iPhoneイベント開催中にアップル株は下落、ベライゾン株は急上昇

米国時間10月13日、Apple(アップル)はいくつかの新しいハードウェアを発表した。主な内容は、約1万円のSiri内蔵スマートスピーカーのHomePod mini、5G対応のiPhone 12シリーズ、MagSafeの復活、環境保護をうたったいくつかのコスト削減などだ。

おそらく通信業界の投資家が今回のバーチャルキーノートを注視している中で、アップルはプレゼンテーションの一部にVerizon(ベライゾン)のCEOを務めるHans Vestberg(ハンス・ヴェストバーグ)を連れ出した。ベライゾンはTechCrunchの親会社だ。

市場の反応

アップルの株価はイベント前は上げ下げを繰り返していたが、イベント前の午前中の取引で何とか横ばいに持ち直した。イベントが始まると株価は少し上昇したが、進行するにつれて下落し、イベント終了後には少し持ち直した。アップルの株主にとっては、この件について詳しくあまり書く価値はないだろう。

今回のイベントはベライゾン大きな影響を与えたようだ。ベライゾンがこのイベントに参加した時点の株価を確認してほしい。ベライゾンの株価の動きは、この種のイベントで我々が望む反応だ。イベントに登壇した会社が株価が大幅に上昇するほど注目すべきことが発表されたということだ。

最近のアップルのイベントは事前にリークされることが多いので、アップルの株価があまり動かないのは当たり前なのかもしれない。

アップルとは対照的に、ベライゾンの発表内容は驚きだった。The Vergeの言葉を借りれば、ベライゾンは「全米5Gネットワークを発表」したのだ。投資家はこのニュースを好感したが、その後にベライゾン株は少し下がって売られた。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

アップルが7万4800円からのiPhone 12シリーズ、10万6800円からのiPhone 12 Proシリーズ発表

アップルが7万4800円からのiPhone 12シリーズ、10万6800円からのiPhone 12 Proシリーズ発表

Apple(アップル)は米国時間10月13日、スペシャルイベントを開催。5G対応のiPhone 12シリーズ、iPhone 12 Proシリーズを発表した。iPhone 12シリーズの価格は税抜7万4800円から、iPhone 12 Proシリーズは税抜10万6800円から。予約注文開始は、iPhone 12とiPhone 12 Proが10月16日午後9時から、iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxは11月6日からとなっている。

6.1インチ「iPhone 12」、5.4インチ「iPhone 12 mini」

iPhone 12シリーズは、6.1インチ「iPhone 12」、5.4インチ「iPhone 12 mini」を用意。iPhone 12の価格は税抜8万5800円から、iPhone 12 miniは税抜7万4800円から。

6.1インチ「iPhone 12」、5.4インチ「iPhone 12 mini」

iPhone 12シリーズは、OLED(有機EL)のSuper Retina XDRディスプレイを採用。最大解像度については、iPhone 12が1170×2532ピクセル(460ppi)、iPhone 12 miniは1080×2340ピクセル(476ppi)で、それぞれコントラスト比200万:1、最大輝度625nit(標準)、最大輝度1200nit(HDR)となっている。

またiPhone 12シリーズは、iPhone 11と比較し11%薄型化、15%小型化、16%軽量化も実現。iPhone 12は、サイズ:幅71.5×高さ146.7×奥行7.4mm、重量:162gとなった。iPhone 12 miniは、サイズ:幅64.2×高さ131.5×奥行7.4mm/重量133gとなっている。

ディスプレイのカバーガラスとして、コーニングの協力のもと新たなガラス素材Ceramic Shieldを開発。カバーガラスとアルミニウムボディのエッジを同じ高さにしたことで、耐落下性能が4倍向上した。

プロセッサー(SoC)は、10.9インチ「iPad Air」と同じく5nmプロセス製造のApple A14 Bionicチップを採用。内蔵の4コアGPUによる画質向上、16コアのNeural Engineによる機械学習の高速化が行われている。ストレージは64/128/256GB。

また背面カメラとして、絞り値f1.6の広角カメラと、絞り値f2.4/視野120度の超広角カメラを搭載しており、超広角カメラでもナイトモードが利用可能となった。写真に写っている被写体をA14 BionicのNeural Engineによる機械学習で識別し、必要に応じてシャープネス、色、ホワイトバランスを調整するスマートHDR3もサポートしている。

6.1インチ「iPhone 12」、5.4インチ「iPhone 12 mini」

動画撮影では、背面カメラ・前面カメラ(TrueDepthカメラ)とも、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影(最大30fps)が可能。

このほか、防水性能はIP68(最大水深6mで最大30分間)に対応した。

アップルが7万4800円からのiPhone 12シリーズ、10万6800円からのiPhone 12 Proシリーズ発表

6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」、6.1インチ「iPhone 12 Pro」

iPhone 12 Proシリーズでは、6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」、6.1インチ「iPhone 12 Pro」が登場。iPhone 12 Pro Maxの価格は税抜11万7800円から、iPhone 12 Proは税抜10万6800円からだ。

6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」、6.1インチ「iPhone 12 Pro」

SoCとしては、Apple A14 Bionicチップをそれぞれ採用。ストレージは128/256/512GB。最大解像度は、iPhone 12 Pro Maxが1284×2778ピクセル(458ppi)、iPhone 12 Proは1170×2532ピクセル(460ppi)。

背面カメラとして、絞り値f1.6の広角カメラ、絞り値f2.4/視野120度の超広角カメラ、絞り値f2.0の望遠カメラを搭載。また、広角および超広角カメラではLiDARスキャナー活用ナイトモードポートレートをサポート。LiDARスキャナーは、物体に向かって照射した不可視光線がレシーバーに返ってくるまでの時間を計ることで、絶対深度(距離など)を計測するというもの。これをナイトモードで活用することで、暗所でのオートフォーカスが最大6倍高速化した。

6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」、6.1インチ「iPhone 12 Pro」

iPhone 12 Pro Maxでは、広角カメラ向けにセンサーシフト手ぶれ補正を採用。デジタル一眼レフカメラ同様に、センサーだけを動かすことで精密な手ぶれ補正を行える。

動画撮影では、背面カメラ・前面カメラ(TrueDepthカメラ)とも、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影(最大30fps)が可能。

このほか、防水性能はIP68(最大水深6mで最大30分間)に対応した。

6.7インチ「iPhone 12 Pro Max」、6.1インチ「iPhone 12 Pro」

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今後iPhoneにイヤフォンや電源アダプターはついてこない

壊れたイヤホンや余分な電源アダブターでいっぱいの引き出しは、新しいiPhone 12を買うことにすればこれ以上ひどくならないだろう。Apple(アップル)は再強化した環境フットプリント削減への取り組みの一環として、今後この種の部品を製品パッケージに含めなくなる。

米国時間10月13日に開催されたiPhoneイベントで、アップルのLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏は2030年までに全世界で「温暖化ガス排出量ネットゼロ」を目指していることを説明した。これは、製造、組み立てから梱包、デバイスのリサイクルまですべてをカーボンニュートラルにするという意味だ。これを達成するためには、ソーラー発電の利用や運用効率化を進めることはもちろん、ムダを省くことが必要となる。

そのために同社は、iPhoneの初期から見慣れたあの白いイヤホンと電源ケーブルをつなぐための標準電源アダプターを付属品から取り除く。

「Lightningイヤフォンはすでに7億個出回っていて、多くのユーザーがワイヤレス充電に移行しています」とジャクソン氏は説明。「さらに世界には20億個のアップル製電源アダプターがあり、それ以外にサードパーティのアダプターが数十億個あります」と続けた。

幸いなことに、電源ケーブルはついてくる。標準のUSB-C-Lightningケーブルで古い電源アダプターやノートパソコンに繋げられる。

その結果は箱の中身が減っただけではなく、箱そのものが小さくなり、パレットにこれまでより多くの製品を積めるようになる。大した効果ではないと思うかもしれない。「箱を小さくして世界を救うって、それ本当?」 しかしAppleほどの規模になると、1回の出荷に1.5倍積めることは何千もの運送便を減らせることを意味している。これはAppleによると、年間45万台の自動車を減らすことに相当するという。

Appleは、完璧ですばらしい端末を不必要かと思われる毎年のサイクルで作り続けていることや、ヘッドホンジャック廃止などの選択によって何百万ものアクセサリーを無用にしていることについては言及しなかったが、それは当然のことだ。彼らは問題に一役買っているかもしれないが、それは他の主要家電メーカーすべてに言えることであり、少なくともAppleは帳尻を合わせる努力をしている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone 12とHomePod miniの画像が流出

驚くのが好きな人はこの記事を読まないほうがいいかもしれない。しかし、すでに見出しを読んで最初の画像を見ているはずなので手遅れかも?この記事を呼んだとしても、今回のイベントでのサプライズはいくつか残っているだろう。我々がいま持っているのは、今回のアップルのビックイベント「Hi Speed」の画像のみだ。しかし、今回のイベントでiPhone 12とHomePod Miniが登場することは、長年のスマートフォンのリーカーのEvan Blass(エヴァン・ブラス)氏が公開した画像で確認できる。

そこに添付されている情報は多くはない。しかし、これまでの噂やリークのおかげで、我々は今回のイベントでも十分な事前情報を得ている。真正面と背面のレンダリング画像から見る限り、アップルがここ数年採用しているノッチは依然として前面上部の中心にあり、側面はiPad Proのソリッドなデザインに似ているようだ。

ラインアップはやはり、iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxの4つバージョンはすべて存在するようだ。価格は699ドル〜1,99ドルの範囲になると予想される。一方、画面サイズは5.4〜6.7インチで、iPhone 12とiPhone 12 Proは6.1インチとなる。iPhone ProとiPhone Pro Maxは3つのカメラ、iPhone 12とiPhone 12 miniは2つのカメラを背面に搭載する。また、iPhone ProとiPhone Pro Maxには、今年初めにiPad Proに加わったLiDARセンサーも搭載されているようだ。

本体色は、黒、白、ネイビーブルーがあり、低価格モデルにはミントグリーン、PRODUCT(RED)バージョン、高価格モデルにはゴールドとグラファイトが用意されるようだ。

新型HomePod miniの概要も判明した。アップルはプレミアムなスマートスピーカーであるHomePodで素晴らしいサウンドを提供してきたが、3万6000円のSiri内蔵スマートスピーカーシステムは多くの人にとって価格が高くて手が出せなかった。99ドル(約1万500円)と噂されているHomePod miniは、HomeKit Hubを家庭に導入するためのより身近な手段を提供してくれるだろう。しかし、Google(グーグル)やAmazon(アマゾン)のスピーカーのミニバージョンのように、サイズと価格のために音質面でトレードオフはかなり高いようだ。

HomePod miniは新しいEchoのように球形で、標準的なHomePodと同様のメッシュスピーカーグリルを備えている。また、カラフルなSiriアイコンが上部で点灯するほか、音量ボタンもある。

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画像クレジット:Evan Blass

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(翻訳:TechCrunch Japan)

10月14日午前2時からのアップルイベントで発表されるモノ

まず、新型iPhoneの発表は当然だ。同社は新型コロナウイルスの感染拡大の影響による生産の遅れを理由に、先月のApple Watchのイベントでは新しいモバイルデバイスを披露しなかった。また、今回もイベントはすべて録画のバーチャルイベントになるだろう。世界中から報道関係者などを呼び寄せて開催するこれまでのイベントで実現できなかったが、飛行機での移動が制限されている現在、アップルは新製品の発表イベントを複数に分割して容易に開催できるようになった。

だからといって、単なるiPhoneの発表イベントにはならないだろう。アップルがより小規模なイベントを開催する可能性は残っているが、今回のイベントはクリスマス前に開催する最後の大型イベントになるはずだ。

イベントの主役がiPhone 12であることは間違いない。同社はAndroidのライバルに比べて、5Gを搭載したデバイスについてはやや出遅れている。例えば、サムスンは5G対応端末をすでに複数台ラインアップしているほどだ。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、5Gは予想されていたよりも展開が遅い。だからある意味、アップルはいいタイミングで5G端末を発表できる。米国では、ミリ波(mmWave)とサブ6GHz帯の5G技術の両方を提供すると言われている。もちろん、世界各国で販売されるiPhone 12シリーズは、特定の市場のニーズによって異なる場合がある。

iPhone 12シリーズには、さまざまなモデルが用意されているという噂だ。結局のところ、アップルのような企業がプレミアムデバイスだけを提供して、それで終わりにできる時代は終わった。ハイエンド端末の売り上げは、新型コロナウイルスが登場してスマートフォンの売り上げが一時的に大きく落ち込む前から、すでに底を打っていた。ユーザーは、いま持っているスマートフォンが問題なく機能している限り、1000ドルを超える新しい端末の購入にうんざりしているのだ。

具体的には、4つのサイズが発表されるだろう。6.1インチと6.7インチのハイエンドデバイスと、6.1インチと5.4インチの低価格デバイスだ。価格帯はかなり広く、iPhone 12 miniの699ドル、iPhone 12の799ドル、iPhone 12 Proの999ドル、iPhone 12 Pro Maxの1099ドルのラインアップになりそうだ。Apple Watchのラインアップが拡大されたことに加えて、アップルは今回、iPhoneにもあらゆる選択肢を用意している。

これまでの報道をまとめると、同社はすべてのモデルに有機ELディスプレイを導入する予定だ。液晶パネルを採用していた時代からすると大きな変化だろう。またこれらの新モデルは、歓迎すべきデザイン変更がある。iPhone 5に沿ったデザインに戻ると報じられている。具体的には、丸みを帯びたエッジ部分は削られ、iPad Proのようなフラットなデザインが採用される見込みだ。

そのほかの興味深い追加機能としては、過去のMacBookシリーズに採用されていたMagSafeの名称が、純正ワイヤレス充電パッドで復活することが挙げられる。この充電パッドは、失敗に終わったAirPowerの記憶を消し去ることになるだろう。1〜2台のデバイスで利用でき、iPhone 12シリーズが背面に内蔵する磁石を利用して適切な位置に取り付けられるようだ。

音楽関連事業は常にアップルの要となっているが、同社は長い間オーディオ製品のアップデートが遅れていた。今回、待望のオーバーイヤーヘッドフォンAirPods Studioが登場するかもしれない。モデルには2つのバリエーションが用意されており、注目ポイントはその素材だ。また、スマートスピーカーの小型版も開発中かもしれない。HomePodは長い間、多くの人にとって高価格すぎて手が出なかったため、廉価な小型版なら人気が出るかもしれない。

さらに長らく噂されてきたものの、何度も発表が延期されてきた忘れ物防止タグのAirTagsもついに登場するかもしれない。Apple TVについても同じことが言える。同社のApple TV+のサブスクリプションサービスがもうすぐ1周年を迎えるので、ハードウェアのアップデートがあってもおかしくはない。なお、Apple Siliconを搭載した新しいMacの登場も期待したいところだが、同社はこのMacのために2020年内にもう1つのイベントを計画しているようだ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple、iPhone、Apple iPhone Event

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

10月14日午前2時からのアップルスペシャルイベントはこちらから視聴可能

Apple(アップル)は米国時間10月13日、iPhoneの新モデルを発表することになっている。同社は米国太平洋夏時間午前10時(日本時間10月14日午前2時)にバーチャルキーノートを開催する。同社がライブストリーミング配信するので、このページからイベントを視聴可能だ。

噂では、iPhone 12には4モデルが存在すると伝えられている。5.4 インチのディスプレイを備えたiPhone 12 mini、6.1インチのiPhone 12とiPhone 12 Pro、6.7インチのiPhone 12 Pro Maxだと言われている。

もちろん、5Gネットワーク機能を搭載したモデルも予想される。同社は、5Gが4Gよりも高速である理由を説明するのに時間を費やしそうだが、多くのキャリアがまだいくつかのテスト都市を超えて5Gネットワークを展開していないことを留意しておく必要があるだろう。

しかし、おそらくそれがすべてではないはずだ。アップルは、ワイヤレス充電パッドを発表する確率が高い。今回は開発中止となったAirPowerではなく、MagPowerという製品になるだろう。また、同社はこのアクセサリーのコネクター部分の名称としてMagSafeという名前を復活させるかもしれない

オーディオ新製品として、多くの人が同社がオーバーイヤー型のヘッドフォンを開発していると考えている。これは、AirPodsのラインアップが充実するだろう。さらに、より小型で安価なHomePodを発売するという情報もある。

アップルはYouTubeでカンファレンスの様子をストリーミング配信するので、前述したようにこのページで直接ライブストリームを視聴できる。

なお、Apple TVを持っているなら、App Storeで「Apple Events」アプリをダウンロード・視聴可能だ。Apple TVであれば、今回のイベントのストリーミング視聴はもちろん、過去のイベントの再視聴しも可能だ。アプリのアイコンは数日前にイベントのために更新されました。

Apple TVを持っておらず、YouTubeを使いたくない場合は、同社のウェブサイト上のApple Eventsセクションからイベントをウェブブラウザー経由でライブストリーミングすることも可能だ。このビデオフィードは現在、Safari、Microsoft Edge、Google Chrome、Mozilla Firefoxといった主要なブラウザーのすべてで動作する。

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画像クレジット:David Paul Morris / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

元アップルのエンジニアでオートコレクト開発者が初アプリの単語ゲームUp Spellを公開

元アップルのソフトウェア・エンジニアおよびデザイナーで、最初のiPhoneとタッチスクリーン用オートコレクト機能の開発にも携わったKen Kocienda(ケン・コシエンダ)氏は、自身初のiOSアプリ「Up Spell」(アップ・スペル)を開発した。テンポが速くて楽しい言葉のゲームで、2分間でできるだけ多くの英単語を綴るというもの。これには同氏が構築した専用の単語辞書が使われていて固有名詞も判定できる。アプリの売上げの一部は、地元のフードバンクに寄付される予定なので、ゲームでストレスを解消しながら社会貢献もできてしまう。

コシエンダ氏はこれまで、独立したiOSアプリを作ったことがなかったと話している。アップルで働いていたときは、彼が開発するコードはみな、大規模なiOSリリースに組み込むためのものだった。そこで、ゲームを作りたいと思い立った同氏は、目の前にあるアイデアの源に目をつけた。それは、タイピング、キーボード、オートコレクトの開発経験だ。

このゲームの単語辞書は、もともと英語と第二外国語として学ぶ人のための英単語集「New General Service List」(ニュー・ジェネラル・サービス・リスト)の基盤にすべく作られた。同氏は何週間もかけて、候補となる単語のリストを生成する細かいプログラムをいくつも制作した。例えば既存の単語に「s」を付けて複数形にするものなどだ。さらに何時間もかけてリストを精査し、使用する単語を選択した。

コシエンダ氏は、このゲームを面白いものにしたいと考えている。ほかの単語ゲームでは固有名詞が受け付けられないことに個人的にフラストレーションを感じていたのだ。

「PHARAOH(ファラオ)やPYRAMID(ピラミッド)は通っても、NILE(ナイル)やEGYPT(エジプト)はダメというゲームが多いのです。納得できません。どれも言葉なのに!」と同氏。

そこで彼は、何千もの固有名詞を含む独自のリストを作り、さらにスラングや略語も加えて幅を広げた。そのため、たとえばアポストロフィーを含む「S’MORES」も認められる。

固有名詞も含むさまざまな単語に対応することで、ほかの競合する単語ゲームとの差別化が図られたわけだが、このアプリのビジネスモデルもいまどきでは珍しいものになっている。一度だけ料金を支払ってダウンロードすればいいというものだ。

250円でダウンロードすれば、あとは永遠に遊べる。いまはスマホゲームの多くがフリーミアムモデルを採用している。アプリのダウンロードは無料だが、もっと面白くするために、または特定の機能を使えるようにするために、アプリ内コインやトークンの購入をしつこく迫られる。

コシエンダ氏がこのモデルを採用しなかったのは理由がある。「Up Spellは、特別な技を使わなくても2分間楽しめるゲームとして考案しました。ただ単語を綴るだけです。2020年は、誰にとっても厳しい年となりました。単語を綴る以外に何も考えないで済む2分間を手に入れることは、何よりのストレス解消になります。Up Spellが、みなさんの2020年に、ちょっとした意外な幸せを提供できればと思っています」と話す。

さらに、ダウンロード代金のうち25%は、San Francisco-Marin Food Bank(サンフランシスコ=マリン・フードバンク)に寄付されることも覚えておこう。同氏が住む地域の恵まれない人たちの食事を支援できる。

うまくいけばUp Spellのあとに、例えばサウンド合わせや色合わせなどのゲームが同様のモデルで続く可能性もある。

この新しいゲームは、ダウンロード時に1度だけ料金を支払うかたちでApp Storeから入手できる

カテゴリー:ゲーム
タグ:アップル、iPhone、Up Spell

画像クレジット:Up Spell

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(翻訳:金井哲夫)

アップルが英国とカナダでiPhoneに健康記録機能を追加、サーバー経由なしで暗号化データを医療機関に直送

アップルは、英国カナダの2つの新たな市場で、iPhoneの「ヘルスケア」アプリの「健康記録」(Health Records)機能のサポートを追加した。電子カルテ機能はもともと2018年に米国でデビューしたもので、現在では米国の500カ所以上の施設でサポートされている。まず、カナダでは3つの病院、英国では2つの病院でサポートされることになるが、もちろん時間の経過とともにサポートをより多くの病院に拡大する計画だ。

アップルのEHR(Electronic Health Record、医療情報基盤)機能は、ユーザーのプライバシーを念頭に置いて開発されている。具体的には、ユーザーのiPhoneと医療提供者の間で転送される情報は暗号化されており、中間のサーバーストレージなしにデータが直接転送される。また、ユーザーのデバイス上の健康記録データは完全に暗号化されてローカルに保存され、ユーザー個人のパスコード、およびTouch IDやFace IDに対応したデバイスでのみロックを解除することができる。

iPhone上の健康記録は、組織的なサポートを必要とするが、個人の医療データの高度な所有権を提供できるだけでなく、データがポータブルであり、患者を追跡してさまざまな医療施設や医療提供者と統合できることを確認する手段も提供できる。これまで世界各地でEHRシステムを統一し標準化するために多くの努力がなされてきたが、広範な支持を得たものはほとんどない。アップルの強みは、モバイル市場の約半分を占めるデバイスであるiPhoneを世界で幅広く扱うことができ、ユーザーフレンドリーで明確かつ簡潔なデザインだ。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:アップルiPhone

画像クレジット:Apple

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(翻訳:TechCrunch Japan)

5G iPhone発表か?アップルのスペシャルイベントは日本時間9月16日午前2時にバーチャル開催

新しいApple WatchとiPadに関する噂はこれまでのところ大部分が外れている。当たったのはアップルの次の大きなイベントへの招待が始まるという点だ。事実、同社はは恒例の秋の(バーチャル)イベントが9月15日午前10時(日本時間9月16日午前2時)に開催されると発表した。

これはiPhone 12の到来を告げるものであり、アップルもついにiPhoneに5Gテクノロジーを採用するだろう。もちろん、今年は5G採用がスマートフォンの売り上げ伸びが鈍るのを抑える役割を期待されていたが、我々の生活のあらゆる側面同様、これも新型コロナウイルスによって大きな打撃を受けた。感染蔓延は同社が新世代のスマートフォンを来週に間に合うように準備ができるのか、それともさらに別のバーチャルイベントが必要になるのかという疑問も呼び起こした。

スマートフォンビジネスには感染蔓延が大きな穴をうがったが、最近のアナリストの統計によれば、iPhoneはライバルに比べて被害が軽かったようだ。多数の産業のサプライチェーンも著しく阻害された。7月の四半期決算の電話記者会見でアップルはiPhone 12の発表が「数週間遅れる」ことを認めた。これは同社とって前例のない動きだったが、それをいうなら我々が直面しているのが前例のない時代だ。

イベントに新しいApple Watchが登場するのはほぼ間違いない。Apple Watchは引き続き同社のベストセラーアイテムとなるだろう。これまでに出た噂のほとんどは、血中酸素濃度測定機能の追加などヘルスモニター能力に関するものだった。バッテリー駆動時間を延ばすこともApple Watchにとって非常に重要なポイントだ。watchOSの最新バージョンに睡眠モニタが追加されたことを考えるとこれは必須となる。

アップルは大型ライブイベントをバーチャルで開催する要領をWWDCで確立している。数か月の準備期間があったことでもあり、9月15日のイベントも高い水準で実施されると期待できる。

画像:Apple

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

次期iPhoneは発売が数週間遅れる、アップルが異例の発表

今年もまた新しいiPhone を求めて長い行列が出来そうだがこの秋は例年よりも少し長く待つことになるようだ。

アップルは先ほど第3四半期の決算を発表(未訳記事)したが、このときCFO(最高財務責任者) のLuca Maestri(ルカ・マエストリ)氏は「今年の新iPhone11モデルのリリースは2019年と比べて数週間遅れる」という見通しを述べた。これは非常に異例なことだ。これまでアップルは製品発表のスケジュールについて一切触れようとしなかった。iPhoneは毎年アップデートされているのもかかわらず、直前になるまで何も認めようとしなかった。

もちろんこれまでもiPhone のリリースが遅れたことはある。例えば2017年のアップルのiPhone Xの発表は11月にずれ込んだ。iPhone の各種モデルがメインの製品発表の数週間後に個別のスケジュールでリリースされたことはたびたびある。しかしその場合でもiPhoneのリリースのスケジュールが事前に発表されたことはない。

今年アップルが発表するiPhone の一部のモデルは5Gネットワークをサポートするはずだ。

アップルが発表した第3四半期の決算は596億9000万ドル(約6兆2400億円)、対前年比で11%の収入アップとなり ウォールストリートの期待を上回った。新型コロナによるパンデミックもアップルの売上、ひいては株価をダウンさせることはなかった。しかし9月に新しいiPhone をリリースできないと認めたことは、サプライチェーンのパイプラインのどこかに障害が起きていることを示すひとつの兆候のようだ。

画像:Tobiasjo / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルがセキュリティ研究者や熟練ハッカーに脱獄済みの特別なiPhoneを提供開始

過去10年の間、Apple(アップル)はiPhoneを市場で最も安全なデバイスの1つにするべく努力を重ねてきた。そのソフトウェアを厳重に保護することによって、同社は20億人のiPhoneオーナーを安全に保っている。だが、セキュリティの研究者たちは、それが理由で実際に問題が発生したときに何が起こったかを把握することが難しくなっているという。

同社はかつて、自社のコンピューターにはウイルスは感染しない(Wired記事)と主張していたが、近年同社は、これまでにない方法でセキュリティ研究者やハッカーを受け入れ始めた。

昨年開催されたセキュリティカンファレンス「Black hat USA 2019」で、アップルのセキュリティ責任者であるIvan Krstic(アイバン・キルスティック)氏は、集まったセキュリティ研究者たちに対して、最も信頼できる研究者にデバイス深部へのかつてないアクセス(Forbes記事)を提供する特別なiPhoneを提供すると語った。このiOS Security Research Deviceプログラムの下に提供されるiPhoneを使うことで、アップルが修正できるセキュリティの脆弱性を発見・報告することが容易になる。

アップルは米国時間7月22日から、特別な研究用iPhoneをプログラムの適格性を満たす熟練し精査された研究者に対して貸し出し始める(Appleサイト)。

これらの研究用iPhoneには、SSHアクセスや、ソフトウェアへの最高のアクセス権を持つカスタムコマンドを実行するルートシェル、そしてセキュリティ研究者が自身のコードを実行して深部で何が起きているかを理解しやすくするデバッグツールなど、通常のiPhoneが持つことはない特別なカスタムビルドiOSが搭載されている。

アップルはTechCrunchに対してこのプログラムを「デバイスを送り出してお終いというわけではなく、コラボレーション主体のものにしたい」と述べた。研究デバイスプログラムに参加する研究者やハッカーたちは、より広範なドキュメントや、アップルのエンジニアが質問に答えたりフィードバックを得たりする専用のフォーラムにアクセスすることができる。

こうした研究デバイス自身は特に目新しいものではないが、これまで研究者たちに直接開放されたことはない。一部の研究者は、発見したセキュリティの問題点をテストするために、地下マーケットに赴いて、これらの内部的ないわゆる「dev-fused」(開発用特別仕様)デバイスを探し出し(Vice記事)て手に入れたことが知られている。そうした運に恵まれなかった者は、デバイスの内部にアクセスするためには、まず最初に通常のiPhoneを「脱獄」(ジェイルブレイク)することに頼らなければならなかった。しかし、これらの脱獄は最新のiPhoneではかなり難しくなっているため、ハッカーが自分が見つけた脆弱性が悪用可能なのか、それとも修正されているのかどうかを知ることはより困難になっている。

最高のハッカーたちに、通常のセキュリティ制限の一部を取り除いた、事実上最新で脱獄済みのiPhoneを提供することによってアップルは、信頼できるセキュリティ研究者やハッカーが、これまで見つかっていないソフトウェア深部の脆弱性を見つけやすくしたいと考えている。

しかし、これらの研究用携帯電話はハッカーに対して可能な限りオープンではあるものの、アップルは、個々のデバイスが紛失したり盗まれたりしても、他のiPhoneのセキュリティにはリスクが及ばないと説明している。

この新しいプログラムは、かつて非公開だったバグ報奨金プログラムをやっと1年前に公開した同社にとって、非常に大きな跳躍である。この動きはほかのほとんどのテック企業に比べると、はるかに出遅れ感がある。長い間、有名なハッカーの中には、最初にアップルに警告することなく発見したバグをオンラインで公開(未訳記事)するものがいた。なお、こうしたバグは、企業にパッチをする時間を与えないことから、ハッカーに「ゼロデイ」と呼ばれている。こうした振る舞いは、かつて非常に制限的だったアップルのバグ報奨金条件への不満に起因していた。

現在は、その報奨金プログラムの下で同社はハッカーにバグとセキュリティ問題を非公開で送信してもらって自社のエンジニアに修正させ、iPhoneを他国家からの攻撃や脱獄からさらに強力に保護しようとしている。その見返りに、ハッカーは、脆弱性の深刻度に基いて段階的に増額される報酬を受け取る。

アップルは、研究デバイスプログラムはバグ報奨金プログラムと並行して実施されると説明する。プログラムに参加するハッカーも、アップルにセキュリティバグレポートを提出することが可能で、最大100万ドル(約1億700万円)の報奨金を受け取ることができる。さらに、リリース前のソフトウェアにある最も深刻な脆弱性に対しては、最大50%のボーナスを追加で得られる。

新しいプログラムが示しているのは、アップルが以前よりも慎重さの度合いを下げ、ハッカーコミュニティをより受け入れている姿勢だ。たとえ遅くてもやらないよりはましだ。

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画像クレジット: Tobiasjo (opens in a new window)/ Getty Images

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(翻訳:sako)

iPhone SEはトリプルカメラを捨てて機種変更したいと思わせる魅力を備える

アップルは4月24日、iPhoneシリーズの最廉価にして最小のモデルとしてiPhone SEの第2世代を発売した。第1世代と第2世代に共通するコンセプトは、旧モデルのボディに最新のプロセッサーを搭載していること。第2世代のiPhone SEには、iPhone 8と同じデザインのボディーにiPhone 11シリーズと同じA13 Bionicプロセッサが搭載されている。今回は、最上位のiPhone 11 Pro Maxと比較しつつ、iPhone SEならではの魅力に迫っていく。

iPhone SE(第2世代)の価格は4万4800円から。カラーは今回のブラック以外に、ホワイトとレッドが用意されている

iPhone 8のボディに最新プロセッサーを搭載

iPhone SEには前述のとおりプロセッサに、第3世代のNeural Engineを搭載したA13 Bionicを採用。ストレージに64GB(4万4800円)、128GB(4万9800円)、256GB(6万800円)を搭載する3種類のモデルが用意されている。メモリ容量についてはアナウンスされていないが、各種ベンチマークソフトのシステム情報で3GBを搭載していることが確認できる。

ディスプレイは4.7インチのIPS液晶ディスプレイ(1334×750ドット、326ppi、輝度:625cd/平方m、色域:P3、コントラスト比:1400:1)を搭載。カメラは背面に1200万画素、前面に700万画素を配置している。通信機能は4G LTE(nano SIMとeSIMのデュアル仕様)、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)、Bluetooth 5.0に対応。初代とは異なり、リーダーモード対応NFC、FeliCaもサポートする。

本体サイズは幅67.3×高さ138.4×厚さ7.3mmで重さは148g。防水防塵性能はIP67。iFixitの分解記事によれば、バッテリーは1821mAhを搭載している。公称バッテリー駆動時間は、ビデオ再生最大13時間、ストリーミングビデオ再生最大8時間、オーディオ再生最大40時間だ。

前面カメラは700万画素(F2.2)。ホームボタンは物理式ではなく、押した感触を再現する感圧式が採用されているので、故障する可能性が格段に低い

背面カメラは1200万画素(広角、F2.2、光学式手ぶれ補正)。リーダーモード対応NFC、FeliCaだけでなく、ワイヤレス充電(Qi規格)にも対応する

本体右側面にはサイドボタンとnanoSIMカードトレイ、本体左側面にはサウンドオン/オフスイッチ、ボリュームボタンが配置されている

小さなiPhone SEはA13 Bionicの最大性能を発揮できない?

iPhone SEはプロセッサにiPhone 11 Pro Maxと同じA13 Bionicを搭載しているが、ベンチマークで予想外の結果が出た。今回、「AnTuTu Benchmark」「Geekbench 5」「3DMark」の3つのベンチマークプログラムをそれぞれ3回実行し、その中で最も高いスコアで比較してみたのだが、Geekbench 5のCompute以外でiPhone SEがiPhone 11 Pro Maxに大きく引き離されたのだ。例えば、AnTuTu Benchmarkの総合スコアでは、iPhone SEはiPhone 11 Pro Maxの約88%のスコアに留まっている。

iPhone 11 Pro Maxは4GBのメモリを搭載しているが、ベンチマークソフト単体で今回ほどの差が出るとは考えにくい。そこでベンチマーク実行中の端末の表面温度を計測してみたところ、iPhone SEが最大41.1度、iPhone 11 Pro Maxが最大40.5度と0.6度の開きがあった。小さなiPhone SEは端末内に熱がこもりやすく、A13 Bionicの最大性能を発揮できていない可能性がある。

iPhone SEでは、AnTuTu Benchmarkの総合スコアは479610、Geekbench 5のMulti-Core Scoreは3013、Computeは7323、3DMarkのSling Shot Extremeは4074を記録

iPhone 11 Pro Maxでは、AnTuTu Benchmarkの総合スコアは542188、Geekbench 5のMulti-Core Scoreは3449、Computeは7311、3DMarkのSling Shot Extremeは5370を記録

AnTuTu Benchmark実行中、iPhone SE(左)が最大41.1度、iPhone 11 Pro Max(右)が最大40.5度に達していた

広角カメラの画質は同等だが、ナイトモード非対応は残念すぎる

広角カメラの画質について違いは見受けられなかった。少なくともある程度の光量があれば、上位モデルと同等の写真を記録できる。超広角、望遠カメラは搭載されていないが、それを知らずに買ってしまう方はいないだろう。

しかし、iPhone SEにナイトモードが搭載されていないことは大いに不満だ。複数枚撮影した画像を合成することで、明るさを増し、ノイズを除去するナイトモードは、AndroidではiPhone SEよりも低スペックな端末にも搭載されている。

ベンチマークスコアがわずかにふるわなかったもののA13 Bionicを搭載するiPhone SEにナイトモードを搭載しない理由は、正直、上位モデルとの差別化以外に思いつかない。できるだけ早くiPhone SEにナイトモードを提供することを強く望みたい。

iPhone SEで撮影

iPhone 11 Pro Maxで撮影

iPhone SEで撮影

iPhone 11 Pro Maxで撮影

カメラスペックさえ割り切れればiPhone 11シリーズと比べて遜色なし

価格とサイズは性能の重要な要素。個人的には128GB以上のモデルを勧めるが、64GBモデルなら4万4800円から購入できて、ポロシャツの胸ポケットにもスッポリ入るiPhone SEは、エントリーモデルとして申しぶんない。パフォーマンスや広角カメラの画質は最上位モデルとほぼ同等なので、実際の利用シーンで物足りなさを感じることはないはずだ。

おサイフケータイ、防水非対応の初代iPhone SEは、個人的にはメイン端末になり得なかった。だが、今回の2代目はカメラのスペックさえ割り切れれば、iPhone 11 Pro Maxから機種変更してもいいと思わせるほどの魅力を持つ1台だ。

これまでPlusとかMaxなどの大きなiPhoneばかりを買ってきた筆者にとって、4.0インチの初代から4.7インチへと大きくなった2代目でさえも非常にコンパクトに感じられる

iOS 14は犬の鳴き声を認識して聴覚障害者に通知するアクセシビリティ機能などを強化

iOSの最新バージョンには、聴覚や視覚の不自由な人たちのための機能がいくつか追加されているが、誰にとっても役に立つものもある。

おそらく最も感動的な新機能は、Sound Recognition(音認識)だろう。ユーザーが気づきたい音(ノイズ)のリストに載っている音を検出すると、iPhoneがユーザーに通知する。サイレン、犬の鳴き声、煙検知器、車のクラクション、ドアチャイム、水の流れる音、家電のブザー、などなどリストは非常に長い。Furenexoという会社がこれを実現するデバイスを数年前に作っているが、iOSに内蔵されるのはうれしい。

Apple Watchに通知を送ることもできて、オーブンが設定温度になったのを知るためにiPhoneをチェックしたくない人には便利だ。アップルは人間や動物の音を追加する作業を進めているので、システムはまだ成長するようだ。

これが聴覚障害者の役にたつのは当然だが、音楽やポッドキャストに聞き入っていて、犬の散歩や荷物を届くことを忘れがちの人にもうれしい機能だ。

オーディオ部門の新機能はほかにも、同社が「personal audiogram」と呼ぶものがあり、異なる周波数をどのくらい聞き分けられるかに基づいてEQ(イコライザー)をカスタマイズする。これは医療機器ではなく難聴などを診断するものでもないが、さまざまなオーディオテストによって、特定の周波数を強めたり弱めたりする必要があるかどうかを判断できる。残念なことにこの機能は、アップルブランドのヘッドフォンでしか利用できない。

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Real Time Text(リアルタイムテキスト)による会話は、アクセシビリティ標準のひとつで、基本的にテキストによるチャットをビデオ通話プロトコルに乗せて送ることによって、スムーズな会話や緊急サービスの利用を非言語的な方法で可能にする。iPhoneでは以前からサポートされているが、これからはそのためにアプリを開く必要がなくなる。ゲームをしたりビデオを見ている最中に通話すれば会話がテキストで通知される。

最後に紹介する聴覚障害者向け機能は、グループFaceTime通話の隠れた変更だ。ふつうビデオは話している人に自動的に切り替わるが、手話は当然音を出さないので、話者はハイライトされない。iOS 14では、動きを手話である程度認識して(ただし内容は認識しない)その参加者のビデオ表示がハイライトされる。

Voice Overの大改造

アップルの視覚障害者向けのアクセシビリティ機能は充実しているが、改善の余地は常にある。Voice Overは10年以上使われているスマート画面読み上げシステムだが、これまで以上のUI操作を認識する機械学習モデルを採用したことで、適切なラベルのついていない項目や、サードパーティ製アプリやコンテンツも認識するようになった。これはデスクトップでも採用されるが、まだ十分ではない。

iOSの分類能力もアップグレードされ、写真の被写体を分析して高度な関係づけを行うようになった。例えば「two people sitting」(二人の人が座っている)の代わりに「two people sitting at a bar having a drink」(二人の人がバーで飲んでいる)と言ったり、「dog in a field」(広場に犬がいる)ではなく「a golden retriever playing in field on a sunny day」(晴れた日にゴールデンリトリバーが広場で遊んでいる)などと言うようになる。まあ100%正しく犬種を言い当てるかどうかはわからないが雰囲気はわかる。

拡大鏡とローターも拡張され、広い範囲の点字は自動でスクロールするようになった。

視覚障害のあるデベロッパーは、Swift(スウィフト)とXcodeに多くのVoice Over機能が追加され、コード補完やナビゲーションなどのよく使う作業の確認もアクセシビリティ対応になった。

バックタップ

「back tap」(バックタップ)は、アップルデバイスでは初めてだが、Google PixelなどのAndroid端末ユーザーにとってはなじみのある機能だ。端末の裏側を2、3回タップすることでショートカットを起動できるもので、犬のリードや紅茶のカップを持っている時に、もう片方の手で画面読み上げを起動するのにすごく便利だ。

容易に想像できるようにこれはどんな人にとっても便利で、あらゆるショートカットやタスクを実行するようにカスタマイズできる。残念ながら、この機能は今のところFace ID(顔認識機能)のある機種に限られるため、iPhone 8やSEなどのユーザーはおいてきぼりだ。秘密のタップ検出ハードウェアが使われているとは考えにくいので、iPhoneに当初から内蔵されている加速度センサーを利用していることはほぼ間違いない。

アップルが特定の機能をさしたる理由もなく人質にとるのは珍しいことではない。例えば、拡張された通知機能は、iPhone SEのような最新機種でも利用できない。しかし、アクセシビリティ機能でこれをやるのは普通ではない。アップルはボタンを有する端末でバックタップが利用できるようになる可能性を排除しなかったが、約束もしていない。この便利な機能がもっと広く利用できるようになることを願うばかりだが、時を待つほかはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

たとえ盗まれても、バッテリーが切れても本人以外はビデオ撮影を中止できないParachuteの強力新機能

モバイル機器の安全を守るアプリParachute(パラシュート)で米国時間6月1日から利用可能になった新機能は、権限のない人間がiPhoneを奪ってライブストリーミング撮影を止めようとしても、止められなくするというものだ。スマートフォンの電源を切ろうとしても撮影は止まらない。George Floyd(ジョージ・フロイド)氏への警察の蛮行に対する、そして米国の司法制度にある組織的な人種差別主義に対する抗議活動が国中に広がる中でのタイムリーなアップデートだ。

フロイド氏殺害の目撃者が撮影した動画が、デモや抗議活動の引き金となった。その動画は、この事件を実証する主要な資料として、ずっと貢献し続けている。

Parachuteのアプリは、TechCrunch Disrupt 2015で最初にローンチされた際(未訳記事)には「Witness」(ウィットネス)と呼ばれ、スマホ世代の人たちの間では、長い間、緊急通報ボタンとして重宝されていた。問題に遭遇したときに緊急連絡先に警告を発することを目的に開発されたアプリで、通話、メッセージ、電子メールの送信と同時に、ライブ動画、音声、現在位置も今いる場所から直接発信できる。

またこのアプリには、ライブ動画を撮っていることを知られないよう画面を黒くして、こっそり撮影できるオプションもある。さらにParachuteは事件の撮影チャンスを高めるために、表裏両方のカメラで同時に撮影することもできる。動画はスマートフォンからParachuteのプラットフォームに送られ、スマートフォンからは撮影の証拠が消去される。緊急連絡先にリンクを送れることに加え、後に電子メールで直接送られてくるそのリンクから動画をダウンロードすることも可能だ。

しかし、ユニークな機能とは裏腹にローンチから数年間、このアプリの人気は限定的だった。アプリ情報の調査会社Sensor Tower(センサー・タワー)のデータによれば、米国のアプリストアでのParachuteのダウンロード数は10万件に達していないという。Parachuteはユーザー数の公表を拒んでいるが、この1週間は米国と香港で大きな動きを見せている。

「Superlock」(スーパーロック)という名のこの新機能の導入は、Parachuteの動画記録機能に人々の興味を取り戻すための試みでもある。

Superlockは、Apple(アップル)のGuided Access(アクセスガイド)と連携して機能する。アクセスガイドは、アプリ内のチュートリアルで説明されているが、次のように設定する。iPhoneの「設定」から「アクセシビリティ」の中の「アクセスガイド」を開き、そのオプションを「オン」に切り替える。

その後、アプリに戻って電源ボタンをトリプルクリックし、画面右上の「スタート」ボタンをタップして6桁のパスコードを打ち込む。このパスコードは、今後、撮影を止めたいときに必要になる。再び電源ボタンをトリプルクリックし、先ほど設定したパスコードを入力して、画面左上の「終了」ボタンをタップする。

設定が完了すれば、電源ボタンをトリプルクリックするだけで、ParachuteをいつでもSuperlockモードに切り替えられる。電源ボタンをトリプルクリックしてパスコードを入力しない限り、動画撮影は継続され、iPhoneはロックされる。

この手順では、Parachuteで事件の撮影中に通常表示される停止用の「X」ボタンは使わない。誰かがiPhoneを取り上げて撮影を止めてしまうのを防ぐためだ。

「iPhoneのバッテリーが切れたり、壊れたり、強制再起動された場合でも、Superlockは再起動後も撮影を継続するように設定できる」とParachuteは説明している。またSuperlockは、動画のプレビューを不能にする機能と組み合わせることも可能なため、誰にも知られずに撮影ができる。

Parachuteではまた「バックグラウンドで走らせておいて、他のアプリに切り替えて使うこともできる」と同社は説明する。

権限のない人間がパスコードを推測しようとしても、誤った数字の組み合わせを短時間に何度も繰り返すと、一定時間ロックされるようになり、間違えるごとにその時間が延びていく機構が働く。これは、iPhoneで間違ったパスコードを何度も試せないように一定時間操作をロックする機能によく似ている。

Parachuteのビジネスモデルでは、事件動画の保存期間は撮影から3カ月後に切れるようになっている。デバイス、連絡先、警告、事件、ストレージの上限がないフルコースの利用料は月額9.99ドル(約1000円)。月額2.99ドル(約320円)のお得な「ライト」コースもある。

新機能は本日からiPhoneで利用できる。

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(翻訳:金井哲夫)

アップルがiOS 13.5のジェイルブレイクを封じるアップデートを配布

長くは続かなかった。

Apple(アップル)は、iPhoneのソフトウェアの深部にアクセス可能にするセキュリティの弱点を塞いだ。これにより、ハッカーは脱獄ツールを使えなくなる。

セキュリティ報告で同社は、iOS 13.5.1で脆弱性を修復し、米国時間6月2日に公開したことを認めた。同社は「その脆弱性を見つけてつい先週に脱獄ツールをリリースしたのが、unc0verのチームである」と認めている。

脆弱性の詳細はまだ公開されていないが、同社は同じ脆弱性が悪質なハッカーに悪用されることを恐れて、脱獄ができる脆弱性は早めに対応するのが常だ。脱獄の常連の一人がiOS 13.5.1のアップデートを確認し「脆弱性が解消されたため脱獄はもうできない」とツイートしている。

@Pwn20wnd:*OS(iOSのこと)の新しいアップデートが#unc0verの脱獄に使われたカーネルの脆弱性を塞いだことを確認した。あなたがiOS 13.5を使っているならそのバイナリをセーブしておこう。 iOS 13.5でない人は、署名があるうちにコンピューターを使ってIPSWでアップデートし、そのバイナリをセーブしよう。

脱獄(ジェイルブレイク)とは、アップルが禁止しているiOS深部へのアクセスを可能にする行為だ。アップルは、iPhoneなどのデバイスのセキュリティを向上させるために、ハッカーがOSやアプリなどのソフトウェアを攻撃する機会を減らすために、このような制限を設けている。一方で、脱獄によりこれらの制限を突破することで「Android並みの大幅なカスタマイズがiPhoneで可能になる」という意見もある。

しかしセキュリティの専門家たちは、「脱獄は通常デバイスをさまざまな攻撃にさらすことになる」として、脱獄行為に反対している。そして彼らは、アップデートが提供されたらすぐに自分のデバイスにインストールすることを勧めている。

アップルによると「iOS 13.5.1には新しいMemoji(ミー文字)ステッカーと、そのほかのバグフィックスや改良もある」とのこと。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa