小型衛星群でブロードバンド接続を提供するKuiperプロジェクトにアマゾンが本腰

Amazonは、目下開発中の人工衛星星群による高速インターネットサービスであるKuiperのプロジェクトに、専用の本社オフィスとR&Dセンターを用意した。このプロジェクトでは小さな衛星の集団を低地球軌道に乗せてインターネットへの接続を提供し、世界中のどんな僻地でも良質な通信を可能にする。

ご存知の方も多いと思うが、このようなプロジェクトはほかにもいろいろある。例えばSpaceXは、そのStarlinkコンステレーションのための衛星の打ち上げをすでに始めている。そのサービスは最初は北米地区、そして最終的には地球全域で供用される。ソフトバンクなどがパートナーになっている。OneWebもやはり、衛星群を打ち上げて1月の供用開始を目指している。そしてGoogle、というか親会社のAlphabetは、上層大気気球のLoonによって、接続困難地域への接続を提供しようとしている。

Amazon Kuiperは、何千もの衛星を複数年にわたり何回にも分けて低地球軌道へ打ち上げる方式だ。複数の小さな衛星を使うやり方は、従来一般的だった1つまたは少数の静止衛星を打ち上げる方式に比べて、サービスの質がいい、リーチが広い、最終的にローコストであるなどの利点がある。

今度のオフィス施設や研究開発施設はシアトルのAmazon本社に近いワシントン州レドモンドに置かれ、まだ何もタイムラインが発表されていないKuiperプロジェクトに対してAmazonが本腰であることを示している。施設の総面積は約2万平米で、2つの建物にR&Dのラボとオフィス、そして衛星ハードウェアのプロトタイピングを行う製造施設まで置かれる。 Kuiperチームの引っ越しは来年のようだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

農作物への化学物質の影響を低減するバイオ農薬開発のTerrameraが48億円超を調達

農業から化学物質の使用を減らすためにバイオ農薬(生物由来の農薬)や種子処理剤を開発・販売しているカナダのTerramera(テラメラ)がこのほど、4500万ドル(約48億円)の資金を調達した。

この投資ラウンドをリードしたのは戦略的投資家Ospraie Ag Science(オスプライAgサイエンス)、Terrameraのこれまでの投資家であるSeed2Growth Venturesだ。

モンサントの役員だったCarl Casale(カール・カサーレ)氏が率いるOspraie Ag Scienceは、生物農薬や有機農法のための製品のメーカー企業を支援している。Terrameraのほかには、Marrone BioInnovations(マッローネ・バイオイノベーションズ)やAgrospheres(アグロスフェレス)なども同社の支援企業だ。

バンクーバーに本社を置くTerrameraは最初、植物のニーム(Neem、インドセンダン)を使用する農薬を大手スーパーマーケットのTargetなど北米の小売企業で売って注目を浴びた。その製品は、トコジラミやダニなど家庭の害虫やカビがターゲットだ。

同社は今、新製品のActigate(アクティゲート)に注力している。そして今回の資金で研究開発と営業マーケティングの能力を上げたいとしている。

同社の創業者でCEOのKarn Manhas(カーン・マンハス)は声明で「弊社は、世界中の農業における合成化学物質の使用量を、Actigateによって2030年までに80%減らしたいと考えている」と述べている。

同社によるとActigateは、生物農薬と従来からの化学農薬の両方の効果を上げるので農業における化学物質の使用を減らせるという。

Ospraie Agのカサーレ氏は「TerrameraのActigateプラットホームはパラダイムシフトを起こし、生物的殺虫剤の効果を上げて化学製剤に対する競争力を高める。その新しい価値を作り出す機会はとても大きく、またコストと無駄と環境被害を減らしながら従来的なやり方に大きなインパクトを与える」と語る。

この投資の数カ月前にTerrameraは、種子処理剤の技術で多くの特許を持つExosect(エグゾセクト)を買収した

Exosectのパテントポートフォリオには、有機的および化学的な種子処理剤のデリバリを改善するための合成物質が多く含まれており、これがTerrameraの技術開発に大きく進歩させるものと思われる。

買収時にマンハス氏は「この知財を獲得したことによって新たな機会が開け、Terrameraの特許であるActigateの目標性能技術(Targeted Performance technology、特定の害虫だけにしか害を与えないこと)が補完される。その知財ポートフォリオは、安全でより効果的な植物保護製品の開発力を高め、世界の誰にでも入手可能で汚染のない食品を作るというわが社のビジョンを実現可能にする」と語る。

関連記事:Cooks Venture picks up $12 million to rethink agriculture from the ground up[再生可能農業の普及に取り組むCooks Venture、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Lyft曰く、売上成長率はUberの3倍

Lyft は2017年に大きく躍進した。米国内での市場拡大に加えて主要ライバルであるUberのさまざまな悪いニュースのおかげでもある。会計2017年度の売上はGAAP基準で10億ドルを超え、特にQ4の伸び率はUberの2.75倍となる前年比168%を記録した。Uberは61%増だった。

もちろん両社とも非上場のため正式な財務状況を公開する必要はないが、今は見せたいようだ。Lyftは2018年に入ってからのデータも発表している。

Lyftによると、現在も毎週1000万回以上の乗車があり、3月末締めの四半期は20期連続の前年比100%増以上の四半期になると言っている。

昨年はLyftが初めて海外進出した年でもあり、カナダのトロントおよびオタワで運行を開始した。また同社はTesla&#のJon McNeilをCOOに迎え、YouTubeからEmily Nishiが人事責任者に就任した。

Lyftの売上成長率がUber以上であることは驚きではないが、Uberとの差は少なくとも北米ではまだ大きい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook