「テスターのためのAWS」構築を目指すLambdaTestが55.2億円を調達

ウェブ開発者は何百ものタスクを実行しなければならないが、それらを自分のマシンで実行することができる。しかし、開発会社が(大規模に)同様の活動を行う場合には、ローカルにタスクを実行するために必要なコンピューティングパワーをいつでも自由に確保できるとは限らないし、日頃から持っていたいとも思わないものだ。

「開発者やその会社が、普通なら4〜5時間かかる作業を10分に短縮できるようなプラットフォームを、構築できるでしょうか?」とAsad Khan(アサド・カーン)氏はいう。

カーン氏は10年かけてこの問題を解決しようと努力を重ねてきた。彼は、最新のベンチャー企業であるLambaTest(ラムダテスト)で、そのソリューションを製品化した。

創業4年のスタートアップである同社のクラウドベースのサービスを利用することで、ユーザーは自分のウェブサイトやアプリを、ブラウザー、OS、デバイス、そしてそれらの異なるバリエーションの3000種類以上の組み合わせでテストすることができる。

彼はTechCrunchのインタビューに対して「テスターのためのAWSを構築しました」と語っている。「私たちは単なるテストツール企業ではなく、開発者があらゆる言語やフレームワークで書かれたあらゆる種類のテストを実行できるようなエコシステムを実現する会社です。このプラットフォームは、いつでもどこからでも、どんな規模のタスクでも実行できるようにします」。

そして、急成長するスタートアップにはありがちだが、LambdaTestの有効性は、投資家の関心を集めている。

インド時間3月29日には、Premji Investが主導するシリーズC資金調達ラウンドで4500万ドル(約55億2000万円)を調達したことを発表した。既存の投資家であるSequoia Capital India、Telstra Ventures、Blume Ventures、Leo Capitalに加え、ソフトウェアテスト会社Tricentis(トリセンティス)の元最高経営責任者Sandeep Johri(サンディープ・ジョリ)氏も参加し、スタートアップのこれまでの資金調達額は7000万ドル(約85億7000万円)に達した。

LambdaTestによれば、現在130カ国で500社以上の企業、100万人の開発者とテスターが同社のプラットフォームを利用しているという。またこれを使った同社の顧客は1億回以上のテストを実施し、市場投入までの時間を95%短縮し、リリースの生産性を62%向上させ、ローンチ前に67%の問題を特定することに成功したという。LambdaTestのホームページには、Microsoft(マイクロソフト)、Apple(アップル)、Xerox(ゼロックス)、Postman(ポストマン)、Yale(イエール)、Directi(ディレクティ)などの顧客が名を連ねている。

カーン氏は、このパンデミックも、多くの潜在顧客をLambdaTestに引きつける上で重要な役割を果たしたのだという。スタートアップは2021年、ビジネスを300%成長させたという。

カーン氏はいう「私たちは、テストのオーケストレーションと実行に関して、開発者とQAチームの仕事をより簡単にすることに強い重点を置いています。ほんの数カ月前、私たちは、企業がエンド・ツー・エンドの自動テストを可能な限り最速で実行できるよう支援する、次世代スマートテストオーケストレーションプラットフォームのHyperExecute(ハイパーエクスキュート)をリリースしました。私たちは間もなく、テスト情報プラットフォームのTest-at-Scale(TAS)をローンチする予定です。すでにベータ版として運用中です。また、当社の中核となる実行プラットフォームの能力も継続的に強化しています」。

LambdaTestの提供するサービスの一部は、評価額40億ドル(約4901億6000万円)のスタートアップBrowserStack(ブラウザースタック)と競合している。競合の名前は挙げなかったが、カーン氏によれば、LambdaTestの製品ははるかに包括的であり、スケーリングに対するアプローチもユニークだという(一方、BrowserStack側は確かにLambdaTestをライバルと見ているようだ。例えばLambdaTestをGoogleで検索すると、先週はBrowserStackがスポンサーリンクとしてトップに表示された)。

同社は今後、提供するサービスをさらに拡大し、従業員数も増やしていく予定だ。現在、インドと米国を中心に約250人の従業員が働いている。今回の資金調達で、カーン氏はベイエリアでのチーム拡大を積極的に進めるという。

Premji InvestのパートナーであるAtul Gupta(アトゥルグプタ)氏は声明の中で「LambdaTestは、コスト効率と拡張性に優れたソリューションを提供することで、企業がテスト実行をオーケストレーションできるよう支援するとともに、既存のインフラに対する追加を行うことなくコントロール性を向上させます。彼らは、テスト実行のスピード、信頼性、パフォーマンスの境界を押し広げているのです。テスト実行のあり方を変えようとする、この超野心的なLambdaTestチームと協力できることをうれしく思います」と語っている。

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)

アマゾン、マイクロソフト、グーグルの3社がロシアでのクラウド販売を停止

ウクライナでの戦争が続く中、Exxon(エクソン)、Visa(ビザ)、McDonald’s(マクドナルド)、Coca-Cola(コカ・コーラ)などさまざまな企業がロシアでの販売を停止している。Adobe(アドビ)、Apple(アップル)、PayPal(ペイパル)といったテック企業も、ここ数週間のうちにこれに加わっている。

我々はAmazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)、IBM、Cloudflare(クラウドフレア)といった世界トップクラスのクラウドインフラストラクチャベンダーに、ロシアのウクライナ攻撃に対する各社の対応を問い合わせた。各社とも、公開ブログ記事をそのまま伝えたいメッセージとして共有したが、Google Cloudだけは例外で、自社の立場を表明する簡単な声明をTechCrunchに送っている。

AWSは3月4日のブログ記事で、ロシアに同社のデータセンターはなく、方針としてロシア政府とは取引していないことを示した。また、ロシアの顧客はいるが、いずれも本社はロシア国外にあるとし、販売停止には至らなかったと述べていた。しかし3月8日、同社はブログ記事を更新し「ロシアとベラルーシにおけるAWSの新規サインアップを停止した」と変更した。

Microsoftもロシア向けの販売停止という措置をとった。「本日、ロシアにおけるMicrosoftの製品およびサービスの新規販売をすべて停止することを発表します」と、Brad Smith(ブラッド・スミス)氏はこの措置を発表した3月4日のブログ記事で書いている。その中にはAzureのインフラサービスも含まれていると思われる。

3大クラウドインフラベンダーの最後を飾るGoogleについては「現時点では、ロシアではGoogle Cloudの新規顧客を受け入れていないことが確認できています。引き続き、動向を注視していきます」と述べている。

IBMも同様の立場をとっており、Arvind Krishna(アルヴィンド・クリシュナ)CEOが書いた3月7日のブログ記事で、ロシアでの販売を停止することを発表している。「先週のウクライナ戦争に関する発表に対し、多くの方からご意見をいただきました。まず、はっきりと申し上げておきたいのは、当社はロシアでのビジネスをすべて停止したということです」とクリシュナ氏は投稿の中で述べた。

Cloudflareは純粋なクラウドインフラベンダーではなく、ロシアやウクライナを含む世界中の数百のデータセンターを通じて、安全なインターネットアクセスの提供を支援している。インターネットプロバイダーである同社は、ロシアでのサービス停止を求める声がある中で、同国でのインターネットを維持することが重要だと考えている。

「さらに、ロシア国内におけるCloudflareの全サービスを停止するよう求める声も複数寄せられています。当社はこれらの要請を慎重に検討し、政府や市民社会の専門家と議論を行いました。それらの専門家と協議した結果、ロシアに必要なのはインターネットアクセスの拡大であって、縮小ではないというのが我々の結論です」と同社はブログで書いている

今週発表されたIDCのレポートによると、これらの措置をとるクラウド企業が受ける経済的影響は、おそらくわずかなものであろうということは注目すべき点だ。「IDCは、ロシアとウクライナのICT支出が急減し、ゆっくりと回復すると予測していますが、この減少による世界的な影響は幾分限定されています。この2カ国を合わせても、欧州の全ICT支出の5.5%、世界の1%を占めるに過ぎません」と同社は報告している。

画像クレジット:Ralwel / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Den Nakano)

GVA TECHがAI契約審査クラウドGVA assistの条文検索機能リニューアル、結果表示高速化・ファイル名での条文検索に対応

リーガルテックサービスの開発・運営を行うGVA TECHは2月9日、AI契約審査クラウド「GVA assist」(ジーヴァアシスト)において、条文検索機能の高速化やファイル名での条文検索が行えるようリニューアルしたことを発表した。契約審査において法務担当者が煩わしさを覚えていた作業を従来以上にスピーディに行え、審査業務全体の効率化に貢献できるとのこと。

GVA assistは、契約審査に関するノウハウを集約した「プレイブック」を基に契約書審査作業の補助するクラウドサービス。このプレイブックは、GVA TECH所属弁護士が作成・監修した200種類以上の「GVAプレイブック」と、ユーザー独自の契約審査ノウハウをまとめた「自社プレイブック」で構成されている。

これらプレイブックを通じたリスク把握・修正例・譲歩案などの活用をはじめ、条番号ずれ・表記揺れを一括修正する「形式チェック機能」、400種類以上の契約書ひな形をダウンロードできる「ドラフト機能」を利用可能。「○○社と締結した契約書の条文が欲しい」「△△のような参考条文がほしい」といった条文のキーワードを元にフリーワードで参考条文を探せる「条文検索機能」も採用している。契約書のドラフト作成からレビュー業務の効率化をアシストしてくれる。

ただ、従来の条文検索機能では「ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号で検索ができない」「検索結果が多く表示されすぎて該当の条文が見つけづらい」といった声が上がっていたという。今回のリニューアルでは、これら課題を解消した。

具体的なリニューアル内容

  • ファイル名に含まれている契約類型名や社名、案件番号も検索の対象に
  • 同じ内容の条文が複数表示されなくなり、欲しい条文が見つけやすくなった
  • 検索対象として、条文のみ検索・貯えた独自のノウハウを含めた検索を選択できる
  • 検索結果の表示速度が高速化(どのようなキーワードでもおよそ1秒以内)

2017年1月設立のGVA TECHは、法律とIT技術を組み合わせた事業を手がけるリーガルテック領域のスタートアップ。企業法務担当者や弁護士の支援のため、GVA assistはじめ「GVA法人登記」や「GVA登記簿取得」といったサービスを展開している。

Oktaのアクセス管理データからわかるクラウド利用のさらなる多様化

アクセス管理とアイデンティティ管理の大手Oktaが提供するクラウドアプリケーション / サービスの利用に関する2022年(2020年11月1日-2021年10月31日)の「Business at Work」リポート(第8巻)によると、ユーザーの多くは従来のように単一ベンダーに固執するのではなく、各種業務のための最良のサービスを選ぶようになっているという。

やはりMicrosoft Office 365は依然として最も人気のあるサービスで、2位はAWS、3位はGoogle Workspaceで、前年比38%増と急成長している。しかし興味深いことに、単一ベンダーに縛られないようにしたいという願いが表れておりOffice 365を利用している企業の38%がGoogle Workspaceも利用しており、45%がZoom、33%がSlackも利用している。

Microsoftには、Zoomのビデオ会議機能とSlackの内部コミュニケーション機能を担当するTeamsがあり、Google WorkspaceがOffice 365と直接ライバル関係にあることを考えると、たとえMicrosoftが同様のツールを提供していても、企業は納得のいく競合製品を選ぶだろうことということを示している(少なくともOktaのユーザーはそうするだろう)。

とはいえ、このレポートは、マルチクラウドの利用やベンダー主導からの脱却など、市場で以前から耳にしているトレンドを反映している。

このことは、急成長中のツール(Notion、TripActions、Postman、Keeper、Airtable、Fivetran、Gongなど)の多くがBusiness at Workレポートデビューを果たした理由を説明しているかもしれない。なお、Fivetranは9月に56億ドル(約6374億8000万円)の評価額で5億6500万ドル(約643億2000万円)を調達している。Gongは2021年6月、75億ドル(約8538億2000万円)の評価額で2億5000万ドル(約284億6000万円)を調達。Airtableは2021年3月に57億ドル(約6489億1000万円)の評価額で2億7000万ドル(約307億4000万円)を調達しており、これらの企業が(少なくともOktaの世界で)主流になりつつあると同時に、投資家の目にはその価値が急上昇していることを示している。これが偶然だとは考えにくい。

画像クレジット:Okta

AWSはクラウドインフラストラクチャ市場のトップだが、Oktaのデータでも同様で、ユーザーの32%がAWSを利用という数字はそのままAWSのマーケットシェアでもある。そもそもAWSは近年、毎年ほぼい3分の1というシェアを安定的に維持している。

クラウド市場のマルチクラウドへの移行を受けて、Oktaのユーザーも14%がマルチクラウド方式を実装している。14%は、市場全体の動向よりやや小さいかもしれないが、でも2017年の8%よりは大きい。しかし意外にも、単独で人気の高いインフラストラクチャベンダーであるAWSとGCPの組み合わせは2.6%と小さい。

クラウドはもちろん、米国だけの現象ではない。このレポートによると、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東などそれぞれで、さまざまなクラウドアプリケーション / サービスが使われている。その中で断トツはGoogle Workspaceで、APAC市場では前年比で68%伸びている。そしてSlackとZoomは、EMEA市場でそれぞれ49%と45%ユーザーが増えた。

画像クレジット:Okta

このレポートの対象となっているOktaのユーザーはおよそ1万4000、彼らが上記期間に使ったクラウド / モバイル / ウェブアプリケーションは7000種だ。もちろんこれは、クラウド利用の全体の数字ではない。しかしそれでも、今日の企業とその社員たちのクラウド利用の実態が伺える。

OktaのCEOであるTodd McKinnon(トッド・マッキノン)氏によると、同社はこのレポートのための小さな専門チームを作ってデータの収集や整理を行っているという。

「5、6人ほどで、さらにデータウェアハウスの担当者2人がクエリと分析をやっている。私とコンテンツとPRの担当が、何がおもしろいか、口出しをすることもあります。そしてもちろん、ここに登場するユーザー企業はすべて私たちのパートナーであるため、彼らの話も聞きます。彼ら自身も、このデータに関心を持っています」。

画像クレジット:sorbetto/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

まだ死んでいないよ、IBMの第4四半期における収益の伸びが加速

IBMが2021年第4四半期の決算を発表した。そのニュースは単に「良い」というものではなかった。ほぼ10年間、売上高がマイナス成長または低成長だった同社にとって、それはすばらしいものだった。IBMは、前年同期比6.5%増の167億ドル(約1兆9000億円)の売上を計上した(恒常為替レートベースでは8.6%増だ。ドル高により多くの企業が為替変動で対処している)。

この堅調な結果は、176億ドル(約2兆30億円)を少し上回る、はるかに控えめな0.3%の成長を記録した2021年第3四半期に続くものだ。そしてこの朗報は、同社が190億ドル(約2兆1625億円)のインフラストラクチャーサービス事業をスピンアウトした後にもたらされたものでもある。企業が大きな事業を失い、それがこんなに早く有利に働くというのは、少し直感に反するように思えるかもしれないが、それは、ほぼ完全にクラウドに集中すると判断したCEOのArvind Krishna(アルビンド・クリシュナ)氏の考えの大きな部分だったようだ。

関連記事:IBMがインフラサービス事業を「Kyndryl」として正式に分社化

同社が何年も低迷し、一時は22四半期連続で売上がマイナス成長するのを見てきた。前CEOのGinni Rometty(ジニ・ロメッティ)氏が2019年に社を去り、クリシュナ氏が就任したとき、同氏は今後変化が起こること、そして自身のビジョンに属さない事業を切り離すつもりであることを明らかにしている

その中には、Kyndryl (キンドリル)を切り離し、ロメッティ氏が大きな賭けに出て数十億ドル(数千億円)をかけて大きな事業に育て上げたWatson Health(ワトソン・ヘルス)部門の大部分を売却することも含まれていた。うまくいかなかったときにクリシュナ氏は損切りを恐れず、IBMは1月21日にWatson Health事業をFrancisco Partners(フランシスコ・パートナーズ)に売却したが、その額はロメッティ氏がこの部門につぎ込んだ資金をはるかに下回り、10億ドル(約1140億円)程度と報道されている。

関連記事:IBMが医療データ管理「Watson Health」事業の大半をFrancisco Partnersに売却

クリシュナ氏は現在、IBMが2018年に340億ドル(約3兆8690億円)で買収したRed Hat(レッドハット)を中心に会社を作りたいと明らかにしている。Red Hatの部門ハイブリッドクラウドの売上高は、第4四半期に前年同期比18%増の62億ドル(約7050億円)となり、同社が期待していたような収益成長だった。

クリシュナ氏は、目を見張るような成長ではなく、IBMのような成熟した企業に期待される、着実に前進する成長を求めていることを明らかにしており、もちろん毎四半期がマイナス成長というものは望んでいない。今回の決算では、まさに同社が着実な成長の道を歩んでいたように見える。

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2021年度は、3%、0.3%、6.5%と3四半期連続のプラス成長だ。これは、屋上から叫びたくなるような成長率ではないが、この由緒ある企業が切実に必要としているプラス傾向だ。

Moor Insight & Strategiesの創設者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は、今回の決算は少なくともIBMにとって良い兆候だと話す。「1つの良い四半期がトレンドを作るわけではありませんが、最低3つあればトレンドになると思います。近い将来、一桁台半ばの成長が見られると確信しています」

その他の明るい要素

ハイブリッドクラウドの売上高の伸びは、同社の第4四半期の成果のマトリックスから明らかに異常値だったが、考慮に値する他の明るい要素もあった。ソフトウェアの売上高は8%(恒常為替レートでは10%)増え、コンサルティング関連の売上高は13%(恒常為替レートでは16%)と大幅な伸びを記録した。

全般的に好調な結果を受けて、利益も好調だった。粗利益は95億ドル(約1兆810億円)で、2.5%の微増となった。しかし、純利益は29億ドル(約3300億円)と、税引き前ベースで183%増という衝撃的な数字となった。税引き後の利益は25億ドル(約2840億円)で、前年同期比で107%増とやや控えめな伸びとなった。

簡単に言えば、IBMのビジネスは依然として非常に儲けの多いものであるということだ。そして、何年もボリューム(売上)ベースで停滞し、減少してきた後、ようやく一連の成長を実現しただけでなく、直近の四半期ではかなり堅調に売上高を伸ばすことができた。

IBMがこれほど長く生き延びたのは偶然ではなく、おそらく我々はもっと信頼すべきだったのだろう。しかし、マイナス成長という壮絶な経過は、かなり強力な疑心暗鬼の集団を生み出した。少なくとも投資家は感心しており、時間外取引でIBMの株価は急上昇している。

同社は2022年もこの成長を繰り返せるだろうか。そうであれば、本当にカムバックといえるだろう。

画像クレジット:Sean Gallup

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(文:Ron Miller、Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

リモートワークとクラウドの大量導入で1Passwordが約706億円の特大資金獲得、評価額約7740億円に

パスワード管理プラットフォームの1Passwordが6億2000万ドル(約705億7000万円)という巨額のシリーズCを終え、68億ドル(約7739億5000万円)の評価額となった。

この投資をリードしたのはIconiq Growthで、Tiger GlobalやLightspeed Venture Partners、Backbone Angels、そして同社の2億ドル(約227億6000万円)のシリーズA1億ドル(約113億8000万円)のシリーズBをリードしたAccelが参加した。その他の投資家としてCrowdStrikeのCEOであるGeorge Kurtz(ジョージ・カーツ)氏やGeneral MotorsのCEOであるMary Barry(メアリー・バリー)氏、そしてLinkedInの会長Jeff Weiner(ジェフ・ワイナー)氏らも参加した。また、このラウンドでは個人投資家のRyan Reynolds(ライアン・レイノルズ)氏やRobert Downey Jr.(ロバート・ダウニー・Jr.)氏、そしてJustin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏らからの投資もあった。

この特大のラウンドは、1Passwordのこの1年間の目覚ましい成長の結果によるものだ。同社はTechCrunchに、2021年7月のシリーズB調達以来、有料ビジネス顧客ベースが9万人から10万人以上に増え、Datadog、Intercom、Snowflakeなどの大企業加入者を加え、社内従業員数を475人から570人に増えたと述べている。この背景には、リモートワークやハイブリッドワークの継続、クラウドアプリの急速な普及、仕事による燃え尽き症候群の加速という3つの要因があると同社はいう。

同社によると、後者の点は特に懸念すべきサイバーセキュリティの脅威となりつつあるという。オフィスワーカーの80%、セキュリティ専門家の84%が、パンデミックの結果、燃え尽きたと感じており、12%が結果的に職場のすべてのものに同じパスワードまたはほんの数種のパスワードを使っていることが判明しているという。

「ストレスや燃え尽き症候群があると、2つのことが起こることがわかっています。まず、人は簡単な方法を探します。過労になると、セキュリティを後回しにするようになるのです。ストレスと燃え尽き症候群のもう1つの副作用は、変化したいという願望であり、それは大量辞職が起こります。IT部門が認識していないアプリやサービスを持ち出すことになるので、セキュリティの問題につながります」と1PasswordのCEOであるJeff Shiner(ジェフ・シャイナー)氏はいう。

1Passwordは、今回調達した資金を継続的な成長のために使用する。同社は、エンジニアリングおよびカスタマーサポートチームを3倍に増やし、サインインの成功と失敗を可視化する、ビジネスに焦点を当てたイベントAPI機能を構築し、さらに買収資金を調達する予定だという。

「戦略的買収を検討しています」とシャイナー氏はいう。「私たちは2021年にSecret Hubを買収しましたが、今後も買収を検討し、それらが私たちのミッションと目標の達成にどのように役立つかを検討していきます」。

最終的に、シリーズCの資金調達ラウンドで1Passwordにかなりの資金が提供されたが、Shiner氏は同社には「まだ」イグジットの計画はないという。

シャイナー氏にとって「資金は、これから大きなことをやろうとするときの安心材料」になるという。

関連記事:企業の秘密を「マシン・ツー・マシン」で保護する1Passwordが110億円調達、約2180億円の評価額に

画像クレジット:Boris Zhitkov/Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Hiroshi Iwatani)

イスラエルのクラウドデータセキュリティ企業Eurekaが約9.2億円を調達しステルス状態から脱却

テルアビブを拠点とするスタートアップで、さまざまなデータストアのセキュリティリスクを管理するためのツールを企業に提供しているEurekaは、米国時間1月12日、YL Venturesが主導する800万ドル(約9億1700万円)のシードラウンドを実施したことを発表した。

同社は、Palo Alto Networks(パロアルトネットワークス)でプロダクトマネジメント担当副社長を務めていたLiat Hayun(リアット・ハユン)CEOと、Microsoft(マイクロソフト)およびPalo Alto Networksでエンジニアリング担当ディレクターを務めた経験のあるAsaf Weiss(アサフ・ヴァイス)CTOによって設立された。両氏はこれらの企業に在籍していたとき、企業がますます多くのデータをより幅広いクラウドやサービスに分散して蓄積していることから、より優れたクラウドデータセキュリティおよび管理ツールの必要性を感じていたという。

「データは、企業の経営や競争力を支える貴重な資産です。しかし今では、企業のセキュリティ担当者が管理できる範囲をはるかに超えており、漏洩や紛失、悪意ある行為者による破壊や流出のリスクにさらされています」とハユン氏は語る。

クラウドへの移行がなかなか進んでいなかったり、機密データが最後に移行するアセットであったりすることから、多くの企業が今になってこの問題の大きさに気づいていると彼女は指摘する。

そこでEurekaは、企業のシステムに接続されているすべてのクラウドデータストアを把握し、アクセスポリシーの管理、設定上の問題やポリシー違反の発見を支援することを目指している。多くの企業はデータ保護に関する考え方を明確に持っているが、独自の設定や機能を持つさまざまなデータストアにそれらのポリシーを実装することは、しばしば困難をともなう。

「セキュリティ担当者に特に好評なのは、Eurekaのポリシー変換エンジンです」とハユン氏は説明する。「このエンジンはプライバシー、リスク、コンプライアンス、セキュリティに関するデータ保護ポリシーを、各クラウドデータストアに実装可能なプラットフォーム固有のコントロールに自動的に変換します。これらの変換結果は特にデータストアごとに異なるため、現在、一方を他方に変換することは非常に難しくなっています」。

同社のチームは、Imperva(インパーバ)やIBMなどの競合他社の製品はほとんどがオンプレミスのアプローチをクラウドネイティブな問題に適用しようとしており、一方でプラットフォーム固有のソリューションは、データ環境間のアクセス管理という大きな問題に対処できていないと考えているとのこと。

YL VenturesのパートナーであるJohn Brennan(ジョン・ブレナン)氏はこう述べている。「リアット(・ハユン)とアサフ(・ヴァイス)は、セキュリティリーダーが必要とする運用力をビジネス上の利益に支障をきたさないように提供することで、今後数年間でまったく新しい種類のデジタルトランスフォーメーションを先導していくことでしょう。彼らは、企業が望むあらゆるクラウドデータストアの活用を可能にする一方で、セキュリティチームが組織のクラウドフットプリント全体に対する完全な可視性と理解を維持し、必要に応じてポリシーを容易に進化・管理できるようにしています」。

画像クレジット:Eureka/Eric Sultan

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

AWSがより早いメインフレームの移行とモダナイゼーションのための新ソリューションを発表

米国時間11月30日朝に開催されたAmazon(アマゾン)のカンファレンス「AWS re:Invent」で、同社はメインフレームの移行とモダナイゼーションのための、シンプルな名称の新プラットフォーム「AWS Mainframe Modernization」を発表した。

同社のユーザーは本日から、メインフレームから移行するために、いくつかの異なる方法を取ることができる。それは「リフト&シフト」アプローチでアプリケーションをほぼそのまま持ってくるか、リファクタリングを行ってクラウド上でアプリケーションをマイクロサービスとして分解するかだ。しかし、どちらの方法もそう簡単ではなく、アプリケーションのソースコードの複雑さを評価し、他のシステムとの依存関係を理解し、コードを変換またはリコンパイルし、さらにすべてが動作するかどうかをテストしなければならないため、プロセスが完了するまでに数カ月から数年かかることもある。

「これは非常に面倒な作業であり、多くの要素が絡み合っています」とAWSのCEOであるAdam Selipsky(アダム・セリプスキー)氏は会見で述べた。「また、AWSパートナーが移行を支援してくれるとはいえ、長い時間がかかることもあります」と付け加えた。

新しいソリューションの「AWS Mainframe Modernization」では、その代わりにAWS上でメインフレームアプリケーションの移行、モダナイゼーション、作動をより迅速に行うことができる。同社は、一連の開発、テスト、展開ツールとメインフレーム互換のランタイム環境を用いて、メインフレームのワークロードをクラウドに移行するのにかかる時間を最大で3分の2に短縮できる、としている。また、このソリューションでは、顧客がメインフレームアプリケーションの準備状況を評価・分析した上で、再プラットフォーム化とリファクタリングのどちらの方法を取るかを選択し、計画を立てることができる。

再プラットフォーム化したい場合、Mainframe Modernizationソリューションは、コードを変換するためのコンパイラと、変換中に機能が失われていないことを確認するためのテストサービスを提供する。アプリケーションのリファクタリングや分解をしたい場合、例えばコンポーネントをEC2やコンテナ、Lambdaで実行できる場合は、Mainframe Modernizationソリューションを使用して、COBOLコードを自動的にJavaに変換することができる。Migration Hubでは、複数のAWSパートナーやソリューションにわたる移行の進捗状況を1カ所で追跡することができる。

Amazonはこのシステムを、セキュリティと高可用性、スケーラビリティ、弾力性を提供する、機敏でコスト効率の高い(オンデマンドの従量制リソースによる)管理されたサービスだとアピールしている。


画像クレジット:Ron Miller

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

AWSの新CEOアダム・セリプスキー氏は「re:Invent」で何を発表するのだろうか?11月29日開催

1年で最も魅惑的な時期がやってくる。いや、これから始まるホリデーシーズンのことではない。来週から始まる、AWSの年に一度のユーザー向け祭典「re:Invent」のことだ。このカンファレンスは、新機能や新製品が大量に発表される、毎回ニュースの多いイベントだ。AWSにとっては、プレス、顧客、パートナー、その他の関係者を集めてラスベガスでパーティーを行うときでもある。2021年は新たな趣向が凝らされている。

2020年は新型コロナウイルスの影響でバーチャルイベントとして開催されたが、2021年はラスベガスに戻ってきたことに加え、新CEOのAdam Selipsky (アダム・セリプスキー)氏が指揮を執る初めてのre:Inventとる。

セリプスキー氏は、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏がAmazon(アマゾン)CEOを退任して取締役会長に就くことを発表し、ベゾス氏の後任として元AWS CEOのAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏がAmazon CEOに昇格した後、2021年初めにTableau(タブロー)からやってきてAWSの新CEOに着任した。

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経営陣のイス取りゲームがひと段落し、セリプスキー氏は今回のre:Inventでメインの基調講演を行うことになったが、彼が前任者の後釜を務めるのは大変だろう。ジャシー氏には、自分の会社の膨大な製品カタログを頭の中で整理し、それらすべてがどのようにつながっているのかを、即興のように語れるという不思議な能力があった。同じようなことをするのは容易ではない。

しかし、ジャシー氏は、Tableauの元幹部が自分の後継者になることを従業員に知らせるメールで、セリプスキー氏には彼自身の個人的な強みがあることを指摘している。

「アダムは、強い判断力、顧客中心主義、チームビルディング、需要創出、そしてCEOとしての技能を、すでに非常に強力なAWSの首脳陣にもたらすことになります。また、彼はかつてAWSで11年間、このような上級職に就いていたため、当社の企業文化とビジネスをよく理解しています」。

それは確かにすべて事実であり、彼が現在引き継いで運営している会社は、しっかりと市場を支配しているが、このような成功にもかかわらず、セリプスキー氏はAWSに自身の印を押し、ビジネスのやり方に手を加える準備を整えている可能性を示す徴候も見られる。

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例えば、先週Bloomberg(ブルームバーグ)が報じたところによると、セリプスキー氏はMicrosoft(マイクロソフト)やGoogle(グーグル)のクラウド作戦帳を参考にして、業界に特化したソリューションにもっと集中しようと考えているという。ジャシー氏の支配下では、このような戦略を避け、より総合的なアプローチを好み、具体的な対応はパートナーに任せるというやり方を採っていた。

セリプスキー氏は、TableauがSalesforce(セールスフォース)に買収された後、短期間在籍したSalesforceが業界主導のソリューションアプローチを好んでいたことから、AWSにとってもこれが良い方法であると確信したのかもしれない。しかし、それ以上に、彼が自分の指揮下でAWSを変えるつもりかどうかは明らかにしていない。もしかしたら来週には何かを変えようとするかもしれないし、あるいはまだ壊れていないもの、直す必要のないものを見極めているのかもしれない。

セリプスキー氏へのアドバイスを求めると、業界関係者の中にはすぐに答えてくれる人がいた。

Constellation Research(コンステレーション・リサーチ)のアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏によれば、セリプスキー氏にまず最初にアドバイスしたいことは、AWSの増え続ける製品群を、よりシンプルで範囲を絞ったカタログに縮小することだという。「CTOたちは、開発者の創意工夫に頼らざるを得ないようなソリューションを避け、バージョン番号やロードマップが点と点を結ぶプラットフォームを提供しようとしています」と、ミューラーは語る。

第2に、ミューラー氏はクラウドの販売に関して、より企業に優しいアプローチをとること、つまりGoogleやマイクロソフト、あるいはIBMやOracle(オラクル)に寄せるやり方を提案している。同氏はさらに、Googleが行ってきたように、経験豊富な企業幹部をできれば採用することを提案し、特に、2018年にOracleから来たThomas Kurian(トーマス・クリアン)CEOや、2019年にSAPからグローバルクラウドオペレーションの社長として着任したRobert Enslin(ロバート・エンズリン)氏などの名前を例として挙げた。

Moor Insights & Strategy(ムーア・インサイツ&ストラテジー)の創業者で主席アナリストのPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は、いくつか異なる提言をしている。同氏は、Googleやマイクロソフト、Adobe(アドビ)などに対抗するために、スタックを上げてより多くのSaaSアプリケーションの開発に着手することを提案。さらに、競合他社が主導権を握ろうとしているハイブリッドにも進出して欲しいと考えている。

とはいえ、現在でもAWSは絶大な成功を収めており、直近の四半期報告書では161億ドル(約1兆8500億円)もの収益を計上している。しかし、セリプスキー氏自身は先週、BloombergのEmily Chang(エミリー・チャン)氏によるインタビューで、このような優れた競合他社が自分の会社を追いかけてきている中で、この成功がいつまでも続くと期待して安穏としているわけにはいかないと語っている。

「自分たちが反乱軍であるかのような行動を続け、現職者のような行動を始めないようにすることが本当に重要です」と、セリプスキー氏はチャン氏に語った。

それはともかく、今回のre:Inventで、セリプスキー氏はAWSの顔として初めての出番を迎え、メインの基調講演を行う。ジャシー氏の直属とはいえ、セリプスキー氏は彼自身で、この収益性の高い部門を成長させ続けるために何が重要だと考えているかを強調するだろう。それが何か大きな変化をともなうかどうかは、来週になればわかるはずだ。

画像クレジット:Ron Miller/TechCrunch

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

OSSクラウド可視化サービスの商用化を進めるAutoCloudが約4.6億円を調達

AutoCloud(オートクラウド)は、米国時間11月22日、400万ドル(約4億5900万円)のシードラウンドを発表した。Animo Ventures(アニモ・ベンチャーズ)がリードし、Uncorrelated Ventures(アンコリレイテッド・ベンチャーズ)B Capital Group(Bキャピタル・グループ)Moxxie Ventures(モクシー・ベンチャーズ)が参加している。

AutoCloudは、CloudGraph(クラウドグラフ)オープンソースプロジェクトの商用版だ。オープンソース(OSS)と商用のハイブリッドな組み合わせは、市場を攻めるスタートアップの手法としてますます人気が高まっている。Hashicorp(ハシコープ)は最近、そのOSSコアの強みを部分的に活かして上場した。Jina.ai(ジーナアイ)は、ニューラル検索への商業的かつオープンソースのアプローチで3000万ドル(約34億4600万円)の資金調達を発表したが、これはさらにアーリーステージでの例である。

CloudGraphは、AWSやAzure(アズール)などの複数のクラウド事業者から利用データを取り込み、標準化し、GraphQL(「State of Javascript 2020」レポートによると、この技術自体が利用され、好意的な評価を受けている)を使ってクエリを可能にするOSSツールだ。

AutoCloudはCloudGraphの上に位置し、自動化されたデータ取り込み、セキュリティコンプライアンス、クラウドリソースのビジュアライゼーションを提供する。同社の共同設立者兼CEOであるTyson Kunovsky(タイソン・クノフスキー)氏は、TechCrunchに対し、同社の目標はHashicorpなどが行ってきたように、大規模なクラウドプラットフォームが苦手としている作業を回収し、その経験を改善することにあると述べている。

AutoCloudの創業チーム(画像クレジット:AutoCloud)

成功する可能性のあるすべてのOSSプロジェクトと同様に、その目標は、有用なものをオープンコードとして市場に提供し、一般に利用可能なものの上に商業ビジネスを構築することだ。AutoCloudの場合、それはSaaSモデルであり、トラッキングされた資産の数に応じて価格が設定されるようになっている。

同スタートアップは初期の段階にあるため、収益成長率や純ドル保持率など、従来の牽引力を示す指標がない。クノフスキー氏がTechCrunchに語ったところによると、彼の会社は主にCloudGraph自体に注力してきたが、OSSサービスの何百人ものユーザーがプロジェクトの「Readme」を通じてAutoCloudを見つけ、そのウェイティングリストに登録しているという。

AutoCloudは2021年末までに有料製品を発売する予定で、もうあと数週間だ。そのため、次に同社と話をするときには、収益の伸びや関連する指標について説くことができるだろう。

シカゴを拠点とするAutoCloudは、アルゼンチンやチリなど複数の地域にチームを置いているという点で、今日の一般的なスタートアップであるということは特筆すべきだ。

クノフスキー氏は、この会社に大きな情熱を持っている。AutoCloudは、クラウドのコマンドラインから、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)に変換したいと考えていると同氏は説明してくれた。それは簡単なことではない。

AutoCloudがマルチクラウドに対応していることを考えると、Amazon(アマゾン)やMicrosoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)のクラウドチームが直接市場に参入する可能性は低いと思われる。しかし、他のクラウド事業者がそのうちに参入してくるかもしれない。その時には、CloudGraphプロジェクトが単独でどれだけ強くなっているかが、AutoCloudがより多くの既存のテック企業に対抗できるかできないかの重要な決め手となるだろう。

いずれにしても、AutoCloudのラウンドをあなたのOSSスコアカードに加えてみて欲しい。次の四半期か2四半期に必然的に資金再調達をするときには、さらに追加して欲しい。

画像クレジット:AutoCloud

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Akihito Mizukoshi)

マイクロソフトが、サプライチェーンと製造業を近代化する新ツールを発表

新型コロナウイルス感染流行は、原材料の欠如や労働力の不足など、様々な理由で世界のサプライチェーンに大打撃を与えた。問題は依然として続いており、Microsoft(マイクロソフト)はサプライチェーンと製造業の近代化に、多大なリソースを投入することを決定した。

これらの問題に対処するために、同社は「Microsoft Cloud for Manufacturing(マイクロソフト・クラウド・フォー・マニュファクチャリング)」と呼ばれる新しい製造業向けソリューションと、「Dynamics 365 Supply Chain Insights(ダイナミクス365サプライチェーン・インサイト)」という、サプライチェーンのルート上で起こっていることをより可視化し、問題が発生したときに対処するためのインテリジェンスを提供するためのツールを発表した。米国時間11月2日に開催された「Microsoft Ignite(マイクロソフト・イグナイト)」で発表された両製品は、同日よりプレビュー版が提供されている。

マイクロソフトの製造・サプライチェーン担当VPを務めるCaglayan Arkan(カグラヤン・アルカン)氏によれば、同社はこれらの問題を企業が解決するのに役立つ方法を考えるのと同時に、製造業にとって課題となっている、よりデジタルに注力した企業への進化を支援する方法を考えてきたと述べている。

アルカン氏によると、この事態を調査したマイクロソフトは、新型コロナウイルスの圧力に直面した際に、持ち堪えることができない脆弱なシステムを目の当たりにしたという。「製造業やサプライチェーンは非常に確固とした状態にあり、非常に引き締まっています。おそらく引き締まり過ぎているのです。これらの業界では、非常に長いサイクルと手動でサイロ化されたデータの状態に大変満足してきました」。

新型コロナウイルス感染流行が起こるまで、製造業は何年もこの方法で仕事をしてきており、変える理由がなかったのだと、アルカン氏は付け加えた。「(新型コロナウイルス流行によって)すべてが止まりました。従業員を現場に送ることができなくなり、物資もそこにはありませんでした。サプライヤーの顔を見ることもできず、商品がどこにあるのかもわからず、大きな混乱に陥りました」と、アルカン氏は説明する。

マイクロソフトの製造業向けクラウドは、工場のデジタル化を支援し、従来の記録システムからアルカン氏の言う「現実のシステム」へ移行することによって、完全なデジタル化への道筋を提供する。

つまり、製造企業は、市場でどんな需要があるか、現場で何が生産されているか、世界で何が供給されているかをリンクさせて、全体像を把握できるようになる必要があり、それによって新型コロナウイルス流行の初期にトイレットペーパーやPPE(個人防護具)の需要が急増したときのような、不意打ちをくらわないようにすることができるということだ。

Cloud for Manufacturingは、このような徴候を収集し、追加の供給が必要になった場合には製造業者に警告を発するように設計されている。そしてSupply Chain Insightsツールは、サプライチェーンのルートをマッピングし、ボトルネックが発生する前に、主要な原材料の供給に影響を与える可能性のある問題を根絶するように設計されている。これらのツールを組み合わせることで、製造企業は俊敏性と柔軟性を向上させることができる。

Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Insights 画像クレジット:Microsoft

マイクロソフトは、これまで非常にゆっくりと近代化を進めてきたこの種の企業が、既存のシステムを引き剥がして取り替えたり、大規模なプロジェクトを抱えたりすることは望んでいないと理解している。アーカン氏が言うように、まずは1つのプロジェクトを成功させてから、次のプロジェクトに移る必要があり、アーカン氏によれば、このソリューションはそれができるように設計されているという。

しかも、それぞれのプロジェクトは互いに積み重なり、節約とイノベーションによって、次のプロジェクトの資金源になると、アーカン氏は言う。「デジタルトランスフォーメーションにおけるすべてのステップ、当社とのすべてのエンゲージメントは、次のプロジェクトに資金を追加するための経済的余裕を生み出します。なぜなら、当社のソリューションは、8~12週間のうちに、総収入や生産能力を増やしたり、コスト削減や品質向上をもたらすからです」と、アーカン氏は述べている。

これは大胆な約束ではあるが、もしマイクロソフトが本当にそれを実現できるなら、伝統的にこのような大きな変化を拒んできた企業にも、モダナイゼーションへの快適な道が開かれることになる。

マイクロソフトをはじめ、SAPやSalesforce(セールスフォース)などの大企業がこれらの本質的な問題を解決できれば、今日見られるようなサプライチェーンの問題が緩和される可能性がある。ソフトウェアだけでは、不足している原材料を魔法のように生産したり、物資の製造や配送のために十分な人員を雇用したりすることはできないが、将来におけるこのような危機を緩和するために役立つソリューションの一部となることはできる。

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画像クレジット:xPACIFICA / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Azureがカオスエンジニアリングツール「Chaos Studio」を発表

カオスに頼るのは健全なエンジニアリングの方法ではないように思えるかもしれない。しかしカオスエンジニアリングは急速に、現実の障害で複雑なシステムが試される前にテストをする標準的な方法になりつつある。Netflixのエンジニアリングチームが2012年にChaos Monkeyを開発し、これは今でもよく使われるツールの1つだ。米国時間11月2日、Microsoft Azureも同社プラットフォーム上でユーザーが利用できる同様のツール、Azure Chaos Studioを発表した。

AzureユーザーはChaos Studioを使って、自分のアプリにランダムな停止、極端なネットワークレイテンシー、シークレットの無効化、さらにはデータセンターの完全な停止などを発生させ、実際の障害時にアプリがどう反応するかを確かめることができる。こうしたことが発生した場合に何が起きるかの理論を構築し、それに応じて計画を立てる方法はある。しかし実際の動作を見るのは、また別の話だ。現在のデータセンターインフラストラクチャの複雑さを考えれば、どこかで発生した小さな障害が雪崩のように大きな問題となるのはあり得ることで、あなたが気づく前にプラットフォームは数日間ダウンしてしまう。

ちなみにAWSはFault Injection Simulatorで同様の機能をユーザーに提供している。人気のエンジニアリングのコンセプトで多く見られるようにこうした分野のスタートアップもあり、例えばGremlinはカオスエンジニアリングに特化したサービスを提供している。

画像クレジット:PM Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

元アップル社員が起ち上げたBild、クラウド上でのハードウェア設計の共有・共同作業を行うツールを提供

Apple(アップル)でハードウェアエンジニアリング・プログラムマネージャーを務めていたPradyut Paul(プラデュット・ポール)氏は、eメールやスプレッドシートといった旧式のツールを使ってハードウェア製品を構築・共有することの難しさを身をもって体験した。

設計が遅れたせいで何十万ドル(数千万円)もの費用をかけて迅速な出荷を行った後、ポール氏はハードウェアをより早く開発し、より多くの設計を検証するために、他のチームと連携するもっと良い方法があるはずだと考えた。

このようなコラボレーションをクラウドで行えるようになれば、組織全体のチームが設計プロセスをより簡単にレビューできるようになり、製品リリースのスピードアップにつながる。そのためにポール氏はアップルを退社し、2020年にCTOのAvinash Kunaparaju(アビナッシュ・クナパラジュ)氏、COOのDerrick Choi(デリック・チョイ)氏とともに、Bild(ビルド)を起ち上げた。

Bild共同創業者のプラデュット・ポール氏とアビナッシュ・クナパラジュ氏(画像クレジット:Bild)

「私たちは、エンゲージメントをクラウドに移行するというアイデアを思いつきました」と、ポール氏はTechCrunchに語った。「それは単なるやりとりではなく、非常に多くの関係者が関わり、受信箱が基本的にコミュニケーションの保管場所になります」。

同社は米国時間10月25日、シードラウンドで300万ドル(約3億4000万円)を調達したと発表した。この資金は、顧客獲得、セールス、マーケティングの分野でチームを強化し、新規ユーザーに向けたセルフサービス体験を構築するなど、製品開発を継続するために使われる。今回の資金調達は、Tola Capital(トラ・キャピタル)が主導し、Lux Capital(ラックス・キャピタル)、Shasta Ventures(シャスタ・ベンチャーズ)、Counterview Capital(カウンタービュー・キャピタル)、Frontier Ventures(フロンティア・ベンチャーズ)、Techstars(テックスターズ)が参加した。

ユーザーは、Bildのウェブベースのビューアを使って、3D CAD、ボードファイル、部品表、回路図、図面、シミュレーションデータなどを操作することができる。従来はこれを、スクリーンショットを共有したり、対面ミーティングでやっていた。

機械系エンジニアに特化したデザインレビュー管理や、ファイルの共同編集など、個々のペインポイントに取り組んでいる企業は他にもあるが、それらをすべて考慮に入れて、しかも会社全体で管理しているのはBildだけであると、ポール氏は確信している。

「別のチームに属している人々に、可視性を提供することは困難です」と、ポール氏は続ける。「私たちが注目していることの1つは、ハードウェアの将来性とソフトウェアとの連携をどのように強化し、両者がコラボレーションできる環境をどうやって作るかということです」。

これまでBildは、25社の企業を対象としたプライベートベータテストを行っていたが、今回の資金調達の発表に併せて、そのソフトウェアを一般にも公開した。初期の顧客の一部は有料顧客に変更されたが、価格戦略についてはまだ検討中であると、ポール氏は述べている。

Bildのコラボレーションツール(画像クレジット:Bild)

次に同社が取り組んでいることは、実際に見たときとコンピューター上で見たときのギャップを小さくするために、CADモデルをさまざまな視覚や方法で見せられるようにすることだ。

ハードウェア市場は500億ドル(約5兆7000億円)から700億ドル(約8兆円)規模の産業であり、まだデジタル化が進んでいないと、Tola CapitalのプリンシパルであるAkshay Bhushan(アクシャイ・ブーシャン)氏は述べている。

例えば、Autodesk(オートデスク)のような大企業は、これまでこの分野を壁で囲っていたが、リモートで働く人が増えたことにより、ハードウェアとソフトウェアが融合し始めていると、同氏は付け加えた。

「Bildは、すべてのエンジニアが抱えているであろう問題を解決し、ペインポイントを喜びに変えています」とブーシャン氏は語る。「プラデュットとアビナッシュは顧客志向で、顧客も認識しているこれらの問題を見据えていました。誰もが同じようなメールやプロセスのトラッキングに異なる名称を与えていましたが、Bildが行っていることに価値と機会を見出したのです」。

画像クレジット:Andrey Suslov / Getty Images

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)