フェイスブックボイコットのリーダーたちがザッカーバーグ氏とサンドバーグ氏との会談に「失望」

そもそもポリシーの欠陥とされる問題の責任をFacebook(フェイスブック)にとらせようとして始まった活動家団体の比較的小さな運動(未訳記事)は、大規模な企業の反発という形で膨れ上がり、誰の手も届かないテック業界の巨人としてその地位を謳歌していた企業を、まさかの不快な状況に追い込んだ。

#StopHateforProfit(営利目的のヘイトを阻止しよう)キャンペーンに思いも寄らぬ大手企業が数多く惹きつけられ、フェイスブックへの広告出稿ボイコットが続く中、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏、Sheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏そしてこのほど最高製品責任者としてフェイスブックに復帰したChris Cox(クリス・コックス)氏(未訳記事)は、米国時間7月7日に活動家団体と会談を行った。1時間を少し超えたこの話し合いには、フェイスブックのポリシー担当チームと製品チームのメンバーも数人加わっていた。

フェイスブックの最高クラスの幹部たちとの話し合いを終えた後、ボイコットを先導する4つの団体のリーダーたちは、この会談には失望したと明言した。「本日、私たちが発見したことはほとんどなく、ほとんど何も聞くことができませんでした」と、Anti-Defamation League(名誉毀損防止同盟、ADL)のCEOであるJonathan Greenblatt(ジョナサン・グリーンブラット)氏は話した。さらにグリーンブラット氏は、大成功を収めたこのオンライン広告プラットフォームの拡大に貢献しているヘイトや偽情報といった問題に関して、フェイスブックが「意欲も急ぐ様子も」示さなかったことに対する失望も露わにした。

Color of Change(カラー・オブ・チェンジ)の代表であるRashad Robinson(ラシャド・ロビンソン)氏は「参加したことで最高点がもらえると思っている」とフェイスブックを批判した。Free Press(フリープレス)の共同CEOであるJessica J. González(ジェシカ・J・ゴンザレス)氏も、フェイスブックには「ひどく失望した」と話している。NAACP(全米黒人地位向上協会)の代表兼CEOであるDerrick Johnson(デリック・ジョンソン)氏は、フェイスブックの取り組みを一蹴し、「行動よりも話し合いに関心がある」と同社を非難した。

#StopHateforProfitキャンペーンは、人種間の平等を求めて抗議する人たちを暴力で脅しつけるDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領の投稿には手を触れないという判断を含むフェイスブックの最新のポリシーの採択を引き合いに出し、7月はフェイスブックとInstagramに広告を出さないよう企業に訴えている。

ジェシカ・J・ゴンザレス「本日、@rashadrobinson、@DerrickNAACP @JGreenblattADL、そして私は#StopHateForProfitに関してマーク・ザッカーバーグ、シェリル・サンドバーグ、その他のフェイスブックの幹部たちと会談します。私たちの要求はすでに提示されています。このキャンペーンが始まるずっと以前から提示してきたものです」

この取り組みはADL、Color of Change、Sleeping Giants、NAACP、テック企業Mozillaなど、ひと握りの公民権擁護団体やその他の団体によって主導されている。この活動にはコカコーラ、スターバックス、フォード、ベライゾンなどの大手企業から驚くほど幅広い支持が寄せられ、フェイスブックとInstagramへの広告費の支払いを一時停止することに合意している。2020年6月末には、いくつかのアウトドアブランドもキャンペーンの参加に署名した(未訳記事)。

関連記事:Big outdoor brands join #StopHateForProfit campaign, boycott Facebook and Instagram ads(未訳記事)

キャンペーンの目標(Stop Hate For Profit投稿)には、フェイスブックに「『最高』が付くレベルの幹部」として公民権の専門家を雇い入れること、プラットフォームの利用規約に違反し削除されたコンテンツに意図せず広告が掲載された広告主のために監査と広告費の払い戻しを行うこと、そして「白人至上主義、ミリシア(武装民兵組織)、反ユダヤ主義、暴力的な陰謀論、ホロコースト否定論、ワクチンに関する誤情報、気候変動否定論」に基づくプライベートまたは公的なグループの特定と閉鎖を要求することが含まれている。

活動家団体のグループはまた、フェイスブックのプラットフォームでのコンテンツのインセンティブ構造と、トランプ政権などとの政治的関係性についても批判している。「フェイスブックは、驚異的なまでの資産を有する企業です」とボイコット運動の運営者は書いている。「人類史上最大のこのコミュニケーションプラットフォームの可能性を、善を促進する力へと作り変えるための大事業に、その資産を大量に投入せよと社会が願っていることに、フェイスブックはいつか気づいて欲しいと思っています」。

彼らは、その他のテック企業のプラットフォームに非はないとは考えているわけではない。フェイスブックに的を絞っているのは、その圧倒的な企業規模とプラットフォームの内外を問わず議論の影響が多いだからだ。「そのサイズと普及率に肩を並べる者はありません」とグリーンブラット氏は、フェイスブックの26億人のユーザー数を例にいった。

「私たちは、対話にうんざりしています。私たちのコミュニティーの危機感が大変に高まっているからです」と、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックに際して有色人種の健康転帰が不自然に悪いことや、今も続くジョージ・フロイド氏の殺害による公民権運動の盛り上がりを受けてゴンザレス氏は話す。またゴンザレス氏は、フェイスブックが米国に住むヒスパニック及び黒人を「非人間的」に扱う政治広告から収益を得ていることも指摘している。

関連記事:広告主のボイコットが拡大する中、フェイスブックに米上院議員グループが白人至上主義対策で圧力

新たな公的監視が行われる中、先週、フェイスブックは反政府暴力活動を奨励する、いわゆる「ブーガルー」グループに厳し対処すると約束した(未訳記事)。しかし暴力による脅しにリンクがないブーガルーの投稿は、手つかずのままプラットフォームに残り続ける。これは、民主党の上院議員たちが、アルゴリズムによってユーザーに「おすすめ」されるそうしたグループの対処をフェイスブックに求めたその日に発表された

「私たちはジョージ・フロイドでつながっています」とジョンソン氏は対フェイスブックキャンペーンについて語った。それぞれのコミュニティーは、人種と人種に基づくヘイトの問題に対して高い基準を持つよう企業に合法的に働きかけているという。

「私たちは、ただ社会を安全にしようと訴えているだけなのです。従業員を守って欲しい。この民主主義を守る手助けをして欲しいのです」とジョンソン氏は話していた。

関連記事:Facebook bans ‘violent network’ of far-right boogaloo accounts(未訳記事)

画像クレジット:Christopher Morin/IP3 / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterはヘイト禁止規則に年齢、障害、疾患にもとづく人間性を否定する言動を追加

昨年、Twitterはヘイトスピーチに関する規定の禁止項目を拡大し、宗教団体に対する人間性を否定する言動を加えた。米国時間3月5日、Twitterはその規定を拡大し、年齢、障害、または疾患を理由に人間性を否定する言動も禁止すると発表した。最後のひとつは、もちろん、感染が広がりつつある新型コロナウイルス(COVID-19)に関連させたTwitter上での憎悪に満ちた、または人種差別的発言に即応するためのものだ。

Twitterは、本日以前にこのルールを破った投稿は削除する必要があるが、投稿された時点ではまだこのルールが適用されていないため、このことで投稿者のアカウントが停止されることはないと話している。ただし、今から投稿されるものに関しては、Twitterの改訂版「暴言や脅迫、差別的言動に対するTwitterのポリシー」のルールに従うこととなる。この包括的なポリシーには、ヘイト行為(暴力行為や脅迫行為を助長する投稿)や、ヘイト表現を伴う画像やユーザー名の公表に関するルールが記されている。

Twitter Safety:私たちはTwitterをより安全にするためのルールを常に刷新しています。昨年、私たちは 『ヘイト行為に対するTwitterポリシー』 を改訂し、非人間的な言葉に対応しました。この度、年齢、障がいや病気にもとづいて人間性を否定する言葉もポリシーの対象に含めます。

そのポリシーはすでに、人種、民族、出身地、社会的地位、性的指向、性別、性同一性など、人間性を否定する言動を広範な分野にわたり禁止している。Twitterは、そのプラットフォームで禁止したいヘイトスピーチやヘイト行為の対象となる分野をより広くカバーできるよう、時と共に禁止対象を拡大してきた。

ヘイト行為を禁止するTwitterのポリシーが抱える問題には、投稿されるツイートの量が多すぎて、処分が追いつかない点がある。さらに、投稿を審査対象とするか否かの判断をユーザーに委ねているため、ヘイトスピーチの排除は積極的に行えず、後手の処理となる。Twitterは、そのポリシーを適切に施行せず、ネット上の嫌がらせを野放しにしているとして激しく非難されている。

本日の発表でTwitterは、上記のものも含めいくつか問題があることを率直に認めている。そこで、より徹底したトレーニングを行い、テスト期間を延長して、いつ、どのように行動するか、さらに、非主流派の人たちの発言をいかにして守るかを審査担当者に理解させることにしたと話している。加えてTwitterは、人種、民族、出身地といった複雑な話題でのニュアンスや文脈をより正しく理解するためのTrust & Safety(信頼と安全)協議会を設立した。

[年齢層]はみな寄生虫だ。我々から支援を受ける資格はない
[疾患]にかかった人間は周囲の人たちに病気をうつすドブネズミだ
[障害]者は人間以下なので公共の場に出るべきではない
[宗教団体]は処罰すべきだ。その汚らわしい動物どもの排除対策が手ぬるい

 

残念なことにTwitterの最大の問題は、長年にわたって公共の広場として運用され、利用者は本名を隠して比較的自由に自己表現ができ、その発言や行動の責任を負わないという点にある。匿名でのネット利用には、たとえば、抑圧的な政権下であっても人々が自由に意見交換できるなど、それなりの正当性がある。しかしその反面、実名では言えないような発言を助長してしまう。そこに社会の監視の目は働かない。それが今、現実の世界で起きていることだ。

しかも、Twitterがヘイトスピーチやヘイト行為を取り締まろうとすれば、いつだって言論の自由を阻害すると批判されてしまう。あたかもそのソーシャルメディアのプラットフォームが、アメリカ合衆国憲法修正第1条(言論の自由)に守られた場であるかのように言われるのだ。アメリカの裁判所はそれを否定している。実際、最近になって裁判所は、YouTubeは公共の広場ではないと判断した。従って、利用者の言論の自由を保証する義務はない。これが前例となり、他のソーシャル・プラットフォームも同様の扱いとなった。Twitterもこれに含まれる。

Twitterは、もっと多くの人に登録してもらい、参加してもらえるよう奮闘してきた。だが同時に、そのプラットフォームの悪用は感知しないという方針が、その目標の達成を阻んでいる。そのためTwitterは、より多くのエンゲージメントを促すことが期待される、たとえば時間が経つと消える「ストーリー」など、新機能のテストを行っている。実際には、ポリシーを適切に施行しさえすれば実現することなのだが。投稿入力欄で教育的な助言を表示する機能(その投稿が通報されたり削除される恐れがあると利用者に警告するInstagramの仕組みと似たようなもの)の追加も遅すぎた。

Twitterがポリシーで規制する対象の幅を広げたのはいいことだ。しかし、行動を伴って初めて言葉は意味を持つ。

Twitterは、この新しい規定は本日付けで発効されると話している。

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(翻訳:金井哲夫)

Cloudflareは掲示板8chanへのサービスを停止、「ヘイトの肥溜め」とCEOが批判

ウェブサイト・インフラストラクチャーでありセキュリティー・サービスプロバイダーのCloudflareは、掲示板8chanへのサービス提供を停止すると、マシュー・プリンス(Matthew Prince)CEOはブログ記事で発表した。彼はこのサイトを「ヘイトの汚水溜め」と表現した。サービスは米国太平洋時間深夜(8月6日午前0時)に停止される。

「根拠は単純なことです。彼らは自身を無法者と認めており、その無法ぶりが多くの悲惨な死を招いたからです」とプリンスは書いている。「8chanが、差別主義者コミュニティーの抑制を拒否したことが法律の文面には違反していなかったとしても、その精神に反することを喜びはしゃぐ環境を作り出しました」

この決断は、先週末のエルパソでの20人が殺害された銃乱射事件の犯人が、犯行直線に、人種差別的な移民に反対する長い“声明文”を8chanに投稿したことを受けて下された。連邦当局は、この乱射事件を国内テロとして扱い、米司法省も、これを連邦ヘイト犯罪および銃の不法所持として訴訟を起こすことを検討している。どちらの犯罪でも、犯人には死刑が宣告される可能性がある。

8chanはまた、ニュージーランドのクライストチャーチで発生した2件のモスク襲撃事件の犯人と、4月のカリフォルニア州ポーウェイのユダヤ教礼拝所襲撃事件の容疑者も使用していた。

「エルパソの犯人は、明らかにクライストチャーチの事件を参考にしています。そして、8chanで展開されていた、前回の大量殺戮を賛美する常軌を逸した議論に刺激を受けたようです」とプリンスは書いている。「別の惨事では、カリフォルニア州ポーウェイのユダヤ教礼拝所乱射事件の容疑者が、憎悪に満ちた“公開状”を8chanに投稿していました。8chanは、何度もそこがヘイトの肥溜めであることを自ら証明しているのです」

Cloudflareが8chanへのサービス停止を発表する前に、プリンスはガーディアンとニューヨーク・タイムズの記者に話をしている。ガーディアンには「8chanを私たちのネットワークから追放したい」と語っていたが、(後のニューヨーク・タイムズのインタビューで)サービスを停止すると警察がそのサイトの情報にアクセスできなくなるため、躊躇する様子も見せていた。

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Julia Carrie Wong
8chanと、エルパソ、ポーウェイ、クリストチャーチとのつながりを書いた私の記事。Cloudflareのネットワーク上のサイトに“道義的責任”を求める理由に関するCloudflareのCEOのインタビューも。

CloudflareのCEOマシュー・プリンスは、あの決断は言論の自由や商売のためではなく、Cloudflareのネットワーク上にある8chanを警察が監視できるようにするためだと話していた。

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Kevin Roose
今朝、8chanの創設者で前管理人に会った。今年、3つの乱射事件に関わったことから、彼はサイトを閉鎖したいと言っていた。

更新:CloudflareのCEOに聞くと、8chanのDDOSプロテクション・サービスの継続利用(実施的にサイトが継続される)をどうするかで迷っていた。

(8chanの創設者フレデリック・ブレナン(Fredrick Brennan)は、そこを4chanに代わる自由に発言できる掲示板にしたいと思っていた。しかし今は現オーナーとは距離を置き、閉鎖したいとニューヨーク・タイムズに話している)

このブログ記事でプリンスは、サービスを停止するというCloudflareの最終決断について説明している。1900万件以上のインターネット上のサイトがCloudflareのサービスを利用しているため、同社は「軽々しく判断できない」と書いている。

「私たちは、忌むべきコンテンツをしぶしぶ許容してきましたが、悲惨な事件を直接誘発したこと、そして故意に違法行為を行っていることを示すために、プラットフォームに線引きをしたのです。8chanは、その線を超えました」と彼は書いている。「なので、それはもう私たちのサービスを使うことが許されません」

Cloudflareが、人種差別や暴力を拡散する恐れのあったサイトへのサービスを停止したのは、これが初めてではない。Cloudflareは、白人至上主義者のサイトDaily Stormerへのサービスを2017年8月に停止している。しかし、このサイトはCloudflareのライバル企業に乗り換えて復活した。「今日、Daily Stormerはいまだ健在で、いまだ最悪です。彼らは、以前よりも読者が増えたと自慢していました。彼らはもはやCloudflareの厄介者ではありませんが、インターネットの厄介者であり続けています」とプリンスは述べている。

プリンスは、8chanの場合も、同じように振る舞うのだろうと見ている。Daily Stormerへのサービスを停止して以来、Cloudflareは警察や市民社会団体との協力を続けている。その結果、同社は「私たちのネットワーク上にあるヘイトサイトと思しきものを協力して監視し、暴力に発展しそうな内容が含まれていれば、警察に通報しています。今後も、悲惨な暴力事件を予防するために、法的手続きに則って、できる限り情報を提供してゆきます」

しかしプリンスは、こうも書いている。同社は「今後も内容の裁定者の役割を果そうとは、決して思いません。それをひんぱんに行う予定もありません」。そしてそれは、「アメリカ合衆国憲法の言論と宗教の自由の考え方に基づくもの」ではないとも付け加えている。Cloudflareは民間企業だからだ(そしてその顧客のほとんども民間であり、収益の半分以上はアメリカ国外からのものだ)。

その代わりにCloudflareは、「今後も、それぞれの国で受け入れられる線引きを、法的手続きに沿って、地元の議員たちと決めてゆきます。そして、彼らが時と場所に応じて設定したその境界線を遵守してゆきます」

Cloudflareの判断は、Amazonへの監視を強めることになるだろう。なぜなら、8chanの管理者ジム・ワトキンス(Jim Watkins)は、Amazon.comとAudibleでオーディオブックを販売し、Daily Beastによれば、「外の世界とつながるための彼の経済的な生命線」を築いているからだ。(更新情報:TechCrunchに向けた声明文で、Amazonの広報担当者はDaily Beastの記事についてこう述べていた。「ブログ記事の結論は間違いです。不正確な憶測に基づいて人々を煽り立てる内容です」。そして「Amazonは、この数カ月間、Books.Audioとの直接の関係は一切ありません。Amazonから独立したBooks.Audioは、著述者向けのナレーションサービスを行っています。そのため、Books.Audioではなく、著述者本人がそうした一連のタイトルをAudibleで販売しているのです」)

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(翻訳:金井哲夫)

司法省が省のすべてのヘイトクライム関連リソースを一堂に集めたポータルを立ち上げ

国内テロの恐ろしい週が明けた今日(米国時間10/29)、合衆国司法省はヘイトクライムに関するオンラインリソースや報告ツールを一箇所のハブにまとめて資料源を一本化した。

司法省のプレスリリースによると、その新しいポータルは、“省のヘイトクライムリソースを法執行部門やメディア、研究者、被害者、活動グループ、そして個人のために集めた統一的なポータルを提供するためのものである”。その新しいWebサイトは、https://www.justice.gov/hatecrimesにある。

月曜日(米国時間10/29)にD.C.で行われたヘイトクライム防止のための法執行部門の行事で、司法省副長官Rod RosensteinがそのWebサイトを発表した。Rosensteinはまた、ヘイトクライムデータの収集方法に関する研究に対する、国立司法研究所の助成金84万ドルを発表した。

このサイトは、司法省の調査や訴追活動の中から得られたリソースを集める。それらは、調査報告書や、統計データ、法律案内、教材などから成る。また、国の捜査/訴追対象となったヘイトクライムの近例を提供する。それらは、人種や宗教、出生国、性、障害、性的指向性などによる個人への暴力を含んでいる。また、ヘイトクライムらしきものを見た者が連邦政府にそれを報告するための、各種報告ツールも集められている。

政治的憎悪を広めることにおけるトランプ政権の役割に対して批判的な者にとっては、このサイトはあまり慰めにはならないだろう。役に立つリソースがいくつか集まってはいるが、でもそれらも結局は、認知的不協和を招く奇妙な行為の一つにすぎない。ここで司法省は憎悪を動機とする暴力を真剣に扱おうとしているが、しかしその結果が、暴力のターゲットになることの多い弱者から保護を剥ぎとっている。中でも最近もっとも顕著な弱者集団は、トランスジェンダーのアメリカ人だ。

Rosensteinは発表の中で、“本日被害者への哀悼を表するために、私たちもまた、ヘイトクライムの真剣な防止に向けて、自分自身を捧げるものである”、と言っている。彼もまた、ヘイトクライムの多くが今後も未報告のままであり続けることを、認めているのだ。

画像クレジット: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

極右ソーシャルネットワークGab、GoDaddyにドメイン登録を抹消されサービス停止

10月27日のピッツバーグ礼拝堂銃撃事件の容疑者がユダヤ人差別投稿に使っていた極右ソーシャルネットワークGabは、ドメインレジストラのGoDaddyから、24時間以内に新しいドメイン登録機関を探すよう警告を受けた後、サービスを停止した。GoDaddyの決定は、PayPal、Medium、Stripe、Joyentらが週末にかけてGabのアカウントを停止したことを受けたものだ。

Bowers容疑者はピッツバーグのシナゴーグTree of Life銃撃事件に関連する11名の殺人容疑および複数の憎悪犯罪で告発され、死刑宣告される可能性がある。名誉毀損防止組合はこの事件を、米国ユダヤ人社会に対する史上最悪の事件だとしている。

Bowersは自分のGab プロフィールに「ユダヤ人はサタンの子供たち」と書き、ユダヤ人差別投稿やその他のヘイトスピーチを繰り返した。銃撃のわずか前にBowersは、「HIAS[ユダヤ人難民支援団体]はわれわれの国民を殺す侵略者を連れて来たがっている。同胞が虐殺されるのを黙認することはできない。世間がどう言おうとも俺はやる」と 書いていた疑いがある

GoDaddy広報はメールによる声明で、Gabはドメイン登録機関の暴力的コンテンツに関する規約に反したため退去を命じられたと語った。

「Gab.comに対して、当社の利用規約に違反したため24時間以内に他の登録機関を見つけるよう警告した。週末に受け取った複数の苦情に基づいてGoDaddyが調査したところ、暴力を宣伝、促進する多数のコンテンツを同サイト上で発見した」

現在Gabは「攻撃を受けている。アプリストア、ホスティングサービス、および複数の支払い処理サービスがシステム的に無効化されている」旨を主張するメッセージを表示している。

Gabがオンラインサービスプロバイダーの規約に抵触したのはこれが初めてではない。昨年Gabはコンテンツ違反でApple App StoreとGoogle Playから削除された。今年8月Microsoftは、2件のユダヤ人差別投稿を削除しなければAzure ウェブサービスから排除すると警告した(投稿は削除されMicrosoftはGabへのサービスを継続した)。

Joyentにサービスを停止されたGabは自身のTwitterアカウントを通じて「数週間閉鎖する可能性が高い」と言ったが、その後「近いうちに復活する」とツイートした。

GoDaddyは昨年にも、バージニア州シャーロットビルで右翼団体の “Unite the Right”集会に抗議中殺害されたヘザー・ヘイヤー氏に関するわいせつな記事を掲載したとして、2017年8月に白人至上主義サイトDaily Stormerへのドメインサービス提供を停止した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpotifyもAlex Jonesのヘイトコンテンツを削除、YouTube、Facebookに次ぎ三社め

一週間あまりの間に三つのテクノロジー企業が、Alex Jonesの人騒がせ的で極右的で陰謀説のコンテンツに対する態度を決めた。その三番目の企業は、昨日(米国時間8/1)一部のコンテンツを削除したSpotifyだ。同社が5月に発表したヘイトコンテンツに対するポリシーに、Infowarsのポッドキャスト番組の一部が違反している、とされた。同社のアクションは、Jonesのビデオに対するYouTubeFacebookの罰に続くものだ。それらのビデオには、イスラム教排斥や性的少数者の排撃、児童虐待など、両社のポリシーに違反するコンテンツが含まれているとされた。

水曜日(米国時間8/1)のBloomberg宛ての声明で、Spotifyはこう述べている:

弊社はヘイトコンテンツの報告を真剣に受け止め、コミュニティがマークしたポッドキャスト番組や曲は、すべて調べている。Spotifyは、‘The Alex Jones Show’ポッドキャストの特定の番組を、弊社のヘイトコンテンツに関するポリシーに違反しているため削除したことを、ここに確認する。

Spotifyは削除した番組や違反したとされるポリシー条項を明かしていないが、同社のポリシーアップデートのページに引用されている削除候補には、“人種や宗教、障害、性的同一性、性的指向性などを理由として人びとに対する憎しみや暴力を喚起することが主たる目的であるコンテンツ”、とある。そのポリシーはまた、これらの違反が必ずしも“敵対的で露骨で野卑なコンテンツ”を含んでいなくてもよい、としている。それよりもむしろ、憎しみを生じさせることを意図しているヘイトスピーチ、という包括的な言い方をしている。

Infowarsのポッドキャストのそのほかの番組は、今でもSpotifyで提供されている。Apple PodcastやSticherなどと同様だ。

このほかSpotifyは5月に、R. KellyとラッパーXXXTentacion、およびTay-Kの音楽を取り下げている。

Spotifyは、ヘイトスピーチをモニターするために、以下の人権団体と協力している: The Southern Poverty Law Center, The Anti-Defamation League, Color Of Change, Showing Up for Racial Justice(SURJ), GLAAD, Muslim Advocates, International Network Against Cyber Hate。またモニタリングツールSpotify AudioWatchを内製して、ユーザーがヘイトコンテンツにマークをつけるよう、求めている。

しかしインターネットという道は、安全であると同時に、誰もが自由に通れる道でなければならない。安全と自由の‘安全な両立’は、現状ではまだ、きわめて困難な目標だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeがAlex Jonesのチャネルに罰を適用、ヘイトスピーチと児童愛護に関するポリシーに違反と

Googleは、InfowarsのファウンダーAlex JonesのYouTubeチャネルに、このビデオプラットホームの児童愛護とヘイトスピーチに関するポリシーに違反したとして罰を与えた。また、4つのビデオが削除された。罰の内容は、Jonesのチャネルの90日間ライブストリーミング禁止だ。

Googleのプレス向け声明はこう言っている: “弊社には何年も前から、児童愛護とヘイトスピーチに関するポリシーがある。話者やチャネルが何であれ誰であれ、ビデオのコンテンツに基づいてそのポリシーを一貫して適用している。また弊社には明確な三振法があり、三か月以内に三度罰を受けたチャネルは閉鎖する”。

The Vergeによると、削除されたビデオのうち2つには、イスラム教徒に対するヘイトスピーチがあり、3つめには性同一性障害者などに対するヘイト、4つめでは大人が子どもを地面に押し付け、字幕「リベラリズムはこうやって防げ」が表示された。

4つの削除されたビデオがJonesのチャネルに対する一つの罰でしかないことが、YouTubeのモデレーションポリシーに対する疑念と批判を招(よ)んでいる。それらの批判は、プラットホームのルールに違反しているビデオ一つ々々について、個々に罰が適用されるべき、と主張している(==違反ビデオが4本なら計4つの罰があるべき)。違反件数の多い違反常習者に対しては、それでなければ罰の効果がない、と批判者たちは主張している。

Jonesのチャネルは、フロリダ州パークランドの17名が死亡した銃撃事件で死ななかった人たちは“被害者を演じた連中”だ、とする陰謀説を宣伝するビデオにより、2月に罰を受けている。しかし罰は有効期間が3か月なので、Alex Jonesのチャネルには現在、アクティブな罰が一つしかないことになる。三振までは、遠い。

バカバカしくていやらしい考えを宣伝している、おかしな人物にすぎないJonesだが、でも彼には影響力があり、彼のInfowarsは悪質な陰謀説をたくさん広めてきた。たとえば彼は今、小学生児童20名を含む27名が殺されたSandy Hook銃乱射事件は、でっち上げだったと主張して、遺族から訴えられている。2012年12月のあの銃撃事件以来、被害者の遺族は陰謀説を掲げる人びとから、いじめのターゲットにされてきた。

YouTubeによる罰の数日前にはFacebookが、JonesがRobert Muellerに関して毒づいているビデオの取り下げを拒否した。そのビデオでは彼は、その司法長官直属特別顧問が子どもに対する性犯罪を犯したと非難し、彼を撃つ真似をした。FacebookがBuzzFeed Newsに語っているところによると、ビデオの中のJonesのコメントは本物と確認された彼自身のページにポストされたものであり、コミュニティのスタンダードに反していない、なぜならそれは、暴力を犯す意図を本気で述べている、と信じられるような声明ではないからだ、という。

TechCrunchは、Infowarsにコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookは多くのヘイトシンボルからとくにカエルのペペだけを選んで処罰

Facebookは、フィクションのキャラクターを利用したヘイトコンテンツを黙認してきたが、しかしPepe the Frog(カエルのペペ)だけは、ヘイトスピーチのシンボルとしてあまりにも定着してしまったので、この漫画の蛙にかぎって、特別のポリシーを適用することになった。

Motherboardが入手したFacebookの内部文書によると、漫画家のMatt Furieが作った人畜無害な漫画の蛙は、コンテンツをレビューするFacebookの社員が“ヘイトに関連して使われている”と判断した場合には削除すべし、というおかしな名誉を担うことになった。

出典: Motherboard

ミームとしてのペペの人気は下り坂のようだから、Facebookのこのポリシーは、ADLなどの団体が蛙をヘイトシンボルと分類していることが、契機かもしれない。ぺぺはオルタナティブ右翼(alt-right)が採用するよりずっと前から、ごく一般的なミームだったが、しかしその後、インターネット上の大量のフォトショッパー(Adobe Photoshopでいたずら画像を作る人びと)たちが短期間で大量の愚作怪作を作って世間に広めた。ほかにも、たとえばナチの画像と同居させられるHomer Simpsonのようなキャラクターがあるにもかかわらず、今回Facebookがとくに、ペペだけを取り上げたのは興味深い。

今本誌TechCrunchは、Facebookに問い合わせている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa