速報:Facebookが話題のVRヘッドセット、Riftのメーカー、Oculusを20億ドルで買収

Facebookは拡張現実ヘッドセットRiftのメーカー、Oculus VRを買収することを発表した。価格は約20億ドルで4億ドルのキャッシュと2310万株のFacebook株式によって支払われる。さらにOculusが今後一定の成績を収めた場合には3億ドルのアーンアウト(成功報酬)が支払われる(その条件は不明)。

今日(米国時間3/25)、Facebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグは「バーチャル・リアリティー・テクノロジーのリーダーであるOculusVRと買収に関して合意に至ったことはたいへんに嬉しい」とする声明を発表した。その中で、次のように述べている。

われわれの使命はよりオープンかつ密接に結び付けられた世界を作ることがわれわれの使命だ。この目的にむかってここ数年われわれはモバイル・アプリの開発に取り組んできた。このぶんやでなすべきことはまだ数多くあるものの、われわれは一層楽しく、有用なユーザー体験をもたらような次のプラットフォームについて研究する時期に来ていると感じた。

そこでわれわれはOculusに注目した。同社はOculus Riftに代表されるような優れたVRテクノロジーによって知られている。Riftを装着すればコンピュータによって生成された新しい没入的な空間を体験できる。ゲーム、映画、あるいは遠く離れた場所を驚くべきリアリティーで体験できる信じがたいテクノロジーだ。われわれはここにいながら他の場所で他の人々と体験を共有できる。Riftを試した人々は皆「生まれて初めてのまったく新しい体験だった」と驚きを口にしている。

ザッカーバーグは「Oculusは今後もゲームへの応用を第一にしていく。またFacebookとは独立の組織として運営される。しかしゲームへの後は他のさまざまな方面への展開を考えている」と述べた。

家にいながらにして、特別席でスポーツの試合を見たり、世界の大学で他の学生たちと教室にいるようにして授業を受けられたり、1対1で医師の診察を受けられたりできるようになったら素晴らしいだろう。これはまったく新しいコミュニケーションのプラットフォームになり得る。この高度な拡張現実を利用すれば無制限の空間を手に入れることができる。友だちとオンライン体験を共有するだけでなく、実世界と同様の生活と冒険を共有できるようになるだろう。

買収手続きは2014第2四半期中に完了する予定だ。Oculusは現在7500台のRiftヘッドセットの注文を受けいる。これらはRift向けにアプリケーションを開発することに関心を持っているデベロッパー向けの開発キットだ。最新のCrystal Cove’プロトタイプをベースにしたモデルは1080Pのフルハイビジョン・ディスプレイと奥行きを感知するをセンサーを備え、さらにリアルな体験が可能になっている。

Oculusはこれまでに9340万ドルのベンチャー資金をSpark、Matrix、Founders Fund、Formation 8、BIG Ventures、Andreessen Horowitzから調達している。 Oculusは最近、3Dゲームの父と呼ばれるJohn CarmackをID SoftwareからCTOに迎え、大いに会社としての格を高めた。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


インフォグラフィックで見るApple、Google、Yahoo、Amazon、Facebookの企業買収の15年

企業が齢を取ると動きが鈍くなり、やがては死に至る。そうならないためには新しい血の注入が必要だ。前世代のテクノロジー大企業の運命を教訓として、今日の新しい巨人たちは若い企業の買収によって健全性の維持を図っている。下にエンベッドした洗練された対話的インフォグラフィックをご覧いただきたい。Apple、Amazon、Google、Yahoo、Facebookが過去15年間に行った買収の件数、金額、企業ジャンルが一覧できるようになっている。

このインフォグラフィックを制作した企業向け損保のSimply Businessは、特にTechCrunchにのみ転載を許可してくれた。

それぞれの円の直径は(公開されている場合)買収金額を表している。左端の会社のロゴをクリックすると買収の一覧表が表示される。上部の+-ボタンあるいはマウスのホイールでズームイン/アウトができる。モバイル、検索などのカテゴリーをクリックするとそのカテゴリーでフィルターされる。上部右端のFrequencyをクリックすると件数が一覧しやすくなる。サイズの関係でモバイルではは見づらいかもしれない。ウェブからご覧になるようお勧めする。

Simply Businessのインフォグラフィックではっきり分かることがいくつかある。

  • Yahooの企業買収は2011年から2012年にかけてほぼ停止していた。 Marissa MayerがCEOに就任してから買収が積極的に行われるようになった。
  • Appleは社内に巨額のキャッシュを積み上げているにもかかわらず買収金額は低い。買収の動機は市場シェアの獲得というよりテクノロジーの取得が多い。
  • Facebookは上場に伴って大規模な頭脳流出に見舞われた。このため買収の動機は人材獲得が多い。
  • スティーブ・ジョブズは買収はイノベーションの失敗だと考えていたが、ティム・クックは新テクノロジーの獲得のために積極的に買収を行っている。
  • Sequoia Capitqalが 古き良き時代よ、さらばと嘆いた2008年から2009年にかけて買収不況が襲った。
  • ここ数年、検索、広告、メディア分野の買収が減少し、ソーシャル、モバイル、ハードウェア関連の買収が増加している。

トップ5企業による買収の最大のものは―

  • Apple – Anobit(3億9000万ドル)、 AuthenTec(3億5600万ドル)
  • Amazon – Zappos(9億ドル)、Kiva Systems(7億7500万ドル)
  • Google – Motorola Mobility(125億ドル)、Nest(32億ドル)、DoubleClick(31億ドル)、YouTube(16億5000万ドル)
  • Yahoo – Broadcast.com(50億ドル)、Overture(18億3000万ドル)、Tumblr(11億ドル)
  • Facebook – WhatsApp(190億ドル)、Instagram(10億ドル、7億1500万ドルで契約)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、スマート・サーモスタットなどインターネット接続家庭用品のNestを32億ドルのキャッシュで買収

Googleはインターネットに接続される各種スマート・デバイスのメーカー、Nestを32億ドルのキャッシュで買収する。今日(米国時間1/13)、Googleはこのことをまず社員に対してメールで通知し、続いてプレスリリースを発表した

2011年にNestはベストセラーとなったスマート・サーモスタットの販売を開始した頃からGoogleはNestに注目していたようだ。同社は最近ではやはりネットワークに接続される煙警報機Protectを発売している。

Nestの共同ファウンダー、Tony FadellとMatt RogersはともにGoogleに参加する。RogersはAppleでiPhoneの開発がスタートしたとき、最初に参加したエンジニアの一人だ。一方、Fadellは「iPodの父」として知られている。

NestはGoogleの傘下に入っても独自のブランドを維持し、Fadellが指揮を続ける。買収は合意されているが、当局による承認を待っている状態だという。

Nestの共同ファウンダー、FadellとRogersはTechCrunchに対して買収に応じた経緯を説明するメールを送ってきた。

「“Googleは巨大なビジネス資源とグローバルな規模のプラットフォームを持ち、Nestの成長プロセスを大きく加速することができると考えた」とFadellは言う。

Fadellによればこの決断に至るまでには長い経緯があったという。Nestのローンチ以前、2011年のTEDカンファレンスでFadellとビジネス担当副社長のErikCharltonはGoogleの共同ファウンダー、サーゲイ・ブリンにスマート・サーモスタットのプロトタイプのデモ・ビデオを見せた。すると「サーゲイは即座に興味を示し、その後われわれがデモをしたGoogleのチームのメンバーも同様だった。2011年5月にGoogle VenturesがシリーズBの資金調達ラウンドをリードし、2012年にはやはりGoogle VenturesがシリーズCを実施した」という。

Googleは過去にインターネット接続のAndroid at Homeなどスマート家庭用品デバイスの開発を試みて失敗している。その点Nestは優れたデザインと機能のデバイスの開発、すでに市場に受けいられている。 将来Googleが必要とするに違いない分野で成功を先取りしているという点で効果的な買収だろう。

Googleは独自のスマート・サーモスタット計画を検討していたとされるが、Nestがこれを補完するのか、あるいはNestチームがこの分野を指導することになるのだろう。もうひとつのGoogleの興味あるプロジェクトである電力消費モニターのPowerMeter計画についても同様のことがいえる。

NestはQ&Aを発表し「今後共Nest製品のサポート、保証には変更がない」ことを強調した。〔Q&Aの全文については原文を参照〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


BlackBerry、47億ドルでFairfax Capitalへ身売りか―最後のせめぎ合い続く

今日(米国時間9/23)、BlackBerryは発行済株式を1株あたり9ドルで買い戻すと発表した。総額は47億ドル程度になる。9ドルという価格は現在の株価8.23ドルをわずかに上回るレベルだ。自社株買戻のニュースを受けて現在市場での取引は中断している。

BlackBerryの株価は今日だけで5%も下落した。同社の株をすでに10%保有しているFairfax Financialも9ドルでの株式買取を申し出ている。BlackBerryの取締役会はこの取引に賛成し、基本合意書に署名した。これで一件落着かと思われたが、そうではなかった。

取締役会は「Fairfaxが提示したものより良い条件のオファーを今後さらに求めていく」という意向を発表した。一方、FairfaxはBank ofAmerica、Merrill Lynch、BMO Capitalにこの買収の原資を引き続き求めていくと発表した。もしBlackBerryがFairfaxとの基本合意を破棄した場合、1株あたり0.30ドルの違約金が発生する。

最近の四半期決算によれば、BlackBerryはキャッシュ類を28億ドル保有している。これに知的財産を加えれば、残余の企業価値はごく小さい。9ドルというのは直近の終値に比べてプレミアムは10%以下だ。これでは株を手放す気にならない投資家もいることだろう。

Fairfaxは勇敢にもBlackBerryを買収しても「解体して切り売りはしない」と明言している。Fairfaxは「非公開企業にしたうえで優れたエンタープライズ向け製品に特化した企業として再建する長期的な戦略を建てる」としている。

Fairfaxによる買収の成否にかかわらず、最近のDellと同様、BlackBerryが公開IT企業が非公開化する例に加わることは間違いないようだ。

画像: Honou

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ジェフ・ベゾス、ワシントンポスト紙をポケットマネー2.5億ドルで買収―その中味を検討する

ジェフ・ベゾス(Amazonではない)が2億5000万ドルのキャッシュを投じて名門紙、Washington Postを買収したというショッキングなニュースが飛び込んできた。ベゾスが買収したのはWashington Post本紙だけでなく、いくつかのローカル紙、 Washington Postのウェブサイト、Comprintという印刷会社も含まれる。Post自身の発表はこちら

ところでベゾスが購入したこの資産の健全度はどの程度なのだろう? まずは公開されている数字を見てみよう。ただし、Washington Postグループで売上の内訳を公表しているのはPost本紙だけだという点に注意する必要がある。

今年の第2四半期に、Postグループの新聞事業部の売上は1億3840万ドルで、対前年同期とほぼ同額だった。つまりベゾスが買った新聞事業は、ありきたりのイメージとは違って、急速に没落しているわけではない。

紙媒体のWashington Postの広告収入は5450万ドルで対前年同期比4%のダウンだが、これもまずは安定した状態だ。Washington PostとSlate.comのオンライン収入は合計で2980万ドル、前年同期比で15%の増加だ。BezosはSlateを買収しなかったのでPost単独での数字はこれより多少下がるだろう。しかしWashington Postの方が圧倒的に大きいので、その差はわずかだろう。

オンラインの広告収入は前年同期比で25%アップしている。ただしオンライン案内広告の収入は7%のダウンだ。これはどういう意味なのだろう? 簡単にいえば、Washington Postのオンライン広告は、部分的なダウンはあるものの全体として順調なペースで成長しているということだ。

紙媒体のからの収入の減少は発行部数の低迷を反映している。2013年上半期の日刊発行部数は前年同期比で7.1%減少して44万7700部だった。

Washington Postが赤字を出しているのか、出しているすればどれほどの額かを推定するのは難しい。主要業務である新聞事業部は2013年の上半期で4930万ドルの赤字を計上している。ただしそのうち3970万ドルは年金経費だ。さらにこの時期には1960万ドルの早期退職、レイオフ関連の費用が計上されている。

こうした年金、早期退職経費を除けば新聞事業は単体としては黒字である可能性もある。

証券取引委員会への提出書類にはこうある。

購入者は現在のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。売却者は以前のPost従業員の退職後の福祉に関してすべての責任を負う。

つまりベゾスは過去の従業員の年金問題を引きずる必要がないわけだ。

非公開企業であるため、Postグループの財務情報には不明な点が多い。そのためベゾスが今回購入した会社のの正確な価値を推計するのは困難だ。しかしPostのデジタル収入が増加傾向にあり、紙媒体の漸減をカバーできる可能性がある。 ごく大まかに言えば、希望のもてる状態といえるだろう。この規模の新聞社に対して、異例に楽観的な評価と思われるかもしれないが、ベゾスが今後ビジネスモデルの舵取りに成功するなら、Postが金食い虫で終わることはないかもしれない。

もうひとつ考慮すべき点は、ベゾスがファウンダー、CEOであり大株主であるAmazonとの関係だ。たとえば、ベゾスはPostの有料購読をAmazon Primeサービスの一環に取り込み、それに対して(比較的少額だろうが)収入の一部を分配するといったことができるだろう。

ちなみにPost紙の運営コストは今後、減少していくはずだ。第2四半期の決算報告によれば紙媒体の経費は第2四半期で17%、上半期で14%で減少している。その主な理由は、発行部数の減少によるものという。なるほど。

トップ画像: Jon S

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Yahoo!、17歳の起業家の人工知能ニュース要約アプリのスタートアップ、Summlyを買収―価格は3000万ドルか?

Yahoo!はマリッサ・メイヤーがCEOに就任してから積極的に企業買収に動いている。特にモバイル・アプリの買収に熱心だ。今日(米国時間3/25)、Yahoo!はニュース収集と要約を提供するモバイル・アプリを開発したスタートアップ、Summlyを買収したと発表した。AllThingsDは買収価格は3000万ドル前後と報じている。

このアプリは非常に優れものだ。直感的なジェスチャーでニュースを選び、要約を表示させることができる。驚くのはSummlyのファウンダー、ニック・ダロイシオが現在わずか17歳の高校生だという点だ。しかしこのスタートアップはすでにHorizons Ventures、betaworks、Shakil Khan、Matt Mullenweg、Troy Carter、それになんとオノ・ヨーコから153万ドルの投資を受けていた。Summlyはまた要約すべきニュースの供給に関してNews Corpと契約を結んでいる。

Yahoo!の広報担当者によれば、Summlyチームはこの数週間でYahoo本体に参加し、現在のアプリは閉鎖されるという。ここ数ヶ月愛用していたユーザーにとっては残念なニュースだ。SummlyのサービスはYahooのモバイル・サービストに統合されることになるという。AllThingsDの12月の記事によればYahooのサービスへの統合プロセスはかなり前から開始されていたもようだ。

Yahooのモバイルおよび新規プロダクト担当上級副社長のAdam Cahanによるこの買収に関する公式ブログ記事。一方ダロイシオがSummlyのユーザー向けに発表したコメントはこちら

Yahoo!がこのテクノロジーを入手したことは非常に興味ふかい。Summlyは当初Trimitという名称で、その名のとおり、独自のアルゴリズムによってニュースから重要部分を抽出して表示するアプリだった。今回の買収でYahoo!がこのテクノロジーを他のモバイル・アプリでも利用できるようになったので、ユーザーは同一の時間でさらに多くのコンテンツに目を通すことができるようになる。つまりそれだけ多く広告も表示できるわけだ。

YahooはSummlyの買収の5日前にもソーシャル推薦サービスJybeを買収している。Jybeの買収はYahoo!が機械言語、自然言語解析に強いチームを欲しがっていることを印象付けた。マリッサ・メイヤーは人工知能の利用によってYahoo!のイメージの一新を狙っているのだろう。

今回の買収はStamped、Jybeに次いで3社目の興味あるメイヤーによる買収だ。

昨年11月にTechCrunch TVはニック・ダロイシオにインタビューしている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoftは育てたスタートアップを自分で買う: まずクラウドモニタリングのMetricsHub

metricshub_logo_1

Microsoftが今日(米国時間3/4)、Azure上のクラウドアプリの管理を半自動化し、その効率化を助けるサービスMetricsHubの買収を発表した。MetricsHubは、MicrosoftがTechStarsと共催した3か月間の、お互いが競い合うアクセラレータプログラムMicrosoft Azure Accelerator参加した企業の一つだ。

このプログラムの参加企業にはTechStarsから2万ドル、Microsoftからは6万ドル相当のAzureクラウドコンピューティングサービス、シアトル市内のオフィス、そして、Microsoftが買収するかもしれない機会が与えられる。

Microsoftの今日の発表によると、Windows Azureのユーザは、MetricsHubのActive Cloud Monitoringサービスの“無料のプレリリースバージョン”をWindows Azureストアで入手して利用できる。また今日のMetricsHubからの告知によると、既存の有料ユーザは無料プランへ転換される。

metricshub

買収の条件は公表されていないが、まだユーザ数がわずか374名のサービスなので、それほど高額の買収価額ではなかっただろう。

MetricsHubのサービスを利用するとユーザは、ニーズに応じて自分のサービスを柔軟にスケールアップ/ダウンでき、またシステムの健康状態やパフォーマンスに異状があれば警告や通知をもらえる。New Relicなどのツールに比べるとまだ簡素だが、Azureを実際に使っている企業にとっては貴重な無料サービスだ。

Microsoftの企業向け事業開発担当VP Bob Kellyが今日の発表声明でこう述べている:“クラウドというソリューションには、スケーラビリティ、柔軟性、そしてその価値、などいくつかの側面で強い魅力がある。しかし、クラウド上に展開しているアプリケーションの重要なデータポイントをすべてモニタし、それらの相互関係を正しく理解して、アプリケーションをスケールアップすべきタイミングなどを適正に判断することは、決して容易ではない”。…だからMetricsHubのサービスをご利用ください、というわけだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))