アップルが中国App StoreからRSSリーダーのReederとFiery Feedsを削除

アップルはまるで中国のApp Storeで中国政府の検閲に満足できないサービスを探しているようだ。ReederとFiery Feedsという2つのRSS(Real Simple Syndication)リーダーアプリは、中国で 「違法」 とされるコンテンツを含んでいることを理由に、中国App Storeから削除されたと発表した。

中国ではあらゆる理由でアプリが禁止されている。RSSのフィードリーダーは、第三者のウェブサイトからコンテンツを取得し、ユーザーが中国のGreat Firewallをバイパスして、それ以外では禁止されている情報にアクセスすることを可能にするため、当局にとって特に厄介だった。

中国でRSSリーダーを利用している人は少ない。中国のインターネットユーザーの9億4000万人ともいわれる大多数は(Xinhua Net記事)は、ByteDance(バイトダンス)のToutiao(今日头条)やWeChat内蔵のコンテンツ購読機能などのアルゴリズムによるニュースアグリゲータから、地元の主要なニュースアプリまで、国内のサービスを通じてニュースを入手しているからだ。

大きな政治的な出来事や規制の変更は、アプリの削除の新たな波を引き起こす可能性があるが、今週2つのRSSフィードリーダーが削除された理由は明らかになっていない。似たようなサービスであるInoreaderは、2017年に中国のApp Storeから追放されている(未訳記事)。Feedlyも現在は中国で利用できない。

今回のアプリ削除は、中国におけるアップルの通常のビジネスの一環とも言える。中国のRSS取り締まりの歴史は2007年にさかのぼり、当局はウェブベースのRSSフィードアグリゲーターを全面的に禁止した。

Fiery FeedsのiOSアプリは、中国ではVPNを使わずに提供されていたが「同期されたサービスの一部はブロックされていた」とFiery FeedsはTechCrunchに明かした。Reederとアップルからのコメントは得られていない。

Fiery Feedsの広報担当者は「『禁止』は中国政府によるもののようなので、アップルに訴えたところで何の役にも立たない」と述べた。

画像クレジット:chinaoffseasonFlickr

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Digg(およびDigg Reader)のAndroid版アプリケーションが登場

ソーシャルニュースサービスおよびGoogle Readerの代替としてのDigg Readerを提供しているDiggが、Androidアプリケーションをリリースした。Digg.comで提供されているサービスと、Digg Readerの機能が提供され、またFacebook、Twitter、Tumblr、Google+などのサービスとも連携させることができる。

Diggブログの記事によると、Digg Readerをリリースしてからの2ヵ月のうちに届けられた利用者からのリクエストでは、Android版アプリケーションのリリースを望む声が最も大きかったのだそうだ。Diggは、今はなきGoogle Readerの代替となるRSSリーダーの開発に必死に取り組み、6月に暫定版のような形でウェブ版をリリースし、そして数日して、iOS版アプリケーションを投入している。

今回リリースされたAndroid版では、iOS版と同様に、Diggが以前から扱っていた人気記事リンクとRSSの双方を扱う。特徴については、ブログ記事中に以下のような説明がある(当たり前のことが多いが)。

  • Diggのトップストーリーや記事、あるいはフォルダ間はスワイプ動作で簡単に行き来可能。記事はウェブビューとパースされたテキストビューのいずれかを選択可。
  • 記事はDiggしたり保存したりすることができる。後で読むためのサービスはInstapaper、Pocket、およびReadabilityに対応(設定により、Digg Reader内で保存した記事を自動的に外部サービスにも保存することもできる)。またFacebook、Twitter、Google+、LinkedIn、Tumblr、WordPress、Buffer、Dropbox、Google Drive、メール、ショートメッセージなどで記事の共有可能。
  • Digg Top Storiesは検索可能
  • 記事を人気順に並べ替えることが可能。Digg上で注目を集めている記事をまとめて読むことができる。
  • Google、Facebook、あるいはTwitterアカウントでログインできる。
  • フィード情報の検索、追加が可能。フィードはフォルダ単位での管理が可能。
  • 設定により、Diggした記事を自動的にFacebookに投稿可。

ただ、まだアプリケーションは完成という段階にはないようだ。たとえば未読アイテムのみを表示するという機能はまだテスト中ということで利用できない。またテキストサイズやディスプレイモードの変更、バックグラウンドでのアップデートなども、将来の実装予定ということで、今回のバージョンでは利用できない。今後数ヶ月をかけて定期的にアップデートを行っていくことにしているそうだ。

Android利用者はこれまではHTML5で作られたウェブ版を利用していた。iOSないしAndroid以外の利用者は、今後もそちらのウェブ版を利用することとなる。

運営母体としては、Digg.comおよびDigg Readerを双極とする、人気リンクを集めてくる仕組み全体を「Digg」と称していきたい考えだとのこと。RSSフィードを読むためのReaderというのは、パワーユーザー向けのプロダクトだと言えるだろう。各利用者に、自力で面白い記事(リンク)を探してもらうための仕組みだ。一方でDigg.comの方は、クラウドソースによる投票や、その他のアルゴリズムを使ってフィルタリングした後のリンク集を提供するものだ。ちなみにこの中間のサービスも提供されている。それは、記事を後で読むために利用するInstapaperだ。今月に入って最初のメジャーアップデートを行い、一般公開されている。

Android版DiggはGoogle Playより入手できる。

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(翻訳:Maeda, H)


Google Readerの終了がいよいよ間近。しかしこれはチャンスなのかもしれない

いよいよGoogle Readerが終了となる。悲嘆にくれる人も多いようだ。しかし個人的には悲しいことと思わないし、残念だとも思っていない。

かつては大いにGoogle Readerを使ったものだった。日々、仕事のためのニュースを入手するためのツールとして大活躍だった。Interenet上の動きはReaderによって得ていた。散歩に出かけたり、あるいは寝ている間におきたことを知るのにも、Readerを活用していたのだった。テックニュースに関わるものとして、Google Readerは、確かに、欠くことのできないツールだったのだ。

RSSリーダーが大活躍した時代のことを考えてみる。当時(と言ってもすこし前)まで、ニュースの発生速度というのは今よりも多少ゆっくりとしたものであった。ちょうど、1日に2回届けられる新聞の発行ペースに合わせたような感じで、ニュースが発生していた。そのような時代、Google Readerないし、RSSというものを便利に活用することができていた。RSSフィードのアグリゲーションが「リアルタイム」と扱われる時代だった。そうしたフィードを、後でまとめて読むために、一箇所にまとめておくのにReaderは活用されたのだった。この、後の用のためにまとめておくという使い方は、確かに今でも有益な利用法ではあるだろう。

但し、オンラインでニュースを扱うことを仕事にしている人にとって、いつの間にやらRSSのもたらす「リアルタイム性」は十分ではなくなってしまった。RSSを消化することが、時流についていくのに役立つのだと言い難くなってしまったのだ。Readerは確かに革新的なツールだった。しかしその後に生まれてきたTwitterや、真の意味でのリアルタイム性を備えたツールの登場により、Readerはさほど便利なツールではなくなってしまった。

ニュース消化用としてではなく、不定期に投稿されるブログ記事などを対象とするものと考えれば、Readerは依然として便利なツールであると思う。投稿された記事を一箇所に保管しておくこともできるわけだ。しかし、Readerのようなツールを利用する目的に、「面白い記事を読みたい」ということも加えるのであれば、やはりTwitterなどを活用した方が良いのではないかと思う。そしてInstapaperやPocketに保存しておけば、どのサイトの記事であったかなどと探しまわる必要もなく、保存しておいた記事を全てまとめて読めるようにもなる。また、Twitterを活用することは、記事の選別を行うのにも役立つ。長い記事を読んでみたものの、どうにも役に立たないものであったなどという経験を減らすことができる。また趣味的記事のアグリゲーションツールとしてはThe MagazineやMediumなどのようなものも出てきており、こうしたツールの活用も考えてみると良いと思う。

個人的には、まずReaderを仕事では使わなくなった。2年前のことだ。使うのは仕事以外の時間ということになったのだ。仕事ではなく、個人的に興味のある記事(ゲーム関連等)をReader経由で読んでいた。Readerを立ち上げるのは寝る前ということになった。眠りに落ちる際につけておく常夜灯代わりといった雰囲気もあった。

そして、Readerを起動することはますます少なくなっていく。たまに立ち上げても、目にする記事はTwitterの投稿など、どこかで目にしたものばかりという状況になっていった。iOS上でのReaderアイコンの配置場所もドックからホームスクリーンに移り、そして1年前にはiOSホームスクリーンの、ほとんど見ない場所に追いやってしまうこととなった。もう何ヶ月も起動すらしていない。

Readerが優れたツールであったことを否定したいわけではないし、多くの人がまだ利用してもいる。しかし代替アプリケーションも多く出てきた。インターネットの世界におけるRSSの重要性というのも大きく変化しているように思う。情報収集をReaderの存在に頼りきってきた人にとっては、いろいろと世の中の変化をチェックしてみる好機なのかもしれない。そういう意味で、Readerが消え去るのは残念なことではないと思う。Readerが快適さをもたらしてくれた後に、他に便利なツールや手法が誕生しているのではないかと探ってみるのも良いことだと思う。

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(翻訳:Maeda, H)


6月20日、FacebookはRSSリーダーを発表か?!(プレスイベントを開催)

Google Readerがまもなく運用停止となるこの時期、Facebookがハッシュタグ機能の提供を開始した。そんな中、6月20日にプレス発表が行われるという謎めいた招待が届いている。Facebook上での「トレンドトピック」に関連するイベントのようだが、もしかするとフル機能を備えたRSSリーダー系プロダクトが発表されるのかもしれないと、評判になっている。

トレンドトピックを活用するものであっても、あるいはRSSリーダーであるにしても、いずれにしてもFacebookに蓄積される「シェア」情報が活用されることになる。人気ニュースはFacebook内でシェアされ、さらに広まっていくことになる。

今回のFacebookからの招待状につき、最初に言及したのはABC NewsのJoanna Sternだ。招待状には「小さなチームで大きなアイデア実現に向けた作業を展開中です。コーヒーと一緒に新プロダクトについての情報もご提供いたします」と記されている。ちなみにこの招待状は、通常のように電子メールで出されたものではなく、郵便を使って送られている。そして招待状には意味ありげにコーヒーカップの痕がある。コーヒーカップ痕といえば、コーヒーを飲みながら新聞をよんだとき、よく新聞の上に残ってしまうものでもある。

Facebookに集まっている情報をすべて入手するという方法はない。多くの情報が限定共有されていて、それをすべてすくい取るというようなことはできないのだ。しかしFacebook側は、そのすべての情報を検知することができる。匿名性を維持しながら広告にターゲティングデータを利用するのと同様にして、プライバシー問題に配慮しつつも、どういった情報が最も共有されており、またどのような層に広がっているのかという情報を活用していくことができる。

Facebookとして、そうした情報を活用しつつ、そして外部からの情報も内部に取り込んでいくRSS関連サービスを実現するのではないかとみられているのだ。投稿時に利用できるようになったハッシュタグとあわせて、さらに多くの情報を分類整理して、一層広く活用するための準備が整いつつあるように見えるのだ。

以前はいろいろな人から集まってくる情報を有効に活用する方法はあまりなかった。しかしついに今週、ハッシュタグの登場で活用の幅が広がった。Facebookのブログには次のように書かれている。「ハッシュタグはほんのスタートに過ぎません。あらに興味のあることについて、他の人がどんなことを言っているのかを発見しやすくする方法を提供していきます。それによって、これまで以上に人と繋がることができるようになります。今後、数週間ないし数ヶ月のうちに、さらなる機能をリリースしていく予定です」。

当然、次の一歩はニュースを効率的に扱うようにすることだろうと思う。絶対に間違いないと、個人的には思っている。ただ、今のところオフィシャルな確認は全くとれていない。

実際のところ、コンテンツ購読のための標準技術として利用されてきたRSSを活用できるようにするのかどうかはわからない。外部の情報ソースを指定して、指定したフィードを購読するというのは手間もかかるし、平均的Facebook利用者にとっては余計なサービスと受け取られる可能性もある。しかし、熱心なインターネット利用者からは歓迎される機能ともなり得るだろう。

しかしIngrid LundenがTechCrunchの記事に書いているように「RSSフィードに関係しそうなコードがFacebookのGraph APIに登場してきている(ディベロッパーでFacebookコードに詳しいTom Waddingtonが発見した)。RSSフィードとFacebook IDと結びつけ、RSS中のタイトル、URL、更新日時などを取得するコードもある。そしてそれに続くエントリ部の記述、および登録者情報もコーディングされている」。このコードはおそらく新プロダクトに関係するものなのではないかと思われる。但し、これは利用者自身のポストをRSSフィード化するものであり、RSSリーダー的な機能を持つものではないという可能性もある。

もしFacebookがRSSリーダー機能を提供するのだとすると、タイミング的にはパーフェクトだと思う。GoogleによるGoogle Readerサービスが終了する直前のリリースということになるのだ。20日に発表すれば、利用者にサービス乗り換えの時間を十分与えることができるだろう。

あるいは新プロダクトは、Facebook内の人気アイテムをRedditのようにリスト化して表示するというようなものなのかもしれない。そちらの方が、全ての利用者に対して簡単に価値あるサービスを提供することに繋がるのかもしれない。

いずれにせよ、既存サービスの単なるコピーではないことを期待している。Facebookに集まる情報を活用した、Facebookだからこそ提供できる、ニュース活用サービスを提供して欲しいものだと思う。

とにかくニュース関連のプロダクトというのは、Facebookにとって「大きな進歩」となり得るものだ。Facebookは、「自分の知り合い」、「利用者自身が興味のあるモノや情報」と繋がるためのサービスを提供してきた。ニュースとは、いわば「他の人が関心を持っている情報」だ。「繋がる」チャネルが増えることになるわけだ。サービスをリリースすれば、Facebook上での滞在時間もまた増加することになるだろう。より多くの情報を提供するようになり、そしてニュースとして流される情報に関連する広告を流す機会も増えることになる。自分の関心だけでによるのではない、さまざまな情報を提供してくれることにもなるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H)