今、知っておくべきリンク構築の7つの常識

コンテンツマーケティングがSEOの中心になってきたといっても、Googleのアルゴリズム上、リンクがウェブサイトの評価の重要指標であることには変わりありません。とはいえ、かつての有料リンクに代表される人任せの手軽なリンク構築が通じていたのは過去の話。今日のリンク構築は、コンテンツマーケティングに負けじと丁寧に時間をかけて取り組んでいく必要があります。そんな最新のリンク構築事情を幾つかの基本ルールにまとめ上げてくれた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

CMO(最高マーケティング責任者)、クライアント、あるいは、クライアントの上司等々…検索を理解してくれない人達と私は仕事をしてきた。

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それは致し方ない。ランキングで1位を獲得する複雑な要素を関係者全員が理解してくれるとは、さすがに期待していない。SEOは、理論としては単純だが、実際の作業は大変であり、また、GoogleがSEO業者を贔屓してくれるわけでもない

しかし、同じことを何度も何度も説明するために、このビジネスを始めたわけではない。そこで、リンク構築とSEOについて、重役の方々に知って欲しい7つのポイントを挙げていく。

1. 上位にランクインするためには今でもリンクが必要

誰が何と言おうと、リンク構築はまだ健在である。情報を探すために、検索エンジンが用いられる限り、そして、検索エンジンがランク付けをリンクに頼る限り(実際に頼っている)、リンク構築が消えることはない。

当然だが、現在のリンク構築の手法は、かつての手法とは大きく異なる。そのため、混乱が生じている可能性がある。ディレクトリへのリスティング、アーティクルマーケティング、そして、ゲスト投稿は、コンテンツマーケティング、自社サイトでのブログの運営、コンテスト、そして、プレゼントに取って代わったのだ。

2. 必要なリンクの本数は不明

100本?10本?それとも、1本?上位にランクアップするために必要な本数を特定することは出来ない。

そもそも、リンク構築に関して、分かっていることは少ない。もちろん、手法、そして、どんな成果を期待できるのか結果に関しては、心得ている。リンクの量よりも、質が重要である点も理解している。しかし、いつリンクの価値が効力を生じるのかを特定することが出来るほど、検索エンジンのアルゴリズムを理解しているわけではない。

1位にランク付けされるために必要なリンクの本数は、ターゲットにするキーワード、自分のサイト、競合者の取り組み、そして、その日のGoogleの気分(と言うのは冗談だが、実は当たっているのかもしれない)に大きく左右される。

3. 良質なコンテンツの隠し場所

「コンテンツは王様」と言うフレーズは、リンク構築のエキスパートを奈落の底に突き落とした。リンクを獲得し、上位にランクインするには、読み、シェアし、リンクを張りたいと思うような良質で、魅力的なコンテンツを用意する必要があることは誰でも知っている。しかし、このコンテンツをどこからか調達する必要があるものの、その場所は、今のところ存在しないことも明白である。

良質なコンテンツを作るには、自分のサイト、そして、ユーザーにとって、適切なコンテンツを特定するために、多くの時間を割く必要がある。その後、自分のサイト、そして、ユーザーのために当該のコンテンツを作成する作業に移る。この作業にも膨大な時間がかかる。Facebookのちょっとした投稿でも、正しい表現を見つけ出すために10-15分を要することがあり、ブログの記事やレポートを作るつもりなら、数時間、数日間、場合によっては、数週間かかることもある。

4. 「ちょっとリンクを入手する」ことが可能な場所は存在しない

ナルニア王国を見つけて欲しい、と言われるようなものだ。また、万が一、このような場所を知っているとしても、誰も明かしたりはしない。

コンテンツと同じように、リンクの獲得は、キーワード、サイト、業界、そして、その他の様々な様子に左右される。リンク構築戦略は、サイトに対して調整することが可能であり、通常は、ゼロの状態から、取り組みをスタートさせることになる。

優秀なリンク構築の専門家は、リンク構築に着手する際に、頼りになる場所を幾つか持っている。この場所、そして、関係の経過を常に追っており、始めに利用する場所を確保していると言えるが、それだけでは、大きなインパクトを与えるには不十分である。

5. ただ単に「リンクを下さい」とお願いすることは出来ない

単刀直入にリンクを求める行為は、赤の他人に「20ドル下さい」と言うようなものだ。リンクを獲得(日本語)するためには、何らかの策を講じる必要がある。優れたコンテンツを作る取り組みが該当することもあるが(No. 3を参照)、リンクの話をする前に、相互的な関係を構築しなければならないことが多い。

アウトリーチ(接触)は、1人にアタックして、1本のリンクを得る類の手法ではない。100名に接触しても、100本のリンクを得られるわけではなく、しかし、だからと言って、資金を無駄に費やすわけではない。弊社のアウトリーチ戦略から浮上する機会は、2つか、3つしかないかもしれないが、海外のリンク構築業者が約束する1000本のリンクよりも(No. 2を参照)、この限られた機会の方が価値は遥かに高い。

6. 時間がかかる

何本リンクを獲得すればよいのか分からないように、上位にランクインするまでに(あるいは、PR3からPR5に到達するまでに)、どれぐらいの時間がかかるのかも、私達には分からない。しかし、経験上、たとえ適度な期待をしていても、それ以上に時間がかかることが多い。

リンク構築は、時間のかかる取り組みであり、検索エンジンが、リンクをインデックスして、評価を行い、オーソリティを特定するまでにも時間がかかる。通常、4ヶ月目に差し掛かると、成果が現れないことを理由に、クライアントは、フラストレーションを抱え始め、リンク構築戦略の効果に懸念を持つようになるが、通常、5-6ヶ月目に入ると、徐々に効果は出てくる。

7. リンク構築をやめるとランキングは下がる

「3ヶ月間にわたってリンク構築を行い、その後、中断し、経過を見ることは出来るだろうか?」

残念ながら、これは無理なお願いである。ジムに3ヶ月間通い、その後、ジム通いを止めた状態で、体重を維持することは出来るだろうか?

リンク構築は、持続/継続的なプロセスであり、目標を達成した時点で切り換えることが可能な「維持モード」は存在しない。検索エンジンは、リスティング、そして、アルゴリズムをコンスタントに再評価しており、リンクとコンテンツを新鮮な状態に保つことしか、検索エンジンに自分のサイトが妥当である点を理解してもらえる方法はない。リンク構築を中断して、1ヶ月間はランキングを維持することが出来る可能性はあるが、何もしないと進歩を台無しにしてしまう

最後に、重役陣にリンク構築について知っておいてもらいたいポイントを他に何かご存知なら、コメント欄で発表してもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「7 Things I Wish Execs Knew About Link Building」を翻訳した内容です。

内容自体はどれも納得、しかし実際にリンク構築を始めてみようと思うと、リンク先の発見からアウトリーチの方法まで勉強すべきことは多くありそうです。結局、コンテンツマーケティングを通じて自然リンクを地道に獲得していく手法が一番効率的な気がしなくもありませんが、その中でリンク構築のテクニックで活用できるものは基本に忠実、かつ発想豊かに活用していきたいですね。 — SEO Japan [G+]

ヒートマップテストで判明した19点の超重要データ

先日、アイトラッキングに関する記事を配信した所、予想以上の人気がありました。アイトラッキング以上に簡単に実施できるのが、マウスの導線を追うヒートマップテスト。様々なASPサービスも提供されており、低価格で導入できますよね。今回の記事では、数多くの公開事例や調査を通してヒートマップテストで会得した19のデータを紹介します。 — SEO Japan


19 Things We Can Learn From Numerous Heatmap Tests

ヒートマップは、ビジターの行動を分析する上で大いに役立つ。その他のメソッドでは得られない見解を導き出し、その結果、コンバージョン率を大幅に引き上げることが出来る可能性がある。

ヒートマップは、マウストラッキングとアイトラッキングの2つに分類される。大多数の企業は、マウストラッキングのヒートマップを利用している。費用対効果に優れているためだ。それでは、各種のヒートマップのテストで判明した重要な結果を検証してこう。

まず、マウストラッキングとアイトラッキングの一番の違いを挙げていく。マウストラッキングを利用する場合は、実際のビジターからデータを獲得し、一方、アイトラッキングを利用する際は、通常の環境では除外されることの多い人達のグループをサンプルとして用いる。そのため、後者の場合、結果が歪んでしまうことがある。その反面、アイトラッキングを採用すると、テストの主題に関しては100%近い精度の結果が得られる。マウストラッキングの精度は85-90%である。

それでは、テストで得られた見解を紹介していく:

1. ビジターの目的にとって、最も重要なコンテンツをページの上部に掲載するべき

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ビジターは、ウェブページをスクロールするものの、注目が持続する時間は短い — この調査では、ビジターがページを閲覧する時間は、ページの下半分に向かうと、大幅に短くなることが明らかになっている。80%の時間をページ上半分のコンテンツに割り当てている。そのため、ウェブサイトの目標にとって、最も重要なアイテムをページの上半分に掲載するべきである。

この調査では、ユーザーの閲覧時間は、次のように分散されることが分かった:

上半分: 80.3%
下半分: 19.7%

この調査は、1024×768の画質で実施されていた — 現在、大抵のウェブユーザーは、もっと高い画質のスクリーンを利用している。この点は、調査の結論に、本質的な変化を与えるわけではないが、比率が若干変わる可能性がある。大きなスクリーンで流動型なレイアウトが用いられていると、上半分のコンテンツの量が多くなる可能性があるためだ。

ページの下半分に差し掛かると、ユーザーの注目もまた下がる — ヘッダーから離れれば離れるほど、読もうとする意欲は薄れていく。そのため、最も重要な情報を上部に挿入しよう。

また、スクロールを促されると、ビジターはページをスクロールする点を覚えておこう。従って、長いページを用意しているなら、スクロールを促すデザインを採用してもらいたい。

ページの最後の要素に対する注目

この調査では、閲覧時間が、ウェブページの一番下の部分で大きく増えることも判明していた。つまり、ビジターの注目は、ページの一番下に到達すると、再び高くなるのである。 従って、良質なコールトゥアクション、または、関連するコンテンツをウェブページの一番下に置くと、コンバージョン率の増加につながると考えられる。

ついでに、親近性効果、要するに、最後に見たものが、心の中に残る効果も考慮すると良いだろう。時間を割いて、ページの最後を慎重に作り上げることが重要だ。

2. 見るものを買う — 急いでるときは、目立つものが選ばれる

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先日行われたCaltechの脳科学の調査では、早急な決定を行う際(急いでるとき、もしくは、集中力を妨げられたとき)、視覚的なインパクトが、消費者の好みよりも選択に大きな影響を与えることが分かった。 つまり、ビジターが急いでいる時は、個人の好みを軽視し、最も目についたものを基準として選択を行う傾向があるのだ。この偏りは、気が散っている状態では、さらに強くなり、各種の選択肢における好みがない際に、特に強い。

この事実は、大きなポテンシャルを持つ仮説をマーケッターに与える — オンラインショッピング等のとりわけ時間の制約があり、気が散る状況において、製品の視覚的なインパクトが、消費者の好みを上回るなら、ウェブサイトのデザインに戦略的な変更を加えると、ビジターの注目を著しく移すことが出来るはずである。

そのため、忙しさを増す環境で、ビジターが、探しているもの(もしくは、最も売りたいもの)をすぐに見つけられるように、ウェブサイトのデザインを最適化すると良いだろう。

3. ビジターは特にページの左側を見る

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複数の調査により、ウェブサイトの左側にビジターの注目が集まることが判明している。また、左側は、ビジターが最初に見る部分でもある。例外はあるが、左側を常に意識しておくと良いだろう。ウェブサイトの左側に最も重要な情報 — 例えば、独自の価値を表示する手が考えられる。

この調査は、ウェブサイトの左側が、閲覧時間の69%を占めると指摘している。ビジターは、右側と比べ、左側に2倍以上の時間を割くようだ。

4. ビジターはコンテンツをF字型で読む

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この調査の結果では、サイトのビジターが、テキスト主体のコンテンツをF字型に読む傾向があることが明らかになっている。F字型とは、どんな意味があるのだろうか?ビジターは、飛ばし読みしており、主な注目が、テキストの最初の部分に集中する。つまり、最も重要な見出し、そして、小見出しを読み、その後、テキストの大半を選択して、読んでいく。

そのため、テキストの最初の2つのパラグラフでは、最も重要な情報を提供する必要がある — ビジターが最も読む可能性の高いコンテンツがこの部分に該当する。

小見出し、箇条書き、そして、段落を使って、コンテンツを読みやすくするべきだ。ビジターは、飛ばし読みするため、重要な情報を箇条書きで提供すると、テキストに目を通す際に気づいてもらえる確率は高くなる。

ただし、F字型のスタイルは、写真ベースのウェブページには当てはまらない点を理解してもらいたい。この調査で証拠が提供されている。画像ベースのウェブページに関しては、水平方向に見ていく傾向があるようだ。

5. バナーブラインドネスはスペースの無駄遣いをもたらす

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バナーブラインドネスとは、ビジターが、広告のように見えると言う理由で、無意識のうちに、あるいは、意識的に、ウェブページの一部を無視する状況を指す。この現象は随分前から起きている — 大量の広告に毎日晒されているため、無意識のうちに、ウェブサイトの広告を無視する習慣がついたのだ。また、広告のように見える文章や画像も無視される。ビジターは、ほぼ確実に、広告のように見えるコンテンツには注目しない。

このヒートマップに関する調査は、広告をしっかりと注視する行為は存在しないと指摘している。ビジターは、情報を早く入手する必要がある場合、広告を無視する — 一方、ストーリーを読むことに集中しているなら、コンテンツから目を離すことはない。

ウェブサイトでバナーブラインドネスを回避するための方法が幾つかある — オンラインマーケティングの実績を持つデザイン会社に頼むことで、大抵の問題は防ぐことが可能だ。

6. デザインで人物の画像を利用する際は、視線に注意するk

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ウェブデザインで、人物を利用すると有効に働くことがある — 事実、ビジターの注目を集める上で効果的なデザインの要素の一つである。ただし、人物の視線が鍵を握る — 複数のヒートマップに関する調査で、ビジターは、モデルの視線を目で追うことが判明している。そのため、綺麗な女性の写真だけでなく、隣のコンテンツにも注目してもらいたいなら、モデルの女性が当該のコンテンツを向いている写真を利用するべきだ。

また、感情を伝えることも大事である。

感情を伝えると、コンバージョン率に大きくプラスに働く。この調査によると、落ち着いた人物の写真に対して、感情が伝わる人物写真を用いると、コンバージョン率が高くなるようだ。

この2つのアプローチを組み合わせると良い — つまり、感情を伝える人物が、ページの望ましい場所を見つめている写真を利用しよう。

7. 男性はビジュアルを、女性は情報を求める

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この調査によると、出会い系サイトで、プロフィールの閲覧を求められると、男女間で明確な違いが現れるようだ — 男性は、プロフィールの人物の視覚的な要素、つまり写真に注目し、一方の女性は、提供されている情報に関心を寄せる傾向がある。女性は、プロフィールの人物を評価することに、50%近くの時間を費やし、男性は、画像ばかりを見る。

別の調査では、男性は、女性と比べて、胸を眺めるために37%長く時間を費やし、一方の女性は、左手の薬指を見る時間が男性よりも27%長いことが判明した。 この調査は、「男性は変態で、女性は金目当て」と結論付けている。どちらの調査でも、男性が、ビジュアルを意識し、特定の身体の部分を中心に見る傾向があり、女性は、情報を求め、写真を見る際は、情報を得るためにざっと目を通す程度であると、まとめることが出来る。

8. クリックスルー率を改善するために、自動画像カルーセルとバナーを諦める

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この調査では、特定のタスクを抱えるユーザーが、2つのサイトを訪問した結果、メインのバナー、さらには、動画版のバナーも無視されることが明らかになった。この類のソリューションは、数多くのウェブサイトで用いられているが、一時的なブームに過ぎない。自動画像カルーセル、そして、バナーは、ホームページには向いていないと言えるだろう。バナーブラインドネスを導くため、ビジターに無視され、その結果、サイトの多くのスペースを無駄に使ってしまうだけである。

この現象に関しては、この記事で詳しく検証している。

この調査では、1点の例外の存在が明らかになった — ASOS(洋服のショッピングサイト)のホームページ中央のバナーは、その他のサイトと比べて、多くの注目を集めることに成功している。このサイトのバナーは何が違うのだろうか?テストで採用されたその他の画像カルーセルと比べて、ページに溶け込んでおり、バナーのようには見えないことが原因だと思える。その結果、バナーブラインドネスをそれほど多く生み出さずに済んだようだ。それでも、完璧なソリューションとは言い難い。

9. 色の対比を使って賢くビジターを導く

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techwyseは、ヒートマップを使ってランディングページのテストを行い、色の対比がビジターを導く上で重要度がとても高いと感じたようだ。 テストを行った結果、トップページのクリック不可能な、価格に関する情報が、最も多くの注目を集めていたことが判明した。これは、周りとの色の対比が原因であり、ページの残りの部分から、注目を逸らしていた。デザインを変更し、– トップページを大改造して、ビジターがページを見るパターンと、techwyseが見てほしい情報を合わせる取り組みを行った。

10. 60歳は20歳よりも2倍多くのミスをする

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ターゲットのオーディエンスが、高齢者なら、出来るだけ簡単に利用することが可能な環境を作り、余分な情報を排除するべきである。257名が参加した遠隔ユーザーテストで、タスクの失敗率が、25歳以下と比べて、55歳以上の参加者は1.9倍高いことが判明したためだ。 若いグループと比べて、55歳以上のグループでは、2倍近くの参加者が、タスクの遂行に失敗する、もしくは、タスクを諦めていた。

また、高齢者は、ネット上での動きが遅いことも分かった。若い参加者と比べて、タスクを完了するまでの時間が40%長かった。

タスクを難しいと感じた参加者が2倍多い — 自分にとっては簡単なタスクであっても、高齢者は、とても難しいと感じている可能性は高い。従って、高齢者をターゲットにしているなら、レイアウトを高齢者にテストしてもらおう。

11. 写真を使ってビジターに集中してもらう

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消費者は視覚要素に弱い — ウェブサイトは、インターネットが生まれた直後から、選りすぐりの写真を使って、コンバージョン率を上げる試みを行ってきた。そして、この試みは、ちゃんとした根拠に基づいている。厳選した画像を製品の提案に組み込むべきである。

実在する人物の写真を使う

実在する人物の写真に対するリアクションは高い。この調査により、テストの参加者は、ウェブページの大半を占めるコンテンツを読む行為よりも、従業員の写真を眺める行為に10%以上長く時間を費やしていることが判明した。反対に、「実在の人間」のストック写真には全く反応しない。私達は、どうにかして、実際の人間と「写真データベースの人間」を見分ける術を身につけたようだ。このブログの投稿は、ストック写真を利用した際のデメリットを指摘している。この点は、ストック写真にしか見えない実際の写真にも当てはまる — そのため、写真を過剰に編集するべきではない。

この調査は、LinkedInのプロフィールでは、写真は最も重要な要素だと結論づけており、この調査は、Facebookでも同じ相関関係があることを明らかにしている。

製品の写真を使ってコンバージョンを引き上げる

大きな写真は、適切に利用すると、ビジターの注目を確実につかみとる効果がある。37signalsは、Highriseでこの取り組みを巧みに実施している。

12. ブログでは記事全文よりも要約を掲載する方が良い

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この調査は、ブログのホームページでは、記事の全文よりも、要約を用いる方が、コンテンツを多く読んでもらえると指摘している。

ブログのホームページで、記事全文を用意しているなら、1本目の記事を面白いと思ってもらえない場合、ビジターを失うリスクを抱えることになる。1本目の記事を読むことに好奇心を「使い切って」しまい、ブログ、または、ウェブサイトの残りを読む余力はなくなってしまう。一番左の画像と、その隣の画像は、フロントページに記事の全文を掲載しているブログの画像である。どちらも、ビジターは1本目の記事を飛ばし読みするものの、他の場所は見ていない。真ん中の画像、そして、右隣の画像は、記事の要約のみを掲載するページの例である。Capgeminiのブログでは、ビジターは、10本の記事の要約が掲載されたページ全体に目を通している。一番右の画像(AOL)はハイブリッドのアプローチを採用している — 一部の記事は、短く、全てを表示し、長い記事は、要約を利用している。AOLの例は、また、写真ベースのブログが、ビジターの注目を集めることが出来る点も実証している — 被験者は、1万2000ピクセル以上に目を通し、写真のみを見て、テキストは無視していた。

したがって、ブログのホームページで、記事の全文の代わりに、要約を表示する方が良い。なぜなら、要約は、様々なトピックの選択肢をビジターに与えることが出来るためだ。記事の選択肢を広げることで、サイトを去るのではなく、ビジターが興味深い記事を見つけ出し、クリックして、残りの部分を読む確率は高くなる。

13. Eメールを読む時間は1分以下 — 早めに相手の注目を引き付けよう

この調査によると、ユーザーの67%は、ニュースレターの導入部には注目しないようだ。ニュースレター内の導入部の段落は飛ばし、コンテンツの残りにざっと目を通す傾向がある。ニュースレターに割り当てられる時間の平均は、51秒間であり、ニュースレターの19%のみを真剣に読む。大半の部分は、飛ばし読みされるため、ニュースレターを簡潔で、要領を得た内容にまとめ、明確なコールトゥアクションを用意しよう。

14. 効果を高めるためにA/Bテストとクリックマップを統合する

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A/BテストツールのVisual Website Optimizerの運営者は、ホームページのトラフィックの25%近くが、上部のメニューの小さな「価格」のリンクに向かい、トラフィックの大半を集めるために作った、大きな、主役のコールトゥアクションボタンは、クリック全体の5%しか獲得していないことに気づいた。この事実に気づいたVisual Website Optimizerは、このクリップマップの情報をA/Bテストと組み合わせて、効果の高い変更したホームページのバージョンを見つけ出す取り組みを行った。

ウェブサイトのスプリットテストでは、同じページの2つのバージョン、もしくは、それ以上のバージョンにトラフィックを導き、各バージョンの効果を分析することが出来る。例えば、ボタンの色、背景の色、コピー、または、アイテムの配置をテストすることが可能である。ページのデザインを少しいじっただけで、ビジターの行動に大きな変化が現れることもある — 一例を挙げると、ボタンの色の変更が、コンバージョン率を高くする可能性がある。クリックマップで得た知識をA/Bテストと組み合わせると、クリックマップの効果を何倍にも高めることが出来る — CareLoggerはコールトゥアクションボタンの色を変えて、コンバージョン率を34%を改善していた

15. 値引き価格の隣に元々の価格を表示すると購入の満足感が高まる

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ダン・アリエリ著の「Predictably Irrational」(予想通り不合理)に触発され、ロバート・スティーブンズは、ランダムに60名を選んでテストを行い、関連性が、日常的な決定にどのように変化を与えているのか調査した。人々は、世界に関する全ての情報に基づいて、決定を下しているのではない — 我々は、決定を下す際に利用可能な情報を基にして、決定を下しているのである。

このテストでは、スムージーの棚の2つのレイアウトが参加者に示された — 1つ目のバージョンは、値引きしたInnocentのスムージーのみを見えるようにして、定価のスムージーは載せなかった。2つ目のレイアウトでは、通常価格のスムージーも幾つか配置した。値引きしたスムージーの価格には手を加えなかったものの、元々の価格を把握している状態では、参加者は、購入に満足していた — リッカート尺度では、2.4に対して、1.7であった。

ニュースポータルサイトでのEyetrack IIIの調査

Eyetrack III リサーチでは、10数名のテストの参加者に、偽物のニュースサイト、そして、本物のニュースサイトを訪問してもらい、1時間にわたって観察する試みが行われた。

16. 最初にページの左上に視線が留まる — その後、右側の領域に移動し、続いて、ページの下の方を閲覧する。
17. 目立つヘッドラインを最初に見る — 特に左上の隅を注視している場合、この傾向が特に強い。
18. 集中して読んで欲しいコンテンツには小さなフォントを利用する — 調査により、大き目のフォントは、ページにざっと目を通す行為を導き出す。なぜなら、ビジターは、注目を引きつけるワードやフレーズを探しているためだ。一方、小さなフォントは、コンテンツに集中させる効果がある。
19. ヘッドラインの冒頭のワードは重要 — ヘッドラインの冒頭の幾つかのワードが、ビジターを魅了すると、引き続き読んでもらえる確率は高くなる。1秒以内に注目を掴まなければならない。

アドバイス: コンバージョン率ヒートマップを時間と曜日別に作る

時間、そして、曜日でコンバージョン率を詳しく確認したいなら、このチュートリアルを参考にしよう — Optimisation Beaconを運営するロバート・キングストンが、時間と曜日ごとにコンバージョン率を記すスプレッドシートの作り方を分かりやすく紹介している — 特にEコマースサイトに向いており、ピークのコンバージョンの時間をヒートマップのような形式でまとめることが可能だ。

ヒートマップテストのツール

今回紹介した調査結果により、効果のある取り組みに関して、重要な見解を得てもらいたいが、出来れば、自分自身でテストを行うべきである。ウェブページ用の優れたテストツールを提供する会社は多い。ここでは、より幅広く浸透しており、手頃な価格であり、尚且つ、設定が遥かに簡単であることから、マウストラッキングのソフトウェアに絞って、ツールを紹介していく:

Crazy Egg — マウストラッキングテストにうってつけのツールだ。クリックヒートマップ、スクロールマップ、そして、特定の要素のクリック数に対するオーバレイ(リファラーのソースに応じて、クリック数を見分けることが可能)機能を用意している。Crazy Eggは、アイトラッキングテストと比べて、88%のトラッキング精度を自負している。全てのプランは、30日間限定で無料で利用することが可能であり、その後は、9ドル/月~の料金が課される。

Mouseflow — このツールもマウストラッキングテストを行う際に、心強い助っ人となる。Mouseflowは、– クリック数、イベントのスクロール、キーの入力、フォームの記入等 — マウスの動きの再生と記録を行う機能をアピールしている。フォームを記入する際の、キーの入力を記録することも可能だ。料金は10ドル/月~に設定されているが、機能を制限した永久無料プランも用意している。

Clicktale — エンタープライズレベルのマウストラッキングソフトウェアであり、数々の大企業をユーザーに抱える。このソフトウェアは、マウスの動きを追跡するマウストラッキングスイート、視覚的なサマリーを特徴とするヒートマップスイート、そして、コンバージョン率最適化に良質な分析データを提供するコンバージョンスイートに分類される。400ページビュー/月限定の無料プランもある。ページビューを増やしたい場合は、見積もりを要請する必要がある。

Reinvigorate — このリアルタイムヒートマップツールは、登録したユーザーに名札をつけて、各ユーザーのサイト上のアクティビティを別々に確認することが可能な機能等、便利な機能を幾つか用意している。また、ウェブサイトにログインして、データを見ることに抵抗があるユーザーのために、デスクトップ配信も行っている。14日間は無料で利用することが可能であり、その後、10ドル/月~の料金を求められる。

Luckyorange — マウスの動きの記録に加えて、Luckyorangeは、リアルタイムのビジターマップ、ビジターの投票調査、そして、ライブチャットをソフトウェアに組み込むバンドルも用意している。7日間の無料お試し期間の後、10ドル/月~の料金が発生する。

無料ツール

Clickheat — オープンソースのツールであり、サイト上のマウスのクリック数を基にヒートマップを作成する。

Corunet — このツールを利用するには、コードの知識が必要になる。Clickheatと同じように、ページ上のクリックのデータを基にヒートマップを生成する。

まとめ

ヒートマップは、様々なデータから作成することが出来る。コンバージョン率の最適化について話をする際は、マウスの動きやクリックの回数のデータをベースに生成するヒートマップが、必ずと言っていいほど、話題に上がる。この2つのデータは、どちらもマウストラッキングから得ることが出来る。

  1. ビジターの目的にとって、最も重要なコンテンツは、ページの上部に表示する必要がある — ウェブサイトのビジターは、ページをスクロールするものの、注目の度合いは、スクロールするごとに下がっていく。
  2. ビジターは見たものを購入する — 視覚的な特徴を用いて、最も重要なアイテムを目立たせよう。 視覚的な特徴は、周りのアイテムから目立たせるオブジェクトの特徴的な性質(色等)であり、瞬く間に注目を掴み取る。この特徴を使って、売りたい製品を目立たせると良いだろう。
  3. バナーブラインドネスをテストする — ウェブサイトの要素が、バナー広告に似ている場合、得られる注目は少なくなる。
  4. クリックスルー率を改善するため、自動画像カルーセルを諦める — ユーザーは、具体的なタスクを意識している際は、カルーセルを完全に無視する。この件に関しては、この記事を参考にしてもらいたい。
  5. 写真を使って、注目を集め、ビジターを導く — ビジターは、実在する人物と良質な製品の写真によく反応する。また、視線の方向を通じて、ビジターの動きをリードすることも出来る。
  6. ブログでは、記事全文よりも、要約の方が良い — 要約を用いると、ビジターにもっとコンテンツを読んでもらえるようになる。なぜなら、記事全文を掲載すると、探しているものを見つける前に、ビジターの注目が枯渇してしまうからだ。
  7. A/Bテストとクリックマップを組み合わせて、効果アップを狙う — この2つのメソッドを1つの分析で併用すると、別々に利用するよりも、遥かに多くの情報を得られる。

メインの画像ソース


この記事は、ConversionXLに掲載された「19 Things We Can Learn From Numerous Heatmap Tests」を翻訳した内容です。

圧倒的なボリューム、かつ質も高い内容の記事でした。どれもいわれてみれば一般論としては納得できるものばかりに読めますが、シニアに関するデータは改めてデザインやユーザービリティの重要性を感じました。後半に少し書かれているフォントを小さくすることで注目させる効果がある、、、というのは、ユーザービリティ的には逆説的に聞こえますが、確かに小さいと注意して読むことは事実ですよね。滞在時間、コンバージョンなど総合的に考えた際にどうなるのか気になります。最後のツール紹介は英語圏のものばかりですが、日本語版が提供されているツールもありますし、ヒートマップツールは英語でも特に問題なく利用できますよね。アイトラッキングまでとはいかずとも、これを機にヒートマップツールの導入を検討してみてはいかがでしょう? — SEO Japan [G+]

不正なハッキングに対する #NoHacked キャンペーンを世界中で実施しました

先日、Google サーチ クオリティ チームでは、#NoHacked キャンペーンと題して、サイトの不正なハッキングの問題を改めて知り、サイトを守るための Tips (ヒント)を 1 週間毎日発信するキャンペーンを全世界で行いました。

このキャンペーンは、11 言語圏でGoogle+TwitterWeiboなど様々なチャンネルを舞台に実施しました。延べ 100 万人近い方が閲覧し、何百もの投稿の共有や、 #NoHacked のハッシュタグを使ったユーザー オリジナルの Tips 投稿が行われました。

ここで、Google が投稿した 5 つの Tips を改めてご紹介するとともに、世界中から寄せられた素晴らしい投稿の一部をご紹介します。

Tips その 1:
今週はハッキングの予防について考えよう!

Tips その 2:
ウェブマスター ツールはハッキングからサイトを守る上でも役立ちます。使っていない方はぜひ登録を。お友達にもお知らせください。

Tips その 3 :
Google アラートを設定してハッキングの兆候をいち早くつかもう。

Tips その 4:
ソフトウェアは常に最新のものにアップデートしておこう。

Tips その 5:
ユーザーから寄せられたベスト投稿を発表!(各言語でベスト投稿を発表しました)

世界中から寄せられた投稿のご紹介

  • ブラジルの Pablo Silvio Esquivel さんは海賊版ソフトウェアを使うことがハッキング被害の危険性につながることを紹介してくれました。
    https://plus.google.com/+PabloSilvioEsquivel/posts/9ahpESFwuac
  • オランダの Rens Blom さんは、パスワードを複数のアカウントで使いまわさず定期的に変更すること、そして 二段階認証 などのセキュリティ機能も使うことをおすすめしてくれました。
    https://plus.google.com/+GoogleNederland/posts/48e3VAsxddS
  • ロシアの Дмитрий Комягин さんは、日頃からサイトへのトラフィックや、検索クエリ、ランディング ページなどをモニターし、数値の想定外の急上昇などがないか把握しておくという方法を投稿してくれました。
    https://plus.google.com/+googleru/posts/CYwe6xf3Xvm
  • 日本の工務店コンサルタントさんは、実際に被害に遭われた際のレポートとそこから得た教訓として、ハッキング対策を適切に行っているホスティングを選ぶこと、ウェブマスター ツールのメール転送機能を設定しておくことなどを詳しくご紹介してくださいました。
    https://plus.google.com/+Asanoyukinobu/posts/hsKmoc2v2cZ
  • ポーランドの Kamil Guzdek さんは、WordPress をインストールした際に、table prefix をデフォルトのものからユニークなものへ変更することで、データベースがハッキングされるのを防ぐという tips を紹介してくれました。
    https://plus.google.com/+KamilGuzdek/posts/Gu63giLNTiZ
今回、世界同時でキャンペーンを行ったこと、そして、世界中のユーザーからサイトの不正なハッキング対策が多く寄せられたことからもわかるように、サイトの不正なハッキングの問題は全世界的に広がりを見せています。どうぞ今回ご紹介した Tips と共に以下のサイトも参考にし、ご自身のサイトの設定をもう一度確認してみてください。
ハッキングされたサイトに関するウェブマスター ヘルプ
http://www.google.co.jp/webmasters/hacked/

これからも全世界で Tips を共有し、サイトのハッキングと闘いましょう! #NoHacked のハッシュタグはこれからもご利用ください。また質問がある際はウェブマスター ヘルプ フォーラムをご利用ください(ハッキングに関するカテゴリも用意しています)。

Google では今後もユーザー、ウェブマスターのみなさまのお役に立てる情報をどんどん発信していきたいと思っておりますので、ぜひ Google Webmasters ページGoogle Japan ウェブマスター コミュニティをフォローしてみてください。

【お騒がせ?】Google大変動!ペンギン3.0来たか!? → 「ちょっと待て、そんなに動いてないじゃん」

先の8月22日(金)の深夜から週末にかけて、Googleの大規模な順位変動(?)が話題になっておりました。SEO関係者以外でもそれなりに話題になっていたようでしたので、今の時点で可能な範囲で経緯や状況をお伝えします。

8月23日(土)未明:最大級と言える検索結果の変動が話題に

ディーボさんが運営するnamaz.jpという変動記録ツールにおいて大変動を表す数値が出ている、として関係者の間でワイワイ騒がれておりました。

大変動という文字。週末から本日にかけて、日常よりも大幅な変動があることを示すグラフ。

細かい解説は省きますが、下段の変動グラフが高い値を示していれば「変動が大きい」という意味を持ちます。

その他でも、晴錬雨読さんが公開している順位変動ウォッチャーにおいても、通常時よりも遥かに大規模な順位入替えが発生していることが記録されています。

晴錬雨読の異常値ウォッチャでは、22日23時以降に継続的に異常値を示す赤文字が羅列されている

実際に検索結果を確認してみると、確かに今まで見ていたものとは明らかに違う検索結果が返されていました。SEOに関わる仕事をされている方は、これはただごとではない、と多くの人が感じたことと思います。

しかし、検索結果を見ていても、「気持ち悪い」というか明らかにバグとか不具合なんじゃないですかと言いたくなるような結果であったことも印象としてはありました。

騒いでいたのは実は日本だけ?

さて、ここで、海外のGoogle検索結果変動を示すツールMOZCASTの変動データを見てみます。

mozcastにおいては、22日~23日にかけての変動幅は決して高くないことがグラフから伺える
※棒グラフでは最後の2列が22日~23日の変動を示しています。

米国時刻では日本で「大変動」が発生していたのは22日午前~23日午後くらいだと思いますが、両日とも「やや不安定」くらいのレベルで、日常の変動の幅を大きく超えるものではありませんね。

先ほどのnamazとの比較をしてみますと、8月13日~14日にかけて、通常時よりもやや大きめの変動が確認されていることは一致していますが、先週末の異常と思える変動についてはMOZCASTでは記録されていません

かなり大規模な変動であったため、やんわりと予告されていた「ペンギンアップデート3.0」が導入されたのかという話も出ておりました。

しかし、ペンギンのようなアップデート(”言語”などのローカルな要因に左右されにくいアップデート)はこれまでも世界共通で実施され、日本でのみ大きな変動が発生することはあまり考えにくいと言えます。

ですので今のところ、「ペンギンじゃないと思います」と一旦結論付けておきます。(まだ分からないですけどね)

実際に、検索結果はどのように動いたか(8/25時点)

計測対象キーワードのうち10000キーワードをサンプルとしてランダム抽出、集計しました。分析というにはほど遠い代物ですがおおよその動向をつかむには問題ないと思います。

「前日対比」での集計結果

各日の「前日対比」のランキングの変動幅(絶対値)の平均を見てみます。やはり平時(変動前)の変動幅に比べて大きく動いているように見えます。

前日対比データでは、確かに週末以降に平時の数倍規模の変動があったことがわかる

同じく、ランキングの入れ替わり率(掲載されていたポジションから大きく入れ替わったキーワードの率)はこちらです。全体の約15~20%のキーワードで、検索結果上のポジションが連日大きく入れ替わっていることがわかります。

前日対比で、ランキング分布における入替えが20%程度のキーワードで発生している

同じく、検索結果に表示されていたURLの変更率について(もともとTOPページだったのに下層ページが表示された、などのキーワードの率)も調べてみました。

前日対比の検索結果表示URLの変化率。21から22にかけても比較的高い水準だったのでわかりにくいが、それでも15%ほどのキーワードで表示URLが変化していることも分かる
※ちょっとこれはわかりづらいデータでしたね。。

何にせよ、各種ツールが提示しているような大きな変動があったことは間違いないように思えます。しかし、これはあくまでも「前日からどれくらい動いたか」の集計ですので、ちょっと異なる集計として「(変動前の)22日(金)と比較して」でも行ってみました。

「大変動前(22日)対比」での集計結果

変動前と比較したランキングの変動幅(絶対値)の平均を見てみます。金曜日対比では、平均値で「1.3位程度」しか変動していないですね。

22日規準では、本日のランキングはほとんど変更なし、という状態。平時よりもやや不安定な動き、というレベル。

同じく、ランキングの入れ替わり率はこちら。こちらも、金曜日対比では全キーワードのうち「3%程度」しか入れ替わりが発生していないことがわかります。

22日対比では、25日はランキングはほとんど入れ替わっていないことが分かる

同じく、検索結果に表示されていたURLの変更率はこちら。表示されているURLも、金曜日対比ではほとんど変化ありません。

22日対比の表示URL変化率。25日時点では、金曜日とほぼ変化なしの状態。

つまり、土日は激しく変動していたが、本日時点では変動前の状態と大差ない検索結果に戻っていることがここから伺えます。

結論:「日常の変動に比べ、やや動きが大きかったかも」程度?

今回の変動は何だったのでしょうね。今のところGoogle関係者から正式な情報は出ておりませんが、何かのテストを行っていたのか、マイナーアップデートかデータリフレッシュの際に変な不具合が混入したのか、ちょっと不明です。

ただ体感として、「あれ、大きく動いたのに今日になったら戻ってる」というのは皆さん感じられているところかなとも思います。

もちろん何か大きな変更の予兆なのかもしれませんのでしばらく様子見は必要と思いますが、「今回の変動を機に具体的なアクションを起こす」根拠はちょっと今のところ見えてこない状況です。

最後に:世間の皆さんの反応

個人的には、こうしたニュースが出た際に、検索結果がどう動くか、ということももちろんなのですが、一般の(=SEO関係者以外の)方々の反応も同様にウォッチの対象としています。

最近NewsPicksというサービスを使っており、普段あまりSEOなどの話題は出ないのですが、週末にはこの変動の話題がピックアップされていました。

  • Googleに依存するビジネスは危険。きちんと流入のポートフォリオを組まないと。
  • こういう変動に振り回されるのが分かってるんだから、最初からSEOなんて無駄。
  • もう時代はコンテンツの時代。良い記事を書くことだけ考えれば良い。
  • SEOなんてもう不要な技術。そこにコストかけるのは無駄。

などなど、色んなことを言われているわけですね。もちろん皆さんSEOについて專門で仕事をされているわけではないし、日常的に何百とかのWebサイトを見ているわけでもありませんので仕方ないですけれども。

ということで、次回はこうした方向けにSEOの事情を少しは理解して頂けるよう、何かしらの形で自分の解説をまとめて書いてみようかと思います。

悪徳SEO業者をどう避けるべきか? SEO小説のまとめ


地味なSEOブログでありつつも3年も継続することができた。
これもひとえにこのブログを読んで下さる皆様のおかげである。

これは社交辞令でも何でもなくって、本音で暖かいコメントに励まされてやってこられたのだ。
実は毎週ブログを書きながら、こんなありきたりの内容を書いて何の役に立つのだろう・・・。と内心冷や汗をかきながらアップしているのである。

でも続けてきてよかったと思う。
ブログを始めるまではSEOというWebの業界の中のさらに狭い一業界の片隅でひっそり生きていたのだが、今は自分自身が主人公であると感じている。
これはうぬぼれではなく、ブログといったメディアは一人一人を主人公にする、極めて能動的なコミュニケーションツールなのだろう。

ブログを書かれたことがない方は書かれてみることをお勧めする次第である。
まあ、続けていくのはとっても辛いですけど・・・

さて、前置きが長くなったが本題である。

今までのSEOをテーマにした小説を4本アップしてきた。

全て悪徳SEO業者が行うSEOスパムによって被害を受ける小説である。

実際のところここまで悪いSEO業者は今はさほど多くはない。
クレームをつければそれなりに対応してくれるケースが多い。

しかし、今でも悪徳業者は存在するし、またユーザー側においてSEO業者を使う知恵がなければ、結果として悪徳SEO業者に依頼したのと同じことになるかも知れない。

なので悪徳SEO業者を避けるためにどうするか?
SEO業者の施策によって被害を受けないためにはどうすればよいか?について私なりの考えをSEO小説の総括として述べておこうと思う。

  1. その施策に価値があるかどうかを検証する
    そもそもそのキーワードで上位表示したとしてもほとんど儲からないキーワードがある。
    上位表示された場合のキーワードの有用性は、検索数とニーズの二つの観点から検証されなければならない。
    検索数が多く、自サイトの顧客になりうるキーワードは有用なキーワードだ。その観点からキーワードを提案してくれる業者でなければならない。
  2. 小説に出てくるクライアントはこのあたりの確認を全く行っていない。

  3. SEO業者の施策の内容を理解する
  4. 内部施策・外部施策ともに内容を理解できるためのスキルが必要である。それがなければ施策の良否を判断できない。
    担当者は最低限HTMLやCSSは多少は読める必要がある。

  5. ペナルティになった場合の契約書上の対応を確認する
    これが最重要事項である。
    契約中にペナルティになった場合は回復する支援を無償で行う、あるいはリンクを撤去した上で無条件で契約を解除することができる。といった条文が必要である。
  6. ペナルティになった場合は、有料で回復作業を行うのであればわざとペナルティにして、それをネタにしてまたお金を取る(盗る?)といったやり方で食い物にされる可能性がある。小説中の会社はこのような被害を受けている。どこの業者とは書けないのだが、このような悪徳業者も存在しているので要注意だ。

  7. Googleのウェブマスターツールの導入は必須
    ウェブマスターツールを導入しないと、手動ペナルティの有無が確認できない。
    ペナルティになったかどうかがわからないし、SEO業者が行っている被リンクの質の確認もできない。

    ウェブマスターツールの導入を嫌がる業者は警戒しなくてはならない。施策でペナルティになったことをクライアントに隠そうとする意図がある可能性が高い。

  8. 被リンクの確認を行う
    まずはSEO業者が施策を開始する前に被リンクをダウンロードしておく。
    その後、増えたリンクを見ればそのSEO業者のリンクの質がどのようなレベルかわかる。
    リンクの質は、SEOについて素人であったとしてもかなり分かる。明らかに不自然であったり、読む価値のないページからのリンクは質が悪いのである。

    最初にリンクをダウンロードしておくことには、もう一つの意味がある。
    もし、ペナルティを受けた場合に、SEO業者が張ったリンクを把握できるようにしておくためでもある。
    ペナルティを受けて業者がリンクをはがす場合に、ちゃんとはがしたかどうかを確認するためにも必要だ。

    ちなみにリンク施策の開始前と開始後のリンクの差分を調べるために誰でも簡単にチェックできる方法は、EXCELのvlookup関数を使うのが簡便でお勧めだ。

  9. そもそもそのSEOが必要なのかを吟味する
    SEOの巧拙はサイトの集客力を大きく左右する。失敗すると逆に大きくアクセス数を失う事態を招く。

    これが最も避けなければならない事態である。何もしない業者の方がまだはるかにましだといえる。
    やる必要がなければSEOを業者に外注しない方がいい。もし、業者の提案が魅力的だった場合であっても、リスクとの兼ね合いで判断しなければならない。

    業者がノーリスクだと言っている場合は特に要注意。実際にノーリスクなSEO施策も確かに存在はする。
    見分け方として、自動的に集客力がアップなんてSEO施策は100%スパムだと断言して差し支えない。それ以外の提案であれば納得のいくまで説明を受けるのが重要だ。

Yahoo! JAPAN、インターネット広告の歴史を振り返る動くインフォグラフィックを公開

Yahoo! JAPANは本日、8月20日「ヤフーの日」の特別企画として、インターネット広告の歴史と未来を描写したインフォグラフィック『そこに山があるから』編を公開しました。– SEO Japan

インタラクティブな動作が取り入れられた設計
Yahoo!JAPANインフォグラフィック「そこに山があるから」このインフォグラフィックでは、国内外のインターネット広告の歴史を登山に例えて振り返りながら、過去・現在・未来の「インターネット広告」に関するユーザーの意識調査結果も紹介しています。ページを開くと、カウントダウンと共に山の麓まで一気に歴史をさかのぼります。

一番下までたどり着くと、インターネットユーザーが当時のネット広告を振り返りながら山を登っていきます。山道に立てられた看板にはその時代のできごとが示されており、所々にインターネット広告費の推移のデータも紹介されています。

Yahoo! JAPANの考える未来のインターネット広告
山の頂上はまだはるか上。インフォグラフィックの中では、Yahoo! JAPANが目指すインターネット広告について説明する動画も紹介されています。

1990年代から始まりその進化が目まぐるしいインターネット広告。Yahoo! JAPANはより良いインターネット広告の未来をユーザーとともに探究していきたいとコメントしています。(本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂いた経緯でご紹介させて頂きました。) — SEO Japan [G+]

Google検索の責任者が語る、Googleにおける変革のトップ10。

Googleの検索全般を統括しているAmit Singhal氏が自身の経験を振り返り、Googleにおける変革をランキング形式で紹介しています。Web検索の覇者として我々の生活に大きな影響を与えるサービスを提供し続けているGoogleですが、彼の目から見たGoogleにおけるマイルストーンとはいったいどういったものなのでしょうか?
– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Matt Cutts氏にも上司がいる。Amit Singhal氏である。彼はGoogleの検索全般の責任を負っているが、10年前の本日から行われているIPOを含め、Googleで働いた過去14年間を振り返り、”2004年からのGoogle検索の最も大きな10のマイルストーン”と題し、Google+に投稿した。また、彼は去年1年間で890の改良をGoogle検索に行ったと発表している。

この890という数字は、アルゴリズム、更新、ユーザーインターフェース、ナレッジグラフ、オートコンプリート、Google Now、翻訳やその他のものが含まれる。彼が感じるトップ10は以下の通りだ。

1.オートコンプリート機能。
我々はユーザーがタイプする毎に、Googleが最も使われそうなワードやフレーズを予想できるように構築しており、さらに検索結果もそれにあわせ、すぐに表示させるようにしている。そのため、ユーザーは”シルキー ジンジャー ズッキーニ スープ”のパーフェクトなレシピを素早く手にすることができる。(その食事の完全な名前を思い出せなかったとしても大丈夫だ。)フレーズ全体をタイプすることは、もはや過去の習慣となっている。

2.Google翻訳。
Google翻訳は10年前はただのベータ版だった。今では80の言語で利用でき、10億以上の翻訳が日々行われている。Googleに”「10年間」をドイツ語に翻訳してくれ”と伝えるだけで、マジックのようなアクションを体験することができる。

3.経路調査と渋滞予測。
検索は以前はただのWebページであったが、我々の素晴らしいマップチームは現実世界での検索を可能にさせた。”サンタ・クルーズまでの距離は?”と尋ねた後、1回タップするだけで、徒歩、自転車、公共機関、ドライブでのルートを表示することができる。また、渋滞を避けるための最速のルートも提供している。

4.ユニバーサル検索。
テキストがベストな回答でない場合もある。J・F・ケネディの”Moon Speech”を検索した場合は、彼の有名なスピーチを視聴したいことだろう。我々はそれを可能にしている。様々な種類の検索結果を提供することで、フォーマットに限らず、最も関連性のある検索結果を提供することができている。

5.モバイルと新画面。
デバイスやプラットフォームの種類が問題になることはない。タブレットであれ、スマートフォンであれ、(時計でさえ)、ユーザーは情報と答えを必要としている。そのため、我々はGoogleの検索機能をそれらの新しいデバイスに適応させている。モバイル製品の再デザインを含め、親指で素早くタイプできる機能も実現させている。

6.音声検索。
複雑なクエリをタイプする時代は終わった。Google検索アプリを使用することで、音声で質問することが可能になっている。”天気 シカゴ”とタイプするのではなく、”OK Google、明日は傘が必要かな?”と尋ねれば良い。我々は音声認識と言語理解への投資を行っており、今日では38の言語で音声検索が可能になっている。

7.アクション。
Google検索アプリで、テキストやメールの送信、電話をかけることが可能。”OK Google、Jasonにメールを送ってくれ。今度の土曜日にビーチへピクニックに行くけど、一緒に来る?”と伝えるだけでよい。また、非常に優れたリマインダー機能も使用可能だ。”次にターゲット(アメリカの有名なスーパー)に行った時、コーヒーのフィルターを買うことをリマインドしてくれ。”と伝える。すると、次回あなたがターゲットを訪れた際、Googleがあなたの電話を鳴らしてくれるのだ。

8.ナレッジグラフ。
世界はテキストの文字列ではなく、リアルな物事によって作られている。ナレッジグラフはそれらのつながりを示すものだ。”サイクロンに乗るためには身長がどのくらい必要かな?”、”ガーディアンズオブギャラクシーのキャストは誰だったけ?”と尋ねる。そして、クリックを行い、Web全体を探索するのだ。

9.あなただけの情報。
フライトを予約した際、その情報をGmailに保存しておけば、Google検索アプリで質問をすることができる。”何番のフライトゲートから出発するんだっけ?”と尋ねれば、直接回答してくれる。また、配送について(”私の荷物はどこにあるかな?”)やアポイントメント(“次のヨガはいつだっけ?”)についての質問も可能だ。もちろん、これらはプライベートな情報であるため、あなただけが確認することができる。

10.尋ねる前に答える。
Google検索アプリをあなたの電話にいれておけば、日々のタスクを自動で助けてくれる。その日の計画、バスや電車の予約、次のアポイントの前に渋滞が起きればその情報を提供、請求書の発行のリマインド、最適な駐車場の場所など、提供できる情報は様々だ。

次の10年間も素晴らしいものになるだろう!


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google’s Head Of Search 10 Biggest Search Milestones With 890 Changes In Past Year」を翻訳した内容です。

今では当たり前に使用している機能も、考えてみれば、数年前までは全くなかった機能も多くあります。Amit Singhal氏にとってはオートコンプリートがNo.1のようですが、作り手側のみが知る苦労や影響があるのかもしれませんね。去年1年間だけでも890の変更を行っているとのことですが、次の10年間で素晴らしいサービスが産まれることは、ほぼ間違いないでしょう。
– SEO Japan [G+]

Googleが先週末にかけて、ヨーロッパとドイツのリンクネットワークにペナルティを与える。

リンクに対するGoogleの取り締まりが厳しくなっていますが、ヨーロッパのリンクネットワークが、再度、Googleからペナルティを受けた模様です。今回のメインターゲットはドイツのネットワークのようですが、通例通り(?)Googleはこの手の情報は公開しています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

昨日、@gfiorelli1に報告を受けたのだが、Googleが”リンクに対しての手動ペナルティのメールを大量に送った”とのことだ。スペインが特に多いらしい。

Googleは今朝、これについてTwitterで報告している。GoogleのJohannes Mehlem氏によると、ドイツとヨーロッパのリンクネットワークをターゲットにしたようだ。

「我々はヨーロッパとドイツのリンクネットワークにアクションを起こした。詳細はドイツのGoogleのブログで。」

Googleはリンクネットワークについて、ドイツとヨーロッパのWebマスターに警告を続けてきた。Googleはドイツの大規模のエージェントにアクションを起こしている。また、ドイツ、イタリア、スペインのリンクネットワークにも、過去に、ペナルティを与えている。Googleはポーランドその他の国もターゲットにしており、アメリカを含め、世界中でリンクネットワークはターゲットの対象となっている。

今回はどのネットワークがターゲットになったかは分からないが、この傾向は止まないだろう。@Jenstar氏は先週に打撃を受けたネットワークがあると考えているようだが、Googleは認めてはいない。また、これに関しての不満の声も目にしていない。(仮にペナルティを受けたのであれば、この状況は不自然だ。)

繰り返しになるが、この警告は昨日の朝のものだ。先週からのランキングの変動と関係があるかは疑わしい。

Twitterでのディスカッションはこちら。

追記1: 掲示板とコメントによると、Rankseller.deとTeliad.deがターゲットの一部のようだ。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Penalizes Link Networks In Europe & Germany Over Weekend」を翻訳した内容です。

ペナルティの報告はマット・カッツ氏が行うのが定番でしたが、氏が休暇中とはいえ、Googleの取り締まりが緩むことはやはりないようです。今年の春頃に、ヨーロッパのいくつかのネットワークがペナルティを受けた後、日本のリンクネットワークもターゲットにされました。こうした話題は海外で多く聞かれますが、記事にもある通り、世界中のリンクネットワークが対象となっていることは間違いないでしょう。
– SEO Japan [G+]

【初心者向け】 アクセス解析を売上につなげるカギは「目標設定」と「現状分析」

スタビライザー小松氏による寄稿5記事目。今でこそアクセス解析を行っていないWebサイト自体少なくなりましたが、一方でツールを導入していてもなんとなく数字を眺めているだけ、、というケースも少なくないのでは。基本に立ち返り、なぜアクセス解析が必要なのか?改めて見直してみてはいかがでしょうか。

「アクセス解析って、何のために行うんですか?」

さて、この質問、あなたならどう答えますか?

これは、最近私のクライアントの方から立て続けに聞かれた質問です。この記事を見られている方の多くはアクセス解析をしてる人のほうが多いかもしれませんね。

Webサイトじゃなくて、自分の体でまずは考えてみましょう。

「アクセス解析って必要なの?」という質問は「健康診断って受けないといけないの?」によく似てます。

ちなみに、会社の健康診断は安全衛生法により定められている為、会社は健康診断を受けさせなければなりません。

では、皆さんは、法律で決まっていなかった場合、健康診断は受けますか?受けませんか??

「悪いところあったらやだから、受けようかな・・・」という人、「体調悪くないし別に受けなくてもいいや」と思う人など、様々かと思います。ただ、あくまで「現状確認」にすぎないと思います

今の自分のカラダがどうなっているのかな?というのを知りたい、そしてなにかしら対策をするべきなのか?それを知りたい方が多いかと思います。

「Webサイトのアクセス解析、よくわからないけどちゃんとやった方が良いのかな?」という方は、この状況に近しい方が多いです。

アクセス解析して悪いところを直そうと思う人もいますが、見たって別に修正しないし、修正すると費用かかるし…。

そういうことであれば、売上や問い合わせが増えない、急激に落ちたと体感した時に原因を探る一つとして参考程度に見ればよいのです。まさに、自分のカラダの健康診断と一緒ですね。

売上をWebサイトであげよう!と思っている場合はどうするか?

一般的なサラリーマンの健康診断に例えると上記のような話ではあるのですが、Webを活用して売上を上げよう!と考えている場合はまた少し違います。つまり多くの場合はこちらの話です。

この場合はアスリートの体力測定です。

皆さんがアスリートとして大会に向けて例えば背筋力、持久力、肺活量Upの為にトレーニングに励んでいた場合、体力測定って受けますか?受けませんか?

この場合はおそらく積極的に受けるはずです。

トレーナーの方がつく場合もありますが、まずは、トレーニング前に一度は体力測定を行い、一定期間トレーニングを行った後、改めて同じ項目を測定します。そして、数値を測った結果、

  • もっとここの筋肉をつけたほうが良い
  • このトレーニングをもっと増やしたほうがいい
  • こっちは達成しているから別のトレーニングにしよう

と、まず

  1. 現状を分析し、
  2. 結果をもとに差異を測り、
  3. 今後の計画をたてる

といったようなことをされるのが普通ではないでしょうか。そして、Webで売上をあげるためのアクセス解析は、このアスリートの体力測定と同じです。

大事なことは目標設定と現状分析

CV(コンバージョン)目標を決めて、まずは現状分析を行います。その上で、例えば

  • アクセスを増やす施策を行った、広告出してみた、SEOに取り組んだ
  • サイトの改善を行って直帰率の高いページを改善した
  • CVRが1%だったので、エントリーフォームを改善することで1.2%を目指したetc

など、あくまで【現状】を元に【目標】を設定し【計画】を立てる

アクセス解析は【現状(結果)】しか分かりません。大事なのは目標を目指して何かをした結果をどう捉えて、どう次のアクションに結びつけるか?ということです。

アクセス解析で改善点を見つけ、手を打つ。また、アクセス解析して打った手がどうだったか検証する。この繰り返しです。

アクセス解析に必要なのはGoogleアナリティクスのテクニカルな使い方とか、タグマネージャーの高度な使い方を細かく知ることではありません。

アクセス解析をすることは、Webサイトの目標設定と目標を達成する為の手法です。目標設定なしにアクセス解析のデータをいじくり回しても何の価値もありません。

理想と現実のギャップを埋めるのがアクセス解析のやり方の一つですから、まずは現状分析から初めて、その上で、目標設定してみることが大事だと言えます。

目標なしにWebサイトを運営するのはただ、その辺をうろうろと散歩しているのと同じです。決して目的地に着くことはありません。登る山(目標)が決まれば必要な装備(施策)も決まってきます。

まとめ:目標なしにアクセス解析をしても無意味

とはいえ、下記のような方も多くいらっしゃるのが現実です。

  • 現状Webサイトはあるが、何となく運営していて目標が明確でない
  • Webサイトを全面リニューアルしたいが、どのような戦略で進めていいのか分からない。
  • アクセス解析は実施しているが、何を見ていいか良く分からない

そのような方は、お気軽にご相談ください。

ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック。バブル世代とイマドキな若者の差は?

日本最大級のリユースデパートを展開する株式会社コメ兵は、40代後半の”バブル”世代と20代~30代の”イマドキ”世代のブランドに対する価値観を比較したインフォグラフィックを公開しました。バブル世代とイマドキ世代では、ブランド時計にかける予算に13万円以上の大きな差が出ました。– SEO Japan

2つのインフォグラフィックで、世代別にブランド品の価値観を比較
バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック
※画像をクリックするとコメ兵のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

ブランド品に興味があるバブル世代(45~49歳)、イマドキ世代(20~39歳)の506人に対して行ったアンケート調査によると、普段持ち歩くアイテムの中で「これだけはブランド品にしたいもの」1位は、世代を問わず「時計」という結果になりました。

バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィック特にバブル世代は、イマドキ世代に13万円以上の大きな差をつけて予算が上回っています。高級時計はバブル世代にとってステータスなのかもしれません。

バブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックバブル世代VSイマドキ世代!ブランド品に対する価値観を比較したインフォグラフィックブランド品を買うときは、世代を問わず「品質がいい」ことを重視するようですが、「品質」「満足感」の次にブランド品を買いたいと思う理由は「憧れ」。特に、バブル世代よりイマドキ世代の方がブランド品へより強い憧れを持っているという結果になりました。

ここではご紹介しきれませんが、その他バブル世代よりもイマドキ世代に「配偶者または恋人に中古ブランド品をプレゼントしたことがある」という回答者が増えているなど、中古ブランド品に関する価値観の違いも比較しています。

世代で異なる!?ブランド価値観調査|リユースデパート KOMEHYO
>ブランド品セキララ調査 バブル編
>ブランド品セキララ調査 イマドキ編

予算は低くても、ブランドへの憧れからブランド品を購入するイマドキ世代。中古品を購入することで欲求を満たしているのかもしれません。コメ兵は「高級ブランド品 男女の価値観調査」というインフォグラフィックも公開しているので、興味がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。(※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。) — SEO Japan [G+]

Googleがペンギン3.0を本日ローンチ??

最後のペンギンアップデートから長い時間が経過していますが、GoogleのJohn Mueller氏がこの件についてのコメントを出しています。(非常に短いコメントですが)また、Search Engine RoundtableのBarry Schwartz氏は8月中のアップデートを以前から予想しています。果たしてペンギンアップデートは近いうちに行われるのでしょうか???– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Googleがペンギンアップデートを最後にローンチしてから10ヶ月が経っている。Googleはその理由を、「ペンギンをリフレッシュすることは、非常に複雑なプロセスだからだ」、としている。

しかし、今朝、John Mueller氏がGoogle+ハングアウトでちょっとしたヒントを与えており、それによると、ペンギンアップデートがそろそろローンチされるということだ。(動画内の21分40秒位)彼によると、”エンジニアは現在取り組んでおり”、”(最後のアップデートから)非常に長い時間が経っている”ことを認めている。また、”そう遠くない将来”ではあるが、”今朝ローンチするわけではない”と述べている。本当だろうか?本日の午後かもしれないのではないか?Googleはこの手の大きなアップデートを金曜日の夕方に行うことを好んでいる。

下記に動画を掲載する。

トラッキングツール(MozcastSERPs.comSERP MetricsAlgoroo)は、この一週間、僅かな揺れを示している。また、フォーラムではこの話題について、引き続き議論されている。

WebmasterWorldのスレッドで、あるSEO担当者が、「おそらく、ペンギンかパンダのアップデートが行われようとしているのでは?」といった質問しており、彼によると大きな変更があったようだ。

「8/9(土)の6:00am(東海岸時間)からトラフィックの増加が見られた。以前、3/14に(トラフィックの)40-45%がヒットされ、2ヶ月後に、33%まで回復した。しかし、8/9からさらなる回復を見せ、昨日の時点で17%を下回った。これは、3/14以前の水準だ。これがトレンドによるものなのかはわからないが、この土曜日に起こった何かによってポジティブな影響があったようだ。」

BlackHatWorldのスレッドでは、「ここのところの変動をもとに考えてみると、本日ペンギンのアップデートが行われるのでは?」といった発言がある。おそらく、Googleはテストの範囲を拡大させており、そろそろ全てのWebサイトが対象になろうとしているのではないだろうか?

ともあれ、本日の午後にローンチされなかったとしても、数週間以内にローンチされることは驚きではない。


この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Is Google Launching Penguin 3 Today?」を翻訳した内容です。

上記記事は8/15(金)に作成されたものです。そのため、記事中の”本日”は8/15(金)を指しますが、8/18(月)の時点では、アップデートの情報は見られません。動画内でJohn Mueller氏が”ペンギンアップデートは事前にお知らせしない”と改めて発言しているので、Barry Schwartz氏が言うように、いつ行われても驚きではないかもしれません。– SEO Japan [G+]

悪徳SEO業者はこうしてつぶれた


SEO業者はこうして会社をつぶしたの続編なのである。
SEO業者をテーマとした小説がちょっとばかり好評なので、調子に乗って3回目なのだ。
前作を読まなくても分かるようにはなっているが、読んでいないのであれば読むことを推奨である。

ちなみに今回は最長、8900文字もあるので、こちらのPDFファイルで読んでもらった方が楽かもしれない。
半沢直樹シリーズみたいって言われるかもしれないが、まさしくその通りである。実際に最新作の銀翼のイカロスを読んで熱くなってしまったので影響があることは間違いない。
筆力の違いはいかんともしがたいが、私なりにあれを書こうとしたらこうなったってことである。


私の勤めていた榎戸商会という会社は2年ほど前に倒産した。

SEO業者に施策を依頼したECサイトがペナルティになってしまい、検索経由での売上がほぼなくなってしまった。
それだけではなく同じ業者からFacebookのいいね!を購入していたことが、ソーシャルメディア上で拡散してしまいこれまでのファンからの信頼も失ってしまったのだ。

私はSEO業者に施策を依頼することも、いいね!を人為的に集めることにも反対だった。
しかし、社長であった榎本氏がSEO業者のセールストークを完全に信用してしまい業者にいいようにやられてしまった。

私がもしあの時もっと強く反対していればと悔やまれてならない。業者の言うことに対して反論する程SEOについての知識がなかったのだ。

事務所兼、靴下を作る工場兼、社長の自宅には社長の家族も住んでいた。
まだ小学生の娘は私にもよくなついていて、学校から帰ってくるとビーズ細工などをして遊んだり一緒に一泊旅行に行ったりもした。

家族はECサイトを畳んだ時に自宅を引き払い、山梨で社長の兄がやっている蕎麦屋を手伝うことにしたらしい。
社長の兄というのは非常にケチな人物らしく、社長は昔から嫌っていたらしいのだが食っていけないのだから是非もない。

そんな兄のところに身を寄せている家族のことを思うと、もう少し自分がしっかりしていればと悔やまれてならない。

1年が経った。
私は年商20億円ぐらいのECショップを運営している飯倉株式会社という会社に転職した。
自分では零細ショップでの経験などとるに足らないものだと思っていたのだが、経験を評価してもらって採用してもらえたのだ。

「ゼロから立ち上げて黒字化したのは大したものですよ。」

そう言われたのだが、やることをやっただけのつもりだったので褒められているのか、お世辞なのか、皮肉なのかよくわからなかったぐらいである。

今回も新しい商材のECサイトを任された。

スポーツ自転車に乗る人向けの自転車用品の専門の販売サイトだ。

最初は自転車に全く興味がなかったので自信がなかった。

まずはユーザの気持ちを知るところから始めなければと考え、この金額でも初心者向けということに驚いたものの20万円程のスポーツ自転車を買った。

最初は30kmぐらいしか乗れなかったが、徐々に距離を伸ばしていき週末の度に150kmぐらい乗れるようになった。
1ユーザとして自転車に向き合っているうちに、一つ一つの商材を買うユーザの心情をつかむことができるようになるのを感じた。

最初は運営のコツがわからず苦戦したがものの、始めて2か月程で手ごたえをつかみ半年後には月商900万を超え、1000万をうかがうまでに成長した。
リスティングやアフィリエイト広告に使うための広告予算も比較的潤沢にあったため、軌道に乗せるのは割と簡単だったように思う。

毎日ブログを書いたし、週明けはツーリング日誌と称して走ったコースなどをレポートし、
ソーシャルメディアを運用して固定客のつながりを強めたり、いちゃもんとも思えるようなクレームに対しても真摯に対応し、
アフィリエイターの提携申請に対しては休みの日であったとしても必ずその日のうちに処理を行ったし、全てのサイトを実際に見た上でお礼のメールを出し、
SEOについても会社で売っている商品を販売するアフィリエイトサイトを自分で運営して、毎日実践したりしながら知見をつかんでいったりした。

やるべきことをやっているだけなのだが、これらをこなしているだけですごいと言ってもらえたのは意外に思えた。

そんな頃、SEO業者から営業電話がかかってきたのである。
SEOについては特別に取り組む必要は感じていなかった。
Webマスターツールでは着実にクエリ数も増えており、約5000程度まで増加していた。
今のやりかたで間違っていない。そういう確信はあった。

フリーダイヤルしか公開していないにも関わらず、そこにかけてくるような失礼極まりない営業電話はいつもは話途中で切ってしまうのだが、この日の電話は違った。

忘れもしない、私が勤めていた会社をつぶしたあの会社、サウザンドリーフ社である。
営業してきたのは横芝と名乗っており、私のことを知らない社員のようだった。

私は彼からのアポイント提案を受け入れ事務所に呼ぶことにした。
但し一人で来ることという条件をつけた。
私を知っている社員が同行すると全てはおじゃんになる。

横芝は事務所にやってきて、

「自転車用品っていうキーワードで上位表示させましょう。そうすれば売上は激増しますよ。」

またこれか。
既視感に激しいめまいを感じた。進歩しない人達・・・。

「本当に自転車用品ってキーワードで上位表示されると売上が上がるのですか?」
「そりゃあ、そうですよ。」

自転車用品なんてキーワードで一体誰が何を求めて検索するっていうのでしょう?と突っ込みたくなる気持ちを抑えて、

「そういうものですか。」
「そうですよ!」
「わかりました。」

とりあえずいったん話を打ち切って、

「ではこちらのサイトの対策をお願いしようと思います。」

リスティングのために前に作ったLPでありドメインは別だ。このページには自然検索経由でのアクセスはほぼないことはわかっている。
このページであればペナルティを食らってもさほど問題はない。
LPと言いつつも会社案内といったページはいくつかあるが、本サイトと同様の内容でありnoindexになっておりインデックスさせない設定になっている。
最初からSEOは捨てているページである。

上げられるものなら上げてみろって感じだ。

「かしこまりました。ではメールで見積と発注書をお送りします。」
「お待ちしております。」
「最後に1点お願いなのですが、Webマスターツールは削除が必要です。」
「何でですか?」
「GoogleはSEOを嫌いますので、SEOをやっていることをGoogleに知らせない方がいいためです」

全くあの時と同じだ。馬鹿なの?

「あのう、ちょっと聞いていいですか?御社のSEO対策ではペナルティになることはないって聞きましたが、Webマスターツールが入っていなければペナルティになったかどうかなんてわからないんじゃないですか?」
「・・・」
「どのみち今現在Webマスターツールを導入しているので、今更削除したとしてもGoogleにはサイトの存在は知られているでしょうし、Google Analyticsも消さないと意味ないんじゃないですか?」
「Google Analyticsは問題ないんです。GoogleはAnalyticsのデータを用いてペナルティにするしないの判断はしないと明言してますし。」

それはWebマスターツールも一緒ですよね。Webマスターツールが入っているとペナルティの通知が来るからあなたたちは困るからですよね。とここまで出かかったが、我慢した。

「そういうものですか。わかりました。」

とあの時のような反応をしてやり過ごした。まあ実際のところはどうでもいい。
Webマスターツールを当社側が見ているかなんてことは、SEO業者には絶対にわかりえない。

その日のうちに契約書と見積書が送られてきた。
成功報酬は24750円だそうだ。高い。もし、万が一成果が1ヶ月完全に達成した場合は76万円を超えることになる。
こんなキーワードで上がったからと言って、こんな金額を回収できるわけがない。全く馬鹿としかいいようがない。
私は売上金額の1.5%までなら自由に販促費を使ってもいいことになっているがとても足りない。

今度は、FTPのアカウントは開示しなかった。

「内部施策のために必要なのでFTPのアカウントを教えてください。」

と言われたものの、

「それは規則で社外の人には教えられないことになっています。」
「NDAを締結させていただきますがいかがでしょうか?」
「内部施策が必要であれば作業指示書をいただけば、その通りHTMLを社内のデザイナーが実装しますので御社にやっていただかなくて結構です。」
「はい、わかりました。」

これで引き下がっていたので、よくあるケースなのだろう。
FTPを開示しないので、.htaccessをどう編集したのかSEO業者側にはわからない。
.htaccessでGoogleのクローリングを拒否してしまえばGoogle検索にはヒットしなくなるので、検索順位を監視しておいて上位表示されてしまいそうになったら手を打つことができる。
実質的には1ページしかないペラサイトなので、いくら外部施策をやったとしても上位表示はほぼ100%あり得ないことだが、回避策は用意しておいた方がいい。

一番重要なこと、それはペナルティである。
契約書にはペナルティになっても一切の責任を負わない旨が記載されていたので、そこは「絶対ペナルティにならないのだからこの条文はいらないですよね」と言って削除を要求し、ペナルティになった場合には速やかに回復する義務を負う旨を明記させた。

かなり渋っていたのだが、やはり契約が欲しいのだろう。最終的には折れたのである。

契約を開始して当初は300位圏外だった順位は1ヶ月ほどで上がってきて75位まで上昇してきた。
この程度なら全く課金は程遠い。30位ぐらいまで上がってきたら考えればいいだろう。

Webマスターツールから被リンクをダウンロードしてみる。
なかなかひどいものだ。
1ページから無関係な文章が大量に羅列されていて20サイトぐらいにリンクされている。

こんな感じである。

家電量販店よりも家電通販が便利です。
世田谷で痛くない医療痩身を受けてきました。
宇都宮餃子は美味しいですね。
ランドセルは新入学の必需品。

こんな文章が延々と続く。
100人が100人見てSEOスパムだと判断できる代物だ。

このページのドメイン名は日本で使われていたとは思えないものであった。
Wayback Machineで見てみると、3年前には全然違うサイトだった。
ロシア文字が並んでいて何が書いてあるかさっぱりわからない。
ページランクは「なし」である。
危険物そのもの。

帰宅してから一つ一つの被リンクのサイトやブログを開いてみて、リンク先をまとめてみる。
リンク先はこのSEO業者の基本的に取引先であるはずだ。
Whoisでまずは全ての独自ドメインの所有者を調べてみたのだが、バリュードメインなどのドメイン販売業者の名義になっており、どの業者が実際に管理しているのかはわからなかった。

ここから尻尾をつかむことはできないか・・・。
まあ、いい。

1ヶ月かけてリストをまとめて、約650のSEO対象サイトをピックアップしてみた。

中には私のいた会社、榎戸商会のECサイトもあった。
このせいで私の会社はつぶれたのだ。
こんな雑なリンクで金を取ろうってひどいわ。ほんの少しだけではあるが薄らいでいた憤怒と自責の苦い感情が広がった。

SEO対象となっているページはページランクが「なし」になっていたサイトも30ほどあり、1位で表示されるであろうサイト名ですら10位以内に入っていないケースが多々あった。これらはペナルティを受けたサイトであることはほぼ間違いない。

私はそれらのサイトのサイト管理者に全てメールを書いた。

「自サイトをペナルティにしてしまったSEO業者に対して仕返しをすべきだ。」

という趣旨である。
多くのサイト管理者から返信が届いた。
私が以前榎戸商会の社員だったときは、契約したのはSEOの代理店で施策を行っている業者は分からなかった。

返信には株式会社エイトタウン社への恨みが多く綴られていた。
まさしく、私の会社がやられたことそのものである。

大体手口は同じだった。

  1. 日額成功報酬で契約をとる
  2. ペナルティになる
  3. 高額なペナルティ回復サービスの契約を迫る
  4. ペナルティ回復サービスを契約するとリンクをはがしてくれる

といった一連の流れらしい。
順位が10位以内まで上昇して成果報酬が発生することは最近ではほぼないらしい。
最初から順位が上がることを期待してないのかもしれない。
複数サイトをエイトタウン社に施策させていた会社では、ペナルティを受けたサイトの中で重要なサイトのみペナルティ回復サービスを契約したそうな。
すると、契約しないサイトはそのままだったものの、契約したサイトの被リンクはきれいに抹消されたらしい。

自分で泥棒をしておいて「金を払えば犯人から取り返してあげますよ」と言うような詐欺である。

非常に多くの証言がある。これだけでもエイトタウン社の犯罪の証拠としてはほぼ確実だ。
しかし、状況証拠でしかない。

ソーシャルネットワークで親しくなって、現在は時々情報交換をしているレンタルサーバ業者の社長さんがいる。
社長といっても従業員3人のこじんまりとした会社らしい。

この社長さんに前職の会社で起こった出来事と、現在エイトタウン社の施策によって困っている人のことを話して頼み込んだら快諾してくれた。

「そういう悪い奴を懲らしめるのには賛成ですね。協力しますよ。」

10IP分散のサーバについて当初半年間無料。
その後は10サーバー合わせて月額千円で使えるという破格の条件でサーバを貸してもらえることになった。
最初は私はそれに相応する金額は払うと言ったのだが、本当にその金額でいいと言ってくれたのだ。

この金額を餌にして営業メールと電話を使ってエイトタウン社にアタックしまくった。

何度も電話はガチャ切りされたが、技術担当者らしき人が出たら条件の良さに即決してくれた。

サーバ設定が終わって数日後にはサイトが徐々に立ち上がり、約1か月後にはレンタルサーバには例のゴミのような被リンクのページが山のように出来ていた。
そのページからは私がリストとしてまとめた約650サイト中に含まれるサイトも多くあった。

動かぬ証拠はつかんだ。

エイトタウン社のSEOの代理店、サウザンドリーフ社の担当横芝を電話で呼び出しエイトタウン社の社長を同行して連れてくるようにと話した。

「エイトタウン社の社長って何でですか?」
「あなたの会社はエイトタウンのただの一代理店だからエイトタウンが来なければ話になりません。」
「何でうちがエイトタウンの代理店だってわかったんですか?」
「調べれば簡単に分かることです。」
「でも何で社長なんですか。」
「社長じゃないとだめなんです。社長が来ないならばこちらにも考えがありますよ。例えば、某巨大掲示板に御社とエイトタウン社がこれまでしてきたことを書くとか・・・。」
「それって脅迫ですか。」
「さあ、どうでしょう?」

結局後ほど折り返し電話がかかってきて、エイトタウン社の社長も来社することになった。

当日の打ち合わせはセミナーでも使っている大会議室で行われた。

エイトタウン社の市川社長と、サウザンドリーフ社担当の横芝がやってきた。
こちら側はエイトタウン社のSEO施策によってペナルティを受けた会社の担当者や社長など総勢25名という陣容である。
既に倒産した私の前職の榎本元社長もいた。

市川社長も横芝も肝をつぶして、

「何でみなさんここにお集まりなのですか・・・」
「あなたから謝罪と対応をしてもらおうと思いましてね。」

「何のことですか?」

「言われないと分かりませんか?というかとぼけるのはいい加減にしてください。」
「・・・」
「ペナルティになるのが分かっていてリンクを張り、そのリンクをはがすのにお金を要求するってどれだけあなたは腐っているんですか?」
「私たちのせいでペナルティになったという証拠でもあるんですか。」
「ペナルティ回復サービスを申し込むとリンクが数日間でほとんど残らず消えますよね。あんなことは自社の管理下のリンクでなければ不可能です。」

別のエイトタウン社の被害を受けた別の会社に協力してもらい、ペナルティ回復サービス前と後のリンクをすべて印刷して残しておいたのだ。

「わざとじゃないですよ。私達だって上位表示されるように精一杯やったんです。」
「上位表示されたことなんてありましたか?私はあなたの会社がSEOを請け負っていたと考えられる650サイトを全て詳細に見てみました。」
「アンカーテキストに含まれる重要キーワードでは全く上位表示していませんね。」
「そんなのは言いがかりだ。上がっているクライアントだってちゃんとある。」

「あんなくそみたいなリンクで上がるわけないないやろボケェ!」

私に代わって発言をしたのは業界の草分けで、数多くの著作で知られるSEOコンサルタントの小岩氏だった。
被害を受けたうちの一社が彼からコンサルティングを受けているため本日同行したらしい。

市川社長は小岩の存在に気が付いて驚愕の表情を浮かべていたが、

「小岩先生お会いできて光栄です。私もあなたの書籍でSEOを勉強したんです。」

そう言って場の雰囲気を変えようとした。

「おべんちゃらなんかいらんわい。わいの本をちゃんと読んどったらあんなSEOなんかせんやろ。読んどらん証拠、ムカつく奴や。」
「・・・」
「SEO業界が胡散臭いって思われるのはお前みたいな奴がおるからや。お前みたいなカスは死んでしまえ!」

「榎戸と申します。私の会社はあなたのせいで倒産したのです。どうしてくれるんですか?」

「私の会社には責任はありません。」

「いつもそうやって言い逃れをしてきたのでしょうが今回は通らないですね。」

松岸が口を開いた。
彼はITの関連の案件を専門に行うことで知られた弁護士である。

「倉橋さんが証拠を固めてくれました。貴社がやったSEO対策はGoogle社の定めるガイドライン違反であることは明白です。それを隠してペナルティの可能性はないと強弁するのは無理でしょう。」
「被リンクがうちの会社であるなんて証拠なんかない。よそのSEO会社の被リンクなんじゃないですか?」

「証拠はあります。」

6か月無料契約を餌にして契約を取った、レンタルサーバの契約者情報のプリントアウトを松岸は差し出した。

「これが証拠です。ここに集まっている方々が原告団となり民事訴訟、刑事訴訟の両面で現在裁判の準備を行っています。これだけの証拠と証人があれば負けない。」

「お前は俺をはめたんだな!」

市川社長は顔を真っ赤にして吐き捨てるように言った。

「それはこっちの台詞ですよ。ここにいる人々を騙したのは誰ですか。」

「俺は騙してない。俺は当然の経済行為をしたまでだ。」
「この期に及んでそんなことを言うんですか。面の皮がどれだけ厚いんですかね。まあいいです。裁判の結果を待つまでもなく、もうすぐあなたは報いを受けるのですから」

翌週の週刊水曜日にはエイトタウン社とサウザンドリーフ社の行った詐欺行為の特集が組まれていた。
榎戸社長を始め他の被害者にもインタビューがなされており、また専門家の見解としてSEOコンサルタントの小岩氏、松岸弁護士のコメントも書かれていた。

この週は他に大きなニュースもなかったためか、テレビ局や新聞の取材もエイトタウン社に押し寄せた。
市川社長は相変わらずノーコメントだったが、このタイミングで退職を決意したというある従業員は、

「クライアントを騙し続けることが苦しくて辛かったんです。」

と電子音のように加工された音声で語っていた。
この従業員は裁判で証言台に立つことも約束しており、市川社長の逃げ場は完全にふさがれた格好である。

既存客だけではなく、報道を見て過去の顧客までもが続々と損害賠償請求を求める原告団に加わって来た。
市川社長の所有のフェラーリや三軒茶屋のマンションも仮差押え処分を受け、会社の現預金も凍結された。

従業員の給与を払うこともできない状況に追い込まれたのである。

エイトタウン社はついに倒産した。
ついでに言うと、エイトタウン社の代理店業務を行っていたサウザンドリーフ社も、責任から逃れることができず同様に倒産した。

会社の人々をはじめ様々な人々から応援され悪徳業者を倒すことができたが、榎戸商会を倒産させたことによる気持ちのささくれはなくなることがなかった。

そんな矢先のこと榎戸元社長から連絡があった。
靴下の製造機械は倉庫にとっておいたので、エイトタウン社からの回収よって靴下の製造販売をとりあえず再開することができたそうだ。

自転車用品の販売は軌道に乗り、部下の社員も採用してもらった。
彼女は専門学校でHTMLを勉強した経験があり熱心だった。愚直に私が実施しているのに近いレベルでこなしてくれている。
要所を押さえておけば任せても大丈夫だと思う。それに彼女はとても美人だしw

自然派靴下という商材もうちの会社で一手に扱ってECショップで販売してもいいことになった。
もともと売っていた商材なので今の知識ならすぐに軌道に乗せられるだろう。

「もう一頑張りしますか。」

夜の10時を回ったオフィスで呟いたのである。


もしこの他にもSEOの小説にご興味があれば、

SEO業者はこうして倒産した
SEO業者はこうして会社をつぶした
SEO小説 カニのオマージュ

このような小説も書いておりますので是非ご覧くださいなのだ。
カニのオマージュはあり得ない設定の小説ですが、個人的にはちょっと気に入っている。

もし、カニのオマージュが面白いと思われたならば、

掌編小説「カニのオマージュ」という同じタイトルで、設定の似たSEOとは関係のない小説も書いているので合わせてご覧くださいませ。

Googleのブランド贔屓について専門家がガチバトル

Googleがブランド力のあるサイトを高評価する傾向があることは以前からいわれていますが(参考インフォグラフィック)、今回はそんなGoogleのブランド贔屓についてSEOの専門家が意見を熱く交わした記事を。 — SEO Japan

今年行われたSMXでのランド・フィッシュキン氏によるキーノート、「The SEO Revolution Will Not Be Televised」(SEO革命は放映されません)は、大勢のオーディエンスを魅了していたが、私もそのうちの一人であった。同氏は、アクティブなプレゼンターであり、優秀なマーケッターでもある。個人的な意見だが、実際に賞賛に値する人物だと思う。

Moz Founder and COO Rand Fishkin discusses Google’s bias toward strong brands with Bryson Meunier.

とは言ったものの、プレゼンの最中に、「検索結果のブランドの独占および贔屓が、ついに現実のものになった」と発言した際は、思わず耳を疑った。

弊社、Resolutionでは、世界で有名な企業を何社か顧客に持っているが、本当にGoogleが大手ブランドを贔屓しているなら、これほど早いペースで弊社が収益を伸ばすことは不可能であり、実際に、ブランドは、SEOに今まで以上に資金を投じている。

これは、2014年にSEOの予算を増やす予定があると答えた社内のマーケッターは47%(エージェンシーのマーケッターに関しては、実に69%)であった一方、減らすと答えたマーケッターは5%のみであった現状と一致する。

Googleが、自然にブランドを贔屓しているなら、なぜ、ブランドは、わざわざSEOに多額の資金を投じる必要があるのだろうか?代わりに、ブランディングに資金を投じるべきではないのだろうか?答えは明らかだと私は思う。Googleの検索では、ブランディングだけでは、目立つことが出来ないため、SEOにも投資しているのだ。

また、2年前、SMX Westでのアーロン・ウォール氏が行った主張への反対の証拠を示したことがあったが、個人的な見解では、この傾向は今でも変わっていないと考えている。

Googleの1ページ目で有名なサイトを含むクエリが、過去2年で約27%増加したことを示すMozcastのグラフをランド・フィッシュキン氏は、プレゼンで紹介していた。そこで、その見解をより深く理解するため、実際に本人に連絡を取ることにした。

私は、この問題を過去に議論したことがあり、ブランドへの贔屓が存在すると言う主張には、懐疑的な立場を取っている。しかし、闇雲に信じているわけではなく、あくまでも科学者として、この問題に向き合っている。そのため、ブランドへの贔屓が実在し、実証するデータがあるなら、喜んで考えを変える用意はある。

ランド・フィッシュキンの提言: ブランドになれ…と言うけれど

フィッシュキン氏に実際に話を聞き、そして、プレゼンを聞いた限りでは、全体的なメッセージに関しては、誤っていないと私は思った。ブランドへの贔屓が話題になる度に、Googleの偽善者行為が指摘されるか、あるいは、競争の激しいキーワードにおいて、ブランドには勝てないと言う不満が噴出する。しかし、ランド・フィッシュキン氏は、正々堂々と勝負し、ブランドになれと提言している。

ブランドの構築に苦労している会社が、検索においても苦労しているとしても、このプレゼンのアドバイス自体は間違えていない。

ターゲットにするキーワードには、現実的な視点で考える必要がある — 知名度、予算、そして、リソースの面で全て上回るサイトと競争する方針は、現実的とは言えない。SEERのウィル・レイノルズ氏が、3月にオレゴンで行われたIRCE Focus: Web Designのプレゼンテーションで、この点を巧みに実証していた。レイノルズ氏は、Googleが、キーワード[dresses]で、Macys.comよりも、レイノルズ自身が運営する知名度の低いドレスストアをなぜ上位にランク付けするべきなのかと力説していた。

このような大手企業のサイトを、一時的な小手先の手法を用いて倒そうとするのではなく、サイトと製品の質を改善して、アウェアネス、自然のリンク、そして、シェアを増やしていくべきである。ビジネス、そして、ブランドを構築することに力を入れる必要があり、ブランドの強さ、人気、そして、オーソリティの代わりのような扱いを受ける数値ばかりに固執しないでもらいたい。

ちなみに、私はこの考え方を100%支持している。ただし、ブランドの贔屓に関する考え方は変わらない。私は今でもブランドの贔屓は存在しない、と言う立場を取っており、万が一、存在するとしても、それは因果関係ではなく、相互関係によるものだと考えている。事実、誰でも知っているような有名なブランドの中には、ブランド名自体は有名であっても、Google検索で苦戦しているものもある。ブランドがスパムを行うことが出来る点、そして、実際にスパムを行うと、一般のサイトと同じように、Googleにペナルティーを科される点を覚えておこう。

そもそもブランド贔屓とは?

Google検索が、ブランドによって独占されている、とはどんな状態を指すのだろうか?ブランディングの「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」と言う定義は、曖昧であり、ウェブサイトのあらゆるアイテムが含まれてしまうことになる。 プレゼンでの発言の真意をフィッシュキン氏に尋ねてみたところ、次のような答えが返ってきた:

SEOの関係者は、Googleが、ノンブランドよりもブランドを優先する、と昔から推測していたことを私は強調したかった。事実、Googleの重役は、「ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決手段だ」と何度も発言しており、また、Googleの社内では、積極的にSEOを行うウェブサイトが、良質なコンテンツと優れた製品を提供するサイトよりも優先されるのは、おかしいと言う考えが根強く存在すると私は思っている。さらに、ペンギン、ハミングバード、そして、パンダ等のアルゴリズムの変更(そして、その他の小規模な変更)により、検索結果で、ブランドを目立たせるための全面的な贔屓が強くなっている。

その上、アルゴリズムの贔屓と共に、ブランドを助ける二次的なインパクトが数多く存在する。Googleは、ソーシャルシグナル、ユーザーデータのシグナル、利用データのシグナル、そして、各種のデータを利用することが可能であり、Googleに評価される優れたアイテムをブランドはより多く持っていると言える。また、事実として、過去5年間、多くのブランドが、SEOに真剣に資金を投じるようになり、目標達成に向けて力を入れている。

さらに、私はRap Geniusが10日間のペナルティーを受けた後、Googleに復帰した件に関する意見を尋ねた。すると、ランド・フィッシュキン氏は、Googleがブランドを贔屓している領域をもう一つ挙げた:

Rap Geniusの件は、ブランドが、小さなサイトとは別の扱いを受けている何よりの証拠である。Rap Geniusは、検索結果を操作する試みを行ったために、ペナルティーを受けたものの、すぐに復帰した。小規模なサイト(あるいは、知名度の低いブランド)のSEOを実施したことがある専門家なら、ペナルティーが、数ヶ月間、数年間、あるいは、Rap Geniusが行ったような行為に手を染めた場合は、永遠に続くことを理解している。その他にもExpedia、BMW、そして、Google自身も、操作を試みた結果、ペナルティーを受けていたが、通常のGoogleの懲罰と比べると、警告程度でしかなかった。

つまり、ランド・フィッシュキン氏は、Google検索におけるブランドの独占に貢献している5つのファクターがあると指摘している:

  1. 検索結果でブランドをより目立たせるアルゴリズムの贔屓。
  2. ユーザーが期待する大きなブランドを検索結果で優先することをGoogleが明言している。この方針は、最終的に、アップデートによって、優先されるようになる。
  3. 理論上、必ずしもノンブランドではなく、ブランドを支援する各種のデータをGoogleが利用することが出来る。
  4. ブランドが、SEOの取り組みを強化し、ノンブランドによる上位へのランクインがますます難しくなっている。
  5. ペナルティーに関して、Googleがブランドを大目に見る傾向がある。

これは、過去に同じ主張を行った大勢の人物が挙げる理由と同一である。

ブランドの贔屓の定義はこれで終わったので、ランド・フィッシュキン氏が挙げた5つのファクターを一つずつ詳しく見ていこう。

1. アルゴリズムのアップデートにおける贔屓

ペンギン、パンダ、そして、その他のアップデートによって、ブランドと比べて、小規模なウェブサイトがダメージを受けてきた経緯は、誰もが知っている。しかし、Googleのアップデートによる、ネガティブな影響をブランドが受けていないことにはならない。

Demand Mediaと言うサイトを覚えているだろうか?同サイトに関する関心が最高潮に達していた時、Demand MediaのIPOは、15億ドル前後の時価総額を記録していた。しかし、Google検索で目立つために、薄っぺらいコンテンツを作っていたその他の小さなブランドと同じようにパンダによって、Demand Mediaは壊滅的なダメージを受けたのであった。また、パンダは、有名な自動車雑誌のMotor Trend、さらに、Yahoo!が所有するAssociated Content(その後、Voiceに名称を変更)も攻撃していた。

ブランドは、ペンギンにも痛めつけられていた。Dish Networkは、ペンギンがリリースされると、トラフィックを27%落としていたSalvation Army、REEDS Jewelers、そして、その他の有名なブランドもペンギンアップデートが原因で、検索結果でのビジビリティを大幅に失っていた。

このようなメジャーなアルゴリズムのアップデートによって、さらに多くの小規模なサイトが、壊滅状態に追い込まれたのであろう。それは、残念だったとしか言いようがない。しかし、Googleは、薄っぺらいアフィリエイトのコンテンツをターゲットにしていることを明言しており、また、大きなブランドよりも、アフリエイトや小さなサイトの方が多いのが現実である。

その上、経験上、大きなブランドは、通常、評判を貶める可能性がある行為に関しては、嫌う傾向がある。ブランドにとっては、ペンギンとパンダが一掃を試みた類のランキングを操作する短期的な戦略からは、得られるものが少なく、反対に、失うものが多い。ブランド贔屓の複雑な局面を取り上げるまでもなく、これだけでも、大きなブランドよりも、小さなブランドの方が、アップデートの影響を受ける理由は明らかである。

2. Google内に存在するブランド贔屓

確かに、エリック・シュミット氏は、2008年にパブリッシャーとエディターに向けて、「ブランドは問題ではなく、解決策である。ブランドは、清潔な状態を取り戻すための解決策だ」と発言していた。しかし、この発言の直後に、次のように述べていたことはあまり知られていない:

Googleは、パブリッシャーの方々に成功して欲しいわけではない。ランキングを上げる基本は、関連性を上げることだ。

センセーショナルな見出しが報道されるものの、それが真実の全てではない。

Googleの従業員は、他の機会でも、アルゴリズムに加える変更において、ブランド贔屓が存在すること、あるいは、ペナルティーに関して、特別扱いしていることを否定している。例えば、Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、2009年にこのように語っていた:

Googleの社内では、少なくとも、検索ランキングチームにおいては、ブランドのことを考えていない。代わりに、信頼、オーソリティ、評判、PageRank、質の高さ等を考慮している。

フィッシュキン氏によるプレゼンと同じようなプレゼン、そして、「現在、ブランドはメジャーなランキングの要素になった」と断言するこの記事と同じような記事に何度も遭遇しているため、Googleは、態度を明らかにする必要があると私は思った。しかし、この記事を投稿するにあたって、Googleにチャンスを与えたものの、「現時点で、特に言うことはありません」と言う答えが返ってきた。

この問題は、大半のSEOの関係者がGoogleを信頼していない事実と関連しているのではないだろうか。しかし、「ブランドは、清潔な状態に戻す解決策だ」と言う発言を信じているにも関わらず、その他の発言には耳を塞いでしまうのは、矛盾しているとしか言いようがない。

Googleは、信頼、オーソリティ、評判、そして、高品質を贔屓しているが、このような要素はブランドに限定されているわけではない。サイトの品質に向上をブランドの構築と結びつけて考えることは可能だが、同じだとは限らないことを理解しておく必要がある。

3. Googleのリンクシグナルを超越した多様化はブランドに有利に働く

この主張は、Googleが、リンクのデータを軽視し、代わりに、ソーシャルシグナル、ユーザーのデータ、エンティティ等を網羅するようになると、ブランドが最も得をする、と言う考えに基づいている。この考えが正しいとは私には思えない。

FacebookとTwitterで特に人気が高いエンティティ(人物、地名等)のタイプを見ていくと、ソーシャルメディアでファンとフォロワーを獲得する点に関しては、ミュージシャンが圧倒的に強いことが分かる。

When you break down the top followed entities on Facebook and Twitter, brands are shared much less than other entities.

FacebookとTwitterでフォローされているエンティティを分類すると、ブランドはその他のエンティティと比べて、シェアされている回数が圧倒的に少ない(クリックすると拡大して閲覧することが可能)。

また、「ブランド」を拡大して解釈し、その他のサイトとの違いを示す名前を持っていることを理由に、全ての上位のサイトをブランドと認識したとしても、この名前がなくても健闘しているノンブランドは存在する。

例えば、Zyngaが所有するゲーム、Texas Holdem Pokerは、ブランドではないものの、15位であり、7000万名のFacebookのフォロワーを抱えている。同様に、basketball(バスケットボール)は、5700万人にいいね!されており、football(サッカー)は、4400万人に、そして、pizza(ピザ)は、それぞれ、3300万人にいいね!されているが、どれもブランドではない。反対に、2013年のブランドリストで94位であったPizza Hutのフォロワーは、ノンブランドのピザのフォロワーの3分の1である。

ブランドはエンティティであり、そのエンティティは、ハミングバード、そして、ナレッジグラフのおかげで、優遇されるはずだが、エンティティだと言う理由でブランドが、Google検索で活躍しているとすると、ブランドであると言う事実は、二次的だと言っても過言ではない。

そこで、フィッシュキン氏に、ブランドではなく、エンティティを思い描いているのではないか、と尋ねたところ、「確かにその通りだが、名前がよく知られている強力/影響力の強いブランドは、さらにシグナルを加えており、その結果、エンティティを優遇する機能を超えて、ランキングを強化している可能性がある」とフィッシュキン氏は指摘した。

4. ブランドはSEOに力を入れている

この点に関しては異論は全くない。様々な規模のブランドが、実際に、SEOを始めとするデジタルマーケティングに力を入れている。

ブランディングサービスを提供するInterbrand社が世界の一流ブランドと特定したブランドのうち、66%はウェブサイトで何らかの形でSEOを実施している。LinkedInで、ブランド名と用語「SEO」を検索すれば誰にでも分かることだが、一流ブランドの多くは、SEO専用の従業員を抱えるか、業者にアウトソースし、フルタイムで実施させている。実は、この比率は66%を上回る可能性がある。なぜなら、SEOを実施した経験を持つデジタルマーケティングのエキスパートを抱えているものの、SEOを実施している、もしくは、実施したことがあると明記していない企業が多く存在するためだ。

ただし、ブランドが、ある程度、力を入れていると言っても、SEOが有効だとは限らない。SEOを実施していると認めたブランドのうち、63%が、2012年以来、検索結果でのビジビリティが下がったと指摘している。SEOのスタッフは、状況を変えるために採用されたはずだが、力を入れ始めたばかりであり、まだ結果は出ていないのが現実である。

66% of top brands are doing SEO, but it hasn't necessarily led to success... yet.

ブランドの66%がSEOを実施するものの、必ずしも成果が表れているわけではない。

それでも、資金を投じていることは事実だ。SEMPOは、今年、State of Search(検索の現状)レポートでここまで詳しいデータをリリースしているわけではないが、昨年、同サイトは、SEOに300万ドル以上投じたと答えた企業が5%に達し、前年の1%から増加したと報告していた。

SEMPO figures showing investment in SEO at more than $3 million annually 5% of total respondents.

SEMPOの図表 — 300万ドル/年以上をSEOに費やす会社が5%を占める。

このグラフからは、SEOに資金を投じるサイトが、大きなブランドなのか、あるいは、規模は小さいものの予算を潤沢に持つブランドなのかを判断することは出来ない。しかし、その多くは、平均的なSearch Engine Landの読者の方々が携わるウェブサイトよりも、規模が大きいのではないだろうか。

5. Googleは大きなブランドに甘い

この点に関しては、納得できる部分もある。大規模なブランドのサイトで14年間に渡ってSEOを実施してきたが、小さなブランドでは手が届かないレベルの技術にアクセスしていた大企業は1社しかない。反対に、その他のサイトと同じように、ウェブマスター向けのヘルプフォーラムに質問を投稿するよう求められることの方が多い。この扱いは矛盾している。

多くのSEO業者と同様に、私は世界的な企業のSEOを担当したことがあるが、マット・カッツ氏を含む、Googleのエンジニアと会って、ランキングの改善について話し合ったことはない。このような事態がクライアントに起きるのは、異例であり、先程も申し上げた通り、1度しか見たことがない。

Rap Geniusに関しては、ブランドと言うよりも、ベンチャーキャピタルに支えられたスタートアップであり、Googleは、同じような違反を行ったサイトと比べて、甘い処分を与えたと言えなくもなく、残念であった。しかし、Rap Geniusは、今でも同分野のAZLyricsに負けている。歌詞を探す際には、いずれかのサイトを指定しているわけではないため、ブランディングが原因ではない。

ペナルティーが軽いと言う主張は、全てが正しいわけではない。大きなブランドが、インデックスから削除されると、たとえ2週間であれ、多くの小規模なサイトが一生かかっても得られないような金額の収益を失ってしまう。

数年前、ある企業から相談を受けたことがある。この企業が採用していた大手のSEO業者が、リンクを購入したため、ナビゲーショナルな用語で1ヶ月間に渡って、6ページ目に格下げされてしまったようだ。同社は、売り上げが100万ドル減ると推測していた。この業者は秘密保持契約を結んでいるため(そもそも、SEOコミュニティにとって、発表するメリットはない)、メディアで報じられることはなかったが、実際に起きた出来事である。100万ドルが、軽いと思うなら、私よりもSEOで利益を得ているとしか考えられない。

しかし、確かに、Googleは、ペナルティーに関しては、ブランドを大目に見ている節がある。ランド・フィッシュキン氏が、プレゼンで説明していたように、無理もない処置だと言える。ユーザーが欲しい情報を見つけることが出来ず、検索の質が下がるなら、必要以上に長くインデックスから排除するのは、自殺行為に等しい。

例えば、The Sandlotと言うシカゴ北西部の郊外に個人的に好きなハンバーガーショップがある。以下に、今年のGoogleトレンドの検索量を掲載する:

Like most smaller brands, new northwest Chicago burger joint, The Sandlot, barely registers on Google Trends.

大半の小さなブランドと同様に、シカゴ北西部のハンバーガーショップ、The Sandlotは、Googleトレンドに登録されていない。

ご覧のように、登録する上で十分な量の検索が行われていない(残念で仕方がない。是非、この店のTwo-n-Twoを試して欲しい)。

そして、次に、The Sandlotに味が近いと言う意見が多いFive Guysの検索ボリュームを記したチャートを掲載する:

Many more searchers for Five Guys would suffer if extensive penalties for larger brands were applied.

Five Guysの検索は多く、大きなブランドに対するペナルティーが長期化されると、ユーザーが困る。

Googleが、The Sandlotを検索結果から消しても(The Sandlotはウェブサイトを持っていないため、簡単に消すことが出来る)、どこに行ってしまったのかと考え、店舗に足を運んで、SEOのプロを雇った方が良い、とおせっかいを焼く人はほとんどいないはずだ。大半のユーザーは、別のハンバーガーショップを検索する。

一方、もしも、GoogleがFive Guysを検索結果から消してしまったら、大勢のユーザーが気に掛けるはずだ。なぜ、Five Guysを検索しているのに、Five Guysの情報をGoogleが返してくれないのか分からず、Yahoo!やBingで代わりに検索を行う人も出てくるかもしれない。

Five Guysをインデックスから外す行為が、Googleの検索の品質を落とすと思うなら、McDonald’sを結果から外したら、どうなってしまうか考えてもらいたい。ブランドに加え、検索エンジンのユーザーまでもがペナルティーを与えられるようなものだ:

Extensive penalty for McDonald's would penalize all of these brand searchers, and Google, as well.

McDonald’sに長期間に渡ってペナルティーを与えると、McDonald’sを検索したユーザー、そして、Google自身も困る。

そのため、確かに、ある意味、ブランドを大目に見る傾向はある。なぜなら、Googleは、ユーザーが求めている結果を提供する必要があり、そのユーザーはブランドを求めているためだ。その他のエンティティにも言えることだが、ブランドは、別のサイトが取って代わることが出来ない特徴を持っている。

2年間で27%増加した理由

それでは、ブランド贔屓が、アルゴリズムに反映されていないとしたら、Google.comの1ページ目の「Big 10」を含むクエリが、過去2年間で、27%増加しているのはなぜだろうか?実は、様々な理由が考えられる。

まず、ここで取り上げている問題を確認しておこう。フィッシュキン氏が、プレゼンで取り上げたMozcastのチャートでは、Googleの1ページ目での、以下の「Big 10」のドメインを含むクエリの比率が記されていた。

domain-bias-mozcast

ランド・フィッシュキン氏がプレゼンで用いたスライド — 過去2年における1000のキーワードでの、大きなサイトによるランキングが、12%から16%に改善されたことが、ブランドの独占を証明している。

以下に、2014年5月8日時点での、Big 10を挙げていく。ただし、米Googleで多くのビジビリティを獲得しているサイトに応じて、サイトが変動する可能性がある:

  1. en.wikipedia.org
  2. www.amazon.com
  3. www.youtube.com
  4. www.ebay.com
  5. www.facebook.com
  6. www.webmd.com
  7. www.walmart.com
  8. www.pinterest.com
  9. twitter.com
  10. allrecipes.com

Mozcastが追跡した1000のキーワードにおいては、ピーク時で、上のドメインは、クエリの16%で1ページ目に掲載され、最も低い時点では、12%近くまで下がっていた。Mozは、過去2年間で、27%の割合で増加していると指摘していた。

この増加は、検索結果でのブランドの独占を示唆しているのだろうか?私が示唆していないと思う理由を幾つか挙げていく:

1. 大きなサイトではあるが、必ずしも大きなブランドではない。トップ 10のサイトのうち、Interbrandの2013年版トップ 100ブランドに入っていたブランドは、3-5つのみであった。その他のサイトは、明らかに大きなサイトではあるが、ブランドが大きければ大きい程、Google検索で取り上げてもらえる確率が高いと言う主張を証明しようとしているなら、「Big 10」の70%が、ブランドの規模を計測するプロの基準で大きなブランドではないなら、この理論には無理がある。

また、トップ 10のブランド(Interbrandのリストによると)は、Big 10には入っていないため、27%の増加に、ブランドの規模や力が関係している可能性は低い。

2. ブランドは、追跡したクエリの84%に対して、1ページ目の検索結果に掲載されていない。この場合、独占と言うと、少なくとも50%を支配する必要があるのではないだろうか?12%から16%に上がっただけでは、どう考えても独占とは程遠い。

3. そもそも、クエリのうちブランドの用語が占める比率が分からない。1000のクエリと言うだけでは、その全てが、Facebookに関わるクエリなら、検索結果の1ページ目でFacebook.comが占める割合は、16%を超えるはずである。クエリがブランドの用語でも、ナビゲーショナルな用語でもないなら、それはまた別の問題だが、Mozcastの説明では、この点には一切触れられていない。

16%と言う比率が、検索結果のブランドの独占状態を表していると考えたとしても、その他の、より可能性の高い理由が原因だと考慮すること出来るのではないだろうか?:

A. 大きなブランドと品質、オーソリティとリンクの間に強い相互関係が存在する。これは必ずしも因果関係を示しているわけではない。

B. Googleは、様々な事柄に関連するサイトに見返りを与えており、そのうちの一部がブランドである。SEMRushとSearchMetricsで上位のサイトが持つ共通点を確認したところ、最も目立った共通点は、そのうちの幾つかが大きなブランドであった点ではなく、多くのトピックに関連している点であった。

大きなブランドと考えるかどうかは別にして、Wikipediaが、InterbrandがNo.1に選んだブランド、Apple.comよりも8倍多くの検索トラフィックを獲得しているのは、Wikipediaがより大きなブランドであるからではない。コンピュータとiPhoneだけでなく、様々な事柄に関連しているため、Appleよりも多くのトラフィックを獲得しているのだ。

事実、SEMRushによると、Wikipediaは、Apple.comよりも、キーワードの数自体が、8倍多いようだ。SEMRushでApple.comがトラフィックを獲得している領域を調べてみると、その多くが、Appleとは関係のないナビゲーショナルなキーワードであることが分かる。App Storeのおかげで、Appleは、インターネットで有数のブランドにおいて1ページ目にランクインしており、そのため、自分達のブランドの力に加えて、トラフィックを獲得する原動力となっているのだ:

Apple's app store is a platform that allows them to be highly relevant for high volume navigational terms.

AppleのApp Storeは、ナビゲーショナルな用語に対する関連性を高める基盤となる(クリックすると、拡大して表示することが可能)。

C. Googleは、エンティティに見返りを与えており、ブランドは、そのエンティティのタイプの一つである。

D. Googleが大きなブランドを重視している理由として挙げた上の根拠は、アルゴリズムとは全く関係がない(ブランドに長期間にわたって罰を与えると検索の品質を落とす、ブランドもSEOに力を入れている等)。

結局、疑いは晴れず

ブランドが、Google検索において、他のサイトよりも優先されていると考えることになった要因について、インタビューに応じてくれたフィッシュキン氏に感謝している。本人にも伝えたように、私は大勢の人達がフィッシュキン氏を知る前から、同氏のレポートを読んできたし、たとえ、同意することが出来なくても、その意見を尊重してきた。

フィッシュキン氏と同じように、私も疑り深い人間であり、疑り深い人間と言う者は、オッカムのかみそり論(出来るだけ仮定を少なくして、証明を行うべきと言う理論)を持ち、身近な問題を理解するために不要なセオリーを除外する傾向がある。この問題を詳しく検証してみた結果、ブランド贔屓が、様々な形式において、存在するとは、今でも私には思えない。データが、このセオリーを裏付けていない。観測された現象は、データがなくても、説明することが出来る(はずである)。

SMX Westでのランド・フィッシュキン氏のプレゼンに刺激を受けて、ブランドの構築を始めたなら、そのまま続けてもらいたい。先程も申し上げた通り、「弱点を探して、利用する」SEOの時代は幕を閉じつつあり、終わって良かったと私は思っている。 この手法は、消費者にとって、全く役に立つことはなく、SEOではなく、単なるスパムである。

しかし、ブランドを構築する際は、それだけやっていれば、Google検索で上位にランクインすることが出来ると考えないでほしい。会社、そして、SEOにとって、ブランドを構築することで得られるメリットは存在するが、Google検索で上位にランクインする要素は、もう少し奥が深い。

追伸

重要な考えを一緒に積み上げていくことを目指し、私は、投稿する前に、この記事の最終的な草稿をフィッシュキン氏に読んでもらった。草稿に関する同氏のフィードバックを以下に掲載し、その後に、私のレスポンスを綴っていく。

2段落目で、ブランドが、SEOで成功をしていたら、会社が今ほど順調に成長していなかった、と指摘しているが、この論理は、あまりにも大ざっぱであり、関係がないように思える(私の主張、そして、取り上げてられていたアーロン・ウォール氏の主張と比べて)。事実、主張を弱めてしまっている。

ご指摘には感謝する。ブランドがSEOで成功していたら、私の会社が今ほど順調に成長していなかったことは重要ではない。弊社は、様々な規模のブランドをSEOで成功させるべく支援している。もちろん、SEOにおける成功が、私の会社にマイナスに働くことはなく、恐らく、間接的にではあるが、ある程度プラスに働いているのだろう。とりわけ、ブランドの構築に全く時間を費やしていないなら、尚更である。

しかし、現実として、ブランディングに莫大な資金を投資し、大規模な、信頼されるブランドを作り上げたものの、SEOの業者を雇って、検索でのビジビリティを改善している企業は多く、ブランディングが、Googleで目立つために一番重要だと言う見解には、やはり賛同しかねる。

ブランディングはSEOの一部であり、既にブランド構築を行っているブランドは、SEOにも投資するべきだと言っているように聞こえるが、この主張は、私が今までのキャリアの中で仕事をした大勢の重役クラスには通じない。必ずしも私の理論ではないが、重役の多くは、既に信頼されるブランドを構築しているため、SEOを不要だと考え、代わりに予算をブランディングに割り当てることを望む。フィッシュキン氏が、この主張とは、距離を置いていることが分かり、ほっとした。しかし、このように解釈されていても、何ら不思議はない。

「ブランドはスパムをする可能性があり、– 実際にスパムをすると、他のサイトと同じように、Google検索でペナルティーを科される」と指摘しているが、この業界の関係者なら、誰も賛同しないはずだ。確かに大きなブランドもペナルティーを科されるものの、ペナルティーの厳しさは、大きなブランドではないサイトとは大きく異なる。

この点に関しては、記事の後半で説明している。ペナルティーは異なるものの、期間以外にも、厳しさを示す要素は存在する。事実、ブランドは、収益の面で、大きなダメージを受け、そして、検索エンジンのユーザーが、人気の高いブランドを検索するものの、当該のブランドが表示されない場合、検索の品質が下がってしまう。また、この手の話をする関係者の多くは、大きなブランドを顧客に持っていないと私は考えているため、私の主張が受け入られないのは、無理もないのかもしれない。

ブランドとして、Demand Mediaを挙げていたが、私は(そして、他の大勢のSEO関係者も)、Demand Mediaが、数あるメディアサイトの中で、サイト、そして、コンテンツにおいて、強力なブランドを作る取り組みを思い切り失敗させたサイトだと考えている。事実、Demand Mediaは、圧倒的に劣悪なブランドを持つ、圧倒的に大きな会社である。そのため、Demand Mediaが提供するゴミを一掃する行為は、Googleがブランドを優先する典型的な例だと私は思う。

この指摘は興味深く、ある程度、同意することが出来る。しかし、マーケティングにおけるブランドの基礎的な定義を大きく超えており、この点を説明するために別の用語を利用するべきだと私が考える根拠を後押ししている。

Demand Mediaは、明確に、その他の製品とは異なるアイデンティティを確立し、差別化を行った。さもなければ、ここまで大きく成長することは不可能であったはずだが、Google検索ではプラスに働かなかった。 プレゼンで用いられていたブランディングと言う用語は、品質、オーソリティ、そして、信頼性により力を入れる取り組みを意味していたのだろうが、範囲が広いブランドの領域を外し、品質、オーソリティ、そして、信頼性と言ってくれていたら、混乱をある程度抑えることが出来たはずであった。

個別の例と総合的なスタッツを比較する手法は、主張を行う上で、全く向いていない。Googleが一部のブランドにペナルティーを与えているからと言って、あるいは、一部の大きな企業が苦戦しているからと言って、ブランドが、総じて、ビジビリティを失っているとは言い難い。

だからこそ、Interbrandのデータで補足をした。ブランディングのエキスパートが、世界で大きなブランドとして選んだ100のブランドは、総合的に見て、Google検索でビジビリティを失っていた。しかし、個々の例を見ていくと、現実が、「Googleがあらゆるケースでブランドを贔屓している」と言うセオリーと矛盾している点を裏付けられる。

マット・カッツ氏の言葉: 「ブランドに関して考えているわけではない。信頼性、オーソリティ、評判、PageRank、高い品質等を重視している」は、Googleのブランド贔屓の典型的な例である。なぜなら、ブランドとノンブランドの最大の違いは、(PageRank & 品質が高くても)消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を持っているかいないかの違いだからだ。

この点には、同意しかねる。Merriam-Webster(辞書)も同意しないはずだ。Entrepreneur.comはブランディングを、「他の製品と見分けるため、あるいは、区別するために、名前、シンボル、もしくは、デザインを作る」マーケティングの取り組みと定義していた。

フィッシュキン氏が、ブランド構築を、消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判の構築と考えていることは良く分かった。しかし、Googleは、一部の専門家の見解とは異なり、ブランドをランキングの要素とは見ていない。Googleは、良質なブランドの副産物を見ているだけであり、それが、消費者の信頼であり、オーソリティであり、そして、評判なのだ。また、Googleは、ブランドのコンセプトを持ち出すことなく、今までもこういった要素を見てきた。

ブランドのコンセプトを持ち出すと、不要に物事を複雑にしてしまい、問題にぶつかってしまう。消費者の信頼、オーソリティ、そして、評判を確立したブランドを作るだけでは、Google検索で良い結果を残すことは出来ない。事実、Interbrandがリストアップした全てのブランドが、この3つの要素を全て兼ね備えている。

Google検索をブランドが独占する時代が到来したと言うニュースを聞き、大喜びした、大きなブランドの従業員は絶対に大勢いるはずだ。SEOが滅亡し、予算を別の場所に当てることを願っている人達のことだ。この点に触れているわけではないようだが、このような考えには反対する。なぜなら、実際に予算をSEOから外してしまうと、損をしてしまうからだ。

この引用を使って、主張を裏付けようとしているが、実は逆効果だ。記事の後半で、ブランドのみに限られたことではないと指摘しているが、実際には、間違いなく、ブランド、そして、ブランディングの領域であり、ブランド構築をマーケティングの一部として実施することを私が勧める理由である。

ブランド構築に力を入れる方針を勧めることに、全く問題はない。ただし、Googleがブランドを重視しているのではなく、ブランド構築の副産物として考慮している要素を見ている点を、オーディエンスが理解していることが前提である。また、ブランド構築に多くの時間を費やし、Google検索にほとんど影響が現れない可能性がある点を理解していることも前提である。プレゼンテーションのリアクションを見る限り、この点は全く理解されていないと思う。

Interbrandの選択を妥当なリストとして利用するのは、如何なものかと思う。なぜなら、私は「大きなブランド」のみを取り上げているのではなく、ブランディングに力を入れ、ブランドの要素 — 個性、信頼、評判、オーソリティ、消費者の認識 — を手に入れたサイトを対象としているからだ。

確かにその通りだが、リストアップされたブランドは、莫大な資金を投じ、世界有数のブランドを作り出した企業ばかりである。Google検索でビジビリティを失っている事実は、「ワールドワイドなブランドに近づくと、Googleの検索システムで(直接敵、そして、間接的に)より多くのメリットを得られる」と言うフィッシュキン氏のセオリーとは相容れない。Googleでのビジビリティを失っているのは、ワールドワイドなだけでなく、規模が大きく、信頼されているブランドであり、Googleのシステムで大きなメリットを得られるはずではなかったのだろうか?

長過ぎて読まなかった方のためのまとめ

この記事では、ブライソン・ムニエ氏とランド・フィッシュキン氏が、Google検索におけるブランド贔屓について、議論を行っている。どちらも強固なブランドの構築は、SEOを含む、様々な理由で、重要だと考えている。しかし、ムニエ氏は、ブランドの構築が、Google検索のビジビリティを高めると言う主張を裏付けるデータが十分ではないと指摘している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Quantifying Brand Bias In Search Results With Rand Fishkin Of Moz」を翻訳した内容です。

大半はランド・フィッシュキンの考察ではありましたが、SEOの今後もふまえて色々と勉強になる内容でした。オーソリティを益々重視していくであろうGoogleのアルゴリズム、ブランドが結果有利になることは自然の流れというか仕方ない気もしますが、コンテンツマーケティング等を活用して自分自身でブランドを作っていくこともまだまだ可能。「結局有名ブランドには勝てない」と諦めず、チャレンジしていきたいものですね。 — SEO Japan [G+]

Amazonが大成功した4つの秘訣を徹底検証

ウェブ解析業界の重鎮の一人、ブライアン・アイゼンバーグのブログの翻訳許可を得ましたので気になった記事があれば定期的に紹介していきたいと思います。第一回目は彼があのAmazon.comの成功を独自の視点で分析した内容をとあるカンファレンスで行ったプレゼンから抜粋して紹介する記事を。アイゼンバーグの的確な分析力を垣間見つつAmazonの凄さが改めてわかる内容です。 — SEO Japan

4 Amazon pillars infographic

今週、初めてニューヨークで開催されたClickZ Liveで、光栄にもプレゼンターの大役を任せてもらえた。今回は、リクエストにお応えして、プレゼンの一部をここでシェアする。

ここ数年、私はAmazonに注目しており、同社を大きな成功に導いた幾つかの秘訣をこのイベントで紹介した。Amazonに対して、どんな印象を持っていようとも、同社は、あらゆる企業にとって、手強い敵である。ジェフ・ベゾスCEOのビジネスへのアプローチにおいて、最も尊敬すべきは、あらゆる企業と重複する力を持つ点である。簡単ではないが、単純ではある。

Amazon.comは、1995年7月に初めて本の発売を行った。2013の暮れには、744億5000万ドル相当の商品を販売する一大事業に発展していた。Amazonは、インターネットでの取り組みを始めたその他の会社と比べて、十分な知識を持った状態で、事業を始めたわけではない。先を読み、データをベースとした技術を開発し、そして、ウェブビジネスのベストプラクティスを覆すことを厭わなかったため、最大のオンライン小売りサイトに成長したのだ。現在、Amazonは、米国内(そして、その他の多数の市場)のEコマースの売り上げの30%を占めるだけでなく、B2Bのベンダー、ハードウェアの開発者、そして、パブリッシャーとしても成功している。

Amazonは、10年先を進んでおり、Walmart等のデータを大事にする企業をリードしている。Amazon.comは、ジェフ・ベゾス氏のビジョン、そして、4本の成功の柱を足場としている:

  1. 顧客中心主義
  2. 継続的な最適化
  3. イノベーション文化
  4. ビジネスアジリティ

「最も重要な点は、顧客に執拗に焦点を絞る方針である。地球で最も顧客を中心とした会社になることが、Amazonの目標だ」– ジェフ・ベゾス、Amazon.comの創設者 & CEO

Amazonの顧客中心主義

ベゾス氏が、1994年にAmazon.comを立ち上げる決断を下した時、同氏は、プログラムを用いて、顧客の詳細を把握し、ユーザー体験をパーソナライズすることが出来る点こそが、インターネット固有の利点だと悟った。ベソズCEOは、あらゆる情報のやり取りから、顧客の個人の固有の識別子(eメールアドレス)に関連するデータを活用することが出来ると確信したのであった。Amazonは、あらゆる売上げ、クリック、レビュー、そして、マウスの動きから、情報を得ることが出来た。このレベルのデータは、Walmart等の店舗型の会社が持つ顧客のデータよりも、遥かに重要であった。Amazonは、「本を売るのではなく、本を顧客が購入する手伝いをする」事業を始めたのだ。このアプローチを基に、Amazonは、忠誠心の高い顧客を獲得していった。Amazonは、優れたサービスに固執し、CEOを含む社員全員が、2年ごとに少なくとも2日間は、カスタマーサービスの最前線に身を置く。これは、顧客中心主義を体現する取り組みの一部に過ぎない。

計画、計測、学習、そして、適応

Amazonは、ビジネスのあらゆる局面を、継続的に最適化している。と言っても、ボタンの変更や買い方の流れをA/Bテストで最適化する従来のマーケティングのアプローチではなく、業務、マーケティング、財務等の改善に力を入れている。全ての業務を最適化する方針を正しく理解するため、Slideshareの「Amazon.com: The Hidden Empire」(Amazon.com: 隠れた帝国)に目を通すことを薦める。

2004年、Amazon.comが、常に200点を超えるマーケティング最適化テストを実施していることを私達は掴んでいた。 現在でも、大半の企業は、平均で1ヶ月に2-5点のテストを行う程度である。つまり、Amazonがテストの規模を変えずに、月に200点のテストを行うペースを継続し、その一方で、競合者が、月に10点のテストしか行なわない状態で時が過ぎたとすると、Amazonは、競合者よりも、遥かに多くのことを学習し、最適化してきたことになる。Amazon.comは、最適化が手法やプロジェクトではなく、事業の経営に摺り込まれた、競争を戦略的にリードする取り組みである点を理解している。そして、最終的な責任はCEOが持つ

他社の収益よりも多額の資金をイノベーションに投資

昨年、Amazonは、研究開発(R& D)の予算に、65億円を投入していた。Amazonは、以前から、優れた社内のテクノロジーを構築し、ビジネスを強化するため、莫大な資金を投入して、例えば、フルフィルメント業務を改善するKivaのロボットから、3D印刷のマーケットに至るまで、ストートアップのテクノロジーを手に入れてきた。Amazonはイノベーションに夢中だ。IterateStudio(小売業者およびブランドの外部委託型R&Dラボ)が作成したこのインフォグラフィックを見れば、Amazonによる壮大なイノベーションの取り組みが分かる。

アジリティが鍵を握る時代の会社経営

Amazonは、基本的な価値の一つとして、アクションを優先する。

「スピードは、ビジネスの世界では、重要です。多くの決定、そして、行動は、表裏一体であり、詳細な調査を行う必要はありません。Amazonは、リスクを承知で行動を起こす姿勢を高く評価しています」

Amazonは、実行を意識して、組織を構築している。同社は、(ピザが2枚あれば、メンバーの腹を満たすことが出来るAppleと同じように)小さな、複数の機能を持つチームを抱えている。Amazonのチームは、他のチームから情報を集めることなく、自分達だけで、徹底して行動を起こすことが出来る。Amazonは、グループの目標、そして、社員全員がリアルタイムでパフォーマンスのデータを見ることが可能な手段を明確に伝えている。つまり、有名人が他界する、または、連邦航空局が離着陸時の電子機器の利用を認める等のイベントが発生すると、その数分後には行動を起こし、数時間後にはサイトに反映させることが出来るのだ。大半の会社は、肥大化し、2時間後に会議を行うこともままならない。一方、Amazonは、事業のパーツを完全に組み換え、ほぼリアルタイムで反応する方針を掲げている。

状況は一刻一刻と変化しており、どのように変化するのか、そもそも、本当に変化するのかどうかを見極めようとして、待つばかりでは、置き去りにされてしまう。小売業界の未来は、明白である。大半の企業は、接戦を繰り広げるどころか、追いつくことも出来ないだろう。努力して、Amazonの成功を支える4つの柱に順応するのか、あるいは、Amazonに破壊される日を待つのか…選択肢は限られている。

P.S. Amazon.comに対抗することが可能な方法を私はたくさん知っている。リクエストが多ければ、次回のコラムでその幾つかを披露する。


この記事は、Bryan Eisenbergに掲載された「Amazon’s Performance Secrets」を翻訳した内容です。

顧客中心主義、PDCA、イノベーション投資、アジリティ経営、、、どれも納得の内容です。しかし20年前からインターネットの利点をプログラムを用いて、顧客データ把握と分析によるパーソナライズとユーザー体験最適化と見据えていた点が、ビッグデータが騒がれている今日のインターネットを見ても、流石ジェフ・ベゾスという感じですね。さらに10年前から常時200以上のテストを走らせていたという文化、、、2004年といえば私がLPOサービスを思いついた年ですからね(それでも日本では相当早かったと思いますが)。そして何よりも最後のチーム体制には驚愕するばかり。Amazonの成功から何か学んで自社、自社サービスの成功につなげたい私でした。 — SEO Japan [G+]

クライアントサイトへのSEO導入講座 – 入門編

従来の有料リンク型SEOビジネスが崩壊し、SEO事業そのものから撤退する企業も増えている日本のウェブ業界ですが、同時にSEO自体のニーズは増えており、SEO会社はより総合的なSEOサービスの提供を求められ、またこれまで以上にSEOを依頼されるウェブ制作会社も多いのではないでしょうか?そんなサービス側企業のために、SEOの正しい導入法を説明した記事をSEO Bookか。SEO Japanの読者には参考になる情報かもしれません? — SEO Japan

クライアントのサイトを最適化する取り組みに慣れていない方のために、あるいは、復習したい方のために、この取り組みのガイドラインを作成することにした。各トピックの最後に、参考になる詳細な記事を紹介する。

SEOのエキスパートによって、アプローチは異なるものの、大半のクライアントのプロジェクトにおいて、共通する領域を挙げていく。

ルールがない

私が知っているSEOの最高のルールは、SEOには「絶対的なルール」がほとんど存在しないと言う原則だ。Googleは、ブラックボックスであり、完璧なデータを得ることは不可能である。そのため、原因と結果を特定することは難しく、多くの実験と推測が必要になる。うまくいったら、継続する。うまくいかなかったら、中止する。

チャンスは、「ルール」に網羅されていない経緯で姿を現すことが多い。多くの機会は、クライアント、そして、マーケットの分野によって異なるため、柔軟性を維持し、新しい関係やネットワーキングの機会に気を配ると良いだろう。SEOは、サイトとサイトの間にある関係(リンク)、そして、コンテンツを取り上げてもらう力(ネットワーキング)に左右される。

クライアントのサイトのSEOに取り掛かる際は、既にある程度の地位を築いたサイトに対応することになるため、古い問題を抱えている可能性が高い。また、自分のサイトとは異なり、サイトを完全にコントロールすることは出来ない難しさにも直面する。何らかのアイデアを実行に移す前に、アイデアのメリットを納得してもらう必要がある。受け入れてくれる人もいれば、立場をハッキリさせない人もいれば、拒否する人もいるだろう。より確実なデータ、そして、より信頼できるビジネス上の根拠を提供すれば、納得してもらえる確率は高くなる。

クライアントのサイトにSEOを実施する際に最も重要なことは、秘術やコードで目をくらませるのではなく、SEOが、正真正銘の事業における価値をもたす仕組みを分かってもらう姿勢である。

1. 戦略

クライアントのサイトを最適化する取り組みの第一ステップは、ハイレベルな戦略を構築することだ。

「古きを温めて新しきを知る」 – 孔子

まずは、調査に専念しよう。クライアントの事業、そして、マーケットの現在の位置に関して、学べるものは何でも学ぼう。過去の業績、現状、そして、今後の目標を知ることが重要だ。クライアントをインタビューしよう。クライアントの方が、ビジネスのことを良く理解している。また、深い関心を示せば、きっと喜んでもらえるはずだ。

  • 何を得意としているのか?
  • どの製品、または、サービスが一番売れているのか?
  • どのような製品やサービスを用意しているのか?
  • 競合者と比較して、苦手としている領域はあるのか?
  • どの会社がライバルに該当するのか?
  • どの会社と提携を組んでいるのか?
  • マーケットの部門は変化しているか?変化しているなら、どのように変わりつつあるのか?この変化をチャンスに変える方法を考案することは可能か?
  • 過去、パフォーマンスが良かったのは、そして、良くなかったのは、どのキーワードの分野か?
  • 何を求めているのか?トラフィックを増やそうとしているのか?コンバージョンを増やしたいのか?接触範囲を広げたいのか?何をもって成功とするのか?
  • 他の広告キャンペーンを利用しているのか?利用しているなら、どの領域をターゲットにしているのか?SEOと組み合わせることは可能か?
  • インターネット以外に進出しているか?広告キャンペーンを行っているのか?当該のキャンペーンはどの領域をターゲットにしているのか?SEOと組み合わせることは可能か?

一部のSEOコンサルタントは、出来るだけ多くのキーワードでサイトのランキングを上げることを仕事と考えている。「より多くのキーワードで上位にランクインする」、もしくは、「より多くのトラフィックを獲得する」は、事業、および、マーケティングの目標に左右されるため、計測可能なビジネスの利益にはつながらない可能性がある。既にターゲットにしている具体的な機会に力を入れることで、利益を得られる企業もあれば、より広い範囲への接触を求める企業もある。事業の目標とマーケットの分野を理解した上で、この目標と環境に応じたSEOキャンペーンを策定することが重要なのは、このためだ。

この類の分析は、特定のランキングや競合者のランキングについて話し合う際に、力を発揮する。SEOは、魔法の杖のような存在であり、力を入れていない領域でもクライアントのサイトを1位に引き上げることが出来る、などと期待させるべきではない。たとえSEOによって、このような軌跡が起きたとしても、ビジターはその他のリスティングをクリックして、オファーを比較することが出来てしまうため、クライアントに、大きな利益とは見なしてもらえない可能性がある。

クライアントの市場の分野を出来るだけ理解してもらいたい。クライアントや競合者がまだ満たしていない、変わりつつある要望等、チャンスのある領域を探し出すのだ。顧客の立場で考える必要がある。顧客を探し、質問に答えてもらおう。顧客がインターネットで姿を現す場所にアクセスすると良いだろう。 顧客が用いる言葉とニーズを、インタビューで集めた知識と組み合わせれば、効果的なキーワードとトピックを特定することが出来るはずだ。

文書にまとめよう。書き留めておく必要がある。戦略は、時間の経過とともに変わるが、サイトの現状、そして、目指す位置を描く基本的な合意点を維持するためだ。 事業の目標と一致させ、そして、目標を達成して、採用した戦略が、正真正銘の計測可能な価値を与えることを裏付けてもらいたい。これが、クライアントによるSEO業者の良し悪しの判断基準となり、今後のSEOサービスを維持するか、そして、拡大するかを決める目安となる。

参考になる記事:

- デジタル時代のマーケティング戦略を支える4つの原則
- 5ステップで楽に製品のポジショニングを行う方法[pdf]
- テクノロジーマーケッターよ、マーケティング戦略を文書に残せ

2. サイト監査

一部のサイトは、乱雑で、技術的な問題を持ち、キーワードのチャンスを逸している。
既にあるもの、そして、ないものを数量化する必要がある。

  • Xenu Link SleuthScreaming Frog等のサイトクローラーツールを用いて、URLのリスト、タイトルの情報、リンクの情報、そして、その他のデータを得る。
  • リンク切れを全てリストアップする。
  • 迷子のページをリストアップする。
  • タイトルのないページをリストアップする。
  • 重複するタイトルを持つページをリストアップする。
  • キーワードの組み合わせが弱いページをリストアップする。
  • robots.txtをチェックする。robots.txtファイルを使うと、驚くほど簡単にクロールを拒否することが出来る。

リンク切れは、低品質のシグナルである。Googleにとって低品質かどうかは議論の余地があるが、少なくとも、ユーザーには質が低いと見なされる。リンク切れを定期的にチェックするシステムが存在しないなら、すぐに用意するべきである。迷子のページとは、一つもリンクが向けられていないページを指す。このようなページは、重複しているページの可能性があり、その場合は、削除するべきである。または、リンクを向けて、クロールしてもらい、上位にランクインする可能性を高くする必要がある。ページのタイトルは、それぞれ異なるものを使い、キーワードの用語と一致させ、クリックしてもらうために、魅力的なタイトルを作る必要がある。顧客のニーズに語り掛けるリンクは、魅力的に映る。robots.txtを慎重にチェックして、クロールしてもらう必要がある領域がブロックされていないことを確認しよう。

初期のサイト監査の一環として、Googleのウェブマスターに登録して、問題の存在を確認したり、競合者分析ツールで過去のパフォーマンスをチェックして、トラフィックが激減した時期があるかどうか確かめると良いだろう。ランキング、および、トラフィックが急激に落ちた時期があるなら、ウェブ分析ツールで、時期を特定し、激減した際のデータを分離して、この時期に関連する可能性があるペナルティーを確認してもらいたい。

参考になる記事:

- 被リンク、壊れたページ、破損した画像はSEOの足を引っ張る
- 被リンクを直し、不要なビジターの喪失を阻止する3つの簡単な方法
- Screaming Frogの55通りの利用方法
- Robots.txt入門

3. 競合者分析

この取り組みをサイト監査の一環として行うケースもあるが、競合するサイトの技術的な問題ではなく、どのようにマーケットで位置づけているのか、そして、どのような方法で行っているのかを重視するため、ここでは別々に取り扱う。サイト監査では、通常、技術面での分析が行われる。

この取り組みを行う際に便利な、様々なツールが存在する。私はSpyFuを利用している。このツールのレポートツールの特に有効な機能は、Adwordsのポジションの価値に対して、SEOのポジションの価値を推測する機能だ。すると、ランクを収益で表し、SEOサービスの料金を支払う意味がある点を証明することが可能になる。

このような競合者分析を実施すると、競合するサイトで、どんなコンテンツが良い成績を挙げているのか、どんなコンテンツが勢いを得ているのか分かる。良いパフォーマンスを見せている競合者のコンテンツをリストアップしよう。続いて、リンクが送られている場所を調べ、リストにまとめてもらいたい。その後、競合者の成功を手っ取り早く真似し、拡大していくのだ。

ランキングにおいて競合する「競合者」が、パートナーになり得るケースもある。クライアントと業界が異なるものの、重なる領域で、上位にランク付けされている可能性もある。リンクを得る相手として、仕入れ先として、広告の掲載先として、あるいは、コンテンツを掲載するサイトとして、向いているかもしれない。同分野で上位にランク付けされているものの、直接的な競合者ではないサイトを記録しておこう。

Adwordsのキーワードの価格でランクの価値を推測するツールを使うと、競合者のポジションの価値を推測することが可能になる。クライアントのサイトが、競合者よりも低くランク付けされている場合、ランクを上げるために投じる時間と労力の推定される利益の価値を明らかにすることが出来る。また、改善のスピードを比較して、競合の基準として用いることも可能である。競合者と同じ取り組みを行わなければ、追いつくことは出来ない。SEOに継続的に力を入れ、目に見える成果を得ているなら、同じ取り組みを行う必要があることを示す証拠になる。

参考になる記事:

- 競合者分析 [pdf]
- イラストで説明 – SEO競合者分析の流れ
- 競合者分析: 4つのステップでSEOヒーローになる方法

4. サイトの構造

きちんと整理されたサイトは、ユーザビリティの面でも、そして、SEOの面でも有益である。次にどこに行くべきかが、ユーザーにとって明白なら、エンゲージメント(参加)のスコアに加点される。クライアントが、ユーザビリティのコンサルタントを採用しているなら、協力してもらえる確率が高い。

テーマを中心にサイトを編成すると良いだろう。Googleは、異種混合のページよりも、同様のトピックでまとめられたページを好むことは、各種のケーススタディによって証明されている(以下の動画の1分25秒から視聴しよう)。

  • エラーの処理後のクロールを基に、スプレッドシートを作る。
  • 売り上げが最も多い製品、そして、サービスを特定する。この製品とサービスは、最も目立つ位置に置き、サイトの階層の最も高い場所に配置するべきである。あまり売れていないアイテムやカテゴリー、そして、戦略的に重要ではないアイテムは、低い階層に置く。
  • 分析により、既に多数のトラフィックを獲得しているページは、階層の高い位置に移して、目に触れる機会を増やす必要がある。
  • 季節限定の製品は、買い物のシーズンの前に、注目してもらう必要があり、シーズンが過ぎたら、重要度は低くなる。
  • 出来るだけ、ページを同様のトピックにまとめよう。例: acme.com/blue-widgets/、acme.com/green-widgets/等。
  • 被リンク分析を行い、サイト内部のアンカーテキストが、タイトルとページのコンテンツと一致していることを確認する。

全てのページをスプレッドシートにリストアップしておくと、ページをテーマ別でまとめる上で有効である。同様のコンテンツのディレクトリにまとめることが出来るなら、それに越したことはない。戦略文書を使って、どのページを改善すればいいのか、どのページを追放すればいいのか特定すると良い。内部のページランクスカルプティング — つまり、ページランクを一部のページに流し、その他のリンクにはnofollowを使って、リンクジュースを他のページに転送させない手法に力を入れている人達がいる。Googleは、このアプローチを軽視しているが、重要度の低いページをサイトの構造の低い位置に置きつつ、重要な製品やカテゴリーにサイトワイドでリンクを張り、リンクの価値を流すことは可能だ。収益につながるページを優先し、重要ではないページは左遷しても構わない。

モバイルも重要だ。コンテンツがモバイルデバイスで動かないなら、検索結果でトップにランク付けされても、あまり意味はない。

参考になる記事:

- サイトのアーキテクチャ & 検索エンジンを成功に導く要素
- SEOを考慮したウェブサイトアーキテクチャの最適化(スライドによるプレゼン資料)
- SEOガイド: インフォメーションアーキテクチャ

5. クロール & リダイレクトを有効にする

サイトが十分にクロールされていることを確認してもらいたい。全てのURLが、Googleのインデックスに含まれている点を確認するため、ウェブマスターツール/その他のインデックスレポートツールにサインアップすると良い。

  • サイトマップを登録する
  • 既存のrobots.txtをチェックする。スクリプトリポジトリやその他のドメイン関連のディレクトリ等、重要ではない領域から、robotsを締め出すべきだ。
  • ページを移動する必要があるなら、あるいは、存在しないページへのリンクを持っているなら、ページリダイレクトを使って、整理しておこう。
  • 404エラーが表示されたページをリストアップする。404ページに有益なナビゲーションを用意し、ビジターが「戻る」をクリックしない環境を作る必要がある。

301を使ってページをリダイレクトするメソッドは受け入られている。301は、ページが永遠に場所を移動したことを検索エンジンに伝える。ドメインを変えた際、あるいは、サイトの別のバージョンに向かうリンクを持っている際も、リダイレクトは重宝する。例えば、Googleは、http://www.acme.comhttp://acme.comを別のサイトと見なすため、どちらかのサイトを選び、リダイレクトすることが可能だ。

以下に、301の仕組みを説明する動画を掲載する:

ページのリダイレクトを怠ると、ページに割り当てたリンクジュースをフル活用することが出来なくなる。

参考になる記事:

- サイトマップとは
- 最強ガイド: 301リダイレクト
- クロール & インデックスの基準

6. 被リンク分析

被リンクは、今でもメジャーなランキングの要素である。サイトに向けられている質の高いリンクの数が多ければ多いほど、検索結果で上位にランク付けしてもらえる。しかし、最近では、リンクはサイトにダメージを与えることもある。しかし、全体的なリンクのプロフィールが強い場合、質の低いリンクが幾つかあっても、問題をもたらす可能性は低い。そこで役に立つのが、マット・カッツテストだ。リンクの大半をマット・カッツ氏に見せることは出来るかどうか、考えてみよう。出来ないなら、ペナルティーに関して、リスクの高い戦略を採用していると言えるだろう。自分でサイトを管理しているなら、対応することが出来るものの、クライアントのサイトの場合、対応が難しい。クライアントが、積極的なSEOがもたらすリスクに気づいていない場合は、尚更だ。

  • 既存の被リンクのリストを作る。質が低く見えるリンクを見つけたら、削除を検討する。
  • 全てのリンクが、適切なページに向かっていることを確認する。
  • 主な競合者がリンクを獲得しているサイトをリストアップする。
  • リンクを獲得したいサイトをリストアップする。

リンクの獲得には、直接リンクを掲載するか、もしくは、リンクに値するサイトを作る必要がある。業界のディレクトリ等、一部のサイトでは、料金を支払って、掲載してもらうことが可能だ。リンクを張るターゲットとして、魅力的なサイトにする手もある。

どこから見ても利益目的のサイトにリンクを導くのは、なかなか難しい。事業に関連する慈善事業への出資を検討すると良い。地元の商工会議所からリンクを獲得することも出来る。関連する研究を行う教育機関と関係を構築し、出資する、もしくは、何らかの形で参加することも可能だ。

競合者にリンクを向けているサイトを確認しよう。当該のリンクを、競合者は、どのように手に入れたのだろうか?同じ方法を採用しよう。ホワイトペーパーを利用してリンクを獲得していたなら、同じようにホワイトペーパーを利用する。ニュースがリンクの獲得につながっていたなら、クライアントのサイトでもニュースを利用する。競合者にリンクを与えたと思われる方法を実施するべきだ。その後、結果を評価し、結果に応じて、取り組みを強化/減少させると良いだろう。

また、競合者がリンクを得ていないサイトからもリンクを獲得する必要がある。そこで、求められるリンクのリストを作成しよう。次に、リンクを獲得するための戦略を考案する必要がある。コンテンツの提供、議論への参加、業界ニュースの提供、 インタビュー、あるいは、特集の作成が、リンクをもたらす可能性がある。「何が必要なのか」尋ね、必要なものを与えよう。

当然だが、リンク構築は継続的な取り組みである。サイトが大きくなると、自然にリンクは集まってくる。それ自体が、リンク獲得戦略である。競合者を、重要度、そして、消費者の関心の面で、上回る必要がある。その上で鍵を握るのが、コンテンツ戦略である。業界がリンクを張りたくなるようなコンテンツを用意しているだろうか?持っていないなら、作成しよう。業界がリンクを張りたくなるようなサイトではないなら、利益の追求ではなく、情報に特化したサイトを開設する方法もある。Signal Vs NoiseやBasecampsブログ等、一般的な業界のトピックについて、従業員が記事を投稿するブログを用意している会社もある。このタイプのブログは、完全に利益を追求しているサイトよりも、リンクを得られる可能性が高い。

リンクを追う前に、まずは、どのようなサイトがリンクを受けているのかを把握し、自分のサイトをそのカテゴリーにフィットさせるよう心掛けるべきである。

参考になる記事:

- Link Guruのデブラ・マスタラーに訊く
- 拡大可能なリンク構築の手法
- クリエイティブなリンク構築のアイデア集

7 コンテンツの評価

キーワードのリスト、競合者のランキング、そして、収益の面で特に有益なワードを特定したら、コンテンツを精査し、作り上げる作業に移る。

キーワードの用語を網羅するコンテンツを用意しているだろうか?用意していないなら、作成する必要のあるコンテンツのリストに加えておこう。用語にマッチするコンテンツを持っているなら、同じトピックのクライアントのコンテンツと比べて遜色ないかどうかを確認してもらいたい。 ページを拡大する、もしくは、より詳しい内容にすることは出来るか?サイト内部でより多く/より質の高いリンクを加えることは可能か?動画、オーディオ、画像等、異なるタイプのコンテンツを融合すると、プラスに働くか?

見過ごしているキーワードの領域に対して、コンテンツを作成する必要がある。既に提供されているコンテンツをコピーするのではなく、当該の用語で、最もランキングが高い/最も有益なコンテンツを確認し、どうすればもっと良くすることが出来るのか考えてみよう。組み込む、または、発展させることが可能な最新の業界分析、または、レポートはあるか?新しい情報は人気がある。知らないことを学びたい欲求を人間は持っているためだ。「私も」的なコンテンツも有効ではあるが、チャンスを最大限に活かしているとは言い難い。リンクを獲得する確率が高くなるため、そして、エンゲージメントのレベルが高まるため、既に存在するコンテンツよりも有益なコンテンツを作ってもらいたい。ビジターは、同じ情報を別の場所で得られるなら、躊躇なく移動するはずだ。

キーワードの共起について考えてみよう。狙っているキーワードに対して、容易に関連付けることが出来る用語を探すべきだ。この分析の役に立つ様々なツールが開発されているが、Adwordsのリサーチツールを使えば、自力で探すことが可能である。キーワードに関連するキーワードを確認すると良いだろう。Googleの共起アルゴリズムは、Adwordsと自然検索の双方に対して、同じ動きをする可能性が高い。

また、ビジターがページをどのように利用するのか考えてもらいたい。ページの内容は、容易に判断できるだろうか?ユーザーが次に取るべき行動は、明らかだろうか?ぎっしり詰まったテキスト、そして、気を散らす広告は、サイトの利用の弊害となるため、ユーザビリティが一定の基準を満たしていることを確認しよう。読みやすいサイズのテキストを使い、平均的なビジターが、目を細めなくても読める環境を作るべきである。見出しと段落を使って、分割すると良い。インターネットのユーザーは、正しい情報を見つけたことを確認するため、文章を飛ばし読みする傾向がある。この記事が作成されたのは、10年以上前だが、今でもこの記事の指摘は的を射ている。

参考になる記事:

- コンテンツマーケティング VS SEO
- Google アナリティクスを使ってコンテンツを分析する方法
- コンテンツベースのSEO戦略は失敗する

8. 外部のサイトにリンクを張る

外部にリンクを張っていないサイトは、不自然に映る。Googleのスパム対策を統括するマット・カッツ氏は、以前、次のように指摘していた:

言うまでもなく、Googleは採点方法を調整するタイミングを明かしたりはしない。PageRankを蓄積しているドメインを見つけ出すのは簡単だ。これも、スコアの要素の一つである。ハブ系のスコアを最小限に抑えつつ、オーソリティ系のスコアを高めるために全力を尽くしているなら、その他大勢のサイトとは、一線を画すことになる点を、覚えておいてもらいたい。

  • アウトバウンドリンクを全てリストアップする。
  • アウトバウンドリンクが、補足するかどうか、つまり、同様のトピック/テーマを取り上げているか、または、事業に関連しているかどうかを特定する。
  • 外部サイトにリンクを張っていないページをリストアップする。

外部へのリンクは、品質のシグナルであり、優れたPRの取り組みでもある。ウェブマスターは、被リンクに注目し、どのように言われているのか気になるため、リンクを辿って、サイトを訪問する。クライアントのサイトが比較的新しいなら、これは関係を構築する手法として、有効である。他の会社、そして、人物を高く評価すれば、多くのウェブマスターは、見返りを与えてくれる。

良いリンクは、人間関係を構築する最高の手段となる。

また、サイトのビジターの役にも立つ。やがて、ビジターはサイトを去るため、優れた信頼できるサイトに導くことで、評価アップを勝ち取ろう。ライバルにリンクを張ることが嫌なら、業界のブログ、ニュースサイト等の情報源、もしくは、関係を構築したいサイトにリンクを張るアプローチを検討してもらいたい。競合しない分野の取引先や緊密に関連する会社にリンクを張る手もある。信頼できるサイトもターゲットに挙げておこう。価値の低いサイト、もしくは、リンクスキームの一翼を担うサイトにリンクを向ける行為は慎むべきだ。リンクスキームに加担しているサイトを特定するのは容易ではないが、通常は、リンク交換スキームが用意されているか、ビジターが読む可能性の低い明白な有料リンクが掲載されている。リンクを交換するスキームは避けてもらいたい。リンクネットワークの一員と見られるだけでなく、そもそも、時代遅れである。

参考になる記事:

- 外部のサイトにリンクを張る5つの理由
- リンクと関係のドミノ効果
- リンク構築 101: 過去の関係を利用する

9. 継続する

SEOは、一度実施したら、放置するような取り組みではない。

クライアントに、一度最適化キャンペーンを行えば、効果が永遠に続くなどと期待させるべきではない。虫の良い話に聞こえるかもしれないが、真実である。検索は変化を続け、また、競合者とマーケットは変動するため、SEOを継続的に実施する必要がある。たった1つのマーケティングキャンペーンで事が足りると考えている企業は、滅多にない。 SEO業者にとって大変なのは、あらゆるマーケッターにも共通することだが、継続的な投資が、見返りをもたらす点を証明することだ。

  • 競合者の監視、つまり、競合者のランキングの変動、新たなライバル、戦略の変更をチェックする。効果のある取り組みを特定し、真似する。
  • 分野の監視 – Google トレンド、キーワードのトレンド、フォーラム、ニュースリリースをチェックする。すると、新たなキャンペーンの観点に対するアイデアが生まれる。
  • レポート – クライアントが、料金を払って得た成果を確認することが可能な環境を作る必要がある。
  • 情報の入手 – クライアントは、サイトに変更を加え、新たなマーケッターを採用する。そのため、今後もSEOのアドバイスを必要とする。

クライアントのサイトに対するSEOを語ると、本が1冊出来上がってしまう。実際に、執筆されている。今回は、表面的な部分を取り上げただけだが、有難いことに、各トピックの領域への対処に関する素晴らしい情報が、豊富にインターネット上に溢れている。

人助けをしたいなら、クライアントのサイトのSEOにこれから着手する人達に送るアドバイスをコメント欄で発表してもらいたい。「こんなアドバイスを送って欲しかった!」と言うアドバイスをどしどし送ってあげよう。


この記事は、SEO Bookに掲載された「Guide to Optimizing Client Site 2014」を翻訳した内容です。

追加の参考記事が全て英語なのは仕方ありませんが、SEOを本格的にウェブマーケティングに活用するための導入方法がステップ・バイ・ステップで解説された素晴らしい記事だったと思います。どちらかというと特定キーワードでの順位向上のみに焦点が当てられてきた日本のSEOですが、既存のSEO会社はもちろんウェブマーケティング会社や制作会社がこういったサービスを提供していけるようになれば、日本のSEOのレベルが何段も上がっていきそうですね。 — SEO Japan [G+]

【リサーチ】消費税増税後のサラリーマン・OLのランチ事情を調査

近頃のサラリーマンの昼食代が30年前とほぼ同水準に戻ったといわれていますが、本当のところはどうなのでしょうか?弊社がリサーチをお手伝いさせて頂いた「サラリーマン・OLのランチ事情」についてご紹介します。– SEO Japan

仕事がある日、サラリーマン・OLはランチに何を食べる?
全体のランチ第1位は「コンビニ・スーパー・お弁当屋などで購入」(50.5%)でしたが、男女別に比較すると、男性のランチ第1位は「外食」(49.0%)、女性のランチ第1位は「持参弁当」(64.0%)となりました。圧倒的な女性の持参弁当率に比べると、男性の持参弁当率は29.0%と低く、男性は「外食」を選ぶことが多いようです。

外食ランチ1回分の平均予算は?
一方、男性より外食率の低い女性が外食ランチにかける予算は、男性より約100円高い「876円」という結果に。男性よりも持参弁当率が高い女性にとって、「外食=プチ贅沢」という特別感があるようです。

より詳細な調査結果は【Harmoney.jp】「働く女性はプラス100円でランチにプチ贅沢を求める傾向!?教えて!サラリーマン・OLのランチ事情」のページをご覧ください。

サラリーマン・OLのランチ事情として、消費税増税に打撃を受けながらも、お弁当を持参したりコンビニなどでお弁当を購入したりして、時には節約しながら、外食ランチには800円前後のお金をかけるなど、うまくバランスをとって工夫しているようです。 — SEO Japan [G+]

アイトラッキング調査で判明した8つの原則

アイトラッキング調査といえば、画面上のユーザー目線を追うことで、普段気付かないウェブデザインの問題やユーザビリティ上の課題を見つけ出そうという試み。サイトのコンバージョン率改善には確実に役に立つであろう手段ですが、準備の大変さや費用も重なり、中々実現できている企業は少ないと思います。今回、既に公開されている様々なアイトラッキング調査を調査し、そこから学べる要素を引き出した記事を紹介します。ある種、鉄板といえるルールに集約されていますが、筆者は有名デジタルマーケッターでありヒートマップツールで有名なCrazyEggの創業者ニール・パテルだけに、分析内容含め学べる点は多そう。 — SEO Japan

eye tracking

データに関しては、多ければ多いほど良い。データの解析、テストの実施、数値の考察、トレンドの分析 — 素晴らしい事業、そして、優れたウェブサイトを作り出す上で、データは土台となる。

消費者の行動に対する調査において、興味深い分野が一つある。それは、アイトラッキング(視標追跡)だ。アイトラッキングから得られる情報は、ウェブデザイン、コンテンツの作成、コンバージョンの最適化、そして、オンラインマーケティングをレベルアップさせる力を持つ。

そこで、アイトラッキングテストの収益に関わる結果をまとめ、それぞれの事業に当てはめて考えられるように、これから提供していく。

その前に、アイトラッキングとは何かを説明させてもらいたい。アイトラッキングとは、基本的に、ビジターが、ウェブページのどの場所を、どれぐらいの時間見ているのかを計測する技術である。アイトラッキングのデータは、上の画像のように、被験者が見ている画面上に覆うように、視覚的に表示される。

アイトラッキングでは、ビジターが、最初に見た場所、2番目に見た場所、3番目に見た場所…を把握することが可能だ。ユーザーが画面のどの部分に特に強い関心を示しているのか、そして、特定の領域をどれぐらいの時間見ていたのかが分かる。

あらゆる効果的なリサーチに境遇することだが、アイトラッキングの調査を行うには、それなりのコストがかかる。最も安価なアイトラッキングデバイスでも、5000ドルはくだらないだろう。手頃な価格とは程遠い。しかし、私は、公開されているアイトラッキングの調査を分析することで、オンラインビジネスに役に立つ8つの原則を見出すことに成功した。

原則 #1: 最も有益なコンテンツを上半分に掲載する

やはり、上半分のコンテンツは、多くの注目を集める。そのため、最も重要なコンテンツをこの場所に用意するべきである。

eye tracking fold

ただし、上半分が最も重要な場所であったとしても、残りの場所を無視していいわけではない。上半分に何もかも詰め込むと、ウェブサイトの使いやすさを台無しにしてしまう。まさに、本末転倒である。

8秒以内にビジターの注目を掴み取る必要があるため、魅力的な情報をウェブページの上半分に掲載しよう。ただし、その際は、コールトゥアクションを詰め込んで、散らかしてしまわないように注意してもらいたい。

魅力的なメッセージとコピーを作る努力をするべきだ。それが、さらにコンテンツを読み、製品を購入する意欲を促す。

NeilPatel.comの新しいデザインにA/Bテストを実施したところ、上半分に掲載したコールトゥアクションが、コンバージョン率を21%減少させていた点に気づいた。

原則 #2: コールトゥアクションをページの一番下に掲載する

確かに、ページの上部は、ビジターに最も見てもらえる。しかし、次に多くの注目を集めるのが、ページの一番下の部分である。ビジターは、画面をスクロールする。その際は、ページの一番下に向い、そこで、スクロールを終える。この場所にコールトゥアクションを表示するべきだ。

私は複数の場所にコールトゥアクションを用意している。皆さんにも、このアプローチを是非利用してもらいたい。

eye tracking crazy egg

Crazy Eggのヒートマップを見ると、Quick Sproutのメンバーシップページの下の方に掲載されたコールトゥアクションが、クリックの大半を獲得していることが分かる。事実、メンバーシップページの中間に配置したコールトゥアクションボタンよりも、39%も多い。

原則 #3: ビジターは大きな、太字のヘッドラインを読む

ヘッドラインが大きければ大きいほど、そして、目立てば目立つほど、読んでもらえる確率は高くなる。有名なF字パターンの調査を含む、様々な調査によって、ヘッドラインの大きさの重要性が証明されている。

eye tracking f pattern

このトピックを追求したThe Poynter Instituteによる重大な調査では、「圧倒的なヘッドラインは、ページを訪れた際に最初に見てもらえることが多い」と結論づけられていた。

ヘッドラインの重要性ヘッドラインの作り方に関しては、既に説明した。ただし、読みやすさに加えて、目立つデザインの要素をヘッドラインにもたらす必要がある — 大きく、そして、ボールド体で綴ると良いだろう。

私は時々ヘッドラインに視覚的な飾りを用いる:

eye tracking headline

しかし、ほとんどの場合、大きな活字書体を用いる:

quicksprout eye tracking headline

原則 #4: 情報を塊に分ける

「コンテンツを短い段落に分けて、見出しを用意し、箇条書きを使い、そして、番号付きリストを利用するべし」と言う鉄則を聞いたことがあるのではないだろうか。

この鉄則には、直感が関係している。単純に、ビジターは巨大なテキストの塊を消化することが出来ないのだ。

下のアイトラッキングのヒートマップは、ページ上の注視時間を表しており、情報を消化可能なサイズの塊で提供する必要性を指摘している。

明らかに、ビジターは塊を見る。このページは、必ずしも、レイアウトの良い見本とは言えないが、強力な視覚的要素を持つ見出し — 中央への配置、目立つ色、考え抜いた空間の構造 — をビジターが見る、と言う考えを実証している。

原則 #5: 多くの余白を設ける

余白(ネガティブスペース)は、ウェブデザインにおける重要な要素の一つである。アイトラッキングの調査が、この点を実証している:

eye tracking whitespace

上の例では、余白を持つ開放的なレイアウトが、スムーズに注視を導き、データを効率良く吸収させてていることが分かる。

余白は、スペースの無駄遣いに見えるため、何か配置したくなる気持ちは分かる。しかし、ページの残りの動きを促す効果があるため、実は貴重な存在である。人間の目は、ページの様々要素から、「休む」場所を求める。また、次に向かう場所を把握する必要もある。

そこで余白が役に立つ。

原則 #6: ページの左側は重要

このアイトラッキング調査は、ユーザーが、ページに滞在する間、ページの左側を見ることが多いと指摘している。

eye tracking left

多くの言語では、テキストが左から右に向かうパターンが採用されている。ウェブデザイン、そして、ウェブページを読む習慣において、この閲覧パターンは、深く根付いている。

ウェブページをデザインする際、または、コンテンツを配置するさは、重要なコンテンツを左側に置き、ページの左側を最大限に活用すると良い。

原則 #7: バナーを排除する

ウェブバナーは無視される。バナーへの注目の低下は、バナー広告が黄金時代を迎えた頃から現れ始めた。

バナー広告の効果は消え始めた。単なる広告でしかなかったためだ。その後、注目を集めるために、震えるバナーの利用が始まった。しかし、システムのエラーにしか見えない作品もあった。また、「100万人目の訪問を記念し、黄金のフェラーリを贈呈する」と宣伝する広告も現れた。

クリックする気になるだろうか

「バナーブラインドネス」と呼ばれるこの現象は、アイトラッキングの初期の研究で、特に話題に挙がることが多かった。ヤコブ・ニールセン博士は、1997年にバナーブラインドネスの存在を発見していた。

現在、バナーブラインドネスは、インターネットの知識、そして、ユーザビリティの常識として、受け入られている。とても重要度が高く、Wikipediaの記事が作られるほどだ。バナーが無視されると言う指摘が信じられないなら、以下のアイトラッキングの調査結果を見てもらいたい。

eye tracking banners

サイトを収益化する方法が他にないなら話は別だが、基本的には、バナーを利用するべきではない。

原則 #8: 人物写真は有効

LinkedInの調査を始めとするユーザビリティの調査では、人物の写真の効果が裏付けられている。たとえ写真であれ、他の誰かを見ると、– 通常は — 魅力、理解、あるいは、識別において前向きな心理の反応を促す。

人物の顔写真を持つページは、双方向的な情報のやり取りと閲覧を促し、直帰率を低下させる効果がある。

人物写真に関する調査で得られた4つの重要な見解を挙げていく:

  • デザインの要素として人物写真を利用する — ホームページで人物の画像を利用するべきだ。人は他の人を見る習性があり、その結果、ページに長くとどまるためだ。
  • Aboutページで写真を用いる — 容姿が分かると、信じてもらい、信頼してもらい、そして、取引を行ってもらえる確率は高くなる。
  • LinkedInのプロフィールで顔写真を用いる — すると、信頼感が生まれる。
  • Googleオーサーシップの確立に励む — SERPでは、オーサーシップの画像を持つエントリにクリックが集まる。

結論

ウェブサイト、コンバージョン、事業、そして、製品を、アイトラッキングの調査に注目するだけで、改善することが出来る。

ビジターがサイトのどこを見ているかは、非常に重要だ。なぜなら、ビジターが何を学ぶか、何をするのか、そして、何を買うのかに影響を与えるためだ。見た結果、クリックが生まれる。

アイトラッキングの調査から得たその他の見解をご存知なら、コメント欄で発表してもらえないだろうか?


この記事は、Quick Sproutに掲載された「8 Powerful Takeaways from Eye Tracking Studies」を翻訳した内容です。

長年の経験値と深い知識を元にした考察だけあり、どれも基本的といえば基本的ですが、読み応えがある記事でした。次のランディングページを作成する前に一度じっくり内容を読み、基本を徹底的に頭に叩き込んだ上で取り組んでみてはいかがでしょう? — SEO Japan [G+]

コンバージョンを減らすランディングページの7つの誤り

LPOも大分普及してきた日本のウェブマーケティング、本格的なLPOは行っていなくとも広告用に専用のランディングページを用意しているサイトは多いでしょう。とはいえ、せっかくの専用ページを設けているのに、効果が出ていないばかりか普通にホームページにしておいた方が良かったというケースさえありかねません。今回はランディングページのコンバージョンを減らしかねない基本的なポイントをインフォグラフィック形式でまとめた記事を。 — SEO Japan

ランディングページは、コンバージョン率の増加に貢献するはずだが、コンバージョン率にマイナスの影響を与えていることが多い。このケースは、どんな時に生じるのだろうか?誤ったコピーを掲載する、あるいは、ビジターの気を散らしてしまう際に発生する。

これは氷山の一角に過ぎない。そこで、ランディングページのコンバージョン率を最大限に高めてもらえるように、避けて欲しい過ちをリストアップし、収益を増やすために踏む必要のあるステップを記したインフォグラフィックを作成した。

下の画像をクリックすると、拡大表示される(インフォグラフィックの下に訳文を掲載):

7 Landing Page Flaws That Kill Your Conversions

コンバージョンを台無しにするランディングページの7つの誤り(そして、修正する方法)

そのランディングページは役目を果たしているか?

マーケッターの64%: ランディングページは、提案するメリットを試す上で最も効果的な方法だと認識している。– MarketingSherpaより

B2B企業の68%: ランディングページを使って、今後のコンバージョンに向けた売り上げのリードを集めている。– MarketingSherpaより

マーケッターの48%: 各マーケティングキャンペーンに新たにランディングページを作る。– MarketingSherpaより

1. 必要される情報が多過ぎる

あまりにも多くの情報の入力を求められると、ビジターはうんざりする。ビジターは、求められた情報を入力するよりも、サイトを去りたくなる。

解決策
・関連性があり、必要な情報のみを入力フォームでは取得する。
・フォームを目立つ場所に置き、楽に入力することが出来るように工夫する。

2. 具体的なコールトゥアクションが存在しない

ランディングページの48%は、複数の提案を掲載している — MarketingShelpaより

この状況は、顧客を混乱させてしまう。すると、コンバージョン率は下がる。複数の提案を行うランディングページは、単一の提案を掲載するランディングページと比べて、獲得するリードが266%少ない。

解決策
・ビジターを考慮して、分かりやすく表現する。提案は一つだけ用意する。
・コールトゥアクションを、見つけやすく、分かりやすく、実行しやすくする。

3. テキストが多過ぎる

ページ上のテキストが多過ぎると、混乱を招く。何が提案されているのか、消費者が理解することが出来ない可能性がある。ページの要点が明らかではない場合、ビジターはサイトを去ってしまう。ビジターの注目を掴む時間は、約5秒間のみ。

解決策
・箇条書きを活用する。
・太字を使って、テキストを強調し、注目を得る。
・製品/サービスの特に重要なポイントを強調する。

4. ヘッドラインが注目を掴んでいない、あるいは、ヘッドラインがない

ヘッドラインをテストしているマーケッターは、77%のみ。– MarketingSherpaより

ありきたりのヘッドラインや、退屈なヘッドラインを避ける必要がある。ビジターを迎え、ページの要点を伝えるヘッドラインを用意するべきである。

解決策
・ヘッドラインには、ページの内容を反映させる。
・具体的なヘッドラインを作る。
・メッセージを伝えられる程度の長さは必要だが、ビジターの視界に収めなければならない。

5. ランディングページの読み込みに時間がかかる

消費者の40%は、読み込みに3秒間以上かかるウェブサイトを見捨てる。ウェブサイトのパフォーマンスに不満を持つ買い物客の79%は、同じサイトからの購入を避ける。10万ドル/日を稼ぎ出しているEコマースサイトでは、ページの読み込みが1秒間遅れると、年間で250万ドルの収益を失う可能性がある。

解決策
・ガラクタを処理する。不要なテキストや画像は削除する。
・各種のデバイス(コンピュータ/モバイル)でページの読み込みをテストする。

6. 効果が高い取り組みを特定するテストを行わない

40以上のランディングページを持つ企業は、5ページ以下のページよりも、リードが12倍以上多い。– HubSpotより

マリアン大学では、大幅に異なるランディングページを比較テストした結果、コンバージョン率が264%増加した。1,000ページ以上のランディングページを持つDellでは、ランディングページをウェブページに対してテストすることで、コンバージョン率が最高で300%増加した。

解決策
・幾つかランディングページをテストし、結果を記録する。コンバージョン率を改善しないページには変更を加える必要がある。
・マーケティングのアイデア、ページのレイアウト、表現をテストして、変更がコンバージョン率の増加につながるかどうかを特定することが肝要だ。
・ランディングページの異なるバージョンを幾つか用意して、どのページのクリックスルーが一番多いのか確かめる。
・テストと調整を継続する。

7. サイトが信用できない

どこでもありそうな推薦メッセージが掲載されている。Blue Fountain Mediaは、Verisignのロゴをサイトに加えるだけで、売り上げを42%増加させた。消費者の68%は、スコアの良し悪しが掲載されている場合、レビューを信頼する。四捨五入した数字よりも、そのままの数字の方が、信頼度は高い。より正確であることを示唆するためだ。

解決策
・率直な推薦文を掲載する。
・信頼を示すバッジを掲載する。
・誰でも分かるような言葉で、規約を作成する。

このインフォグラフィックを拡大して見たいなら、ここをクリック

結論

ランディングページを作成したところで、必ずしも売り上げやリードが増えるとは限らない。事実、つまらないヘッドラインを作ったり、コールトゥアクションを誤った場所に掲載してしまうと、収益は減少する。

私は、ランディングページの最適化において、創造性に富むページが、特にコンバージョン率が高いことに気づいた。これは大きな発見だと言えるだろう。例えば、個人のサイトで、地名をコピーに利用したところ、コンバージョン率が30%増加していた。また、ランディングページの上部からロゴを外した結果、さらに18%増加したことも判明した。

他に、ランディングページのコンバージョンを高める方法をご存知だろうか?

サイトにこのインフォグラフィックをエンベッドする(下のコードをコピー & 貼り付け):


この記事は、Quick Sproutに掲載された「7 Landing Page Flaws That Kill Your Conversions (and How to Fix Them)」を翻訳した内容です。

各項目自体は基本的な内容ですが、一緒に紹介されていその際は、こちらのランディングページ作成サービスもご検討ください m(__)m — SEO Japan [G+]

キッチンの歴史と最新事情をまとめたインフォグラフィック

住まいに関するインフォグラフィックを配信しているLivinGraphics(リビングラフィックス)にて新作インフォグラフィックが公開されました。第6弾のテーマは“キッチンの歴史と今”。時代とともに形を変えていったキッチンのデザインや、現代のキッチンのレイアウトについて紹介しています。 — SEO Japan

キッチンの歴史と今
※画像をクリックするとアート・クラフト・サイエンス株式会社、リカサ株式会社が運営する「LivinGraphics(リビングラフィックス)」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

このインフォグラフィックでは、キッチンの歴史や、現代の主要なキッチンレイアウトが1枚の絵にまとめられています。江戸時代のキッチンでは、井戸から汲んだ水や薪の利用が主流でしたが、昭和34年以降は工場で大量生産が可能となった「プレスステンレス式流し台」や「LPガス」が普及し始めました。現在では、L型やアイランド型などレイアウトも多岐にわたっています。

現代のキッチンレイアウトは「費用」「使いやすさ」「デザイン」の3つの視点から評価されているので、キッチン選びの参考にしてみては?

キッチンの歴史と今(LivinGraphics)
※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

スペースを有効活用するならL字型キッチンやI型キッチン、スペースに余裕があり調理中に家族とのコミュニケーションを重視するなら、アイランドキッチンや対面型キッチンがおすすめとのこと。好みや生活スタイルの変化に合わせてキッチンの形は変化しているのですね。– SEO Japan

時代の流れに左右されない有効なリンク構築の基礎

人口リンクはもう終わり、これからはコンテンツマーケティングの時代とはいわれるものの、Googleのアルゴリズム上、どうしても無視できないのがリンク構築。今だからこそ改めて考えたいリンク構築のあり方をじっくり考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

Googleは1998年にサービスを開始して以来、順調に成長し、世界で最も人気の高い検索エンジンになった。shutterstock_178290377-chain-link-old-text 2013年、2兆1610回の検索が行われ、世界の検索市場の67%を占めるまでになった。

成長し、進化を遂げるにつれ、Google検索は、ユーザーの疑問に対する答えを見つけ、問題に対する解決策を発見し、リサーチを実施し、さらには、友達や信頼するアドバイザーからのフィードバック、推奨、そして、提案を得ることが可能な人類史上「最高の秘書」になると言う夢に向けて、順調に前進している。

消費者が、製品やサービスの調査に検索エンジンを利用する機会が増えているため、SEOに力を入れる企業には、大きなチャンスが転がり込んでいる。

役目を期待通りに果たすため、Googleは、ユーザーに提供する価値を基に、コンテンツを格付けしなければならない。Googleは、各種の要素を用いて、検索エンジンのランキングを決めているが、その中でも(今のところ)とりわけ重要なのが被リンクの質と量である。

Googleがリンク構築を嫌う理由

ウェブにおいて、リンクは、事実上、「票」に等しい。良質で、有益で、信頼されるコンテンツは、より多くのリンクを獲得する。満足したユーザー、そして、消費者によって与えられた本物のリンクは、質の高いコンテンツとして認めた証拠である。だからこそ、Googleをはじめとする検索エンジンは、リンクを高く評価しているのだ。

しかし、ウェブサイト、そして、オンラインビジネスの経営者が、積極的にウェブサイトに対する「票」を集めようとすると(リンク構築)、本当の自分よりも良く見せようとしていると受け止められてしまう。そのため、Googleは、特定の方法で、リンク構築を行う人達を嫌うのである。

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「適切」なリンク構築の方法、「誤った」方法、そして、「不正」な方法が存在する。 リンクは、収益面での利点を得る上で有益であり、競合者をランキングで上回る効果が見込めるものの、大量のリンクを獲得して、検索エンジンのランキングでトップに立つのは、難しい。適切なタイプのリンクを適切な方法で獲得することが、重要である。

リンク構築は筋肉を増やすようなもの

筋肉をつけたいと仮定する。ステロイドを使えば、身体を大きくして、筋肉の量をすぐに増やすことが出来る。あるいは、定期的な運動、ウェイトトレーニング、そして、しっかりと栄養を取ることで、適切に筋肉を増やす手もある。

1つ目の方法は、瞬発的な勢いをもたらし、その後、身体に危害をもたらす。2つ目のアプローチは、時間はかかるものの、長期的に良い体形を維持し、健康面でのメリットも得られる。

リンク構築は、筋肉をつける行為に似ている。正当なリンクを高い価値を持つサイトから、妥当な期間を経て獲得するのは、大変な取り組みだと思うかもしれない。しかし、このリンクが、検索ランキングに与える影響は、劇的であり、長期に渡って継続される。

近道を利用すれば、短期間に大量のリンクを獲得し、SERPで素早く上位に躍り出る効果はあるかもしれないが、急激にランクが落ちる、あるいは、インデックスから追放されてしまう憂き目に遭う可能性がある。

早い段階で、リンク構築界のベン・ジョンソンランス・アームストロングにはならないように心に決めるべきである。最初から、適切にリンク構築に取り組もう — さもなければ、不適切なリンク構築を行ったため、Googleからペナルティーを受けたJ.C. Pennyと同じ轍を踏むことになるだろう。

複雑化したリンク構築

もう一つ大事な要素がある。スポーツのドーピンング検査とは異なり、Googleは、定期的にルールを変更し、そして、新しいルールを加えている。 妥当、そして、ホワイトハット(適切)だと考えられていた手法が、現在はスパム扱いされている(例: ゲスト投稿)。)

過剰に利用され、スパマーに悪用される可能性があるリンク構築の手法に対しては、検索エンジンは、継続的に再評価し、ウェブサイトのランク付けにおいて、特に価値の高いリンクの種類を切り替えている。

要するに、たとえルールの範囲内であったとしても、過去の取り組みが原因で、ランキングを落とす可能性があるのだ。手動ペナルティーを科されなくても、サイトに集めたリンクが、大幅に価値を下げられ、ランキングを落とし — そして、その結果、収益を失ってしまうこともある。

ウェブサイトのSEOを改善したいなら、様々な選択肢と可能性がある中、安全な取り組みに励み、場所に関わらず、必要な時はいつでも、どんなデバイスを使っていても、確実に顧客に見つけて貰える環境を作り出す必要がある。

策略的な投票は不自然

これから、リンクを構築すると仮定する。上位のウェブサイトを分析して、より高いランクを獲得し、Googleの信頼を得るために何が必要なのかを特定する。しかし、自然なリンク構築をGoogleが望んでいることも忘れてはならない。

ここで、考えてもらいたいことがある。外部のコンテンツとページ — ブログの記事、インフォグラフィック、その他のウェブコンテンツ — にリンクを掲載し、自分のサイトに返るリンクを張るのは、自然だろうか?それとも不自然な行為に該当するだろうか?

次に、反対に、検索エンジンの構築、あるいは、何らかの投票プロセスの設定(選挙キャンペーン等)を自分で行う状況を想像してもらいたい。立場上、ユーザーに信頼のおける、品質の高い情報を裏付けるアルゴリズムを作るために、努力するのではないだろうか?また、重複する偽の票を投じたり、自分自身に票を投じたりして、このプロセスを操作しないように監視するのではないだろうか?

このような票がカウントされないように、全力を尽くすはずだ。あるいは、不可能(違法)にすることも検討するのではないだろうか?投票システムが安全であり、結果が信頼に値することを裏付ける方法を見つける取り組みが、何よりも重要であり、関心が高い。

これは、まさにGoogleが、実現に向けて — 四六時中 — 努力している取り組みである。

コンテンツマーケティングとゲスト投稿: 今後の効果

現在、数あるリンク構築の手法の中で、特に人気が高いのが、コンテンツマーケティグとゲスト投稿だ。まずは、一歩下がり、詳しく検証していこう。

このような手法は、自分自身に票を投じていることにはならないのだろうか?

Googleが進化の過程で、自己リンク構築のメリットを取り除く — 最悪の場合、「不正」行為として、罰を与えることは、常識なのではないだろうか?

リンクのためだけにゲスト投稿を行っているなら、その戦略を考え直した方が良い。役に立つため、問題を解決するため、ニーズを満たすため、もしくは、圧倒的な価値を提供するため、リンクを張りたくなるような質の高いコンテンツを作ると、長期的にさらに有益な効果を得られるだろう。

これは、「闇雲に周りと同じ行動を取り、他の誰かの提案を繰り返していると、SEOの寿命を短くしてしまう」と言う、よくあるケースの一つであり、場合によっては、収益とブランドのイメージを傷つけてしまう可能性がある。

独特なコンテンツを、そして、目立つコンテンツを作ろう。たとえ長時間を要するとしても、適切な取り組みを行うために、時間を割くべきである。このアプローチは、長期的に利益をもたらし、まさに、時代に左右されないSEOとリンク構築の模範と言えるだろう。

勢いを得る、または、「バイラル化」するコンテンツの作成にこだわるべきではない。それよりも、買い手候補を助けるにはどうすればいいのかを真剣に考えてもらいたい。これから投稿する予定のコンテンツから、どのようなメリットを得られるのか、真の価値をどうすれば提供することが出来るのか、良く考えておこう。

良質なコンテンツを作るためには、理想の顧客が何を考えているのか、理解しなければならない。「ユーザーの意図」を正確に特定する必要がある。

  • 問題と願望を特定する。
  • 顧客候補を助ける解決策を考案する。
  • 信頼の置ける、正直な専門家として認識してもらう。
  • 信頼を勝ち取り、製品やサービスを必要とする際、頼りになる人物、または、会社になる。

品質の高いコンテンツ作る取り組みを中心としたSEO戦略を採用すると、ブランドは成長し、自然にユーザーに見てもらえる機会は増えていく。新聞、雑誌、そして、信頼されるブログやウェブサイトになれる確率は高くなる。「トップ 10」リストや「推奨する情報源」のサイトとして取り上げてもらい、より大勢のターゲットのオーディエンスに接触することが可能になる。

「マーケティング」を行うことなく、この成果を得られることが、何よりも嬉しい。良質なコンテンツを作成する上で、次の取り組みが鍵を握る:

  • 解決策を提案する。
  • 有益なコンテンツを提供する。
  • 役に立つ。
  • 信頼を育む。

信頼してもらえなければ、名前を挙げてもらうことも、リンクを張ってもらうことも出来ない。信頼は何よりもまして重要である。リンクを得ることだけが目的なら、中止するべきだ。ウェブサイトのランキングを高めることだけが狙いなら、長期的にランクを維持することは出来ないため、良い戦略とは言い難い。

理想の顧客、そして、関係を構築したいオーディエンスに出会える可能性があるサイトで、記事を投稿するなら、つまり、ゲスト投稿で得られるリンクが、ブランドアウェアネスの改善、知名度の向上、信頼度アップ、リファラートラフィックの増加等のメリットのおまけなら、強力なリンクと考慮されなくなったとしても、ゲスト投稿を行う価値は大いにあると言えるだろう。

薦められないリンク目的のコンテンツ

コンテンツを提供するものの、交換条件としてリンクを要請する場合、自然なリンクに該当するだろうか?

フォーラムの署名からのリンクは、自然なリンクに該当するだろうか?

別の場所で投稿した記事の情報源としてリンクを掲載する場合は、どのように判断されるのだろうか?

プレスリリースはどうだろうか?

独断的な結論を出す必要はないが、このような取り組みが、被リンクの価値を評価しようと試みるGoogle等の検索エンジンが直面する問題を、さらに難しくしていると言う指摘には、納得してもらいたい。

Googleはこの厄介な問題の原因を根絶しなければならない。

この方向性の第一歩として、Google オーサーシップやGoogle+等の取り組みが、検索結果の質の改善に貢献している。自分自身のリンクの価値がなくなり、また、可愛い子猫の写真や笑っている赤ちゃん等の写真を含む無益なリンク(ソーシャルネットワークで勢いを得ることは出来る)が軽視される未来に、Googleが向かっていると仮定しよう。

この未来に残るのが、自然なリンクである。信頼した人が、「マーケティング部門」として送った「票」が、リンクを介して、トラフィックを、そして、リードをもたらす。リンクが「nofollow」かどうかは関係ない。なぜなら、コンテキストが適切だからだ。

そこで、リンクの獲得に走る前に、このポイントをよく考えてもらいたい。

SEOとリンク構築の負の側面shutterstock_160952141-blackhat

分かっていることを挙げていく:

  1. Googleは信頼されている — だからこそ、私達はGoogleを使って、購入する製品、そして、店を決定している。
  2. SERPで上位にランクインすると、適切なトラフィック、そして、売り上げが増える。
  3. 現時点では、会社、そして、ウェブサイトのオーナー側が、ランキングに影響を与えることが出来る(インチキをして、上位に君臨することも可能)。

Googleのガイドラインを違反しても、法律を破ることにはならない。犯罪とは見なされないためだ。イチかバチかのギャンブルと言い換えることも出来る。検索ランキングを操作することで、多額の収益を得られる可能性もある。これが、「ステロイド派」、そして、近道をして、より多くの利益を得る人達を引きつけている要因である。

しかし、Googleの立場になって、考えてもらいたい。製品やサービスを購入する前に、Googleを利用する人は多い。SERPでリストアップされていた結果が、ユーザーの行動に影響を与えるのだ。

Googleは、検索エンジンが、ユーザーの意思決定において、重要な役割を果たしていることを理解している。検索エンジンを調整する優秀なエンジニア達は、特定のキーワードや検索用語のランク付けに影響を与える卑劣な試みを行うことが出来る点を分かっている。Googleのエンジニアは、事業のオーナーが、検索エンジンのランキングを操作する仕組みを監視しており、遅かれ早かれ、スパム丸出しのリンク構築の手法を特定し、価値を引き下げるようになるはずだ。

リンク構築は「悪者」か?

答えは皆さん自身で出してほしい。個人的には、悪者ではないと思うものの、何を求めているかに、左右されるのではないだろうか?

現状では、自己票、そして、自己レビューをGoogleにカウントさせる方法は数多く存在する。このような手法は、ある程度、アルゴリズムを歪め、検索結果の質に悪い影響を与えてしまう。SEO by the Seaを運営するビル・スロースキ氏が、このようなネット版なりすまし対策の問題について、素晴らしい記事を綴っているので、目を通しておこう。

だからこそ、Googleは、常にアルゴリズムの改善に取り組み、問題を掻き消す方法の特定に力を入れているのだ。この変更から、事業、そして、ウェブサイトが、メリットを得るには、SEOとリンク構築のアプローチを今すぐに最適化する必要がある。経験豊かなSEOコンサルトに相談すると、最も効果が高い。

ストック写真はShutterstock.comの許可を得て利用している。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Link Building Fundamentals To Future-Proof Your Online Business」を翻訳した内容です。

中々に読み応えがある、&考えさせられる記事でした。SEO界隈では、コンテンツマーケティングならぬコンテンツSEOという言葉も流行っているようですが、ともすればリンクを集めるため「だけ」のコンテンツをいかに作るかということに注力がおかれたり、とりあえずロングテール狙いで品質問わず大量のコンテンツを作成するケースも見られるようです。後者の場合は、有料リンクスパムが大量コンテンツスパムに変わっただけの気がしなくもありませんが、前者はコンテンツの有益性や品質と、バイラル性のバランスの兼ね合いが求められる所ですね。

最もバイラル力のあるコンテンツの作成もそれなりに発想と実力が求められるものではありますが、ターゲットユーザーやサイトの特性、ビジネスの種類等との関連性なくしては本質的な効果はないのでしょうけど。とはいえ、たまに猫の動画を紹介して多少のリンクを得ることにそれ程の悪があるとは私には思えませんが。。。などと、SEO業者の飲み会のネタになりそうな話題でした。 — SEO Japan