東京のTerra Mortosが三輪電動タクシーを発表―アジアの大都市圏に大々的に売り込む計画


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日本のスタートアップ、Terra Motorsが電動トゥクトゥク(アジア各地で広く使われる三輪タクシー)を正式に発表した。この三輪車の価格は6000ドルで2時間の充電で50km走れるという。電動自動車としては豪華で高性能なTeslaモデルSロードスターの対極に位置する製品だ。これには非常にもっともな理由がある。この三輪電動自動車は途上国市場での大量販売を狙っているのだ。

すでにフィリピンに第一陣が出荷されている(CNET)ということで、2016年までにガソリンエンジンのトゥクトゥク10万台が置き換えられる計画だ。 フィリピン全国でこの車両はリース後買取という形でドライバーにマーケティングされる。ドライバーは燃料費で日に5ドル程度が節約になるという。人口過密の大都市圏では大気汚染の減少にも役立つことが期待されている。

Terra Motorsの三輪車の6300ドルという価格は安いとはいえない。ガソリンエンジンモデルは1000ドルから1500ドルで販売されている。TerraMotorsの大橋哲也事業開発部長が私に送ってきたメールによれば、同社はできるかぎり急速にアジア各地の市場に進出し、その中で最適な価格に調整していくということだ。

Terra Motorsのトゥクトゥクはボディーもインテリアも宇宙時代を思わせる魅力的なデザインだ。座席も十分な広さがある。これはライバルのガソリン車に対して優位性になるだろう。50kmという航続距離は決して長いとはいえないが、市内での近距離の移動手段ということを考えればまずまずのところだ。ただしバッテリーを充電するのに2時間ずつ待たねばならないのは理想的とはいえない。しかし適切に運用スケジュールを立てれば、ガソリン代の節約で穴埋めできるのかもしれない。

Terraの主要株主にはApple Japan、Google Japan、ソニー、コンパックの元トップが顔を揃えている。電動トゥクトゥクを売り出している中国メーカーもあるものの、Terra Mortorsほどの野心的な計画はないようだ。オランダのその名もThe Tuk Tuk Factoryというメーカーが数年前にe-Tukという電気三輪自動車をリリースしているが、これは主にヨーロッパ市場がターゲットだ。Terra Mortorsにはアジアで急成長を遂げるチャンスがあるといってよいだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Adafruitが子ども向け電子工学教育をYouTubeビデオで開始

電子回路/電子製品を自作あるいはプロトタイピングする人たちに素材を提供しているAdafruitがこのほど、YouTube上の短編ビデオシリーズで、電子工作に対する若者や子どもたちの関心喚起努力を開始した。そのシリーズはCircuit Playground(回路の遊び場)と名付けられ、電子回路とその部品や概念の基礎を、子どもたちにアルファベット順の項目で教えようとしている。これを見たおちびさんたちが、技術者にあこがれたり、電子工作を趣味にしてくれたら、しめたものである。

初回はAだからampere(アンペア)だ。回路を流れる電流の測度単位のこと。‘番組’のホストは、子ども向けにかわいいロボット人形のAdabotくんと、AdafruitのファウンダLimor Friedだ。Limorは子ども相手臭くないふつうの口調で、わかりやすい説明をしている。最初は、回路の部品を表すたくさんのアニメキャラクターが登場する。さらにその後、アンペアの語源になったAndré-Marie Ampère氏がスペシャルゲストとして出演する。だから、科学史のお勉強でもある。

ビデオの長さは5分弱だから、十分に子どもたちの忍耐の限界内だ。これから電子回路の基礎を勉強したいと思っている、もっと年上の子にとっても、もちろん見る価値はある。

〔Adafruit社に関する本誌記事。日本のスィッチサイエンスは単なるネットショップだが、それなりにおもしろい。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、第2四半期中に新iPhoneの生産開始か(WSJ報道)

Appleは、現行機種と「似た」デザインの新iPhoneを2013年第2四半期に生産開始する計画であると、Wall Street Journalの最新記事が伝えている。この生産体制の準備は、夏のiPhone新機種発売に向けたものだと記事は言っており、最近本誌情報筋から入ってきている情報とも一致する。

先週John Biggsが、iPhone 5のデザインを踏襲しつつ内部スペックを高めたいわゆるiPhone 5Sに関して、Appleの製造パートナーらは2013年6月発売に向けて準備中と報じた。WSJの記事にアナリストの推測を合わせると、iPhoneの製品入替えは夏の初めが有力だ。Appleはその時期に年次Worldwide Developer’s Conferenceを開催するので、新機種の詳細を発表する機会があるとすればそこだろう。

WSJの記事は、Appleが低価格iPhoneの開発も続けており、早ければ2013年後半の発売を目指していることも報じている。本体カバーがハイエンドiPhoneと違うものになるという点は以前の報道でも聞いているが、低価格機にはカラーバリエーションが出来るという噂もある。

Appleが新しいiPhoneを作っているというニュースには何の驚きもないが、スケジュールに関しては、ここ数年夏ではなく秋に発売していたことから、予想とは少し異なる。しかし、複数の情報源によるこの手の情報が一致する時は、噂に強い根拠がある兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


日本のSDNスタートアップMidokuraがシリーズAで$17.3Mを調達;クラウド事業主体の増に備える

日本のMidokuraはオフィスがサンフランシスコと東京とローザンヌとバルセロナにある。同社は今日(米国時間4/1)、1730万ドルのシリーズA資金調達ラウンドを発表した。このラウンドの幹事会社は日本の産業革新機構、これにNTT GroupのDOCOMO Innovations, Inc.とNEC Groupの投資部門Innovative Ventures Fund Investmentが参加した。資金は陣容拡大により同社のネットワーク仮想化サービスMidoNetの将来的展開と拡張を準備することに充てられる。

Midokuraはそのサービスを、自分でクラウドを展開したいと考える企業、すなわちクラウドのユーザでなくクラウドの事業主体に提供する。それはモバイルネットワークの事業者やそのほかの大企業だ。同社は一般的によく使われているクラウドプラットホーム上で使える仮想化技術を提供し、クラウドコンピューティングの展開に伴う費用や要求を単純化する。MidoNetはIaaS(infrastructure-as-a-service)の一種であり、2012年の10月にベータで立ち上がったときから、大きな関心を集めてきた。

MidokuraのChief Strategy Officer、Ben Cherianの説明によると、“MidoNetは弊社のSDN(software-defined networking, ソフトウェアが定義するネットワーク)製品であり、クラウドを構築したいと考えている企業のためのソリューションだ。彼らはクラウドサービスのプロバイダであったり、ホスティングのプロバイダであったり、あるいは大きな企業であったりする。小さな会社でも、クラウドを構築したいと望むなら弊社の顧客でありえる。それを完全に自力でやろうとすると、スケーラビリティ、オートメーション、アイソレーションといった面倒な問題にぶつかるからだ。弊社のプロダクトであるMidoNetは、クラウドネットワーキングに伴うこれらの問題を解決する”。

今回は相当巨額な資金調達ラウンドであるが、Cherianによると、同社に今寄せられている関心を十分満たすだけのペースで成長するためには、それぐらいの額が必要である。協同ファウンダのTatsuya Katoは、今回の増資発表の一環としてCEOから取締役会の会長職となるが、以前は日本におけるAmazon Web Services的なサービスの構築に、同じく協同ファウンダで元CTO/新CEOのDan Mihai Dumitriuと共に取り組んだ。彼はその際に、サービスの設計構築以前にまず最初に解決すべき大きな問題があることに気づき、それがMidokuraの創業につながった。今チームは、その目標を達成するために迅速に成長したいと考えている。

“資金の大半は製品開発と技術者の増員に充てられる”、とCherianは述べる。“目標は、技術面でもっと深いところに到達することだ。今は、機能の増強とマネージメントの改善、ほかの技術や企業の統合、といった側面を重視している。いずれもさらなる人材が必要な課題であり、したがって資金の多くは技術陣の増員に充てられることになる”。

Midokuraは、この分野の市場が今後急速に進化していくと見ている。とくに今後はクラウドに乗り出す大企業が増えて、SDN関連製品への関心も高まるだろう。そのときの需要にタイミング良く応えるためには、今から、相当な額のシリーズAにより、技術的基盤を整備することが必要なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OUYAにGame Boy, Genesis, NeoGeoなどのエミュレータも登場–中高年の懐古趣味マシンに?

OUYAがいよいよ発売される(Kickstarterの支援者向けには明日だ)。 かつての人気ゲーム専用機のエミュレータをこのAndroidデバイスが提供するという報道が、騒ぎを喚(よ)んでいる。Android上で人気のエミュレータ Snes9x EX+を作ったデベロッパRobert Brogliaが今日(米国時間3/27)、OUYAのフォーラムで、今Game Boy AdvanceやSega Genesis、NeoGeoなどのエミュレータを作っている、と明かした。

彼が最初に出すと考えているのは、Snes9x EX+(のOUYAバージョン)だ。まず、テスト用のAPKを近く出す。ただし彼自身がテスト機としてのOUYAを入手できるのが、4月以降だ。彼はKickstarterでの募金が終わってから申し込んだ。彼の考えでは、これまでに自分が作ったAndroid用のゲーム専用機エミュレータをすべてOUYAにポートしたい。それらは、上述のもののほかに、TurboGrafx-16、Atari、Sega Saturn、ColecoVisionなどだ。

Broglia作のAndroid用エミュレータは有料だが、OUYAはコンテンツに、無料または無料試用を義務づけている。彼以外のデベロッパが制作を予定しているのは、x86機PCのエミュレータによりOUYAで昔のDOSのゲームを遊べること、そしてCommodore 64のエミュレータだ。というわけでOUYAは、80年代〜90年代に幼児/青少年だった人たちのための、ノスタルジーマシンにもなる。

OUYAのオフィシャルマーケットプレースにはすでに承認されたエミュレータが一つあるが、一般的にエミュレーションそのものを認めるのか、という問い合わせにはまだ返事がない。前に述べたように、Google Playのストアへ行くとエミュレーションアプリが手に入るし、またデベロッパたちの以前の証言では、OUYAのマーケットプレースはきわめてオープンなものになるらしい。

過去には、GP2K Wizや韓国のGameParkホールディングスのCanooのように、‘エミュレーション専用機’という製品もあった。OUYAはそういう狭い領域をねらっているわけではないが、でもリビングのテレビで昔のゲームを楽しめるとしたら、それは相当強力なセールスポイントになるだろう。もちろん、海賊版ソフトを使うなど、違法行為はいけないが。

アップデート: OUYAがエミュレーションに関する公式の見解をくれた:

OUYAはエミュレータを、それらが弊社のコンテンツガイドラインを遵守しているかぎり、受け入れます。ゲームソフトが同梱されているものは、受け入れません。

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OUYAのAndroidゲーム機の筐体をMakerBotでユーザーが3Dプリントできるようになった

今日(米国時間3/27)、3Dプリンター・メーカーのMakerBotとオープンソースAndroidゲーム機のOUYAは提携を発表した。これにより、OUYAゲーム機のユーザーはMakerbotの3Dプリンタでカスタムメイドの筐体を家庭でプリントすることができるようになる。OUYAが3Dデザイン・ファイルをMakerBotの3Dデザイン・レポジトリであるThingiverse.comに提供する。ユーザーはこのファイルをMakerBotReplicator 2 Desktop 3Dプリンタに読み込ませる。

The OUYAのゲーム・コンソール筐体には蓋、スプリング式の開閉ボタンなどが付属する。MakerBot Replicator 2X Experimental 3Dプリンタを利用すれば、素材にバイオプラスチックのPLAではなくABS樹脂を利用することができる。

OUYAはすでにオープンソースのSDKを発表しているが、MakerBotとの提携によってユーザーがカスタム・デザインの筐体を簡単に入手できる道が開かれた。ハードウェアを3Dプリントできるようになれば、たとえばゲームデザイナーがゲームの内容に合わせてカスタマイズした筐体のデザイン・ファイルを提供するなども可能になる。

MakerBotは自社サイトで、OUYAコンソール筐体のデザインについて触れ、ユーザー自身も3Dプリント・ファイルをカスタマイズできるだろうと述べている。Yves Beharデザインの角を面取りした立方体がこれからどのようにカスタマイズされていくのか楽しみだ。

〔日本版:OUYAゲーム・コンソールはAndroidをOSとしTegra 3プロセッサを利用したオープンソースの低価格ゲーム専用機で近く発売が予定されている。〕

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古典的名作Dungeons & Dragonsが今年後半, iPhone, iPad, iPod touchに登場

モバイルゲームのPlaydekとMagic: The Gatheringなどで有名なWizards of the Coastの提携により、今年の終わりごろにはDungeons & DragonsがiPhone、iPad 、そしてiPod touchにやってくる。Playdekはその後もWizards of the Coastのテーブルトップゲームの数々を正式のライセンスによりiOSデバイスに持ち込む。その最初の製品は年内に出る予定だ。

発表声明中で契約の詳細は明らかでないが、PlaydekのCEOは“Wizards of the Coastと一緒にお仕事ができることは喜びであり、それにより同社の強力なエンタテイメント作品をモバイル化していきたい”、と言っている。Playdek社も評判の良い企業で、同社はカードゲームPenny ArcadeのiOS化を行ったが、その際にはMagic: The GatheringのようなWizards of the Coast社の名作を大いに参考にしている。

なおMagic: The Gatheringに関しては、Playdekの力を借りずWizards of the Coast社自身の力ですでにiOS版が作られている。そのMagic 2013はフリーミアムだが、仮想デッキはアプリ内で買える…それはWizards of the Coastが昨年リリースしたものだ。また同社独自で(親会社はHasbro)、人気のKaijudoスリーズをベースとするiOSゲームをリリースしているが、App StoreにDungeons & Dragonsが出たというニュースだけは、まだどこからも聞かれない。

しかしデジタルのテーブルトップゲームでは、カリフォルニア州カールスバッドに本社を置くPlaydekが評価も人気もダントツだ。上で挙げたPenny Arcadeゲーム以外でも、たとえばAscensionシリーズなどは人気が高い。Playdekは2011年にJeff Garstecki、Gary Weis、Joel Goodmanの3名が創業した。三人ともSony Computer Entertainment AmericaとTHQのIncinerator Studios出身だ。これまで資金は、Greycroft Partnersらから156万ドルのシード資金を得ている。

Wizards of the CoastとPlaydekというコンビは、デジタルテーブルトップゲームにおける最強チームだろう。とりわけ前者の作品は、Dungeons & Dragonsがまさにそうでるように、ターゲット層の心の中で特別の地位を占めている。このすばらしい二人三脚の、今後の進展を見守りたい。

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Twitter、4月2日のモバイル開発者向けイベントで「楽しみな新機能」を発表。「報道陣お断り」

Twitterは、4月2日に行うデベロッパー向け発表イベントのオープン招待フォームを、デベロッパー専用ウェブに今日(米国時間3/25)掲載した。Twitterによるとこのイベントはモバイルに焦点を絞ったもので、西海岸時間6:30pmおよび9:30pmから行われる。Twitterは、この機会を利用して同社が取り組んでいる「Twitterプラットフォームのための楽しみな新機能」を発表すると言っている。

Twitterは発表イベントに関するブログ記事で、このイベントでは「どうすればデベロッパーが自社のモバイル体験を最高の形でTwitterと融合できるか」を話し合と言っており、座席に限りがあることも注記されている。参加フォームには、出席予定者の名前と会社名、メールアドレス、Twiter名を書く欄があり、招待者の対象は、開発担当者、プロダクトマネージャー等で、報道関係者は含まれていない。

TwitterはこれまでAPIおよびサードパーティーデベロッパーとの統合方法に関して修正を重ねてきており、バージョン1のAPIは今月初めに利用中止となった。また最近広告APIを公開し、ブランドは提携パートナー経由で広告キャンペーンを実施できるようになった。

2012年9月に公開されたAPIのバージョン1.1では、サードパーティーアプリ用のトークンに制限を加えた他、全般的にTwitterがウェブや専用クライアントで提供しているユーザー体験の「コア部分」を真似たアプリを作りにくい設計になっている。

Twitter開発者の中には、プラットフォームの発表で起きることを心配する向きもあるが(Tweetbotの開発者、Paul Haddadの考えは下のツイートにある)、Twitterがこれをポジティブな方向に見せようとしていることは間違いない。

本誌ではTwitterに追加情報がないか尋ねているが、このイベントは「報道関係者お断り」とあえて書かれていることから、これ以上の情報が得られるのかどうかは不明だ。何かコメントが入り次第この記事をアップデートするつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Apple、有料アップグレード付無料アプリに「アプリ内購入あり」の注記を追加。誤購入防止へ

Appleは、アプリ内購入をのある無料アプリの表示方法にひと工夫した。Guardianが伝えた。新しい注記はデスクトップ版iTunesの、価格バーの下およびアプリ一覧のアプリアイコンの下に表示されるが、モバイル版App StoreあるいはウェブベースのiTunesアプリストアには表示されない。この変更は、App Storeででの誤購入事故に関して目立った苦情が相次いでいることを受けたものだ。

15分間にアプリ内購入2500ドル。これは最近英国で5歳の男児が1人でアプリ内購入に使った金額だ。事故の後本誌のSarah Perezは、この種の事故が起きないようにAppleは「子供モード」を設けるべきだと主張した。子供モードには程遠いものの、一見無料に見えるiPhone、iPadの子供向けアプリをダウンロードすると、正確に何が起きるのかを親が認識するための道具にはなるだろう。

実は、App Storeの売上の膨大な部分がアプリ内購入から生まれている。App StoreのトップセールスAppのランキングで、アプリ自体が有料な製品を見つけるためには、はるか下までスクロールしなければならない。トップ100の中のうち「有料アプリ」は20%以下だ。フリーミアムはApp Storeでもビッグビジネスであり、IHSによると今年1月にアプリに費された金額の39%がアプリ内購入によるものだ。そうしたタイトルの多くは特に子供向けに作られているため、上のような事故を起こしやすい。

デベロッパーにとってアプリ内購入に制約や摩擦を加えることは、当然望ましい展開ではなく、即ちAppleにとっても決して喜ぶことではない。アプリ内購入の存在をアプリのタイトルに明記することは、潜在的収入源に何らかの制限を加えることと、誤った出費の可能性の認知を高めることの間を取った妥協点なのだろう。小さなことだが有意義であり、モバイルやウェブ版アプリページにも導入されることを願いたい。その予定があるかどうかAppleに問い合せ中なので、返答があり次第アップデートするつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleのSergey BrinがTEDのカンファレンスでスマートフォンは人を骨抜きにしていると語る

Googleの協同ファウンダSergey Brinが2月のTED ConferenceのステージでGoogle Glassについて語り、その中で今や悪名高い“スマートフォンは人間を無力にしつつある”という説を述べている*。その完全なビデオを本誌はこのほど入手したので、ここにご紹介しよう(Business Insiderより)。そのかんじんの箇所は4:26あたりだが、ほかにもGlassとその起源に関するBrinの考えを聞くことができる。〔*: スマートフォンが毎日、人間の注意や時間を奪いすぎている、ということ。〕

Google Glassのプロモーションビデオの部分を除くとおよそ10分の短いスピーチだが、けっこうおもしろい。たとえば彼は、Google Glassがあればスカイダイビングのときの装備が簡単になる、と言っている。またeBayのオークションににせもののGlassが登場した件について聞かれた彼は、話題を変えてSocially Awkward Penguinの話をした。

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Appleのジョナサン・アイブ、iOSのUIチームと密に協力。「フラットデザイン」推し

Appleのハードウェアデザインのボスが、これまで以上にソフトウェアやインターフェースのデザイン担当者と密に作業をしているとWall Street Journalが伝えている。Appleのモバイルソフトウェアチームは、前よりも早くハードウェアの試作機を見られるようになったと記事は伝えており、Iveは将来のiOSに「フラットデザイン」を推しているという。

記事のタイミングはぴったりだ。Appleはつい先ほどPodcastアプリをアップデートし、デザインからいわゆる “skeuomorphic”[*]要素を取り除いた。これはもしIveが実際にiOSソフトウェアのUIチームと協同作業をしているのであれば、彼の影響である可能性が高い。あるいは、最近の経営陣交代によるデザイン全般の変化を示す一例にすぎないかもしれない。
【* 現実世界のモチーフを模倣したデザインのことで、この場合はテープデッキ】

最近Iveは、Greg Christie率いるヒューマンインターフェース部隊によく顔を出し、定期ミーティングでレビュー用に出された新しいデザインを吟味しているとWSJは書いている。また、Iveは変更を薦めることもあるが、ごく些細なものに限られることを記事は強調している。

Appleで新たに統合されたMacとiOSのチームも、Craig Federighiの下で緩かに変化して ;おり、夏には大きく変わることが予想されるとも伝えている。またAppleはごく最近前Adobe CTOのKevin Lynchをテクノロジー担当VPに迎えており、同社の上部組織に動きがあることは明らかだ。Appleは、WSJの記事へのコメント要求に対して直ちには回答していない。

iOSのロック画面、音楽再生ボタン類、音楽プレーヤー本体の小さなデザイン変更や、今回のPodcastの変更は、IveがソフトウェアUIのどの部分に影響を与えているかのヒントになるかもしれない。ソフトウェアとハードウェアにまつわる発想の統合は、たとえデザインへの影響が表に出ることが少なくても、iOSにより多くの消費者を引きつける上で、小さくても重要な要素になるだろう。

以前の記事で私は、iOSインターフェース概念はサードパーティーがリードしていると書いたが、社内の組織変更によって、同様のただし恐らくもっと緩やかな変化が起きるかもしれない。今日のPodcastの変更が、Appleアプリにおけるデザイン近代化の最後にならないことを願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


iPhoneを落としたときのダメージを最小化する未来的技術をAppleが特許出願

Appleは、iPhoneを落としたときのダメージを少なくするために講ずる巧妙な仕組みの数々を、最近の特許出願書類の中で説明している。AppleInsiderが見つけたそのUSPTO(合衆国特許局)出願書類には、たとえば、落下時のiPhoneの向きを変える回転の仕組みや、オンデバイスのスラスター*、落下が検出されたときに挿入されていたケーブルを固着する方法(後述)、などが載っている。〔*: thruster, 制御ロケット(圧縮空気利用か?)…下のパラグラフでは“ガス利用”とある。〕

その特許は、落下中にデバイスの方向を変える方法が複数説明されている。最終的には、いちばん衝撃に強い面が下になるのだ。たとえば、内部のガジェットは質量をiPhoneの一方の端へとシフトする、“ガス容器”すらある“スラストのメカニズム”、自由落下時にアクチベートされるエーロフォイル*、外部の出っ張りをケース内でスイッチのように縮めて保護する方法、ヘッドフォンなどのケーブルを一瞬抜けないようにして、iPhoneが落ちないようにする仕組み、などなどだ。〔*: air foil,翼,プロペラなど。〕

落下時に落下と衝撃のデータを集めて保存するブラックボックスを、iPhoneの基板上に置く。そのデータを見るとデバイスの落ち方が分かるので、メーカーは今後の設計の参考にできる、とAppleは言っている。もちろんそのような基板上のツールは、修理保証内容との合致を調べる技士たちも利用する。

この特許出願書類の内容は相当濃密で、イノベーションに充ち満ちており、しかも内容の多くが市場で前例のないものだ。だから一般市販の製品にこれらが実装されるのは、遠い先だとぼくは思う。でも、モバイルデバイスをうっかり落としたときのダメージ、という、よくある問題をAppleがここまで真剣に考えているのは、見事だ。将来、一般市販製品に実装されることはない、とは決して言えない。位置制御のできるスラスターを搭載したiPhone、なんて、欲しくない?

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GoogleがEvernote風のなんでもノートするサービス、Keepのウェブ版とAndroidアプリを正式公開

一瞬現れてすぐ消えたノート・アプリ、Google Keepが正式公開の運びとなった。Googleはプロモーションビデオ入りのブログ記事でKeepをお披露目した。同時にAndroidアプリもGoogle Playストアに登場した(Android 4.0以降)。

「Keepはペンや紙なしに頭に浮かんだことや関心を抱いたことをすばやくメモするためのツールだ」とソフトウェア・エンジニアのKatherine Kuanはブログ記事で説明している。このアプリはキーボード入力以外にも音声メモを文字に書き起こす機能を備えている〔日本語にも対応〕。記録はウェブに同期されるので、後でコンピュータで開いて自由に処理できる。

Androidアプリはホームスクリーンから簡単にメモを作成したり呼び出したりできる。Android 4.2以降の場合、ロックスクリーンから直接アクセスできる機能も利用できる。アプリのインターフェイスは非常にシンプルで作成したメモがタイル状に配置される。個々のメモにポストイットのような背景色をつけたり、ドラッグアンドドロップで自由に配置を変えたりできる。。

KeepはどうしてもEvernoteを思い起こさせる。ユーザーがすばやくメモを取り、その他関心を抱いたさまざまな情報をすばやくクラウドに保存できるようにするサービスでEvernoteは有名ブランドとなっている。現在のEvernoteのプロダクトはKeepよりはるかに多機能で、サポートするプラットフォームもはるかに多い。しかしGoogleがこの分野に参入してきたことは注目だ。もっともEvernoteが急速な成功を収めたのはその昔、GoogleがNotebookサービスを閉鎖した空白に助けられた面もあるということを考えると少々皮肉な展開だ。

Googleは「将来はGoogleドライブから直接Keepのノートを作成、閲覧できるようにする」と言っている。そうなればGoogle Driveの多くのユーザーがKeepを使うことになるだろう。

さらに取材中…

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ロック画面のセキュリティバグ: Appleは迅速に対応, Samsungは約束したがまだのよう

Appleが今日(米国時間3/19)iOSデバイスのアップデートを発行した。そのiOS 6.1.3は本誌も報じたロック画面のバグ、すなわち、ロックがバイパスされて勝手にアプリを動かしたり、個人情報を見たりされるバグが直っている。また日本のMaps(地図)アプリも改良され、“セキュリティの強化”と“バグフィクス”が為された。

SamsungのGalaxy S3にも同様のバグがあり、修復は約束されているが、まだパッチはリリースされていない。初期のバージョンを持っている人はアップデートしてこのセキュリティの抜け穴を塞いだほうがよい。Appleは、対応が早かったけどね。

Appleは、日本とその周辺地域の位置情報にあった問題を先週、サーバのアップデートにより解決し、有料道路の通知や音声案内の発音の改良、フライオーバーモードにおける3Dレンダリングの充実などを図った。Appleのリリースノートによると、このアップデートはサーバのみでなく、デバイスサイドでも続行されるようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


元Adobe CTOでクラウドの導師ケビン・リンチが、Appleの技術担当VPに

Adobe CTOのKevin LynchがAppleに移った。AppleはiPhoneからFlashを疎外しこの技術の衰退を早めたであろうことで知られている。Adobeが本誌に対して正式に認めた。かつてLynchは、Adobeの公式ブログでFlashを強く擁護する記事を書いたが、最近はAdobeを未来へと導くことに専念し、過去について語ることはなかった。

Lynchは近年Adobeのクリエイティブクラウド立ち上げと推進に尽力してきた。クリエイティブクラウド(および同じくLynchが開発を率いたマーケティングクラウド)は、Adobeがパッケージ販売からクラウド主体のSaaS型商品へと移行する上で鍵となるサービスだ。Lynchのおかげで、Adobeはクラウド中心の会社への移行を、同様の遷移を試みるどの会社よりも早く成功したと言ってもいい。

Appleは、クラウドが同社ユーザーにとって世界の中心になると明言しており、2011年WWDCのキーノートで発表したiCloudは、Appleエコシステムのまさに中心となるものだ。iCloudは情報やメディアをあらゆるデバイス利用可能にしてiOSとOS Xを結びつけることにある程度の成果を得た。しかし、他の面は必ずしもうまくいっていない。iCloud、iTunes Matchなどクラウドベース製品の性能に関するAppleに対する苦情は多くシステムダウンも稀ではない。

Appleのインターネットソフトウェア・サービス担当SVPのEddy Cueは、現在iCloudの責任者で、その前身でさらに不評をかっていたMobileMe時代からの担当者だ。Cueは、iTunes、App StoreからSiri、マップ、iAdにいたるまで数多くのApple製品を見ている。このためCueがiCloudの定常的問題を解決するために、定評あるクラウドサービスのベテランの力を借りることは十分に考えられる。

Lynchは、Adobeのマルチプラットフォーム開発および迅速な製品デザインに対する強い関与についても責任を負っていた。モバイル端末用にフル機能の製品を要求するユーザーの声に答えて、Photoshop Touch for iPadや、最近さらにiPhone版も発売したのは、Lynchの力によるものだ。

AllThingsDのJohn PaczkowskiとCNBCのJohn Forttの報道によると、LynchはAppleの技術担当SVP Bob Mansfield直属の技術担当VPに就任すると見られている。Mansfieldの専門分野はワイヤレスと半導体技術だが、役職上社内で多くの権限を持っている。LynchのAdobeでのソフトウェア経験は、Mansfieldのチームと直接一致しないように見えるが、Mansfieldは昨年引退を撤回した際、「将来の商品開発」を手伝うために会社に留まったと言われている。Appleはハードウェア製品とソフトウェア製品を隔離することの会社なので、全デバイス横断で使えるクラウドを強く推進するためには、所属に関わらず推進役にはLynchが有力な候補者になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


スマートフォンを風速計に変身させるVavuudは電子回路をまったく使わない珍品

スマートフォンの中にはいろんなセンサーがある。でも、それで十分だろうか? 多くのハードウェアスタートアップたちが、声を揃えて「ノー!」と言う。デンマークのVavuudも、最近その合唱に加わった。VavuudはKickstarterで資金を集めて、スマートフォンを使う風速計を作ろうとしている。しかもそれは、不思議なことに電子回路をいっさい使わずにiPhoneやGalaxyに正確な風速値を伝える。

Vavuudの風速計を使うと今いる場所の風速を簡単に計ることができ、しかもその装置は格安でうそみたいに単純だ。ケーブルなどをまったく使わずに、スマートフォンのヘッドフォンジャックに直接装着するのだが、そのためむしろ安定感がある。回転子に二つの磁石が付いていて、回転によって起きる磁界の変化をスマホ側が拾って、ふつうは音響処理に使うアルゴリズムがそれを風速データに翻訳する。Vavuudの協同ファウンダThomas P. Helmsによると、テストはiPhone 4, 4S, 5, それにGalaxy S IIとS IIIで行い、デンマーク大学にある風洞を使って精度を正確にした。

“スマートフォンで磁力計をこのように利用したのは、うちが初めてだと思う。われながら、クールだと思うね”、Helmsがメールでそう言った。“また、機械的な部分でも、とてもシンプルだからクールだね。アルゴリズムは相当複雑な数学を使ってるんだけど”。

Vavuudは磁界センサーのある最新のスマートフォンならどの機種でも使えるはずだ(つまりほとんどの機種で)。だからこれまでのテストのサンプル数が少なくても、支援者はそれほど気にしないだろう。Vavuudは、風速を知る必要のある人なら誰でも使える。ウィンドサーファーとか、ヨットや船に乗る人、パラグライダー、模型飛行機を飛ばす人、などなど。

“サーファーや船乗りたちはこれまでずっと、オンラインの風力計を求めていた。クラウドソースな風情報を、そこで共有したいと思っていたのだ”、とHelmsは説明する。“風は、まわりの状況、たとえば山があるとかや、気温などの気象条件で変わるからね”。

VavuudのWind Meterは、今年の6月に発売予定だ。予約価格は、15ポンドから。iOSやAndroid用のアプリも、同時期に提供される。それに、温度計Thermodoの場合のように、Vavuudも、それが集める外界の情報を利用する、いろんなおもしろいアプリも今後登場するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Evernote Food、FoursquareやOpenTableと連携、レシピ共有など新機能も多数

Evernote Foodがリリースされてから1年になる。今日(米国時間3/19)、レストランや料理の情報を共有するこのモバイル・アプリがアップデートされた。 OpenTableによる予約、Foursquareによる格付け、レシピの共有がサポートされるなど大きく機能が強化された。

今回のアップデートは昨年12月のEvernote Food 2.0のリリースで iPadの大きいスクリーンに初めて対応したのに続くものだ。これまでもこのアプリにレシピを記録することはできたが、検索はできなかった。今回、Punchforkとの提携のおかげで料理名、素材、ブログ名などで検索ができるようになった。

またクリップしたレシピをFacebook、Twitter、メールを通じて共有できるようになった

しかし今回のアップデートの目玉はOpenTableとの連携だろう。ユーザーはEvernote Foodでレストランを見つけることができるだけでなく、アプリ内から直接予約ができるようになった。またFoursquareのレストラン評価機能とも連携した。

その他のアップデートとしてはiOSの写真アルバムがサポートされ、写真のアッププロードが高速になった。また日本語と中国語のレシピについてパートナーと提携して検索、閲覧ができるようになった。〔日本語版はE・レシピ、シェフごはん、BIGLOBE Kirei Style、楽天レシピと提携〕

2011年の12月に登場したときにはEvernote Foodは「Evernoteを使ってこんなこともできる」というデモ製品のような雰囲気だったが、 同じころ発表されたEvernoteの連絡相手管理アプリHelloと同様、その後着実に改良されきた。

Foodの場合、Evernoteはレシピ検索など関連機能をゼロから自作せず、既存の業界リーダーと提携する道を選んだのは賢明だろう。そうして逆にこれらの飲食関連の情報サービスのハブとしてEvernote Foodを位置づけていこうとしているものとおもわれる。

今回のアップデートと同時に今月初旬に同社が発表したサーバへの侵入に関連して、ユーザーはパスワードのリセットを求められている。

アプリはすでに Apple App Storeでダウンロード可能だ。〔iOS 6.0以降が必要〕

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Wacomが4月に発売のCintiq 13HDは13インチでフルHD, お値段は999ドル

Wacomのドローイング(drawing, お絵描き)タブレットCintiqシリーズは、デジタルグラフィクスの制作ツールとしては最高の製品で、中でも12WXはエントリレベルのすばらしい小型低価格機として市場を支配してきた。でも12WXはすでに5歳になり、その間にディスプレイやドローイングタブレットの技術は進んだ。そこで今日Wacomは、完全な新製品Cintiq 13HDを発表した。

13HDは最近出たより大型の22HDや24HDに近くて、去りゆく12WXとの共通点は少ない。13インチの液晶ディスプレイは1920×1080のHD、2048段階の感圧機能を有する。12WXは最大解像度が1280×800、感圧能力は1024段階だ。13HDの画素数は22HDと同じなので、後者より40%小さな画面では画素密度が高く、テキストも画像もよりくっきり表示される。

Cintiq 13HDはスタンド付きで、角度は4段階にロックできる(フラット、22度、35度、50度)。サイズ的にもラップトップ的に使える唯一の機種なので、ポータブルでもある。

発売はWacomのオンラインストアと、数社のパートナーから4月初めに開始される。お値段は999ドル95セント。これはMacやPCを要するドローイングタブレットだから高価に感じるかもしれないが、上位機種22HDの2000ドルに比べればお買い得だ。ぼくは12WXを持っていて大ファンだが、13HDを早く試してみたくて、うずうずしている。

なお、前にも本誌で報じたように、WacomはMacもPCも要らないスタンドアロンのドローイングタブレットを出す予定で、それとデジタルアートのコミュニティで長年待望されていた仕様の13HDを合わせると、今年は同社にとって、とてもビッグな年になりそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブラウザ上で電子回路の設計とシミュレーションができるCircuitLab, 一周年で月間ユーザ7万を突破

電子回路設計/シミュレーションサービスCircuitLabは、立ち上げから1周年を迎え、月間のアクティブユーザ数70000にまで成長した。今Y Combinatorの2013冬のクラスで勉強している同社は、単純に計算すると6秒に一回ずつ回路シミュレーションを動かしていることになる。電子工学系のサイトがこのように大成功している理由は、ツールが基本的に無料であることと、教育用のツールとしてとてもよくできているからだろう。また、最近増えているハードウェア系のスタートアップが、プロダクトの企画設計段階で十分利用できるツールでもある。

CircuitLabの強みは、電子回路の設計をその最初の第一歩から支援できるところにある。そのために協同ファウンダのMike RobbinsとHumberto EvansはCircuitLabを、回路図を描いてシミュレートすることが、マニュアルを一冊も読まずに、そして難解でユーザアンフレンドリーなレガシーのデスクトップアプリケーションを使わずに、Web上だけでできるようにした。だからCircuitLabでは複数のエンジニアがそれぞれ異なるマシンやブラウザを使っていても、シミュレーションなどの共同作業ができる。これまでのPSpice、Multisim、LTSpiceなどのツールでは、それは不可能だった。

CircuitLabのツールのオープンな性格は、その初期から、教育機関や研究機関の関心を惹いた。無料でもあるので、教師は教室で自分の生徒/学生たちに使わせ、その場でシミュレーションをさせられる。彼らが教室に持ってくるマシンは、メーカーや機種を限定されない(ブラウザがあってWebにアクセスできればそれでよい)。EvansとRobbinsは電話インタビューで、教育方面に口コミで広まりつつあると言ったが、それには生徒/学生間の口コミ(リコメンデーション)も含まれるようだ。

“うちの最大のユーザは教育機関だ。学校や大学で、これまで使われていたデスクトップソフトを駆逐しつつあるようだ”、とRobbinsは説明する。“教師たちの最大の問題は、Macを持ち込む生徒/学生が多いのに古いツールはWindowsオンリーで、それらよりもさらに古いヘンなソフトすらある。今や学生/生徒たちがめいめい、違うソフトを使っていることが、教える側の悩みのタネだったのだ”。

CircuitLabにとっては、一人の教師に気に入られると一挙にユーザが数十名増えるというメリットがある。今、大学で電子工学を専攻した学生が一人前になるまで5年はかかるから、今の世代の学生たちが次世代の学生にCircuitLabをすすめる効果もある。しかしRobbinsによると、CircuitLabの使われ方はもっと多彩だ。大規模な製品では、それぞれの部品が個々に設計〜シミュレートされることもある(たとえば電源回路とメインボード)。Robbinsによると、どんなタイプの回路でも設計〜シミュレーションできることが、CircuitLabに強みの一つだ。

CircuitLabは最近、二社と提携を結んだ。ひとつはElectronics.StackExchange.com、ここでは組み込みシステムの回路設計とシミュレーションに利用されている。もうひとつはEE TimesとEDNの発行者、これらは電子回路設計の専門誌として指導的な存在だ。このような健全な提携関係とYCのサポートにより、同社の今の立ち位置は非常に良好だ。

類似サービスとしてUpverterなどがあるが、しかしEvansとRobbinsによると、CircuitLabが対応するのはあくまでも設計の初期段階のみ。だからこの世界には今後もっと多様な競争関係や補完関係があるべきである、と。たしかにこの世界では、既存の有力ツールは過去10〜20年間ほとんど変化も進化もしていないのだから、若いスタートアップたちによってもっと本格的で大々的な世代交代が起きてもよさそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google Nexus 5は、ニコンのカメラ内蔵との報道

Googleの次期標準スマートフォンはここ数週間多くの噂の的となっているが、そう突飛でもない情報が一つだけある。Phonearenaは、ある情報筋によると次期NexusにはNikonの「トリプルセンサー」付カメラ機構が内蔵されるらしい。このカメラ機能はNexus 5の「目玉」とされていると情報筋は伝えている。

本件のタレコミ人は、1080p対応の5インチディスプレー、Snapdragon 600プロセッサー、RAM 2GB、8または16GBのストレージなど、Nexus 5の比較的妥当なスペックについても語っている。3140mAhの強力バッテリーを内蔵し、デイスプレイの所要電力次第では現行機よりも持続時間が伸びるだろう。これらの情報は、以前AndroidandMeが主張していた、次期Nexus製品群にはスーパーパワー5.2インチLG機が入り、RAM 3GBを塔載するという噂を否定している。

対照的に、この最新Nexus 5仕様情報は、これまでGoogleが展開してきたフラグシップAndroid機群とつじつまがあう。Nikonカメラ技術の採用に関しても、GoogleのVic Gundotraが先月Google+でで、Googleは「Nexusをめちゃめちゃすごいカメラにすると約束する」と言い、消費者はこれが真実かどうかを「見守ってくれる」だけでいい、と思わせぶりな態度を見せたこととも一致する。

昨年秋にGoogleが発売し殆どの点で魅力的なNexus 4で、一点残念だったのがカメラだった。多くのレビュアーが、iPhoneや他のAndroid機のカメラと比べて、普通か普通以下と判定した。このため、Googleが次期Nexusでカメラの改善に焦点を当てるのは、Googleブランド愛好家に格好のアップグレード理由を与えると共に、Googleとして標準機Nexusの主要目的の一つである、Androidの内蔵カメラ機能のアピールができることから考えても、理にかなっている。

GoogleとNikonは過去にも共同作業をしたことがあり、Nikon Coolpix S800cにはAndroidベースのファームウェアが塔載されている。またGoogleが昨年買収したNik softwareは、Snapseedの開発元で、Nikonが以前多額の出資をした会社でもある。

新しいカメラのセンサーは、トリプルセンサーと言われており、HTCのUltrapixelやSigmaのFoveon X3のセンサーと同様に、メガピクセル数の小さいセンサーを3層に重ねることによって、カラーレンダリングと感度の優れた高解像度画像を作るものと考えられる。まだまだ大部分が噂の段階ではあるが、興味深い内容であると共にGoogleがNexus製品群で目指しているところともよく一致している。

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(翻訳:Nob Takahashi)