Facebook、逆風の中Q1の売上は予測超え、1日あたりユーザー数は14.5億人に

データプライバシーを巡る厳しい批判の中、Facebookは広告マシンとしての回復力を見せウォール街予測の売上114.1億ドルを出しぬいた。同社は2018年Q1の決算報告で、売上119.7億ドル、1株当たり利益(EPS)1.69ドルを記録した。ウォール街予測のEPSは1.35ドルだった。

Facebookは1日あたりアクティブユーザー(DAU)を4800万人増の14.49億人、前期比3.42%とし、低調だった前四半期の成長率2.18%から回復を見せた。しかし月間アクティブユーザーの増加は7000万人増の21.96億人に留まり、成長率3.14%は前四半期の3.39%よりわずかに減少した。1日あたり、月間ともに対前年比では13%増で、一連のトラブルがFacebookの成長を損なっていないことを示した。

今期はおそらくFacebookが上場して以来最も揺れ動いた四半期だった。Cambridge Analyticaスキャンダルとデータプライバシーの扱いに対する批判が高まり、デベロッパー機能の大幅な制限やZuckerbergの議会証言へとつながった。前四半期、Facebookは史上初めてユーザー数の減少を経験し、米国とカナダ市場では健全性強化のためのポリシー変更の影響でバイラルビデオが減りユーザー数が70万人減少した。

今期Facebookは米国・カナダのユーザー成長を取り戻し、前期の1.84億人から1.85億人へと復活した —— ただしこれは2017年Q3の水準に戻っただけだ。月間アクティブユーザー数も2.39億人から2.41億人へと増えた。これは、人々がFacebookのプライバシーに対する取組みに異議を唱えながらも、ニュースフィードを捨てるには至っていないことを示している。

Facebookのウェブでのプレゼンス減少を象徴するように、全広告収入の91%にあたる107億ドルをモバイルが占め前期の89%から上昇した。Facebookの利益は49.8億ドルに達し、低調だった前期の42.6億ドルから復活した。ユーザー当たり平均売上は前年比30%増の5.53ドルで、これは今期のヨーロッパとアジア太平洋地域での強い伸びによる。Facebookの社員数は前年から48%増え、セキュリティーおよびコンテンツ監視要員を2018年中に倍増するという約束を半分達成した。

最近のスキャンダルは株価に大きなマイナス圧力を与えたが、同社は今がお買い得だと考えているようだ。Facebookは株式買い戻しプログラムを90億ドル拡大した。当初の計画は60億ドルで、うち40億ドルをすでに支払っている。目的のひとつは社員への大量の株式配分を補正するためだが、CFO David Wehnerはこれは「機に乗じた」ものだとも言う。すなわちFacebookは今の株価を低すぎると認識している。ウォール街はこの決算に満足のようで、時間外取引の株価は4.38%アップの166.68ドルだった

問題は、広告透明化という新たな要件やデベロッパープラットフォームの取締りとその健全な利用に向けてのFasceookの努力が次期売上に反映されるのかどうかだ。一連の変更によって、広告主が怖じ気づき、ユーザーの遊べる機能が減る、これまでユーザーが気分を害しながらもスクロールし続けてきたレベルの低いバイラルコンテンツは一掃されるかもしれない。

CEO Mark Zuckerbergはこう書いている。「重大な課題に直面しながらも私たちのコミュニティーと当社の事業は順調に2018年のスタートを切った。私たちの責任を広い視野で捉え、自分たちのサービスが間違いなく善い目的で使われるための投資を行っていく。同時に私たちは、人々がつながりとコミュニティーを強力にして世界がもっと密につながるための新しいツール作りを続ける必要がある」。

決算電話会見に基づくアップデート:

  • Zuckerbergによると、Internet.orgは1億人の人々をインターネットにつなげた。2016年11月には4000万人だった。
  • 2億人の人たちが「有意義なグループ」に属している。昨年の1億人から増加したが、目標の10億人にはまだ遠い。
  • WhatsApp Statusは、Facebook傘下のSnapchat Storyクローンとして他を引き離して最大となった。1日あたりユーザーは3億人で、最後にFacebookがデータを公表したときのInstagram Storiesと同じだ。
  • フィードを読むよりもStoriesを見るユーザーが増えてくると、FacebookはStoriesの広告をフィード並に充実させて収益ストリームを確保する必要がある。
  • Facebook CFO David Wehnerは、 Q2にはGDPR(EUのデータ保護規則)の影響でFacebookのヨーロッパユーザー数は横ばいか減少となる可能性があり、広告収益にも影響するかもしれないと警告した。
  • Zuckerbergは、iOSとAndroidがスタートしたとき、Facebookがまだ小さかったためにモバイルエコシステムの整備がきちんとできなかったことも最も後悔している、と語った。これは将来VRとARでFacebookが主要な役割を占めることにZuckerbergが強くこだわる理由だ。VRとARは未来のコンピューティングプラットフォームになると彼は信じている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、「ユダヤ人嫌い」問題を受け、ターゲット広告の人力監視を約束

Facebookは、ユーザープロファイルの興味分野や勤務先情報を広告ターゲティングに利用することが、攻撃的行為を生む可能性を予知できなかった。 Facebook COO Sheryl Sandbergは現在の状況を詫び、今後Facebookは広告ターゲティングをすべて、手動でチェックすると発表した。

Facebookは、先週ProPublicaが「ユダヤ人嫌い」や「ユダヤ人を焼く方法」などのキーワードでターゲットしたFacebook広告を出せることを指摘した後、広告ターゲティングにユーザー生成情報を利用することを全面的に禁止した。Sandbergによると、Facebookは「看護師」や「歯科」などユーザー生成によるターゲティングオプション上位5000件を精査した。新しいキーワードはすべて人間による厳格なレビューを経てから登録される。

Facebookは、侮辱的な広告ターゲティングを禁止するためのルールを明確にするとともに、人間の管理者によるチェックを強化する。さらにFacebookは、広告サービスの悪用に関して、ユーザーインターフェースや技術的問題と同じ方法で通報できるしくみを検討している。

「これまでFacebook上でのヘイト行為を禁止する厳格なポリシーを長年運用してきた。私たちのコミュニティーは、このポリシーも入念な注意と配慮をもってFacebookに適用させる権利がある」

Facebookは広告主が「ユダヤ人嫌い」をキーワードにターゲットすることを許している。画像出典:ProPublica

このスキャンダルは、Facebookが自社の広告システムが悪用される可能性を「予期していなかった」ことをSandbergが認めたこととあわせて、最近Facebookで起きている多くの問題が認識の甘さに起因することを象徴している。2016年の米国大統領選挙でロシアスパイが政治的広告を買ったことを始め、Messengerの位置情報機能がユーザーのいた場所を突き止めることに悪用されたり、ユーザー滞留を優先するあまりニュースフィードにクリックを誘う偽ニュースを流していることまで、一連の問題は、Facebookの理想主義的なリーダーシップが、最悪のシナリオ予測することよりも、善意の利用場面の推進に長けていることを証明している。

Facebookのもつパブリッシングや広告、コミュニケーションの規模と力を踏まえると、この会社は人間の本性の邪悪な側面を予見することを学ぶべきだ。おそらくそれは、熟練の懐疑論者を雇い、悪用を発見する正義のハッカーとして活用することを意味しているのだろう。

Sandbergの投稿全文は以下で読める。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、クリックした広告の履歴を見る “Recent Ad Activity” を追加

自分はFacebook広告に影響されない、と思っているかもしれないが、ときどき誘惑されることもあるはずだ。しかし、広告は必ずしも永久にどあるわけではないので、もう一度見てみようと思っても見つけるのは難しいことがある。Facebookはその答えとして、クリックした広告をまた見たいときのために、Recent Ad Activity[最近見た広告]という機能を作った。

Matt Navarraがこのスクリーンショットをシェアしたあと、TechCrunchが問い合わせたところ、Facebookはこの新機能を米国で一般公開したことを認め、ほかのどこの国でテストするか検討中だと語った。米国のユーザーは、モバイルアプリとデスクトップサイトのサイドバーから利用できる。

Recent Ad Activityには、過去3か月ほどの間に、ユーザーがクリック、コメントまたはシェアした広告があらわれる。意図的に保存した広告を見るためのタブもある。

残念ながら、3カ月ということは、2016年の米国大統領選挙でドナルド・トランプに有利な方向に進めるために、ロシアのスパイが購入した政治広告を掘り出すことはできない。

Facebookは、対象となる広告コンテンツの公表を再三拒否し、その広告とターゲット情報は広告主に属するビジネス上の秘密だと語った。しかし捜査令状があれば、Facebookは広告コンテンツやターゲット、購入者などの情報を、特別検察官のRobert Mullerにロシア選挙介入捜査の一環として引き渡したことがある、The Wall Street JournalおよびCNNが伝えている。

新機能は、覚えてもらう方法を求めている広告主にとっては朗報だろう。Recent At Activityによって、企業は古い広告をクリックした人たちに新たな購入やアクションを促すチャンスを得られる。

結果的にFacebookは、購入を促進した手柄を自分のものにできる。6週間前に見た広告を思い出せないとき、Googleで探すことがよくあるが、その場合の手柄はGoogleのものになる。Recent Ad Activityは、そんなユーザーをFacebookに呼び戻し、もう一度その広告をクリックさせることで、広告主にもっと宣伝費を使わせる口実を手に入れることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Collectionは4種類のアイテムを表示―ショーウィンドウ的モバイル広告が登場

Facebookは広告主が販売したい商品4種をまとめて掲出できる新しい広告フォーマット、コレクション(Collection)を導入した。

広告形式に関する前回の大きなアップデートは昨年のキャンバス広告の追加だった。これは高速でロードできるリッチメディアが利用できるフルスクリーン広告だ。キャンバスと同様、コレクションもモバイル専用フォーマットで、ユーザーが商品を見るために広告主のサイトに移動してFacebookアプリから出てしまうのを防ぐのが狙いだ。

Facebookの収益化のディレクター、Maz Sharafiは私の取材に対して「コレクションはユーザーにとっては新しいショッピング体験を、広告主にとっては商品の発見と販売のチャンスを提供するすばらしいツールだ」と述べた。コレクションはまた広告主自身が簡単に設定できるようデザインされている。つまり広告主が多数のアイテムを販売している場合でも、どれを選んだよいかという面倒な作業をFacebookが肩代わりしてくれる。

Sharafiによるとコレクション広告はいくつも大きなトレンドに従ったものだという。まずショッピングが急速にモバイル化しており、しかもビデオや反応時間の短縮がますます重要となりつつある。

コレクション広告はニュースフィード中に表示される。ビデオないし写真の下に4種類のアイテムが広告される。ユーザーが広告をタップすると最大50種類までのアイテムを含むカタログ・ページにジャンプする。さらにアイテムの一つをタップすると広告主のサイトまたは専用アプリに遷移し、購入手続きに移れる。

Sharafiによれば広告主はトップに表示される4種類のアイテムを自分で選ぶ必要があるが、カタログに表示されるアイテムはFacebookのシステムが自動的に選択するという。この選択は広告主側のポリシーやユーザー・ターゲティングをベースに「消費者にとってもっとも価値が高いような品目が選ばれる」という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookはユーザーを逃がしたくない。外部サイトへの広告クリックを値上げ。

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多くのオンライン広告と同じく、Facebookの広告料金体系はクリック単価が基本だ(業界ではCPCと呼ぶ)。今日までFacebookは、ユーザーが外部ウェブサイトへのリンクをクリックした場合も、いいね!、シェア、コメント等サイト内で行動した場合も同じ金額を課していた。

今日からそれが変わる。発表によると、同社はCPSの定義を「リンククリック」のみに変更する。このクリックは、他のサイトへの訪問、サードパーティーアプリのインストール等特定の目的を持った広告に限定して適用される。

同社はこの変更について、広告主が特定の目的に対する自社広告の成果を理解しやすくするためと説明している。もちろん広告主は「いいね!」やシェアやコメントのクリックを購入できるが、今後は別の最適化目標の下で行われる。

この変更は理にかなっている。サイト外へのクリックは、ユーザーがFacebookでただ何かに「いいね!」するのとは全く異なるからだ。

この決定によってFacebookは、外部サイト(Facebookがそれ以上広告を出せない場所)へのクリックを高く売れるようになる。一方、サイト内のアクションは安くできる。ユーザーはサイト内に居続け、Facebookの収益源であり続けるからだ。

Facebookは、ユーザーのネズミ取りとなるべく設計されている。今度は、広告主に多く請求することでユーザーに逃げる機会を与えようとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、広告フィードバックUIをアップデート―非表示にした理由を詳しく聞き取り

Facebookはユーザーが広告を非表示にした場合、その理由が単に「繰り返し表示される」ためか、それとも本当に「不快または不適切」なためかを知りたがっている。Facebookで広告を非表示にすると、その理由を詳しく尋ねられるようになった。Facebookによってある広告が「不快または不適切」と認定されるとFacebookのサイト、アプリから削除される。また「繰り返し表示される」を選択したユーザーには同種の広告が表示される回数が少なくなる。

Facebookでは「普段は広告を非表示にしないユーザーが非表示にした」場合、その反応を重視するようなアルゴリズムを組んだという。Facebookでは「これらのアップデートはユーザーが広告を非表示にする回数を減らし、個々のユーザーに関連ある広告を増やすために実施した」としている。

Facebookは瞬く間に世界有数の広告会社に成長した。しかし不快、無関係な広告でユーザーをうるさがらせないために慎重にことを運ぶ必要がある。できるだけ多くの広告を表示したいが、同時に多すぎる広告はユーザーのFacebook離れを引き起こしかねない。どこが限界かを見極めるのは難しい。非表示にしたユーザーに詳しいアンケートを取って、最悪の広告をいち早く見つけ出し、削除することができれば他の多くのユーザーを不快にさせずにすむ。ニュースフィードになるべく多くの広告を表示しながら、ユーザーの反発を最小限に抑えるためにはこのアンケートは有用な措置だろう。

〔日本版〕日本版Facebookでは広告トップ右端の三角アイコンをクリックすると以下のようなオプションとアンケートが表示される。



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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Facebook、ギフトを終了しBuyボタン等のコマースプラットフォームに集中

Facebookは、他の会社が物を売るのを助けるために、自身のFacebook Giftsを8月12日に終了し、StarbucksやiTunes等のギフトカード販売を停止する。Facebookは私に、レイオフは行わないと話した。チームメンバーの殆どは、同社が注力している他のEコマース部門にすでに移っている。Facebook内で直接購入できる “Buy” ボタンや、他のショッピングアプリに支払い情報を自動的に入力する、オートフィル、リアル店舗が既存顧客にFacebook広告を再ターゲットできる Custom Audience等だ。

Buyボタンで売れた商品の収益分配によって、Facebookは自らギフトストアを持ったり、友達の誕生日にギフトの勧誘をしなくても、十分な収益を上げることができる。

FaebookのGifts終了の公式発表:「われわれは、Giftで学んだことのすべてを利用し、企業やデベロッパーのウェブ上、モバイル上、および直接Facebook上での販売促進に役立つ新しい方法を探究していく」。

Facebook Giftsの終焉

2012年9月、Facebook Giftsは米国内のテストグループ向けにスタートした。買収したKarmaというギフトサービスをベースにした、チョコレートやテディーベア、ワイン、ギフトカード等を友達に買うための小さなショップだった。特に便利だったのは、友達の住所を知らなくても、物理的なプレゼントを送れることだ。贈られる側のウォールにはメッセージ付きのギフトが届き、住所を尋ねられる。

Wall Streetの評価も高く、当時株価を下げていたFacebookの新たな収入源として期待された。

しかし、ギフト体験がFacebookに馴じむことはなかった・

Facebookコマースの今後

ギフトの中止と共に、Facebookはもっとうまくいきそうなことに集中できる。自らが売る代わりに、企業がFacebookユーザーに販売するのを助けるのだ。チェックアウトの流れをスムーズにして、購入につながる広告を表示することによって、広告の効果を証明できる。

Facebookによる、今後のEコマースサービスを見ていこう。

Buyボタン:企業はFacebookページにBuyボタン付きの記事や広告を載せ、ユーザーにFacebookを離れることなく商品を購入させることができる。ユーザーは店のウェブサイトに飛ぶ必要がなく、カード情報をFacebookに直接入力するか、登録済みの情報を使ってチェックアウトを完了できる。これで、ウェブサイトのナビゲーションと、支払い情報の入力というコンバージョン率低下の主要因を取り除くことができる。

Buyボタンによって、Facebookは他社の売上を後押しする。アプリを離れ、カード番号を入力するのが面倒なモバイル環境では特にそうだ。Facebookが新たに提供したスクロール可能な多商品広告と組み合わせれば、Facebook内にミニ商品棚が出来上がる。現在Facebookは、Buyボタン経由の販売から収益配分を受け取っていないが、「その選択肢は捨てていない」と私に言った。これは大きな収入源になることが期待できる。商品が売れる限り、店は喜んでFacebookに分け前を渡すだろう。

Facebookによるオートフィル:サードパーティーのEコマースモバイルアプリは、チェックアウト画面に「Facebookでオートフィル」ボタンを付けることができる。ユーザーのカード情報がFacebookに登録されていれば、入力することなくチェックアウトを済ませられる。ここでもFacebookは現在手数料を取っていない。代わりにFacebookは、どのユーサーがどのアプリにいくら払っているかを知ることができる。この情報を、誰が広告をクリックしたかのデータと結び付ければ、Eコマース会社に対して広告の投資効果を実証できる。

Custom Audiences:Facebookは、オフライン購入も推進しようとしている。Custom Audienceでは、店舗はメールアドレス等の顧客情報をfacebookにアップロードして、プライバシーに配慮した形でFacebookの広告ツールを利用できる。例えば、自動車ディーラーが、試乗はしたが購入しなかった顧客のアドレスを知っていたら、Custom Audienceを利用して、背中を押すための広告を見せることができる。Facebookによると、元Giftの責任者、Lee Lindenが現在Eコマース広告製品を担当している。

オフライン販売測定:Facebookは、Custom Audience、およびDatalogixのような企業との提携によって、広告がオフライン購入を促進したかどうかを調べられる。店舗から購入者のアドレスリストを入手できれば、突き合わせて投資効果を証明できる。企業は、もしFacebook広告の方が効果が高いとわかれば、より多くの広告費をFacebookに注ぎ込むだろう。

Facebookは私に、自分たちはまだEコマースに関して初期段階にいると言った。先週の収支会見でCOO Sheryl Sandbergがこう言っていた:「多くの人々がオンラインで購入するようになれば、携帯電話を通じて発見した物を買う人が多くなり、ニュースフィードで発見した物を買いに行く人が多くなれば、Eコマースの推進においてわれわれがより重要になる。今Facebookは益々重要になっていると私は考えている。これは、われわれが商品を販売する、あるいは販売する必要があるとい意味ではない」

Giftsは失敗だったかもしれないが、Facebookは、人々が誰であり、何を気にしているか、何を買うかについて、膨大なデータを持っているので、Eコマースに関わる方法は無数にある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、モバイルビデオ広告ネットワークのLiveRailを買収、ビデオ広告事業の強化へ

Facebookは先ほど、ビデオ広告配信テクノロジーのLiveRail買収したことを発表した。このスタートアップは広告主とウェブサイトのパブリッシャーを結びつけ、モバイル・ビデオ広告を毎月70億回も配信している。情報源によれば、Facebookの買収額は4億ドルから5億ドルの間だろうという。

取材に対してFacebookは買収条件についてのコメントは避けたが、「LiveRailの運営継続のために必要な資金を投資する。LiveRailとのデータの共有方法については今後検討していくが、基本的にはLiveRailの広告ターゲティングを助けるものとなるだろう」と述べた。社員170人のビデオ・スタートアップの買収によってFacebookのビデオ広告における地位は強化されることになる。

2007に創立されたLiveRailは、いわゆる「サプライサイド・ビデオ・プラットフォーム」として知られるサービスにメジャーリーグ野球、ABC、A&E Networks、Gannett、Dailymotionなどの有力顧客を抱えている。LiveRailは独自のビデオ広告ターゲティング・テクノロジーによって広告主が想定する対象に広告を表示する。またビデオ広告を供給することによってサイト運営者も助ける。

LiveRailはSan JoseのPond Venturesを主要投資家として、シードからシリーズCまでのラウンドで総額1200万ドルを調達している。 買収金額がわれわれの聞いたように4億ドルから5億ドルだというのが事実なら、Pondにとってこの投資は大成功だったことになる。

LiveRailの核心はリアルタイムの広告オークション・テクノロジーにある。LiveRailは広告配信先のサイトのすべてのビデオ広告掲載スペースとその条件をスキャンし、広告主に対してもっとも有利な条件の広告枠をダイナミックに判定する。この広告主とパブリッシャーの双方を利するテクノロジーはFacebookが開始したサードパーティーへの広告ネットワークを強化するためにうってつけだ。

LiveRailはまたCheckpointというテクノロジーを持っており、アルコール飲料、タバコその他の年齢制限のある広告が未成年者の目に触れないようにできる。

2013年にLiveRailはTechCrunchの取材に対して、対前年比300%の成長を続けており、年間売上1億ドルを達成できる見込みだと答えている。当時同社は2014年中の株式公開を考えていた。しかしFacebookの出した条件のほうがさらに良い選択肢となったわけだ。LiveRailが株式上場に懸念を抱くようになった事情はよく理解できる。IT系スタートアップの上場は次々に不調に終わっている。たとえば、YuMeは9ドルで上場したが、現在は5.95ドルだ。Tremor Mediaの上場価格は10ドルだったが、今は4.61ドルだ。

上で述べたように、Facebookは今年5月のf8カンファレンスでFacebook Audience Networkというモバイルビデオ広告ネットワークをローンチした。おそらく最終的にはFacebookのAudience NetworkとLiveRailは統合運用され、あらゆるプラットフォームのアプリにビデオ広告を配信することになるだろう。

この3月、Facebookは自サイト向けに15秒の自動再生ビデオ広告をスタートさせている。いわばFacebook版のテレビCMだ。LiveRailの広告ターゲティング・テクノロジーとFacebookの膨大なユーザーデータが統合されれば、たとえば映画の予告編などのビデオ広告をそれにもっとも興味を示しそうなユーザーに対して効率良く表示することが可能になる。

ソーシャル公告戦争は現在激しさを増しているところだ。今週月曜にはTwitterがモバイル広告の再ターゲティングのスタートアップ、Tap Commerceを買収したが、Twitterは今年に入ってネーティブ・フォーマット広告のNamo Mediaを5000万ドルで、モバイル広告市場のMoPubを3億5000万ドルの巨額で買収している。

広告費が活字媒体やテレビからオンラインにシフトする中、広告ターゲティングはオンライン広告の市場シェア獲得のためにもっとも重要なテクノロジーとなりつつある。LiveRailの買収によってFacebookはテレビCMに対する大きな優位性を手に入れた。同時に、われわれユーザーにとっても、まったく興味のない商品のCMビデオを見せられる可能性が減少するならメリットがあるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、 いよいよサードパーティへのモバイル広告配信ネットワーク、FANをローンチ

今日(米国時間4/30)開催されたf8デベロッパー・カンファレンスでFacebookはFAN(Facebook Audience Network) という新しいモバイル広告ネットワークを発表した。

これによりサードパーティーのモバイル・アプリのデベロッパー、パブリッシャーは広告営業、広告ターゲティング、実績管理、支払い管理などを自分自身でしなくても広告収入を得られるようになる。

先週私がスクープしたとおり、FANに参加すれば、広告に関するすべてをFacebookが代行してくれる。デベロッパーはバナー広告を掲出するなら数行のコードを書くだけよいし、もっとアプリのコンテンツの一部に溶け込んだ広告を掲出したければFacebookの協力を受けることができる。

Facebookによれば、デベロッパーはFANにこちらからサイインアップすることもできるし、Facebookの広告代理業者に連絡を取ってもよい。このプログラムは現在ベータテスト中で、今後数ヶ月かけて一般に利用可能になる。当面対象となる広告主はモバイル・アプリのインストールや利用を呼びかけるデベロッパーだが、将来はFANを他の分野の広告にも拡大する計画だ。ウェブサイトのトラフィック増強のための広告やeコマースの広告などが含まれることになるだろう。Facebookは「テスト期間中に次第に〔広告の〕パフォーマンスが改善されるものと期待している」と述べている。

FANではIABバナー広告、IABインタースティシャル広告、ネーティブ広告の3種類が用意される。広告デザインはモバイル・アプリのインストールなどそれぞれのビジネス上の目的に合わせて最適化される。

Facebookによれば、Facebook SDKないし広告統計サービスを利用することによって広告主はFANによる表示回数やコンバージョン件数などをモニタできる。また年齢、性別その他の広告閲覧者データも収集できる。

Facebookがモバイル広告ネットワークのテストを開始したのは2012年に遡るが、その後Facebook内での広告の強化に集中するために、オフサイトでの広告ネットワーク・プロジェクトは棚上げとなっていた。

2013年9月にFacebookはモバイル広告ネットワークのテストを再開した。これはそれまでの実験と異なり、広告主、パブリッシャーと直接に取引するタイプとなった(サードパーティーを介さないのでFacebookのマージンが大きくなる)。最近行われた2014年第1四半期の決算報告でCOOのシェリル・サンドバーグは「この広告ネットワークのテストでは関係者から高い評価を得た。大いに希望のもてる結果だった」と述べた。

Re/codeのMike IsaacはFacebookは今日この広告ネットワークをローンチするだろうと報じていた。今日、私はその名称がFAN (Facebook Audience Network)であり、IABガイドラインに沿った定形広告だけでなくカスタマイズされたフォーマットの広告をサポートすることを含め、各種の詳細を確認することができた。以下は、バナー、インタースティシャル、カスタム、それぞれのサンプルだ。

この広告ネットワークはInMobiなどのネットワークのライバルとなる。 [アップデート:FANはTwitterのMoPubのような仲介サービスとは競争関係にないことが判明した。このようなサービスはFANを通じた広告を他の広告ネットワークからの広告と同時に表示することができる。FANとMoPubの協調関係についてのフォロー記事を参照]

FANが十分な広告主とパブリッシャーを集めて運営が軌道に載るまでには数四半期かかるだろうが、Facebookの収入の新たな重要な柱となる可能性を十分に秘めている。

今回のFANのローンチでFacebookは、マネタイズのチャンネルを自らのネットワーク内での広告掲出から、サードパーティーのパブリッシャーへの広告配信へと拡張した。これまでFacebookの売上はニュースフィード内の広告の表示数とそれを訪問するユーザー数に直接比例していた。

広告ネットワークを通じたサードパーティーへの広告配信ならFacebook内に広告を溢れさせてユーザー体験を悪化させることなく、収入を増やすことができる。たとえFacebook内でのユーザー・エンゲージメントが頭打ちになっても影響を受けにくいし、ライバルに対しても安定して優位性を確保できる。FANが成功すれば、Facebookのユーザーにとっては幸運なことに、Facebook内の広告は減少さえするかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、ウェブのニュースフィードでもビデオのオートプレイを開始

ニュースフィードがもっと生き生きする。モバイルに遅れること数日、われわれはビデオのオートプレイ機能をFacebook.comでも目撃した。そして会社も「ウェブのインライン・ビデオを公開し始めた」ことを確認した。更新が行き渡れば、派手なビデオ広告が登場する舞台が整う。

現在まで、Facebookのニュースフィードは常に静かだった。スクロールされる物すべてがじっとしていた。ビデオはすべて再生ボタンの陰に閉じ込められ、GIFアニメーションも許されていない。しかし、Facebookはこのオートプレイ・ビデオによって、初めてニュースフィードに動きを持ち込んだ。

実際の動きとしくみは、モバイルのオートプレイに関する私の詳細レポートを参照されたい。Facebookのビデオ中心への憧れについても。ウェブでは、Facebookに直接アップロードあるいはnstagramからシェアされたビデオだけが、スクロールと同時に再生される。スクロールの最中にも再生は続くが、クリック/タップするまで音は出ない。ヒデオのループはしない。またYouTubeなどの外部ビデオへのリンクはオートプレーされず、Facebook内のビデオを差別化している。

この機能は、モバイルでオートプレイのテストを開始したことを9月にFacebookが発表した後、ウェブでごく少人数のグループによってテストされていた。現在Facebookは、iOSおよびAndoridの全ユーザーへの公開を進行中であり、ウェブでの一般公開に向けてデザインの最終段階に入っている。UnifiedのJeff Widmanが、実際に動作しているところのスクリーンショットを送ってくれたので下に貼っておく。

オートプレイ機能は、Facebook傘下のInstagramのビデオにも拍車をかけるだろう。人は見てもらえると思えばビデオをシェアしたくなるもので、オートプレイはほぼそれを約束する。

GIF? 広告? Facebookチャンネル?

おそらく、オートプレイ機能が全員に行き渡った後、FacebookはGIFアニメも許すのではないか。AllThingsDのMike Isaacによると、FacebookはGIFサポートを以前から仕込んでいるが、公開をためらってきた。GIFアニメの「質の低い内容」が、Facebookの軽視するタイプのコンテンツ種別にあたり、これがフィードに溢れることを恐れたのかもしれない。ビデオと同様、直接アップロードされたGIFだけをオートプレイすれば、問題は減るだろう。

ビデオの視聴環境が改善されたことによって、Facebookがビテオ撮影とシェアするためのモバイルツールを強化する日は比較的近いと私は考えている。ビデオ発見のツールや、複数のビデオ再生、友達のビデオを続けて見られる一種のチャンネルなども考えられる。

しかし、世界が待ち望んでいるもの、あるいは視点によっては、恐れているものは、Facebook上のより侵略的なビデオ広告だ。ひとたびオートプレイがあらゆるデバイスに浸透すれば、Facebookは、人々を一列に並べてオートプレイビデオ広告を見せることができる。
マーケターは価格さえ手頃なら喜ぶだろう。写真やテキストよりずっとリッチな顧客とのコミュニケーションが可能になるからだ。広告主はテレビ用に撮ったビデオをFacebook向けに再利用できるので、テレビCMの予算をFacebookに向けられるかもしれない。

ユーザーは嫌悪するかもしれない。そもそもどんな広告も嫌いなのだから。個人的には、スーパーボウル品質のCMをニュースフィードで見ることには抵抗はない。いきなり音が出ることがなく、スクロールするか「×」で消せるのであれば。ただし、友達のアップデートを見る邪魔になるようなら、私もうんざりだ。

どんな形にせよ、Facebookはビデオ広告の頻度に関して注意深くバランスを取る必要がある。よって、多くのテストを重ねゆっくりと注意深く広めていくだろうと私は予想している。

超高速コンテンツ消費

もしFacebookが、オートプレイビデオをフィードの一部として自然に感じさせることに成功すれば、Facebookは世界を消費させる全く新しいレベルの技を手にする入れるかもしれない。

オートプレイは、友達の生活への近道になるかもしれず、それは写真と同じくらい簡単ではるかに刺激的だ。新たな発信手段は、世界中で起きている大きな出来事や、最新のスポーツハイライトの映像を提供することもできる。見るのは嬉しいがクリックはしなかったであろう、見事なインターセプトからのタッチダウンのビデオが、あなたのフィードに流れてくるところを想像されたい。スタジアムの音声やアナウンサーのコメントが聞きたければ、ワンクリックで、まるでテレビと同じだ。

それはFacebookビデオのゴールなのかもしれない。テレビの臨場感と、文字を読む効率の融合だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


意外にも、Facebookのニュースフィード広告はユーザーを逃がしていない

昨年Facebookは、モバイルのニュースフィードに広告を載せることによってユーザーを逃がすリスクを負った。しかし、Mark Zuckerbergにとって意外なことに、広告表示回数急増にもかかわらず、2012年のいいね!とコメントの減少はわずか2%だった。ユーザーは依然として忠誠であり、Q4決算報告会見でZuckerbergは、これをFacebookが提供している価値の証であると評した。

いったいユーザーはフィード広告をクリックしているのかか、そもそも気付いているのかどうかはともかく、彼らはそれが理由でFacebookを使わなくなってはいない。友達のコンテンツの間に宣伝広告を見せられることに文句を言う人は大勢いるが、どうやら彼らはそれを見すごすだけでアプリやブラウザーを閉じることはないようだ。

Zuckerbergによると、同社は広告が増えるとエンゲージメントが下がるかどうかを、念入りに注目していた。そうなることを予想さえしていたが、結果は違った。表示する記事の関連性を高めることによるニュースフィードの品質向上は、いいね!とコメントが約50%増えることに貢献した。広告によるエンゲージメントの低下はわずか2%だった。

これは、Facebookがもっと広告を見せてもよいことを意味しているのかもしれない。そうなればモバイル売上の成長を維持していける。今期モバイル広告売上は3.05億ドルに達し、広告売上全体の23%を占めた。前四半期はそれぞれ1.5億ドル、14%だった。真の評価は、果たしてFacebookがこれらの広告を、アプリや商品を見つけるのに役立つのでそれを見たユーザーはもっとFacebookを使うようになる、という状況にまで持っていけるかどうかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)