グノシーから“スポーツ特化”の情報アプリ登場、今後もバーティカル領域のサービス拡充へ

ニュースアプリ「グノシー」を軸に、KDDIと共同開発する「ニュースパス」や女性向け情報アプリの「LUCRA(ルクラ)」など複数の切り口の情報メディアを展開するGunosy。同社は今後、特定の領域に特化したバーティカルアプリを増やしていく計画だ。

Gunosyは11月15日、その第一弾としてスポーツ特化の情報アプリ「グノシースポーツ」のiOS版を今月末より提供すると明らかにした。

グノシースポーツは、独自のアルゴリズムを用いてスポーツに関する情報を配信するサービス。野球、サッカー、バスケットボール、テニス、ゴルフなど、様々なスポーツのニュースを閲覧できるほか、試合予定や結果を速報で入手可能だ。

試しに「鹿島アントラーズ」をマイチームに設定してみるとこのような感じだ。マイチームタブから順位や結果、最新ニュースを一覧できる

10月から先行してAndroid版が提供されているので僕も試してみたけれど、マイチーム機能が便利だと感じた。最初にJリーグのクラブやプロ野球チームからお気に入りの“マイチーム”を選択することで(もちろん後からも追加できる)、チームの最新情報や試合結果、順位表などにすぐアクセスできるようになっている。

iOS版の配信タイミングに合わせてAndroid版もアップデートする予定とのことで、今後はスポーツに関連した配信コンテンツの強化を進めていく方針だ。公式サイトの説明を見ている限り「ハイライトの動画」「詳細なゲームの流れや、仲間たちの熱い声援」に関する機能も予定しているようなので、グノシー本体とは一味違ったグノシースポーツならではの機能が増えていくのかもしれない。

先月公開された2019年5月期の第1四半期決算説明資料でも“バーティカル領域のアプリ切り出し”に関しては触れられていたけれど、Gunosyでは今後も別領域のアプリを準備している模様。「バーティカル領域のアプリコンテンツを拡充し、ユーザーが求める情報を各アプリから快適に届けられるよう、需要にあったアプリのご提供を目指して参ります。」としている。

ブロックチェーンを活用した空間サービスのマーケットプレイス「Cryptorealty」にLayerX・ツクルバが参画

左から、LayerX代表取締役社長 福島良典氏、Property Access CEO風戸裕樹氏、ツクルバ代表取締役CEO村上浩輝氏

シンガポールを拠点とし日本と世界の不動産取引支援プラットフォームを構築するProperty Access Assetは8月30日、ブロックチェーンを活用したマーケットプレイスを創造するプロジェクト「Cryptorealty」を発表した。マーケットプレイスの対象となるのは、主に東南アジアの空間・サービスだ。

同プロジェクトにはGunosyとAnyPayの合弁会社として8月1日に設立されたばかりのブロックチェーン関連事業を行うLayerX、ならびにリノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」の運営などを手がけるツクルバがパートナーとして参画。LayerX代表取締役社長 福島良典氏はテクニカル・アドバイザー、ツクルバ代表取締役CEO村上浩輝氏はストラテジック・アドバイザーとして関与している。

以前にもお伝えしたとおり、Gunosyとツクルバは2018年5月よりブロックチェーン技術の不動産領域への活用にむけた共同研究を開始しており、LayerX設立以降、Gunosyのブロックチェーンチームは同社へ移行している。

Cryptorealtyへの関与はその共同研究の第一弾の成果になるのだと福島氏・村上氏は意気込んでいる。

Cryptorealtyは商業空間や空間を活用したサービスの創出・利用を、誰もが見える形で取引できるよう促すマーケットプレイス。空間・サービスを提供するオペレーターとプロジェクトを支援する支援者、そしてユーザーが空間およびサービスの利用権を販売や購入、レンタルをすることができる。

従来のREIT(不動産投資信託)やクラウドファンディングでは成しえなかった不動産領域での資金調達の課題の解決を目指す。

「REITでは非常に大規模なプロジェクトしかリスティングされず、かつ、例えば日本のJREITだと国内の投資家など限られた人しか買えなかったので、中小規模のデベロッパーにとってはファンディングの機会が非常に限られていた。クラウドファンディングでは、モノづくりのプロジェクトは相性が良いが、不動産のプロジェクトだと相性が非常に良くなかった。また、銀行からも資金を借りづらい。Cryptorealtyはそこを解決するようなプロジェクトだ」(村上氏)

Cryptorealty上ではオペレーターが自分たちの利用権をデジタルアセットとしてトークン化し、プラットフォームに登録する。サポーターやユーザーは利用権を買い、貸し出すことでリターンを得られたり低価格で高品質なサービスを利用できる。

Cryptorealtyの特徴は、ファンや応援者以外に、投資家の性質を持った支援者も集まりやすい点だ。福島氏は「従来のクラウドファンディングは基本的にファンが参加するもの、利用者が参加するものだったが、レンタルがあることによってユーザー以外のファンが参加できる」と説明する。

また、ブロックチェーンによる「トラストレス」な環境を整備することで、グローバルなオファーも期待できる。「ブロックチェーンを活用することで、利用権や所有権の移転や、それを“この時間で貸します”といったことが簡単にできる。ブロックチェーンは不動産領域と非常に相性が良い」(村上氏)

福島氏は「従来のプロジェクトは単純に仮想通貨で不動産が買える、というものが多かった。僕たちはもう少し踏み込み、トークンを絡めて今の世の中の不動産の課題を解決するものが作れないかと考えていた」と今回の参画について話していた。

GunosyとAnyPayがブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「LayerX」の設立へ

写真左がLayerX代表取締役社長となるGunosy代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏、右が代表取締役副社長となるAnyPay取締役の日向諒氏

GunosyAnyPayは本日7月12日、ブロックチェーン関連事業を行う合弁会社「LayerX(レイヤーエックス)」の設立について合意したと発表した。

同社の代表取締役社長はGunosy代表取締役 最高経営責任者の福島良典氏、代表取締役副社長はAnyPay取締役の日向諒氏、資本金は5000万円(株主構成はGunosy:50%、AnyPay:50%)となっており、設立は2018年8月1日を予定しているという。

新会社LayerXではブロックチェーン技術に特化したコンサルティングや開発、自社サービスの運営を軸に展開する方針。具体的にはトークンの設計コンサルティングや開発、ハッキングを防ぐコード監査、そして仮想通貨マイニングに関する事業などを検討しているそうだ。

これまでAnyPayではICOコンサルティング事業を展開。一方のGunosyでも2018年5月よりシェアオフィスなどの運営を手がけるツクルバと、ブロックチェーン技術の不動産領域への活用にむけた共同研究を開始している。

日向氏はTechCrunch Japanの取材に対し、「AnyPayがビジネス面、Gunosyが開発面でのサポート。合弁にして一緒にやっていくことで相乗効果が出てくる」と意気込んだ。

IDC Japanは2017年6月に発表した調査で「国内ブロックチェーン関連ソリューション市場の市場規模は今後急速に拡大し、2021年には298億円、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は133.0%になる」と予測している。

そのような状況が背景にある中、福島氏は「おそらくこのブロックチェーンによる変化は数十年に一回あるか無いかの変化。ここに専念するというのが会社としての流れだ」と語った。

Gunosyは役割の明確化のために、代表取締役を2名体制から1名に変更。代表取締役 最高経営責任者は⽵⾕祐哉氏が勤め、福島氏はGunosy取締役 ファウンダー、そしてLayerX 代表取締役を兼任することになる。この異動は2018年8月24日に正式に決定される予定だ。

「代表である僕が新会社に専念する形になる。それだけ本気でこの領域を立ち上げる」(福島氏)

新会社LayerXはICO市場で技術的に⾼度で専⾨的なサポートへの需要が⾼まっていくと予測し、設立される。

コード監査事業に関しては、福島氏の話だと「スマートコントラクトでは一度コードをすると契約が自動的に執行されるため、性質上バグが入り込んでしまっても容易に修正できない。海外の大きなプロジェクトではプロフェッショナルに事前のコードチェックが当然のようにやられている」そう。今後日本でもブロックチェーンのアプリケーションが増えていく中で、同じような需要が増えていくことを見据えた事業になるという。

また、マイニングに関する事業に関して、「課題としては今、中国がマイニングのシェアの7割以上に到達している。この状態は仮想通貨・ブロックチェーンの未来を考えると良い状況ではない」と説明した上で、「日本の電気代とかだとなかなかマイニングするのが難しく、そもそもマイニング自体の専門的な知識も必要だ。たとえば僕たちが海外の良い場所を探してきてお客さんに提供できないか、といったことを検討している」と語った。

福島氏はGunosyの今後の方針に関して、「Gunosyはニュースアプリや、”LUCRA”のような女性向けメディアなどの”メディアの会社”としてやってきたが、本当の強みは裏側のアルゴリズムなどのテクノロジーの部分だ。メディアカンパニーというところから、テクノロジーの総合カンパニーに移行していく」と語った。

なお、Gunosyは同日、技術革新や規制緩和が期待できる領域のスタートアップに対する投資育成を行うコーポレートベンチャーキャピタル「Gunosy Capital」を設立することを発表した。「主にブロックチェーン/シェアリングエコノミー/AI 等のデジタル領域等、今 後規制緩和や技術革新が期待できる領域に対する投資育成」を目的としているという。設立は2018年9月1日を予定している。

「グノシー」でライブ動画番組が2月24日スタート、クイズとエンタメトークから

2018年1月にライブ動画の配信を開始すると発表していたGunosyが、情報キュレーションアプリ「グノシー」で配信する初回コンテンツの内容を発表した。

今回発表された動画コンテンツは以下の2つだ。

  • グノシーQ : トリビアクイズで連続したら賞金を山分け。配信時間は毎日21:30から。
  • ウワサTV : 話題のネットニュースについて掘り下げるエンタメトーク番組。配信は毎週水曜日の21:30から。

「グノシーQ」の初回配信は2月24日、「ウワサTV」は3月7日から配信される。

これらのライブ動画は、Gunosyが企画段階から参画し、レシピ動画サービスの「DELISH KITCHEN」を手がけるエブリーと共同で制作した。同コンテンツの特徴としてGunosyは、「ユーザー参加型のインタラクティブ性」としている。グノシーQではタレントも起用する予定だ。

Gunosyは、このライブ動画サービスによって「ユーザーのサービス体験をさらに向上させ、ユーザーが求める情報が届くプラットフォームの構築を目指す」と述べている。

今後同社は、グノシーに加えて、ニュースアプリの「ニュースパス」や女性向け情報アプリ「LUCRA(ルクラ)」でも同様にライブ動画の配信を開始していく予定だ。

ニュースキュレーションのGunosy、新たに女性向けアプリ「LUCRA」の開始を発表

ニュースキュレーションサービス「グノシー」や「ニュースパス」を展開するGunosyは5月16日、女性向けの情報キュレーションアプリ「LUCRA(ルクラ)」を開始することを発表した。リリースは5月下旬の予定。

LUCRAはトレンドの高い女性を対象に、ファッションやグルメなどの情報を配信するアプリ。具体的なスキームはグノシーと変わらず、データ解析技術やデータに基づくアルゴリズムによる配信技術、メディアとのリレーションを活用してユーザーに最適な情報を配信する、というもの。

広報担当者は「メディアではなく、プラットフォームという立ち位置」と語り、社内に編集部はなく、オリジナルコンテンツを配信する予定もないという。ここ数年で女性向けメディアが乱立していたが、それらとは異なるというわけだ。

また、“女性向け”にフォーカスした背景について、「グノシーやニュースパスを軸に事業の成長を考えているが、これまでに培った技術やメディアリレーションを活用して新しいサービスも出来るのではないか。最もレバレッジをかけられそうなのが女性向けでした」と語る。

まずはグノシーやニュースパスで契約した600媒体の記事を中心に、データ解析技術やデータに基づくアルゴリズムによる配信技術によってユーザーごとに最適な情報を届ける予定だという。反応によっては、LUCRA単体で新たな媒体と契約を結ぶ選択肢もあるそうだ。

今後の展開について、「ニュースに限らず、情報の非対称性がある領域に関しては常に新サービスの検討をしている」と語った。

Labitがゲームメディア運営の子会社「ゲームエイト」をGunosyに譲渡

screenshot_465

Labitは12月15日、同社子会社のゲームエイトの保有株式をニュースアプリ「グノシー」を運営するGunosyに譲渡することで合意したことを明らかにした。譲渡の金額等は非公開。これによりゲームエイトはGunosyの連結子会社となる。また現在代表取締役を務める西尾健太郎氏が、引き続き事業を牽引する。

Labit代表取締役の鶴田浩之氏は兼任していたゲームエイトの取締役を辞任、また西尾氏もLabit取締役を辞任する。すでに西尾氏が保有していたLabit株式は鶴田氏が買い取っており、今後Labitとゲームエイトの資本・経営両面での関係性は一切なくなるという。

ゲームエイトは2014年8月の設立。Labitで運用していたゲーム情報サイト「Game8」の事業を切り出すかたちで100%子会社として分社化した経緯がある。その後西尾氏に加えて外部株主2者がいる状況だったが、今回Gunosyが100%の株式を買い取ることとなった。Game8は現在、月間ユーザー数1059万人(11月14日〜12月14日実績:Google Analytics調べ)で、単月黒字化を達成。Labitいわく「国内で有数のゲーム情報メディアとして成長いたしました」とのこと。

では子会社を売却したLabitの今後はどうなるのだろうか? 代表の鶴田氏は次のように語る。「Labit社としての物語は続く。何年後か分からないが、世界有数のカンパニーになることを夢見ている。 現在フルタイムのコアメンバー3人にアルバイト2人の少数精鋭。今夜にも新サービスをリリースする予定だ」

ニュースキュレーションのGunosyが上方修正、純利益は27倍に

gunosy

4月に東証マザーズ市場に上場したGunosy。同社は6月12日、大幅な業績の上方修正を発表した。

4月時点の業績予想は売上高30億400万円、営業利益5100万円、経常利益500万円、純利益500万円。今回の発表では売上高は31億6500万円、営業利益1億9100万円、経常利益1億5300万円、純利益1億3600万円となっている。経常利益は当初予想の約31倍、純利益も当初予想の約27倍となっている。

ダウンロード数は977万件に

発表によると、Gunosyの手がけるニュースキュレーションアプリ「グノシー」の1ダウンロードあたりの獲得費用が想定より好調に推移した結果、国内累計ダウンロード数は2015年5月期末の時点で977万件(当初比53万件増)となった。またこのダウンロード数の増加にともなってアクティブユーザーも増加。その結果Google Adsの売上高が当初予想を上回ったという。費用面では第4四半期の広告宣伝費を4800万円増額した19億6800万円とした一方、販管費等を当初比2500万円削減している。

上場間もなく下方修正を発表したgumiと合わせて「大きいG(Gunosy)、小さいg(gumi)」と揶揄して業績を不安視する声もあったが、同社の業績は好調のようだ。6月には動画広告の新商品も開始する。余談だがgumiもその後上方修正を発表。6月12日に発表された2015年4月期決算では、売上高275億3400万円、営業利益4億1600万円、経常利益2億3400万円、純利益1億9100万円という決算を発表している。

FacebookやAppleも参入するニュースキュレーション

業績が好調だとは書いたが、Gunosyをはじめとしたニュースキューレーション系サービス全体の環境は今後変化していく可能性は高いと思っている。

先日Facebookがパブリッシャーのオリジナルコンテンツを投稿できる「Instant Articles」を発表したばかりだし、AppleもiOS9で純正のニュースキュレーションアプリ「News」を提供するとしている。国内でのサービス提供については未定ということだが、また——使い古された言葉だが——「黒船」がやってくる可能性は大きい。

ニュースアプリのGunosyが4月にマザーズ上場へ

ニュースアプリ「Gunosy」を運営するGunosyは3月24日、東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を承認された。上場予定日は4月28日で証券コードは6047。主幹事証券会社は野村証券。同社は2011年10月の設立。約3年半での上場となる。

Gunosyはニュースサイトやブログなどの注目記事を記事をまとめて閲覧できるアプリ。2013年頃には、ユーザーの嗜好(しこう)に合わせて記事を配信するソーシャル化を進めていたが、2014年に入りサービスの方向性を転換。多くのユーザーから注目を集めるコンテンツを紹介するようになった。

2014年3月と6月には、KDDIなどから合計24億円の資金調達を実施したと発表。その後はテレビCMなどを積極的に展開。直近のダウンロード数は866万件に上る。

またビジネス面では、2013年から広告配信事業を展開。2014年6月からはメディアと連携して配信記事のキャッシュ化などを進めてきた。2014年11月には「Gunosy Platform」なるポータル構想を発表。ディー・エヌ・エーなど11社との提携も発表していた。

2014年8月末には、グノシー創業期のエンジェル投資家でもあり、創業者で代表取締役の福島良典氏とともに共同代表を務めていた木村新司氏が退任。Gunosyでは「任期満了のため」としていたが、業界ではさまざまな噂が流れるに至った。

同社の2014年5月期の売上高は3億5905万1000円、経常利益は13億6560万3000円の赤字、純利益は13億9367万3000円の赤字となっている。2015年5月期第3四半期累計(2014年6月〜2月)では売上高21億7002万8000円、経常利益、純利益ともに1億163万4000円の赤字となっている。上場では48億6640万円を調達し、広告宣伝活動に使う予定。株式の想定発行価格は1520円。また同社の株主構成は以下の通り。前述の木村氏が41.12%の株式を保有している。


ブランド委託販売「RECLO」が2.4億円調達、グノシーと提携効果は限定的かも

高価格帯のブランド品を委託販売できる「RECLO(リクロ)」は、「フリマするほど暇じゃない人」をターゲットにしたアプリだ。フリマアプリはスマホで撮影した商品を気軽に出品できる気軽さが受けているが、リクロは宅配キットを取り寄せて商品を送るだけで、あとは勝手にブランド品の真贋判定や値付け、撮影、出品までを肩代わりしてくれる。リリースから約半年で17万ダウンロードに達したリクロだが、12月10日に第三者割当増資を実施して2億4500万円を調達した。引受先はB Dash Venturesやフューチャーインベストメントなど。

リクロは在庫を持たないオンライン委託販売であるため、出店コストがかさみがちな既存の買取業者と比べて、2~3倍の出品者への高額還元が可能なのだという。平均落札金額は3万円台で、ユーザーは落札金額の50〜70%を受け取れる。サービス開始当初、出品アイテムの多くは業者から仕入れていたが、現在は半数以上が個人のクローゼットに眠るリユース品。7月には、これまで出品しなかったユーザーを獲得するために、アプリで商品を撮影するだけで無料で査定してもらえる機能を追加した。現在は1日あたり約50件を査定しているという。

1カ月あたりの出品数は約2000〜3000アイテム。個人の出品数を押し上げているのは「セレブ」の存在だと、アクティブソナーの青木康時社長は語る。「セレブが参加するパーティーに紹介づてで足を運んで、交流かたがたリクロのことを知ってもらっている。セレブの方が出品するアイテムは総じて状態が良いものばかり。一度出品していただくと『また半年後に来て』と言われることも少なくない」。さらに、セレブからは高級インテリアや家電の出品を依頼されることも多く、今後は商品の横展開も視野に入れたいという。

グノシー経由でブランド品は売れるか

12月10日からは、ニュースアプリ「Gunosy(グノシー)」が手がける新サービス「Gunosy Platform」と提携。グノシー上でブランド品を最大90%で販売する「RECLO チャンネル」を12月中旬に、48時間限定のタイムセールで食品や雑貨を販売する「FLIP チャンネル」を10日に新設する。各チャンネルはグノシーの画面右下に追加されるチャンネルボタンや、グノシーのタイムライン上に掲載されるネイティブ広告を通じて誘導され、グノシー内でそのまま購入できる。

グノシーは11月、ユーザー目標数にちなんだ「5000万人都市構想」を発表。5000万人都市の舞台となるのがGunosy Platformで、リクロのほかに、家計簿サービス「マネーフォワード」やIPサイマルラジオ「radiko.jp」、宅配クリーニング「Lenet(リネット)」など11社14サービスと提携し、それぞれグノシーから利用できるようになっている。

Gunosy Platformは、あたかも1つの都市に各種店舗があるような状態にして利便性を高めようとするもの。とはいえ、タダでニュースを読みに来たユーザーが、どれだけブランド品に興味を持つかは未知数だ。その反面、ユーザーがファッションコーディネートを投稿できる「iQON(アイコン)」では、アプリ経由の売上が月間10億円近くに上るという。「もともと財布を持ってきていない」ユーザーが相手でも、アプローチの仕方次第ではECが成立する事例もあるわけだ。Gunosy Platformについて青木氏は「少なくとも、リクロがグノシーのアクティブユーザーの目にとまる機会が得られるのは大きい」と話している。


スマートニュースが米App Storeニュース部門で1位獲得、その要因は?

10月2日にリリースされた「SmartNews 2.0」が米App Storeのニュースカテゴリで1位を獲得した。日本ではネットで話題のニュースを自動収集するアプリは乱立状態だが、米App Storeのランキングでは、ニュースサイト単体のアプリが大半を占めている。あらゆるニュースサイトを網羅する、日本発のニュースアプリは米国でどこまで戦えるのか。

SmartNews 2.0は設定画面で日本版と米国版を切り替えられるようになっていて、米国版では専用の欧文フォントを搭載する。TechCrunchのほか、CNETやEngadget、Huffington Post、Mashable、Re/Codeといった著名なメディアとも協業。特定メディアの記事を配信する「チャンネルプラス」には、スタート時点で15メディアが登録されている。

チャンネルプラスは、日本で累計1000万人(複数購読者は重複してカウント)が購読している。スマートニュースが「日本での成功要因のひとつ」と位置づける取り組みを、米国でも取り入れたかたちだ。日本と同様に、メディアパートナーとの関係性を深めていくのだという。

メディアパートナーの開拓にあたっては、米メディア界に豊富な人脈を持つ人材を採用したことが奏功した。7月には、ウォール・ストリート・ジャーナル電子版の創刊に携わったリッチ・ジャロスロフスキー氏を招へい。9月には、ロイターでプロジェクトマネージャーを務めたバーニー・デイヴィス氏を迎えている。

App StoreではSmartモードを称賛する声

米国で好調な滑り出しを見せた要因は何だったのか? 前ハフィントン・ポスト日本版編集長で、9月にスマートニュースに移籍した松浦茂樹は、「現時点で分析といえるものはない…」と前置きした上で、「著名メディアと協業したことで、米国内で話題のニュースを実績あるメディアの記事を通じて閲覧できることが影響しているかもしれない」と言う。

10月7日時点ではニュースカテゴリ2位となったが、App Storeには56件のレーティングが投稿され、評価は平均☆4つ。レビューの内容も好意的で、特に記事ページの中からテキストと画像を簡易的に表示する「Smartモード」が称賛されている印象だ。日本と比べて回線速度の遅い地域が多い米国だからこそ受けている、とも言えそうだ。(アプリ改善を望むレビューでも、Smartモードをデフォルトにしてほしいという声がいくつかある)。

日本で競合とされるGunosyは5月に米国版をリリースしているが、アプリ調査会社のApp Annieによれば、ニュースカテゴリでの最高位は117位どまり。日本でのダウンロード数は約600万のグノシーが、約500万のスマートニュースを先行するが、現時点での海外の反応はスマートニュースに軍配が上がっている。


グノシー木村氏が代表退任、真相は「任期満了」ではなくグリーとの訴訟リスク回避か

木村新司氏

ニュースキュレーションアプリを提供するスタートアップの大型調達が続き話題になっているが、「Gunosy」を提供するグノシー代表取締役で共同最高経営責任者の木村新司氏が、8月28日付で退任した。弁護士ドットコムトピックスが報じ、TechCrunchでも事実を確認した。今後は創業者であり、代表取締役の福島良典氏が引き続き経営にあたる。

木村氏は起業家としても投資家としても知られる人物。グノシー創業期のエンジェル投資家でもある。2013年11月にはグノシーの代表に就任し、福島氏ととも事業をけん引してきた。グノシーでは木村氏の代表就任と時を同じくして広告販売を開始しており、マネタイズの基盤を作ってきた。またKDDIなどから合計24億円の資金を調達しているが、ここにも木村氏の経験やノウハウが大きく寄与したと言われている。

グノシー取締役CFOの伊藤光茂氏は木村氏の退任について、「もともと予定していたもの。任期満了に伴って8月28日の株主総会で決定した」と説明する。木村氏は今後、株主という立場でグノシーを支援していく。

同社は8月29日の官報で2015年5月期第2四半期決算を発表している。売上高は3億5905万円と、広告事業の立ち上がりは見えている一方、純損失が13億9367万円の赤字となっている。

この赤字決算と退任の関連性を考える人もいるかも知れないが、この赤字はあくまでテレビCMをはじめとした「勝負をかけたプロモーション戦略」の結果と見るべきだろう。同社も調達時に「広告宣伝目的」と語っていたし、それは同社に出資する投資家も想定していたはずだ。実際テレビCMが奏功したGunosyは現在500万ダウンロードを達成しているという。伊藤氏も赤字決算と木村氏の退任は「関係ない」と断言する。

競業避止義務をめぐる訴訟の可能性

伊藤氏は「赤字と結びつけて考えられるので、なおさら唐突な感じもするかもしれない。だが人材もそろい始めたタイミング。退任はポジティブな決断だ」と続ける。赤字ながらも広告ビジネスの基盤ができたため、木村氏は創業メンバーをはじめとした若い起業家にその道を託したということになる。

そう思って業界関係者への取材を続ける中で、「実はこのタイミングでの退任発表には、グリーとの競業避止義務でのトラブルを回避する目的があるのではないか」という話を何度か聞くことになった。

木村氏はかつてスマートフォン向けアドネットワーク事業を手がけるアトランティスを立ち上げ、2011年1月にグリーに売却した経験を持つ。木村氏は2013年9月に同社を離れ、同年11月にグノシーの共同代表となった。だがそれから1年も経たない2014年7月、グノシーもスマートフォン向けに(ネイティブ広告の)アドネットワークを展開していると日経デジタルマーケティングが報じた。前職を離れて、また同様のビジネスを展開するという報道があったわけだ。だが通常、取締役が退任する際は、競業避止義務(競業に就いてノウハウや顧客を奪うような行為を禁止すること)を2〜3年負うことがほとんどだ。

これは何を意味するのだろうか。もちろん複数の業界関係者から話を聞いた上ではあるが、あくまで可能性として考えるのであればこういうことだ。広告事業の基盤もでき、IPOへの道が見えたグノシー。しかし木村氏が代表となっていることで「競業を手がけている」としてグリーから訴訟を起こされるかもしれない。つまり、IPOを考えた際のリスクになりえてしまう。しかもグリーはグノシーの競合であるスマートニュースへ出資しているという関係なわけだ。

そう考えれば、グノシーの言う「(木村氏の退任は)もともと予定していたもの」という言葉の意味が、単純に「体制や広告ビジネスの基盤ができたことから若き起業家に道を託す」というものではなくなってくるのではないだろうか。この可能性についてグノシー側にも尋ねたところ、「(木村氏の競業避止義務に関する契約といった)個人のことについては分からないこともある」としつつも、「そういった話は聞いていない」(伊藤氏)という回答を得た。

いずれにせよグノシーが短期間で広告ビジネスの基盤を作り、大型調達を実現し、その資金を元にしたプロモーション施策でユーザーを拡大させたことは間違いない。木村氏はとあるイベントに登壇した際、「当初スマートニュースに遅れをとっていた」と語っていたが、現在公開されているダウンロード数では、同社を追い抜いている(Gunosyは500万ダウンロード、スマートニュースは450万ダウンロード)状況だ。今回の木村氏の退任はグノシーにどういう意味をもたらすのか。今後も引き続きその動向に注目していきたい。


SmartNewsが1日限定で動画広告をテスト中、自動再生の好感度調査が目的

ふとSmartNews(スマートニュース)を開いてみるとスポーツカテゴリーで突然、ナイキの動画広告が自動再生された。そもそもスマートニュースは広告を入れていなかったはず。いきなりの動画広告の理由を執行役員の藤村厚夫氏に聞いたところ、4日正午から1日限定でテスト配信しているのだという。ユーザーが自動再生に好意を持ってもらえるかを検証するためで、広告配信技術は自社開発したそうだ。正式展開は未定だが、ユーザーのフィードバックを受けて今後の開発につなげたいとしている。

現時点でスマートニュースは、競合となるGunosy(グノシー)のような広告配信をしておらず、売り上げは「ほぼゼロ」(藤村氏)。グノシーはネイティブ広告などが好調で、毎月の売り上げが「数億円規模」とも報じられている。グノシーは24日、配信記事をキャッシュ化してオフライン環境でも閲覧できるようにしたのに伴い、メディア側に広告収益の一部を還元することも発表している

メディア側への広告収益還元という意味では、スマートニュースも動いている。具体的には、メディア向けにXMLに基づく記事書式「SmartFormat(スマートフォーマット)」を6月27日に公開。メディアはこの書式に従って記事を入稿することで、関連記事リンクや広告を自由に付けられるようになる。藤村氏は、スマートフォーマット経由の広告収益は全額メディアに還元するといい、まもなく実現すると話している。


配信記事キャッシュ開始したGunosy、広告収益分配ではSmartNewsを先制

昨日KDDIなどからの12億円の資金調達を発表したばかりのGunosyだが、また新たな発表があった。同社は6月24日、ニュースリーダーアプリ「Gunosy」上で閲覧できるオンラインメディアの記事のキャッシュ化と、メディアに対して広告収益の一部を還元すると発表した。

同社に聞いたところ、すでに6月6日から大手を中心にいくつかのオンラインメディアの記事をキャッシュしているそう。対象メディアの記事は、高速かつ、通信環境を問わずに閲覧できるようになっているという。Gunosyではキャッシュを許諾した媒体名を明らかにしていないが、僕が実際にスマートフォンのネットワークを切って記事を閲覧したところ、共同通信と毎日新聞の記事は閲覧できた。少なくともこの2媒体はキャッシュを許諾しているとみてよいのではないだろうか。Gunosyでは今後、大手を中心としたオンラインメディアに対してキャッシュ取得の打診をしていくとのことだ。

Gunosyでは、2014年に入ってアプリの方向性を変え、パーソナライズからみんなの注目するニュースを集める「メジャー化」に舵を切った。以降、競合サービスであるスマートニュースのニュースリーダーアプリ「SmartNews」に似てきたという声も聞くが、ユーザー体験を比較すると、記事をキャッシュしているSmartNewsに対して、キャッシュしていないGunosyでの記事閲覧に速度的な不満を感じたことがあるのは正直なところだった。

だがキャッシュの取得について言えば、SmartNewsが「メディアの許諾を取らずに記事をキャッシュをしている」として問題になったこともある。余談ではあるが、当時はとある新聞社をかたる警告書までがスマートニュースに届き、それがまたNAVERまとめにまとめられる(現在は削除されている)といったことにもなっていた。スマートニュースに近い関係者に聞いたところ、この警告文はあくまで「かたったもの」だったとのことで、その後その新聞社のコンテンツはSmartNewsで閲覧できるようになっている。こういった背景もあったからなのか、Gunosyではメディア各社に打診したのち、キャッシュを取得するという慎重な姿勢を見せている。

また、キャッシュの取得とあわせて、媒体社に対して広告収益の一部を還元していくという。数字こそ明言しないものの、Gunosyは月間で億単位の売上があるという。その一部について、キャッシュの取得を許諾したメディアに対して還元していくという。

金額などは非公開だが、レベニューシェア、月額固定などいくつかのパターンを想定しているとのこと。Gunosy取締役CFOの伊藤光茂氏は、「Gunosyはバリューチェーンで言うところのデリバリー。コンテンツを作っているところには還元していく」と語る。また伊藤氏は「おこがましいかも知れないが…」とした上で、将来的には自社の広告だけでは収益を上げられないメディアであっても、Gunosy経由での記事配信で大きな収益を生めるような環境を整えたいと語っていた。なお、当面は自社に編集部を持ってオリジナルのコンテンツを作るといったことは予定していないとのこと。

収益の還元についてはスマートニュースでも以前からメディアに対して何らかの形で行うとしているものの、現時点では広告事業も収益還元プログラムなども発表されていない(メディアが指定する広告をスマートモード(キャッシュ)上に掲出する機能は提供している)。もちろんスマートフォンでのニュースアプリの覇権を争っているのはGunosyとSmartNewsだけではないが、両社の展開は僕らオンラインメディアにも少なからず関係する話だ。今後について注目していきたい。


GunosyがKDDIなどからさらに12億円を調達、テレビCM中心にプロモーションを継続

Gunosy代表取締役共同最高経営責任者の木村新司

テレビCMでもよく目にするようになったニュースアプリ「Gunosy(グノシー)」。サービスを提供するGunosyは、年始にもKDDIから推定12億円の資金調達を実施し、そのほとんど広告宣伝費として投下したとも聞いていた。そんな同社が6月23日、KDDIとジャフコ、B Dash Venturesがら総額12億円の資金調達を実施したことを明らかにした。いずれも追加投資となる。

Gunosyによると、テレビCM開始前で200万台後半だったというダウンロード数は、今月末には400万ダウンロードを突破するまでに成長。当初放映していたウルトラマンを起用したCMの評判はイマイチだったようだが、現在は評判もいいそうだ。「秒単位でCMとダウンロードを解析している」とのことで、CPI(インストールにかかる費用)を考慮すると、「ビジネスとして成立する状況」(Gunosy取締役CFOの伊藤光茂氏)だという。またビジネス面について少し聞いたところ、すでに広告事業で月次で億単位の売上があるのだそうだ。

今回の調達の主目的も「広告宣伝」とのこと。今後も引き続き国内でテレビCMを中心にしたプロモーションを展開するほか、4月に開始した海外事業のプロモーションも進める。

2月以降、アプリを刷新してニュースの“パーソナライズ”から“メジャー化”を進めてきたGunosyだが、CM効果もあって好調だ。一方で競合と言われることの多い「SmartNews」を手がけるスマートニュースについても、資金調達をしたのち今夏にもテレビCMを展開するという噂も聞こえてきているし、すでにグライダーアソシエイツの「Antenna」もテレビCMと交通広告を展開している。


GunosyにKDDIが推定12億円の大型出資–社外取締役に元Facebook森岡氏

先日からスタートアップ界隈で話題になっていたニュースアプリ「Gunosy」開発元であるGunosyの大型調達。これまで資本準備金を含めて4億3758万円だった資本金が、2014年に入っていつの間にやら16億3758万円に変わっており、その差額12億円の増資がなされていたというものだ。

詳細が明らかにされていなかったこの大型調達が、ついに発表された。また、今回の出資はKDDIがグローバル・ブレインとともに手がけるコーポレートベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」ではなく、KDDI本体からの投資である。なお、Gunosyのバリュエーションは投資後で80億円程度と見られる。

また、今回の調達にあわせる形で、元Facebook日本副代表で現在はKDDI新規ビジネス推進本部 ビジネス統括部 担当部長を務める森岡康一氏が、1月にGunosyの社外取締役に就任している。


Gunosyがソーシャル化 – フォローやリアルタイムの話題表示機能が登場

 

ユーザーのソーシャルメディアアカウントを分析し、ひとりひとりの好みに合った記事を配信してくれるGunosyがiOSアプリに大きな変更を加えている。今回のアップデートにより新たに友人をフォローしたり、周りで話題になっている記事をリアルタイムに表示したり、記事にコメントを残せるようになった。

Gunosyは当初の1日1回のニュース配信から、朝刊・夕刊の2回に分けて配信回数を増やすなどユーザーがアプリに触れる回数・時間を増やして来た。しかし、朝と夕方(設定にもよるが)のみの配信ではリアルタイムな話題となると他のニュースアプリに比べて劣っていた。

これまでのGunosyユーザーは朝刊と夕刊配信のタイミングでプッシュ通知を受け取ってアプリを起動するという、受動的なアクションが多かっただろう。だから、今回のアップデートではユーザーがアプリを自発的に利用するような仕組みを取り入れたと言える。

また、ソーシャル化に加えて、気になるキーワードが登録できるようになっている。これでソーシャルアカウントの分析と合わせて更にユーザーの欲しいニュースが集まるようになるとしている。このキーワードの登録というのはGunosyの競合でもあるVingowで以前から利用されている機能だ。

このVingowも6月に自動要約機能を加えて話題になり、さらにユーザー数を伸ばしているようだ。同じくニュースアプリのSmartNewsを運営するゴクロは8月に4.2億円を調達し、開発体制を強化するなどこの業界の競争は激化している。