Facebookがコンテンツ推奨システムの一部を明文化

YouTube(ユーチューブ)、Facebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)などのソーシャルメディアサイトで使われているレコメンデーション(推奨)アルゴリズムはしばしば、誤報、プロパガンダ、ヘイトスピーチ、陰謀論、その他の有害なコンテンツの拡散に一役買っているという批判を浴びてきた。とりわけFacebookは、自社のプラットフォーム上でQAnon(キューアノン)の陰謀論に関係するグループが拡大するままにし、民兵組織のメンバー数増加を助けたとして、最近批判を浴びたばかりだ。フェイスブックは現在、不快、不適切、危険なコンテンツや誤解を招くコンテンツ、さらには事実と異なるコンテンツにユーザーがさらされているのは推奨システムに何らかの原因があるという主張に対抗しようとしている。

今回フェイスブックは、同社が定めるコンテンツ推奨ガイドラインの仕組みを初めて公開した。

FacebookのヘルプセンターInstagram(インスタグラム)のヘルプセンターで新しく公開されたドキュメンテーションを確認できるが、その中にFacebookやInstagramのアルゴリズムがコンテンツ、アカウント、ページ、グループ、イベントを推奨から除外する方法が詳しく説明されている。

現在、Facebookの提案機能は「おすすめのページ」、ニュースフィードの「おすすめの投稿」、「知り合いかも」、「おすすめのグループ」といったところに見ることができる。Instagramの場合、発見(Explore)タブ、アカウントの「おすすめ」、IGTVの「おすすめ」でユーザーに関連性の高い情報が表示される。

同社によれば、Facebookの現行のガイドラインは2016年から実施されており、「削除、抑制、情報提供」という戦略の上に成り立っているという。この戦略は、Facebookのコミュニティ規定に違反するコンテンツを削除し、規定には違反していないが問題のあるコンテンツの拡散を抑制し、クリック、閲覧またはシェアするコンテンツを判断するための追加情報をユーザーに提供することに重点を置くものであるというのが、フェイスブック側の説明だ。

今回公開された推奨ガイドラインは、基本的にはこの戦略の中の「削減」面におけるフェイスブックの取り組みであり、ユーザーに新しいアカウント、グループ、ページなどへのフォローを働きかけることによって、Facebookのコミュニティ規定よりも高い水準を維持しようとしている。

フェイスブックが新しく公開したドキュメンテーションでは、推奨機能の対象外となる5つの主要なカテゴリーが挙げられており、内容的にはInstagramのガイドラインも同様である。ところが、特定のユーザーに対して推奨する内容をFacebookが実際どのように選択しているのかという問いについては、納得のいく説明が提供されていない。推奨技術を語るうえで重要なこの部分に関して、フェイスブックはあえて触れていない。

推奨の対象外となるコンテンツを多く含むカテゴリーの1つは、言うまでもなく、Facebookの「安全なコミュニティ構築」を妨げるコンテンツである。これには、自傷行為、自殺、摂食障害、暴力、露骨な性描写を含むコンテンツや、タバコ、薬物、および非推奨のアカウントまたはエンティティによる投稿内容といった規制コンテンツが含まれる。

また、フェイスブックは、機密性の高いコンテンツや低品質コンテンツ、ユーザーに不評のコンテンツや低品質なパブリッシングに関連するコンテンツは推奨しないとしている。これらのカテゴリーに含まれるのは、クリックベイト、不正なビジネスモデル、給料日ローン、「奇跡の治療法」などの大げさな表現で健康関連商品を宣伝するコンテンツ、美容整形・美容処置のプロモーションコンテンツ、コンテスト、サンプル・試供品、エンゲージメントベイト、別のソースからコピーされた盗作コンテンツ外部サイトからのクリック数と比べてFacebookにおけるクリック数が不均衡なウェブサイトのコンテンツ、著者や配信スタッフに関する情報開示の透明性が低いニュースコンテンツだ。

加えて、フェイスブックによれば、偽の、または誤解を招くコンテンツも推奨されることはない。独立したファクトチェッカーによって事実ではないと判断されたものシェアするコンテンツ、ワクチンに関する誤情報、偽造文書の使用を助長するコンテンツなどが、それにあたる。

なお、アカウントやエンティティの中で比較的直近にコミュニティ規定に違反したもの、フェイスブックが推奨しないコンテンツをシェアしたもの、ワクチンに関する誤情報を投稿したもの、「いいね」を購入したもの、広告の掲載禁止の処分を受けているもの、虚偽の情報を投稿したもの、暴力的な運動とつながりがあるものに関しては、Facebookとしても推奨しないように「努める」とのことだ。

最後に言及されている項目については、お察しの通り、先日ウィスコンシン州ケノーシャの民兵組織がFacebook上に設けたイベントページの事件をうけたものだ。この事件では、同イベント作成後に規定違反の通報が455件もあったのにページは削除されず、4人のモデレーターが規定には違反していないとして苦情を却下したという。同ページではユーザーに「武装」を呼び掛け、どのような武器で持参すべきかについてコメント上でやり取りが行われていた模様だ。ウィスコンシン州ケノーシャでのこの抗議行動は、最終的に17歳の少年が当局の夜間外出禁止令を破り民兵として参加。州境を越え、抗議行動者に向かってAR-15式ライフルを発砲。2人を殺害、1人に重傷を負わせるという結末を迎えてしまった。

こうした実績を踏まえると、Facebook自体が自社の定めたガイドラインにどの程度準拠できるのかという問いは考察に値する。実際のところ、多くの人々が、ガイドラインが機能していない状況でクリックして推奨されたコンテンツを開くことで、陰謀論や危険な健康コンテンツ、新型コロナウイルス感染症に関する誤情報などの不適切なコンテンツにアクセスできてしまっている。報道では、キューアノンはFacebookの推奨機能のおかげで成長したと言われている

また、こうしたガイドラインではカバーできないグレーゾーンが数多く存在することも見落とせない。

民兵組織や陰謀論は氷山の一角にすぎない。例えばパンデミックの最中に、事業の閉鎖に関する政府のガイドラインに異論がある米国のユーザーは、数々の「再開した」グループが自分に対して推奨されていることにすぐに気づく。そうしたグループでは、メンバーは政治について討論するだけでなく、公共の場や着用が義務付けられている職場でマスクを着用しないことを得意気に自慢し、マスク非着用を貫くコツを伝授しあい、自撮りでお互いの成功をたたえあう。この場合、その表現自体は厳密にはルール違反になっていないとしても、公衆衛生を脅かす行為が奨励される結果になっていることは間違いない。

一方で、あるグループをFacebookが直接推奨していない場合でも、ユーザーがトピックをクイック検索すれば、本来ならFacebookの推奨システムで不適切とされるコンテンツにアクセスできることがある。

例えば今、「vaccines」という単語をクイック検索すると、ワクチン健康被害や代替医療や反ワクチンに関する基本コンテンツを扱ったグループがいくつもヒットするだろう。ワクチンを支持するコンテンツの数よりも多いのが現状である。世界中の科学者たちが新型コロナウイルス感染症に対処すべくワクチン開発に取り組んでいるときに、Facebookが反ワクチン派に巨大な公開討論の場を提供し、その概念を広められるようにしているというのは、Facebookによる情報拡散がいかに世界中の公衆衛生を脅かすことにつながるかを示す良い例だと言える。

しかし本当に難しい問いは、そうした議論をしているユーザーを規制することと、自由に発言できる場を確保することとのバランスをどう取るかということだ。これは政府による規制がほとんどない部分で、最終的にはフェイスブックが独自に決める必要がある。

推奨機能はFacebookの全体的なエンゲージメントシステムの一部にすぎず、しばしばユーザーを有害なコンテンツに誘導してしまっているのは事実だ。とはいえ、ユーザーが有害なコンテンツにさらされるのは、トピックに関する一般的な情報を得ようとしてユーザーがFacebookで検索したときに、検索結果の上部に表示されるグループやページである場合が多い。Facebookの検索エンジンが重視するのは、グループのメンバー数やユーザーが投稿する頻度といったエンゲージメントやアクティビティであり、コンテンツが既存の知見や医療ガイドラインにどれほど即しているかという点ではないからだ。

結局のところ、Facebookの検索アルゴリズムはさほど詳細に明文化されたわけではないのである

関連記事:Facebookがニュースフィードで米国の投票所スタッフ募集のプッシュ通知を開始

カテゴリー:ネットサービス

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(翻訳:Dragonfly)

アマゾンがAlexa Printを米国でローンチ、レシピやゲーム、教材を声で印刷できる

Alexaはプリンターも操作できるようになった。Amazon(アマゾン)は米国時間9月10日、Alexa(アレクサ)で印刷できる新しい機能を発表(Printing with Alexaページ)した。Echo(エコー)端末を持っている人なら、AlexaのTo Doリスト、レシピ、週ごとのカレンダー、子ども向け教材、さらには数独やクロスワードパズル、迷路などのゲームも音声コマンドで印刷できるようになる。

この機能は、第2世代以降のEcho端末と、HP、ブラザー、キヤノン、エプソンなどから発売されているIPP対応プリンターで利用できる。手持ちのプリンターが対応しているか不明な場合は「Alexa, discover my printer」(私のプリンターを探して)と口頭で質問すると確認できる。対応プリンターは追々増やしていくと同社では話している。

一部の印刷コンテンツは、Alexa自身からも提供される。例えば、今でも紙のメモの愛用者が多いTo Doリストや買い物リストなどだ。

だが現在、Alexaが印刷できるコンテンツの大半はサードパーティーによるものとなる。同社は、Alexaのスキルメーカー、Allrecipes(オールレシピズ)、Los Angeles Times(ロサンゼルス・タイムズ)、JumpStart Academy(ジャンプスタート・アカデミー)と協力して、学習用プリント、パズル、塗り絵、レシピなどが印刷できるようにしている。

つまり、「Alexa、クロスワードパズルを印刷して」とか「Alexa、1年生の足し算の問題集を印刷して」とか「Alexa、チキンのレシピを印刷して」などと命令できるわけだ。コマンドの全リストはこちら

この音声コマンドには、他のコマンドよりも便利なものがある。「先週の日曜日のクロスワード」を印刷した後に、「先週の日曜日のクロスワードの正解」も印刷させることができるので、新聞の購読を止めてしまったがクロスワードだけは楽しみにしていたという人には嬉しい。ただし、Alexaに「サーモンのレシピを印刷して」などと命令しては、何が現れるかわからない。普通は特定のレシピを知りたいのであって、レシピの提案一覧で紙とインクを無駄にしたいとは思わないだろう。

学校に通う子どもたちにも有り難いコマンドがある。Alexaは、グラフ用紙や罫線入りの用紙を印刷できる。1枚使うためだけに、またはちょっと足りなくなったときなどに、ノートをまるごと1冊買う必要がなくなる。ホームスクールの教師や両親にも、リモート学習の補助教材として算数の問題集を印刷できるなど、役に立つ。

Alexa Print機能は声で有効にできるが、Alexaアプリで「Add Devices」(デバイスを追加)を開き、「Printer」(プリンター)を選択して有効にできる。

プリンターに接続されると、Alexaはプリンターのインクやトナーの量の情報を受信できるようになるため、少なくなったときにメールや声で知らせてくれる。この通知はデフォルトで有効になっているが、Alexaアプリのデバイスの設定ページにある「Status」(ステータス)で変更できる。

また、スマート・リオーダーを設定しておけば、インクやトナーをアマゾンから1割引で自動購入ができる。インクやトナーが少なくなると自動的に商品が送られてくるわけだが、最初にAlexaアプリでそのように設定しておく必要がある。

つまり、Alexa Printは、単にEchoオーナーの印刷を楽にするだけのものではない。新型コロナウイルスの流行が続く中、自宅勤務やリモート学習の広がりを利用した新たなeコマースの売上げを創出する手段ともなっている。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:金井哲夫)

アップルがサブスクリバンドル製品「Apple One」をApple Musicアプリのコードで自らリーク

アップルがサブスクリプションのパッケージを計画しているらしいという報道はどうやら正しかったようだ。同社のAndroid(アンドロイド)デバイス向けMusicアプリの最新リリース(ver. 3.4.0 beta)のコードには、「Apple One」と呼ばれる新サービスへの参照があることがわかった。このコードを見つけたのは9to5Googleで、Apple Oneの一括サブスクリプションにはApple Musicも入るらしいことも報告されている。

これは曖昧なコードの参照に基づく単なる推測ではない。コードの中で同社は、Apple OneおよびApple Musicとの関わりについて非常に明確な表現を使っている。

コードには以下のように書かれている。

<string name=”aristotle_main_more_info”>Your Apple Music subscription will be included in Apple One starting %s. You will not be charged for both subscriptions.</string>

<string name=”aristotle_renewaloption_subtext”>You can manage your Apple One subscription using your iPhone, iPad, Apple TV or Mac.</string>

[<string name=”aristotle_main_more_info”>%sからApple OneにはApple Musicのサブスクリプションが含まれます。両方のサブスクリプション料金を課金されることはありません。</string>

<string name=”aristotle_main_more_info”>Apple OneのサブスクリプションはiPhone、iPad、Apple TV、あるいはMacで管理できます</string>

「aristotle」の文字列は新製品につけられたアップルの内部コードだろう。

もうひとつの重要なコード部分が以外だ。

<string name=”applemusic_with_aristotle_subtext”>Included in Apple One %s</string>

<string name=”aristotle_main_subtext”>Subscription Bundle %s</string>

<string name=”applemusic_with_aristotle_subtext”>Apple One %s に包含されます
[<string name=”aristotle_main_subtext”>サブスクリプション・バンドル %s

この発見は、アップルがこの秋におそらくiPhone 12と同時にApple OneサブスクリプションバンドルをスタートするつもりだというBloombergの8月の記事を事実上裏付けるものだ。新たなバンドル製品の狙いは、ユーザーにさまざまなサービスの組み合わせでディスカウントを提供することで、複数サービスのサブスクリプションを推奨することだ。

Bloombergは、基本パッケージにはApple MusicとApple TV+が入り、上位バージョンにはApple ArcadeやApple News+、もしかしたらiCloudのサブスクリプションも加わるかもしれないと書いていた。

残念ながら今回見つかったコードに、バンドルの価格や何が入っているかは書かれていない。

厳重な取締りよく知られているアップルだが、このところ何度か自身でリークの出典になっているのはちょっと面白い。今回のApple Oneの件以外に、同社は4月にも自社のYouTubeアカウントにアップロードしたサポートビデオを通じて未発表製品である「AirTags」の存在を認めてしまった

実はアップルがコードの中でサービスパッケージのヒントを出したのもこれが初めてではない。以前9to5Macは、iOS 13.5.5の内部ファイルの中に、それまでのiOSバージョンにはなかった「bundle offer」と「bundle subscription」への言及部分を発見した。

しかし今回のリークは、アップルがバンドル製品に「Apple One」という名前を受けたことを裏付けている。

おそらく来週同社が開催するiPadとApple Watchが発表されるであろうイベントで詳細がわかるだろう。あるいは、iPhone 12の発表が予想される10月のイベントまでApple Oneについて聞くことはないかもしれない。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国のモバイル上でのホリデーショッピングシーズンは過去最大となる見込み

新型コロナウイルスのパンデミックはホリデーショッピングシーズンに既に影響を与え始めている。Amazon(アマゾン)は毎年恒例の販売イベントであるPrime Day(プライムデー)を今年は7月から10月に延期(CNBC記事)した。Walmart(ウォルマート)、Target(ターゲット)、Amazon(アマゾン)などの大手eコマース業者はかつてなく強力に(Business Insider記事)なっている。App Annie(アップアニー)の新しいレポートによると、モバイルショッピングアプリは過去最大のショッピングシーズンを迎えようとしている。モバイルデータ分析会社であるApp Annieは、米国の消費者が第4四半期にAndroidデバイスだけで10億時間以上費やすと予測している。昨年の同時期と比べて50%の増加だ。

この予測はモバイルコマースの躍進を示している。これほどの変化は4〜6年後(Forbes記事)になると予想されていた。パンデミックによりタイムテーブルが前倒しされた。

画像クレジット:App Annie

また同社は、オンラインショッピングのペースは過去数年とは異なるものになると予測する。

通常、ホリデーショッピングはブラックフライデー(2020年は11月27日)とサイバーマンデー(同11月30日)の週に集中するが、今年のショッピングシーズンはより長く引き伸ばされると予想される。ある程度はPrime Dayの遅れが原因かもしれないが、パンデミックによる経済的圧力も打撃となるかもしれない。

第3四半期が近づいているが、米国の失業率は依然として金融危機時よりも高く(Trading Economics記事)新型コロナ以前よりも2倍以上高い。App Annieによると、これが可処分所得の低下と価格感度の増加につながり、消費者は2020年のホリデーシーズンまで、より長期にわたりお買い得情報やプロモーションを探し回ることになるだろう。

プライムデーの遅れはショッピング活動にも影響を与える可能性がある。通常は11月が買い物で賑わう時期だが、今年はブラックフライデーとサイバーマンデーに近い時期に販売イベントが開催されるからだ。

App Annieはまた、Amazonのアプリが米国のショッピングアプリの月間アクティブユーザー数で引き続き1位にランクされており、他の人気ショッピングアプリと同時に利用されることが多いと述べている。

画像クレジット:App Annie

比較情報として、1週間ごとのショッピングアプリのセッションは、2019年の第4四半期のピークの週に25%増加した。英国でも15%増加した。

この増加傾向は続くと考えられる。パンデミックがもたらした変化は既存の消費者行動がベースになっているからだ。消費者はオンラインにシフトしている。App Annieはこの変化が今後も続くと主張する。

画像クレジット:App Annie

App Annieは、モバイルショッピングの伸長と、買い物のためにAndroidで第4四半期に10億時間超が費やされるとの予測に関連して、他のカテゴリーのアプリにもメリットがあると予測している。例えば
PayPal(ペイパル)は過去最高の四半期決算(The Money Fool記事)となり、決済総額は前年比で29%増加した。

特に米国やブラジルのように新型コロナの感染者数が増加している市場では、オンライン食料品サービスも急成長している。消費者がアプリを使用して在庫確認、セルフチェックアウト、宅配、オンライン購入、店舗での受け取りなどを行うため、食料品モバイルショッピングアプリの高い利用率は米国の感謝祭の期間を通じて継続すると予想される。同様に、Uber Eats(ウーバーイーツ)、DoorDash(ドアダッシュ)、Grubhub(グラブハブ)などの料理宅配サービスも引き続き有用で、第4四半期に広く利用されると予想される。

画像クレジット:App Annie

App Annieによると、米国以外では、2020年の「独身の日」が3100億元(約4兆7700億円)以上となり、過去最大のショッピングデーになると予測している。これは昨年の売上高380億ドル(約4兆300億円)を上回り、2020年第3四半期の中国における小売売上高の前年比4.8%の増加に続くと見込まれる。

画像クレジット:Thomas Trutsche / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

オフラインでの子供の遊びを保護者に指南するKinspireの新アプリ

Kinspire(キンスパイヤー)という新しいスタートアップは、子供たちが夢中になる活動を保護者が簡単に見つけらるよう手助けしたいと考えている。それも画面を使わない活動だ。保護者や学校教師がともに吟味した数百種類の活動が紹介されているこのアプリは、新型コロナウイルスの大流行によって多くの家庭がソーシャルディスタンスの確保を要請され(The New York TImes記事)、普段どおりに子供同士が一緒に遊ぶ機会やその他の活動が奪われた時期に迎えられた。今や何百万もの小学生たちは、長時間オンラインで過ごし遠隔学習を強いられている。

このように子供のスクリーンタイムが急激に増加している現状を受けて、保護者たちは、できればオフラインで、子供たちが夢中になれる新しい活動を模索するようになった。

画像クレジット:Kinspire

「親として、私たちの生活にはKinspireが必要だと感じ、開発しました」と、理学博士で2児の父であり、Kinspireの創業者兼CEOのRob Seigel(ロブ・シーゲル)氏は説明する。「Kinpireができる前は、ウェブサイトやソーシャルメディアで活動を探して子供に勧めるのが、大変なストレスでした。そうした苦労の挙げ句、子供は決まって「やらない」と言います。Kinspireなら、ここだけで、子供がやりたい遊びを自分で探すことができます。パパが面白そうだと思うものではなくてね」と彼は話していた。

また彼は、遊び方の解説や必要な材料も、このアプリだけでわかるようにしたいと考えた。そしてアメリカで自宅待機が始まったころ、シーゲル氏は仲間を集め、アプリを作り上げた。

ローンチ時点で、Kinspireには画面を使わない活動が350以上紹介されている。ここには、ナショナル・パブリック・ラジオのポッドキャスト「Wow in the World」(世界の驚き)で放映されている実践型のSTEM(理工系)教育番組「Tinkerclass」(ティンカークラス)の活動も含まれている。この番組は、家にある日常的な物を「ティンカーする」(いじくりまわす)ことを子供に奨励するものだ。現時点で、これらのコンテンツはすべて無料で利用できる。

Kinspireコミュニティーは、最初にアプリでプロフィールを登録した後、「活動を追加」機能で活動の検索ができるようになる。シーゲル氏によると、内容は、AIモデレーション・サービスと人間による審査を組み合わせて厳選しているという。

初めてKinspireアプリを開くと、Instagram(インスタグラム)のような縦型の画像のフィードが現れる。ただし、そこにあるのはアーティスティックな写真やネタではなく、いくつもの面白いお勧めの遊びや活動が、スクロールで閲覧できるようになっている。それぞれの活動のカードには、Kinspireコミュニティーが撮影した写真が添えられている。コミュニティーには、学校教師、活動クリエイター、保護者、介護士などが参加している。

Kinspireの初期から参加しているクリエイターには、@naturallycuriouschildrenのNicole Roccaro(ニコール・ロッカロ)氏、@entertainmytoddlerのKari McManamon(カリ・マクマナモン)氏、@makethingsbox_のViviana Maldonado(ビビアナ・マルドナド)氏、@totsonlockのKira Silvera(キラ・シルベラ)氏が名を連ねている。

保護者は、年齢、屋内用か屋外用か、準備時間、保護者の立ち会いがどれほど必要か、活動のタイプ、必要な材料、どれだけ散らかるか(このあたり、子を持つ親が作ったのだなと感じさせる)といった項目でフィルタリングして、お勧めの活動を探すこともできる。

画像クレジット:Kinspire

後で試してみたいお気に入りの活動を保存しておくことも可能だ。

Kinspireのひとつの活動を終わらせた子供には、創造的または科学的な工作、自然探索、ごっこ遊び、料理、算数、音楽、マインドフルネスなどなど、多岐にわたる内容に応じてアプリ内のご褒美が贈られる。ご褒美の中には、デジタル・キャラクターの記章としてプロフィールに表示されるものもある。また、家で折り紙のキャラクターの作り方が印刷できるようになるご褒美もある。

このアプリは、ホームスクールや遠隔学習で学ぶ子供や、自宅待機の初期段階で憔悴してしまった子供のための新しいアイデア探しに苦労している家族にも役に立つ。

同社は、プレミアムなサブスクリプションプランを追加して収益化を図ろうと考えている。サブスクリプションを購入した保護者は、個々の活動クリエイターから、自分たちのためのオリジナルの活動をKinspire内で提供してもらえるようになる。またこの収益の分配金が、パートナーであるクリエイターの収入源にもなる。

さらにKinspireでは、活動の中で物が買える仕組みにも取り組んでいるも。これはテスト期間中にもっともリクエストの多かった機能だ。これが実現すれば、保護者は活動に必要な材料をAmazon(アマゾン)やら方々のショップで買い集めることなく、すべてKinspireで直接揃えられる。Kinspireは、そこから手数料を徴収する。

デンバーとニューヨークを拠点とするKinspireは、新型コロナ禍の最中、テクノロジーや子供の遊びに関する経歴を持つ仲間たちと、2020年5月に創設された。

創業メンバーのSara Berliner(サラ・バーリナー)氏は、Y Combinetor(ワイ・コンビネーター)が支援する新しいインタラクティブな動画プラットフォームでありクリエイター向けツールでもあるHellosaurus(ハローザウルス)のアドバイザーを務めている。Kinspireを創設する以前に、彼女は子供向けIPスタジオStar Farm(スター・ファーム)を共同創設し(2002年〜2008年)、現在はIngage(インゲージ)となっているScrollMotion(スクロールモーション)でKids & Family(キッズ・アンド・ファミリー)グループの立ち上げと開発を行っていた(2008年〜2012年)。さらに、Peekaboo Barn(ピーカブー・バーン)を開発したNight & Day Studios(ナイト・アンド・デイ・ステューディオズ)の最高戦略責任者も務めていた(2012年〜2018年)。彼女は2児の母親でもある。

Kinspireのその他の共同創設者であるロブ・シーゲル氏、Dave Tarasi(デイブ・タラシ)氏、Nate Ruiz(ネイト・ルイース)氏は、HeadsUp(ヘッズアップ)、Nodin(ノーディン)、SolidFire(ソリッドファイヤー)、NetApp(ネットアプ)といったスタートアップで合わせて20年の経験を有する。CEOのシーゲル氏は、2人の男の子の父親であり、HeadsUpの共同創設者でCEO、NodinのCTOを経験。SolidFireとNetAppではソフトウェア・エンジニアとしても活躍していた。

このスタートアップは、現在は自己資金で運営されているが、シードラウンドを調達中だ。

KinspirのアプリはiOS版とAndroid版が、米国とカナダで無料ダウンロードできる。

画像クレジット:Sue Barr / Getty Images
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(翻訳:金井哲夫)

AT&Tの電話回線利用者はAlexaで通話が可能に

Amazon(アマゾン)は、米国時間9月9日、AT&Tと提携し、AT&Tの電話回線利用者がAmazon EchoスマートスピーカーなどのAlexa(アレクサ)対応デバイスを通じて電話の発信と受信ができるようにする新機能を発表した。これが可能になると、Alexa対応デバイスを持つ利用者は、音声アシスタントのAlexaに電話をかけるよう、またはかかってきた電話に出るよう声で命じることができるようになる。電話機が手の届かないところにあっても、携帯電話のバッテリーが切れていても電話ができる。

「AT&T calling with Alexa」(AlexaでAT&T通話)と呼ばれるこの機能は、まずAlexaのユーザーアカウントでの設定が必要となる。

利用したい人は、Alexaアプリの「Settings」(設定)から「Communication」(コミュニケーション)を開き、「AT&T」を選択してから、画面に表示される指示に従い携帯番号をリンクさせる。

リンクが完了すれば、AT&Tの利用者は例えば「Alexa、ジェシカに電話して」または「Alexa、XXX-XXX-XXXXにかけて」(Xには実際の番号を入れる)のように言うだけで電話がかけられる。

電話がかかってきたときは、Alexaは「ジェームズから電話です」のように知らせてくれる。電話を取りたいときは「Alexa、出て」と言えば、Alexa対応機器で相手と通話ができる。

かかってきた電話に出る方法はいくつかある。

Alexaで受ける電話は朝の9時から夕方5時までの仕事時間内のみというように、定型アクションで設定できる。また、「Alexa、出かけるね」などのフレーズを言うことで、そのデバイスでのAT&Tからの電話にを受けないようにする定型アクションを作ることも可能だ。さらに、Alexaアプリでアウェイモードをオンにすれば、家を離れるときに手動でこの機能を無効にできる。

この新機能は、AT&Tの「NumberSync」(番号同期)サービスを使うことで、スマートウォッチ、タブレット、コンピューター、そして今後はAlexa対応デバイスでも利用できる。これは対象となるAT&Tモバイルプランに含まれているため、別途料金はかからない。

Amazonによれば、「AT&T calling with Alexa」は、iPhoneやSamsung Galaxyをはじめとする、AT&T対応の数々のHD Voice携帯電話でも、AT&Tの料金後払い契約の利用者なら使えるという。

この機能を享受できるのは米国のAT&T利用者のみだが、発信だけなら、米国内に留まらず、メキシコ、カナダ、英国への通話でも利用できる。

ほかのキャリアに同様の機能を広げる可能性について、アマゾンは何も語らなかったが、利用者の意見を受けて、将来的にこの機能を発展させてゆくとのことだ。

Alexaをコミュニケーションツールとして利用する機能は以前にもあった。

同社はすでに、Alexa対応デバイスを、家庭内のインターホンと電話を掛け合わせたような存在にする試みを行っている。Drop-In(ドロップイン)という機能では、家の中の別の場所にいる家族の様子を確かめることができる。また、Announcements(アナウンスメント)を使えば、「ご飯が用意できたよ!」のようなメッセージを配信できる。これらに対して、Alexa-to-Alexa Calling(Alexa対Alexa通話)やAlexa Outbound Calling(Alexa外部通話)などは、他のAlexaユーザーや、米国、英国、カナダ、メキシコのほとんどの固定電話および携帯電話の番号に、Alexa対応デバイスまたはAlexaアプリを使って無料通話ができるというものだ。

しかし、これらのサービスでは、かかってくる電話を受けることができず、911などの緊急通報用電話はかけられないため、既存の電話と完全に置き換えるのは不可能だった。

Alexa対応デバイスに合わせて、これまでの携帯電話の使用習慣を変えるというのは、ちょっと難しいように思える。大抵の人は、家の中でさえ、携帯電話を肌身離さず持ち歩いているからだ。

だが、Alexaを実際の電話番号と結び付ける手段を提供することで、Alexaから電話をかけてみようと思う人は増えるかも知れない。

またこの機能は、すぐに電話に出られない高齢者や、緊急事態、歩いて電話を取り入って出ることが困難な要支援者や障害者には有用に思える。

残念ながら、このサービスの利用には、まだ大きな問題点が残されている。迷惑電話だ。現代は、不快なロボットコールやスパムが
大変に多い。高度な迷惑電話ブロックサービスなどで自衛していない限り、これらにいちいちAlexaで対応する手間は、その利便性を台無しにしてしまう。

Amazonは、この新機能は本日よりアメリカ国内で利用可能になると話している。

画像クレジットAmazon

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterが一部の「トレンド」に見出しと説明文の追加を開始

Twitter(ツイッター)は、リアルタイムの「トレンド」セクションをわかりやすくする取り組みを進めている。先週同社はトレンドのページに、トレンドに関するより詳しい情報を提供する代表的なツイートをピン留めすることを発表し、近日中のさらなる変更も明らかにした。米国時間9月8日、同社はいくつかのトレンドについても見出しや説明文の記述を開始したことを明らかにした。利用者は「Explore」タブに表示されている理由や、トレンド自体をタップしたときに表示されている理由をよりよく理解できるようになるだろう。

これらの変更が、すべてのトレンドに適切かつ完全に展開されていたら、Twitterのトレンドセクションがニュースリーダーのように感じられたかもしれない。例えば、この記事を書いている時点ではラッパーの「Travis Scott」がトレンド1位になっていることだけを表示するだけでなく、「彼とマクドナルドがコラボしたメニューが発売されたばかりなので、彼がトレンドになっている」ことを見出しと短い要約で説明している。特に有名人の名前は、彼らが亡くなったり、何かとんでもないことを言ったときにしばしばトレンド入りする傾向があるので、これは便利な機能だろう。

残念ながら、最近のアップデートにもかかわらずTwitterのトレンドに適切な注釈をつける機能はまだ完全ではない。なぜなら、いまだに説明が提供されないいトレンドがあるから。例えば本日だと「#IJustDontBelieve」がそうだ。このハッシュタグは、ユーザーがツイートの残りの部分に自分の意見を書き込むことで、信じていないことをツイートするという意味だ。また、K-POPグループのBTSのファンが使っているロングハッシュタグ「#BTS2ndNo1ONHot100」も注釈なしのままになっている。BTSファンがTwitterを多用していることや、Twitterの空白を埋めるミームの人気に慣れていない人にとっては、この種のトレンドは混乱を招く可能性がある。

トレンドに注釈がないほかの場合では、Twitterは関連するニュースの見出しを追加を試みる。多くの場合、トップトレンドのいくつかは、その日のニュース記事に関連しているので。、Twitterが提供する要約と見出しの代わりに、代表的なニュース見出しのリンクがトレンドの横に表示されるのだ。

例えば「Proud Boys」は記事執筆時点で全米17位のトレンドだが、Twitterは極右のProud Boysとその抗議者たちの暴力的な衝突について言及した「Daily Beast」サイトの記事にしかリンクを張っていないが、この記事が米国中で起きている多くの暴力事件の1つを詳述しているのかを説明しようとしているのではない。おそらくユーザーは、記事自体が多くの注目を集めていると推測するだろう。しかし実際には、Twitterユーザーは暴力的な攻撃やスタンドオフの動画を含むさまざまなコンテンツを「Proud Boys」トレンドの下でツイートしている。

このように、人々が必ずしも記事自体について話しているわけではないのにたった1つのニュース記事のリンクを張ることでサービスに悪影響を与えている側面もある。具体的には、目撃した直接の映像や、一般的に増加している暴力についての意見を共有しているのだ。

一方Twitterは、Harry Styles(ハリー・スタイルス)の新デザインのトレンドなど、あまり重要でないニュースを要約するためのキュレーションチームも投入している。

現在、米国のTwitterのトレンドセクションには、29のトレンドのリストが掲載されているが、現時点では見出しや説明文がTwitterによって書かれているのは5〜6本しかない。

Twitterは先週にこれらの変更を発表した際、キュレーションチームが書いた説明は「なぜ何かが『いくつかの』ツイートでトレンドになっているのかについて、わかりやすく明確な情報源を提供することを目的としている」と説明していた。しかし、どうにもはっきりないのは、Twitterがどのような判断基準でどのトレンドに注釈を付けているかだ。

Twitterがこのサービスにもっと多額の投資をすれば、同社のトレンドについてさらに多くの情報を提供できるだろう。例えば、あるトレンドがブレイクしているとき、表示されているツイートの速度と数、トレンドに関する社会的感情、発信元の位置ツイートなど、データを生成できるサードパーティーのTwitter APIパートナーも存在する。しかし、残念ながらこの種のデータをTwitterは直接参照できない。

Twitterの広報担当者は、「なぜトレンドの一部だけにTwitterからの注釈があるのか」という質問に対し、「Twitterは追加情報が必要だと思われるトレンドだけに注釈を付けるている」と説明した。

「トレンドワードが特にわかりにくく、多くの人が話題にしている場合、ピン留めされたツイートや説明が表示されることがある」と広報担当者は説明する。つまりTwitterは、注釈が最も必要とされているときに簡単な説明を付け加えるという決定を下しているわけだ。

例えば、ある抗議活動に関するツイートの大半が、そのイベントを支持しているか、嫌悪しているかのどちらかであったとしたら、Twitterのデータを使ってその傾向を文脈化できると信じられないほど役に立つ。しかし、Twitterはそのような難しい課題には挑戦していないようだ。

Twitterの広報担当者は「Twitterは時間をかけてより多くのトレンドに文脈を追加していきたいと考えています」と付け加えた。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルがOprah’s Book Clubシリーズを公開してポッドキャストの活用を拡大

Apple(アップル)はポッドキャストへの投資を拡大している。米国時間9月8日、Apple BooksとOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏は「Oprah’s Book Club」ポッドキャストの公開を発表した(Appleプレスリリース)。オプラ氏が本を紹介するOprah’s Book Clubで取り上げられたベストセラーで、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリストのIsabel Wilkerson(イザベル・ウィルカーソン)氏が書いた「Caste: The Origins of Our Discontents」に関連するテーマを8本のエピソードで探る。このポッドキャストは、アップルのストリーミングTVサービスであるApple TV+との初のクロスオーバーとなる。

2020年1月、アップルはApple TV+の番組と関連するオリジナルのポッドキャストの制作を計画しているとにBloombergは報じた。ポッドキャストはApple TV+のコンテンツと連携して提供され、Apple TV+オリジナル作品の成長に活用されると見られていた。

ポッドキャストを開発中であるという記事は、ほかにもあった。例えばApple TV+のアンソロジーシリーズ「リトル・アメリカ」のエグゼクティブプロデューサーであるLee Eisenberg(リー・アイゼンバーグ)氏Forbesとのインタビューで、この番組にはオリジナルのポッドキャストもあると述べていた。しかしそのポッドキャストはまだ公開されていない。

アップルはOprah’s Book Club以外のポッドキャストについてはコメントしなかった。

とはいえ、Oprah’s Book Clubが新たな拡張の始まりであることは明らかだ。

画像クレジット:Apple Podcasts、スクリーンショット作成はTechCrunch

アップルは現在、Oprah’s Book ClubシリーズをApple TV+でストリーミング配信している。アップルは、このブッククラブのコンテンツをさまざまなチャネルで宣伝できる。新しいポッドキャストシリーズに加え、オプラ氏が選んだ本はApple Booksで購入できるし、Apple Booksでディスカションガイドも利用できる。Apple Newsで「Caste」からの引用を限定で読んだり聴いたりすることもできる。Apple Music Radio(以前のBeats 1)でも著者インタビューを公開している

新たに公開されたポッドキャストの最初のエピソードでは、著者のウィルカーソン氏が『Caste』を書いたきっかけや、社会には人種差別について語る新しい方法が必要だという同氏の考えがとり上げられている。アップルによれば、今後のエピソードは著書に書かれているカースト制度の具体的な要点を語るものになるという。新しいエピソードは9月8日を皮切りに、今後週に2回、火曜日と木曜日に公開される。

Spotify、Pandora、Amazon(アマゾン)といった競合はポッドキャストに対してかなり力を入れているが、アップルはこれまでポッドキャストにあまり投資してこなかった。Spotifyは数百ものオリジナルプログラムや限定プログラムをユーザーに提供している。SpotifyはGimlet、Parcast、Anchor、The Ringerといったポッドキャストネットワークやスタートアップも買収した。

Pandoraは親会社であるSiriusXMの資産を活用してトークショーをポッドキャストにしたり(未訳記事)、ポッドキャストと音楽の新しいフォーマットであるPandora Storiesを開発したりしている(未訳記事)。アマゾンはAudibleのポッドキャストをプレミアムコレクションとしてまとめ、プライム会員に提供している。

一方のアップルは、Apple Keynotesや四半期ごとの業績発表といった一般的な企業活動をポッドキャストとして公開している。Apple Storeでは以前にポッドキャストをテーマにしたイベントを開催していたが、アップデートされていない。Apple Newsは「Apple News Today」をプロデュースしている。Apple Musicは「The Zane Lowe Interview Series」や「Songs for Life」をプロデュースし、Apple Musicでもストリーミング配信している。

Apple Booksはオプラ氏のポッドキャストの共同制作者であって、Apple TV+の共同制作者ではない。したがって、Apple TV+と連携した初のシリーズとして「正式に」カウントすべきではないかもしれないことは付記しておきたい。

Spotifyの取り組みとは異なり、アップルのポッドキャストはまさにポッドキャストだ。すなわち、Apple Podcastsで無料で聞くことができ、ポッドキャスト形式の条件であるRSSを利用してほかのポッドキャスト聴取アプリに追加することができる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

「ムーラン」の配信でDisney+アプリのダウンロード数が前週比68%増加、7月の「ハミルトン」には及ばず

Disney(ディズニー)の実写リメイク版「Mulan(ムーラン)」は、劇場公開に先駆けDisney+で追加料金30ドル(約3180円)で公開された。初期のデータによるとこの作品のおかげでDisney+モバイルアプリのインストール数は1週間前に比べて68%増加した。消費者が同期間にアプリ内で支払った金額も193%増加している。

このデータはアプリストア情報会社のSensor Tower(センサータワー)が発表したもので、同社によると「ムーラン」によるダウンロード数の上昇は、Disney+がブロードウェイミュージカルの 「ハミルトン」(ハミルトン)を配信したときには及ばなかった。「ムーラン」が9月4日の金曜日から6日の日曜日にかけてインストール数を68%押し上げたのに対して、「Hamilton(ハミルトン)」が2020年7月3日に公開された際には、7月3日~5日のインストール数が1週間前の同期間と比べて79%増加した。

Sensor Towerのデータは増加パーセンテージにのみに注目しているが、別のアプリ調査会社であるApptopiaはDisney+アプリのダウンロード数の初期推定数を発表している。

同社の調べによると、9月4日金曜日から6日日曜日にかけて、Disney+モバイルアプリは全世界で約67万4000回ダウンロードされ、うち40万回が米国だった(このデータはインドのアプリ「Hotstar」は含んでいない)。

これは直近4回の週末(8月7~9日、14~16日、21~23日、28~30日の各金曜日から日曜日)の平均と比べて42.7%の増加に当たる。

ApptopoiはSensor Towerとは異なる角度からデータを観察しているが、両社はある点では一致している。「ムーラン」はインストール数を促進したが「ハミルトン」ほどの影響はなかった。

Apptopiaによると、「ハミルトン」は全米で約45万8000人の新規ユーザーをもたらし、インドを除く全世界手78万人以上のユーザーを獲得した。

ただしこのデータは「ムーラン」の効果をすべて言い表しているわけではない。それは2社がアプリの新規インストールや消費金額といったモバイルデータにのみ注目しているからだ。Disney+の顧客ベースの大部分はテレビで、ゲーム機やFire TV、Rokuなどのでインターネット接続デバイスを通じて視聴している。パソコンのウェブでストリーミングしている人たちもいる。

不完全な観察かもしれないが、モバイルのインストール数データは、一般的トレンドを見る点においては意味がある。「ムーラン」の場合、一部のファンの間でボイコット騒ぎが起こっていた(CNET記事)ものの、Disney+での公開が新規ユーザー獲得に貢献したことは事実のようだ。

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画像クレジット:The Walt Disney Company

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleが新たに無料、割引で提供できる「サブスクリプションオファーコード」を導入

Apple(アップル)はサブスクリプションの仕組みに変更を加える。別に政府から反トラスト法(独占禁止法)調査を受けたりEpic Games(エピック・ゲームス)との訴訟を抱えているからといって、同社の取り分を減らすわけではない。アップルは開発者が新しい「オファーコード」の機能を使ってサブスクリプションを提供できるようになると発表した。開発者はユーザーに1回限りのコードをデジタルまたはオフラインイベントで印刷して配布し、無料または割引価格でサブスクリプションを提供できる。

同社によれば、この機能により開発者が加入者を獲得、維持、再獲得するのに役立つとのことだ。

開発者は新しいコードに付す価格オプションを3つの中から選択できる。期間は開発者が選択する任意の長さに設定できる。無料オファーコードでは、加入者は試用期間中無料でサービスにアクセスできる。従量課金制オファー(pay-as-you-go offer)では、加入者は一定の期間中、毎回の請求時に割引料金を支払う。例えば月額1.99ドル(約210円)で試用し、数カ月後に月額9.99ドル(約1060円)の標準サブスクリプションに変更する。3番目のオプションの前払いオファー(pay-up-front offer)では、加入者は一定の期間に対し一括価格を、例えば6カ月のサブスクリプションに対し9.99ドル(約1060円)を前払いする。サブスクリプション更新時に、開発者は標準価格を導入できる。

画像クレジット:Apple

オファーコードは電子メールのようにデジタルで配布したり、イベントで渡したり、物理的な製品(サブスクリプションがついているハードウェアデバイスなど)と一緒に提供したりできる。

コードは作成後最大6カ月で有効期限が切れる。ユーザーは1つのコードにつき1回しか恩典を受けられないが、開発者が選択する構成よっては、1つのサブスクリプションで複数の恩典が利用できる場合がある。

ユーザーは1回限りのコードのためのURLにアクセスすれば、iOS 14かiPadOS 14以降のバージョンでコードの恩典が受けられる。もしくは開発者のアプリがコードの受け入れに対応するAPIを実装している場合は、アプリ内でコードが使える。アップルはコード使用に関するその他全部の手続きの運営を担う。オファーの詳細を表示する画面、アプリのアイコン、サブスクリプションの表示名、期間、価格などだ。

開発者がこの機能を使うには、レシート検証やステータス更新通知受信のためにサーバーの設定が必要だ。このため、小規模な開発者やアプリのためのサーバーを設けていない開発者は使えない可能性がある。

オファーコードがあれば開発者はアプリを初めて使うユーザーに従来なかったエクスペリエンスを提供することもできる。例えば有料サブスクリプションの価値やその機能を強調することが考えられる。

新しいオファーコードは、アップルがすでに用意している2つのサブスクリプションオファーであるお試しオファーとプロモーションオファーに加わることになる。アップルによると、開発者はビジネスの目的に応じて、任意の組み合わせを選ぶこともできるし、3つのオファーを同時に提供できることも可能だ。

開発者からは、サブスクリプションをエンドユーザーに提示する方法について柔軟性を求める声が上がっていた。ユーザーは通常、事前にアプリを使ってみなければ有料でサブスクリプションを始めようとは思わないからだ。

ただし、オファーコードはアップルのサブスクリプションからの取り分が高すぎるという開発者の不満への回答にはなっていない。アップルの取り分は、1年目が30%、2年目以降は15%へと下落する。開発者が顧客開拓やアプリの宣伝のために実際に電子メールを送ったり見本市へ出席したりして新規に顧客を獲得したときは、自身の決済の仕組みに誘導する方法もある。ただしアップルが認める条件の下で、といった議論は残る。一方オファーコードは、アップル独自の決済の仕組みであるApple Pay(アップルペイ)を介して新規加入者を誘導する方法の1つだ。

アップルによると新しいオファーコードは間もなく利用可能になる。(日本語版サイトには「今年の終わりには」とある)

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾンが不動産管理者向けのAlexaサービス「Alexa for Residential」を開始

アマゾンは、不動産管理者にAlexaを提供したいと考えている。米国時間9月3日朝、同社は新サービス「Alexa for Residential」の提供を開始した(Amazonブログ記事)。これは、コンドミニアムや集合住宅などの建物で、不動産管理者がAlexaを使ったスマートホーム体験を簡単に設定・維持できるようにすることを目的としている。米国の大手不動産会社である、IOTAS、STRATIS、Sentient Property Servicesの3社は、開始時にAlexa for Residentialサービスを利用する最初のスマートホームインテグレーターとなる。

Alexa for Residentialは、Amazonのアカウントを持っていない人でもAlexaをスマートホーム管理のためのツールにしようというものだ。新しい居住者は、自分のデバイスを購入したり、何かを設定したりする必要はない。代わりに、住居備え付けのEchoデバイスに話しかけて、彼らの住居で利用可能なさまざまなスマートホーム機能を制御し、基本的なAlexaの機能を使用することができる。

物件管理者は、各住居ごとにAlexaのカスタムスキルを作成して、入居者にメンテナンスの依頼を出したり、アメニティの予約をしたり、Alexaを介して家賃の決済ができる。

居住者が自分のAmazonアカウントを持っている場合、住居備え付けのEchoデバイスにリンクすることも可能だ。一度リンクされると住民は、音楽のプレイリストを聴いたり、Alexaデバイスから友人や家族を呼び出す機能などAlexaのすべての機能を使えるようになる。

居住者が自分のアカウントをリンクさせた場合、不動産管理会社は顧客の個人データにアクセスすることはできなくなる。またAlexa for Residentialでは、入居者の録音した音声は毎日削除される。

しかし、入居者の賃貸契約が終了したり、退去したりした場合には、スマートホーム管理のためのデバイスの既存の設定を中断することなく、不動産管理者がリモートでデバイスをデフォルト設定にリセットして、次の入居者に備えられるようにすることができる。

今回の発売によりアマゾンは、消費者へのEchoデバイスの直接販売を増やさなくても、Alexaの普及を拡大できる市場へのさらなる投資を行うことになる。

アマゾンは以前にもこの分野でパートナーシップを組んでおり、2018年11月には現在PayLeaseの子会社となっているZegoと提携(Business Insider記事)し、3万戸のアパートにAlexaスマートホームデバイスを展開していた。同じく2018年には、RedAwningをパートナーにして不動産管理ツールをローンチした(Property PortalWatch記事)。これはもともとはホテル用だったAlexa for Hospitalityサービスによって実現した。休暇用レンタルサービスも同様の統合を目的にAlexaを利用(Vrmintel記事)している。この分野向けに設計された不動産管理やAlexaのスキルを対象とした、独立したスマートホームテクノロジープラットフォームもある。

もっと広く言えば、アマゾンは他のサービスをロールアウトし、2018年のAlexa for Hospitalityの立ち上げや、Lennarのような住宅建設業者との取引のようにB2B取引を通じて住宅でのAlexa使用を拡大する可能性のあるパートナーシップを発表している。こうした取り組みが成功しているかどうかはまだ判断がつかない。共有デバイスがプライバシーの問題を引き起こすと感じている人(Phys.org記事)もいれば、ほかの設備がうまく配備されていないと感じている人(PhocusWire記事)もいるなど、メリットとデメリットがあるからだ。

しかし、アマゾンはこの最新サービスのアイデアを、不動産管理者が収益を増やすための方法として売り込んでいる。同社は、84%の賃借人がスマートホームのアメニティを備えたアパートを希望しており、61%が音声アシスタントの月額料金を支払うと述べた全米アパート協会のデータを引用している。

とはいえ、このデータは新型コロナウイルスの感染が蔓延している現在の経済を反映していないだろう。現在は失業者が増え、経済に大混乱をもたらしている。 Alexaデバイスとその使用のための追加コストはいまでは必需品ではなく、より贅沢なものとして見られるかもしれない。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国のGoogleポッドキャストに機械学習でニュースをカスタマイズする機能が登場

2019年にGoogle(グーグル)は、Googleアシスタントでオーディオニュースをカスタマイズする「Your News Update」というプレイリストをリリースした(未訳記事)。機械学習の技術を活用してニュースコンテンツを理解し、そのコンテンツがリスナーの好みや関心とどう関連するかを判断する機能だ。米国時間9月2日、グーグルはオーディオのカスタマイズをGoogleポッドキャストに広げ、米国の数百万人のポッドキャストリスナーに提供すると発表した(Googleブログ)。

Your News Updateを購読するには、Googleポッドキャストアプリを起動し、Exploreタブでいくつかのストーリーを購読して聴く。これにより、関心や地域、履歴、設定が反映されるようになる。

画像クレジット:Google

Your News UpdateはAlexaで人気のFlash Briefingをさらに賢くした機能として設計された。現在、Alexaユーザーは1万種類を超えるFlash Briefingのスキルからニュース提供元やコンテンツを追加して自分のFlash Briefingをカスタマイズすることができる。しかしこの作業はユーザーがやらなくてはならない。

Your News Updateは、グーグルがユーザーの関心を理解することで、この面倒な作業をアルゴリズムに任せる。

カスタマイズではユーザーがGoogleに対して明示的に提供しているデータが考慮される。フォローして関心を示したトピック、ニュース提供元、地域などだ。これに加えグーグルは、ユーザーのグーグル製品利用状況から収集したデータ(Googleアカウントの設定)を利用し、ユーザーの関心に応じてニュースをさらにカスタマイズする。ただしユーザーは自分のアカウント設定のページでカスタマイズをオフにすることができる。

Your News Updateの下にあるGoogleアシスタントのリンクから、ニュースのアルゴリズムの仕組みを詳しく説明したウェブサイトにアクセスできる。グーグルは、ニュースのアルゴリズムではユーザーの政治的信条や属性に基づくカスタマイズはしないと説明している(Googleの説明ページ)。

とはいえ、GoogleニュースやDiscoverで特定のパブリッシャーをフォローしたり非表示にしたりする、あるトピックをフォローする、似た記事をもっと多くまたは少なく表示するように指定するといったアクティビティから、グーグルは知り、学んでいく。

つまりグーグルはYour News Updateを組み立てるために、ユーザーに関して知っている豊富な情報と、ユーザーが好みに合わせてニュースをカスタマイズした行動についての知識を組み合わせる。

これが有効に働く場合もある。例えば好きなスポーツチームや地元の最新ニュースを受け取ることができる。ユーザーを左派寄りあるいは右派寄りのニュース提供元に誘導しようという意図はないだろうが、カスタマイズ技術の仕組みとグーグルのパブリッシャーのラインナップに基づいて結果としてそうなることはあり得る。グーグルのラインアップには左派寄りと右派寄りの両方のニュース提供元(ad fontes mediaサイト)がある。

画像クレジット:Google

さらにグーグルはサービス開始にあたって、ユーザーの使い方から学ぶのでGoogleアシスタントの機能を使えば使うほど適切にカスタマイズされるようになると述べている。

ポッドキャストのアップデートとあわせて、グーグルはGoogleアシスタントで地元の話題を簡単に聴けるようにする。「Hey Google, play local news(ローカルニュースを再生して)」「Hey Google, play news about [your city]((街の名前)のニュースを再生して)」と話しかければ、ネイティブ音声とテキスト読み上げのローカルニュースのミックスを聴くことができる。この機能を利用すると、Your News Updateの選択にも反映されるようになる。

画像クレジット:Google

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(翻訳:Kaori Koyama)

SnapchatがTikTok不安に乗じて8月絶好調、当月だけで2850万回インストール

TikTok(ティクトック)の将来に関する長引く不安が、8月のSnapchat(スナップチャット)に大きな恩恵をもたらしたかもしれない。あるいはバイラルに広がった、目をディズニー風に変えるフィルター(PopSugar記事)のおかげなのか。いずれにせよ、アプリストア調査会社のSensor Tower(センサータワー)の暫定データによると、SnapchatのモバイルアプリはiOSとAndroidを合わせて8月だけで2850万回インストールされた。これは2019年5月に4120万回インストールされて以来の月間記録だ。

ただし、2019年5月はSnapchatの歴史では例外的だった。2019年5月以外に今年8月の月間ダウンロード数を超えたのは2016年12月だけだったことをSensor Towerのデータは示している。

同社の調査によると、Snapchatのダウンロード数は2020年8月に対前年比29%増を記録し、前月比も9%増だった。どんなトレンドの組み合わせがSnapchatに先月のダウンロード数をもたらしたのかはよくわからない。

しかし、今ソーシャルアプリ業界の関心が集中しているひとつの話題は、米国でのTikTok禁止の可能性にまつわるニュースだ。禁止に関するニュース報道はすでにここ数週間のアプリストアランキングに明白な影響を与えている。8月にTikTokの直接の競合アプリである、Likee、Byte、Dubsmash、Trillerなどの米国の週間アクティブユーザーは明らかな増加を見せた。しかし、トランプ氏の大統領令で中国製ビデオアプリが実際に米国から追放されたとき、はっきりとTikTokに取って代わるであろう製品は出てきていない。

TikTokの直接ライバルではないSnapchatも、短尺ビデオアプリを好む同じ若者層を引きつけようとしている。今月Snapchatは、TikTokユーザーへのアピールを狙う新しい音楽機能をスタートさせる計画を発表した。今秋開始予定の同機能を使うと、ユーザーはTikTokと同じように動画に音楽を付加できるようになる。Snapは、Warner Music Group、Warner Chappell、Univerasal Music Publishing Group、NMPAメンバーのMerlinなどといった音楽業界のトップパートナーと各社のコンテンツをSnapchatアプリで使用するライセンス契約を結んだことを発表した。

画像クレジット:TechCrunch(App Storeのスクリーンショット)

Snapchatは7月にも新機能の「Minis」を公開(未訳記事)した。これはSnapchatのチャット画面で動作する一連のミニアプリだ。HTMLを使ってつくられたアプリは、チケット購入やHeadspaceを使った瞑想、友だちとのコラボレーションなどをアプリを離れることなく行える。

SnapchatはApp Storeの目立った位置にいることの恩恵も受けている。アップルは今、App Storeの「App」画面に「New to iPhone?」と名付けた編集者の集めたお勧めアプリを掲載している。ここでは初めてのiPhoneユーザーがダウンロードしたがるお勧めアプリの一覧を、スクロールダウンすることなく見ることができる。

ダウンロード数増加の理由としてほかに考えられるのが宣伝費の増加で、大型アプリの提供元ではよくあることだ。ただしSnapchatは8月に何を変えたかについて具体的にコメントしていない。

さらに言ってしまえば、 #disneyfilterのタグを付けられた6640万本のTikTokビデオが、8月のSnapchatに幸運をもたらしただけかもしれない。

Sensor Towerの最新Snapchatデータは暫定値とされており、これは8月26日までのデータしか対象になっていないためだ。8月の残りの日々が算入されれば結果は多少変わるかもしれないが、あってもごくわずかだろう。

なお上記の数値は当初Sensort Towerのフィナンシェサービスユーザーの1社がアナリストノートの中で報告したもの(Benzinga記事)で、Sensor Towerのデータレポーティングチームは公表していない。しかし、同社はTechCrunchにデータは正確であると確認した。

Snapchatは7月のQ2決算時点で、1日当たりアクティブユーザー数2億3800万人で4月の2億2900万人から4%近く増加したことを報告(CNBC記事)した。新規ダウンロード数についてはコメントしていない。

画像クレジット:Denis Charlet / AFP / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ゲーミングビデオ実況配信のTwitchがみんなで視聴できるウォッチパーティー機能をグローバル展開

Twitch(ツイッチ)はゲーミングビデオ実況配信の場所以上のものになろうとしている。昨秋、Amazon(アマゾン)傘下のTwitchは「Watch Parties(ウォッチパーティー)」という新機能のテストを開始した。

ウォッチパーティーでは、クリエイターがAmazonプライムビデオのコンテンツをAmazonプライムのビューワーにストリームできる。今春、Twitchはウォッチパーティーを米国で最大のストリーミングチャンネルで使えるようにし、プライムビデオが扱う70以上の映画やテレビ番組のサポートで提供を開始した。そして9月2日、世界中のクリエイターがウォッチパーティー機能を使えるようになった、と明らかにした(Twicchブログ投稿)。

グローバル展開により、Twitchストリーマーはそれぞれの地域で提供されているプライムまたはプライムビデオにある作品でウォッチパーティーを主催できる。もちろん、もしクリエイターが居住国外のオーディエンスにストリーミングするときは、オーディエンスのみんなが視聴できるコンテンツを探したい。そうしたコンテンツは「Broadly Available」というラベルで見つけることができる。Twitch上の大半のプライム会員が視聴できる、という意味だ。

コンテンツが視聴者にストリームされる際は、ストリーマーのウェブカメラがチャットの上のビデオプレイヤーに表示される。なので視聴者みんながどのような反応をしているのかを見ることができる。視聴者は、Bitsのような機能を使ったりストリーマーをフォローしたりするなどしてストリーマーに対するサポートの意を示すことができる。

ウォッチパーティーを使うには、ストリーマーは最初にストリームマネジャーにウォッチパーティーQuick Actionを加え、それからウォッチパーティーを自分のプライムまたはプライムビデオアカウントとつなげる。ストリームするときは観たいテレビ番組やビデオを選んでライブするだけだ。

この機能の提供は、コビューイング体験が新型コロナウイルスのために注目されつつある中でのものだ。隔離やロックダウンで家に閉じこもっている人々が家族や友人とつながるためにコビューイングに目を向けた。米国ではパンデミック初期にブラウザ拡張機能のNetflix Party(ネットフリックスパーティー)が流行り、それ以来、プライムビデオやHulu(フル)を含む大手ストリーミングサービスがそれぞれコビューイング機能を展開してきた。

Twitchはまた、パンデミック中にゲームではないコンテンツの「ホーム」としての引き合いがあることも気づいた。たとえば、ミュージシャンはファンにストリームするためにTwitchに目を向けた。(未訳記事)。「Just Chatting」のようなTwitchのサイトもまたブームになった(The Verge記事)。

Twitchは、ウォッチパーティーをモバイル端末でも利用できるよう取り組んでいるとのことで、今後数カ月以内に提供される見込みだ。

画像クレジット: Twitch

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(翻訳:Mizoguchi

iOS版のAmazonアプリが刷新、基調色が変更され、片手操作UIが進化

Amazonアプリが刷新されている。すでに新しいバージョンを見ている人もいるだろう。iPhone版で配色やナビゲーションが変更されている。この変更は夏のはじめから米国のiOSユーザーに対して公開がスタートし、9月末までには米国のiOSユーザーすべてに行き渡る予定だ。米国以外の市場では今年中にアップデートされ、その後Android版がリリースされる。

Amazon(アマゾン)はショッピングアプリの変更を公表していなかったが、iPhone版のアップデートはモバイルユーザーがよく使う機能に簡単にアクセスできるようにする大きな計画の一部であることを認めた。

同社によれば、アプリの新しいバージョンはまず米国、カナダ、ヨーロッパ、中国、日本、中南米で利用できるようになり、それからその他の市場で公開するという(訳注:日本でもすでに公開されている)。

画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)

おそらく、Amazonアプリが明るく見えることにまず気づくだろう。アプリ上部のナビゲーションバーが新たにブルーからグリーンのグラデーションで標準化されたためだ。しかしもっと大きな変更は、アプリの色使いではなく動作だ。

ユーザーはたいていiPhoneを片手で操作しているが、デザイン変更の大きな目的は片手での操作でも探しているものを簡単に見つけられるようにすることだと同社は説明している。

新しいアプリを使ってみると、画面下部に新しい「クイックアクセス」バーがあり、よく使う機能へのショートカットが配置されていることに気づくだろう。このバーの左端にはホーム画面へのリンクがある。ホーム画面にはユーザーに合わせたおすすめの商品やプログラム、時期ごとのコンテンツが表示される。その右はプロフィールのアイコンで、タップするとアカウントページへ移動し、注文履歴やほしい物リスト、表示履歴などのアカウントサービスを利用できる。

さらにその右のボタンをタップするとショッピングカートへ移動する。購入履歴から再び購入することもできる。

右端のボタンは「ハンバーガー」メニュー(水平線が3本重なっているアイコン)で、片手でAmazonアプリを操作して上述のページ以外のところへ移動したい場合に使う。このアイコンから、カテゴリーやプログラムなどをブラウズして探すことができる。

画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)

画面に表示されているリンクはこれまでよりもずっと大きな文字になり、小さい画面でも見やすい。

残念ながらアマゾンは、増加し続けている「プログラムと機能」を整理する方法をまだ編み出していないようだ。現在、このセクションには、Amazon LaunchpadやAmazonパントリーなど同社の多様な取り組みがランダムに並べられている。

そもそも「プログラムと機能」という項目名もあいまいであまりにも汎用的だ。整理されていないことがうかがえる。また、例えば米国ではAmazonフレッシュが「プログラムと機能」と「カテゴリー」の両方に配置されているが、その理由もよくわからない。

しかし同社は、何か構想があってそうしているのだろう。例えば食料品の通販は、新型コロナウイルス感染拡大の中でeコマースの売上(CNBC記事)を牽引している(Variety記事)。食料品のサービスへのリンクを、ホーム画面最上部のメインナビゲーションなど、至るところに置いて見つけやすくしても損はない。

ホーム画面最上部のメインナビゲーションには、米国ではWhole FoodsとAmazonフレッシュの2つの食料品サービスのほか、Alexaリスト、プライム、ビデオ、ミュージックが置かれている。2つの食料品サービスを1つにまとめれば、画面表示エリアを有効活用できるのだが(訳注:日本では、メインナビゲーションにプライム、ビデオ、ミュージックがある)。

画像クレジット:Amazonアプリ(スクリーンショット作成はTechCrunch)

他のところもデザイン変更でレイアウトが変わっている。

例えば画面最上部にはシンプルになったナビゲーションバーがあり、タップするとすぐにテキストやカメラで検索したり、Alexaを利用したりすることができる。

同社の広報担当者はTechCrunchに対し、新しいアプリの詳細とリリースのスケジュールについて認めた。

広報担当者は「iPhone版のAmazonアプリはデザインが新しくなり、お客様はどこにいても、よく使う機能にこれまでより簡単にアクセスできる。よく使う機能とはホームページ、アカウントと注文の情報、カート、そしアマゾンのカテゴリーやプログラムをブラウズして発見する機能だ」と述べた。

App Storeでアプリのルック&フィールを紹介する画像は、以下に示すとおり、まだ更新されていない。

画像クレジット:Amazon

モバイルに関する変更が常に注目に値するものではないが、この刷新はこれまでの同社のアップデートの中でも大きなものだ。メインのナビゲーションが完全に違う場所になり、配色も変更されている(ただし、アプリのアイコンは変わっていない。クラシックなデザインで、濃いブルーが使われている)。

AmazonアプリはiPhoneで最も多く使われているアプリのひとつで、米国のApp Storeではトップ20に入っていることが多いのも注目すべき点だ。原文記事執筆時点では、米国のアプリの総合ランキングで26位になっている。

【訳注]アプリの画面に表示される項目や同社のサービスについての記述は日本のアプリやサービスに合わせたため、原文とは一部異なる。

画像クレジット:Thomas Trutsche / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

米国のガソリンスタンドでAmzon Alexaによる音声決済が可能に

1月にAmazon(アマゾン)は、ガソリンスタンドでAlexaのユーザーが、Echo AutoなどのAlexa対応モビリティデバイスを使って、音声コマンドで代金を決済できる機能を発表した。同社によると米国時間9月1日、その機能が全米1万1500カ所のExxon(エクソン)とMobil(モービルのスタンドで使えるようになったと発表した。決済処理を開始するには、顧客がまず「Alexa, pay for gas」(Alexa、ガソリンの代金を払って)と言う。

アマゾンはFiservとチームを組んで、給油機の起動から、決済の安全を守るためのトークンの生成までを自動化した。ただし、取引そのものはAmazon Payが処理する。そして顧客のAmazonアカウントに保存されているのと同じ決済情報が使われる。

立ち上げに際して同社は、この機能はEcho AutoなどのAlexaデバイスで使えるようになるが、ほかにAlexa対応の車や、iOSやAndroidのAlexaアプリでも利用可能だという。

前述のように「Alexa, pay for gas」でこの機能は起動するが、そのときAlexaはガソリンスタンドの場所や給油機の番号を確認してから給油機を起動する。

この機能は、給油機に決済カードを挿入するだけのやり方に比べて早くはないし、容易でもないかもしれない。しかし、状況によっては便利だろう。給油機を認証しているときユーザーは社内にいられるから、寒いときは助かる。ガソリンスタンドで一人で給油するのが不安な女性などにも歓迎されるだろう。夜や知らない町ではなおさらだ。今の新型コロナウイルスの感染蔓延のご時世には、給油機の向こう側にいるお客と十分な時間ソーシャルディスタンスを保てるし、給油機を操作する時間も短い。

ただし残念ながら、給油そのものはAlexaがやってくれない。自分でやるしかない。

画像クレジット: Amazon

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

友人に映画を貸し出す「Screen Pass」機能をMovies Anywhereが正式公開

デジタル映画統合サービスのMovies Anywhereは、購入した映画を友だちや家族に貸すことのできる映画共有機能を米国時間9月1日から正式公開する。この機能は2020年3月に急遽ベータテストが開始され、4月には範囲を広げた公開ベータトライアル(未訳記事)にこぎつけた。新型コロナウイルス(COVID-19)による政府のロックダウンで家に縛り付けられた消費者の需要が増加したおかげだ。

Movies AnywhereアプリではiTunes、Vudu、Prime Video、YouTube、Xfinity、その他数多くのサービスで購入した映画をまとめて管理できる。

現在同アプリは、Disney(ディズニー)、Universal(ユニバーサル)、WB(ワーナー・ブラザース)、Sony Pictures(ソニー・ピクチャーズ)、および20th Century Fox(20世紀フォックス)各社が提携して運用している。2014年にDisney Movies Anywhereとして出発したこのアプリは、2017年に新たなプラットフォームへと進化した。さらに運用パートナーの追加に対応し、再ブランド化もされて現在は過去とは異なる事業として運営されている。

2020年4月にMovies Anywhereは、同社アプリの扱う6000以上のタイトルがScreen Pass対応していると発表した。その後、「Who Framed Roger Rabbit?(ロジャー・ラビット)」や「A Star i Born Encore(アリー / スター誕生アンコール・バージョン)」、「The Muppets(ザ・マペッツ)」、「National Treasure(ナショナル・トレジャー)」など500タイトルが追加された。その結果ライブラリーのタイトルの80%以上が今回の新機能を使って共有できる。

画像クレジット:Movies Anywhere

作品を共有するには、タイトルのScreen Passアイコンをクリックし共有相手の情報などを入力する。共有する映画はショートメッセージやメールで相手に送ることができ、送られた方は1週間以内に受け入れる。その後はデジタルレンタル映画とほぼ同じように機能し、受け手は14日以内に鑑賞を開始し、見始めてから72時間以内に完了しなくてはならない。ただしレンタルとは異なり、料金を払う必要はない。共有する側も見る側も無料だ。

Screen Passのベータテストの初期データは、同機能には新規の会員獲得や購入を促進する可能性があることを示していると同社はいっている。

ScreenPassを使って映画を共有した人の45%は、初めに誰かから映画をシェアされからだったと答えた。シェアされた側の30%はMovies Anywhereのプラットフォームを初めて使った。ごく少数の作品が共有総数の約9%を占めた。「Ready Player One(レディ・プレーヤー1)」、「The Prestige(プレステージ)」、「Tombstone(トゥームストーン)」、「The Mule(運び屋)」、「Bad Times at the El Royale(ホテル・エルロワイヤル)」、「Jaws(ジョーズ)」などだ。このデータは、Screen Passが多くの人の予想とは異なり、新しい作品だけでなく旧作にも利用されていることを示している。

また、共有した人の約半数(53%)が自分で作品を選んでおり、47%が相手に選ばせた。ただしこれはScreen Passのベータテストのやり方によるかもしれない。受け手は他のメンバーからの共有を受け入れることでベータテストに参加したからだ。初期のテスターの中には、映画をシェアすることで友だちをテストに招待した人もいたに違いない。

Screen Passによる共有に加えて、Movies Anywhereは共同視聴機能(Engadget記事)のWatch Togetherを最近公開した。最大9人まで同じ映画を同期して見ることができる。Watch TogetherはScreen Passの機能を利用していて、HuluAmazonなどの類似機能やScener(未訳記事)、Netflix Party(Business Insider記事)などのサードパーティー製品と競合することになる。

Screen Passは米国の全Movies Anywhereユーザー向けに米国時間9月1日公開される。Movies Anywhereアプリは、iOS、Android、Apple TV、Roku、Kindle Fire、Amazon Fire TV、Chromecast、LG、VizioスマートTVなど広くさまざまな機器で利用できる。

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年額約1万円で送料無料になる即配サービスWalmart+が全米で9月15日登場、ガソリン割引やレジなしチェックアウトも実現

Walmartm(ウォルマート)は米国時間8月31日、新しい会員制サービスとAmazonプライムのライバルである「Walmart+」を正式に発表した。年間98ドルのこのサービスは、食料品をはじめとする数千点の商品を無料で無制限に当日配達してくれるほか、燃料割引やウォルマートが所有するSam’s Club(サムズ・クラブ)と同様の新サービスであるScan & Go(スキャン&ゴー)へのアクセスなどの追加特典があり、会員は行列に並ぶことなくウォルマートの店舗でチェックアウトすることができる。

このサービスは全米で2020年9月15日から開始され、宅配サービスを提供する2700店を含む4700店以上のウォルマート店舗で利用できるようになる。会員は、15日間の無料トライアル期間後に年間98ドルを支払うか、月単位で12.95ドルを支払うかを選べる。

この新しいプログラムの開始時には、16万点以上の商品を合計35ドル以上の注文に対して配達ごとの手数料なしで当日配達することを約束している。これはウォルマートの既存サービスであるDelivery Unlimited(デリバリー・アンリミテッド)プログラムが提供している内容と同じだ。なお、Walmart+の開始に伴い「デリバリー・アンリミテッド」会員は、リブランドされたさらに拡大サービスに移行できることになる。

デリバリーの節約に加えて、新しいWalmart+会員は、全国の約2000のウォルマート、Murphy USA、Murphy Expressのステーションで、あらゆる種類の燃料で1ガロンあたり最大5セントの燃料割引を受けられる。Walmart+会員は、ウォルマートのモバイルアプリを使用して、QRコードをスキャンするか、ポンプでPINコードを入力するだけでOKだ。今後、このプログラムはSam’s Clubのガソリンスタンドにも拡大していく予定とのこと。

Walmart+の会員であれば、スキャン&ゴー会員特典はレジの列に並ぶことなく支払いを済ませられる。新型コロナウイルスの感染蔓延の中、店舗にいる時間は新型コロナウイルスの保菌者と接触している可能性が高まる。ウォルマートのアプリを使用して、顧客は買い物をしながら商品をスキャンし、ウォルマートペイを使用して支払いを済ませることで、タッチフリーのチェックアウトを体験できる。

ウォルマートは2年前、店舗でレジなしのスキャン&ゴー技術をテストしていたが、買い物客が盗難に遭ったため、このプログラムを中止(Business Insider記事)していた。今回は有料サービスになるため、スキャン&ゴーを利用する人は減り、店舗スタッフが盗難などの問題に対処するのに役立つかもしれない。

Walmart+の注文は、「デリバリー・アンリミテッド」と同様に店舗のスタッフがピッキングした後、Postmates、DoorDash、Roadie、Point Pickupなどのパートナーに引き渡されて配達される。しかし、エンドツーエンドの体験を所有していないことは消費者に問題を引き起こす可能性がある。配達体験が悪ければウォルマートの評判を落してしまうし、中間業者が関与している場合は顧客サービスの問題は必ずしも直接対処できない。ウォルマートはまた、配達パートナーが次々に現れては消えていくのを目の当たりにしてきた(Grocery Drive記事)。

ウォルマートは今回の新しいプログラムについて、Amazonプライムのライバルではないと主張している。しかし、何割かのプライム会員を引きつける魅力はあるだろう。

「ウォルマートは、他の何かと競合する意図でWalmart+を立ち上げているわけではありません。私たちは顧客のニーズを念頭に置いて開始しているのです」と同社のCCO(Chief Customer Officer)であるJaney Whiteside(ジェイニー・ホワイトサイド)氏は説明する。

「もちろん、より多くの顧客を獲得し、顧客のロイヤルティを高めることを願っていますが、ウォルマートほどの規模を持ち多くの人々にサービスを提供している場合、これは顧客の数を倍増させ、より多くの売上と心のシェアを得るためのものです」と同氏は付け加えた。

Amazonプライムは、より広範囲なプログラムで、数千万点の商品を2日以内、1000万点以上の商品を1日以内の配達で提供している。さらに、35ドル以上の注文では300万点以上の商品を当日配達となる。Walmart+では、Walmart.comがすでに35ドル以上の注文であれば、会費なしで1日または2日ぶんの送料を無料で提供しているため、即日配送に力を入れている。

またAmazonプライムは、無料の音楽、ビデオ、オーディオブック、Kindle本などへのアクセスのように、そのほかにも膨大な特典を提供している。これらはWalmart+にはないものだ。

それでも、多くの顧客にとってAmazonプライムの価値は、スピーディーな配送が約束されていることに根ざしている。しかしそれと同時に、アマゾンは長年にわたってAmazonプライムの購読価格を段階的に引き上げ、現在では年払いの場合119ドル、月12.99ドルと、顧客の忠誠心の限界を試している状態だ。Walmart+は、年間98ドル、月12.95ドルとAmazonプライムを下回っているが、新型コロナウイルスの感染蔓延の間に急速に成長したターゲット市場であるオンライン食料品店の買い物客を主なターゲットとしている(Supermarket News記事)。ちなみにウォルマートは最近、パンデミックの影響によりオンライン食料品を中心とした自社のEコマースの売上高が前四半期に97%増加したと報告している。

一方、2017年にWhole Foods(ホールフーズ)を買収(未訳記事)して以来のアマゾンの食料品戦略は、まだ合理化されていない。アマゾンは現在も、Amazon Fresh(アマゾンフレッシュ)とホールフーズという2つの異なるオンライン食料品サービスを提供し続けており、ピックアップとデリバリーの選択肢が多様化しており、潜在的に消費者の混乱を招いている。

しかし、今回の新型コロナウイルスの感染蔓延は、アマゾンやウォルマート、そしてTarget(ターゲット)のような米国の大手小売業者の売上高の大幅な増加につながり(Vox記事)、最近の四半期には各社が目覚ましい収益を報告している。

ウォルマートの新しいサブスクリプションプログラムの計画は以前にも報告されており、試験運用のウェブサイトもしばらくの間稼働していた。8月にウォルマートの最高経営責任者(CEO)であるDoug McMillon(ダグ・マクミロン)氏は決算説明会で「配送を中心とした会員制プログラムの立ち上げに向けて準備を進めている」と投資家に語った。同氏はその際、昨年発売されたウォルマートの既存の「デリバリー・アンリミテッド」サービスが、より広範なプログラムのための「新サービスを提供する素晴らしい基盤」となることにも言及していたが、発売時期については明らかにしてこなかった。

以前の報道によるとこのサービスには、時間枠を確保した食料品店へのアクセス、プロモーション情報、最終的にはWalmart+クレジットカードのような他の特典が含まれるとされていた。同社は「小売業者は、Walmart+の特典は時間の経過とともに拡大していくだろう」とだけ述べ、その計画について話すことは拒否していた。

「どのような優れた会員制サービスでもそうですが、これらの特典は固定的なものではありません。当社は、当社の資産と規模を活用して、これまでにない価値のあるソリューションを提供し続けます。将来的には、当社の幅広い強みを活用して、サービスとサービスの両方で会員の皆様に付加的な特典を提供していきたいと考えています」とCCOのホワイトサイド氏は付け加えた。
画像クレジット:Walmart

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米国大手フリマアプリのOfferUpがletgo統合、全米配送や各種安全プログラムも利用可能に

今年初め、オンラインマーケットプレイス、いわゆるフリマアプリを運営するOfferUpは、1億2000万ドル(約127億円)を調達し、最大のライバルだったletgoを大株主であるOLX Groupが主導する資金調達の一環として買収した。この取引の一環としてOfferUpは、最終的にはそれぞれの事業のマーケットプレイスを1つに統合することを計画していると述べたが、その統合がどのように行われるのかについては具体的には言及しなかった。米国時間8月31日、OfferUpはOfferUpとletgoのマーケットプレイスを新しいアプリに統合し、以前のletgoユーザーのためにどのように移行するかを説明した。

新たに結合されたOfferUpとletgoアプリは、iOSとAndroidの両方で利用可能で、その結合されたコミュニティの性質上、取引、買い手、売り手の数を拡大する。拡大と合併により、新しいマーケットプレイスのユーザーは、全国配送やTruYouやCommunity MeetUp SpotsのようなOfferUpの安全プログラムにもアクセスできるようになる。また、letgoはこれまでリストを30日後を期限切れにしていたが、アプリ上のリストは今後は期限切れにならない。

既存のletgoユーザーは、新しいOfferUp & letgoアプリをダウンロードし、letgoのサインイン情報を使用して新しいOfferUpアカウントを作成するように指示される。サインインすると、アカウントの評価、販売・購入履歴、入会日などのアカウントの評判が、letgoからOfferUpに転送される。

ただし、ユーザーがletgoに掲載していたアイテムはOfferUpに移行されないため、リポストが必要になる。取引の途中であった顧客のために、同社はそれらの取引を完了できるウェブサイトとしてlegacy.letgo.comを提供している。このサイトは9月21日以降に閉鎖されるため、すべての関係者には速やかに販売を完了するよう要請している。

合併の結果として、letgo上の各種特典プログラムを持っている顧客は、そのサブスクリプションが自動的にキャンセルされる。代わりに任意の商品をプロモーションできるOfferUpのPromote Plusサービスを使えるようになるが、自動的にサインアップされたり、オプトインされたりすることはない。

letgoユーザーが理解すべき2つのマーケットプレイスの間には、ほかにもいくつかの違いがある。今回の合併により、元letgoユーザーは全国配送が可能になるが、letgoで利用できていた、求人、サービス、レンタルリスト、ギフトカードなどのサービスは使えなくなる。

また、今回のサービス統合でカナダが対象外になった。OfferUpはまだカナダに進出していないので、同社はカナダのユーザーを失うことになる。

今回のサービス統合の時点で、letgoは世界中で1億回以上ダウンロードされたアプリを提供していたので、失効したユーザーの少なくとも一部は次回のローンチ時にアカウントを再開する可能性がある。この2つのアプリは、買収前のApp Storeカテゴリーのランキングでも互角だったが、iPhone版のOfferUpはわずかにリードしていた。

Sensor Towerのデータによると、米国時間8月30日の時点では、OfferUpはiPhoneのショッピングカテゴリのランキングで4位、letgoは12位だった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

PayPalが4回払いの「Pay in 4」で信用販売レースに参入

米国時間8月31日、PayPal(ペイパル)は、新たな分割払い方式として「Pay in 4」の提供を開始した。名前が語っているように、これは利用者が購入に際して無利子の4回払いを選べる仕組みだ。同サービスはPayPalがすでに提供しているPay Laterシリーズの拡張であり、そこでもPayPal Creditのリボ払いやEasy Paymentsが用意されている。

Pay in 4では、30~600ドル(約3170〜6万3380円)の購入で6週間の4回払いを選ぶことができる。この仕組みは売り手のPayPal料金に含まれているのて、顧客にこのオプションを提供するための追加料金は必要ない。これは他のいくつかの「buy now, pay later」(信用販売)サービスと同じだ。

この短期分割払いオプションは、米国ユーザーに手数料や利息不要の後払いを可能にするものだ。最初の支払いを済ますと、残る3回の支払いは自動的に行われる。同機能はユーザーのPayPalウォレットにも表示され、支払いの管理を行うことができる。

Pay in 4 は、PayPalのEasy Paymentsのテストから生まれた。同社によると、顧客はある価格帯で6週間にわたる分割払いを好むことがわかったという。

新サービスがKlarna、AfterPay、Affirmなど他のライバルであるフィンテックサービスに対抗するためであることは明らかだ。これらのサービスは手数料や利子を事前にはとらなくても、ユーザーが支払いできないと延滞料金を取ることか多い(Money記事)。ちなみにKlarnaは、2週間ごとにカードに請求される無利子4回払いのプログラムを、直接の競合相手にも提供(Klarnaリリース)している。

PayPalアカウントは、ユーザーのクレジットカードまたは銀行口座と紐づけられているため、支払いを忘れる可能性は低い。ただし支払えなかったときは、手数料が発生する。金額は州によって異なり、これは州ごとに独自の延滞料金のしくみを定めていて、PayPalがそれに従わなくてはならないためだ、と同社はいう。

「昨今の小売や経済の厳しい環境の中、売り手は、追加コストをかけることなく、購入単価とコンバージョン率を上げる安全な方法を求めている。同時に消費者は、柔軟で責任を負える支払い方法を求めていて、オンラインでは特にそうだ」とPayPalのグローバルクレジット担当SVP(上級副社長)であるDoug Bland(ダグ・ブランド)氏が新サービスを紹介する声明で語った。「Pay in 4によって、我々は信用販売分野の先駆者としての歴史を作ろうとしている。PayPalの信用と高い普及率を活かし、消費者に柔軟で責任ある支払い方法を提供するとともに、売り手には売上とロイヤルティを高め、顧客の選択肢を増やす方法を提供する」と語った。

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