トム・クルーズが宇宙での映画撮影についてSpaceXと交渉中か

長年に渡って活躍中のアクションスター、Tom Cruise(トム・クルーズ)氏は、ますます壮大で激しいスタントやアクションシーンを求め続けている。そして、そうしたものすべてを盛り込んだ最高のアクションムービーの集大成として、宇宙で映画を撮影することを目指しているのだろう。Deadlineによると、クルーズ氏がElon Musk(イーロン・マスク)氏のSpaceXと、宇宙で長編映画を撮影する可能性について話し合いを始めており、そこにはNASAも参加しているという。

これはまだ予定に組み込まれたプロジェクトではなく、話を始めたばかりだが、真剣な話し合いが行われているとのこと。この話はクルーズ氏の命知らずの性格からもうなずけるものだ。というのも同氏は、スタントシーンを自ら演じることが多い。「ミッション:インポッシブル」シリーズの、鳥肌の立つような見せ場のシーンのいくつかも、その例外ではない。

そのレポートによると、その映画は「ミッション:インポッシブル」の続編ではないようだが、本当に宇宙空間で撮影されるとすれば、人気シリーズでなくても、十分に聴衆を惹き付けるものになるはずだ。

実際にどうやって撮影するつもりなのか、ということについては何も明らかにされていない。しかしSpaceXは、まさに有人宇宙船を実用化しようとしているところだ。NASAの宇宙飛行士を乗せたCrew Dragonが、この5月27日に初めて打ち上げられようとしている。これは国際宇宙ステーションに対して、宇宙飛行士を輸送する宇宙船が、通常業務として運行可能になったことを示す最終準備段階のデモンストレーションとなるミッションだ。

SpaceXとNASAは、まさにCrew Dragonを開発するために官民のパートナーシップを締結した。計画では、契約によって他の民間のパートナーも利用できることになっている。NASAが民間業者と官民パートナーシップを結ぼうとしているのは、市場を開放することによって長期的にコストを賄うことができると考えているからだ。SpaceXは既に別のパートナーとの話し合いのもと、Crew Dragonに搭乗するプライベートな打ち上げの予約を募っている。

マスク氏が率いるSpaceXは、現在、完全に再利用可能な宇宙船であるStarshipの実現にも取り組んでいる。それが実際に飛行できれば、船内に撮影スタッフが乗り込むスペースもできるはずだ。実際に人間が搭乗できるようになるのはまだ数年先かもしれないが、将来の有人月面着陸ミッションの契約プロバイダーの1つとして、NASAに選ばれている。すべてがNASAの計画通りに進めば、このミッションは2024年に始まる予定だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Virgin GalacticとNASAが共同で2点間移動用の超音速機を開発へ

Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)は、米国時間5月5日にNASAとの新しい提携契約を公表した。地球上の2点間移動のための高速航空機の開発が目的だ。NASAはこれまでも、超音速航空機の開発を独自に行ってきた。Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)が製造した低衝撃波の超音速試験機X-59はその1つだが、今回のVirgin Galacticとその子会社The Spaceship Company(ザ・スペースシップ・カンパニー)との新たな提携契約では、特に持続可能な高速移動技術を民間および商用航空に適用する道を探る。

Virgin Galacticは、このプロジェクトで幸先のいいスタートが切れると確信している。その理由の筆頭に挙げられるのが、現在が保有している航空機の開発、エンジニアリング、試験飛行を行ってきた実績だ。同社にはWhiteKnightTwo(ホワイトナイトトゥー)母機や、その母機から発射されて大気圏と宇宙の境目まで到達できる有翼宇宙船SpaceShipTwo(スペースシップトゥー)がある。Virgin Galacticのシステムは、通常の滑走路から離陸しまたそこへ着陸できるように構成されている。ロケット推進式のSpaceShipTwoは、地球の大気圏と宇宙との境目をかすめて飛行でき、商用宇宙観光として客を乗せ、感動的な眺めや短時間の無重力体験を提供することになっている。

実際、Virgin Galacticの技術は2点間高速移動に最適なように思える。おそらくSpaceX(スペースエックス)とその建造中のStarship(スターシップ)を使った野心的な計画の数々によって一般に認知されるようになった2点間移動は、超高速で地球上の2点をつなぐという考え方だが、大気圏の非常に高い(現在の民間航空路線の高度よりもずっと高い)ところか、もしかしたら宇宙空間を通ることになる。高高度を飛行するのは、空気が薄く空気抵抗も低いために超高速で飛行できるからだ。例えば国際宇宙ステーションは、地球の周回軌道を90分で1周している。

SpaceXによると、Starshipならニューヨークから上海までの移動はわずか40分だという。今の飛行機なら16時間かかる。Virgin GalacticもNASAも、まだまだ所要時間を語れるような段階には至っていないが、単純に比較するならばSpaceShipTwoの最高速度はおよそ時速4000kmなのに対して、ボーイング747はおよそ988kmだ。

Virgin GalacticとNASAのこの新しい提携は、米国Space Act Agreement(宇宙法協定)に基づくものだ。これはそのさまざまな目標、ミッション、計画指令の達成に役立つとNASAが判断した団体の協力を得るためにNASAが利用するという形の協定だ。具体的にどんなものになるかを想像するのは時期尚早だが、Virgin Galacticはその広報資料の中で「乗客の満足度と環境への責任にを重視した、次世代の安全で効率的な高速航空移動のための航空機の開発を目指す」と述べている。そしてそれは「業界のパートナーたち」との共同で行われるとのことだ。

画像クレジット:Mark Greenberg / Virgin Galactic / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

SpaceX Starshipのマニュアルが語るスペースシャトルの後継機となり快適な宇宙旅行を提供できる理由

SpaceX(スペースエックス)は、テキサス州ボカチカで建造を進めている次世代のロケットStarshipの、宇宙船ユーザーマニュアル初版を発表した。このマニュアルはすでに運用中のSpaceXの他のロケットのものほど詳細ではないが、例えば大容量の貨物船としてStarshipをどのように活用したいか、または人を運ぶ宇宙ライナーとして比較的豪華であるとされる理由など、いくつもの興味深い内容が含まれている。

Starshipは静止通信衛星を一度に3基まで同時に運ぶことができ、衛星コンステレーション全体を1回で展開できる。あるいは静止衛星を1基か2基搭載して、余った空間を使って小型衛星の正式な相乗りミッションに利用することも可能だ。現在使用できる手段と比較して、1回のフライトでたくさんのミッションに対応できることは、運用上の費用という面で大変な助けになる。

SpaceXが提案するStarshipのもうひとつの利用法に「宇宙空間で実験を行う宇宙船」の運搬がある。Starshipに宇宙船を搭載したまま一体となって実験やミッションを遂行して、地球に戻ってくるというものだ。事実上これは、Starshipを国際宇宙ステーションのような宇宙研究所プラットフォームにするものだが、宇宙ステーションと違い自力で飛行し帰還する能力を有する。

SpaceXではまた、Starshipは本来のペイロード・アダプターの他に、側壁やノーズにもペイロードを搭載できるようになるという。かつてスペースシャトルにも類似の機能があった。さらにスペースシャトルと同様に、Starshipは軌道上の衛星の回収して必要に応じて軌道上で修理したり、地球に持ち帰ったり、別の軌道に投入したりもできるとSpaceXはいう。これは、現在運用中のどのロケットも成し得ないことだ。

Starshipに人を乗せる場合の設備に関する提案もあった。SpaceXでは100人もの人間を地球低軌道に、さらには月や火星に運ぶことができると説明している。船内設備には「プライベートな客室、広い共有エリア、集中型倉庫、太陽風シェルター、展望ギャラリー」などが考えられると資料には記されている。SpaceXはまた、地点間の移動という用途を特に強調していた。つまり、地球上のある宇宙港から別の宇宙港への移動だが、近宇宙を通過することにより大幅に移動時間を短縮できるということだ。

最後に、小さいながらおもしろい話がある。SpaceXは、打ち上げをフロリダ州のケネディ宇宙センターとテキサス州ボカチカの両方で行い、着陸もその両地点で行われる可能性があるという。複数のSpaceshipが完成して性能が実証され、実際にフライトが始まった際には、運用の頻度が高まるというわけだ。

SpaceXのStarship SN3は、現在ボカチカで建造中だ。エンジンの地上燃焼試験のために、すでに打ち上げ台に運ばれている。SpaceXは2020年末の高高度飛行テストに間に合わせようと、プロトタイプの改善ペースを速めている。そしてゆくゆくはStarshipとSuper Heavy(スーパーヘビー)ロケットブースターも、完全に再利用可能な宇宙船を目指して開発したいと考えている。

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(翻訳:金井哲夫)

スペースXがDragon貨物船を使った最後のISSへの打ち上げをライブ配信

SpaceX(スペースX)は米国時間3月6日の夜、国際宇宙ステーション(ISS)への20回目の補給ミッションを打ち上げる。今回のミッションは、これまでのNASA向けミッションのすべてで使われてきたDragon貨物船を使用する最後のミッションとなる。2020年夏からは、その後継機が登場する。

今夜のミッションでは、これまでどおりISSにさまざまな物資や実験機器、新しいコンポーネントを輸送する。打ち上げは太平洋時間の午後8:50に予定されており、上の動画でその様子を確認できる。

Dragon貨物船とFalcon 9の第1ステージは、どちらも以前のミッションで使用されたもので、Dragon貨物船は今回が3回目の打ち上げで、今回が最後となる。

Dragon貨物船はCrew DragonとCargo Dragon(名称に2がつくこともある)という2機種の後継機を生み出し、当然ながら前者は最大の注目を集めている。しかし、改良されたドラゴン貨物船はより多くの利用を見込んでいる。

新旧のDragon貨物船の正確な違いは完全には明らかになっていないが、アビオニクス、電力システム、搭載ソフトウェアそして全体的な形状に大きな変更があることが判明している。当然のことながら、貨物船には生命維持装置や脱出システムは搭載されておらず、人員の輸送は意図されていない。

新しく改良されたCargo Dragonでは、最初の商用ミッションが2020年8月に予定されており、姉妹機のCrew Dragonもすべてが計画どおりに進めば、その前に打ち上げられるかもしれない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボーイングのStarliner乗員カプセルが軌道に乗り損ねてISSとドッキングできず

【抄訳】
Boeing(ボーイング)の乗員輸送宇宙船Starliner CST-100は、米国時間12月20日に初めての国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げを大成功させたが、しかしロケットと打ち上げ機は期待通り動作したにも関わらず、Starliner宇宙船自体は、打ち上げ後、自分のミッションを開始する際に思わぬ障害にぶつかった。

Starlinerのカプセルは、二段目のロケットULA Centaurからの切り離しに成功し、宇宙の軌道外ターゲットに到達したが、Starlinerが自らのエンジンに点火して目的の軌道へと進もうとした際、必要な噴射が起こらなかった。ボーイングによると、同機は太陽電池を安定して充電できる位置の確保はできており、地上チームが、宇宙船を必要な位置に到達させるために次にどのような操作をすればよいかを検討しているという。

NASAの管理官Jim Bridenstine(ジム・ブリデンスティン)氏は、東部時間午前8時45分のツイートで、そのエラーに関する中身のある最初の最新情報を投稿した。それによると、何らかの出来事により宇宙船Starlinerが「そうではなかったのに、自分は軌道投入噴射をしていると思った」という。

[Jim Bridenstine: Mission Elapsed Time(MET、ミッション経過時間)が異常を起こし、そのせいで宇宙船は自分が軌道投入噴射をしていると信じたが、しかしそうではなかった。次の情報は東部時間午前9時にご報告する。]

ミッション用の時計は何らかのバグかエラーに遭遇して、Starlinerのシステムに実際のミッションの段階ではなく、違う段階にあると伝えた。その結果、宇宙船は予定外に燃料で噴射し、計画されていた軌道投入点を通り過ぎてしまった。その後、Starlinerは二目の噴射を行い安定した軌道をとるが、状況では計画どおりに国際宇宙ステーションへ到着することはできない。

【後略】

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASAが来年計画している有人の商用宇宙飛行をiOSとWebのアプリで疑似体験できる

商用の有人宇宙飛行を目指しているNASAが、モバイルアプリとWebアプリケーションでその簡単なシミュレーションを提供している。来年行われるその商用飛行にはSpaceX Crew DragonとBoeing Starlinerが使われるが、シミュレーションはその両方を疑似体験できる。

アプリはその飛行の各過程を順に追っていく。それは宇宙船の選択に始まり、ミッションのタイプを決め、乗員を選び、打ち上げ、ドッキングと進む。それぞれの部分に関するある種の教育が目的で、あらゆる細部がリアルなフライトシュミレーターではない。しかし国際宇宙ステーションへのドッキングは自動と手動の両モードがあり、手動はかなり難しくておもしろい。

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Crew DragonとStarlinerの両方とも、そして打ち上げ用ロケットに関しても、とても詳しい情報がある。あなたがその中から乗員を選ぶ10名の実在する宇宙飛行士については、人物像と履歴の情報がある。アプリをiPhoneで試したが、打ち上げ準備の部分にちょっとバグらしきものがある以外はとくに問題ない。その部分では、ブースターや乗員用カプセルなど、宇宙船の打ち上げの各要素が詳しく分かる。

この「Rocket Science: Ride 2 Station」と名付けられたアプリは無料でダウンロードでき、現在はiOS用がある。Webアプリケーションはここだ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

三菱重工業のH-IIBロケット再打ち上げは9月24日を予定

先週、打ち上げ台上の火災でつまずいた三菱重工業(MHI)が再び、国際宇宙ステーションに備品などを運ぶ補給機HTV-8のミッションに挑戦する。打ち上げは当初9月11日を予定していたが、火災の後始末や原因調査などもあり、新たな打ち上げ日は日本時間の9月24日午前1時30分に決まった(米国東部時間9月23日午後12時半、太平洋時間午後9時半)。

火災は消火されロケットにも積荷にもダメージを残さなかったが、調査によると原因は静電気の蓄積による可能性が極めて高い。静電気の発生は、ロケットエンジンへの推薬補給時に排気口から滴下する酸素によるものと思われる。MHIはすでに対策に着手しており、ロケットと打ち上げ用施設設備は今や完全な機能性があって、二度目の打ち上げへの準備が完了している。

打ち上げに使われるH-IIBロケットはMHIのM-IIシリーズロケットの推力が最も大きい構成で、ISSの備品のほかに、さまざまな学術および商用の顧客のための複数の小型衛星とそのCubeSatランチャーも運ぶ。H-IIBは中心に1基のブースターがあり、エンジンは液体酸素を推薬(推進剤)として使用、そしてロケットの底部にある4基の固体燃料ブースターがさらなる推力を与える。静止遷移軌道への最大積載量は、8200キログラムである。

H-IIBのミッションは、来年あともう一度ある。その後、MHIは完全に使い捨ての打ち上げ機H3に注力する。これは主に商用の顧客の利用を目指していて、中程度のペイロードではコスト的にSpaceXなどの競合相手と互角に勝負できることを目指している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

国際宇宙ステーション、初の商用エアロックを2019年に設置へ

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国際宇宙ステーションに 初の商用エアロック(気密区画)が設置される。宇宙用設備を作るNanoRacksがBoeingと協同で開発し、2019年を目標に打ち上げ、結合する。この商用エアロックは、CubeSats(小型低価格の人工衛星)を始めとする小型実験機器をISSから発射する際の利用を念頭に設計されている。ISSからの衛星発射は、最近民間宇宙会社の間でよく用いられている方法だ。

NASAはかねてからISSを低軌道商用利用に開放する意志が強かった。現在進行中の宇宙ベースの研究や科学的探究の新たな資金源を開拓するために、民間による継続的運用を増やそうとしている。このエアロックは、宇宙船からの衛星発射および、BoeingやSpaceX等の民間宇宙輸送業者を利用して、ISSに商用実験機器を配送することで活動を支援する。

この開発段階に致るまでにNASAは、NanoRacksが作成したBoeingとの独立パートナーシップ契約によって独自のエアロックを開発するという提案を受け入れた。エアロックを製造するためには、第一段階として昨年末の開発に先立ちNASAとNanoRacksの間で取り決めた一連の手順を踏む必要がある。すべてが計画通りに運べば、現在2019年に予定されているISS補給ミッションでこのエアロックを送り込む。

Boeingはエアロックの圧力接続部分の製造を担当する予定で、装置全体がモジュール化され再利用可能に設計されている。将来ISSが別の民間軌道プラットフォームに置き換えられた場合、NanoRacksは自社のモジュールを新しい宇宙船と結合する。

地球低軌道は、民間企業が営利運用を行う最適な場所になりつつある。エアロックのようなミッションの重要部分で資金を提供し所有することは、この新興市場で早く好位置を確保する有力な手段だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、宇宙飛行士が地球に帰るためのパラシュートをテスト

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今日(米国時間1/27)NASAは、商用クループログラムに必要な、SpaceXの最終認定試験結果の一部を紹介するビデオを公開した。アリゾナ州クーリッジで行われた落下テストには、SpaceXのCrew Dragon着陸システムの一部となる巨大なパラシュート4基が使用された。

この落下テストでは、パラシュートはC-130貨物輸送機によって上空数千フィートまで運ばれた。SpaceXの宇宙船Crew Dragonの代わりに重りが使われ、パラシュートはCrew Dragonが国際宇宙ステーションから宇宙飛行士を連れ帰った時と同じように配置された。

ビデオでは、NASAの広報員が「こうしたテストによってエンジニアは飛行ハードウェアの信頼性を評価することができる」と語った。

今回の落下テストには、SpaceXの最終的な着陸システムに使用される、Crew Dragonの減速用パラシュートは含まれていない。減速用パラシュートは4基のメインパラシュートの前に開いて、降下するカプセルを減速、安定させるために用いられる。

以前のパラシュート落下テストは2013年12月に、Crew Dragonを作るために必要な、有人飛行用の修正が加えられる前に実施された。2013年の落下テストでは、Dragonカプセルとパラシュートシステムを、カリフォルニア州モロ・ベイ上空8000フィート(2400メートル)までヘリコプターで運び太平洋上に落下させた。当時のパラシュートシステムは、減速用パラシュート2基とメインパラシュート3基から成っていた。

それから2年以上がすぎ、SpaceXは初期のDragonの設計を変更し、有人飛行規格のCrew Dragonを製作した。これには減速パラシュートおよびメインパラシュート4基が塔載される。

当初、SpaceXはCrew Dragonとパラシュートシステムを使って、乗組員らを安全に海上に落下させる。アポロ時代に用いられた戦略と同じだ。

しかし最終的には、SpaceXは推進方式によって宇宙飛行士らを地球に帰還させる計画だ。

昨年11月、SpaceXはCrew DragonおよびSuperDracoエンジンの飛行テストを完了した。同社は、推進力による軟着陸戦略は、いつか火星のような海のない惑星に人間を着陸させるためには重要な能力であると指摘した。SpaceXの舵を切るElon Muskは、最終ゴールは火星に到達することだとよく言っている人物であることから、この着陸戦略も驚きではない。

今日のブログ記事でNASAは、「今後のテストは、実際の飛行におけるシステムの条件やプロセスをできる限り再現した、より現実的なものになっていくだろう」と語った。

SpaceXとBoeing、およびその他の商用クループログラム契約社は、それぞれの有人宇宙船を完成させ、国際宇宙ステーションへの旅をロシアに依存する米国を救うべく作業に取り組んでいる。

今後のテストで異常がなければ、NASAは米国企業による国際宇宙ステーションへの信頼ある飛行が2017年末までに可能になると期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceX、スペースシャトルに代わる有人宇宙飛行カプセルをテスト

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1月21日(米国時間)SpaceXは、有人宇宙飛行船、Crew Dragonのテスト飛行に成功したビデオを公開した。計画によると、Crew Dragonは2017年中にはFalcon 9の先に取り付けられ、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を送り込む。

このテストはテキサス州マクレガーで昨年11月に行われ、同宇宙船の推進エンジン、SuperDracoの起動能力を分析した。NASAは声明で、現在Crew Dragonは分析の早期段階にあるが、最終目標はこの宇宙船を使い、人間をヘリコプター並みの精度で着陸させることだと語った。

Crew Dragonが、SpaceXの最初の有人飛行ではSuperDraco推進エンジンを使用しないというは興味深い。このエンジンは宇宙飛行士らを誘導着陸されるために用いられる。この戦略に代えて、SpaceXは当初パラシュートを使って、Crew Dragonの降下速度を落とし、海上に着水させる計画だ。

SpaceX's Crew Dragon

SpaceX’s Crew Dragon / Image courtesy of SpaceX

SpaceXは、軟着陸に向けて取り組んでいる理由について、将来海のない惑星、例えば火星に人類を送るためには必要となる能力だからだと説明した。

SpaceXの初期バージョンのDragonは、NASAのISS貸物輸送ミッションに使用されているが、第2バージョンとなる有人ミッション用のCrew Dragonは、まだ使用さていない。今回行われた飛行テストは、SpaceXが人間を宇宙に送り出す認定を受けるために必要となる、数多くのテストの一つだ。

Crew Dragonは、いずれも7名の人間を運ぶ能力のある2種類の宇宙船プロジェクトの1つで、米国クルーをISSと往復輸送するために2017年から斬定運用される予定だ。これらのカプセルはNASAの商用クルー能力(CCtCap)契約に基づいて開発されている。

Inside the SpaceX Crew Dragon

SpaceX Crew Dragonの内部/画像提供:SpaceX

CCtCapは、NASAの商用クルー開発(CCDev)プログラムの最終フェーズだ。2010年に開始したCCDevは、スペースシャトルの代替品を開発できる企業を見つけるために行われた。プログラム開始当初、NASAは彼らの有人宇宙飛行コンセプト実現に向けて、有望視企業5社を選んで助成した。

2014年、対象はBoeingとSpaceXの2社に絞られた。

Boeingの有人カプセルCST-100も、現在最終エンジンテストを実施中だ。SpaceXと同じく、CST-100も地表に着地するよう設計されている。Boeingのカプセルは推進方式ではなく、パラシュートを使いエアバッグによって緩衝された着陸を行う。

ロケット回収テストと並行して、NASAカルゴ契約、空軍向けエンジン開発研究、そしてCrew Dragon開発と、今年のSpaceXには実に多くの仕事が待っている。

Illustration of Boeing's CST-100 landing

BoeingのCST-100着陸の図解/画像提供:Boeing

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook