PayPal:ブラックフライデー&サイバーマンデーのモバイル支払高が過去最高の10億ドル超

Adobeが先週発表したレポートによると、ブラックフライデーのモバイルデバイスを通じての販売は過去最大だった。そして今週、PayPalは感謝祭からサイバーマンデーまでのショッピングにも同じような傾向が見られたことを明らかにした。ブラックフライデーのセールではモバイル支払高が過去最高の10億ドル超を記録したーそしてサイバーマンデーでも再び記録を打ち立てた。

今年のブラックフライデーでのモバイル支払高は2017年より42%増え、サイバーマンデーのモバイル支払高はそれをしのぐ伸びだった、としている。

しかしながら、サイバーマンデーでは全体の支払高が大きく、これはサイバーマンデーのショッピングの多くは、勤め人がデスクトップのコンピューターから駆け込み的に行なったからだろう。

グローバル規模では、感謝祭からサイバーマンデーまでの間のモバイル支払高は、PayPalが扱った全支払い高の43%を占めた。この期間中、PayPalは1秒あたり2万5000ドル超を処理し、モバイル支払いに限っていうと1秒あたり1万1000ドル超の処理だった。

ピーク時間はブラックフライデーに迎え、これはセールイベントの多くがオンライン上での開催にシフトしていることを意味する。オンラインとモバイルのショッピングという点ではピークはサイバーマンデーにきつつある、とPayPalは指摘している。

PayPalのデータではまた、別の傾向もうかがえる:ホリデー・ショッピングの始まりと終わりのラインがぼやけつつあることだ。最近では多くの小売が感謝祭、またはそれより以前にセールを開始し、ブラックフライデーの週を通して、あるいはそれ以降もセールを続けている。

たとえば、Amazonは同社のブラックフライデー/サイバーマンデーの大きな記録達成を利用することを決め、“12日間のセール”イベントを展開する。これは12月2日から12月13日まで開催され、毎日何百もの新たなセールを展開する。

またPayPalのデータは、ショッピングの早い開始を示している。感謝祭は今や別の大きなショッピングデーになり、年間を通してトップ10のショッピングデー入りした、とPayPalは指摘する。規模も昨年から41%大きくなった。

前年比で増えたのはEコマース支出だけではないこともPayPalのデータで明らかになった。ギビングチューズデーにはーこれはチャリティーへの寄付や人の役に立つようなものにフォーカスしたイベントだー180のマーケットの顧客100万人超が今年9800万ドルを寄付した。これは昨年から51%の増加という。

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(翻訳:Mizoguchi)

米国セブンイレブン、レジなし店舗を導入

Amazonが最初のレジなし店舗Amazon Goを2016年末にオープンして以来、他の小売業者は未来のコンビニエンスストアと戦う方法に取り組まざるを得なくなった。

Amazonはその後もシアトルサンフランシスコなどいくつかのAmazon Goを出店し、会員制スーパーのSam’s Clubは先週、テキサス州ダラスに“Sam’s Club Now”を開店すると発表した。そして今、世界規模チェーンストアの最古参が、類似のレジなし支払いシステムを発表した。

7-Elevenは、新たなモバイルチェックアウト方式、Scan & Payのパイロットテストを行っている。7-Elevenの利用者はスマートフォンで商品のQRコードをスキャンして商品を登録し、7-Elevenモバイルアプリを使って支払いができる。現在17カ国で6万5000店舗を運営する同社は、ダラスの14店舗でScan & Payのパイロットを行っている。2019年には他の都市にも同サービスを拡大する計画だ。

ユーザーはApple Pay、Google Payあるいは従来からのデビットあるいはクレジットカードを使える。レジなしチェックアウトで禁止されている商品は、ホットフード、宝くじ、アルコール、およびタバコのみだ。

「私たちにとって、利便性をデジタル世代に継続して推進する方法を見つけることが重要だった」と7-Elevenの最高デジタル責任者で最高情報責任者のGurmeet Singhが言った。「これで消費者の行動パターンや要求の変化に対応していく準備が整った」

ダラスに拠点を置く7-Elevenは、米国人口の50%が同社店舗の1マイル以内に住んでいると言っている。

他の大規模リアル小売業者と同じく、同社はITの急速な進歩に遅れを取らないことに全力を尽くしている。今年同社は、映画『デッドプール』シリーズと提携して、店内で拡張現実(AR)体験その他の実験サービスを提供した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Squareの新端末「Square Terminal」は、時代遅れのクレジットカード端末を置き換える

本日(米国時間10/18)Squareは新しいハードウェア、Square Terminalを発表した。

同社のハードウェア責任者、Jesse Doroguskerの説明によると、Square Terminaは同社の製品ラインアップのギャップを埋めるものだという——一般のカードリーダーと異なり、これはオールインワンのハードウェア(スマートフォンやタブレットが不要)だが、Square Registerよりは求めやすい価格になっている。

Doroguskerはこれを、あちこちの店で見かける「時代遅れの」クレジットカード端末(たとえば近所の雑貨屋のカウンターにのっかっているあるグレイのブロック)を置き換えるために作ったと話した。彼によると、その手の端末は店主にとって厄介な契約が付随してるうえに、消費者にとってもすばらしい体験とはいえない。

それに対してこの新しいTerminalは、Squareらしい体験を提供する。たとえば、Wi-Fi対応で1日持続するバッテリーで動くので、店の中を持ち歩いたり客に手渡しすることができる。

「この製品が実に面白いと気づいたのは、Squareの支払いシステムを内蔵しているだけでなく、ユーザーに新しい使い方の道を開いたことだ」とDoroguskerは言う。

たとえば、ベータテスターの中には、テーブルで支払い処理ができるようになったレストランや、客が椅子に座ったまま支払えるサロン、患者が処置室の中のプライバシーの守られた状態で支払いができる整形外科などがあると彼は言った。

Doroguskerは、一部の国々ではすでにワイヤレスカード端末を顧客のテーブルで使っていることを認めつつ、Square Terminalには購入商品それぞれの価格を見ることができるなどの付加機能があると話した。さらに、スマートフォンなどの端末を通じてApple PayとGoogle Payの支払いを受け付けることもできるほか、ICチップ付きカードを2秒で処理できる機能も内蔵している。

Square Terminalの価格は399ドル。Squareを初めて使う店は今すぐ注文すれば、300ドルの手数料クレジットがもらえる。クレジットの有無に関わらず、Squareの処理手数料はシンプルに誰でも同じ、取引1回当たり2.6%プラス10セントだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Costco、全米の店舗でApple Payを導入

AppleはApple Pay導入で大きなパートナーを獲得した。Costcoが全米750店舗でこのモバイル支払いサービスを導入したのだ。同社のガソリンスタンドでも使えるようになる見込みだが、導入はまだ完了していない。

今回の導入はーはじめにMacRumorsが報じたーワシントンの同社本部近くにある店舗を含むいくつかのCostcoアウトレットでの試験展開に続くものだ。

今回のパートナーシップは、AppleにとってはCVSや7-Elevenとの提携直後の動きだ。特にCVSとの提携は注目に値する。というのも、CVSはバーコードを使った独自の支払い手法を開発していて、Appleサービスのサポートを避けていたからだ。Appleはまた、今夏eBayとも提携を結んだ。これによりeBayはオンライン小売の中でほっと一息つくことになった。

Apple Payサービスは今や世界30のマーケットで運用されていて、最近のレポートによると、米国においては2020年までにOEMを使った非接触型支払いの半分がApple Payによるものになると予測されている。

Samsung Payや Google  Pay、その他を含むそうしたサービスのマーケットは、4億5000万人に達する見込みだ。すでにAppleはその恩恵を受けている。Apple Payは、前四半期に昨年同期比31%増となった96億ドルもの収益をあげた“サービス”部門の一角を構成している。

イメージクレジット: Michael Brochstein/SOPA Images/LightRocket / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi)

モバイル決済ユーザー、2020年までに半数がApple Payを活用

調査会社Juniper Researchが発表した新たな予測によると、モバイル端末メーカーが提供する非接触型支払いサービスを使ったモバイル決済ユーザー数は、2020年に世界で4億5000万人に達するという。このモバイル決済にはApple PayやSamsung Pay、Google Payその他が含まれる。そして世界の“OEM支払い”ユーザーの2人に1人がApple Payのユーザーであることが見込まれる。これは、サードパーティのアプリではなく、端末メーカーが展開する支払いサービスを利用することを意味している。

今回の予測には、この分野への新規参入、たとえばVersaスマートウォッチのいくつかのエディションで使えるFitbitのFitbit Payなども含まれる。こうした新規参入組のサービスが今後数年間のうちに大きなマーケットシェアを奪うとは考えられない、という分析は特に驚くものではないだろう。

「この分野における今後5年間の成長は引き続き主要OEMプレイヤーのサービスによって独占されることが見込まれる」と、調査結果を執筆したNitin BhasはAppleやGoogle、Samsungの名を挙げて述べている。「加えて、Huawei PayやFitbit Payといったいくつかのマーケットで展開されているサービスがあるが、この点も今回の予測に含まれている」とも言及している。

2020年までに“OEM支払い”による決済額は3000億ドルに達し、店頭での非接触決済の15%を占めると見込まれる。

しかしながら、非接触決済マーケットの主流はモバイルウォレットではなく、カードだ。非接触カードによる支払いは中国を含む一部のアジアでポピュラーで、中国は世界の非接触決済の55%を占めている。店頭での非接触決済は2029年までに2兆ドルに達する見込みで、これは店頭決済の15%に相当する。

注目すべきは、2018年に初めて非接触決済が1兆ドルを超えると見込まれていることだろう。この達成は予測より1年早い。

一方で、Juniperはモバイル決済を使ったチケットの購入が、北米を中心に、そして中国を含む一部のアジアで2022年までに100億回近く行われると予測する。

今回のレポートで興味深いのは、世界のスマホ市場を独占しているのはiPhoneではなくAndroid携帯であるにもかかわらず、Apple Payが多くのユーザーを獲得すると予測していることだ。Android携帯の世界展開規模は、Googleの通信会社とのパートナーシップやAndroid携帯の低価格によるところが大きく、こうした点は発展途上国での市場開拓にも寄与している。いくつかの調査会社によると、世界のスマホ市場でAndroid携帯はいまや85〜86%を占め、一方のAppleのモバイル端末は14〜15%にすぎない。

もちろん、Androidにはアップルにないような問題を抱える。それは、Google Pay(旧Andoroid Pay)と競合する独自のモバイルウォレットを展開するSamsungのようなOEMの存在だ。これが全てではないにせよ、こうした分裂により、近い将来、非接触モバイル決済ユーザーの2人に1人がApple Payを活用する、ということになる。

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(翻訳:Mizoguchi)

Apple Pay、ミュージックフェスでの飲み物‘事前オーダー’をテスト中

コンサートで最悪なことの一つを、Appleが何とかしようとしている。その最悪なことというのは、ビールを買おうと列に並んでいる間にお気に入りの曲を聞き逃すことだ。先週サンフランシスコの近くで開催されたBottleRockミュージックフェスティバルで、“order ahead with Apple Pay(Apple Payを使った事前オーダー)”が初めて試された。Appleはこの事前オーダーをさらにいくつかのイベントでも展開しようとしている。このサービスを使うには、まずフェスティバルのアプリを立ち上げ、最寄りの売店をタップして飲み物を選ぶ。顔認証か指紋認証を使ってApple Payで支払いをし、売店の専用窓口で待つことなくピックアップするという流れだ。

Appleの本社から100マイルも離れたところで開催された、ワインとオールディーズを楽しむBottleRockフェスが、このサービスの試験台に選ばれた。昨年は、全ての売店にSquareのApple Pay支払いシステムが用意され、現金やクレジットカードではなくApple Payで払う人専用のファストレーンが設けられた。Appleの広報によると、BottleRockでの支払いの30%がApple Payを使って行われ、これにより人々は早くステージ鑑賞に戻ることができた。

今回の事前オーダーでは、飲み物は用意されているので、ダンスする足を止める必要はない。僕はCoachellasフェスに14回行ったことがあるが、友達を見失いそうになったり、イライラしながらビアガーデンの列で並んでいる間にヒットソングを聞いたりという事態を避けるためには、先にアルコールを確保しておくべき、ということを学んだ。しかし今回、Apple Payのおかげでベストなコンサートでの飲み物購入体験となった。すごく便利で、先週、飲み物を何回も購入したのは僕だけではないだろう。

だからこそ、僕は今後ミュージックフェスがApple Payを使った事前オーダーを取り入れるチャンスに飛びつくと思っている。そうすればミュージックフェスとベンダーは売り上げをさらに伸ばせるし、利用者はより音楽を楽しめる。一方で、これはAppleにとっても多くの人にサービスを提供するいいチャンスとなる。Apple Payは特に急いでいるときに便利だが、フェスティバルに行く人は日常でも頻繁に使うようになるだろう。

ミュージックフェスでよく使われるテックとしては、友達を見つけるアプリや、位置情報に基づいたアラートなどがあるが、それらは時として大事な瞬間を台無しにすることもある。そうした点で、Apple Payは必要な時以外はユーザーの邪魔をしない優れたものといえそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi)