Operaのデスクトップブラウザーがユーザー追跡に対する保護機能を内蔵

ブラウザーメーカーのOperaは米国時間10月7日、その主力製品であるデスクトップブラウザーのバージョン68を発表した。今回の注目は、広告主などがウェブを閲覧しているユーザーを追跡しにくくするトラッカーブロッカー(Tracker Blocker、追跡者をブロックする)を加えたことだ。それには、ブラウザーの利用をスピードアップする余禄もある。Opera自身も追跡保護と前から内蔵の広告ブロッカーによりページのロードが最大で23%速くなることを公表している。

今Operaにある広告ブロッカーと同じく、今回の追跡(トラッキング)に対する保護も、デフォルトでは無効だ。追跡保護の機能は、ここ数年広く出回るようになったEasyPrivacy Tracking Protection Listを利用している。

OperaのPC製品のプロダクトマネージャーであるJoanna Czajka(ジョアンナ・ツァイカ)氏は「トラッカーブロッカーをブラウザーの標準機能にしたかった。しかし私たちのブラウザーはすでにたくさんのプライバシー機能があり、プライバシー保護を強化したいと思ったユーザーは誰でも簡単にそれができる」とコメントしている。

追跡保護は今では広くブラウザーの標準機能になりつつあり、GoogleやそのChromeブラウザーにとっては圧力になりつつあるが、Operaは今回、スクリーンショット機能も導入した。こちらももはや珍しい機能ではないが、Operaのは完全な機能の実装になっていて、ページの一部をぼかしたり、スクリーンショットの上に文字などを描くこともできる。

opera screenshot

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

データのクラウドへの引っ越しを助けるAloomaをGoogleが買収

Googleが今日(米国時間2/19)、企業のすべてのデータソースをGoogleのBigQueryやAmazonのRedshift、Snowflake、あるいはMicrosoftのAzureなどのクラウドサービスに向けて整えるサービスAloomaを買収する、と発表した。Aloomaの仕事は、企業のデータパイプラインをユーザーに代わって管理することだ。また、このデータ統合化サービスに加えてAloomaは、クラウドへの移行を助け、データを掃除して、それらをAIや機械学習で使えるようにする。

Googleのエンジニアリング担当VP Amit GaneshとGoogle Cloud Platformのプロダクト管理ディレクターDominic Preussは、次のように述べている: “Google Cloudでわれわれは、エンタープライズの顧客が容易かつ安全に彼らのデータを弊社のプラットホームへ移行できるよう、お手伝いをしている。もうすぐ買収を完了するAloomaが加わることによって顧客に、Google Cloudへの円滑で自動化されたマイグレーション体験を提供でき、弊社のデータベースサービス全域へのアクセスをご提供できる。それらには、完全な管理を伴うオープンソースのデータベースもあれば、Cloud SpannerやCloud Bigtableのようなソリューションもある”。

この買収の前までにAloomaは、約1500万ドルを調達している。内1120万ドルのシリーズAは、2016年の初めにLightspeed Venture PartnersとSequoia Capitalがリードした。今回の買収は価額等が公表されていないが、Aloomaのこれまでの調達額から考えると、ほどほどの額だろう。

GoogleもAloomaも、既存のプロダクトや顧客の扱いを明示していないし、Googleのコンペティターへの移行もサポートを続けるのか、それも明らかでない。

本誌TechCrunchの問い合わせに対してGoogleは、こんな返事をくれた:

規制当局から買収の承認が得られるまでは、AloomaとGoogle Cloud通常どおりの事業を行なう。しかし完了後にはチームはGoogleのテルアビブとサニーベールのオフィスに加わり、今後われわれは、Aloomaの技術とチームを利用してGoogle Cloudの顧客に最高のデータマイグレーションサービスを提供していく。

コンペティターのサポートに関しては、既存のAloomaのプロダクトは他のクラウドプロバイダーのサポートを継続する。今後受け入れる新しい顧客は、Google Cloud Platformへのデータ移行のみとするが、既存の顧客は他のクラウドプロバイダーへのアクセスを継続できる。

というわけでAloomaは今後、Google Cloudのコンペティターへのデータ移行を求める新規の顧客は受け入れない。Aloomaの既存のユーザーもGoogle Cloudが引き継いで面倒見る、と考えれば、この方針は意外ではない。しかしAloomaでAWSやAzureを使っていたユーザーは、Googleが今後その部分のお世話も引き継ぐとは考えられないので、ほかのソリューションを探すべきだろう。

しかしAloomaの協同ファウンダーたちはこう強調する: “旅路は終わっていない。Aloomaはつねに、あらゆるソースからのエンタープライズデータを標準化して、それをアクションに結びついたインテリジェンスに変えていくための、もっともシンプルでもっとも効率的なマイグレーションパスを提供してきた。Google Cloudに参加したことによって、彼らのクラウド技術が支える、完全なセルフサービスのデータベースマイグレーション体験の提供へ、われわれはさらに一歩近づいた。そこには、アナリティクスやセキュリティ、AI、機械学習などの機能やサービスも含まれている”。

関連記事: Alooma scores $11.2 million Series A to solve data science pain points…データサイエンスの難問を解決するAloooma(未訳)

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購入決定の要因(アトリビューション)を多様なキャンペーン構成要素から–機械学習で–分析するGoogle Attribution

GoogleのMarketing Nextカンファレンスで、同社はGoogle Attributionの新たなベータを発表した。これは、さまざまなマーケティング戦略の、顧客の購入決定成果(パフォーマンス)の違いと、その寄与要因(アトリビューション)を知るための無料のツールだ。

Googleは、デバイスやマーケティングチャネルの違いを超えて、Attributionがマーケティングキャンペーンを評価するためのホームになってほしい、と期待している。そのために、戦略と広告費とフィードバックという三つの要素を結ぶ緊密なループを作り、マーケターたちにより魅力的なツールを提供したい、と同社は考えている。最近のマーケターの多くが、ラストクリックモデル(last-click models, 買う直前==最後にどこを何をクリックしたか?)という単純な分析では満足しなくなっているのだ。

アトリビューションの特効薬は、マーケティングの世界では古くからある。Adobeのような大企業だけでなく、BrightFunnel、Bizibleなどのスタートアップもかなり前から、マーケターたちが古いラストクリック・パラダイムを打破できるためのツールを開発している。

最近までは、企業と顧客との最後の接点、ラストタッチポイントを、購入決定の要因とする説が、マーケターたちのあいだで有力だった。マーケターは、この欠陥のある説に基づいて、マーケティングキャンペーンを定量的に評価していたが、でもそれは、顧客の現場の実態というよりむしろ、ヒューリスティックな推論過程だ。

しかしマーケティングの分析に機械学習を利用するようになってからは、一見互いに関連性/共通性のなさそうなさまざまなマーケティング努力の、購入決定への相対的寄与貢献をモデル化できるようになった。それは、評価の方法として従来よりずっと、提供される情報量が多い。現場の実態というものは、ビデオ広告やバナー広告、メール、そのほかのいろいろな素材や情報が共鳴し合って、顧客をコンバージョン(購入決定)へ導くのだ。すべてをソーシャルメディア上の最後の広告のせいにするのは、おかど違いである。

Googleの分析測定担当シニアディレクターBabak Pahlavanはこう説明する: “クリックがあればクリックを数えるけど、どれだけの数のコンバージョンがそのソーシャルチャネルから来ているか〔==それがどれだけのアトリビューションか〕、そっちの方が重要だ。われわれはその測度を提供する”。

[Google Attributionの仕事: 各種データの総合化→パフォーマンスの分析(異なるアトリビューションモデルの比較)→アクション(分析結果による戦略最適化)]

Google Attributionはマーケターに、彼らの努力の明確な像を提供して、より正確な費用利益分析ができるようにする。ぼく自身はまだGoogle Attributionを使ったことがないので、パフォーマンスの向上を類似ツールと比較することはできないが、Googleの優位性はパフォーマンス云々よりもむしろ、多様なアトリビューションの相乗的な効果比較にあるようだ。

Googleが強調しているのは、このツールの使いやすさと、さまざまなアトリビューション要素の統合化、そして無料であることだ。大企業向けに有料バージョンを出す計画もあるが、Google製品のスケーラビリティはそこでも強いだろう。

Googleがアトリビューションの分析評価に本腰を入れ始めたのは2014年、同社が、マーケティングの効果を測定するAdometryを買収してからだ。AdometryはただちにAttribution 360に変身して、GoogleのAnalytics 360スイートの一部になった。それから2年、ツールの再構築と単純化に努力していた、とPahlavanは語る。

Google Attributionはまだベータだが、しかし同社によると、近い将来、さらに深い展開を行うから広告主たちはお楽しみに、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Yahoo買収の第二ラウンドのビッド(入札)で落札者最尤候補のVerizonは$3Bを提示する…とWSJが報道

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VerizonがYahooの主要なインターネット事業の買収に、徐々に近づいているようだ。Wall Street Journalの記事によると、この通信大手はYahooを競る第二ラウンドのビッドで30億ドルを提示するらしい。

プライベート・エクイティ企業のTPGも、ビッドをねらっている。第二ラウンドのオファーは月曜日だが、WSJの情報筋によるとYahooは、今後もさらにラウンドを重ねるという。そのほかの買い手候補、Time Inc., Alphabet, Comcast, AT&T, IAC/InterActive Corp.などが、4月の第一ラウンドよりも前に下(お)りたため、現在はVerizonがトップランナーだ。

(情報開示: VerizonはAOLのオーナー、そしてAOLは本誌TechCrunchの親会社だ。)

Verizonが来週行うと思われる30億ドルのオファーは、ニュースサイトや広告ビジネスを含むYahooのインターネットビジネスが最初のビッドサイクルで獲得したとされる40〜80億ドルよりも安い。WSJによるとそれは、先月行われたセールスプレゼンテーションでYahooのCEO Marissa Mayerが、Verizonの主な買収動機である同社のオンラインビジネスが、低調であると明かしたためだ。しかしCNBCのアナリストDavid Faberが書いた記事によると、20億ドルとか30億ドルは、Yahooがこれまでに受け取った“最安のビッド額よりもさらに安い”そうだ。

YahooとVerizonはコメントを拒否した。本誌はTPGにもコンタクトしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))