QualcommがオランダのNXP Semiconductorを470億ドルで買収

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QualcommがNXP Semiconductorを約470億円で買収することを発表した。今回の買収は手元資金で賄われる。半導体の巨大企業であるこの2社によれば、買収交渉が合意に達したのは先週のことだが、本日のクアルコムによる発表で正式なものとなった。

今回の買収によって年間収益が300億ドルという巨大企業が出来上がることになる。さらに、クアルコムにNXP Semiconductorのセキュリティ向け、認証端末向け、自動運転車向けの半導体技術が加わることで、同社のモバイル事業、ワイヤレス受信機事業、IoT事業の強化にもつながる。自動運転車やサイバー・セキュリティ分野にテック業界や投資家からの注目が集まるなか、半導体分野における主導権をより強固にする今回の買収は賢い選択だったと言えるだろう。

QualcommがオランダのNXPと買収交渉をしていると最初に報じられたのは今年の9月のことだった。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Qualcommが香港のイベントでSnapdragonプロセッサー3種の新世代機を披露、いずれもパフォーマンスをアップ

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Qualcommの4G/5G Summitカンファレンスを楽しむために、はるばる香港のリッツ・カールトンホテルまで行ける人は多くないと思うが、でも、そこで披露されたニュースに触れることは、遠くからでも可能だ。

このサンディエゴに本社を置く企業の大きな発表のうち、おそらくもっとも魅力的なのが、未来的なクロスプラットホームなカメラハードウェアへの進出だと思うが、でもQualcommのイベントがプロセッサーのニュースなしで終わるはずがない。今回のそれらは、Snapdragonチップの新しい三人組、いずれも旧モデルの次世代機だ。

その新しいSnapdragon 653, 626および427はいずれも、同社の新技術であるQuick Charge 3.0を実装して従来の4倍にパワーアップ、デュアルカメラのサポートは同社の800シリーズのプロセッサーからの拝借だ。高度な接続性機能も数多く実装され、通話明瞭度の向上、CAT 7モデムによるX9 LTEなどの機能をサポートしている。

653はCPUとGPUのパフォーマンスを652からアップ、連想メモリRAMは4GBから8GBへ倍増している。626は625のパフォーマンスをアップし、アンテナ信号を大きくしている。そして427は425の新世代機だ。

Snapdragon 653と626は出荷が年末あたり。427は来年となる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Qualcommがネットワークカメラの汎用機能性に本腰、多様な機能を満載した参考製品を発表

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今週香港で行われたQualcomm 4G/5G Summitでは、同社の将来像を示す二つの重要な発表が行われた。本社のある好天の日の多い南カルフォルニアから、ずっと遠い場所で例年のカンファレンスを行った同社は、もちろんいくつかの(1)新しいチップを発表したが、それらと並んで、同社が将来の主力製品とすることを目指す、(2)汎用のカメラ機能も発表された。

汎用、というのは、これまで同社はさまざまなスマートフォン用カメラを(同社によると数十億台も)サポートしてきたが、これからは、360度VR、IPセキュリティカメラ、車載カメラ、人体装着カメラ(bodycams)、アクション/スポーツカメラ(GoProに対抗)などなど、ネットワーキング機能を持つあらゆるタイプのカメラに対応する、という意味だ。

また、サポートを計画しているカメラの機能性も、ワイヤレス(4G, Wi-Fi and Bluetooth)、深層学習(ディープラーニング)、ビデオアナリティクス、4Kエンコーディング、各種セキュリティ機能と、きわめて多様だ。同社は、発表に先立つメッセージで、こう述べている: “まるっきり矛盾しているようだが、IoTネットワークでもっともセキュリティの弱いデバイスが、セキュリティカメラなのだ”。

これらの多様な機能性を、Snapdragon 625プロセッサーとLinuxオペレーティングシステムが支える。同社の参考設計/デザインであるSnapdragon 625 IPカメラ(上図)にも、これらの機能が実装されている。同社が、世界中のあらゆるカメラメーカーに採用して欲しいと願っている、この参考製品のハードウェアとソフトウェアの組み合わせは、Thundercomm Technologyとのパートナーシップにより作られた。

この参考製品がOEM各社に提供されるのは、年内を予定している。そして実際の商用製品が登場するのは、“その直後だろう”、という。

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IFAにおけるQualcommのVRヘッドセット参考製品は4基のカメラでユーザーの目線の動きも追跡する

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かわいそうなQualcomm。いつも参考技術ばっかりで、完成した小売商品がない。舞台の黒子のように、ステージを引き立たせるけど、自分は小売店頭のスター製品のようにカメラのフラッシュを浴びたり、記者の集団に取り囲まれることもない。

このサンディエゴの企業はIFAの数日前に、自社だけの発表イベントを行ったが、SamsungでもSonyでもない同社の新技術は、ほとんど報道されなかった。それは新しくてとてもおもしろいVR技術だよ、と言ったら、みんなはこっちを見るかもしれない。でも、それは絶対に市販されない、と言ったら、誰もがそっぽを向くだろう。

でもそれが、参考技術というものの宿命だ。サードパーティのメーカーたちは今ごろ、応用製品を作ってみたくてうずうずしているかもしれない。だから彼らのヘッドセット製品が来年あたり消費者市場に出回るかもしれない。でもその前に、問題はたくさんある。、まず、こんな独特の技術に対する、消費者のニーズはどうか?

VR製品はすでにいろいろ・たくさんある、それなのに市場はまだ小さい。それだけでも問題なのに、そんな市場において、PCもスマートフォンも要らないスタンドアロンのデバイスはどうだろう? 魅力的なコンセプトだけど、PCと比べて処理能力はどうか? Gear VRやGoogle Cardboardなどと比べてお値段は?

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Alcatelの新しいヘッドセットにも同じような疑問符が付くけど、そのVisionという製品は違う市場をねらっている。発売時期は、他とぶつかると思うが。一方Qualcommの設計は、機能的にとても独特でおもしろい。最大の特徴は、4つのカメラを使う追跡システムだ。二つはユーザーの目線の動きを追跡し、他の二つはユーザーが動き回る位置を追跡する。

同社が作ったデモは、社内手作りデモによくある、かなり内容の浅いやつ。しかし、システムの全貌を見せてはいないけど、概念実証としては十分に強力だ。一匹の蛸が青い海に浮いていて、その目がユーザーの動きを追う。ユーザーは部屋中を動きまわりながら、あらゆる角度から蛸を見る。真下からでも(蛸の肛門か?)。

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一方、好奇心の強いドラゴンのデモでは、グラフィックがよくできている。片目1440×1440で、最大70fpsだ。目標とする処理能力はSnapdragon 820搭載のスマホなみ、というから、これぐらいの性能は欲しい。

同社によると、お値段は“ハイエンドのタブレットなみ”を目指している。Samsungのヘッドセットよりは高くなりそうだが、ただし別途スマートフォンを買う必要はない。しかしこの製品の成功は、消費者製品のメーカーの商品開発能力にかかっている。もちろん、コンテンツの出来栄えも。いずれにしても、消費者製品ではなく、たくさんのチップを売らなければならないQualcommにとって、参考技術の目的は自明だ。

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NVIDIAはSamsungとQualcommに対する訴状で、GPUそのものがうちの特許と主張!

またまた大きなパテント闘争であります。

NVIDIAが今日、SamsungとQualcommを、グラフィクスチップの特許侵犯で訴えた。その最終目標は、Samsungが特許料を支払うまで同社のGalaxyシリーズのスマートフォンとタブレットを出荷禁止にすることだ。

NVIDIAは同社のブログで、Samsungと直接交渉をしたが決着しなかった、と書いている。NVIDIAの総務部長によると、“Samsungは、それは主にサプライヤ(部品供給企業)の問題だ、と主張して譲らなかった”、ということだ。

NVIDIAが出荷停止を主張しているSamsungの機種は、12種類だ: Galaxy Note、Note Pro、Note 3、Tab S、Tab Pro、Tab 2、Galaxy S III、S4、S5、Infuse 4G、そして大昔(2011年)の出来損ない機種Samsung Illusion。

NVIDIAが主張する‘盗まれた’特許は少なくとも7件あり、中にはこんなのも:

しかし最大の問題は、GPUなどQualcommのチップは、Samsungだけでなく、ものすごく多くのデバイスで使われていること。事と次第によっては、これはQualcommにとって長期戦になるだろう。

SamsungのGalaxy製品の出荷停止を求めているNVIDIAの、合衆国国際通商委員会に宛てた申し立てはここにある。そして、今日提出されたばかりの特許侵犯の訴状はここだ

[写真: Laineema; CreativeCommonsのライセンスで使用]

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Qualcomm Snapdragonプロセッサの最新機種は画像処理が充実–焦点を撮影後に決める機能など


[Qualcomm Snapdragonによるオンボードの即席画像処理]

今年のCESでQualcommは、モバイルプロセッサの同社の最新機種が行う妙技を見せた。それら新機能の多くは、モバイルのカメラと関連している。11月に発表されたQualcomm 805は、今年の終りごろ発売されるスマートフォンの機種で、カメラのための新しい強力なツールを提供することになる。

中でもいちばん目立つのは、撮影後に焦点を選べる機能だ。前から後ろまですべてにシャープな焦点をおいて深い視界を作ったり、あるいは一点だけに焦点をおいてその前後に味のあるボケを作ることができる。ご存知の方も多いと思うが、これはLytroの光界カメラと同じ機能だ。

しかしLytroの画像のとらえ方では、あのような長いカメラ筐体になる。これに対してQualcommは、既存のカメラに高速連続露出を行わせる。スマートフォンに実装するためには、その方が簡単である。

Qualcommのチップは焦点の選択のほかに、光源や露出のインテリジェントな修正も行う。それによってたとえば、フラッシュ撮影のときのてかりや不自然な感じを直せる。Qualcommは、実現まで何年もかかり、やっと最近実用レベルに達したような多くの画像処理技術を一つのプロセッサ上にまとめて実装しているから、今年出るOEM各社の製品が楽しみだ。

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Qualcommが64ビットチップセットSnapdrabon 410を発表, 安価なLTE統合機として途上国市場を席巻か

Qualcommが今日(米国時間12/9)、同社のSnapdragon 410チップセットシリーズを発表した。同社の初の64ビット機だが、それよりおもしろいのは、4G LTEを統合してかつデバイスメーカーが手を出しやすいコストに抑えたことだ。410の製造サンプルの出荷は来年前半を予定、したがって実装機の発売は2014年内もありうる。

最重要の部位は言うまでもなく64ビット対応の部分であり、デベロッパたちは今後のAndroidの処理性能の向上を期待できる。しかしそのLTEのサポートは、今Snapdragon 400を使っているMoto Gのような大衆機でも使えるレベルであり、今後はインドをはじめユーザ人口の多い途上国市場でも実装機が売れるようになるだろうから、デバイスメーカー、アプリデベロッパ、そしてモバイルオペレータの三者に嬉しい状況をもたらす。これまでブロードバンドへのアクセスは収入や生活水準の高い層に限られていたが、LTEアクセスの低価格化は、消費者製品だけに限っても、世界経済に大きな効果をもたらすだろう。

利益を得るのはAndroidだけではない。QualcommはSnapdragon 410の対応OSとしてWindows PhoneとFirefox OSも挙げている。ただし北米地区でおもしろいのは、GoogleがオーナーとなったMotorolaの、これによる再活性化だ。現時点ではNexus 5が4G対応の無契約スマートフォンのベスト機だと思うが、Motorolaは、国内に残る通常携帯のユーザを一挙にLTEスマートフォンのユーザとして一網打尽にできるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))