Hyperloop One、Virginグループ入り――高速ポッド輸送システムはVirgin Hyperloop Oneに改名

Virginグループはイーロン・マスクのHyperloop Oneに大規模な投資を行った。投資額は明らかにされていないが、真空トンネル内を高速で移動するポッドのネットワークを世界各地に張り巡らそうとしているスタートアップの名称を変更させる額であったことは間違いない。Virgin Hyperloop Oneが新しい名称jだ。

Virgin Hyperloop Oneが誕生した原動力はVirginグループのファウンダー、リチャード・ブランソンのハイテク高速輸送システム愛好だろう。ブランソンはこれまでもVirgin Galacticを始め宇宙飛行のための会社を創立してきた。 Virginグループに加わったことでHyperloop Oneが目指す次世代輸送システムは実現に向けて一歩前進した。Hyperloopは最新のテクノロジーを用いて準真空チューブ内に高速でポッドを走らせ、これまで数時間かかっていた距離を数十分で走破させようという野心的なプロジェクトだ。

Hyperloop OneとVirginとの関係は単に金だけではない。Hyperloopのエンジニアリング担当プレジデント、Josh Giegelは、以前はVirginグループのエンジニアだった。ブランソンはブログで「私はこの夏、Hyperloop Oneを訪問し、 ネバダ州ラスベガス近郊のDevLoopテストコースでこのテクノロジーを直接見てきた」と書いている〔トップ写真中央がブランソン〕。

Hyperloop One(正しくはVirgin Hyperloop Oneだった。長い名前なので慣れるのに苦労しそうだ)は最適な建設ルートを決定するためのコンペのファイナリストを決定し、またプロジェクトの実現可能性を研究する提携先として企業や政府を選定したことを発表している。

当面、Hyperloop Oneのビジネスは改名も含めて順調に進んでいるようだ。スピード好きのビリオネアが親しい友人であるというのは次世代の高速地上輸送システムの実現を目指しているイーロン・マスクにとって大いに役立つことになったようだ。

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SpaceXのHyperloopポッド324km/h達成――学生チームのコンテストはドイツの勝利

今日(米国時間8/28)、SpaceXは学生チームによるHyperloopのポッドのスピード・コンテストを実施した。 真空チューブ中を走行するHyperloopポッドのデザインは世界から寄せられ、予選をを通過した3チームによる実際の走行が本社近くのテスト施設で実施された。最高速度を争ったのはドイツのWARRHyperloopチーム、スイスのSwissloopとParadigmのチーム、アメリカのNortheastern大学とカナダのMemorial大学による北米チームだった。

優勝者はミュンヘン工科大学の学生による WARRチームで最高速度324km/h(201mph)を記録した。このスピードは2位以下を大きく引き離しただけでなく、テスト走行で最高速度に達することを試みたのもWARRチームだけだった。

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Hyperloop WARRのポッドが準真空の1.3kmのチューブ内走行で324km/h を記録。

SpaceXの共同ファウンダー、イーロン・マスクはWARRの達成を「すばらしい結果だ。学生チームの設計であることを考えればなおさらだ」と賞賛した。しかしマスクは続けて「SpaceXの1マイル(1.6km)のテストコースなら500km/h以上を狙うことが可能だろう」とさらにハードルを上げた。

マスクの今日の発表によれば、コンテストはさらに続けられる。SpaceXは3回目となるコンテストを来年主催すると決定した。このスピード競争はボランティア・ベースで、SpaceX(に加えて今回はThe Boring Company)の社員が自由時間を利用して行ったイベントだ。コンテストの実施以外に学生のポッドの開発についても助言を与えたという。【略】

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HTT、ハイパーループを韓国にライセンス――フルスケールのシステム建設を検討

HTT(Hyperloop Transportation Technologies)はハイパーループ・テクノロジーのライセンスを新たに韓国政府に供与した。供与先の2つの教育研究組織はHTTのテクノロジーをベースにフルスケールのハイパーループ交通ネットワーク建設の可能性を研究する。

HTTと韓国政府は研究開発でも協力を進める。乗客にとって快適な交通システムを実現するための安全性のプラットフォームや基準を開発していく。

韓国のハイパーループ交通システムはHyperTube Expressと呼ばれ、KISTI(韓国科学技術情報研究院)、KICT(韓国建設技術研究院)の支援を受ける。また韓国を代表する工学系大学である漢陽大学校も加わる。

今年1月、KRRI(韓国鉄道技術研究院)がハイパーループに似た高速鉄道の研究を行っており、このプロジェクトがHyper Tube Expressと呼ばれるという報道があった。しかしその時点ではHTTの関与は明らかでなかった(HTTP自体がハイパーループに興味をもつ各種組織の複数年にわたる共同事業)。

HyperTube Expressは計画どおり実現すればソウルからプサンまで20分以下で乗客を輸送できるという。現在は高速道路利用で3時間かかっているので大幅な短縮となる。

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SpaceX、NASAと協同で火星の着陸地点を検討中

SpaceXは同社の宇宙船が初めて火星表面に着陸するときのことをすでに考えている。計画性があるのか希望的観測なのかは読者の評価に任せる。同社はNASAと協同で赤い惑星の着地候補点を探している。

民間宇宙会社SpaceXでDragonロケットの誘導、ナビゲーション、および制御システムの責任者を務め、火星探査の上位計画にも関与しているPaul Woosterは、テキサス州で行われたカンファンスの席上、SpaceXはNASAのジェット推進研究所と協力して着地候補地点および実現性を検討していると述べた。SpaceNewsは、非常に有力な候補地が既に特定されたと報じている。

火星探査機にとって理想的な着地点とはどんなところだろうか。地表付近の氷の近くは大いに有力だ。地球からの輸送なしに長期滞在生活を維持するための となるからだ。もう一つ重要な要素は赤道近くで日照が良い低地であることで、動力および温度条件が有利になる。いずれも通常は地表から遠くない大量の氷と共存できないため着地点候補は絞られる。

この火星着地点はSpaceXの長期目標である火星滞在を視野にいれているが、科学、商用などのクライアントのニーズにこたえるための着地も検討している可能性がある。

SpaceXにとって、火星はいまだに遠いターゲットだ。赤い惑星への最初の打ち上げは当初2018年の予定だったが、早くても2020年中ごろになりそうだと同社は言っている。どうやら最初のミッションは目的地を正確に把握することにあるようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマチュアHyperloopデザイナーたちが、この週末にSpaceXの試験軌道上で対決

誰かの本気度を測るのは難しいが、おそらくこの場でSpaceXが本物のHyperloopのデザインと製造に興味を持っているわけではないだろう。とはいえ同社が、この興味深いエンジニアリングの課題に対して腕試しをしたい、若くて勇敢なエンジニアたちを応援することに意欲的であることには間違いない。この週末(米国時間29日)に、Hyperloop Podコンペティションのメインイベントが開催され、世界中から30チームが参加する。カリフォルニアに敷設された1マイルの試験軌道上で、実物大のモデルを用いてテストが行われる。

コンペは2015年に始まり、当初1200チームが参加した。デザインを評価することで、2016年の早い時期にそれらは120に絞り込まれ、この週末の軌道試験のために、さらに30チームへと選抜された。

トップ30の1つは、ワシントン大学の学生運営チームだ。先週彼らは、シアトルのイベントで4分の1スケールのポッドを披露した。エンジニアたちとデザイナーたちが次々に、ポッドの様々な機能を実現するために行ったプロセスを、興奮気味に説明してくれた。

大きな予算には欠け、企業からの指導や資金提供も望んでいないため、このチームは弱小と呼んでも良いだろう。現在のプロトタイプのコストは2万7000ドル以下で、多くの競争相手よりも遥かに安い、しかしともあれ何よりも割安だ。慎重に形成されたカーボン複合材がシャーシの大部分を覆い、これによってコンパクトな永久磁石浮上と、加速、減速、そして安全対策が実現されている。筆者は、すべてを軌道上に保っておくための、巧妙な受動機構に特に感銘を受けた。

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とはいえ30のチームはそれぞれ、多種多様のアプローチをとっている。あるものは車輪を使い、あるものは磁気を使い、あるものは大きく、または小さく、筒状のものもあれば、車のような形状のものもある。Business Insiderが、それら全てを1つのページに掲載しているので、もし興味があればそちらを見ると良いだろう。

コンペでは、各ポッドはアルミ製のI型の梁に沿って、SpaceXのブースト車によって加速が行われ、リリース後は自力での走行が継続される。うまくいけば、加速または速度維持が行われて、最後は正しい制御の下に停止される筈だ。決して本物と同じではないが、速度は時速100マイルを超え、ポッドの重量は数100ポンドに及ぶ。これは冗談レベルの話ではないのだ。

私が話したワシントン大学チームのメンバーは、トップ30に選ばれたことをとても喜んでいて、真のエンジニアの姿勢を見せていた。どのような状況においても全てがデザインしたように動作するようにと気を配っていたのだ。彼らはタフな競争相手になる可能性のある者として、ウィスコンシン大学マディソン校のチームや、この種のエンジニアリングでヘビー級のオランダのデルフト工科大学の名前を挙げた。

このコンペティションで、どんな面白いものが見られるかに目を光らせておくとしよう。しかも、この週末でお楽しみはお終いというわけではない。この夏にはまた別のコンペが控えていて、そちらでは単純に最高速度が競われるのだ。それが見学に値するものになることは請け合いだ。

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(翻訳:Sako)

Hyperloop Transportation Technologiesが欧州での建設を検討、手始めはチェコ

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Hyperloop Transportation Technologies(HTT)はライバルのHyperloop Oneよりは一步出遅れているかもしれないが、独自の国際展開を進めている。本日(米国時間18日)HTTは、スロバキアとチェコをつなぐHypeloop接続の検討を行う合意文書に署名した。

HTTは既にスロバキアのブラチスラヴァ市との間でhyperloop建築の合意文書を取り交わしているが、この新しい合意はチェコ共和国のブルノとブラチスラヴァの間の80マイルをつなぎ、さらにチェコの首都プラハまでの建設を行うことの意義を検討させるものだ。

HTTはまた、アブダビとの契約を締結したこと、そしてオーストラリアのメルボルンでの建設に向けた予備的な引合いも受けたことを発表した。

HTTシステムは、ブルノ、チェコ共和国でどのように見えるかのレンダリング。

チェコ共和国ブルノにおけるHTTシステム想像図

Hyperloop OneとHTTの両者とも、世界中の政府指導者とのつながりを深めており、それぞれのシステムを建設するための資金を調達し、関係を作り上げている。これらのつながりの多くは、アラブ首長国連邦と東欧を中心に行われているようだ。これは新しく実績のないシステムに対する認可が、表向きは米国政府よりも簡単に下りるからだ。

最近HTTは、その動きを速めるために1億ドルを調達したと発表した。とはいえその大部分は、ボランティア労働や外部企業からのサービス提供といった現物支給なのだが。実際の現金としてHTTが調達したのはおよそ3100万ドルだ。

今やそれぞれのスタートアップに共通する課題は、ひたすら挑戦し、ゴールにいち早く到着することだ。

「技術的な課題はすべて解決したので、今は世界中の政府と協力することが、一番重要です」と、HTTのCEOであるDirk Ahlbornは声明で述べた。「この段階で規制当局と直接作業することはHyperloopにとって重要です。スロバキア、アラブ首長国連邦、その他の国々での建設を始めるに際して、新しいルールとフレームワークが書かれる必要があるのです」。

今回のチェコの合意は、実現可能性の判定と建設の決定にある程度の時間がかかるものの、理論的にはブルノの鉄道システムの混雑を緩和できる筈である。同駅はチェコで最も古い駅であり(世界で最も古い駅の1つでもある)、Wikipediaによれば、毎日5万人以上の乗客が往復している。

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(翻訳:Sako)

SpaceXのFalcon 9がケープカナベラルにて爆発炎上

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更新情報:SpaceXからの情報によれば、人的被害はないとのこと。ただしロケットおよび積荷はすべて失われた。

多くの目撃者情報によれば、SpaceX Falcon 9ロケットが、ケープカナベラルの発射台におけるテスト中に爆発したとのことだ。9月3日土曜日に発射される予定で、Facebook初となる衛星を打ち上げることになっていた。

衛星の名前はAmos-6で、FacebookのInternet.orgイニシアティブで用いるブロードバンド接続を提供する予定となっていた。Facebookおよびフランスの衛星プロバイダーであるEutelsatが9500万ドルと5年の歳月をかけて開発したKaバンドの通信システムが搭載されていた。

地元の防災対策室からの情報によれば、周辺地域に被害が及んだという情報はないとのことだ。

以下の各ツイートは英文のまま掲載しておきます。

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(翻訳:Maeda, H

これがHyperloop Oneの描く超高速未来の内側だ

いったいHyperloop Oneで何が起きているのだろうか? 人間をA地点からB地点まで時速750マイル(1200 km/h)で発射することを提唱する未来的輸送システムのことだ。

このスタートアップはHyperloop TransportationからHyperloop Oneへと社名を変え、今春ネバダの砂漠でテストを開始し、800万ドルのシリーズB調達ラウンドを発表し、幹部のいざこざ問題に見舞われ、前共同ファウンダーが訴訟を起こし、続いてHyperloop Oneも対抗訴訟を起こした。デモ施設を建設し、モスクワではロシアの主要投資家グループと、ドバイでは世界第3位の輸送会社、DP Worldと組むなど、全世界の主要地域で大規模な運輸事業を行う計画を発表した。

そうそう、Hyperloop Oneの共同ファウンダー、Shervin Pishevarには、数週間後に控えた本誌のDisruptイベントで壇上に登場してもらう予定だ。

当然ながらわれわれは、提案されているhyperloopのテクノロジーがどこまで現実に近づいているかを、自分たちの目で見る時だと考えた。

CTO・共同ファウンダー(かつ元SpaceXエンジニア)のJosh Giegelが、同社が本社内で取り組んでいるものを覗き見させてくれた。そこでわれわれは、もしHyperloop Oneがそのスピードを実現できれば、ごく近いに将来にわれわれの世界や生き方を変えるに違いないシステムの一端を見ることができた。

上のビデオでは、もうすぐ私たち自身やAmazonで注文したあらゆる商品を、1日以内に世界中どこへでも送り届けられるようになる時代の始まりを見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、打ち上げロケットの回収に再度成功(地上への再着陸は2度目)

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SpaceXが、再びロケットの回収に成功した。回収の成功は5度目となる。

Elon Musk率いるSpaceXがケープ・カナベラルより打ち上げた2段式のFalcon 9は、1段目のロケットを無事地上に再着陸させた。地上に再着陸させるのは2度目のことであり、洋上の無人船への着陸を含めると5度目のロケット回収となる。

Falcon 9の一段目は、打ち上げの8分後にフロリダのケープ・カナベラルにある「Landing Zone 1」に着陸した。

SpaceXはこれまでに、4度連続でロケットの回収に成功している。1度は地上への最着陸で、あとの3回は海上の無人船への着陸だった。今回行った地上での再回収は、12月以来となるものだ。

ふつうに考えれば地上での再回収の方が容易であるように思える。陸上に歳着陸する方が、着陸地点が圧倒的に安定しているからだ。また、低層への打ち上げ時には、海上最着陸を行うために、わざわざ海上に移動するための時間やエネルギーがかかることになるからだ。

しかし、実は陸上への最着陸がいつでも可能というわけでもないのだ。本日の打ち上げは、SpaceXにとって本年7度目の打ち上げとなるものだったが、これまでの発射では陸上への最着陸を行うことはできなかった。今年最初の機会に陸上再着陸を試みてみごと成功したわけだ。

今回の発射は他のケースと何が異なっていたのか。まず今回のロケットは2段目を低軌道に打ち上げることが目的だった。そのおかげで第1段ロケットをより簡単に地上に向けて誘導することができたのだ。

商用衛星の打ち上げなど、たいていの場合は、2段目のロケットをより高い軌道により高速で打ち上げることが望まれているのだ。当然ながら第1段ロケットも高速で遠くまで移動することとなり、地上に誘導するためのエネルギーなど残っていない場合が多いのだ。そうしたケースに対応するため、SpaceXは海上の無人船によるロケット回収に力を入れているのだ。

なお、今回の打ち上げは、再着陸を行うことを第一の目的に打ち上げてみたものではない。主目的はSpaceXのドラゴン宇宙船により、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けることが目的だったのだ。9度目の補給ミッション(CRS-9と名付けられている)にて、ドラゴン宇宙船は5000ポンド近くの貨物および研究実験機材を届けることになっている。

ドラゴン宇宙船は7月20日にはISSに到着する予定だ。ドラゴン宇宙船の帰還時には、ISSから地球に戻す必要のある物資を積載してくることになっている。現在、与圧環境でISSからの物資を運べるのはドラゴン宇宙船だけであり、その果たすべき役割は多い。

SpaceXは、ロケットの1段目を再利用可能として、ロケット打ち上げにかかる費用を抑えようとしているわけだ。回収したロケットの再利用はまだ行われていないが、Muskによれば9月ないし10月にはロケットの再利用を行いたいと間gな得ているのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

イーロン・マスク曰く、Telsa Model Sはボートになるくらいよく浮かぶ

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聞くところによると、先週カザフスタンで、1台のTesla Model Sが浸水したトンネルを走り抜けたらしい。下のビデオでは実際に車が浮いているのかどうか定かではないが、それでもElon Muskは、TwitterでこのビデオをちょっとしたTelslaマーケティングに使った。

[〈絶対に〉お薦めはしないが、Model Sは短い時間ボートになれるくらいよく浮かぶ。車輪の回転で進んでいる]

Muskは、どうやってModel Sが水に浮かぶのかを具体的に説明していない。しかし、電気自動車であるModel Sは、内燃機関のように空気に依存していないため、車のシステムは水中(あるいは水上)でも、水圧に耐えられるよう防水されていれば動作するはずだ。

ただし、あなたのModel Sで試してはいけない。Electrekが指摘するように、Teslaの保証は水による損害をカバーしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、再利用を目的とするロケットの海上回収に3回連続で成功中

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SpaceXにとって良い1週間だったことだろう。まずNational Reconnaissance Officeと高額の契約を結んだ。お固い政府機関で偵察衛星を扱っている組織だ。そして週末となり、ケネディ宇宙センターのケープカナベラル空軍基地第40複合発射施設よりOrbital ATKの通信衛星であるTHAICOM 8を打ち上げたFalcon 9の、4度目となる第一段部分の回収に成功したのだ。海上を動いている「ドローン船」にて回収したのは3度目となる。

THAICOM 8を宇宙に送り出した今回は、海上回収がさらに難しいものとなると言われていた。衛星が打ち出されたのは静止トランスファ軌道(Geosynchronous Transfer Orbit:GTO)だ。この静止軌道には、メインロケット(今回の場合はFalcon 9)に加えて、より小型のロケットも併用して打ち上げることになる。

静止軌道は36,000キロメートルほど上空にある軌道であり、この軌道にのった衛星を地上からみると、まるで静止しているように見える。一般的には気象観測や通信衛星を打ち上げるのに用いられる。THAICOM 8は商用通信衛星で、インドおよびアフリカ、東南アジアで利用される予定となっている。

前回の打ち上げについてもそうだったが、今回の打ち上げでは、低軌道に打ち上げるのに比較して、より多くの機材を搭載する必要があった。打ち上げ角度もはるかに急峻となり、それに伴って地上への帰還角度も急になってしまう。それにより、もちろん速度も増してしまうこととなった。

そうした状況の中で、Falconの飛行に許される精度上のブレは圧倒的に小さなものとなる。速度が増すことで、予期しないブレに対してロケットが対応する時間も少なくなるのだ。風や、ちょっとした大気の揺れによるごく微細なズレも重大な事故につながりかねないのだ。さらに、高い軌道まで打ち上げることにエネルギーを使い、自らの制御に使える燃料はごくわずかしか残っていないという状況にもある。

今回の最着陸成功によりSpaceXの技術の実用性がさらに強く認識されるようになる。打ち上げロケットを再利用できるようにすることにより、SpaceXは打ち上げコストを下げて、宇宙開発をより一般的なものにしようと考えている。さらには火星探検という大きな夢も描いていて、そのためにも打ち上げロケットの再利用可能性を高めていきたい考えなのだ(火星から地球に戻ってくる際に、ロケットを再利用できるようになる)。

もちろん、現在の段階では夢の実現はまだまだ不可能の範囲内だ。打ち上げロケットの回収には成功しているものの、完全な「成功」をいうためにはロケットの再利用に繰り返し成功することが必要だろう。それが実現しないううちは、Falcon 9の垂直離着陸も単なる「驚き」に過ぎなくなってしまう。Space XのCEOであるElon MuskはTwitter上で、数ヶ月のうちに回収したロケットの再利用を行う旨をツイートしている。SpaceXはケープ・カナベラルにて最初の回収に成功したFalcon 9の再起動を試し、そして本社前に配置してはいるものの、今のところは再度のフライトは行なっていない。今のところ、回収したロケットが最利用可能であることの証明は行われていないことにはなる。

誤差の許容範囲が小さく、また着陸角度が大きかったことは、すなわち今回の最着陸が高速を保ったまま行われたことを意味する。アルミのハニカム素材も熱や衝撃で大きなダメージを受けていることだろう。これはロケットの(再利用時の)安定性に問題をきたすことになると思われる。ただしMuskによれば最も衝撃を受ける部分は着陸時に用いる「脚部」であり、これは「crush core」と呼ばれている。「crush core」である限り衝撃を受けるのは当然のことで、簡単に取り替えられるようになているのだそうだ。ただし、再着陸後のロケットにリスクを生じる可能性があることについては認めていた。

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(翻訳:Maeda, H

イーロン・マスクのハイパーループ計画:理論的に可能な空想科学を実現する時間が今の彼にはない

その未来志向のプロジェクトで知られる派手な起業家が、ハイパーループ計画に関する詳細を、自身のプログや今日のプレス会見に先立ってBusinessweekのAshlee Vanceに説明した。結果は、狂気との境界線上にあるプロジェクトだった。彼はTesla MotorsとSpaceXを作った男であるが、このプロジェクトに関してはそもそも話題にしたことを後悔していると言い、誰か他の人が作るべきものだとさえ言った。

「言わなければよかった」と彼はBusinessweekの記事で言っている。「私にはまだSpaceXとTeslaを成功させる仕事があるし、これはとてつもなく大変だ」

ハイパーループは確かに困難で金がかかりそうだが、これは広く批判に晒されすでに開発にとりかかっている700億ドルの高速鉄道計画に代わるものだ。ハイパーループは低レベルの気圧をかけたパイプに、SpaceXインコネル合金でできた高圧高温に耐えるスキー付きカプセルが収容されている。スキーの小さな穴から吹き出す空気が作り出すエアクッションにカプセルが浮かび、エアジェットによって推進される。全体のコストはわずか60億ドル程度だとMuskは言う。

Muskのプロジェクトは、進行中の高速鉄道計画に対して経済的にみて多くの優位点を持っており、地上に建てられた塔の上につくるよう設計されている。つまり広大な土地を買収したり、農地やさまざまな建造物を破壊する必要がない。Muskの詳細計画によると、環境騒音問題も回避されており脱線の危険も少ない。カプセルを収容するパイプの上に設置したソーラーパネルによって動力も自己調達できる。一つ、残念な点がある。Muskの目論見書によると、ハイパーループの乗車にあたっては、空港でTSAが行なっているのと似たセキュリティーチェックが必須だそうだ。

物理学に深入りするつもりはない。Businessweekが実にわかりやすく解説しており、同誌が話した第一線の物理学者はこれを実現可能と言っている(パイプが透明なら「クール]だとも)。おそらく最高の要約は、ValleywagのSam BiddleがTwitterで言ったこれだろう。

[elon muskはすごいやつだと私も思うが、ここは正直になろう。これは空想上のスペース列車であり、彼は望んだことをどうにでも描くことができる。

この話題に関する彼の 公式ブログ記事が公開されており、(詳細目論見書のPDFは、近々修正される模様)なかなか読み応えのある記事だ。同システムを説明する電話会見でMuskは、せめて誰かに渡すための小規模なデモ用プロトタイプは作りたかったと言った。しかし肝心なのは、自分で作る意志がなく、作るのが恐ろしく難しそうで、今後もまず間違いなく空想の産物であるものをMuskが思いついた、ということだ。実に楽しい。

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Elon Muskがサンフランシスコとロサンゼルスを30分以下で結ぶ超高速チューブ列車、Hyperloop構想を8月12日に発表へ

イーロン・マスク(Elon Musk)はスタートアップの万能ルネッサンス人間だ。彼は1年ほど前からもう一つの野心的な新交通システムについてヒントを漏らしている。どうやらその構想を詳しく発表できる時期が来たらしい。今日(米国時間7/15)、Muskは「Hyperloop交通システムの暫定案を8月12日までに発表する」とツイートした

ではまず今までに分かっていることを振り返っておこう。Muskが最初にHyperloopプロジェクトについて語ったのはちょうど1年前にPandoDailyのイベントでSarah Lacyと対談したときだった。マスクはこれを第5の輸送モードと名付け、「決して事故を起こさず、天候に影響されず、普通の旅客機の2倍も速い」システムだと述べた。

8月12日にならなければHyperloopが実際にどんなシステムとして構想されているのか確かなことはわからないが、マスクはAllThingsDのD11カンファレンスで「コンコルドとレールガンとエアホッケーのミックスのようなもの」だと述べている。このわずかな情報を元に専門家はさまざまな推測をしているが、有力な説は(空気抵抗を減らすため)減圧されたチューブの中に電磁力で駆動されるカプセルを走らせるシステムだろうというものだ。そうであれば、実のところそれほど目新しいアイディアではない。半生記も前からSFではおなじみだ。またアメリカで似たようなシステムの開発に取り組んでいる会社がすくなくとも1社存在する。これらとマスクの構想がどう違うのか興味あるところだ。

ムスクはこのプロジェクトを「会社の存続にとって決定的に重要な場合を除いてオープンソースで公開する」としている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+