Pubcon 2015-ガイ・カワサキ氏によるキーノート:あなたのマーケティングをパーフェクトにする10の方法。

2015年10月5から10月8日かけて、ラスベガスで行われたPubcon 2015に参加してきました。今回の記事は、ガイ・カワサキ氏によるキーノートのレポートになります。AppleやGoogleでも活躍した同氏が、ソーシャルメディアを活用したマーケティングを行う上でポイントとなる内容を披露しています。自身への評価が一瞬のうちに下されるソーシャルの世界で、自身をブランド化するためにはどうすればよいのか?これを読めば、あなたもガイ・カワサキ氏のようになれるかも!!??– SEO Japan

原題:How to Perfect Your Marketing

*リンク先は全て英語となっています。

自己紹介

AppleやGoogleなどでマーケティングに関わってきた。また、多くの本を執筆している。ソーシャルメディアを活用したマーケティングが非常に重要になっているが、今回はあなたのマーケティングを完全なものにするための10個のアドバイスを送ろう。

#1.ソーシャルメディアへの認識をパーフェクトにする。

ソーシャルメディアの活かし方を説明するために、オンライン・デーティング
(online dating:ちょっとニュアンスが異なることもありますが、いわゆる”出会い系サービス”)を例に出そう。eHarmonyTinderが有名だ。前者は、登録をする際に個人の好みなどを細かく入力し、どういった人と相性が良いかを伝えることができる。後者は、登録者の写真から直感的な、素早い判断が下される。

ソーシャルにおけるマーケティングの場合、Tinder方式が圧倒的に採用されているのだ。

#2.アバターをパーフェクトにする。

写真や画像から判断されるため、最適なアバターを作成しよう。優れたアバターを作成するために、以下のポイントを伝えることが大事だ。

  • 感じがよいこと
  • 信用できること
  • 有能であること

写真の特徴として、”顔だけを撮る”、”非対称”、”正面からの光”、”一貫性”、が挙げられる。一貫性とは、同一のアバターを、(他のサービスを含む)全てのプロフィールで使用するということだ。また、実際の人物とあなたは同一でなければならない。(”演出”を行わない。)

#3.カバーフォトをパーフェクトにする。

カバーフォトの役割は、あなたが何に興味を持っているか、あなたのブランドは何を表しているか、それを伝えることだ。カバーフォトのポイントは以下の通りだ。

  • 物語を持つ(写真でストーリーを伝える)
  • 最適なサイズ(各サービスに最適な大きさ)
  • 黒の背景(花の色などはすごい映える)

幾つかの悪い例を見てみよう。デフォルトのカバーフォトは最悪だ。顔が見えないロングの写真、犬の写真、映画のスクリーンショットなども良くない。ストーリーを何も伝えないからだ。家族の写真は、愛する家族がいるというストーリーになる。しかし、赤目に写っている写真は好ましくない。

ポルシェは会社のロゴを使っているが、背景に白のスペースが多すぎる。SNSでは非常に小さく表示されてしまうだろう。ベンツの場合は、ポルシェよりもずっと良い。黒の背景にロゴが光っていて映える。

また、全てのプロフィールは、プロフェッショナルな内容であるべきだ。他者があなたのプロフィールを見つけたとき、その人はあなたを雇ってくれるだろうか?その判断基準は
Tinder方式だ。一瞬の内に判断されてしまい、プロフィールが個人的なつながりのための内容かプロフェッショナルな内容か、考えている時間などはない。

#4.カード(名刺)をパーフェクトにする。

名刺を最適化するためのポイントを紹介しよう。

  • 大きめのフォント(10ポイントが最小)
  • スキャンに対応(多くの人が名刺をスキャンして管理している)
  • 携帯電話の番号を記載

携帯電話の番号を記載することについて、「いつでもかかっててきてしまうのでは?」と思うかもしれない。私は多くの人にカードを配ってきたが、いつでもかけてくる人など、実際にはいない。リスクはない上、携帯電話の番号はビジネス上非常に便利だ。メールはめんどくさい。ただ電話するほうが良い。僕だったらそうする。

まずは、自分の名刺をEvernoteに取り込むか、写真を取ってみよう。他者にとって便利な内容だろうか?名前と会社名はしっかりとわかりやすく写るか?コンタクトインフォメーションは細かく、内容も多いので、しっかりと確認してみる。

また、Eメールのシグネチャーやロゴにも、名刺と同じ内容を含めよう。自分のメールアドレスを加え、自身を表す内容になっているか確認し、それらをパッケージ化しておく。ちなみに、Evercontactはおすすめ。

#5.スライドをパーフェクトにする。

マーケターとして、セッションなどで使うこともあるだろう。また、SlideShare用の最適化とも言える。

  • 10スライド(これがマジックナンバー)
  • 20分間
  • 30ポイントのフォント
  • 16×9のサイズ
  • 黒の背景

スティーブ・ジョブズのスライドを見てみよう。(対比として、ビル・ゲイツのスライドを紹介。)

また、デモの内容もパーフェクトに。“1枚の写真は1,000の言葉の価値がある。しかし、デモは1,000枚のスライドの価値がある。”ジョブズもプレゼンテーションにデモをよく取り入れていた。初代マックにフロッピーを入れるところを、実際に見せていた。

#6.写真をパーフェクトにする。

写真を撮るときのポイントをまとめよう

  • 写真は水平(横向き)
  • 光の具合
  • トリミング
  • 寸法を合わす

高い建物を撮る時でも、横向きの方が良いだろう。場合によってはトリミングを行うことを忘れずに。光の具合は重要だ。背景が明るいと顔がしっかりと映らない。顔がしっかりと写っている方が、ストーリーが伝わる。対象を明確にするためにトリミングを行い、不要な情報を含めないようにする。また、各サービスに合わせてサイズを変更しよう。Canvaは全てのソーシャルサービスごとに最適化している。

#7.ポストをパーフェクトにする。

今日はSNS=マーケティングと言える。そのため、投稿内容の最適化は必然だ。

  • NPR(National Educational Radio Network)のモデルを参考にする
    NPRは毎年資金調達のキャンペーンを行っている。人々が資金を提供する理由は、
    NPRが優れた価値を提供しているからだ。スポンサーはNPRでのコンテンツを配信している。つまり、SNSをマーケティング・プラットフォームとして活用しているのだ。
  • 共有のテストを行う
    レストランでチップを与えるように、コメントや共有はあなたの評判を伝える行為だ。どれだけクリックされているか?自分のコンテンツがどれだけリツイートされているか?非常に大事に見ること。
  • 画像を追加する
    グラフィックがあるだけで、エンゲージメントはかなり高まる。リツイートの時にも表示されている。ただのリンクではなく、画像がある方が目立つ。ベンツはクールな写真を併せてつぶやいている。ストーリーをより伝えることになる。
  • Facebookへはネイティブ動画を投稿する
    YouTubeのコンテンツを貼り付けても自動再生されない。Facebookからすれば、他社のサービスをプロモートしたくはないだろう。同じ動画を投稿しても、自動再生の方がリーチ数が圧倒的に多い。一手間かかってしまうことになるが、その手間をかける価値はある。

#8.頻度をパーフェクトにする。

同じ投稿を複数回行うことは良くない、という人もいるだろう。実際に、ツイート数が多いというコメントを受けることもあるが、それは無視するようにしている。

私は、同じ内容を8時間の間隔を空けて3回行っている。異なるタイミングの投稿で異なるユーザーがクリックするからだ。もちろん、誰かの不満を買ってしまうかもしれない。しかし、そこに重要性があるのであれば、複数回の投稿はするべきだろう。

#9.”ピン”対応をパーフェクトにする。

PinterestをGoogleのように活用している人が増えている。例えば、レシピなどを検索する場合だ。あなたが投稿した画像が、”ピン”できるようになっているか、Pinterestのエクステンションを使って確認しよう。

この前、ある写真をピンしようとしたら広告が出てきた。何回もクリックしてやっとその画像をピンすることが出来た。こうしたことは無いようにしよう。

#10.メソッドをパーフェクトにする。

Facebookでリンクボタンを押してシェア。これは、ミニマムな行為。そうではなく、コメント、リンク、質問、を加える。すると共有数が全く違う。誰かが何かを共有した際、ただのリンクの共有と、コメントを併せた共有である場合、あなたはどちらをクリックするだろうか。

以上、様々なポイントを紹介したが、それらを実際に試すことであなたのメソッドはパーフェクトになる。画像ありとなしの投稿、名刺のスキャンなど、すぐに試せるものはトライしてみよう。また、Canvaをデザインを容易にする。SNSやスライドや名刺に画像を使う時、Canvaは非常に便利だよ。

まずは、非常にカッコイイ方だなぁというのが感想です(笑)。プレゼンテーションでの話し方、表情、ジェスチャー、色々なところに気を使われていて、自分がどのように見られているかを常に意識されているように感じました。ソーシャルでの露出の重要性は論を待たずといったところだと思いますが、それらの一つ一つに可能な限りの最適化を行うことで、自身のブランド化を最大限にする。今回はその中でも重要な10個のポイントの紹介でしたが、思いつく限りの最適化を試してみてはいかかでしょうか?

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コンテンツマーケティングに「王様」の居場所はない

コンテンツは誰のためのものか? 先日、あるメディアの企画で、数名のタレントさんにインタビューをする機会がありました。同じテーマについて、みなさんにそれぞれプロの視点から語ってもらうというものでした。 そのとき1名だけ、専 […]

不正なハッキングに対する新たな取組について

このたび Google では、Google の検索結果に表示されるサイトの不正なハッキングに取り組むことを目的に、一連のアルゴリズムの変更を順次公開しました。現在、膨大な数のサイトがスパマーによってハッキングされ、品質の低いサイト、マルウェアのダウンロード、成人向けコンテンツ、偽造品や違法薬物の販売などへのトラフィックの誘導に使用されています。

セキュリティを確保するためのベスト プラクティスを実装していないウェブサイトは、このようなハッキングの攻撃を受けやすくなります。こうしたウェブサイトの例には、政府、大学、中小企業、企業、レストラン、同好会、会議などのサイトが含まれます。スパマーやサイバー犯罪者は、こうしたサイトを意図的に探し出し、悪意のあるコンテンツを含むページを挿入して、それが検索エンジンに掲載されることでトラフィックを増やそうとします。

Google では、ユーザーとウェブマスターを保護するため、ハッキングへのスパム対策に積極的に取り組んでいます。

言語によって異なりますが、今回のアルゴリズムの変更は、およそ 5% のクエリに影響します。新しいアルゴリズムの順次公開に伴い、特定のクエリについては、表示される検索結果数が減り、関連性の高い結果のみが表示されるようになります。



これは、膨大な数の不正なハッキングを削除した結果であり、今後も改善していく予定です。Google では、正当な検索結果を保持しながら、悪質なコンテンツを排除すべく、システムの調整に引き続き取り組んでいきます。今回のアルゴリズムの変更についてご質問やフィードバックがありましたら、ウェブマスター プロダクト フォーラム までお気軽にお寄せください。

半年でカテゴリページへのセッションが338%改善されたアパレルECサイトのSEO事例

アパレル系Eコマースサイトの内部改善施策によって、自然検索からのセッションやトランザクション数、流入キーワード数の増加に成功した事例をご紹介します。 サイト概要 今回ご紹介するのは、主に若い女性向けアパレル商品を取り扱う […]

オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

昨日の記事に続き、ニューヨークで行われているSMX Eastについての記事となります。Googleのゲイリー・イリーズ氏が登壇しましたが、アップデートについての報告もあったようです。①パンダ・アップデート4.2はロールアウト中であること、②近い将来(おそらく年内)にペンギンアルゴリズムのアップデートが行われ、リアルタイムバージョンになること(SEO Japanの記事はこちら)、の2点が報告されたようです。今回の記事はオーサーシップについての記事となりますが、サプライズを伴った内容でした。– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっています。

Googleはオーサーシップのマークアップを再度使用するようになるかもしれない。1年以上前に廃止しているとはいえ。

ゲイリー・イリーズ氏がSMX Eastのセッションに登壇し、Webマスターとパブリッシャーはオーサーシップのマークアップを自身のページに残しておくべきだ、と発言した。

Googleは2014年6月に検索結果上に著者の画像を表示することをやめ、8月にはオーサーシップのサポートを完全に廃止している。

しかし、ゲイリー氏は皆が驚く内容を発表した。ソースコード上にオーサーシップを活かしたままにしておくべきだ、と述べたのだ。Search Engine Landのダニー・サリバン氏を始め、会場にいたオーディエンスも驚く内容であった。

Googleのジョン・ミュラー氏は以前、オーサーシップのマークアップをサイト上から取り除くほうが安全である、という発言をしている。しかし、今回、ゲイリー氏は残したままにすべきだ、と述べたのである。

残しておくべき理由とは何か?Googleの検索チームが再びオーサーシップのマークアップを使用したいと思うようになるかもしれないが、その時がいつになるかを誰も知ることはできない、とゲイリー氏は述べている。皆様のお気持ちはわかる。これは非常に悩ましいことである。

個人的には、Googleがオーサーシップとオーサーランクを”in depth articles“の選定の際に使用していると確信している。おそらく、ゲイリー氏がオーサーシップのマークアップを削除すべきでないと発言した理由は、そこにあるのではないか?

我々はこの件に関して、Googleからの説明を得ようと試みている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: Leave Your Authorship Markup On Your Page」を翻訳した内容です。

パンダ・アップデートとペンギンアップデートについて、Googleからの報告という形で発表されたことになります。オーサーシップについては、詳細情報が待たれるところです。ちなみに、来週から行われるPubconにSEO Japanは参加する予定ですが、ゲイリー氏のセッションもあるため、直接質問してみたいと思います。その他のセッションのレポートもさせていただきますので、ぜひご確認いただければと思います。

続きを読む オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

9月29日から10月1日にかけて、SMX Eastがニューヨークで開催されています。昨日のセッションで、GoogleからApp Indexingについての発表がいくつかあった模様で、Search Engine Landが速報記事を掲載しています。Googleのモバイル&アプリ推しは、Httpsと並んで非常に強く感じるところですが、今後もしばらく続くかもしれません。– SEO Japan

GoogleがAPP Indexingを新しいランキング要素として使用することを発表した。また、iOS用のプロトコルとSearch Consoleの幾つかの機能も新たに発表している。

GoogleのWebマスター・トレンド・アナリストである、マリヤ・モエバ氏が本日のSMX Eastで発表した。Googleが2015年2月26日に公表しているアプリ用のランキング要素に加え、新しいApp IndexingのAPIを実装したアプリに対し、ランキングへの恩恵を与えるようだ。

マリヤ氏の説明によると、アプリがこの新しいAPIを実装した場合、Googleはそのアプリからより重要なデータを取得できるようになり、そのアプリがどれだけユーザーにとって有益であるかを判断する手助けとなるとのことだ。

Googleはこの件に関してのブログでの発表を行なっていない。マリヤ氏によると、この件に関する変更(おそらく”報告”の意)は非常に素早く行える、ということが理由のようだ。また、App IndexingのAPIがランキング要素になることに加え、GoogleはApp Indexingに関する新たな情報をSMX Eastで発表している。

iOS用のインデキシングについての新しいドキュメント

GoogleはiOS用のApp Indexingについての一連のドキュメントを新たに発表した。新しいドキュメントは、こちらに掲載されており、iOS9のオペレーティングシステムに対応している内容だ。

App Indexing関連のSearch Consoleの新しい機能

ベータ版ではあるが、GoogleはSearch Consoleでの新しい機能を実装した。App Indexingのデベロッパーが使えるようになる新しい機能は、以下のとおりだ。

(1)検索アナリティクス内で、検索結果でのクリックをベースとしたデータと、インストールされたアプリ内のボタンでのクリックのデータを区別する機能。

(2)Google Playで発行されたバージョンのAPKファイルを使用した方法に加え、非発行のAPKファイルをアップロードすることにより、Fetch as Googleを直接使用することができる機能。

(3)Fetch as Googleの結果が、タイトル、ディスクリプション、APIのURLやその他の情報を含んだAPIの情報を表示することができる。

本日はApp Indexing関連の情報がGoogleから幾つかもたらされている。

ベータ版のテスターになりたい場合は、下記のURLから必要事項を記入し、応募できる。

https://docs.google.com/forms/d/1zDuiWyoRhkmxBaUlkv_VlJGwDg6bMYs4k-54vgTbwBU/viewform

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Adds Additional Ranking Boost For Using App Indexing API」を翻訳した内容です。

ランキング要素に使用することについての発表はGoogleのブログではまだされていないようですが、新しいAPIの説明ドキュメントの和訳もまだされていないようです。また、どの程度の”ブースト”になるかについても情報はないようです。近年、Googleからのランキング要素の公表が多く行われていますが、技術普及の側面も含まれているのではないでしょうか?速報的な内容でありましたが、Googleからのより詳細な情報を待ちたいところです。

続きを読む Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

ハッキングされたサイトの再審査リクエストに対するサポートについて

2015 年現在、ハッキングされたサイトの数は 180% 増加し、ハッキングされたサイトからの再審査リクエストの数は 300% 増加しています。Google では、ウェブマスターが初めからハッキングを防止できるよう、ブログ記事「サイトの不正なハッキングをいち早く見つける 3 つの方法」や #NoHacked キャンペーンなどの取り組みを通じてサポートしています。今回は、実際にハッキングの被害にあってしまったウェブマスターに向けて、再審査リクエストをより迅速に、容易にするために、Google が現在努力を注いでいる以下の3点についてご紹介します。

1)コミュニケーションの改善
2)ツールの改善
3)継続的なフィードバック ループ

1. ハッキングされたサイトのウェブマスターとのコミュニケーションの改善

昨年、Google では再審査プロセスに「審査担当者からのお知らせ」機能を導入しました。この機能により、再審査リクエストに応じて各ケースに合った具体的な例やアドバイスをウェブマスターに提供できるようになりました。2015 年の現時点までに、ハッキングに関する再審査リクエストが承認されなかったウェブマスターの 70% 以上に対し、カスタマイズしたお知らせを送信し、まだハッキングされたコンテンツが残っている箇所やそれらを見つけ出す方法を具体的にお伝えしてきました。その成果は良好であり、ハッキングに関する手動による対策がサイトに適用されてから、ウェブマスターが問題を解決し、その手動による対策が解除されるまでの平均所要時間を 29% 短縮することができました。

詳細なガイドを含む「審査担当者からのお知らせ」の例と、ハッキングされたテキストやハッキングされたページのカスタム例

Google では、2 回目となる #NoHacked キャンペーンも実施し、ハッキングの防止と復旧をより細かくサポートしました。これは、サイトのセキュリティを改善する方法と、サイトが侵害された場合にサイトを修正する方法に焦点を当てたキャンペーンでした。最初の投稿は ブログ記事「#NoHacked キャンペーンを開始します: 不正なハッキングの標的にならないようにするには」でご覧いただけます。

2. ツールの改善(ハッキングに関する手動による対策の自動解除など)

昨年、Google では Fetch as Google ツールに「取得してレンダリング」機能を導入しました。この機能により、ウェブマスターはウェブサイトが Googlebot にどのように見えているか正確に確認できます。この機能がハッキングからの復旧に役立つのは、多くのハッカーが挿入するクローキング コンテンツは、人間のユーザーには表示されませんが、Googlebot などの検索エンジン クローラは認識できるからです

今年は、サイトがハッキングされた場合のトラブルシューティングも 23 言語で公開しました。これに沿うことで、ウェブマスターはハッキングから復旧するための基本的な手順を確認できます。ご利用の際は、トラブルシューティングが役に立ったかどうかをお知らせいただけると助かります。Google では、トラブルシューティングの機能性と効果の向上に引き続き努めていきます。

さらに、Google ではハッキングに関する手動による対策の一部について、自動解除のベータ版テストも行っています。Search Console で [部分一致] に「ハッキングされたサイト」に対する手動による対策が表示されている場合、ハッキングされたコンテンツが存在しなくなったことが Google のシステムで検出されると、その手動による対策が自動的に解除されることがあります。手動による対策が表示された場合はこれまでどおり再審査リクエストを送信することをおすすめしますが、「ハッキングされたサイト」に対する手動による対策の表示が消えても驚かないでください。

[部分一致] に表示される、ハッキングされたサイトに対する手動による対策の例: ハッキングされたコンテンツが存在しなくなったことが検出されると、手動による対策が自動的に解除されることがある

3. フィードバックの提供をお願いし、対策を講じる

このようなコミュニケーションとツールの改善は、ハッキングされたサイトのウェブマスターから寄せられたフィードバックによってもたらされました。たとえば、今年の初め、Google では米国のマウンテン ビューとアイルランドのダブリンにおいてブレインストーミング セッションを開催し、ハッキングに関する再審査プロセスを経験したウェブマスターを招待しました。また、ハッキングに関する再審査を経験したウェブマスターを対象にサンプリング調査も行いました。その結果、再審査プロセスに不満を感じたウェブマスターは 15% のみでしたが、これらのウェブマスターが直面した主な課題として、ハッキングされたサイトに関する通知とハッキングの解決方法がわかりにくいということが判明しました。このフィードバックは、ハッキングからの復旧に関する詳しいブログ記事だけでなく、最新の #NoHacked キャンペーンの多くのコンテンツの執筆において役に立ちました。

(高解像度バージョン)https://goo.gl/photos/TkvkwYt23MpVHBwz6

ダブリンでは地元のウェブマスターとのミーティングの後に、ハッキングに関する再審査プロセスを改善する方法についてブレインストーミングを行いました

Google では、上記の方法だけでなく、ハッキングされたサイトに関するウェブマスター ヘルプや、セキュリティ、マルウェア、ハッキングされたサイトに関するフォーラムのセクションを通じて、ハッキングされたサイトのウェブマスターを引き続きサポートしていきます。ハッキングされたウェブサイトからの復旧をどうすれば Google がより適切にサポートできるか、ウェブマスター ヘルプ フォーラムGoogle ウェブマスター コミュニティへご意見をお寄せください。


Googleのナレッジグラフに、該当サイトのURLとハイパーリンクが表示されるように。

検索結果画面ですぐに情報を得ることができるナレッジグラフですが、簡単な調べ物などの場合は非常に重宝しています。サイトへの流入を奪うという意見もありますが、今回Googleはナレッジグラフ内に該当サイトのURLを記載するようになったとのことです。いわゆる”ナビゲーショナルクエリ”が該当されるようですが、「訪問するWebサイトが既に決まっている」というユーザーの意図に合致している変更ではないでしょうか。– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっています。

上記の画像のように(クリックして拡大表示)、Googleはナレッジグラフ内で言及されているサイトのURLを追加している。クエリが、ナビゲーショナルクエリの場合に表示されるようだ。

例えば、”fox news”、”pbs”、”yahoo”、”bp”のようなブランド名で検索すれば、URLが記載されているナレッジグラフが表示される。

また、”neil young“のように、著名なミュージシャンやアーティストも、公式サイトへのリンクがナレッジグラフ内に記載されている。

個人的には、GoogleがこうしたURLを追加してくれたことを好ましく感じている。いわゆる、スイス製アーミーナイフが、より良いものになったと感じるのだ。

これについては、既にSearch Engine Landで記事にしている。また、Bluepost Digitalのラウル・ミストリー氏からのアドバイスを得て作成したものだ。

この件に対してのTwitterはこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Knowledge Graph Adds Web Site URL & Hyperlink」を翻訳した内容です。

記事内のリンクをクリックしていただければお分かりいただけると思いますが、言語設定を英語にしないと表示されないようです。また、”Mr Children”のように、英語表記の日本のミュージシャンを言語設定を英語にした状態で検索しても、公式サイトへのリンクは表示されませんでした。そのため、現段階では英語対応のみだと思われますが、日本語でも表示されるケースがあれば、ぜひお知らせいただきたいと思います!!

続きを読む Googleのナレッジグラフに、該当サイトのURLとハイパーリンクが表示されるように。

リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムは年内には開始か。

リアルタイム更新の報告がされて以来、実際はまだ動きのないペンギンアップデートですが、先日行われたハングアウトでこの件についての話題がありました。Googleのジョン・ミュラー氏が質問に回答していますが、明確なローンチの時期については、まだわからないとのことです。パンダアップデート4.2のロールアウトも完了していない模様ですが、ペンギンアップデートについてはどういった状況なのでしょうか?– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっております。

去る6月に、Googleはペンギンアップデートの更新は、少なくとも数か月後になると発言していた。Googleはこのアルゴリズムをリアルタイムにするよう取り組んでいる。つまり、ペンギンアップデートの影響がすぐに表れるようになり、手動での開始作業を必要としなくなるのだ。

今朝、Google+でのハングアウトにて、ジョン・ミュラー氏がペンギンアップデートについての質問に答えている。28:25あたりで言及しているが、ペンギンアルゴリズムのローンチの正確な時期はまだわからないということだ。しかし、おそらくは年度末までには行われ、それはリアルタイムバージョンとなるようだ。

ジョン氏の発言を下記に記載する。

将来の出来事について言及することは好ましくはない。なんとか予測しようとしてみるが、非常に難しいことだ。

内部の情報が全て出そろっており、2日か3日の内にローンチすることができ、あらゆることが上手くいくこともある。そんな中、急に問題が浮上し、その修復に取り掛からなければならなくなる、といった場合もある。また、一部のデータに不備があり、それが原因で数日か数週間の遅れが発生する場合もある。こうしたことは、起こりうるのだ。それに対しての対応が迫られることになるし、なにより、完璧な状態でないものをロールアウトすることはできないのである。

こうしたことから、1か月以上先のことについて、我々は何らかの情報を与えることはできないのだ。

もちろん、Googleは以前にリアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムをローンチしようとしていた。実際には行われなかったが。個人的には、ペンギンアルゴリズムについての何らかの情報が今後もたらされる場合は、リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムのローンチの報告であると考えている。

しかし、時がたてばわかることは明らかである。

下記に該当の動画を掲載しておく。

この件についてのGoogle+はこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: The Real Time Penguin Algorithm May Launch Before Years End」を翻訳した内容です。

以前と比べ、積極的に情報を開示しようとするGoogleの姿勢がうかがえる今日この頃ですが、アルゴリズムについての情報はやはり気になるところです。(動画を見る限りは、ジョン・ミュラー氏も本当にわからないように見受けられますが。)パンダアップデートに並ぶ大規模なアップデートですが、現段階ではGoogleからのアナウンスを待つほかなさそうです。

続きを読む リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムは年内には開始か。

ウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返すサイトについて

Google では、検索結果の品質を守るために、品質に関するウェブマスター向けガイドラインを設定し、それに違反するサイトに対して、その掲載順位を下げる、あるいは検索結果から削除するなどの、自動及び手動による対策を施しています。あなたのサイトに手動による対策が施されている場合、その対策を解除するには、Search Console 内の [手動による対策] ページからその理由や適用範囲を確認し、それを参考にして違反箇所を削除した上で再審査リクエストを Google に送信します。これにより、数多くのウェブマスターが手動による対策を解除されています。

しかし、手動による対策が解除された後すぐに、その原因となった施策を再度サイトに施す、という例が最近になってしばしば確認されています。例えば、サイトからの不自然なリンクを理由として手動対策を受けたウェブマスターが、一旦当該リンクを nofollow として再審査リクエストを送り、成功裏に再審査が終わった後、すぐに nofollow を取り外す、といったようなことです。そういった形でウェブマスター向けガイドライン違反を繰り返しているサイトは、再審査リクエストにおいて通常よりも厳しく審査する可能性があります。特に、悪意を持ってガイドライン違反を繰り返している場合、手動による対策において、更に厳しい対処を取る場合があります。

そうした事態を避けるためにも、ウェブマスターのみなさまには、品質に関するウェブマスター向けガイドラインの違反を行わないこと、そして意図的な違反の繰り返しをしないことを強くお勧めいたします。サーチ クオリティ チームは、今後とも、ユーザーを守るために、検索結果からのスパムの排除に全力で取り組んでまいります。

コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

先日、「コンテンツマーケティングのはじめの一歩。」という記事を紹介させていただきましたが、今回の記事もエリック氏の記事となります。前回の記事は具体的は方法を紹介していましたが、今回の記事は基本概念に絞った内容となっています。あくまで基本的(もしくは、理想的)な流れを紹介していますが、まとめられたポイントについては納得感があります。コンテンツマーケティングをこれから始める方も、既に始めているが見直しが必要という方にも、一つの参考となっていただければ幸いです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、間違いなく、自然検索におけるトラフィックを増加させる。寄稿者のエリック・エンジ氏による、確かなコンテンツマーケティング戦略を実施する方法をお届けしよう。How and Why Content Works

“コンテンツマーケティング”という言葉は、使う人によって異なる意味を持つ。一般的な概念を理解しているマーケターは沢山いるが、彼らはコンテンツマーケティングの仕組みの基本的な要素を見落とし、その結果、その効果を十分に活かしきれていないように感じている。

そこで、この記事ではコンテンツマーケティングの計画を適切に実施するための、基本的な方法をお伝えしようと思う。

まずは定義から見直してみよう。

Definition of Content Marketing

【上記画像和訳】
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを作成し、配布し、共有する一連の行為であり、その目的は、あなたのブランドに対する評判の構築と発見性を高めることである。

この定義には、何か欠けている気がする方もいるのではないだろうか?上記の定義の中に、リンクの獲得についての言及を含めなかったのだが、それに気がついただろうか?

良質なコンテンツマーケティングキャンペーンは、多くの質の高いリンクをもたらす。しかし、リンクをコンテンツマーケティングの目的の中心に据えると、方向性を見失ってしまう可能性があるだろう。評判と発見性を優先することにより、副作用として、最高のリンクを獲得することができるのだ。

今回の記事では、SEOのメリットにはほとんど触れていない。しかし、勘違いはしないで欲しい。効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、ランキングの上昇、および、自然な検索トラフィックの増加をもたらす原動力となり得るのだ。

リンクはSEOにおいて今でも重要だが、先ほども申し上げた通り、コンテンツマーケティングを旧来のSEOの考えに基づいて実施してしまうと、失敗につながる可能性がある。

この投稿では、主にセールスファンネルの上層部に新たな顧客候補を呼び込む効果に注力して、話を進めていく。

とは言ったものの、あなたの製品を全く購入しない人達との関係を構築してしまうことも、多くある。しかし、彼らがそのコンテンツを広めてくれることもあるため、彼らとの関係性にも大きな価値があるのだ。

また、既に交流を行っている人達をセールスファンネルの後半の段階に導くためのコンテンツは、この記事で扱うコンテンツの性質とは大きく異なる点を予め指摘しておく。

関係性と発見性の観点からコンテンツマーケティングを考える上でベストな方法は、あなたのブランドの認知度を高めることに、最初のうちは注力することだ。

Content Marketing Can Raise Awareness

【上記画像和訳】
認知度
顧客候補
問い合せ
提案/販売
新しい顧客

プッシュマーケティング vs プルマーケティング

Webの誕生がもたらした偉大な変化の一つに、ブランドと顧客の間で交わされる会話を、顧客がより直接的にコントロールすることができるようになったことが挙げられる。

Webが誕生する以前は、コミュニケーションは主にTV、印刷媒体、そして、ラジオを介して行われていた。相互の交流は不可能であり、顧客が望む望まないにかかわらず、コマーシャルのメッセージを受けなければならなかった。

Webがこの状況を変えた。望まない宣伝に消費者が耳を傾けなければならない理由はなくなったのだ。別のWebページにアクセスするか、あるいは、単純にコンテンツを見なければ済むためだ。

Push Marketing Has Been Replaced by Pull Marketing

時間の経過とともに、この変化の影響はより濃く現れるようになる。賢明なブランドは、顧客候補となる人々を魅了し、彼らの生活に役立つコンテンツを作成する必要性に気がついたのである。

このコンセプトは、TVのCMにも浸透するようになった。現在、娯楽的な価値をCMに付加する動きが強まっており、それ故、CMもコンテンツマーケティングの一つとして考えられるようになっている。

顧客候補となる人々がいる場所に向かえ

コンテンツマーケティングを理解する人が増えるにつれ、コンテンツマーケティングに利用することが可能なWeb上のチャンネルの数も増えていった。自身のサイトでコンテンツを配信することも、第三者のサイトでコンテンツを配信して顧客との関係を築くことも、あるいは、ソーシャルメディアプラットフォームを活用することも可能だ。

しかし、多数のソーシャルメディアの選択肢があり、また、コンテンツを配信することが可能な第三者のウェブサイトの数も多い。そのため、大半のビジネスは少数の選択肢に絞らなければならない。こうした理由から、最も価値をもたらしてくれるチャンネルを選ぶことが重要になる。

手を広げ過ぎるべきではない。つまり、あくまでも”顧客候補となる人々がいる場所に向かう”ことを目的とするのだ。この目的を達成するために、ターゲットとなるオーディエンスが望む時に、そして、望む方法でコンテンツを消費できるようにすべきなのだ。

Go to Where Your Prospects Are

【上記画像和訳】
左から時計回り:関連する業界のウェブサイト1 業界内の主要メディア 関連する業界のウェブサイト2 ソーシャルメディア&ネットワーキングチャンネル
下: コンテンツマーケティング 顧客候補がいる場所に向かう

ソーシャルメディアとコンテンツのプロモーション

強固なソーシャルチャンネルを構築することができれば、強力なメリットを得られる。あるいは、有料のソーシャル広告を用いて、より多くのオーディエンスに見てもらう手もある。

多くのブランドが、この取り組みの恩恵を受けてきた。例えば、下の図で示したように、ソーシャルプラットフォームを通じて強力なコンテンツをシェアすることで、大きなメリットを得ることができるのだ。

Synergy Between Publishing Great Content and Social Media

【上記画像和訳】
トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェアされると
新たなファロワー、ファン、シェア、+1がもたらされる

ご覧のように、どちらの側にもメリットはある。良質なコンテンツは、あなたのソーシャルメディア上の存在感を強める。ソーシャルでの露出が高まれば、ビジター、購読者、そして、リンクをもたらす機会が増え、あなたのコンテンツにおけるROI(投資利益率)を高めてくれる。

つまり、ソーシャルメディアを担当するチームとコンテンツを担当するチームが力を合わせることが、何よりも重要だと言えるだろう。

ソーシャルが全てではない

さらにコラボレーションを発展させてもらいたい。コンテンツマーケティングは、あなたの会社の評判と可視性の拡大にとって不可欠な存在であるため、PRチームにも協力を求めるべきだ。 PR部門は、あなたが作成したコンテンツの宣伝に役立つネットワークを、多く持っている可能性がある。

また、あなたが行うコンテンツのプロモーションと、PR部門が通常業務として行うプロモーションとの間に、衝突がないように配慮しよう。

さらに、(信じ難いかもしれないが)以下の図でも説明している通り、プレスリリースは今でもコンテンツの可視性を高める上で役に立つのだ。

Press Releases Can Be Beneficial

【上記画像和訳】
左上から時計周り
プレスリリース ワイヤーサービス 他者のオーディエンス あなたのコンテンツへ向かうリンク

PRチームと協力する理由は沢山ある。彼らをチームに招くことを忘れずに。

その他の巻き込むべき人達

(ターゲットのオーディエンスだけではなく)その他にも引き寄せるべきタイプの人達が存在する。

  1. メディア関係者とブロガー(メディア)
  2. インフルエンサー

メディア関係者は、あなたのコンテンツに対する記事を書いてくれるかもしれないし、彼らのサイトであなたのコンテンツの一部を配信してくれることもある。いずれのケースにおいても、オーディエンスにあなたのコンテンツを見てもらえる機会は増えるだろう。

インフルエンサーもまたメディア関係者の場合が多いが、そうだとも限らない。例えば、大勢のソーシャルメディアのフォロワーを抱える人物は、ブログやメディアサイトを運営していなくても、インフルエンサーに該当する。

こうした人々にコンテンツをシェアしてもらえると、大きな利益を得ることになるだろう。多くのメディア関係者にあなたのコンテンツを見てもらえるようになるかもしれないし、記事で取り上げてもらえるかもしれない。インタビューを申し込まれる、あるいはゲスト投稿の機会を与えてもらえる可能性もある。

あるいは、あなたの存在をメディア関係者に知ってもらうことだけでも大きな違いがある。今後彼らと実際に話す機会があれば、あなたが書いた別のコンテンツの話しができるかもしれない。以前あなたのコンテンツを読んだことで既に相手の中で信頼感が芽生えていれば、より有益な対話が行われるだろう。

以下の図は、インフルエンサーがマーケティングミックスにおいて担う役割を説明したものである。

Influencers Can Accelerate Your Content Campaigns

【上記画像和訳】
上から右回り: トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェア 新たなフォロワー、ファン、シェア、+1
シェアがプロセスを加速化 リンク フォローする/直接的な接触

目的は関係の構築

評判と可視性を築くことを目指すコンテンツマーケティングは、製品やサービスを宣伝するために実施するのではない。コンテンツを消費する人に、価値を与えることが目標なのだ。

継続的にこうした取り組みを行うことで、直接交流しているわけではなくても、オーディエンスはあなたとの関係が構築されていると感じるようになる。そして、”良い人だ”というイメージがつきはじめる。こうしたイメージは、あなた自身、そして、あなたの発言に対する信頼につながるため、是非、手に入れておきたいところだろう。

関係性の構築が主要な目的である点を考慮し、コンテンツを作る際には以下の点を考慮していただければと思う。

  1. あなたの製品やサービスの宣伝をしない。
  2. 新しく、独自の価値を与えるコンテンツを作成する。
  3. 会話を促し、質問を投げ掛ける。
  4. 投稿した記事、ソーシャルメディアなどで直接コメントに対応する。
  5. 接触してきた人々を助ける方法を探す。

この方針を徹底することで、あなたと読者/視聴者との関係は育まれていくのだ。

まとめ

大半の組織は、上記プロセスの内のいくつかでつまずいている。彼らが直面している共通の問題は以下の様なものだろう。

  1. リンクの獲得に比重を置いてしまう。
  2. ソーシャルメディア/PR部門とのコラボレーションが欠けている。
  3. 利益をあげることが目的でないコンテンツを作成することに消極的であること。
  4. ターゲットとするチャンネルが適正でない。
  5. キャンペーンを立ち上げる前の計画が不十分。
  6. インフルエンサーとメディアへの注力が乏しい。
  7. ターゲットオーディエンスとの関係性の重要度を理解していない。

基本的なコンセプトを正しく理解しておくと、コンテンツマーケティングの取り組みから、より多くのメリットを得られるようになる。また、上の問題のリストに挙げられている問題を複数抱えているなら、一つずつ解決していこう。前へ踏み出すその一歩一歩が、成功へとつながるのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How And Why Content Marketing Works」を翻訳した内容です。

前回の記事でも述べられていることですが、コンテンツマーケティングはリンク獲得の手段ではない、という点を改めて解説しています。ソーシャルでの露出が増えることで多くの人の目に触れ、リンクを獲得する機会は増えることにはなります。しかし、最初からリンク獲得を狙ったコンテンツを作成しても、多くの人の目に触れることは難しいかもしれません。結果、すぐに効果がでる取り組みではないとは思いますが、地道にコツコツとやることが、一番の近道となるでしょう。

続きを読む コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

iOS9により、AppleのSiriとSpotlight検索はより優れたものになる。

本日、Appleの新しいオペレーティングシステムであるiOS9の配信が開始されました。いち早くベ-タ版を利用していたダニー・サリバン氏がレポートを掲載しています。検索についての言及は少なくなっていますが、文中に紹介されているエミリー・グロッスマン氏の記事で詳しく書かれています。(近々、SEO Japanで掲載予定です。)今後の検索行動に影響を与えるかもしれない新機能を、自身の見解とともに伝えてくれています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

この新しいリソースは、引き続き、GoogleをApple独自の検索システムの端に追いやる。しかし、Google Nowは予測機能でさらに先を行っている。

Appleの最新のオペレーティングシステムが本日リリースされる。iOS9だ。iOS9はAppleのパーソナル・アシスタント機能であるSiriとSpotlight検索に改良を加えている。今回変更された内容の要約を記そう。

Spotlight。Apple製の検索エンジン。

昨年、Spotlight検索はあなたのiPhone内の情報以外を検索できるように改良された。画面をプルダウンすれば、”Spotlight 検索”を呼び出すことができる。

今年の初め、ジェイソン・カラカニス氏が非常に優れた記事を書いている。内容は、SpotlightがどのようにしてGoogleを破滅させるか、についてだ。記事内容には非常に同意している。実際にGoogleを破滅させることができるかはわからないが、Appleが今後進むであろう方向と非常に合致していると感じている。つまり、Appleは”核反応”のようにGoogleを破壊するのではなく、ゆっくりと時間をかけて、Googleを”閉じ込める”つもりなのだ。

私が2012年に書いた記事の内容を以下に抜粋する。

もしあなたがAppleであれば、あなたは何をするだろうか?あなたはSiriを、他の検索パートナーと伴に、成長させるだろう。Googleを閉じ込め、検索という領域を勝ち取ることを狙うのだ。

最終的には、あなたはApple製の検索エンジンをローンチすることになる。Webベース版のSiriだ。おそらく、あなたはSiriという名前はそのままにしており、Siri.comを通じて利用できるようになっている。限定されたプロバイダーから、よく検索される情報を取得し、それに対しての答えを提供できるように、ゆっくりと、成長していく。さらに、”バックアップ”の検索エンジンを変更する可能性もある。最終的には、パートナーを必要としない状況になるだろう。ちなみに、GoogleはBingに取って代わられている。ひっそりと。

あなたがAppleであれば、上記の内容がGoogleと戦う術であるはずだ。爆弾は一つも落とされない。消費者は、戦争をしていることにすら、気が付かないのである。

“閉じ込め”の戦争は、Spotlightによって継続されている。しかし、奇妙なことに、Spotlightという名前が表示されなくなっている。下記に、iOS8(左側)とiOS9(右側)の画像を掲載しておく。(私はベター版のiOS9.1を一般公開前に使用することができている。)

Spotlight検索を行う際、あなたは何かに気がつくはずだ。Siriの新しい機能である、”アプリ・サジェスト”が使えるようになっているのである。これは、Siriの”前衛的な”機能であり、これについては後ほど述べたいと思う。

Spotlight内のBingとその他の検索結果

Spotlight検索は、以前と比べ、より多くの情報を提供している。よりリッチな検索結果を表示するようにもなっており、スポーツなどについては”カード”形式の結果を表示しているのだ。例えば、”angels”を検索した場合は下記のような違いがある。左側がiOS8であり、右側がiOS9の検索結果だ。

iOS9の場合は、特定の試合のスコアが表示されていることに気がつくだろう。南カルフォルニアのオレンジカウンティのアナハイムに位置する、ロサゼルス・エンゼルスの試合結果だ。さらに、別の例を記載しよう。

こちらの例では、”Web動画”というエリアが新しく表示されている。Twitterよりも上位に位置し、Bingについてはさらに下に追いやられている。さらに、別の例を記載しよう。

上記の例では、両方のケースでWikipediaをソースとする検索結果が1位に表示されている。奇妙なことに、Notes機能からのコンテンツは合致しないことになっている。Notes機能を同期しているのにも関わらずだ。iOS9ではWeb動画のエリアが表示されている。また、両者ともに、Bingの検索結果は下に追いやられている。

あなたのSpotlightでの検索結果は、インストールしているアプリによって異なるし、逆を言えば、インストールされているアプリのコンテンツはより多く表示されるようになるだろう。これについて(Googleによる同様の取り組みについても)は、エミリー・グロッスマン氏とシンディ・クラム氏が非常に優れた記事をSearch Engine Landに投稿している。下記にリンクを記載しておこう。

GoogleはSafariに留まる

Spotlight検索はBingを去年から採用しており、これについての変更はない。Appleの検索システムからGoogleが閉めだされた格好だ。

しかし、Safariにおいては、Googleは引き続き採用されている。AppleとGoogleの長期に及ぶ契約が数カ月前に満了しているにも関わらずだ。Googleは5月に、この契約についての話し合いは引き続き行われていると発言している。個人的な見解ではあるが、この契約は、実はひっそりと再契約されているか、6ヶ月か12ヶ月ほどの一時的な延長が合意されていると考えている。

Spotlight内のBingのように、Googleは検索エンジンの最終兵器である。デフォルト設定では、Safariはあなたが入力した内容をサジェストするため、Spotlightから内容を引っ張ってきている。検索結果には他のソースからの情報も含まれる可能性があり、スポーツのスコアや天気予報などの場合は、カード形式の情報が表示される場合もある。

下記に、天気予報の表示をiOS8とiOS9の場合で比べた画像を掲載する。iOS8では天気予報のアプリをサジェストする表示となっている。

Siriは前衛的であろうとしている

Apple独自のデジタルアシスタント機能であるSiriは、検索に用いることも可能だ。今月末に登場するiPhone 6sとiPhone 6s Plusでは、”Hey Siri”と呼びかけることで稼働する機能を実装している。ハンズフリーで用いることができ、プラグインの設定も必要ない

さらにSiriは新しい機能を実装している。Appleによる、Siriの新しい機能の一覧はここで確認することができる。その中の一つを取り上げると、特定の場所で撮影した写真を見つけるよう、尋ねることができる機能だ。Appleフォト内の写真の中で合致したものを探してくれるのだ。その他では、マップで特定の場所、例えばグロッサリーストアなどを選択し、”ピクルスを買うことを忘れないように”と伝えることができる。そして、該当のお店に到着した時にその内容を伝えてくれるのだ。この機能は、マイクロソフトのCortanaに似ている。

Siriはあなたが尋ねる前に、あなたが望むものを予測しようとしている。Google Nowが行っている試みと同様だ。この”前衛的”な機能は、Google Nowに追いつこうとする機能だろう。道のりは非常に長いと言える。なぜなら、Siriの場合は、検索やブラウジングの履歴やメールの内容などを参照せず、非常に限定的な方法を採用しているからである。

もちろん、Siriはあなたのメールの内容を参照している。しかし、Cortanaと同様、あなた自身のデバイス内のメールのみを見ているのであり、クラウドに保管されたメールは見ていない。しかも、あなたが、Appleのメールアプリを使用してい場合のみ、該当するようになっている。あなたのメールの内容から学習した内容は、ローカルの場所に保管される。Googleはクラウドに保管されたあなたのメールを見ており、その内容をクラウドベースの場所に保管している。

iPhoneの画面を左側にスワイプすることで、Siriの詳細な予測機能を確認できる。ここでは、Siriがあなたが好むであろう内容を予測し、それについての情報を記載している。良く使用するアプリや、ニュース速報、”近くの〇〇”といった情報だ。

この画像は、上記のページが表示するアプリやニュース速報や近くの〇〇の違いの例だ。昨日の夕方、近くの〇〇はレストランとバーを表示している。今朝の場合は、ランチとコーヒーの場所を表示している。

いずれかをタップするとAppleマップが表示され、関連する情報も併せて表示されている。下記は、私がいた場所の近くのレストランとバーのリストを表示している画像だ。

この機能は、Googleが最近追加したGoogleマップ内のExplore機能に似ている。どちらも非常に優れている機能だ。

Siriは、スケジュールをカレンダーに追加していれば、フライトやアポイントメントの時間を知らせてくれる。また、メールの内容からもお知らせをしてくれるだろう。私がベータ版を3週間試したところ、まだこの機能は動いていないようだ。しかし、いずれ使えるようになるだろう。

最後に、Siriはあなたがアプリを使用している時、よりスマートな機能を提供してくれる。例えば、ヘッドフォンを使用している時、あなたが最後に行ったことを判断してくれる。オーディオブックを聞き、音楽を流していた、というような具合だ。

プライバシーポリシーにおけるジレンマ

概して、追加された機能は非常に優れたものと感じている。Appleは引き続き、Googleを自身の検索の領域の端へと追いやっている。しかし、予測機能の観点からすれば、新しいSiriの機能は、Google Nowと比べ、非常に限定的と言えるだろう。

例えば、Siriはニュース速報を表示してくれるが、あなたが一般的に興味がある分野に限られている。Cortanaも同様だ。しかし、Google Nowはあなたの検索履歴を参照しており、その結果、あなたが興味のある特定の分野のニュースや関連情報を表示することができる。それに対し、ユーザーが特別に何かをする必要はない。

これは非常に優れた機能と言えるだろう。しかし、プライバシーの問題も常に存在している。あなたはGoogleを信用しなければならないし、あなたについての情報がクラウド内に保管されていることも、信用しなければならない。こうした状況を好まないユーザーにとっては、Siriはより魅力的な手段として映るだろう。しかし、同時に失わなければならないものがある。予測機能の精度は、諦めなければならない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「With iOS 9, Apple’s Siri & Spotlight Search Get Smarter」を翻訳した内容です。

記事内でも強調されているSiriとGoogle Nowの比較については、非常に同意です。それぞれの哲学というか、考え方に違いが見られますね。検索における影響は、Appleでも採用を始めたディープリンキングが主になるかと思いますが、上記で述べたとおり、別記事で紹介したいと思います。日本では圧倒的な人気を誇るiPhoneですが、SEOの観点からも色々と考えさせられる記事でした。

コンテンツマーケティングで予算の無駄遣いをしないためにやっておくべきこと

こんにちは。コンテンツディレクターの成田です。 コンテンツマーケティング始めてますか? やってはみたものの、よくわからん! という方は意外と多いのではないでしょうか。成功しているとは思えないが、失敗しているかどうかもわか […]

Googleは構造化データのマークアップをランキング要素として使用するようになるかもしれない。

Httpsと同様、Googleが普及に力を入れていた分野である構造化データですが、将来的にランキング要素として使用されるかもしれない、といった話題です。Webサイトの内容を正確に検索エンジンに伝える技術となりますが、Googleとしてもサイトの内容を把握するうえで大きな利点があります。(正確に理解することで最適な検索結果を提供する、という意味でユーザーにもメリットはあると言えます。)テストツールの提供など、Googleも普及に向けての努力を行っていますが、ランキング要素として使用されれば一気に普及が進むかも!!??– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっております。

この話を聞いたとき、非常にショックを受けた。なぜなら、Googleはリッチスニペットと構造化データのマークアップは検索結果のランキングを上昇させるための手段にならないと、何度も述べていたからである。しかし、Googleのこの件に対する姿勢は、将来的に変更するかもしれない。

Googleのジョン・ミュラー氏が今朝行われたハングアウトでヒントを与えてくれた。21:40頃からこの話題に触れているが、Googleは、いつの日か、構造化データのマークアップをランキングアルゴリズムに組み込むかもしれない、と発言したのである。

ジョン氏は、”徐々に、構造化データのマークアップはランキング要素のような形で扱われるようになると考えている”、という発言をしている。さらに、氏が言及した内容を下記に記載しよう。

例えば、車を探しているユーザーがいて、Googleはそれを認識していたとする。Googleは、車についての構造化データをマークアップしているサイトはここにあります、とそのユーザーに提示できるようになる。そういった意味では、キチンとマークアップされたサイトは非常に便利であると言えよう。なぜなら、Googleはそのサイトのページが車について書かれているかを推測する必要がなくなるからだ。

ジョン氏はGoogleのランキングアルゴリズムの担当であるわけではないが、Googleが構造化データについてどのように考えているか推し量ることができる。氏は、こうした場合にランキング要素として、”構造化データを使用することは確実に理に適っている”、とも述べている。彼が言及した内容を下記に記載しよう。

長期的に見れば、多くのWebマスターが、構造化データをWebサイト上に適切に配置するものであると考えるようになることは、必然であると思う。しかし、構造化データのマークアップを実装したからといって、自動的にランキング上昇を意味するということにはならないだろう。つまり、我々は、技術的な要素を適切に実装しているサイトと、非常に優れたコンテンツを掲載しているサイトの違いを、適切に区別するように努めているのである。

技術的に優れているサイトは、技術的には優れていないがユーザーが求めているコンテンツを掲載いているサイト、と同程度にユーザーとの関連性を保証されるものではないのだ。

下記に該当の動画を掲載しておく。質問が出始めたあたりは飛ばしてもかまわないと思うが、ジョン氏が発言を開始した辺りからの動画を掲載しておく。

この件に関するGoogle+はこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Structured Markup May Become A Ranking Factor」を翻訳した内容です。

モバイルフレンドリーやHttpsなど、Googleがランキング要素の内容を周知する流れがあるとも言える今日この頃です。しかし、こうした際に留意しておくポイントとして、①SEO目的ではなくユーザー体験の向上を目的とすること、②実装したからといって順位上昇が約束されるものではないこと、が挙げれられるでしょうか。GoogleがWebマスターとのコミュニケーションを強めてくれる流れはありがたいですが、アルゴリズムに左右されるばかりでは元も子もないと、改めて確認したいと思います。

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SEOにおける新たな領域。あなたのアプリを見つけてもらおう。

以前からその重要性は叫ばれていましたが、今年に入ってからは特に、モバイルとアプリに関する話題が多くなってきたと感じています。SEOが検索に伴う技術であるならば、新たな検索場所(モバイル)と検索対象(アプリ)は確実に考慮すべきでしょう。多くの方がすでに認識されていることだとは思いますが、”そもそもなぜ重要なのか?”が上手くまとめられた記事となっています。– SEO Japan

かつて、検索エンジン最適化(SEO)といえば、その全てがWebページを対象とするものであった。しかしながら、当ブログのコラムニストであるジャネット・ドリスコール氏が指摘する通り、事態は大きく変わっている。モバイルの成長とともに、SEOの領域はアプリをインデックスさせる役割も含むようになったのである。

apps-mobile-smartphone-ss-1920

ついにこの時が訪れた。モバイルの時代がやって来たのだ!Google検索の多くは、デスクトップではなく、モバイルで行われるようになり、SEO担当者は、対象をモバイルにも拡大しなければならなくなった。ただし、Webサイトをモバイルフレンドリー化すれば、それで済むような話でもない。Webサイトのみならず、モバイルアプリも考慮に入れなければならない。

SMX West 2015で、ジャスティン・ブリッグス氏は、構造化データについてのプレゼンテーションを行い、SEOの未来に対する奥深い見解を語っていた。彼は、ユーザーのニーズを把握するために検索エンジンが獲得しなければならない知識についての説明を行い、それに関するデータを披露した。さらに、構造化データとモバイルアプリケーションを結びつけるために必要な作業についての説明も行っている。こうした動きは、Google Now On Tap“micro-moments”のメッセージからも、Googleがこの方向に進んでいることを読み取ることができる。

もちろん、すべての会社がモバイルサイトとモバイルアプリを用意しているわけではない。しかし、Criteo社が実施した最新の調査によると、小売業界と旅行業界においては、モバイルサイトよりも、モバイルアプリの方がコンバージョン率が高いという事実もある。

mobile retail conversion rates app desktop criteo

モバイルでのコンバージョンにおいてアプリがどれほど重要な役割を担っていたとしても、ウェブサイトと同様に、アプリを見つけてもらえなければダウンロードしてもらうこともできない。その結果、コンバージョンにも貢献することもない。ここで登場するのが、SEOの新たな領域とも言える、アプリの発見性を高める取り組みである。

Google Playストアは、2015年2月の時点で、140万点以上のアプリを提供しているようだ。これほど多くのアプリが存在するなかで、どのようにあなたのアプリを見つけてもらうのだろうか?

アプリを宣伝する手段は、広告、アプリストア用の最適化、自身のWebサイトに掲載するなど、多数存在する。しかし、Googleは、オーガニックにモバイルアプリを見つけてもらいやすくする新たな手段を追加している。SEOの取り組みを実施しているなら、総合的な最適化のプロセスにおいて、是非ともこの新たな手段を検討するべきである。

Google モバイル検索でのアプリ

モバイルアプリは、以前からGoogleのモバイル検索結果に表示されていたが、モバイルデバイスに既にインストールされているアプリのみが対象であった。

しかし、検索クエリと関連する場合は、モバイルの自然検索結果に新しいアプリのインストールを提案する表示も含まれるようになると、Googleが発表している。つまり、アプリ内のコンテンツが、従来のウェブページと同じように、自然検索を介して見つけてもらえるようになり、新しいユーザーにアプリのダウンロードとコンテンツの利用を促すことができるようになったのである。

Google Now On Tap

2015年5月に行われたGoogle I/Oにて、Googleは、Google Now On Tapの告知を行った。Now On Tapは、AndroidデバイスのGoogle Nowをパワーアップさせたものであり、ホームボタンをホールドするだけで、スマートフォンでどんな機能を利用していても、”その瞬間に”助けてもらえるサービスだ。Googleは、次のようにNow On Tapを説明している。

例えば、新作映画のトゥモローランドを見に行かないかとEメールで友達から誘われた場合、そのEメールアプリを閉じることなく、Google Nowを呼び出し、その映画に対する評価を確認したり、予告編を見たり、チケットを購入することが可能です。その後、即座に今まで実施していたタスクに戻ることができます。

Google Now On Tapは、ディープリンクの設定が有効になっているアプリで動き、今年の後半に発表される予定のAndroid MのOSと共にローンチされる。Google Now On Tapは、ユーザーのデバイスに既にインストールされているアプリに加え、まだインストールされていないアプリに対して、さらなるビジビリティや露出の面で、大きなチャンスをもたらす。さらに言えば、通常のアプリストアとモバイルの検索結果以外における発見性を高めることになる。

App Indexingにより、あなたのアプリの発見性を高める。

アプリをGoogle Now On Tapやモバイルの自然な検索結果に表示させたい場合、App Indexingを実装しなければならない。App Indexingを実装することにより、検索エンジンのクローラーが、ディープリンクを介してアプリのコンテンツをインデックスすることが可能になる(App Indexingを実装するには、アプリのコンテンツに対応するウェブページを用意する必要がある)。

現在、App Indexingは、Androidのアプリを対象としているが、同時にGoogleは一部のiOSアプリに対するテストを開始している(Googleは、このテクノロジーをできるだけ早い段階で公開することを目指しているが、iOSアプリの開発者には一足先にこの技術を利用する特権が与えられている)。当然ながら、Google NowはAndroidのスマートフォンでのみ稼働する。

つまり、SEOを生業としているものの、このテクノロジーをまだ活用していないのであれば、アプリの発見性をタスクの一部に盛り込むことを検討してみるとよいだろう。SEOはウェブサイト限定の取り組みではなく、データの置き場所がウェブサイト内であれ、モバイルアプリ内であれ、ビジビリティを高めるため、より包括的なアプローチを考慮するべき時代に差し掛かっているのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Emerging Role Of SEO In App Discoverability」を翻訳した内容です。

記事中にも触れられている通り、全てのWebサイトがアプリを必要としているわけではありません。そのため、対象者という意味では限定的な取り組みとなってしまいますが、アプリが生命線とも言えるサービスもあるわけで、注目度は高いと言えます。アプリの表示に限らず、Twitterやその他の表示も含まれているため、Googleがいかに最適な検索結果を提供するか、改めてその部分が注目されると感じています。

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スクリプトを用いた CSV ファイル ダウンロードについてのお知らせ

先日の新しい検索アナリティクス (Search Analytics) API の登場により、デベロッパーの皆さまは検索クエリやランキングの情報へさらに簡単にアクセスできるようになりました。これを踏まえて、Google では、スクリプトによる CSV ダウンロードのためのアクセスを 2015 年 10 月 20 日に廃止する予定です。
上記のようなスクリプトを用いた CSV ファイルのダウンロードは、長年様々なサイトやツールにおいて利用され、検索クエリやインプレッション数、さらにクリック数やランキングといった情報の取得に活用されてきました。しかし、そこで取得できるデータは新しい検索アナリティクスのものではなく、すでに廃止された ClientLogin API に基づいたものでした。

当該機能は上記日程にて終了となりますが、これからは検索アナリティクス API が皆さまのお役に立つと私たちは考えています。すでに、新しい検索アナリティクス API について多くの活用例が報告されています。皆さまも、新しい検索アナリティクス API の有効な活用事例をお持ちの場合は、ウェブマスター ヘルプ フォーラムWebmaster Japan コミュニティにて私たちにぜひお知らせください!

検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。

2012年にマット・カッツ氏が、先日のSMXではミト・ガンジー氏が、また、その他の方からもちらほら聞かれるSearch Experience Optimization。明確な定義はありませんが、検索エンジンに特化した施策ではなく、ユーザー(検索)体験の最適化を目的としたアプローチです。記事中のクリック率とランキング要素の関係については賛成しかねるところはありますが、目的としている部分は正しいのではないでしょうか?– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

future-search-box-ss-1920

2015年以降のSEOを成功に導くために、我々は何をすれば良いのだろうか?今まで何度となく耳にしてきた以下の指摘は、今まで以上に真実味を帯びてきている。

“優れたコンテンツを作る”

“コンテンツは何よりも重要だ”

“品質の高いサイトを構築する”

しかし、そもそも何をもって”優れた”と言うのだろうか?どのように”品質”を計測すれば良いのだろうか?

ユーザーの期待を考慮せずに、コンテンツの品質を評価することはできない。ユーザーの期待を満たさないのであれば、どれだけ巧みに文章を綴っても意味はない。検索の観点において、質の高いコンテンツを提供するためには、Search Engine Optimazation(SEO:検索エンジン最適化)を超え、Search Experience Optimization(SXO:検索体験の最適化)に発展させることが必要となる。

検索体験はGoogleに始まり、Googleで終わる

通常、ユーザー体験(UX)の最適化は、成功を判断する基準が設定されている。ユーザーをバイヤーにコンバートする、Eメールアドレスを集める、ページビューを増やす、あるいは、ユーザーに広告をクリックしてもらうことなどが、そうした基準に該当する。

また、それらはGoogleの基準ではなく、あくまでも、あなた自身の基準であるはずだ。さらに言えば、基準となる対象はあなたの顧客であり、Googleの顧客ではない。一方、SXOにおいては、Googleの顧客に焦点をあてることとなる。この体験は、Googleに始まり、Googleで終わる体験なのだ。

自分自身の基準に従えば、全ての基準にアクセスすることができる。その中には、明確な基準(購入決断など)もあれば、曖昧な基準(直帰率など)もある。しかし、Googleの基準(彼らが検索結果に対しでどのように計測を行っているか)に関しては、非常に情報が少なくなってしまう。それは、底の見えないブラックホールのようなものだろう。検索体験を最適化するためには、この明らかにされていない箇所にいくばくかの光を当てる必要がある。

あなたが望むものを、あなたはいつでも得られるわけではない

買う意欲のある、予約する意欲のある、購読する意欲のあるなど、自身のビジネスにとって有益な行動を起こす意欲のあるユーザーを私達は求めている。次のチャートは、仮説に基づいたものも含まれるが、検索エンジン経由のビジターによるサイトの利用の内訳を表している。

UserActions

【上記画像和訳】
・シングルページ(直帰)
・エンゲージメント(コンバージョンには至らず)
・Eメールアドレスを残す
・購入

上記のチャートによると、ユーザーの60%はなにも行動を起こしていないことになる。そうしたユーザーは、欲しいものを手に入れることができたのだろうか?また、どのような人達なのだろうか?そして、なぜあなたのサイトにやってきたのだろうか?

(自身のサイトにとって)成功と見なすことができる行動(登録や購入)を取ったのは、10%に過ぎなかった。残りの90%のユーザーはどうだったのだろうか?直帰しなかったユーザーは何をしていたのだろうか?フラストレーションを抱えてサイトを去ったのだろうか?それとも、満足してサイトを後にしたのだろうか?

我々は、自身が望むビジターを常に得られるわけではない。SXOは、我々が望むようなユーザーはもちろん、我々が実際に獲得したユーザーの体験を最適化する取り組みである。それは、Googleの望みと一致しているだけでなく、全てのユーザーをより良く理解することで、我々のビジネスの目標達成にも有効に働くものなのだ。

Googleが望むことは答えを提供すること

ナビゲーショナル検索(特定のサイトに訪れたいという意思が既にある場合の検索)を除き、たとえその形式を成していなくとも、基本的に全ての検索は質問である。非常にシンプルなことではあるが、Googleはそうした質問に対する答えの提供を望んでいるのだ。検索結果で提供されるダイレクトアンサーの数が増加していることが何よりの証拠と言えるだろう。

下記に記載する検索について考えてみよう。

search-intent-examples

【上記画像和訳】

ハイアット リージェンシー ユーザーは価格、アクセス方法、レストラン情報などを求めている可能性がある。
ダイソン ホームズ 家の価格は?学校のシステムは?自分の家の価値は?
ニューバランス 433XB 購入するサイトを探している?レビューを読みたい?製品の詳細な性能を知りたい?
アメリカン エアーラインズ 航空券の予約、出発時間、ポリシーの確認、など。

Googleは、答えを提供する点に関しては成功を収めている。しかし、Googleはどのようにして、成功しているかどうかを判断しているのだろうか?とりわけ、クエリが質問形式ではない場合は。

Googleによる評価方法

Googleが独自の基準を用いて、検索結果の品質を計測していることは明らかだろう。我々にとっての自身のサイトと同様、Googleはユーザーがクリックした結果を元にしたメトリックスをもっているはずである。事実、Googleは先日この点を認めている

Googleがクリックの結果を分析する方針は理にかなっている。Googleが確認している可能性が高く、また、頻繁に話題になっていることも考慮に入れると、下記の要素を見ているはずだ。

  • ショートクリック(Short click)
    ショートクリックは、ウェブサイトからすぐにGoogleに引き返す行為を指す。当然だが、すぐに引き返されてしまう場合、良いシグナルとは言えない。
  • ロングクリック(Long Click)
    ロングクリックには、ユーザーがGoogleに引き返すまでに長時間を要するクリックが該当する。その時間は長ければ長いほど良い。
  • ポゴスティッキング(Pogosticking)
    検索エンジンのユーザーが、複数の検索結果を行ったり来たりする行為を意味する。
  • クリックスルー率(Click-through rate)
    検索結果に表示された頻度とユーザーがクリックした頻度の比率(%)で表現される。
  • ネクストクリック(Next Click)
    ポゴスティック後、ユーザーが次にするクリック。(既存の検索結果、もしくは、新しい検索を実行した後のクリックも含む。)
  • ネクストサーチ(Next search)
    ユーザーが新しい検索に移行したケース。
  • 2回目の検索のクリック率(Click rate on second search)
    パーソナライズ検索や過去にクリックされたことにより、前回のページの順位が上がる。

ネクストクリック

Googleにおいて最も重要なシグナルは、”ネクストクリック”だろう。Googleがクエリに対する答えを提供したいのであれば、ユーザーが次にクリックする結果は、ユーザーが何を知りたいかをGoogleに伝える上で重要な指標となる。例えば、ユーザーは、New Balanceのランニングシューズを買う場所を見つけたのだろうか?ナパのB&Bのレビューを探しているのだろうか?

もしユーザーが同じクエリで異なる検索結果に対し、クリックと”戻る”を繰り返しているのなら、また、Googleに継続して訪問し同じクエリを繰り返しているのなら、ユーザーは既存の検索結果に満足していないことを意味している。反対に、ユーザーが検索結果ページに戻り、まったく異なる検索を新たに実施した場合、ユーザーは検索結果に満足したと考えられる。

Googleは、ユーザーがクリックする行動がランキングに直接影響を与えることを認めてはいない。しかし、影響を与えるとしか私には思えない。仮にランキングに影響を与えないとしても、アルゴリズムの評価と変更に影響を与えている可能性は高いと思う。いずれにせよ、Googleの検索結果にあなたのサイトが表示され、Googleの基準数値が改善されるのであれば、あなたにとって良いことづくめだと言えるだろう。

検索を完了させる

従って、検索ユーザー体験を最適化するためには、ユーザーによる(それ以上の)探索を止めさせ、検索という行為を完了させる必要があるのだ。

ユーザーがGoogleの検索結果に戻り、さらに答えを探す理由がない状況を作り出さなければならない。我々が具体的なネクストクリック後の訪問先を知る手段はない。しかし、ユーザーを理解することで、ネクストクリックに影響を及ぼすことは可能だ。

“検索を完了させる”ためには、ユーザーがなぜ自分のページにたどり着いたかを理解する必要がある。どんな疑問を抱えていたのか?そもそも、どんなニーズがあってGoogleを訪問したのだろうか?

ユーザーが特定のホテルを検索するケースを想定してもらいたい。

  • 最も安い価格を探しているのか?
  • レビューを探しているのか?
  • ドライブのルート情報を必要としているのか?
  • アメニティグッズを調べているのか?

もっともらしい推論を導くことは可能ではあるが、さらなる上を目指してみよう。

キーワードデータ

まずはキーワードのデータをチェックしよう。キーワードのデータをWebmaster Tools(現在はSearch Consoleに名称を変更している)で精査し、検索意図を明らかにするために修飾語句を探そう。まずは、特定のページのタイプ、および、トラフィックが多いページに対するキーワードを確認する。

曖昧で、意図が明らかでないキーワードが多いだろう。例えば、旅行のサイトを運営している場合、修飾語句がない”Hyatt Regency”で100回の検索、”レビュー”、”ルート”、”場所”などの修飾語句がある検索が20回、といった具合になるはずだ。こうした修飾語句とその出現回数は、ユーザーがあなたのサイトを訪れた際に抱く疑問を明らかにする材料になる。

これはあくまでも初めの一歩に過ぎない。 おそらく、あなたが知り得ないクエリも多くあるはずだ。なぜなら、そうしたクエリでは、あなたのサイトはランクインしていないからである。そこで、SEMrushやGoogle キーワードプランナーなどのキーワードツールの登場となる。また、UberSuggestを使ってユーザーのマインドセットを把握する方法もお薦めだ(クエリの量は多くなくても、その他のツールでは盛り込まれていない多くのバリエーションを知ることができる)。

UberSuggest

キーワードデータは、ユーザーの考えていることを把握する上で良い出発点となる。しかし、あくまでも出発点である点を忘れないでもらいたい。それでは次のステップに進んでいこう。

SEO調査

ユーザーがあなたのサイトにアクセスした理由を明らかにするための調査を行おう。私自身、SurveyMonkeyやQualaroo等のツールを使って、長年SEO調査を実施してきた。 当然だが、調査自体はユーザー体験にマイナスの影響を与える。そのため、統計的に有意な値を得られるまでの期間に限定している。通常、100名からレスポンスを得られれば十分だと私は考えている。以下に、調査をする際の注意点を挙げていく。

  1. 検索を基にユーザーを分類する。これはSEOの調査であり、検索エンジンを経由したビジターのみが対象となる(その他のセグメントのユーザーに拡大する価値も、もちろん、ある)。
  2. この調査の目的は、ユーザーがサイトを訪れた理由を知ることだ。 ユーザーを検索に駆り立てた疑問や問題は何だったのだろうか?
  3. 間髪入れずに調査を行う。 待ち過ぎてしまうと、すぐに検索結果に戻ってしまうビジターを対象にする機会を逃してしまう(このタイプのビジターこそ最も調査に含めたい)。
  4. ページのタイプごとに調査を分類する。 例えば、ホテルの施設に関するページにアクセスしたユーザーは、街やホテルを紹介するページにアクセスしたユーザーとは大きく異なる動機を持っている。トラフィックの多いコンテンツに対しては、個々のページで調査を実施したいところだ。
  5. 調査の領域は、SEOトラフィックの大部分である必要がある。

ユーザーに”本日、このサイトを訪問した理由をお聞かせください”と尋ね、理由の選択肢を幾つか用意しよう。その際、”その他”を用意し、あなたが思い浮かばなかった理由を逃さないようにしてもらいたい。例えば、住宅を販売する不動産業者のサイトの場合、以下のような質問が効果的だ。

  • 購入目的
  • 賃貸
  • 家の価格
  • 近郊の学校の情報
  • 見積もり
  • オープンハウス
  • 地図

調査で得たデータに基づいて、ユーザーのニーズに優先順位をつけることが可能となる。予想外の結果が出ることが多いが、それがそのままチャンスに結びつくこともある。例えば、不動産サイトの販売ページにアクセスしたユーザーに対して調査を行い、そのうちの20%が、実は、賃貸も検討している点が判明した、といった具合だ。これはクロスマーケティングを行う絶好の機会となる。

統計的に有意な値

あなたはユーザーを満足させたいはずだ。しかし、全てのユーザーに喜んでもらうことは不可能である。そのため、改善すべきアイテムに優先順位をつけ、できるだけ多くのビジターのニーズを満たすようにしよう。

例えば、レストランのページにアクセスしたビジターの25%が、予約したいと望んでいるものの、予約ができない状態であれば(予約機能が提供されていない、もしくは、ユーザビリティの問題が存在するなどの理由で)、それは大きな課題となるはずだ。仮に、アクセス方法を知りたいと思っているビジターが全体の1%程度であれば、アクセス方法の提供の重要度は遥かに低いことになる。

猶予は10秒間のみ

UXのエキスパートとして名高いヤコブ・ニールセン氏は、数年前にMicrosoft Researchの調査の分析を行っていた。こちらの分析によると、サイトにアクセスしてから10秒以内に最も多くのビジターがサイトを去ることが判明している。そのため、10秒を過ぎると、当該のユーザーがサイトに留まる確率は高くなる。下記に挙げる要素をユーザーに提供する必要があるが、その猶予は10秒間しかないということだ。

  • ビジターが持つ疑問の答えがサイトに存在すること
  • 信頼に値する答えを持っていること
  • その答えを簡単に得られること

これは非常に難易度が高い。あなたは、多くの競合する優先度にバランスを与えるページデザインを作成しなければならない。効果的なランディングページをデザインするためには、ビジターがどんな疑問を持っているのかを知る必要がある。

SEOユーザビリティテスト

ユーザビリティテストは、ユーザーがどの程度、彼らの目的を達成したかを判断する、非常に優れたツールである。現在、ユーザビリティテストはSEOの取り組みの一環として捉えるべきだと思う。UXチームやプロダクトチームがこのタスクに失敗しているのであれば、彼らとともに取り組み、あなたの視点(SEO観点)がユーザービリティテストに含まれているか確認しよう。もしも含まれていないのであれば、彼らにテストから得られた結果を含めてもらうよう、依頼すべきだ。

ユーザビリティに馴染みのないSEOの担当者には、Rocket Surgery Made Easyに一度目を通すことを薦める。 また、非常に有益で迅速にテスト結果を提供してくれるオンラインサービスも存在する。個人的にはUserTesting.com(より本格的なテストに向いている)とFiveSecondtest.comを実際に使ったことがあるので、お薦めしたい。下記に、SEOユーザビリティテスト特有のアドバイスを挙げておこう。

  • SEOのユーザー・シナリオを作成する。背景と目的を設定しよう。検索結果でテストをスタートさせ、検索結果からランディングページへの移動を観察しよう。
  • 最も多くのトラフィックを獲得するページのテンプレートを用いて、ランディングページに焦点を絞る。
  • キーワード分析と調査で明らかになった使用事例や問題に焦点を当てる。

一貫性のあるタイトルとメタディスクリプション

すべての検索が質問であるならば、検索結果ページでは答えが提供されているべきだ。サイトのタイトルは、そのサイトが提供する情報を正しく表現できているか、確認すべきだろう。

あなたの製品の内、半分しかレビューがないのであれば、レビューがある製品の場合のみ、その内容をタイトルとディスクリプションに記載しよう。さもなければ、ユーザーは好ましくないクリックを行うことになり、結果として不満を抱えてしまうだろう。また、”無料”という言葉を使うのであれば、”無料!”としたほうが良いだろう。

ウェブ製品の改善

SEOの役割は広がり、ビジターの問題を理解し、解決することまで求められるようになった。スキルを増やし、今までとは違った領域に踏み込む必要があるため、SEOの担当者にとっては大きなチャレンジとなるだろう。しかし、リンク構築と比べ、遥かに面白く、また、遥かに大きなやりがいを得られるはずである。

もっと言えば、SEOの役割は、あなたの組織内でより厳しい目で見られる可能性もある。なぜなら、学習し、改善することでウェブサイトに大きな利益を与えるようになり、従来のSEOの範疇を超えた影響を与えることになるからだ。”Search Engine Optimization”から”Search Experience Optimization”への移行の素晴らしいところは、サイトへのトラフィックを増やすだけでなく、ウェブ製品自体を改善する効果が見込める点である。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「From SEO To SXO: Search Experience Optimization」を翻訳した内容です。

SEOの対象範囲は広がる一方であり、従来の範囲を元にすると”SEO終了説”もささやかれたりします。(個人的には、人々が検索という行為をやめない限り、SEOの必要性はあり続けると考えていますが。)それでも、目線やアプローチや施策内容は刻々と変化していきますので、有益なサービスを提供できるよう、頑張っていきたいものです。

続きを読む 検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。

史上最高のヒマ潰し?時間が余ったらGoogleから豆知識を教えてもらおう。

今回のSEO Japanは全くSEOとは関係なく、Googleの新機能の紹介です。Google検索で”面白い事実”をランダムに表示する機能ですが、英語のみの対応のようです。(言語設定を英語に変更すれば、日本からでも利用できます。)これらをアルゴリズムで処理しているとなれば、クエリの選定や答えの引用方法などの技術が気になります。特にクエリの選定について、”おそらく多くの人が知っておらず、知ったら面白いと思えるクエリ”というカテゴリをディープラーニングで分類分けしている。。。なんてことが行われているかも???– SEO Japan

Googleで”fun facts(面白い事実)”や”i’m feeling curious(好奇心があります。)”、もしくは他の可能なクエリがあるかもしれないが、これらのクエリで検索したことはあるだろうか?Googleは、データベースから引っ張ってきたちょっとした事実を記載する、動的なアンサーボックスを検索結果の上部に表示している。

下記に、私が”fun facts”で検索した際に表示されたキャプチャを載せておく。

【上記画像和訳】
“ストロベリーはベリー類か?”という質問に、”ストロベリーはバナナである。”という内容が書かれている。

このアンサーボックスは他のWebサイトから内容を引っ張ってきており、それらをランダムに表示している。ボックス内では質問が掲載されており、それに対する答えとソースとなるWebサイトへのリンクも記載されている。また、ボックスの下部にある”ASK ANOTHER QUESTION(他の質問を尋ねる)”ボタンをクリックすれば、検索結果が更新され、新しい事実を提供してくれる。

下記は”i’m feeling curious”のクエリの場合に表示される画像である。”fun fact” 出ない理由は、検索結果が更新されると、”i’m feeling curious”にクエリが変更されるからである。

【上記画像和訳】
“女性の小人の身長はどの位と考えられるか?”という質問に対し、”アメリカの小人症の定義”の内容を記載している。

上記機能はGoogleの新しい機能であると思う。

この件について、Google+Twitterでもトピックになっている。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Has A Dynamic Fact Box For I’m Feeling Curious」を翻訳した内容です。

この種の機能をGoogleが追加する度、その発想力と実現するための技術力に感心してしまいます。また、それらをこっそりと追加する点も、いかにもGoogleらしいですね。現在は日本語での対応はされていないようですが、実現されれば色々と試したいと思います。

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アプリバナーでよりモバイル フレンドリーなウェブページを

ユーザーが携帯端末で検索した場合、探している情報がアプリにある場合もウェブページにある場合も、関連性の高い検索結果がユーザーに表示される必要があります。Google では最近、検索ユーザーがより簡単にアプリモバイル フレンドリーなウェブページを見つけられるよう対応しました。しかし、ユーザーが携帯端末上で検索結果をタップすると、コンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルが表示され、アプリのインストールを求められる場合があります。Google の分析によると、これは検索エクスペリエンスを低下させ、ウェブページのコンテンツを確認したいユーザーの利便性を妨げるものとなっています。

Google では、本日付けでモバイル フレンドリー テストを更新し、検索結果ページから移動した先のコンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルをできるだけ使わないようにすることを推奨します。Search Console のモバイル ユーザビリティ レポートには、このようなインタースティシャルの問題があると診断されたサイト内のページ数が表示されます。

11 月 1 日以降、検索結果ページから移動した際にコンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルが表示されるモバイル ウェブページは、モバイル フレンドリーとは見なされなくなります。これ以外のインタースティシャルに影響はありません。アプリ インストール インタースティシャルの代わりとして、各ブラウザからも、アプリのインストールを促進するよりユーザー フレンドリーな方法が提供されています。

コンテンツの大部分を覆い隠すアプリ インストール インタースティシャルは検索エクスペリエンスを低下させる

押し付けがましくないアプリ インストール バナーが望ましい


アプリ インストール バナーは Safari(スマートバナー)と Chrome(ネイティブ アプリ インストール バナー)でサポートされています。バナーであれば、一貫したユーザー インターフェースを提供しながらアプリのインストールを促進でき、ユーザーもブラウジング エクスペリエンスを自分で制御できます。ページ コンテンツを隠してしまうことがなければ、独自のアプリ インストール バナーを実装することもできます。

ご不明な点がありましたら、ウェブマスター プロダクト フォーラムでお気軽にご質問ください。

HTTPSに適応していないコンテンツを掲載しているサイトは、将来的には、ランキングにおける恩恵にあずかれなくなるかもしれない。

少々長い記事タイトルになってしまいましたが、先日行われたGoogleハングアウトからの話題です。HTTPSに対応していない画像を掲載している場合などは、今後HTTPSに対応しているサイトとしてみなされなくなる可能性があるとのことです。今まではどのような状態でもHTTPSにさえなっていればよいという状況でしたが、段階的に対応が変わることは明らかだったと思います。公式に決定した内容ではないですが、今後起こりうる可能性は十分にあると言えるのではないでしょうか?– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語になっています。

Googleのジョン・ミュラー氏が今朝行われたハングアウト内で言及している。18:30頃での発言だが、Googleは、HTTPSコンテンツのミスマッチエラーを起こしているサイトへは、HTTPS対応によるランキングへの恩恵を与えなくなるだろうと説明した。

コンテンツのミスマッチエラーとは、HTTPSに対応しているWebページ内に、セキュア化されてない要素(コンテンツ)がある場合を指すエラーだ。例えば、HTTPS化されていない画像、ソーシャルメディアのプラグイン、その他の場合などが該当する。このエラーは、WebサイトをHTTPS化にする際、非常に良く起こる問題でもある。

どのような場合でも、たとえ、ミスマッチエラーを起こしているサイトでも、ランキング上昇の恩恵を受けていると、過去の記事で我々は報じていた。しかし、将来的にはこの状況に変化が起こる可能性があると、ジョン氏は発言している。

下記に、ジョン氏の発言を引用する。

どこかのタイミングで、我々はWebマスターに、Googleが検索結果で表示させるために本当にクリーンなHTTPSを提供しなければならない、と伝えることになると思う。詳細は分からない。完璧でないHTTPSサイトに対して何らかのペナルティを与えるとも思わない。ただ、我々はこうしたサイトをHTTPSに対応しているサイトとはみなさないだろうし、結果として、ランキングにおける小さな恩恵も与えることはないだろう。

あなたがジョン氏の発言をどのように捉えたとしても、彼が100%の自信を持っているとは思わないだろう。しかし、ジョン氏は、Googleがそのように考えていない、とも言ってはいない。

下記に該当の動画を掲載しておく。

あなたのサイトをHTTPS対応にする際は、コンテンツのミスマッチエラーを起こさないように注意すべきだ。ペナルティを受けることはないかもしれないが、ランキングにおける恩恵(非常に小規模ではあるが)を与えられなくなってしまうだろう。

この件に関するGoogle+ページはこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: HTTPS Content Mismatch Errors May Not Get Ranking Boost In Future」を翻訳した内容です。

そもそもランキングファクターに採用したところから考えても、GoogleはWebのセキュア化に強い関心を持っていることは容易にうかがえます。今後は、ランキング要素としての色を強めていくかどうかはわかりませんが、HTTPSに対応するサイトの数は増え続けるかもしれません。そうした状況になれば、非対応のサイトが相対的に目立ってしまうことになりますが、SEO目的のみではなく、ユーザー視点でも導入を検討するのがベストではないでしょうか。

続きを読む HTTPSに適応していないコンテンツを掲載しているサイトは、将来的には、ランキングにおける恩恵にあずかれなくなるかもしれない。