クリエイターが所有するデジタルコミック、ニュースレター、IP管理プラットフォーム「Zestworld」

コミック界はインターネットが誕生して以来、デジタル革命を待ち望んでいたように思われる。2007 年に立ち上げられたComiXology(コミクソロジー)は、コミックスというメディアにそうした動きをもたらすのに最も近い存在であったため、当然ながらAmazon(アマゾン)はこのサービスを買収して台無しにした。その最新の変更はサブスクライバーを置き去りにし、その結果、同ブランドは「統合プロセスはシームレスとは程遠い」と認め、ユーザーからのフィードバックに対応することを約束した。

これはKickstarterが2021年末、ブロックチェーンに関する重大発表の後に受けた反動と似ていなくもない。同サービスは長年クリエイターの間で人気があったが、その層が最近の発表で疎外感を覚えたのだ。最近では、Substack(サブスタック)がコミック分野に参入し、Grant Morrison(グラント・モリソン)やChip Zdarsky(チップ・ズダースキー)などの大物を起用しているが、このサービスにも賛否両論がないわけでもない。

2021年に発表されたZestworldは、独自のカスタムビルドプラットフォームでこの媒体に挑戦しようとしている。コミックメディアに特化して設計されたこのサービスは、すでにReddit(レディット)の共同創業者であるAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏やTwitch(ツイッチ)の共同創業者として知られるKevin Lin(ケビン・リン)氏など、著名な支援者を獲得している。

オハニアン氏はリリースで「コミッククリエイターが作品をデジタルで公開し、ファンとつながるための現在の状況はひどいものです」と述べている。「Zestworldは、コミッククリエイターのビジネスとコミュニティのあらゆる側面を1つの集中型プラットフォームに集約し、コミッククリエイターがIPを公開し所有する方法を破壊すると同時に、ファンがまったく新しい方法でクリエイターと直接つながることを可能にしています」。

オハニアン氏とリン氏はともに、General Catalystが主導する937万ドル(約11億3000万円)のシリーズAラウンドに参加した。この資金は、クリエイターにコミックに最適化されたニュースレタープラットフォームとIP管理ツールを提供するという同サービスの計画を実現するために使われる予定だ。もちろん、IPは長い間、主流のコミック業界の飯の種として機能してきた。最高レベルでコミックを売って生計はなんとか立てられるが、正直なところ、この業界で本当に儲かる部分はライセンシングだ。

「クリエイター主導のプラットフォームを見つけることはコミックにおける真のチャレンジであり、Zestworldが提供するものは新鮮で透明性があります」と、この立ち上げに関わった作家の1人であるAlex Segura(アレックス・セグラ)氏は述べている。「Zestworldは、私のようなクリエイターが自分のスケジュールに合わせて作品を公開し、特典やクリエイティブチームと私が読者と交流する方法をカスタマイズできるようにし、プラットフォームを通じて公開するすべての作品の知的財産権を維持することを可能にします。これほどすばらしいことはありません」。

セグラ氏は、Amanda Conner(アマンダ・コナー)氏、Jimmy Palmiotti(ジミー・パルミオッティ)氏、Peter J. Tomasi(ピーター・J・トマシ)氏、Eric Canete(エリック・カネテ)氏、Phil Jimenez(フィル・ヒメネス)氏らとともに同プラットフォームに参加する。その他、コミュニティ管理や「NFT / メタバースイベント」などの機能も約束されている。2022年にサービスを開始するには、それらを抜きにしては語れないからだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Den Nakano)

Apple News、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリアの読者向けに配信開始

Apple News(アップル・ニュース)は、初のデイリーローカルニュースレターをベイエリア向けに導入した。他の都市への提供拡大も積極的に検討している。ベイエリアのデイリーローカルニュースレターは、日刊の地方紙を思わせるもので、地元ニュース、スポーツ、政治、食事などの分野にわたって主な最新ニュースを掲載している。これらの記事はSan Francisco Chronicle(サンフランシスコ・クロニクル)、SF Gate(SFゲート)、Eater SF(イーターSF)、KQED、The Oaklandside(オークランドサイド)など、数多くの出版物から編集されたものだ。

このニュースレターに掲載される記事はすべて、アルゴリズムによって選択されるのではなく、Apple Newsの編集者によって監修されている。これは、クリックベイトのような価値の低いコンテンツの再循環を減らすためだ。Apple Newsは、このベイエリア向けニュースレターを、地域における1日の終わりのダイジェストとして、注目すべきニュースや身の回りで起こっていることに関する情報を伝えるものだと考えている。デイリーローカルニュースレターは、より多くの読者に全米のニュースを配信するApple Newsのデイリーニュースレターに追加される。

Twitter(ツイッター)のRevue(レヴュー)買収や、Facebook(フェイスブック)のニュースレタープラットフォーム「Bulletin(ブレティン)」など、多くのテクノロジー系企業がニュースレターをサービスの一環として追加している時期に、アップルはこのサービスを開始した。ニュースレタープラットフォームのトップ企業であるSubstack(サブスタック)がシリーズBの時点で6億5000万ドル(約743億円)の評価を受けたことでも、旧来型のニュースメディアの市場規模が大きいことがわかる。これには、新聞社のウェブサイトの使い勝手が低下していることも、少なくとも部分的な原因になっている。

もしアップルがより多くのデイリーローカルニュースレターを展開することになれば、いくつかの市場から選ばれることになるだろう。現在、Apple Newsはサンフランシスコ、ベイエリア、ニューヨーク、ヒューストン、ロサンゼルス、サンディエゴ、サクラメント、マイアミ、シャーロット、サンアントニオ、ワシントンD.C.という11の市場でローカルニュースを提供している。アップルは、今後さらに多くの都市でローカルニュース機能を開始する予定だと述べている。

アップルがローカルニュース機能に力を入れるということは、Flipboard(フリップボード)やSmartNews(スマートニュース)のような、米国の何千もの都市でローカルニュースを提供している他のニュースアグリゲーターサービスとのさらなる競争に、目を向けていることを示している。

関連記事:スマートニュースのローカルニュース機能が米国6000以上の都市で利用可能に

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Revueがツイッターのタイムライン上で直接ニュースレターを購読できるように

米国時間10月22日から、Revue(レヴュー)のライターは、Twitter(ツイッター)のフォロワーをニュースレター購読者にするための新たなツールを手に入れた。これにより、あなたがニュースレターをツイートすると、読者にはツイートに埋め込まれた購読ボタンが表示される。

ニュースレターの各号をシェアすると、他のウェブサイトの記事をシェアしたのと同じように見える。ただ、誰かがその記事をクリックし、タイムラインに戻ってくると、購読ボタンが表示される。

8月、Twitterは、Revueのニュースレターライターが自分のプロフィール上でニュースレターをハイライトできる機能をテストした。9月には、すべてのRevueライターがこの機能を利用できるようになった。だがこれまでは、Twitterを通じてニュースレターを購読するには、プロフィールからでも、ツイートでも、Eメールを確認する必要があった。しかしこれからは、すでにTwitterアカウントにリンクしたメールアドレスを持っている場合、メールでの確認なしにワンクリックで購読することができる。

この機能は現在ウェブ上で提供されているが、近日中にiOSおよびAndroidにも展開される予定だ、とRevueはツイートしている。

Twitterは1月にRevueを買収することで、急成長しているニュースレター分野での競争力を高めた。Revueは、クリエイター収益の5%と、処理手数料として標準2.9%プラス0.30ドル(約34円)を受け取る。つまり、誰かがあなたのRevueニュースレターを5ドル(約568円)で購読した場合、あなたには約4.30ドル(約488円)を受け取ることになる。これに対し、Substackではライターの収益の10%プラス処理手数料を取っている。

Twitterは2021年に入ってからも買収に忙しく、10月20日にはグループチャットアプリのSphereの買収を発表した。

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】包括的なマーケティングチャネル、ニュースレターを成長させるための実証済みの戦術

メールによるニュースレターほど包括的なマーケティングチャネルは他にはない。ニュースレターならオーディエンスとのダイレクトな通信ラインを所有できる。投資収益率は40倍(1ドルの投資で最大40ドルの利益)、拡張性はほぼ無限、コストはほぼゼロだ。

しかし、こうした利点を引き出すには、戦術が必要だ。この記事では、Demand Curveで使用している戦術を紹介する。この戦術により、Demand Curveでは、質の高い5万人を超える購読者を獲得し、開封率50%以上を維持している。

60%ルールを使用してポップアップによるコンバージョン率を上げる

ポップアップは侵襲的と考えられることが多いが、やはり機能する。平均でも、サイト訪問者の3%をコンバージョンする効果がある。戦略的で高パフォーマンスのポップアップならコンバージョン率は10%に達することもある。

コンバージョン率が高く侵襲性の低いポップアップにするには、60%ルールに従ってみるとよい。

  1. ポップアップを表示するページを選択する。コンバージョンを重視したページ(製品ページ、チェックアウト、サインアップなど)以外のページを選択するようにする。当社の調査ではコンテンツページが最適だ。コンテンツページは何か特定の情報を探しているページ訪問者にとって信号の役目を果たす。
  2. ウェブサイト分析ソフトウェアを起動して、そのページの平均滞在時間を確認する。
  3. そのページの平均滞在時間の60%が経過したらポップアップが表示されるよう設定する。

例えば平均滞在時間が50秒のページであれば、そのページに訪問者がランディングしてから30秒経過した時点でポップアップが表示されるように設定する。

なぜ60%なのか。読者は貴社のコンテンツに興味を示しているが、ページを離れるときが近づいている。そのタイミングでニュースレターを購読するよう促して、メールの代わりにより適切なコンテンツが表示されるようにすることは、適正だと受け止められるだろう。

ニュースレターのサンプルを掲載して品質の高さを示す

貴社のコンテンツを初めて見る訪問者に、ニュースレターの購読を勧めて成功すれば大きく前進する可能性はあるが、大半の新規訪問者はすぐには購読しない。新規訪問者と購読者の間のギャップを埋めるには、サインアップページにサンプルを掲載するとよい。最も魅力的なニュースレターをサンプルとして掲載して、コンテンツの質の高さを示すようにする。

最も魅力的なニュースレターを探すには、既刊号を開封率と返信でフィルタリングする。メールサービスプロバイダーにアクセスして、発行済みのニュースレターを開封率で並べ替えてみるとよい。これによりどのような件名のニュースレターが既存の読者に最も人気があるのかを特定できる。

次に、受信箱に移動して、ニュースレターに対する返信を並べ替えて、読者からの返信が最も多かったニュースレターを特定する。これは、その号が最も反響が大きく、無料サンプルとしてふさわしいことを示す良い証拠となる。

画像クレジット:Demand Curve

実在の人物からのメールのほうが開封率が高い

読者はサインアップした後のウェルカムメールを反射的に無視することが多い。しかし、ウェルカムメールを開く読み手のほうが、以降のニュースレターを毎回開く可能性が高い。

新規購読者がウェルカムメールを開くように促すには、購読に感謝するメールの配信を意識的に遅らせたり、送信者がはっきり分かるようにするなどして、ウェルカムメールのパターンを崩してみる。

ウェルカムメールの配信を45分遅らせる。これにより、サインアップ後数秒以内に配信されるメールを無視する新規購読者の反射的反応を回避できる。当社の調査によると45分が理想的だ。45分というのは従来のパターンを崩すには十分長い遅延であるが、ウェルカムメールが受信箱内に埋もれてしまうほど長くもない。

ウェルカムメールは、ビジネスアカウントからではなく、個人が送信するようにする。送信者を企業の創業者か確立されたオーディエンスを持つ人物にするととりわけ効果的だ。会社のロゴではなくその人物の写真を使うことで、メールが引き立つ。

送信者個人の受信箱があふれるのを防ぐには、メール送信専用に使用するウェブサイトのサブドメインを作成する。送信者のアカウントを作成し、以降ニュースレターの発行にはそのアカウントを使用する。これにより送信者の受信箱があふれるのを回避できるため、送信ドメインの健全性を維持できる。

画像クレジット:Demand Curve

新規購読者に特別号を送る

新規購読者は初回号の受信を楽しみにしている。新規購読者に確実に満足してもらうには、既刊号で特に良かったものを寄せ集めた初回特別号を作成するとよい。ただし、サインアップページにサンプルとして掲載したのと同じコンテンツは使わないように注意すること。

この初回特別号をウェルカムメールといっしょに送信して、新規購読者にニュースレターの価値(良さ)を分かってもらうようにする。これまでで最も良かった号を最初に送信しておけば、購読者は、以降の号も楽しみに待っていてくれる。

ウェルカムメールは長ったらしいものよりも簡潔でコンパクトにしたほうがよい。ウェルカムメッセージは簡潔にし、初回号は内容を充実させるようにする。ウェルカムメールと初回特別号が届いたら、以降は定期的な頻度で発行する。

画像クレジット:Demand Curve

発行回数を減らすことを検討する

Twitter上の2万4000人のマーケターたちを対象に「ニュースレター疲れ」で購読解除していないかというアンケートを実施したところ、

発行数が多過ぎるニュースレターは購読解除するという回答者が8割もいた。

購読者を疲れさせないためには、以下の点に注意する。

購読者がニュースレターの受信頻度を調整できるようにする:週1回の頻度で受信したい購読者もいれば、月1回で十分という購読者もいる。各号の末尾に、オプトアウト用のリンクを置いて、購読者がニュースレターの受信頻度をカスタマイズできるようにする。受信頻度は下がっても購読状態は維持されるようにすれば、その購読者とのつながりを保つことができる。完全に購読解除されるのは避けるようにしたい。

発行回数を減らす:四半期ごとの最大発行部数に制限をかけるようにすれば、必然的に、限られた部数のコンテンツを充実させようと努力するようになる。単に、購読者の受信箱に入り込むという目的のためだけに発行部数を増やしても、あなたも読み手も疲弊するだけだ。当社調査によると、発行部数とコンバージョン率の間には相関関係はないことが分かっている。

お堅い内容だけでなくおもしろい内容も含める

受信箱内の大半のメールはお堅い内容だ。目立つには、ウェブから収集した愉快なミーム、ジョーク、おもしろいリンクなどを含めるようにするとよい。

この戦術は毎号読者を楽しい気分にさせるという意味で、極めて効果的だ。毎号、すべての購読者の共感を呼ぶ内容を書くのは不可能だ。対照的に、ユーモアは何人にも通じる。おもしろい笑えるコンテンツを含めることで、すべての読者に満足感を与えることができる。

これはニュースレターを読む習慣の形成にも役立つ。毎号、少し内容が違っていれば、読者は、新しい号が届いたときに、どのような内容なのか分からない。ニュースレターの末尾に何かおもしろい内容を書くようにすると、読者にご褒美を与えることになって効果的だ。つまり、お堅いものを読んだ後に、笑えるものでご褒美を与えるというわけだ。

当社では毎号ミームを追加するようにしている。読者からはとてもおもしろかったという感想をいただいている。

画像クレジット:Demand Curve

他者への紹介をシームレスに行えるようにする

購読者が他者に紹介してくれれば、ニュースレターをコストなしで成長させることができる。購読者が他者に紹介してくれる可能性を高めるには、紹介プロセスを25秒以内に抑えるようにする。

毎号の終わりにニュースレターを他者に紹介できることを読者に知らせる。簡単なのは、興味を持ってくれそうな友人にメールを転送してもらう方法だ。ニュースレターの冒頭部分に、紹介された人が購読手続きを実行できるページへのリンクを含む短い文を含めるようにする。

もう少し高度な戦術として、紹介プログラムに対する購読者の一意なリンクを含めて、購読者が自分で紹介した人数を追跡できるようにする方法もある。メールやソーシャルメディア経由で共有するオプションも用意しておく。

毎号ウェブ版も用意して、メール以外でも簡単にコンテンツを共有できるようにしておく。大半のメールサービスプロバイダーはウェブ版を自動生成して、ソーシャルメディア等で拡散できるようにしている。また、コンテンツをコピーしてウェブサイトにブログ記事として投稿すれば、検索エンジンにも引っかかるようになる。

ニュースレターを紹介してくれた購読者に報酬を与えることを検討する。商品が紹介の動機となるのは、貴社のブランドが有名かかなり特殊な場合だけだ。当社は排他的コンテンツを使用して紹介を奨励することをお勧めしている。5人以上の友人を紹介してくれた購読者に毎月特別号をお送りする。これにより、コストを抑えながら、購読者により豊富な情報を提供できる。

紹介が効果を表すには購読者が最小必要人数を超えている必要がある。当社の調査によると、購読者約1万人がしきい値であることが分かっている。ただし、オーディエンスのエンゲージメントが非常に高いか、コミュニティがアクティブな場合は、無料の紹介プログラムを実装しても事実上不都合が生じることはない。

フォロワーを購読者に変える方法

購読者はソーシャルメディアを介して貴社のコンテンツを知るようになるかもしれないが、ソーシャルメディアのオーディエンスはそのメディアプラットフォームのものであり、貴社はそうした購読者と直接やり取りするためのチャネルを所有しているわけではない。フォロワーをニュースレターの購読者に変えることができれば、オーディエンスとダイレクトにやり取りして、関係を深めることができる。

フォロワーにニュースレターの購読を売り込むには、自分の略歴にリンクを含めるとよい。これは当たり前のように聞こえるかもしれないが、実際にそうしている人は少ない。あなたのソーシャルメディアのプロフィールを見た人に、ニュースレターにサインアップするよう呼びかけるのだ。そうしなければ、見た人は、貴社がニュースレターを運営していることさえ分からない。

ツイッターのスレッドやLinkedInの投稿を途中で切り上げて、すべてを読むにはニュースレターの購読をどうぞ、と呼びかけることもできる。

ニュースレター経由でしかアクセスできないオファーや独自のコンテンツを作成するのもよい。これにより、貴社のメーリングリストに参加して排他的なコンテンツや特殊なオファーを受け取るようフォロワーを動機づけることができる。

まとめ

新規購読者の獲得:自社のサイトで、適切なポップアップを購読の意志がある読者にのみ表示する。ニュースレターのサンプルを掲載して、貴社のニュースレターを購読すべき理由を示す。ウェルカムメールを目立たせ、初回号としてこれまでで最も良かった号を送る。

購読者の維持:購読者のもっと読みたいという気持ちを保つため、発行回数を抑える。ユーモアやおもしろいリンクを散りばめて、ニュースレターの購読を習慣にしてもらう。

ニュースレターの拡大:排他的なコンテンツやオファーを使って、貴社のソーシャルメディアのフォロワーにニュースレターを購読してもらうように仕向ける。購読者にニュースレターを他者に紹介してもらうことで購読者ベースの拡大を図る。

編集部注:本稿の執筆者Stewart Hillhouse(スチュワート・ヒルハウス)氏は、Demand Curveのシニア・コンテンツ・リードとして、実用的なグロース・マーケティングの洞察をまとめている。夜にはポッドキャスト「Top Of Mind」でマーケターやクリエイターにインタビューしている。マーケティングの世界に入る前は、セミプロの木こりだった。また、stewarthillhouse.comで執筆活動を行っている。

画像クレジット:Ihor Reshetniak / Getty Images

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(文:Stewart Hillhouse、翻訳:Dragonfly)

グーグルの研究開発部門がGoogleドライブを利用したニュースレターサービスの実験開始

Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのテック大手がニュースレター市場に参入したのに続き、Google(グーグル)もニュースレターサービスの実験を開始した。Googleの社内スタートアップインキュベーターであるArea 120は「Museletter(ミューズレター)」という新しいプロジェクトを立ち上げた。Museletterでは、誰もがGoogleドライブのファイルをブログやニュースレターとして、Museletterの公開プロフィールやEメールリストに公開することができる。

この試みは、Googleの既存の文書作成ツールを再利用して、Substack(サブスタック)、Ghost(ゴースト)、Revue(レヴュー)など、今日、利用者が増加している他のニュースレタープラットフォームに対抗する手段となる。

Googleのこの試みは、今週、9to5GoogleAndroid Policeなどのサイトで報じられた。

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TechCrunchがコメントを求めたところ、Area 120の広報担当者は「Museletter」の詳細については言及せず、同プロジェクトは研究開発グループにおける「多くの実験の1つ」であり「まだ非常に初期の段階」であるとだけ述べた。

しかし、Museletterのウェブサイトから、このプロジェクトについてすでに多くのことを知ることができる。サイトでは、Googleのニュースレタープロジェクトが競合他社との差別化を図るために、クリエイターがGoogleドライブをどのように収益化できるかを説明している。ニュースレターをGoogleドキュメントで作成するだけでなく、他の生産性向上アプリを使用して読者と情報を共有することもできる。例えば、ニュースレタークリエイターは、読者が自分のGoogleスライドにアクセスできる有料のサブスクリプションプランを提供することができる。金融関係の記事を書いているクリエイターは、Googleスプレッドシートに役立つスプレッドシートを公開し、それをサブスクライバーが利用できるようにすることが可能だ。

画像クレジット:Google

これを実現するために、Museletterのクリエイターは、自分のGoogleドライブに公開プロファイルを作成し、そこに任意のGoogleドライブファイルを直接公開する。これによりランディングページが作成され、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのさまざまなGoogleドライブファイルを公開していることをアピールできる。

また、クリエイターはオプションで、他のプラットフォームから取り込んだリストを含むEメールリストに公開することもできる。ニュースレターの購読はクリエイターの好みに応じて無料または有料にできるが、Museletter自体の利用は無料だ。その代わりに、カスタムドメインやウェルカムメールなどのプレミアム機能での収益化を目指しているという。

また、このプラットフォームでは、オーディエンスを惹きつけ、ニュースレターのパフォーマンスを追跡するためのツールや分析機能を約束している。

このサイトでは広告の計画については一切触れられていないが、この分野での成功は、Googleに新たな広告収入をもたらす可能性がある。時を同じくして、同テック巨人が制してきた数百億ドル(数兆円)規模の広告市場にはAmazon(アマゾン)という新たな挑戦者が現れており、その広告事業はいずれFacebook(フェイスブック)と、Google(グーグル)の二強構図に挑戦していくかもしれない。

GoogleはMuseletterの開始時期を明らかにしていないが、ウェブサイトではユーザーが早期アクセスをリクエストできるフォームへのリンクを提供している。

画像クレジット:Google

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

有料ニューズレターのSubstackがサブスクソーシャルアプリ「Cocoon」のチームを買収

サブスクリプション方式のニューズレターを作れるプラットフォームとして最大のサービスであるSubstackが、同じくサブスクリプション方式で親密な友人たちのためのソーシャルメディアを提供しているCocoonを買収したことを発表した。

TechCrunchはこのY Combinatorで育ったスタートアップが、Lerer Hippeauがリードするシードラウンドで300万ドル(約3億3000万円)を調達した2019年11月に取り上げたことがある。それから間もなくパンデミックがやってきて、互いに親しい者同士がソーシャルメディアでコミュニケーションする方法も激しく変わった。Cocoonの初期の提案は「親友のためのソーシャルネットワーク」というもので、それは前から多くの人がやっていた文章によるグループの、ちょっと高級なものだと考えられていた。しかしながらやがてCocoonは進化して、ユーザーは自由に微調整できるもっとオープンなソーシャルサークルになっていった。ユーザーはアプリでテキストや写真のアップデートを共有できる他、モバイルの位置データやフィットネスの成績など、自動的に更新されるデータを友だち同士のSlackのチャンネル風フィードで共有できるようになった。

アプリの共同創業者であるSachin Monga(サチン・モンガ)氏とAlex Cornell(アレックス・コーネル)氏は、Facebookのプロダクト部門にいたときに出会った。

多くのネットワーキングアプリと違い、Cocoonは広告やユーザーデータを収益源にせず、月額4ドル(約440円)のサブスクリプションをユーザーに押し付けて収益を得ていた。Substackによると、Cocoonは今後も独立して運営されるが、買収したのは立ち上がったばかりのCocoonアプリではなく、小さなチームだという。最近のSubstackは、ニューズレターを書いている人たちのネットワークによるコミュニティ作りに熱心であるため、自らのプラットフォームの機能を進化させるためにより多くの人材を求めていることは驚くことでもない。

3月にこのスタートアップは6億5000万ドル(約715億4000万円)の評価額で6500万ドル(約71億5000万円)のシリーズBを完了した。そもそも最近ではFacebookもTwitterもニューズレターというメディアに関心を示しているため、Substackは今後ますます有望と思われる分野を支えていくに十分なキャッシュを入手できたことになる。実は、Cocoonの前にも小さなスタートアップをいくつか買収している。2021年8月初めにはディベートのプラットフォームLetterを額非公表で買収した。5月には、コミュニティづくりのコンサルタント事業People & Companyを人材取得の目的で買収している。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ツイッターがプロフィール欄にRevueのニュースレターを掲載するテストを開始

Twitter(ツイッター)は2021年1月、ニュースレターのプラットフォームであるRevue(レヴュー)を買収したが、これまでTwitterへの統合は最小限に留まっていた。例えば、Twitterのスレッドを書こうとしたときに、ニュースレターのツールについて伝える「Hello, wordsmiths」というメッセージが表示されるのを目にしたことがあるだろう。

関連記事:TwitterがオランダのニュースレタープラットフォームRevueを買収、作家が報酬を得る方法を提供

米国時間8月19日より、TwitterはRevueのニュースレターをTwitter体験の中でより目立たせる機能のテストを開始する。ウェブやAndroidを使用している一部のTwitterユーザーは、ライターのプロフィール上で、Revueニュースレターがフォロワー数の下に表示されるようになる。「subscribe(保存する)」をクリックすると、サンプルを読むか、Twitterアカウントに登録されているメールアドレスで購読するかを尋ねるメッセージが表示される。Revueによると、この機能は近日中にiOSでも導入される予定だという。

今日、私たちはあなたのTwitterプロフィールから直接Revueのニュースレターを購読できる機能のテストを開始します。

この機能は、すべてのRevueクリエイターがすぐに利用できます。ただし、最初はTwitter上のテストグループにのみニュースレターは表示されます。

ニュースレターの市場は活気づいている。Medium(ミディアム)とQuora(クォーラ)は最近、新たな収益化の仕組みを発表した。Substack(サブスタック)は現在6億5000万ドル(約713億円)の評価を受けており、Facebook(フェイスブック)はBulletin(ブレティン)を起ち上げ、派手なニュースレターを配信している。Tumblr(タンブラー)さえも有料購読の文章で収益を上げようとしているものの、そのユーザー層はあまり歓迎していない。Twitterのプロフィールに目立つように組み込まれたことで、Revueも勢いを増すかもしれない。

RevueのライターであるJewel Wicker(ジェウェル・ウィッカー)氏は「私がRevueのプラットフォームに乗り換えた理由の1つは、私のニュースレターとTwitterのフィードをリンクさせることで、フォロワーが簡単に購読できるようになる可能性があったからです」とツイートしている。「今回、その展開が始まったことをうれしく思います」。

Revueはクリエイターの収益の5%を受け取る。さらに処理手数料として標準2.9%プラス0.30ドル(約33円)が請求される。つまり、誰かがあなたのRevueニュースレターを5ドル(約550円)で購読した場合、あなたは4.30ドル(約470円)を受け取ることになるというわけだ。これに対し、Substackでは作者の収益の10%プラス処理手数料を取っている。

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フェイスブックがニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin」始動、まずは米国中心ベータ
ファンの楽園に異変、Tumblrのベータサブスクリプション機能にユーザーが猛反発
画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

フェイスブックがニュースレター配信プラットフォーム「Bulletin」始動、まずは米国中心ベータ

Facebook(フェイスブック)の新しいクールな試みは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が自らLive Audio Rooms(ライブオーディオルーム)で製品ニュースを発信することだ。ザッカーバーグ氏は米国時間6月29日、同社のClubhouse(クラブハウス)競合機能を通じて、次の新製品であるニュースレタープラットフォーム「Bulletin(ブレティン、Bulletin.com)」を発表した。

Bulletinは、Facebookとは別のプラットフォームで構築されている。ウェブサイトのFAQによると「クリエイターがFacebookのプラットフォームだけに依存しない方法でオーディエンスを増やすことを可能にするため」と記載されている。ニュースレターを購読するのにFacebookアカウントは必要ないが、BulletinはFacebookのインフラに依存しており、プレミアムサブスクリプションの購入や、購読者限定のグループやライブオーディオルームへの参加にはFacebook Payを使用している。

Substack(サブスタック)のような競合他社は、コンテンツのモデレーションに「干渉しない(hands-off)」アプローチをとっており、誰でもニュースレターを始めることができる。現在FacebookのBulletinに掲載されているライターは、すべて同社により厳選されたクリエイターたちだ。しかしSubstackは、特定のライターにSubstackでの執筆を依頼する物議を醸した「Substack Pro」プログラムを通じ、反トランスジェンダーのレトリックを助成していたとして批判を受けている。このように、Bulletinはキュレーションされたモデルであっても、Substackを悩ませる問題と無縁ではないだろう。

Bulletinの初期のライターには、ジャーナリストのMalcom Gladwell(マルコム・グラッドウェル)氏、作家・ジャーナルストのMitch Albom(ミッチ・アルボム)氏、スポーツキャスターのErin Andrews(エリン・アンドリュース)氏「Queer Eye(クィア・アイ)」で知られるデザイナーTan France(タン・フランス)氏などが名を連ねている。FAQには、ベータプログラムは米国中心で、海外のライターは現在のところ2名のみであると記されている(Bulletinは「ベータプログラムのローンチ後、より多くの海外クリエイターを含めることを検討しています」と述べている)。Facebookはこれらのライターの貢献に対して前払いをしており、今のところ、ライターの利益に割り込む予定はないという。また、ライターがプラットフォームから離れる場合、購読者リストは維持することができる。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebookアメリカニュースレターベータ版

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Aya Nakazato)