては企業ユーザーをメインターゲットとして想定しています。しかしコンシューマー側からの支持も必要となるでしょう。Android、Apple、そしてWindows Phoneとの戦いに勝ち残って、個人利用者にもBB10を選択してもらう必要があります。そうでなければ昨今のBYOD(Bring your own device)傾向の中を勝ち残っていくのは厳しくなります」ということだ。

タブレットについてみると、ABIは2億6800万台が利用されることになるだろうと予測している。そのうち62%がiOS搭載機で、28%がAndroidになりそうだとのことだ。Windowsを搭載したものも、年末時点で550万台の普及が見込まれるとのこと。

ABIは、対2012年比でスマートフォンは44%の成長となり、タブレットの方は125%の成長を達成する見込みだとのこと。各種データはこちらで詳しく見ることが出来る。

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(翻訳:Maeda, H)

2013年のスマートフォン総台数は14億, 3位Windows Phoneは4500万, 4位BlackBerry 2000万

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ABI Researchが、世界のスマートフォンとタブレットの市場動向に関する2013年の予測を発表した。まず、ユーザが日常使用している総台数はスマートフォンが14億台、タブレットが2億6800万台、前者ではAndroidがリード、後者はAppleの支配が続く。MicrosoftとBlackBerryはささやかなシェアで市場に残るが、デベロッパにそっぽを向かれるほどの小ささではない。ABIの報告書は、“2頭の馬と2頭のポニーのレースだ”、と言っている。

ABIの数字がIDCStrategy AnalyticsGartnerなどのそれと違うのは、製品の出荷数ではなくて、ユーザの手元数に着目しているところだ。そこで、ABIによると、MicrosoftのWindows PhoneとBlackBerry 10は、小さくてもまだゲームを続けられるだけの力はある。

2013年の終わりには、世界中でWindows Phoneデバイスは4500万台、BlackBerry 10は2000万台がユーザの手中にある。そのマーケットシェアはそれぞれ、3.2%と1.4%だ。Androidは7億9800万(57%)、iOSは2億9400万(21%)だから、2頭のポニーはとても小さいが、でもデベロッパが手を出す気になるだけの数は維持している。消費者がスマートフォンに求めるものはアプリだから、この点は重要だ。

“MicrosoftとBlackBerryは、シェアが小さすぎてデベロッパが関心を向けず、それに伴って新しいアプリが登場せず、将来の売れ行きがさらにダウンすることを恐れていたが、弊社の見解としては、これだけのインストールベースがあれば両者は十分、ゲームに残れる”、ABIのアナリストAapo Markkanenがこう書いている。

Windows PhoneのハンドセットのトップメーカーであるNokiaとBlackBerry(旧社名RIMから社名を変更)二者は、これを読んで複雑な心境だろう。それは、行けるかもしれないという希望の兆候であると同時に、今のAndroidの勢いを見るかぎり、マーケットシェアが二桁になるのは近未来ではなさそうだ。相当長期間デベロッパの関心をつなぎ止めるためには、さらなる投資と労苦が必要だろう。

Markkanenは本誌TechCrunchの取材に対して、“現在の販売予測から見て、BBやWPのインストールベースでのシェアが向こう5年以内に二桁になることはない。伸びるとしても急激には伸びない。むしろ、二人の弱者が生き残りを賭けて食い合いをすることもありえる。市場は、よく言われる2頭の馬のレースではなく、3頭でも4頭でもない。2頭の馬と2頭のポニーのレースかもしれない”、と語った。

2013年のタブレットに関しては、IDCが今朝(米国時間1/31)、昨年の最終四半期に売れたタブレットの過半数がiOS製品だ、と報告した。ABIのユーザの手元数の数字でも、iPadは1億6600万台強の62%に対し、Androidタブレットはわずかに7500万台だ。Windowsタブレットは、今年の終わりで現用数が550万台、という予測である。

スマートフォンとタブレットは全体として今年も大きく売れ行き〜現用台数を伸ばすので、その大きな成長カーブには、MicrosoftやBlackBerryにとっての機会もある。ABIが予測する成長率は、スマートフォン44%、タブレット125%だ(対2012年比)。

画像: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Kantarレポート:スマートフォンの世界的人気はAndroid(サムスン)。但しアメリカと日本ではiPhoneが絶好調

androidrobotAndroidスマートフォンが、昨年末ホリデーシーズンの覇者となった。Android搭載機種の中でもサムスンが絶好調だ。但し、アメリカおよび日本ではiPhoneがトップということになったらしい。この統計を出しているのはKantar Worldpanel Comtechだ。WPPの一部門で、12週間毎に携帯電話の販売統計を出している。また、MicrosoftのWindows Phone OSは、アメリカおよび中国という巨大市場で苦戦が続いているようだ。ヨーロッパでは普及に向けた多少の兆しも見られるようだが、未だにほとんどのところで一桁パーセントの普及に留まっている。

スマートフォン利用率は各国で増加傾向にあり、従来型フィーチャーフォンを上回りそうになっている場所も増えてきている。Kantarによると、スマートフォンの普及率で言うと調査対象国の中でイギリスが最も高く、61%にのぼるのだそうだ。2番手につけているのはオーストラリアで54%、3位がフランスで46%となっている。以下、次のように続く:イタリアとスペインが双方45%、アメリカが42%、中国が39%、ドイツが38%、そして日本が24%(日本では携帯電話の普及率が高く、スマートフォン以前からずっと使っているという人が多いのだろう)。

各地で好調なスマートフォン市場だが、ここを引っ張るのはAndroidだ。12月23日までの12週間におけるスマートフォン売り上げを見ると、さらにリードは広げそうな様子だ。たとえばスペインでは販売されたスマートフォン中、なんと87%がAndroid端末となっている。また拡大しつつある中国でも4分の3近く(72%)がAndroidという状況になっている(その他のデータは末尾に掲載しておいた)。

Androidの中で見ると、首位のブランドはサムスンだ。Kantar Worldpanelのグローバルコンシューマーインサイト部門のディレクターであるDominic SunneboがTechCrunchに話してくれたところによると、ヨーロッパの5大市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、そしてスペイン)における全携帯電話中でサムスンデバイスが占める割合は43%にのぼるのだそうだ。ちなみにアメリカでは27%、オーストラリアでは32%、そして中国都市部では23%だとのこと。但し日本ではこれが6%にまで落ち込む。9つの市場を合算すると、サムスンの販売台数シェアは27%になるのだそうだ。

Appleの強さが光っているマーケットもある。たとえばアメリカ市場もそのひとつだ。iPhone 5が好調で、iOSがスマートフォン全体の中で51.2%を占める。これは昨年比で6.3%伸びている。また日本はiPhoneとAndroidのギャップが最も大きな市場と言えそうだ。iPhone率は66%で、Androidは32%となっている(日本については昨年途中からデータを取り始めたばかりで、過去のデータと比較することはできない)。

ところでKantarは、Androidも飽和点に近づきつつあると分析している。「飽和点」という言葉には2つの意味があるだろう。つまりひとつはスマートフォン全体にわたっての飽和状態だ。フィーチャーフォンからスマートフォンに買い換える需要は一段落し、これからは購入者が減っていくだろうというもの(メーカー全体にとって悪いニュースだ)。また、Androidに対する「飽き」のようなものを意味するものでもあるだろう。たとえば新しいもの好きな消費者などは「次のターゲット」を探して動き出すこともあるとのこと(シェア拡大を狙っているMicrosoftはこれに賭けたいところだろう)。

但し、Kantarの分析では前者の意味が強いようだ。Sunnebo曰く「2012年末の統計では、スマートフォンに用いられるOSの中で、Androidが勝利していました。しかしこの1年での利用者増加率は確実に落ち込んできています。初めてスマートフォンを購入するという人が減ってきているのです」とのこと。

Windows Phoneについてはどうだろうか。ヨーロッパでそれなりの人気を獲得しているのは、現地におけるノキアのブランド力によるところが大きいのだろう。イタリアでは未だにSymbianユーザーがかなりの数にのぼる。昨年末時点のスマートフォン販売台数のうち、20%をSymbian OS搭載機が占めていた。前年比で5%減少はしたものの、まだこの割合を保っているのだ。そしてノキアが大好きだという人が、自然とLumiaに移行しつつあるということもあるのだろう。ハイスペック機と普及機の双方を用意したのも成功だったようだ。ノキアにとってみれば、もっとはやくSymbianから移行すべきだったということになるのかもしれない。そうすればもう少し多くの利用者を獲得できた可能性もありそうだ。

但し、そうは言ってもヨーロッパの主要マーケット全体で見ると、Windows Phoneの占める割合は5.4%に過ぎない。

さらにMicrosoft(およびノキア)は2大市場における結果が全く出ていないのも心配な点だ。Sunnebo曰く、アメリカと中国においては「全く芽が出ていない状態だ」とのこと。アメリカにおけるWindows Phoneの販売割合は2.6%で、中国(ここでも一時Symbianがトップの人気を集めたことがある)では1%にも満たないようだ。「2013年もMicrosoftは苦戦を続けることになりそうです」とのこと。

Kantarは、スマートフォン率が61%に達したイギリス市場についての詳細もレポートしている。メーカー比較ではサムスンがAppleを僅差でリードしているとのこと。販売数中、サムスンが35%を占め、Appleが32%となっているのだそうだ。ちなみにノキアについては「状況が変わりつつあるようです」とのこと。Windows PhoneとSymbianをあわせても6.2%となっているのだ。昨年同時期には50%以上を占めていたのだった。またRIMも在庫がなかなか売れない苦しみを味わっている。RIM好きもBB10を待っているという状況もあるだろう。しかしBlackBerryの率は、わずか6.4%に留まっている。

kantar worldpanel comtech

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(翻訳:Maeda, H)