顧客の株式収益をフリーランスに分配するGigsterの深謀遠慮

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401K?、ストックオプション?フリーランサーには、何もありません。私たちは、Gigsterのために働いてくれるフリーランスの人たちを、スタートアップ企業で働いているような状態に近づけたいと思っているのです」こう語るのは創業者でCEOのRoger Dickeyだ。彼のスタートアップであるGigsterは、フリーランスのプロダクトマネージャー、エンジニア、そしてデザイナーをコーディネートすることによって、顧客のアイデアを本格的なアプリに仕上げる会社だ。そして、同社は今日、その最高のフリーランス契約者たちを引き留め、インセンティブを調整し、顧客のためにさらに熱心に働いて貰う、革新的な方法をスタートした。

GigsterがローンチするのはGigster Fundである。リミテッドパートナーとしてのBloomberg、Felicis、China’s CSCからの70万ドル、そしてこれにGigster自身の資本の1パーセントが加えられて構成されている。同ファンドはGigsterのトップ顧客の1つに、企業評価額500万ドルに対しその1パーセントの5万ドルをキャッシュで毎月投資する。Gigsterは顧客に対して、アドバイス、コネクション、ファンドレイジンクの支援、トップフリーランサーへのアクセスと自社への雇用の機会も提供する。

gigster-fundDickeyは、Gigster Fundによるアレンジに対するスタートアップへのチャージは、ブートキャンププログラムは提供しないものの、1ドルあたりY Combinatorに比べて3分の1、500 Startupsに比べて2.5分の1の資本で済むことを強調した。これまでに対象となったポートフォリオ企業のいくつかには、スタンフォード出身者による医療機器会社、Techstars出資で元Google従業員がスタッフとして勤めるスタートアップAdHawk、ある公開企業ならびにIshqr for Muslimsという名の出会い系アプリの創業者による開発ツールなどが含まれている。

しかしここで特別なのは、Gigsterはファンドの潜在的利益の全ては保持し続けないということだ。投資収益の最初の70万ドルは投資家たちに戻されるが、その後は、投資家たちとGigsterは余剰利益を分割し、Gigsterはフリーランサーたちにシェアを与える。

毎月、Gigster Fundから得られるGigsterの収益の一部が、その月のアクティブフリーランサーの間で均等に分配される。よって、もしファンドが1年運用され、Gigsterが最終的に(投資家の取り分を除いて)1200万ドルの収益を挙げたならば、毎月の収益は100万ドルということになり、よってもし100人のフリーランサーがアクティブならば、それぞれが月に1万ドルを受け取ることになる。

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基本的に、Gigsterのフリーランサーたちは、もし顧客が成功して、かつ自身もしばしGigsterでの活動を続けたならば、おそらくDickeyが言うところの「退職金の一部」を受け取ることができるだろう。「成功した会社は皆、株式を通してその従業員に報いています」とDickeyは説明する。SECはGigsterがフリーランサーたちに株式を直接渡すことを許さない、そこで「そうしたたやりかたを真似る一番の方法は、彼らが仕事をしている顧客の株式を介して報酬を与える方法なのです」。

もちろん、これはすべて、Gigsterとその顧客が成功することに依存している。Gigsterは正しい方向に進んでいる。2015年7月にGigsterは、大企業や起業家たちに、個々のフリーランサーを自分で管理する必要がなく、アプリケーション全体の開発プロセスをアウトソースできるサービスをローンチした。最初の2週間には100万ドルを売り上げ、そのわずか4ヶ月後にはGigsterはアンドリーセン・ホロウィッツ率いるシリーズAで1000万ドルを調達した。今では、マスターカード、IBM、そしてペプシコといった顧客と契約しながら、企業向けの売り上げは前の四半期に比べて9倍に伸びている。

Gigsterの共同創業者たち:(左から)Roger DickeyとDebo Olaosebikan

Gigsterの共同創業者たち:(左から)Roger DickeyとDebo Olaosebikan

その急速な成長は何らかの混乱を引き起こす可能性がある。私はGigsterがプロジェクトコストを過小に見積ったために、追加予算が必要となって腹を立てている顧客の話を聞いたことがある。また、顧客は自分のアプリの保守と更新を継続するためには、Gigsterとのやりとりを繰り返さなければならない。こうしたプロセスが、あまりにもでこぼこ道(too bumpy)であることが判明したときには、将来のGigsterの顧客を落胆させてしまう可能性がある。

しかし、ソフトウェアが世界を食い、全ての企業がテックカンパニーを目指している現在、需要は屋根を突き抜けるほど積み上がっている。アプリを必要とはするものの、どうやってそれらを開発すればよいかわからない企業たちは、そのよく吟味されたタレントと、苦労の少ないソリューションに惹かれて、Gigsterを選んでいる。

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Gigsterで構築。

顧客、フリーランサー、そしてGigsterの潜在的な利益を超えて、ファンドはまた、他の企業が契約労働者を支援するために何ができるかについてについて語ることもできるかも知れない。「多くのスタートアップがこれに踏み切ることを怖れています、なぜなら『働きに応じて支払われる』クラス分け問題に突き当たることを怖れているからなのです。従業員の処遇に対してのアプローチを考えることほど、スタートアップを疲弊させるものはありませんからね」とDickey。

Uberのような、オンデマンドギグ(gig:一時的な仕事)エコノミー世界のスタートアップたちは、「1099」独立契約者(米国では個人請負業者のためにForm 1099という申請用紙が用意されている)を、よりコストのかかるフルタイム従業員として扱うようにさせようとする訴訟と、戦ったり回避の努力をしたりしている。Gigsterのフリーランサーたちは、ホワイトカラーの知識労働者であるため、Dickeyは、この特典を提供すれば訴訟を回避できると考えている。そのリスクにもかかわらず、Dickeyは「私たちは、私たちが思う正しいことをやるのだ、という重い決断を下しました」と言う。

もしこのスキームが上手く行った場合には、Gigsterは、株式収益を通じて、フリーランスの独立性と柔軟性という利点と、フルタイム雇用者の潜在的な利点をうまく組み合わせることができることになる。このことは、優れたプロジェクトマネジャーたちや、開発者たち、そしてデザイナーたちに9時から5時の拘束から抜け出して、Gigsterとギグを行う決意を促すことにもなるだろう(ギグには「一時的な仕事」」という意味の他に「音楽ライブ」という意味もある)。そして、自分自身ではそれほど良いチームを集めることのできない顧客の前に、その才能をぶら下げることができるようになるのだ。

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(翻訳:Sako)

Crowdsourceはユーザーが無償でグーグルサービスの向上に貢献できる新アプリ

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Crowdsourceという名の新しいアプリがグーグルプレイにひっそり登場した。ユーザーはこのアプリを使って、グーグルのサービスの質を向上させるためのちょっとした仕事をするが、それは地図や翻訳、画像中の文字を起こす作業などだ。驚いたことには、このアプリにはユーザーの仕事に対するちょっとした報酬・対価といったものが全くない。しかしながらこのことは、このアプリが、例えばアマゾンのMechanical Turkなどの、仕事をクラウドソーシングする為の既存のプラットフォームの脅威とはならないことを意味する。

また、このアプリの主眼はグーグルが自社のサービスを向上することにあり、Mechanical Turkのように第三者からの依頼に応える訳ではない。

この新しいアプリを最初に見つけたのはAndroid Policeというブログだ。グーグルはTechCrunchの質問に答え、これがテスト用プロジェクトで今朝公開になったものだということを確認した。

Crowdsourceはユーザーが翻訳のリクエストに取り組む前に、どの言語が流暢かを聞いてくる。それ以外にも、アプリではいくつもの大きなボタンがフィーチャーされ、それを選ぶことでどういった作業をしたいか選ぶことができる。それらは、画像から文字を起こしたり、手書き文字を認識したり、翻訳作業やすでに翻訳された文章をチェックしたり、地図の翻訳のチェックをしたりといった、ちょっとした作業だ。

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グーグルが実際にアプリを使って貢献してくれるユーザーに対して、その背中を押してくれるようなオファーのないアプリをローンチするというのはいささか奇妙な感じがする。結局のところ、同社はこの様なサービスモデルに関してはGoogle Opinion Awardsを通じて熟知しており、Google Opinion Awardsではアンケートに答えるとグーグルプレイのクレジットを貰うことができた。

しかしながら、グーグルによると、人々がCrowdsourceを使ってこのプロジェクトに貢献するのは、そのことでインターネットが自分たちのコミュニティーにとってより良い場所になったと実感できるからだ、という(それはどうだろうねえ、グーグルさん、インターネットに会ったことある?ワンちゃんが日向ぼっこしているような場所ばかりじゃないんだよ)。

なぜ人々はこのような、無報酬のアプリを使うのかという質問に対して、グーグルのスポークスマンは以下の様に答えた。「このアプリを使う人の中には、まだ多くの言語でTranslateやImage Recognitionなどのツールがうまく機能していないことが動機になっている人もいるでしょうね」

Crowdsourceのタスクは5〜10秒以下で出来るものばかりで、その中には普段ウェブサイトで、自分がボットではないことを証明するためによくやらされるような、ひどいものも含まれている。例えば、ぼやけた写真が何と読めるかといった感じのものだ。

Android Policeによるとユーザーが画像から翻訳するタスクのほとんどは道路標識で、手書き文字のサンプルはニワトリが爪で引っ掻いたような読みにくい文字だ。確かに、楽しそうだね。。

もちろんグーグルはこれまでも多くのプロジェクトでクラウドソーシングを行った。かつて、例えば2006年には、グーグルはGoogle Image Labelerというゲームをローンチし、ユーザーは画像のタグ付けを行った。実際の所、そのプロジェクトはcrowdscource.google.comで今でも存在する。

同社によるとこのアプリは最終形ではなく、現在インセンティブの導入も考えているらしい。

Crowdsourceはグーグルプレイで無料でダウンロードできる。iOS版はない(多分グーグルの方がよく知っているからだろう)。
[原文へ]

(翻訳:Tsubouchi)

オフィス管理代行サービスのService Partner Oneが1000万ドルを調達

Service Partner One closes  10M Series A to move office management services online   TechCrunch

全くデジタル化されていない時代遅れの産業が未だに残っていることは驚きではない。スタートアップがまだまだオンラインの利便性を物やサービス提供にもたらす機会を開拓していることにも驚きはない。

ベルリンに本社を置くService Partner Oneの場合は、Webサイト、iPad、iPadアプリケーションを経由してオンライン上で様々なオフイス管理サービスの予約・管理するサービスを提供している。EQT Venturesが率い、Earlybird、Target Global、Rheingau Founders、Ringier Digital Ventures、Visto Venturesが参加したシリーズA(2016年7月6日)では1000万ドルの資金を調達した。

Service Partner Oneのアプリケーションを通して、オフィスクリーニング、フルーツ、飲料、カフェマシーン、ウォーターサーバー、オフィス用具の配達など、多様なサービスの予約が可能だ。オフィス管理に関するすべての支払いは、複数のプロバイダーが関わっているかにかかわらず単一で管理できる。それは毎月の1枚の請求書の発行も含む。

「私達はSaaS型のキュレートしたマーケットプレイスを提供します。オフィス管理者のためのオフィス運用システムを構築しています」Service Partner OneのCEOで共同創業者のSven Hock氏はそのように語る。「それぞれのカテゴリーで、私たちはオフィス用品の最良のサプライヤーを選びました」。

Service Partner Oneのアイデアは、異なるサプライヤーとやりとりする時も請求書を管理する必要がないよう契約を一本化し、オフィス管理者の仕事をより簡単、効率的なものにすることである。

「完了したことの概要を把握できます」Hock氏はそう語る。「また、清掃員との間でコミュニケーションが図れるようにつなぎます」。オフィス管理者はiPadのアプリケーションを通してサプライヤーへクリーニングの手順や直接仕事の質に対するコメントを書くことができる。

Hock氏はService Partner Oneの顧客は、わずか10人の従業員のオフィスから500人の従業員がいるオフィスまで幅広いと語る。中小中堅企業から、McKinsey&Company、Commerzbankのような大企業にまでサービスを提供している。

「私達の顧客にはSpotify、Twitter、Salesforce、世界でも規模の大きいコワーキングスペースを提供する企業の1社であるWeWorkを含みます。顧客は全てのサービスを選ぶ必要はなく、フルーツバスケットや飲料だけを選ぶこともできますし、もちろんフルパッケージを選ぶことも可能です。しかし、ほとんどの顧客は1つのサービスから使い始めます。その後しばらくして、私達のサービスはさほど高くないですし、非常に便利なので他のサービスも使う始めるようになります」Hock氏は補足した。

Service Partner Oneはこれまでにヨーロッパの6都市における500のオフィスを管理している。ドイツのベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、フランクフルト、ケルンそして最近、進出した英国のロンドンだ。Service Partner Oneのチームは70人まで成長し、本日調達した資金はヨーロッパでの更なる成長のために利用する予定だ。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

 

モンスター・ラボがデジタルガレージとパソナテックと業務・資本提携で2社から4億円を調達

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世界各地の開発リソースにアプリやウェブの開発を依頼できるプラットフォームセカイラボを運営するモンスター・ラボは、本日デジタルガレージパソナテック両社と業務提携を行い、さらに資本提携で当該2社から4億円を調達したことを発表した。モンスター・ラボの代表を務める鮄川宏樹氏に今回の提携について聞いた。

モンスター・ラボは2014年2月にセカイラボのサービス提供を開始した。セカイラボは、アプリやウェブの開発を検討している国内企業がセカイラボと提携している海外のパートナー企業やセカイラボが独自に持つ開発拠点に依頼できるプラットフォームだ。

セカイラボが選抜した海外の優秀な開発チームに依頼することで、プロダクトの品質を保ちながら開発コストが削減できるという。「バングラデシュなどの地域においてエンジニアは弁護士や医者と同様に人気のある職種です。名門大学を卒業した優秀なエンジニアが多く、開発レベルも日本とそう変わりません」と鮄川氏は説明する。現在、15カ国の100社以上の企業を外部パートナーとして抱えているそうだ。

サービスを開始してから、現在まで累計で500社に渡る800のプロジェクトがセカイラボのプラットフォームを通して形になったという。セカイラボのクライアントは、IT系が5割、非IT系が4割、SIerが1割といった比率だそうだ。

今回の協業と資本提携を行った目的は、国内と海外のクライントへのリーチを図るためだと鮄川氏は言う。デジタルガレージとしては、同社の強みであるマーケティング分野にセカイラボの開発リソースを加えることで受託開発サービスの強化につなげることができるという。一方パソナテックとはサービスのディレクションや出来上がったプロダクトの品質管理といった面で協力できることが多いという。

日本企業が外注先として海外の開発リソースを活用する理由はコスト面でのメリットがあるだけではないと鮄川氏は言う。今後IT化とグローバル化が進み、外部環境の変化に対応するには、国内のリソースに限らず海外にも早い段階から目を向けることで企業の競争力を育てることにつながると話す。

セカイラボは2015年5月にはベトナムの開発会社アジアンテックの買収を行った。今後も中国、ベトナム、バングラデシュといった地域の開発企業にも積極的にアプローチし、外部のパートナー企業と自社の開発拠点を広げたい考えだ。そして「現在常時500名ほどのエンジニアが稼働していますが、これを3年後には3000名まで増やしたいです」と鮄川氏は目標を話す。

経験や直感よりデータ、人材採用に広がるデータ・ドリブンなアプローチ

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編集部注:この原稿は鈴木仁志氏による寄稿である。鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人の代表取締役社長を務めていて、シンガポールを拠点にクラウド採用管理システム「ACCUUM」(アキューム)をシンガポールと日本向けに提供している。

企業の人材採用活動において経験値や感覚値に頼るだけでなく、データ分析に基づいて採用を行う企業が増えてきている。アメリカでは、データ分析に基づいて採用活動のPDCAを回す「データ・ドリブン・リクルーティング」という概念が確立されていてソリューションも多く存在する。私自身がデータ・ドリブン・リクルーティングについて話す際に例として使う、映画「マネーボール」を交えながら、アメリカのソリューションを中心に紹介したい。

「マネーボール」は米国メジャーリーグベースボールでの実話を基にしている。主役であるオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンが、データに基づく選手分析手法「セイバーメトリクス」を用いて、当時資金もない弱小チームを2002年にはア・リーグ記録の20連勝を達成するチームに育てるというストーリーだ。TechCrunch Japan読者でこの映画を観た人は、「データ分析 x ベースボール」という部分に少なからず興味をひかれたのではないだろうか。

「マネーボール」の舞台となったアメリカでは、様々な領域においてビッグデータ活用が謳われており、ここ数年は人事にもビッグデータを活用するのは当たり前という風潮になってきている。それに伴い、データ・ドリブン・リクルーティングという言葉も頻繁に使われるようになってきた。

採用プロセスは細分化すればきりがないのだが、一番シンプルにするとこんな感じだろうか。

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上記の採用プロセスの順に、データ・ドリブン・リクルーティングについて説明したい。

必要な人を決める

「探す/集める」という行為の前には、必要な人を決める(リクルーターたちは”求める人物像の策定”と呼んだりする)必要がある。社内のハイパフォーマーを特定して共通する特徴を分析したり、成功するために必要なスキルや経験を明文化したりすることだ。カルチャーフィットなど含め、社内ディスカッションなどで定性的に行われる部分もあれば、人事システムのタレントマネジメントモジュールやアセスメントツールなどを活用して定量的に行われることも多い。

「マネーボール」では、「セイバーメトリクス」という選手をデータで分析する手法が用いられる。これはアメリカ人野球ライター・野球史研究家・野球統計家であるビル・ジェームズらによって提唱された分析手法で、主観的・伝統的な評価軸ではなく客観的・統計的に選手を評価するものだ。例えば投手の評価においては、当時は伝統的に重要とされていた防御率は野手の守備力の影響をうけるため純粋な投手の力ではないとし、被ホームラン数、奪三振数、与四球数などを重要視する。ビル・ジェームズがこのような指標をもとに上原浩治投手を高く評価し、アドバイザーを務めるボストン・レッドソックスに獲得を強く勧めた話は有名だ。

例えば「マネーボール」では、資金難を理由に放出せざるをえないジェイソン・ジアンビやジョニー・デイモンといった2001年シーズンのスター選手の穴をどう埋めるかについて、ブラッド・ピット演ずるGMビリー・ビーンが「セイバーメトリクス」を信じない古株のスカウトマン達と議論しているシーンがある。2001年のオークランド・アスレチックス選手の年俸総額は約3380万ドル(30チーム中29位)、選手一人当たり平均にしても125万ドルと、総額・選手平均ともにダントツ1位のヤンキースの3分の1だった。その中で、超主力選手だったジアンビ(年俸710万ドル)とデイモン(同410万ドル)は、2人だけでチーム年俸総額の3分の1をしめていたのだ。

2001年に38本のホームランを打ったジアンビの代わりに同じタイプの選手を探しているスカウトマン対して、GMビリーは主要3選手の出塁率を平均すると3割6分4厘(0.364)であることから、出塁率が0.364の選手を3人探して穴を埋めろと指示を出した。スカウトの勘・経験やプレイヤーの体格といった定性的な視点はもちろん、ホームラン数や打率といった従来信じられていたKPIに頼ることを否定し、チームが勝つために必要なプレイヤーは出塁率や長打率などの高い選手であるという結論を導き出し、それに基づいてトレードやドラフトリスト作成の基準を決めたのだ。

探す/集める

求める人物像が決まったら、それを集めるのはリクルーターだ。リクルーティングにおいて、求人サイトやソーシャル・リクルーティング・サービスなどに代表される「探す/集める」領域は、サービスプロバイダーが一番多い部分といえるだろう。探す/集めるの領域のプレイヤー数が多い理由の1つは、1社につき1システムしか導入することのない採用管理システムなどの業務サポートシステムとは違い、メディアとして1社が複数利用することが多く、市場が大きいということがあるのだろう。全国求人情報協会発表のデータによると、2014年は年間540万件の求人がネット求人サイトに掲載された。求人サイト利用による1人当たりの採用コストは幅が広く(中途正社員採用:20万円〜150万円程度、新卒採用:100万円〜300万円程度、パート・アルバイト採用:2万円〜100万円程度)、掲載無料&成功報酬モデルもある。仮に平均単価が10万円としても5000億円を超える市場規模がある。

掲載型の求人広告とは少し異なるアプローチで、ダイレクト・ソーシングとも呼ばれる「探す」という行為もある。このアプローチでは、Linkedinのようなデータベースを活用することも可能だが、アメリカでは「People Aggregator(人の情報収集システム)」なども注目されており、EnteloやMonsterに買収されたTalentBinなどが有名だ。「Google for Jobs」(求人版のGoogle)と言われるIndeedがあれば、このようなサービスは「Google for Talent」(タレント版のGoogle)と呼ばれたりする。Enteloのサービスは検索した個人のEmail、Facebook、Twitter、LinkedIn、あるいはエンジニア向けサイトで個々人の技術スキルも分かるGitHub、StackOverflowなどの様々なサービスのアカウントをEntelo上でまとめるだけでなく、「現職への転職から24カ月目の節目は転職率が高い」とか「LinkedInのプロフィールを更新してから一定期間は転職率が高い」といったソーシャルシグナルの分析に基づく独自アルゴリズムによりターゲット人物をランキングしたり、その個人の各種サービス利用頻度などから直接連絡を取るのにベストな手段をサジェストしたりする。この辺りは「マネーボール」の中で、GMビリーが他球団と電話でトレード交渉を進める横で、GM補佐であるイェール大学卒業のピーター・ブランドが、ラップトップでデータを見ながらトレードで取得すべき選手の名前を次々に挙げていくシーンなどが思い浮かぶだろう。

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そして「集める」という行為をデータ・ドリブンで行うには、現状のチャネル分析や候補者行動分析などの小さなPDCAを常に繰り返し実行する必要がある。エクセルやグーグルフォームでなく、 採用管理システムを上手く活用してリアルタイムにデータ分析を行うことが重要となる。チャネル毎の応募数や採用数だけでなく、利用デバイスやブラウザなども分析することでポジション毎に最適なチャネルを選ぶことができる。この領域にはJobviteを中心に、JibeGreenhouseSmartRecruitersなど2500万〜5500万ドルを調達して注目されているアメリカ発のサービスが多く、当社が提供するクラウド採用管理システム「ACCUUM(アキューム)」もこの領域でサービスを提供している。これらの採用システムに共通するコア機能としてはATS(Applicant Tracking System)と呼ばれる応募者管理機能があり、ウェブサイトや人材紹介会社からの候補者を一元管理しチャネル分析などを行えるが、それ以外のマネタイズの方法は各社異なる。例えばJobviteは後述するビデオ面接機能を最近強化して選考側を強化している一方、SmartRecruitersは管理画面からIndeedやLinkedInなど外部求人サイトへ簡単に掲載させる機能により母集団形成側を強化している。OracleのTaleoやSAPのSuccessfactorsなど大規模人事管理システムではこのような機能は、MultiPostingなどとAPIで連携しているケースが多いが、採用管理システムではこのような機能も自前で持つところが増えてきている。こういったサービスを活用すれば、採用企業は、いくつもの外部サービスにログインして一つひとつ求人情報の掲載をしなくて済む。のみならず、今後は外部サイトに簡単に掲載できるだけでなく、ビッグデータ分析によって職種毎に使うべき求人サービスをサジェストする機能なども強化されていくことだろう。

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前述の求人サイトの掲載価格は、アメリカの求人サイトMonsterが1職種月額5万円以下(375米ドル)、東南アジアで強いJobStreetが1職種月額1万円以下(100シンガポールドル)であることを考えると、日本の求人掲載料はまだまだ高い。無料掲載のビズリーチのスタンバイや、月額3万円から職種数無制限で掲載できるウォンテッドリーなどが市場に変化を与えているが、自社の応募データを分析して、データ・ドリブン・リクルーティングで自社に合ったチャネル戦略を立てることにより、採用単価や採用スピードを改善できる余地は大きい。

選ぶ

「探す/集める」の次は「選ぶ」ステップになる。この領域において注目されているリクルーティングサービスの1つがビデオインタビュープラットフォームのHireVueだ。既述の通りJobviteなどが追加機能として提供するだけでなく、GreenJobInterviewSparkHireなどスタンドアローンのサービスも多いが、9200万ドルを調達しているHireVueがプロダクトとしてもクライアントベースとしても抜きん出ている印象だ。サービスがスタートした当初の質の低いSkypeといった印象から大きく進化を続け、今では総合的な採用プラットフォームになっている。その強みのコアは、やはりビデオインタビュー部分だ。Fortune 500 企業などを含む500社以上のユーザー企業を誇るHireVueによると、平均して1ポジションに約100名の応募があるが、そのうち面接の機会を与えられるのはたったの6人だという。ビデオ録画機能を使ってより多くの候補者に質問に答えさせ、面接での質問に対する300万件以上の候補者の発言などの分析をもとにしたHireVue独自のアルゴリズムで、やる気・情熱・感情・性格などを予測する。履歴書や職務経歴書だけで100名から6名に絞り込むよりも、より正確に企業やポジションに合った候補者を選ぶことが可能という。

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GMのビリーがニューヨーク・ヤンキースからデイビット・ジャスティスという選手の獲得を提案した時、年齢による衰えから2001年シーズンでは打率はピーク時の0.329から0.241まで落ち、ホームラン数は41本から18本に落ちていること、そして足の故障や守備のまずさなどを理由にスカウト達は猛反対をした。ただし、既述の出塁率が0.333と目標値に近く、また、年俸700万ドルの半分をヤンキースが負担するという好条件もあり、アスレチックはジャスティスを獲得した。従来のKPIだけで見ていたら獲得リストにも載っていなかった選手だが、GMビリーとGM補佐ピーターのアプローチによって選ばれた選手の一人だ。

口説く

最後は当然「口説く」ことが必要になる。私の知人が経営する会社では、本年度は特に採用が最重要課題であるという理由から、会社のトップセールスを1年間限定でリクルーティングの責任者においた。最近は日本でもこのようなケースが見られるが、アメリカではマーケティングや営業のスーパースターをリクルーティングチームに移すことは珍しいことではなくなってきている。もちろんただ単にコミュニケーション能力があるというだけの話ではない。口説く相手が100人いれば100通りの異なるストーリーを考えることが必要になるからだ。

映画の最終的な脚本ではカットされてしまっているが、出回っている英語版の脚本ドラフトで印象に残るシーンがあった。GMのビリーとGM補佐のピーターが、一塁手のスコット・ハッテバーグと話しているシーンだ。ハッテバーグは怪我によりキャッチャーとしてのキャリアを捨てざるを得なくなり、スカウト達が獲得を反対した選手の一人だ。この選手を一塁手にコンバートして獲得するというオファーを出したのだが、 実はハッテバーグ本人ですら何故アスレチックスがそこまで興味を示したのか、分からずにいた。入団後になるが、本人の過去のバッティングデータからストライクやヒットの多いゾーンについての傾向を教えると、本人はなるほどという反応を示す。次に、打席平均の相手ピッチャー投球数の4球という数字は、バリー・ボンズやジェイソン・ジアンビといった超一流打者の5球という数字には及ばないものの非常に良い数字であり、相手ピッチャーを疲れさせるためには非常に重要であるという根拠とともに「One of the reasons why we love you.(僕たちが君を高く評価する理由のひとつだ。)」と伝えると、この数字の重要性に気付いていなかったハッテバーグも、驚きをもって興味を示す。

情熱やフィーリングはもちろん重要だが、ビリー・ビーンの様にリサーチデータを基に候補者一人ひとりに合わせたストーリーで口説けるようになることもリクルーターとして重要なスキルの1つであり、そのためにはいくつかのソリューションを使いこなすことも必要だろう。

アイデアを持ち込むと実動プロトタイプを作ってくれるGigster、あなたはデベロッパ管理の悪夢から解放される

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技術はなくても、アイデアと少々のお金だけあれば、あなたが構想しているスタートアップの完全なアプリケーションを作ってくれるのがGigsterだ。今日(米国時間7/22)ローンチしたGigsterは“フルサービスの開発ショップを自称し、ユーザ自身が、これはあの人、あれはあそこ、というように工程やチームを自分で編成しなくてもよい。

Gigsterのサイトへ行ったら、何を作りたいかを彼らにメッセージする。すると10分後に返事が来て、見積と納期が分かる。Gigsterに正式に発注したら、同社が優秀なフリーのプログラマやデザイナーたちを管理してあなたのプロダクトを作り、その後週に一回、ステータスを報告する。プロジェクトがあなたの手に渡った後も、Gigsterはコードをメンテナンスし、またアップグレードや新しい機能に関しては新たにお金を払うことになる。

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テクノロジ業界は慢性的に、大量の人材不足だ。できたてほやほやのスタートアップが、自力で優れたエンジニアを集めるのは、とても難しい。サンフランシスコのようなハブ的な都市に住んでいないと、なおさらだ。Gigsterは、起業家の貧しいふところに合わせて、MVP(minimum viable product, 機能・性能をなんとか評価できる最低限の製品)を安上がりに作ってくれるから、あなたはそれをぶら下げて歩きまわり、投資家を探しまくろう。

同社はY Combinator出身で、250万ドルをGreylock Partners、Bloomberg Beta、Felicis Ventures、それにAngelListのNaval RavikantやFacebook MessengerのStan Chudnovsky、TwitchのEmmit Shearといった高名なエンジェルたちから支援された。しかしコミュニティの信頼をまず築かなければならないGigsterは、今後数週間、激安で仕事をしてくれるから、あなたが夢の実現に向けて踏み出す、良いチャンスだ。

ここに手強い難問がある

Gigsterの協同ファウンダRoger Dickeyは語る、“プログラミングは小学校のころからやっている。週に2〜3回、新しいプロジェクトをフロッピーディスクに入れて学校へ持っていった”。このように、子どものころからラピッドプロトタイピングが好きだったDickeyは、その後Curiosoftという会社を作り、Facebookアプリを19も作った(その会社は2008年にZyngaが買収)。Zyngaの社員時代の彼は、ヒット作Mafia Warsを作り、そして2011年に投資家として独立した。

昨年Dickeyは、15のアイデアの中から勝者(投資対象)を決めようとしてプロトタイプ作りに励んだ。そのとき彼は開発をアウトソースすることの難しさを悟った。oDeskやElance(今のUpwork)のような人材マーケットプレースへ行くと、そこには何千人ものデベロッパがいて、ビッドする機会を待っている。しかも彼らの能力の保証はないし、仕事のクォリティーも玉石混交だ。

[Gigsterの作例]

Built On Gigster

Gigsterで制作

Dickeyと協同ファウンダのDebo OlaosebikanがoDeskを試したときには、同じプロジェクトに対して最安では22ドルのビッドがあり、そして最高額としては50000ドルのビッドもあった。最大の問題は、こんな事態になった場合でも、デベロッパに対する管理責任は100%、バイヤーにあることだ。それはおそろしく困難であり、時間を浪費する。アウトソーシングはワークロードを軽くしてくれるはずだが、逆に重くなってしまう。CrewToptalではフリーランスの人たちに対する事前評価ができるが、管理という難問は他と同じだ。

優秀なフリーランスを確保

Gigsterはこの問題を、“起用したスタッフ〜チームの中に必ずプロジェクトマネージャがいる”、という形で解決した。デベロッパの管理はすべて彼/彼女が担当し、彼/彼女をGigsterとの唯一の接点にする。進捗が遅いという報告を受けたGigsterは、デベロッパを増員、または有能なデベロッパへの入れ替えをする。そして、納期を守らせる。

同社は、牛乳の表面に薄く浮いてくる美味しいクリームのような、トップクラスの人材しか起用しない。Gigsterに応募してくるフリーランスのわずか7.7%しか、同社は受け入れない。そのギグスター(≒ロックスター)たちは、今GoogleやStripeなどにいて個人的なサイドプロジェクトを求めている人や、MITやCalTechの学生だがビール代が欲しい人、運転資金を稼ぐためのバイトを探しているスタートアップのファウンダ、といった人たちだ。

彼ら自身はビッドをやらなくてよいし、またバイヤーと直接コミュニケーションして苛立つ必要もない。彼らはGigsterのPM(プロジェクトマネージャ)から指示をもらって、それを作るだけだ。一人の学生が一つのプロジェクトを週末の二日間の徹夜で作って1万ドルを稼ぐ…これが典型的な例だ。

Gigsters

Dickeyはこう説明する:

“たとえば、ピザ配達のUberを作りたい人がいる、としよう。その人はまず、Gitsterの窓口であるセールスエンジニアに、詳しい話を聞かれる。‘配達はどうやるのかね?’、とか、‘車両は自前か、それとも配車サービスを利用するのか?’、とか、‘お客に正確な待ち時間を伝える必要はあるのか?’、とかね。それから予算と制作スケジュールを計算して伝える。その人はStripeで支払う。それから、その人のためのアルゴリズムと人間を集める。どのプロジェクトにも、プロジェクトマネージャが一人いる。そして一人以上のエンジニアと一人のUX/UIデザイナーがいる。チームは仕事を開始し、各週にアップデートを提供する。”

Gigsterはエンジニアリングを提供するだけで、デザインはしない。できあがったプロジェクトには簡素で機能的なUIがついているが、デザインに凝りたい人は自分で探すか、またはGigsterに誰かを紹介してもらう。

Gigsterは、信用を築くことも課題だ。IBMやInfosysが大量のアウトソーシングを常時受注しているのも、彼らに対し不安を抱く顧客がいないからだ。まだ若いGigsterも、デベロッパ管理の頭痛がなくなるだけでもお金を払う価値があることを、人びとに納得させなければならない。

[Gigsterの作例]

Speakertext

Gigsterで制作

Pivotal LabsはGigsterの大敵のようにも見えるが、でもあっちは企業が対象だし、シリーズB以降のスタートアップが相手だ。Pivotalは、エンジニアを客先に派遣している。でもそのために、仕事がなくてもエンジニアを社員として抱えるので、結局高くつく。

Gigsterは小さなスタートアップやプロダクトが対象だ。フリーランスのネットワークも利用はオンデマンドだから、実際にプロジェクトをやっていないときには、一銭も払わなくてよい。GigsterをデベロッパのUberにたとえるなら、Pivotalはお抱え運転手を雇うことに相当する。

昨年、15のアプリケーションを自分で単価10000から15000ドルくらいで作るつもりだったDickeyは、結局それをせずに、Gigsterの準備で100万ドルぐらい使ってしまった。そして今の彼は、ソフトウェア開発につきもののギクシャクを、みんなのために解決しよう、という意欲に燃えている。“アウトソーシング”は、もっと健康的な言葉であるべきなのだ。

Gigsterの利用は今後数週間は料金が割引される。

〔訳注: この記事は原文のコメントを読むことを、おすすめします。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プログラマのアウトソーシングに応えるCodersClanが$820Kを調達…今では大きなプロジェクトでも大丈夫

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CodersClanは、小規模なコーディングタスクを簡単にアウトソーシングするためのマーケットプレースとしてスタートした。しかし今では、開発プロジェクトのまるまる全体のコーディングを同社にリクエストできる。そのCodersClanが、82万ドルの事業拡大資金を獲得したことを発表した。このシードラウンドの投資家は、CrunchFund(本誌TechCrunchのファウンダMichael Arringtonがファウンダ)、Entree Capital(Meerkatにも投資している)、Kima Ventures、それにWixやQuixeyやClarityRayのファウンダたち、インキュベータUpWest LabsThe Junctionだ。

テルアビブに本社のある同社は現在、約6000名のプログラマを抱えている。同社のファウンダたちは、自分たちのアウトソーシング経験から同社を起業するアイデアを得た。そのときは自分たちの小さなスタートアップのために、ある小さな問題を簡単に解決できるコードが必要だった。今だったらStackOverflowなどのフォーラムで質問すれば、誰かが必ず答えてくれるが、当時はちょっとしたコーディングの問題を解決するための、信頼できる場がどこにもなかった。

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CodersClanのようなサービスは、抱えているプログラマの質で良し悪しが決まる。そこで同社は、StackOverflowにおける評判や、GitHub、LinkedInなどのプロフィールから、プログラマを‘審査’する。そして合格となれば、それらの情報に基づいて、顧客のニーズにいちばん合ってると思われるプログラマを起用する。そのコーダーディスパッチャーシステムは、自動化されている。顧客が技術屋でないことも多いので、プログラマと顧客とのコミュニケーションをCodersClan自身がきめ細かく仲立ちする。

CoderClanはJira、Trello、Asanaなどのツールを統合しているので、技術力のある顧客は自分が使っているプラットホームの中から自分のプロジェクトを管理できる。初期のCodersClanは小さなタスクに限定していたので、シリアスなビッグプロジェクトを依頼されることはなかった。でも今では、デベロッパたちはTrelloのようなツールを使って、アウトソーシングで集めたプログラマたちのチームを管理できるから、大きなプロジェクトでも十分に任せられる。

同社のサービスには、今では世界中からの需要がある。いちばん多い仕事はRailsやPHP、Node.js、WordPressなどを使うWebの開発だが、最近ではiOSやAndroidのアプリケーションも増えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa