Google Readerがまもなく運用停止となるこの時期、Facebookがハッシュタグ機能の提供を開始した。そんな中、6月20日にプレス発表が行われるという謎めいた招待が届いている。Facebook上での「トレンドトピック」に関連するイベントのようだが、もしかするとフル機能を備えたRSSリーダー系プロダクトが発表されるのかもしれないと、評判になっている。
トレンドトピックを活用するものであっても、あるいはRSSリーダーであるにしても、いずれにしてもFacebookに蓄積される「シェア」情報が活用されることになる。人気ニュースはFacebook内でシェアされ、さらに広まっていくことになる。
今回のFacebookからの招待状につき、最初に言及したのはABC NewsのJoanna Sternだ。招待状には「小さなチームで大きなアイデア実現に向けた作業を展開中です。コーヒーと一緒に新プロダクトについての情報もご提供いたします」と記されている。ちなみにこの招待状は、通常のように電子メールで出されたものではなく、郵便を使って送られている。そして招待状には意味ありげにコーヒーカップの痕がある。コーヒーカップ痕といえば、コーヒーを飲みながら新聞をよんだとき、よく新聞の上に残ってしまうものでもある。
Facebookに集まっている情報をすべて入手するという方法はない。多くの情報が限定共有されていて、それをすべてすくい取るというようなことはできないのだ。しかしFacebook側は、そのすべての情報を検知することができる。匿名性を維持しながら広告にターゲティングデータを利用するのと同様にして、プライバシー問題に配慮しつつも、どういった情報が最も共有されており、またどのような層に広がっているのかという情報を活用していくことができる。
Facebookとして、そうした情報を活用しつつ、そして外部からの情報も内部に取り込んでいくRSS関連サービスを実現するのではないかとみられているのだ。投稿時に利用できるようになったハッシュタグとあわせて、さらに多くの情報を分類整理して、一層広く活用するための準備が整いつつあるように見えるのだ。
以前はいろいろな人から集まってくる情報を有効に活用する方法はあまりなかった。しかしついに今週、ハッシュタグの登場で活用の幅が広がった。Facebookのブログには次のように書かれている。「ハッシュタグはほんのスタートに過ぎません。あらに興味のあることについて、他の人がどんなことを言っているのかを発見しやすくする方法を提供していきます。それによって、これまで以上に人と繋がることができるようになります。今後、数週間ないし数ヶ月のうちに、さらなる機能をリリースしていく予定です」。
当然、次の一歩はニュースを効率的に扱うようにすることだろうと思う。絶対に間違いないと、個人的には思っている。ただ、今のところオフィシャルな確認は全くとれていない。
実際のところ、コンテンツ購読のための標準技術として利用されてきたRSSを活用できるようにするのかどうかはわからない。外部の情報ソースを指定して、指定したフィードを購読するというのは手間もかかるし、平均的Facebook利用者にとっては余計なサービスと受け取られる可能性もある。しかし、熱心なインターネット利用者からは歓迎される機能ともなり得るだろう。
しかしIngrid LundenがTechCrunchの記事に書いているように「RSSフィードに関係しそうなコードがFacebookのGraph APIに登場してきている(ディベロッパーでFacebookコードに詳しいTom Waddingtonが発見した)。RSSフィードとFacebook IDと結びつけ、RSS中のタイトル、URL、更新日時などを取得するコードもある。そしてそれに続くエントリ部の記述、および登録者情報もコーディングされている」。このコードはおそらく新プロダクトに関係するものなのではないかと思われる。但し、これは利用者自身のポストをRSSフィード化するものであり、RSSリーダー的な機能を持つものではないという可能性もある。
もしFacebookがRSSリーダー機能を提供するのだとすると、タイミング的にはパーフェクトだと思う。GoogleによるGoogle Readerサービスが終了する直前のリリースということになるのだ。20日に発表すれば、利用者にサービス乗り換えの時間を十分与えることができるだろう。
あるいは新プロダクトは、Facebook内の人気アイテムをRedditのようにリスト化して表示するというようなものなのかもしれない。そちらの方が、全ての利用者に対して簡単に価値あるサービスを提供することに繋がるのかもしれない。
いずれにせよ、既存サービスの単なるコピーではないことを期待している。Facebookに集まる情報を活用した、Facebookだからこそ提供できる、ニュース活用サービスを提供して欲しいものだと思う。
とにかくニュース関連のプロダクトというのは、Facebookにとって「大きな進歩」となり得るものだ。Facebookは、「自分の知り合い」、「利用者自身が興味のあるモノや情報」と繋がるためのサービスを提供してきた。ニュースとは、いわば「他の人が関心を持っている情報」だ。「繋がる」チャネルが増えることになるわけだ。サービスをリリースすれば、Facebook上での滞在時間もまた増加することになるだろう。より多くの情報を提供するようになり、そしてニュースとして流される情報に関連する広告を流す機会も増えることになる。自分の関心だけでによるのではない、さまざまな情報を提供してくれることにもなるわけだ。
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(翻訳:Maeda, H)