Facebookはユーザーの音声メッセージを無許可で書き起こした

「未来はプライベートにあり」。まさに、Facebookに残された道はそれしかない。

Facebookはユーザーの音声データを集めて、それをサードパーティの契約企業を使ってテキストに書き起こしたとされている。同社はユーザーデータのそのような扱い方をめぐって、現在当局に調べられている。

そのことを最初に報じたBloomberg(ブルームバーグ)によると、契約企業は仕事を失いたくないので匿名にしてくれと頼んだそうだ。

その記事によると、音声はMessengerアプリからのものだ。音声の会話を書き起こしと比較対照して、同社の人工知能が正しい仕事をしたか確認していた。

Facebookが音声データを集める方法はMessenger以外にもいろいろあるはずだ。しかし同社のプライバシーポリシーには、音声データを何に使っているのかに関する言及がない。Bloombergの記事は、契約企業がその仕事を「非倫理的」と感じたと書いている。その理由はユーザーの音声をサードパーティがレビューすることを、Facebookが「どこにも明記していない」からだ。その契約企業は前から、ユーザーの携帯から「音声を聴取していない」とするFacebookの主張に反駁していた。

Facebookには、音声を書き起こす理由や、サードパーティによる書き起こしをユーザーに告げない理由などを質問したが、まだ返事はない。しかしFacebookのスポークスパーソンのJoe Osborne(ジョー・オズボーン)氏は「音声データの書き起こしは8月初めにやめた」とコメントした。

ユーザーの音声をサードパーティの契約企業とそのスタッフにレビューさせた件でも、Facebookは目下調べられている。AmazonもAlexaの録音をユーザーの許可なく契約企業にレビューさせたとして非難の集中砲火を浴び、Echoデバイスにオプトアウトを加えざるをえなくなった。

そのほか、Googleは人工知能のテストで、AppleはSiriの録音の契約企業による聴取で、そしてMicrosoftはSkypeの通話を翻訳機能のテストのために聞いたとして、同じくとがめられている。

Facebookには、Alex Stamos(アレックス・スタモス)氏が辞めて以降、すでに1年以上もCSO(チーフ・セキュリティ・オフィサー)がいない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自動運転車の視界に入っていない歩行者を検出できるRF探知技術

イスラエルのViziblezoneは、自動運転車が歩行者をもっと確実に見つけられるようにしたいと考えている。それには、歩行者が車のセンサーの視界にいなくてもという高い目標もある。歩行者検出専門のスタートアップはこれまで聞いたことがないが、どんなことにも最初がある。Viziblezoneは、毎年何百万人もの歩行者が車で負傷しているという大きな問題に、初めて挑戦したスタートアップかもしれない。

近くに歩行者がいることを車に警告するために、OurCrowdのインキュベーターLabs/02で育ったViziblezoneは、スマートフォンと車中の検出装置を利用する。同社の主張によると、そのソリューションは自動運転車が本格的に普及したときに特に役に立つという。

同社のファウンダーでCEOのGabi Ofir氏はこう述べる(彼はMotorolaで20年間、通信プロトコルの仕事をしていた)。「Viziblezoneは、ソフトウェアによる費用効率の良い歩行者検出装置を提供する。それは車内や携帯電話のRF装備を路上の人間用のアイアンドームに換える。今では歩行者もそのほとんどがモバイルデバイスを持っているから、この検出装置はそれらをスマートなビーコンに換えて、車から見えるように、そして避けられるようにする」。

同社のソリューションはもちろん自動運転車を狙っているが、車中のスマートフォンを利用すれば今の車でも使えると同社は言う。視覚的なセンサーを使わないので天候等に左右されず、検知範囲は最大で150メートルぐらいだ。

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カードがWebを変える

[筆者: Robert Fan]

編集者注記: Robert FanはSharethroughの協同ファウンダでCTO。

毎日ほぼ3時間。それが2014年にあなたや私がスマートフォンを使った時間だ。多くの人が情報をモバイルデバイスに依存するようになり、Webのデザインも変わらざるをえなくなった。ネチズンたちは、自分たちが見たいものを、いつもいちばんよく見える形で見たいと願っている。

カードは、コンテンツを複数のコンテナに分割して簡単迅速に消費できるようにする。それは情報摂取のモバイル化とともに生まれ、Web全体に変化をもたらし、新しい時代の勝者と敗者をふるい分けようとしている。

先頭走者: GoogleとVox Media

Webのパブリッシャーたちの競争はすでに何年も続いているが、勝者が得るものはいつも同じ、ビジターとエンゲージメントだ。サイトやアプリの滞留時間が増えると、ビジターがファンに変る確率も高くなり、滞留時間が長ければ広告をたくさん見てくれるし、コンバージョンレート(CR)も高くなる。

Googleのビジター滞留率が平均より高いのは、最近の全面改装によってカードを情報の見せ方の主役にしたからだ。カードは人間の注意の対象を短時間に次々と変えるので、別のサイトへ行こうとする欲求が抑止される。カードは喫緊のニーズを満たすショートカットであり、情報を消化しやすい形で見せることによって時間の節約に奉仕し、対象を特定化することによってエンゲージもしやすくする。


人びとが情報の過剰に押しつぶされているとき、カードはその複雑さを、一見、減らしてくれる。たとえばVox Mediaが開発したCard Stacks(積み重ねたカード)は、最新のニュースを、消化しやすい記事の集合へと単純化する。そのデザインはシンプルでクリーンで分かりやすく、カードの山が一つ々々の新しいニュースの“層”になっている。ユーザは、カードをめくる感覚で次のニュースを見る。

Card Stacksを使うようになってVoxのエンゲージメントと滞留率は向上した。ユーザはこれまでのように、一つの記事を読んだらほかのサイトへ行くのではなく、カードの山(束(たば))になっている個々の記者のすべての記事を、矢印をクリックするだけでスクロールできる。これによってVoxは、いろんな話題に関する情報を知るための“ワンストップショップ”になり、読者を長時間引き留めることができる。

第二集団: 広告主とソーシャルプラットホーム

Vox MediaとGoogleはカードを使ってエンゲージメントの増加に勤しんでいるが、一部の広告提供者はカードの機能を進化させ、ユーザフィードの中でカードによる広告を利用しようとしている。アプリ内の広告の手段としてカードを使うと、バナー広告やポップアップ広告のようにユーザ体験に割り込まない。そうするとデベロッパは、オーディエンスを尊重するシームレスで妨害のない収益化方法を実装できる。

たとえばAcuraとTwitterの最近のパートナーシップにより、消費者はツイートを去ることなく2015年型TLXを構成(カスタム化)できる。対話が初めから終わりまで完全にユーザのフィードの中で行われるから、従来の、クリックして自分のサイトへ行かせる方法に比べてエンゲージメントが大幅に増加し、ユーザの半数が遊び感覚でTLXの構成をトライしている。昨今ではブランドのコンテンツも多様化しているから、それらを一つのカードの束にまとめることによって、ユーザの一箇所への滞留を維持しながら多くのものを見せられるようになる。

後方集団: 実用サイトと実用アプリ

すこし前までは、消費者は天気予報サイト(weatherサイト)へ行ってお天気を調べた。しかし今では、検索サイトで”weather”で検索すればGoogleのカードが一週間の天気予報を表示する。Weather.comやFandango.comのような、初期のWebで成功した実用サイトは今、モバイル対応が遅れて苦戦している。彼らの従来のコンテンツを、一瞬ですべて見せてくれるカードを、早急に採用しなければ、死が彼らを待つことになる。

わずか5年前までは、ユーザはニーズ別にアプリをダウンロードしていた。“あれ”をしたければ、“あれのためのアプリ”をダウンロードするのだ。でも、今はそうではない。Nielsenの調査によると、多くの人が毎日使うアプリは10種類未満、その人たちの55%は、多くて毎日4つしかアプリを使わない。1つだけ、という人たちもいる。消費者の欲求は、アプリが欲しい、から、答が欲しいに変わっている。カードは、簡単迅速であるだけでなく、いちいち無料のダウンロードをするという手間がない。

どこでもカード

カードは人びとを情報の洪水から救出する。FacebookやGoogleのような初期の開拓者たちは、カードを使ってわれわれの人生を楽にしてくれた。必要な情報が、指をさっと動かすだけで得られるのだ。その便利さを今では広告主やパブリッシャーが利用して、カードの可能性を拡大している。

今年はカードが、まだ知らない人の多い特殊な技術の地位を卒業して、モバイルとWebのデザインの主役に躍り出るだろう。そして、旅行を予約するときも、コンサートのチケットを買うときも、値段を調べるときも、一つのコンテンツ、一つのソーシャルサイト、一つのアプリを去ることなく、カードからあらゆる必要な情報の入手と対話を行う。インターネットの使い方が、大きく変る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)