顧客生涯価値(CLV)から考えるSEMのポテンシャル

SEMの効果検証を行う際、一般的にはコンバージョンを元にした比較的単純な計算を行うケースが多いと思います。一部の大型商品を除けば、顧客生涯価値(CLV。。日本ではLTVの方が一般的でしょうか)、その顧客がその後行う取引も考慮することがより深い・正しい効果検証には必要になりますよね。今回は顧客生涯価値を踏まえたSEMのプランニングについて考えた勉強になる記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

理髪店の外に立ち、お客さんを呼び込む仕事を与えられたと仮定しよう。ぼさぼさ頭のサラリーマンが歩いていたら、大声で呼び込むものの、スキンヘッドの男性を見ても、熱心にアピールする気にはならないはずだ。

この例は、Google Adwordsが、Enhanced cost-per-click(エンハンストコストパークリック)機能を説明するために用いたものである。この機能は、コンバージョンに導く可能性が高いオークションを特定し、自動的に入札額を上げて、売り上げを獲得するために投じた資金に「身を粉にして働かせる」ことを意図している。cpaclvwee 強力なコンセプトであり、当然のことながら、SEMコミュニティでは、支持者が増えつつある。

この論理をさらに前に進めることが出来ると仮定しよう。素晴らしい顧客 — 忠実で、長期間にわたり、繰り返し買い物をする可能性が高く、初回のコンバージョンを最終的に大幅に上回る買い物客 — を集める確率が高い広告グループ(またはキーワード)を特定することが出来たら、どうするだろうか?

このような顧客を獲得するために、進んで支出を増やす気はあるだろうか?その可能性は高いはずだ。

今年の1月、PPCは、コンバージョン全体の15%を占め、昨年の1月からは1%シェアを増やしていたものの、有料検索のチャンネルは、自然(2013年:26% -> 2014年:30%)やeメール(2013年:12% -> 2014年:15%)等のその他のチャンネルの爆発的な成長により、輝きを失っている。 ちなみに、これは、無料で米国のオンラインショッピング業界を調査し、100以上の米国のオンラインショッピングサイトからデータを集めるCustora Pulseが計測したデータを、オンラインショッピング分析サービスのCustora情報開示: 私の勤務先)が作成し、更新したスタッツである。

つまり、PPCは今でも成長を続けているものの、有望な新しい顧客を無限に獲得しているわけではない。そのため、有料検索プログラムでは、獲得を後押しする顧客の長期的な価値に焦点を絞ることが肝要である。

検索マーケッターが得られるチャンス

SEMの管理への従来のアプローチでは、コンバージョンの価値を、そのコンバージョンを獲得するために費やすコストに対して、追跡することで、具体的な広告グループやキーワードへの見返りを改善する取り組みを行う。私達は、このプロセスを、即時の見返りの管理とイメージする。以下に、シンプルなスタッツの例を挙げていく:

  • 平均のコストパークリック(CPC): $3.00
  • コンバージョン率: 20%
  • コスト/コンバージョン(トランザクション): $3.00/20% = $15.00
  • 価値/コンバージョン (=トランザクションの量): $30.00

利益: $30.00/$15.00 = 2x

コンバージョンが、新しい顧客に該当すると仮定してみよう。通常、初回の購入では、ビジネスにおける長期的な価値の一部のみを得ることになる。そのため、初回のコンバージョンを得るための金額を$30以下に抑えたくても、顧客の長期的な価値を考慮すると、この金額は$45、そして、$50へと跳ね上がる可能性がある。

顧客の生涯価値(CLV)を考慮する

抜け目のないデジタルマーケッターは、顧客獲得戦略を顧客の生涯価値(CLV)に合わせる重要性を以前から心得ている。CLVは、特定の顧客から「生涯」得られる収益の全額を指す。CLVには、初回のコンバージョンだけでなく、今後行う可能性がある購入も含まれる。

全ての顧客が同じではない点は、マーケッターなら分かっているはずだ。一度きりしか購入しない顧客もいれば、忠誠心の高い、常連の買い物客になる顧客もいる。そして、高い価値の顧客を集めているチャンネル、アフィリエイト、そして、広告ネットワークを特定することが出来れば、そのチャンネルに対する投資を増やしたいはずである。これは、単なる机上の空論ではない。事実、各種の有料検索の用語で獲得した顧客の長期的な価値が、最大で30%も異なるケースは日常茶飯事である。

その上、この違いの多くは、初回の注文の金額ではなく、今後、繰り返し購入を行うかどうかの可能性に左右される。つまり、SEMプログラムを即時の見返りのみを考慮して編成すると、利益をみすみす見逃してしまうのだ。最高の価値を持つ顧客をもたらす広告グループを特定することが可能なら、新たな顧客の獲得から十分に見返りを得られることを把握し、支出を増やすことが出来るのではないだろうか。

CLVを考慮して有料検索を最適化

それでは、CLVを活用して、顧客獲得マーケティングプログラムの利益を増加させるには、どうすればいいのだろうか?まずは、様々なキャンペーンで獲得を試みている顧客、広告グループ、キーワードに対する見解を得て、この見解を使って、SEM戦略を導くことが重要である。その方法を伝授しよう。

ステップ 1: トランザクションの計測基準から顧客中心の計測基準に変更する

Google Analyticsのeコマースタグを用いると、固有のオーダーIDに関連するデータを引き出することが可能になる。このデータをデータベース内のオーダーIDと一致させることで、顧客とオーダーを関連付けられるようになる。つまり、「キーワード Xから幾らの収益を得たのか?」等の問いから、「キーワード Xを介して得た顧客は誰か?」等の問いにレベルアップすることが可能となり、有料検索を介して獲得したそれぞれの顧客を、当該の顧客を獲得したキャンペーン、広告グループ、そして、キーワードと照合することが出来るのだ。shutterstock_84816412-measuring-tape

ステップ 2: 顧客の生涯価値を特定する

コホート分析等のツールを使えば、過去の顧客の各種区分への支出に関する見解を得ることが出来る — 例えば、ある広告グループで獲得した顧客の1年間の支出額の平均と、別の広告グループで獲得した顧客の1年間の支出額の平均を比較することが可能だ。生涯価値を推測する機能を持つマーケティング分析ソフトウェアもある。このツールは、各種の有料プログラムで獲得した新しい顧客のCLVを — キャンペーンやキーワードを最近立ち上げたばかりであっても — 素早く、そして、正確に特定する(顧客の生涯価値、そして、その計算方法の詳細は、Custora Uの顧客の生涯価値コースを参考にしてもらいたい)。

ステップ 3: 顧客単価(CPA)を考慮する

各種広告グループの顧客のCLVを特定したら、次に、それぞれの顧客を獲得するために現在支払っている金額を把握する。一定の期間内(例えば、前四半期)のキャンペーン、広告グループ、キーワードへの支出額を、当該のルートで獲得した新たな顧客の人数で割ってもらいたい。例えば、ある広告グループに前四半期で$2,500を投じ、100名の顧客を新たに獲得したなら、CPAは$25になる。

ステップ 4: 望ましい比率を探し出す

続いて、平均のCLV:CPAの比率が高い広告グループやキーワードを特定する — つまり、新しい顧客の生涯価値が、獲得のコストを遥かに上回る広告グループを探すのだ。 特定の広告グループが、著しく価値が高い顧客を引き寄せている可能性がある。あるいは、特定の広告グループに対する競争が少なく、平均のクリック単価の低下につながっていることもあり得る。もしくは、特定の広告グループのコンバージョンの大半が新しい顧客であり、新しい顧客の獲得を支えるために、リピーターに費やす「経費」を抑えることに成功したのかもしれない。いずれにせよ、高いCLV:CPAの比率は、有料検索への支出額を増やす機会を示唆していると言える。

ステップ 5: 真の機会を特定する

CLV:CPCの比率が高い広告グループを特定したら、支出を増やすと実際に効果があることを確認する作業に入る。見返りの多いキャンペーン、広告グループ、キーワードからより多くの顧客を獲得することが目標である。特定の広告グループが、既に必ず上位に入っているなら、入札額を上げたところで、顧客の獲得にはつながらない(ブランドの検索用語が、「幻」の機会として現れることが多いのは、このためだ)。真の機会とは、入札額を上げると、平均のポジションを上げるポテンシャルを持つ機会を指す — 例えば、平均の入札順位が、1.5、またはそれ以下。

shutterstock_177128498-experimentステップ 6: テストして、学習する

チャンスのある広告グループに対して、最高のCPA(または最高のCPC)を10%ずつ上げ、平均のポジション、CPA、そして、CLVへのインパクトを計測していこう。テストと結果の計測の最終段階は、CLVベースの有料検索戦略を成功に導く上で非常に重要である。SEMの支出の投資対効果を時間の経過とともに計測することで、継続して、入札のアプローチを次第に調節し、新しい機会をもたらす広告グループを発見し、戦略の総合的な効果を裏付けることが可能になる。

始動

CLVを中心とした有料検索戦略の最適化は、簡単な取り組みではない。そのままの状態で、生涯価値を基に自動的に入札額を設定し、管理することが可能なソリューションは存在しない(ただし、最高で30日間クッキーの期間を融通することが出来るツールは存在する)。しかし、CLVを使って、SEMプログラムを導くと、顧客を獲得する取り組みの利益は増えていく。見返りの高いキャンペーン、広告グループ、キーワードに投資することで、SEMに投じる資金を有効に活かし、長期的な価値をもたらすようになるだろう。

画像: Custora

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「6 Steps To Boost The Profitability Of Your SEM Acquisition Program」を翻訳した内容です。

キーワードや広告で変わるのは単純なコンバージョン率だけでなく、コンバートした顧客がその後行う取引回数にまで及ぶ可能性は十分にあるわけですし、それを考慮しつつSEMを展開していくと、SEMの費用対効果はさらに上がりそうですね。 — SEO Japan [G+]

オーガニック検索におけるクリックスルー率の方程式

検索結果ページのクリック率が表示されるタイトルや説明文で大きく変わる想像はつきながら、順位だけが圧倒的に注目されてきてしまったSEOの歴史。今回はっ検索結果ページでのクリック率を上げるための様々な要素について考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

中学生の頃、カール・セーガン博士のコスモスを本で読むのも、テレビで見るのも大好きだった。10回以上は確実に本を読んだはずだ。そして、テレビシリーズが地元のPBS局で放映される度にテレビにかじりついていた記憶がある。

コスモスで一番記憶に残っているパートは、ドレイクの方程式だ:

The drake equation

ドレイクの方程式は、銀河系の地球外生命体の数を推測する方法であり、(惑星を持つ星の割合f(p)や生命体を維持することが可能な惑星の割合f(l)等)パラメータに分類し、その後、まとめて掛けることで算出する。

セーガン博士がドレイクの方程式を説明する動画をユーチューブで視聴することが出来る。セーガン博士は悲観的にNを10と決めるものの(80年代前半はあまりよい時代ではなかった)、1分後には“数百万”にアップグレードしていた(短期記憶もまたいまいちであった)。

数週間前にSMX イーストで誰かと話していたとき、オーガニック検索のコンバージョンの計測が、次のようにドレイクの方程式と同じように表現することが出来ることに気づいた:

SEO Drake equation

この方程式では、Cはコンバージョンの数であり、N(k)はキーワードを検索している人の数(またはキーワードのグループ)、f(I)は自分のサイトのリンクが表示されている検索が表示される割合(インプレッションとも呼ばれる)、f(CTR)は検索エンジンの結果のクリックスルー率、そして、f(conv)はクリックした後にコンバートする人の割合を示す*。

そして、注目の多くは次の3つの要素に振り分けられると思った: N(k)はキーワードのリサーチに、f(I)はSEOの主要な目標、そして、f(conv)はユーザビリティとグラフィックデザインの領域だ。

クリックスルー率の改善はその他の要因の効果を倍増させるにも関わらず、その他の三つの用語と比べ、クリックスルー率に寄せられる注目、または最適化は軽視されがちである。CTRに影響を与える要因の大半は、直接コントロールすることが可能である点、そして、ウェブサイトのユーザビリティに全く影響を与えない点を考慮すると、奇妙と言わざるを得ない。

そのため、オーガニックの検索からユーザーをコンバートする要因として十分に活用されているものの、過小評価されていおり、しかも直接管理することが出来るアイテムと考えるなら、CTRに影響与えることが可能な様々な方法を詳しく調べ、コラムを1つや2つ綴る価値はあるはずである。

この記事の残りは、検索結果のタイトルとスニペット、そして、この2つがクリックスルー率に影響を与える仕組みの説明に割く。来月のコラムでは、もっと多くのポイントを説明する予定だ。

検索結果の基本的な構成要素は、バネッサ・フォックス氏が綴った記事で網羅されているので、気分を切り替えたいなら、もしくは用語の幾つかがよく分からないなら、目を通してもらいたい。

タイトル & メタデスクリプション

 

典型的な検索エンジンの結果の最も分かりやすく、そして、最も大きい構成要素は、タイトルとスニペットである。タイトルは、通常、ページのHTMLタイトルタグが採用される。スニペットは、複数のソースから採用されるが、巧みに綴られたメタデスクリプションタグから採用されるのが理想である。

タイトルタグとメタデスクリプションは、通常、ブラウザで閲覧する際は見えない点に注意してもらいたい(開くタブの数が多い場合は尚更)。この2つの要素は、検索エンジンの結果に大きな影響を与えるが、注意していないと思わぬしっぺ返しに遭うので気をつけよう。

タイトル & メタデスクリプションを無効にする検索エンジン

上の例のスニペットは質が高い。よく説明されており、その結果、私はクリックして、ドレイクの方程式の記憶を手繰り寄せたのだ。

しかし、私がソースコードをチェックして、スニペットがメタデスクリプションから採用されたかどうかを確認しようとすると、次のコードが出てきた:

 

Non-ideal meta description

 

つまり、タイトルはページから直接抜粋されているものの、メタデスクリプションは明らかに異なる。これはページのテンプレートの残されたボイラープレートテキストである。このテキストはサイトの様々な場所で掲載されているため、ページのコンテンツとは明らかに関係ないため、そして、あまりにも短く過ぎるため、グーグルはページ上のスニペットをこの結果のために生成した。

通常、これは良い結果とは言えない。だからこそ各ページのメタデスクリプションに注意する必要があるのだ。以下に同じクエリのその他の結果を幾つか掲載する。ページの内容が伝わってくるメタデスクリプションは一つもない:

Bad snippets generated by Google

 

コンピュータにアドワーズの広告を書いてもらっても、コンピュータにサイトのスニペットを作らせるのは避けるべきである。

クライアントのために評価するサイトの中で、タイトルとメタデスクリプションが重複していたためにグーグルやビングに無視されるサイトは多い。そのため、それぞれのページにこの2つのアイテムを作成することが肝要だ。

リッチスニペットに関するSMX イーストのセッションで、グーグルのジャック・メンゼル氏は、グーグルが検索結果でタイトルを無効にするその他の理由を挙げていた:

  • タイトルが“クエリを基準として不明瞭”である(タイトルに重要なキーワードが欠けていると私は理解した)。
  • タイトルに企業名やサイト名が欠けていると、グーグルは後回しにする可能性がある。
  • タイトルがキーワードで“必要以上に最適化”されていると、グーグルはそのうちの幾つかを削除する可能性がある。

メンゼル氏は、グーグルはユーザーの役に立つ場合のみタイトルを修正すると慎重に指摘していたが、ページが検索結果に表示される仕組みを出来るだけ自分で管理しておきたいところだ。

タイトルと生成されるスニペットが同じケースも重複の問題点の一つである。このケースが発生すると、グーグルは1つの結果のみを表示し、残りを抑制する。そして、以下のメッセージを検索結果の下に掲載する:

Google deduplication message

これは、クエリに対してランクインしているページがあるにも関わらず、グーグルがその他のランクインしているページと区別することが出来ないために表示してもらえない点を指摘する憂鬱なメッセージだ(このメッセージは、サイトのページネーションに問題がある点を示唆する可能性があり、その場合はしかるべき対応が必要である)。

タイトル内にキーワードを掲載

ユーザーが検索結果に目を通し、クリックするサイトを決める際、じっくりと腰を落ち着けて、ワインを片手にユリシーズを読み、古典について深く考えを巡らすと言うよりも、猿が果物を探して木を見渡すような行動を取る。

つまり、検索者は記憶の中に存在するキーワードをスキャンしているのか、もしくは“一部の人達のセオリーによると”キーワードの全体の形をスキャンしているのだ。

この見解と、この指摘この指摘この指摘のように、典型的な検索エンジンの結果ページ上に残される視線追跡調査を組み合わせると、重要なキーワードはモンキースキャナー達に見てもらえる可能性の高いタイトルの冒頭に配置するべきだと言う結論に達する。

(キーワードを左側に配置するアイデアを否定する議論を耳にしたことがあるが、私よりも心理学にのめり込んでいる人達にこの議論は任せておこうと思う)

大きなサイトに対するスケールについて

無数のページを持つサイトにおいては、一つ一つ固有で、意義深いタイトルを作成する戦略は現実的ではない。

ページに関するアイテムに対するメタデータを使って、クリックスルーを強く促すような方法で自動生成しても問題はない。

以下に先日私が見かけたタイトルの例を掲載する:

私がウィロウグレンで家を探していたなら、この結果をクリックしたくなっていたはずだ。アプリケーションデータベースで自動的に生成された点は明白だが、固有であり、クリックスルーを促すことが考慮されている。

今後のコラムでは、URL、ブレッドクラム、構造化されたメタデータ、アンカー、ソーシャルシグナル、文字コード、月の相等、クリックスルー率に影響を与えるその他の要因を取り上げていく予定だ。

*このエントリを書き終えた後、バネッサ・フォックス氏が綴った書籍「マーケティング・イン・ジ・エイジ・オブ・グーグル」で紹介されているサーチャーペルソナのワークフローに似ていることに気づいた。さらにこの概念を詳しく知りたいなら、この書籍を読んでもらいたい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Clickthrough Rate Equation In Organic Search」を翻訳した内容です。

最後の説明文の自動生成はECサイト等で導入しようと思えばすぐにできることですが、日本では意外と何もされていないままのサイトが多いようです。タイトルが矯正書き換えされてしまう最近の進化しすぎたGoogleではありますが、意図的な上位表示・順位争いに限界が来ている今日のSEO、改めて検索結果上のクリック率に着目してみる良い時期かもしれません。 — SEO Japan

検索マーケティングはセクシーじゃない?

21世紀で最もセクシーな職業といえばデータサイエンティスト(私じゃなくて米国でそういわれているという話です)ですが、しばらく前まで最も旬な職業といえば検索マーケッターだったはず?(そうでもないか)検索広告、SEOが中心だった2000年代に比べソーシャルの普及とDSP、DMP等アドテクの台頭で若干存在感が薄くなった感もある検索マーケティング。米国の最新のカンフェレンスから検索マーケティングの今を探る。 — SEO Japan

私は検索の魅力に関するこの記事を、カリフォルニア州のマウンテンビューにあるコンピュータ歴史博博物館の「緑の間」で書き始めた — この情報があるだけで、私がギークである点は、私のことを知らない方でも、容易に推測することが出来るはずだ。

なぜこの博物館にいたかと言うと、LiveRamp 2014カンファレンスがこの博物館で開催されたためだ。データテクノロジー会社が主催したこの毎年恒例のイベントで、私はざわつく会場を去り、一人で考え事をしたくなった。30年以上この業界で活躍するパトリック・コノリーCMO(現在はWilliams-Sonomaのマーケティングを担当)と和気あいあいと会話を交わした後、あるアイデアが頭から離れなくなった。それは、「検索は今もセクシーなのか?」と言う疑問だ。

LiveRampのマーケティングカンファレンスは、デジタルマーケティングの最新のトレンドと未来をテーマに掲げていた。「オーディエンスの精度」等のトピックに関する素晴らしい話し合いが行われ、また、DSP、DMP、SSP、そして、RTB等の頭字語が飛び交っていた。しかし、その中にSEOは含まれていなかったのである。

LiveRampカンファレンスの参加者は重役が多く、私の知る限り、1000名以上が参加していた。サンプルとしては大きな規模ではないものの、重役がSEOに対する興味を失いつつあることを示唆していると言えるだろう。

もともとSEOはセクシーではなかった

しかし、2012年に行われたAltimeter Groupの調査によると、魅力に関して、もともとSEOは下位に沈んでいたようだ。この調査は、56名のインタビューで構成されていた — 25名のフォーチュン 500に名を連ねる世界的な企業に勤める人物、そして、31名のマーケティングエージェンシーの従業員、コンサルタント、そして、ソートリーダー(革新的なアイデアを示すことが出来るエキスパート)がこの調査に参加した。SEOの人気がいかに低いか確認してもらいたい。

Content types

この2012年の調査では、ディスプレイとリターゲティングは姿を見せず、また、ソーシャルやモバイルも上位に位置づけられていなかった点は、注目に値する。

現在に話を戻すと、マーケッター達は、この2つのマーケティングの手段に大いに注目しているように見える。 また、カンファレンスのセッションでも証明されたように、オーディエンスの分割のテクノロジーとリマーケティングにおける改善は、ディスプレイとリマーケティングが2014年に重要度を増すことを物語っている。

当然だが、これはとても理に叶っている。マーケティングも良いが、ターゲットを絞ったマーケティングはもっと良い。ターゲットのオーディエンスを理解する取り組みは、昔からマーケティングの基本中の基本であり、現在、スタイルと方法を大幅に変えて、再びその姿を現している。

現代のマーケティングのプロのデータには、オンラインおよびオフラインで向かう場所を含む、一般のウェブサーファーの行動に関するあらゆる情報が反映されている。実に頼りになる 情報だと言えるだろう。

効果的な、統合的なSEO/SEMのプロセスの仕組みを見ていこう:

私には2014年にSEOを優先する方針は、人気がなく、その他のターゲットを絞った有料メディアが注目を集めているように思えるが、チャンネル間マーケティングに関する大々的で、セクシーな議論から、SEOを除外する行為は、重役陣にとって適切とは言い難い。

例えば、有料検索、とりわけパフォーマンスマーケティングは、従来、広告費用対効果(ROAS)を重要視する傾向があるため、アウェアネス(認識)関連のキーワードはコストが高くつく。しかし、ここでSEOが心強い味方となる。さらに、SEO戦略では、コストの高いCPCの用語に対する自然なポジションを上げる以上のメリットをもたらすことがある。

見過ごされがちなSEOと他のマーケティングチャンネルの統合戦略

  • 需要またはコンバージョンの観点で、インパクトを与えるハイコストのCPCのキーワードをリストアップする。
  • このリストをキャンペーンに分類して、各種のオーディエンスのパーソナリティに訴えかける戦略に応じて、それぞれのオーディエンスのタイプに狙いを定める(コホート)。
  • このデータを、SEOチームに渡し、それぞれのプロフィール/パーソナリティにおいて、Googleで上位にランク付けされているウェブサイトを特定する。
  • それぞれのハイコストのキーワードを検索する消費者に接触している(SEOおよび有料の結果で)上位のウェブサイトを特定する。このSEOのランキングの結果を使って、ディスプレイの内容に関する戦略を改善する。
  • ディスプレイ戦略の一環として、マーケッターは、有料ソーシャルキャンペールでのターゲティングを改善するために、追跡を展開することも出来る。
  • eメールの情報を入手すると、eメールキャンペーンの関連性を改善することも可能になる。

今週行われたSMXで、この戦略を得意とするティム・メイヤー氏と話をする機会を得た。現在、同氏はTrueffect.comでマーケティングの取り組みを統括している。SEOとその他のマーケティングの手段 — 特にディスプレイ — を組み合わせる方針について、メイヤー氏の意見を求めた。以下にメイヤー氏が指摘してくれたポイントを幾つか加えていく:

ディスプレイと広告を提供する場所で検索のクリックを加えると多くのアドバンテージが生まれる:

1. アトリビューションと最後にクリックした場所を正確に解明することが出来る。つまり、最後のクリックが検索のクリックであった際にCPAを広告ネットワークに支払うことも、そして、PPCをAdWordsに支払うこともなくなる。広告スポンサーは、様々な領域で検索とディスプレイを実施し、コンバージョンに2度料金を支払ってしまうことがよくある。!

2. 第一者のクッキーを追跡メカニズムとして活用する。また、広告アクティビティの長い文字列を作り、コンバージョンのイベントの前に起きた多くの接触のインパクトをより正確に理解することが可能になる。すると、ディスプレイ等の[セールスファンネル]の上部のアクティビティのインパクトを証明する上で役に立つ。

3. AdWordsの広告グループのIDをタグ内で継承する取り組みも有効である。なぜなら、カスタマージャーニー/顧客のストーリーをデータを使って、再現する上で役に立つためだ。

ご覧のように、SEOのデータは、有料ソーシャルキャンペーン、ディスプレイキャンペーン、そして、eメールキャンペーンでターゲットを絞る方法を改善することで、有料検索のROIを高める取り組みに活用することが出来る。 統合型パフォーマンスマーケティングに対する全体的なアプローチではあるが、私の知る限り、誰も取り上げていない。

私には理由が分からない。これは、SEOをとてもセクシーにする取り組みであり、何とかして、SEOに魅力を取り戻そうと私は試みている。

チャートの画像: Altimeter Groupから許可を得て使わせてもらった。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is Search Marketing No Longer Sexy?」を翻訳した内容です。

タイトルを見て多くの人が思ったように、そもそも検索マーケティングはセクシーでもなんでもなく元々ゲリラ的であり労働集約的な作業も多い地味なマーケティング手法だったわけですが、、、記事にもあるように、そのせいか効果の割にそこまでマーケッターや手法が脚光を浴びることもなく、どちらかというと毛嫌いか無視され(どこまで自虐)、結果、他のマーケティング手法とシームレスな連携がされていない状態で今まで来てしまっている点はありますよね。実際にウェブで成功しているサービスの多くは検索マーケティングを最大限に有効活用し、他のマーケティングやサイトとも連動し相乗効果を上げているわけですが。ソーシャルやアドテクとの連携で検索マーケティングの効果を激増させることはまだまだ可能ですし、検索マーケティングが本当にセクシーになる時代は実はこれからなのかもしれません。 — SEO Japan [G+]

Googleハミングバードを乗り越えるこれからのSEO

本質的なアルゴリズムの変更すぎるせいか?短絡的なSEOにつながらないためか余り話題にGoogleのハミングバード。今後のGoogleの根幹を担うアルゴリズムだけに、きちんと理解はしておきたいですよね。今回、サーチエンジンランドがハミングバードを意識したSEOのコツをまとめた分かりやすい記事を紹介していたのでここに翻訳。 — SEO Japan

Google-Wall

Googleは、ここ数年の間に、ウェブサイトをランク付けする仕組みに大きな変更を加えてきた。その中でも特に新しい部類に入る、2013年の夏に導入されたハミングバードアルゴリズムは、検索につむじ風を起こし、広範な影響を与え続けている。

アルゴリズムのアップデートに際して、企業は、もともとの検索ランキングを再び得るために、ウェブマーケティング戦略、そして、SEOの取り組みを修正し、Googleに贔屓にしてもらう必要がある。

私が得た見解、そして、この新たな環境の中で成功を得る上で、求められる取り組みを知りたい方は、読み進めていってもらいたい。

今まで分かったこと

Googleの検索アルゴリズムの進化に対応して、クライアントのサイトを見直し、そして、両者を同期する戦略を実施することで、私は貴重な見解を直に得ることが出来た。

私達のSEOプログラムは、現在のクライアントの評価を優先することで、うまくいっている試み、そして、うまいくいっていない取り組み、さらに、常に変化するデジタル世界で継続的に成功を収めるために、労力を集中させる必要がある場所に関して、明確で、新たな見解を得ることに成功した。

ハミングバード後の評価の結果には、差が見られる。一部のクライアントの検索ランキングは、競合者が、Googleの変更に対応しきれず、ランキングを落としたため、直後に改善していた。一方、自然な検索結果のランクを確立するための日常的な取り組みの成果として、ランキングを維持、または、押し上げることに成功していたクライアントもいた。

一部のクライアントは、若干、ランキングを落としていたものの、今のところ大きなダメージを負ったサイトは見当たらない — これは、弊社のSEOの取り組みが、Googleの方針と既に一致していたことが要因だと考えられる。若干ランキングを下げたクライアントに対しては、評価を行うことで、再び軌道に戻すために必要な修正を行う場所、そして、方法を把握することが可能になった。

変わったこと & 変わっていないこと: 求められる取り組み

SEO Strategy - changes coming!評価では、誰もが期待する項目を主な要素として精査している。ハミングバードを活用するためには、既に力を入れている構造と同じ構造に対する取り組みを強化する必要がある。しかし、それぞれの構造を実装する方法に違いが見られる。

技術的なサイトの構造

サイトのビジターが、サイトを自由に動き回ることが可能な、内部リンクの構造とアーキテクチャは、必要不可欠である。ページが早く読み込まれること、さらに、画像とサイトマップが最適化されていることは、全てエンドユーザーの体験にプラスに働くため、重要度が高い。

オンページの要素

基本的なオンページの要素は、SEOのランク付けにおいて、もはや重要ではなくなった、と主張する人達がいるが、この風説は事実とは異なる。タイトルタグ、ウェブページのURL、ALT imageタグ、そして、適切なH1タグの重要度は、さらにレベルアップしている。実際に、一部のクライアントは、このようなアイテムに力を入れるだけで、検索結果のランキングを大幅に改善することに成功していた。

コンテンツ

「コンテンツは王様」論を聞き飽きた方もいるかもしれないが、コンテンツは、今まで以上に重要な存在になっている…また、この傾向がすぐに変わることはない。コンテンツが重複していないことを確認し、常に質が高く、関連性があり、そして、オーディエンスの役に立つコンテンツを提供してもらいたい。

最終目標

ハミングバードの導入後、上位にランク付けされるウェブサイトは、一貫して、正確に顧客中心のUXを提供しているサイトである。つまり、サイトの全てがビジターのメリットを考慮し、この目標が、Googleにとって明確であり、分かりやすくなければならないのだ。

目標を達成するには

ハミングバードに対応するため、まずは、上述した要素を、全て適切に実施する必要がある。続いて、以前効果があり、今もなお効果のある特定の戦略が存在するので、検討してもらいたい。

以下に、主な推奨事項を幾つか挙げていく:

- 自然なコンテンツ

会話のように読めることが、コンテンツの条件である。特定のキーワードをねじ込むために、ぎこちなさ、または、無理やり感が生じるようでは、Googleに認めてもらえない。提供する製品/サービスをビジターに容易に理解してもらうことが、最終的な目標である。

- ウェブサイトの標識のような感覚でページのURLを利用する

普通に読めるだけでなく、導かれるページの内容がビジターに伝わるようなURLを利用するべきである。チンプンカンプンな特殊文字や判読不可能なURLのフォーマットは避けよう。

- 正確なタイトルタグを用いて、直帰を回避する

タイトルタグとメタ記述は、クリックスルーを増やすためにユーザー欺くのではなく、ページの内容を正確に反映しなければならない。地域に特化した会社なら、地理に言及すると、良い結果を得られるだろう。

- サイトアーキテクチャを簡素化する

サイトアーキテクチャは、ビジターが、必要としている情報を探す際に迷子にならないように、直感的なUXとナビゲーションを提供する必要がある。

- モバイルウェブを活用する

モバイルデバイスに完全に対応しなければならない。モバイルユーザーは、デスクトップユーザーを今年中に上回ると見られており、このマーケットは今後も右肩上がりに拡大していくはずだ。モバイルのオーディエンスを囲い込むことが出来ないなら、今後、トラフィックが大幅に減る可能性が高い — 現時点で減っていても不思議ではない。

結論

ハミングバードは「全ての面で新しい」アルゴリズムだと考えている人は多い。しかし、私達は、Googleの進化における自然なステップと見なしている。ハミングバードが、今まで行われた全ての変更をベースとしており、さらにレベルアップさせることは明白である。

SEO戦略とマーケティング戦略をGoogleのアルゴリズムの変更に合わせて調整しているサイトは、やがて、勝者として君臨することになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「A Complete Guide To The Essentials Of Post-Hummingbird SEO」を翻訳した内容です。

書いてあることは、どれも当たり前の横道な話ばかりでしたね。逆にいえば、ハミングバードの導入・進化と共に、従来にテクニック寄りのアルゴリズムの裏をかいたようなSEOは通じなくなっているということでもあるのですが。その意味で「ハミングバードを気にしないSEO」というのはGoogleの進化の証明でもあり、結果「ハミングバードを意識したSEO」にもなるのでしょう。 — SEO Japan [G+]

消費者の購買行動に関する4つの発見 – ソーシャル、Amazon、ブランド、店舗

検索と購買行動の関係性を取り上げた統計データはたまに目にしますが、新たな調査結果が発表され内容が興味深かったのでここに紹介します。 — SEO Japan

小売のプロモーションに特化するParago社は、複数の製品のカテゴリーにおける、消費者がリサーチ、そして、購入を行う経緯を調べ、先日、調査結果を発表した。この調査は、消費者による購入に関する見解が多く詰まっており、デジタルマーケッターは様々なヒントを得られる。

ここでは、リサーチの一つの領域にスポットライトを当てる — それは、消費者が購入モードに入った時の消費者の行動に関する見解である。購入する製品を調べる際に消費者がチェックする情報源をリストアップした下のチャートは、デジタルマーケッターに様々なアイデアをもたらす。

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消費者がオンラインで購入を行う経緯。画像の著作権 — Parago

左側: 自動車部品、電化製品、家具/家庭用品、オフィス用品、スポーツ製品、オモチャ、食料品、日曜大工道具/住宅用品、ペット用品、購読サービス

上: Google、店舗内のディスプレイ、小売店のウェブサイト、Amazon、新聞/雑誌、テレビ、ソーシャルメディア、モバイルアプリ

 

 

1. ソーシャルは購入調査のチャンネルではない

Conductorによる調査では、購入リサーチプロセスにおいて、ソーシャルは最も利用される回数が少ないチャンネルであることが判明した。97%の確率で利用される検索と比べ、ソーシャルは、たった15%であった。

Conductorの調査が行われたのは2012年であり、時間が経過しても、消費者は、ソーシャルに頼ろうとしていないことになる。これは注目に値する。

当然ながら、ブランドを構築する、顧客の声に耳を傾ける、コンテンツを配信する等、ソーシャルには大きなメリットがある — 事実、私達が実施した調査では、ソーシャルの利用目的の中で、2番目に多かったのはコンテンツの発見であった — しかし、消費者は、購入する製品のリサーチには、ソーシャルを利用していない。

2. Amazonの影響力は思っているよりも低い

オンラインショッピングにおいて、Amazonの力は絶対的であり、製品の深さと広さ、そして、確立されたブランドは、多くの小売業者が、インターネットショッピングの分け前を得るには、あまりにもスケールが多過ぎると言う考えが定着している。

しかし、Paragoの調査では、確かに、Amazonは絶対的なブランドを構築し、また、レビューが多数投稿されたサイトは、オンラインリサーチにおいて重要な情報源ではあるものの、オンラインの小売業者も十分に戦えることが判明している — 自然な検索結果で、ある程度上位にランク付けされていることが前提となる。

小売業者は、製品を買ってもらうために、同等の価格に設定する必要はあるが、Amazonがリサーチのチャンネルとして2番目に多く用いられている全ての分野で、オンライン検索(Google)が1位を獲得している。

3. ブランドロイヤルティが購入の決定に大きな影響を与える

調査によると、ショッピングサイトは、購入プロセスにおいて、3番目に利用されることが多いようだ。

つまり、ブランドロイヤルティは、オンライン検索ほどではないにせよ、購入プロセスに影響を与えていると言えるだろう。面白いことに、アパレル業界のブランドロイヤルティは、購入に最も大きな影響を与えている — これは、服の購入は、個人の好みに左右され、また、消費者の信頼を必要とする事実に基づいている。

4. 店舗内で実際に確かめなくてもよい製品もある

店内での販売は、オンラインの買い物を抑制すると言う、当たり前の主張が長らく浸透している。 しかし、「in-store displays」(店舗内のディスプレイ)をよく見ると、消費者は、実際に手に取ることが出来なくても、オンラインで製品を購入していることが分かる。

事実、– 電化製品、家具、家庭用品、そして、スポーツ用品等、実際に手に取って確かめたいと思われる製品のカテゴリーにおけるチャンネルとし、「in-store displays」は3番目、もしくは、4番目に位置しており、重宝されているわけではない。

店舗内の展示が最も利用される回数が多い製品のカテゴリーは、オフラインの購入が今でも大半を占める、食料品、ペット用品等のカテゴリーであり、配送が面倒で、急に必要になる製品が該当する。

このデータから、店舗内の購入から、消費者が距離を置き始めていることが見えてくる。しかし、このデータだけで判断するべきではない。オンラインショッピング、そして、「ポイント & クリック」する購入には、調査では取り上げられていない消費者のニーズが欠けている — 「感覚で製品を選ぶ」ニーズ、「実際に手に取って、触りたい」ニーズ、そして、「他の製品と比べたい」ニーズ。

instore-vs-omnichannel

消費者が製品を購入する場所 — 画像の著作権 Parago

左側: TV、ミキサー、DVD ブレーレイ ウルトラバイオレット、テレビゲーム、洗濯機、プリンター、運動靴、ジーンズ、化粧品/パーソナルケア用品、芝生 & 庭用品、タイヤ、車のバッテリー、洗濯用洗剤、ドッグフード、ビール、TV/インターネット/電話のパッケージ

上: 製品、店舗以外で購入する割合

このニーズは、購入の決定を楽にすることに力を入れている小売業者によって、少なくとも部分的には、満たされる。要するに、店を訪問して収集する豊富な情報を消費者に提供する必要があると言えるだろう。

また、リッチメディアのコンテンツを提供することも求められている — 情報を基に購入の決定を下してもらうことを目標に掲げ、店の中で刺激される感覚にアピールするような、大きく、詳細が分かる画像、動画、そして、ユーザーによるレビューを提供するべきである。

オンラインコマースを成功に導く鍵

消費者のオンラインショッピングに関する最新の調査では、ほぼ全ての製品のカテゴリーにおいて、消費者は、リサーチの情報源として、Googleを最も利用していることが分かった。この調査は、以下の2つの当然の事実が、オンラインコマースに当てはまると示唆している:

  1. 勝つためにはまず参加する必要がある。 消費者は、製品を購入する際に、他の何よりも検索を頼りにしている — つまり、検索結果に表示されていなければ、競争に参加することさえ出来ないのだ。
  2. 最高のアイテムを提供する必要がある。 消費者が、購入プロセスにおける情報源として、店舗内の展示から距離を置きつつある中、オンラインの小売業者は、隙間に入り、店舗内の買い物で得ていた情報や経験に代わるものを提供しなければならない。

上記の2点を考慮し、サイトに反映させるオンライン小売業者は、オンラインコマース化の流れにおいて、有利な立場に身を置くことが出来るようになる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「4 Revealing Facts About How Consumers Search And Buy Online」を翻訳した内容です。

まず、商品別の購買ソースの微妙な差が面白かったです。さらにソーシャルが購買行動の乾季ソースに全くなっていない点は、ソーシャルECがイマイチ流行らない理由を説明しているかもしれません。他も色々と気になる結果がありましたが、最後にECを成功させるには、1)参加する、はともかく 2)最高の商品を提供する必要がある、とのこと。コンテンツマーケティング等で購買のきっかけを高めることはできるとは思いますが、結局は 2) が大事なんですよね。。。もちろん何を持って「最高」を定義するかという話もありますし、SEOやコンテンツマーケティングでユーザーニーズを考える過程で改めて商品の優位性や特徴について考えることが新たな成功のヒントになるかもしれません。 — SEO Japan [G+]

SEOを最適化したいならGoogleに習え

「SEOを最適化」、Oはoptimizationの略なんだから、SEO対策に負けじと文法的におかしい!それでもSEOのプロか!、なんてつっこみが入りそうですが、いえ、SEOという行為自体を最適化するという意味の内容です。Googleが長年かけて行ってきた検索結果の気づいてみれば大幅な改変、そこには既存ユーザーの離脱を防ぎつつ、結果をさらに改善するためのありとあらゆる技が詰め込まれているわけです。そんなGoogleにSEOのあるべき姿も学んでみよう、さらにはそこから見える最新のSEOシグナルも考えてみた新しいアプローチの記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

グーグル UKの常務取締役、ダン・コブリー氏は、先日、2007年に行われ、不評を買った、Gメール内の広告リンクに関連する「50 Shades of Blue」(50点の青の色調)実験が、年間で2億ドルの収益の増加をもたらしたことを明らかにしていた。この結果により、デザイン主導の決定から、データ主導の決定へと方針が転換され、グーグルのデザインを牽引していたダグ・バウマン氏が、フラストレーションを抱えて辞任したエピソードは有名である。

10本の青いリンクが、検索エンジンの結果ページ(SERP)に掲載されていた時代から、検索のプロは、数えきれないぐらい多くのUIの実験を観察しては、報告し、一方で、検索エンジンは、SERPに様々なモデルを導入してきた。

その結果、ユニバーサル検索、3列、5列、そして、7列のローカルの結果、リッチスニペット、オーサーシップ、ナレッジグラフ、そして、カルーセル等が、SEMの用語集に加えられていった。この変更は、全てA/B(多変数)テストの対象となり、コンバージョンの目標に対して、入念に検査が行われていた。

この方針が、SEOと何の関係があるのだろうか?

グーグルは自然な結果からコンバージョンをどのように計測しているのか?

結果ページの表示に対する全ての変更が、コンバージョンの最適化を基に行われているなら、自然のランキングもまた同じアプローチで報告されていると考えて問題ない。しかし、困ったことに、グーグルが自然の結果から「コンバージョン」を計測するために利用する基準は明らかにされていない。

グーグルが、ユーザーのデータを使ってSERPに影響を与えている具体的な例が初めて明らかになったのは、2009年、マット・カッツ氏によって、グーグルのサイトリンクが、部分的にユーザーの行動に基づいて掲載されていることが、明言された時であった。この情報は、SMX WestのMeijer.comのサイトクリニック講座の最中に、マッツ氏が、同サイトのStore Locator(店舗検索機能)が、主なナビゲーションに埋もれてしまっているものの、「サイトリンクに表れている」ため、人気が高いと指摘した際に、明るみに出たのであった。

MeijerのStore Locatorは、今でもグローバルナビゲーションに埋もれており、事実上、コンテツに欠けているものの、サイトリンク内では、トップの選択肢として表示されている。

Meijer's Site Link

アドワーズのキーワードツールを見ると、「meijer locations」は、12位であり、「ad」(2位)、「weekly ad」(8位)、「mperks」(4位)、そして、「phermacy」(6位)と比べて、遥かに順位は低い。ランディングページでこのキーワードを分類したとしても、SERP内のユーザーの行動が、Store Locatorをサイトリンクのトップに押し上げたとは、なかなか想像しにくい。

大きなブランドの救済措置

ユーザーの行動がランキングに影響を与えることが、次に明らかになったのは、初めて大きなブランドの救済措置が判明した、2009年の2月であった — 大きなブランドが、競争の激しいショートテールのクエリで、魔法のように検索結果を占拠し始めたのだ。上位を失ったサイトのオーナーは(リードを生成するサイトが多かった)、突然、被リンクの本数が少ないサイトが、自分のサイトよりも上位にランクインするようになったため、抗議の声を上げた。グーグルは、このアップデートをヴィンスと呼んでいた。しかし、Stuntdubl.comは、「Big Brand Bailout」(大きなブランドの救済措置)と呼び、この名称が定着した。

大勢のエキスパートが、この現象の経緯/理由を推測していた。そんな中、マット・カッツ氏が得意とする、「何も重要なことを明かさずに質問に答える」術を学んでいなかったグーグルのエンジニア、マシュー・トレウェラ氏は、SEOGadget Q&Aセッションで、うっかりと情報を漏らしてしまった:

  1. 自然な結果をテストする際、グーグルは、後続のクエリが少ない結果を見つけるテストを行い、この後続のクエリを「コンバージョンの失敗」と位置づけている。マシュー・トレウェラ氏によると、ヴィンスアップデートは、ユーザーが、「求めている製品や情報を見つけるために検索を行う時間を短縮する」ことを目的としていたようだ。つまり、ユーザーが、2回目の検索を実施すると、グーグルは、初回の検索で適切な結果を提示することに失敗したと見なす。

  2. ユーザーの後続のクエリの行動に関するデータを使って、初回のクエリに対するSERPを改善し、ユーザーがクリックストリームの中で、後程、意図を示唆したサイトのランキングを上げている。要するに、グーグルは、ユーザーの行動に関するデータを使って、ユーザーの意図を特定し、コンバージョンを改善するために元々のクエリのランキングに影響を与えている。

パンダから学べること

その次に、ユーザーエンゲージメントのデータが、検索結果に影響を与えていることが判明したのは、パンダがきっかけであった。パンダアップデートの多くは、今でも謎に包まれており、このアップデートが初めてリリースされてから、分類子は大幅に進化している。グーグルは、パンダを機械学習アルゴリズムと位置づけているため、手動の介入を必要としないブラックボックスとも言える。

後に、一部のサイトが、質の高いサイトとして、トレーニングのセットに追加されていることが判明し、その結果、回復し、「良質なサイト」として確定してもらう動機が生まれた。 また、勝者と敗者を比較して、ベストプラクティスを分析するのは難しくなった。大半のSEOの関係者は、ユーザーの行動とエンゲージメントは、サイトのパンダスコアにおいて大きな役割を担っていると指摘している。ユーザーが、すぐに検索結果に戻り、次の結果をクリックするなら、あるいは、クエリを絞り込むなら、サイトの品質に対して、良くない兆候だと言えるだろう。

それでは、グーグルのコンバージョンテストは、SEOにとって、どのような意味合いを持つのだろうか?

学んだことを活かす

グーグルの告知は、やる気を起こすこともあれば、明確性に欠けることもある。グーグルが、問題を解決した、または、ある手法の価値を下げたと伝えると、SEO業界は、すぐに例外を指摘して、グーグルの告知を大袈裟、もしくは、不安を煽る試みだと宣言する。数年後、SEOの関係者は、状況を確認し、当該の手法が役に立たないことに気づき、その手法を実践しているサイトは、大きなトラブルを抱えることになる(グーグルに免責してもらえるほど大きな会社は例外)。この発表は、錯覚、そして、誤解を招いてしまう。なぜなら、グーグルは、目標を達成する前に、複数のバージョンを試しているためだ。グーグルの現在地を特定したいなら、1年前のグーグルの取り組みに関する発表を理解すると良いだろう。

18ヶ月前、グーグルは、サーチクオリティチームの名称をナレッジチームに変えたこと、そして、ユーザーを毎回その他のウェブサイトに送り込むのではなく、ユーザーの検索の意図に応じたい旨を述べていた。グーグルは、1年間に500点以上のアルゴリズムのアップデートを実施し、調整、新しいレイアウト、そして、機能を常にテストしていると明言している。

また、機械学習システム、そして、毎日集めている膨大な量のデータに基づいてコネクションを作る能力が進展しているとも示唆している。 どうせなら、ナレッジチームではなく、計測チームと名付けるべきだった。なぜなら、グーグルは、意図を理解するため、そして、ユーザーが求めるバリエーションを提供するため、何もかも計測し、データを集めているためだ。

サイトのオーナーにどのような影響を与えるのだろうか?

マット・カッツ氏は、2013年のSMX Advancedで、ウェブマスター/SEOにとって関心のあるクエリは、全体の15%のみだと述べていた。グーグルが懸念を抱く85%のクエリに、私達は注目していないことになる。クエリの1.5%に影響を与えるアップデートは、どこかの一部のSEO業者が関心を寄せるクエリの10%に、そして、グーグルの上位の「収益につながりやすいワード」の50%に影響を与える可能性がある。

また、グーグルは、変更を展開した後、繰り返し適用する傾向がある。大規模な抗議活動がなかったこと、そして、現状の分析が曖昧であることを考慮すると、ハミングバードがリリースされた際、結果 — 少なくとも、ランキング表で見ることが出来る結果には、大きな変動がなかった、と推測することが出来る。しかし、実際には、グーグルは、パーソナライゼーションにおいて、今後大きな変化を起こすために必要なツールを導入していたのだ。この変化によって、徐々に勝者と敗者の選定が行われていくだろう。

3つ目のシグナル

SEO業界は、今まで、オンサイトとオフサイトのランキングシグナルに焦点を絞ってきた。しかし、3つ目のシグナルを認める時期がやって来た。SERP内のグーグルによるコンバージョンテスト、そして、ユーザーのインタラクションに関するシグナルは、自然なランキングに対して、重要性を増しつつある。この3つ目のシグナルを、オーディエンスエンゲージメントと呼ぶことにする。

幸いにも、この枠組みは、オンサイトの変更に対して、パフォーマンスを改善し、前向きなオーディエンスエンゲージメントのシグナルを作り出すことが出来る大きなチャンスをもたらす。機械学習は、データ主導であり、クリック、シェア、繰り返しの訪問、そして、ブランド検索等のオーディエンスエンゲージメントのシグナルは、計測可能なユーザーのアクションである。そのため、ユーザーに焦点を絞った最適化を受け入れ、(自分で決めたコンバージョンの目標の代わりに)合理的にグーグルのコンバージョンの基準と推測される基準にテストの目標を合わせているウェブサイトのオーナーは、オーディエンスエンゲージメントを改善することが出来る確率は高い。

今年、来年、そして、しばらくの間は、このようにしてSEO戦略を最適化するべきではないだろうか。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Lessons From Google On Optimizing Your SEO」を翻訳した内容です。

確かにGoogleのグロースハック術に学ぶ点は多いな、と感銘を受ける記事でしたし、ユーザーインターアクションが今後のSEOに影響を与える要素であるであろうことは想像がつきますね。しかし一番笑ってしまった&マスターしたいのは

マット・カッツ氏が得意とする、「何も重要なことを明かさずに質問に答える」術

でした ^^)/ — SEO Japan [G+]

経営者が犯しがちな5つのSEOの致命的な過ち

月曜朝一の記事は、SEOを会社が効率的に運用するためのアドバイスを経営者目線で語ったサーチエンジンランドの記事を。会社経営者はもちろん、SEO担当者の方にも役立つ&思わず共感してしまう悩みが満載? — SEO Japan

現在のデジタルエコノミーにおいて、リーダーの地位を確立するのは、容易ではない。テクノロジー、そして、消費者がそのテクノロジーに適応する仕組みの変化によって、ビジネスは大きく変貌を遂げている。そして、オンラインビジネスとオフラインビジネスの境界線は曖昧になり、資本金を多く持っているだけでは、成功を導くことは出来なくなった。

Seth Godin Quote

グーグルが提供する様々な製品は、B2Bの会社、そして、B2Cの会社に大きな成長の機会をもたらしている。オフライン、そして、地域に特化した会社でさえも、グーグルに依存している。なぜなら、消費者がグーグルに集まっているからだ。SEOは選択肢の一つではなく、必須の取り組みになっている。以上のことを考慮すると、経験豊かなSEOのエキスパートを雇用することが、最も有益な投資になり得るのではないだろうか。

会社を経営しているなら、私が以前のコラムで提供した「ネット通販歴10年の経験で学んだECサイトSEOの8つの教訓」(日本語)と「SEOでEコマースの収益を2倍に増やした具体例」(日本語)をもう一度おさらいしてもらいたい。

今回の投稿では、グローバルな企業、零細企業、そして、スタートアップに至るまで、様々な企業に対して、長年に渡ってコンサルティングを実施した経験から、何度も繰り返されている、SEOの一般的な過ちをリストアップしてみた。その中には、経営者が直面する難問、そして、ビジネスの成長を妨げる、経営者が実施する行動も含まれている。

このレポートでは、詳細を取り上げるのではなく、CEO、CFO、あるいは、事業のリーダーとして、SEOに関して、絶対に知っておく必要がある知識に焦点を絞っている。この提案を実行に移すと、より多くのトラフィック、リード、そして、セールスがもたらされるだけでなく、会社全体を強化し、- コストを抑えつつ、収益および戦略の目標を早く達成することが出来るようになるだろう。

SEOの過ち #1: 過去にこだわる

デジタルのエコシステムは、急速に進化している。しかし、多く企業の経営者は、このペースから遅れを取っているのが現状だ。過去にしがみつき、かつて有効であった取り組みに固執しているのだ。

バックミラーを見ていては、前に進むことなど出来るわけがない。昨年と同じことに資金を投じているなら(しかも、投資する金額がほとんど同じなら)、効果的なSEOを通して得られる利点をみすみす見逃していることになる。

教訓:

  1. 分析に投資する。現状をしっかりと把握してから、今後の計画に取り掛かる。
  2. 行動を起こすためのデータを表示するセクションを分析ツールに作る。行動に移すことが可能な、事業に重要な情報のみを記録しよう。パフォーマンスの調子はどうか?収益および戦略の目的をどの程度達成しているのか?トラフィックを得るだけでなく、実際にセールスを増やし、会社を成長させ、そして、費用効率を高める – 効果を上げるアイテムに焦点を絞るべきである。
  3. 外部のコンサルタントを雇い、自分は重要な仕事に専念する。ウェブサイトに100名がアクセスし、そのうちの2名が製品を購入しているなら、残りのビジター(最初は興味を持っていた人達)は、なぜ買わなかったのか考えてもらいたい。過去を振り返り、分析すると、成功へのルートが見えてくるかもしれない。
  4. 計測することが出来ない取り組みには、資金を投じるべきではない。すべて計測するべきである。結果を記録し、時間と資金を投じるあらゆるアイテムの価値を分析しよう。

SEOの過ち #2: 指揮することなく、管理する

ビジネスの管理に関して、適度なのか、あるいは、過剰なのかの判断は、経営者が抱えている難題だと言えるだろう。

リーダーは、会社全体を万遍なく見渡すことが出来る。リーダーは、様々部門が合わさり、連動する仕組みを心得ている。そのため、調和して機能するように指揮する取り組みを最優先するべきである。スタッフの行動を細かく管理し、些細で、詳細にまで首を突っ込むと、マイナスに働くだけである。

教訓:

  1. SEOコンサルタントの取り組みを細かく管理するべきではない。ある程度自由を与えてあげよう。SEOは、複雑であり、変化が多く、詳細なデータと知識を複数のルールに当てはめることが要求される取り組みである。SEOのエキスパートにしか分からないこともあるのだ。
  2. SEOコンサルタントに十分な権限を与える。突拍子もないSEOの戦略を要求する(今週中に100本リンクを手に入れたい)のは、適切なアプローチではない。関与する必要がある際は、SEOコンサルタント側から要請を受けるだろう。

SEOの過ち #3: 相乗効果に欠ける低レベルな組織の構造

ビジネスモデル、あるいは、組織の構造自体が、会社の成長に歯止めをかけている状況に遭遇したことがある。とりわけ、規模が大きく、歴史のある、従来型の企業では、この問題が、収益の足を引っ張ていることをリーダーに認めてもらうのは、非常に難しい。

現在の経済では、拡大縮小可能であり、進化し、必要に応じて、変化に対応することが出来るビジネスモデルを作る方針が、必要とされている。このような状況下では、規模が小さい方が、有利な場合もある。

教訓:

  1. 内部の組織構造を見直す。部門(営業、マーケティング、PR)、そして、スタッフは、コミュニケーション & コラボレーションにおいて、効果的に組織化されているだろうか?
  2. 適切な部門とスタッフに仕事を委託するべきである。各部門のマーケティングのアクティビティに相乗効果が出るように、タスクを割り当てよう。各部門で、全てのイニシアチブを管理し、承認させてから、次の段階に進む構造が必要である。
  3. ビジネスとマーケティングにおいて、消費者を意識する。会社のニーズではなく、顧客のニーズを満たすことに力を入れるべきである。自分のビジネスについて、永遠と説明するのではなく、製品とサービスを通じて、消費者の問題を解決し、生活を改善する方法を伝えるのだ。

SEOの過ち #4: 統合の欠如

相乗効果を起こし、各要素を強化する統合的な戦略によって導かれる、複数のチャンネルのセールスとマーケティングの取り組みを統合する方針を策定することに、多くの会社の経営者が失敗している。

検索エンジン、ソーシャルメディア、PR、そして、モバイルのユニット、さらには、地域のビジネスに地域の顧客とセールスを呼び込む手腕の間には、相互依存の関係がある。適切な戦略を策定しているなら – 容易に得られるメリットはたくさんあるはずだ。

教訓:

  1. 本物のSEOのエキスパートは、分析、事業開発、そして、マーケティングのスキルを持ち合わせている。経験豊かなSEOコンサルタントは、理想的な顧客を集め、ビジネスの機会を見出し、ビジネスのその他のパーツを最適化する際に大いに貢献する。
  2. マーケティングミックス内の相互依存および相乗効果を軽視するべきではない。SEOは複雑且つ困難な仕事だが、想像以上に多くの面で、価値を加える。

SEOの過ち #5: 短期的な考え & 予算配分

マーケティングサービス、または、SEOサービスを、直観、そして、欠陥だらけの認識をもとに採用する判断を下す会社を私は何度も目の当たりにしてきた。 リーダー達は、SEOはグーグル等の検索エンジンの結果ページのランキングを改善するだけだと考え、SEOの重要性を軽視することが多い。しかし、SEOには、ランキングの改善以外にも遥かに多くのメリットがある。

SEOを、決して「コスト」として考えるべきではない。あくまでも「投資」である。通常、大きな利益が生まれ、長年に渡って、見返りがもたらされることになる。

教訓:

  1. SEOサービスの計画および購入を見直す。多くの企業にとって、SEOこそが最も収益に貢献する取り組みである。それにも関わらず、予算のほんの一部しか割り当ててもらえないのが現状である。SEOの予算を増やすと、収益および戦略の目標をより早く実現することが可能になる。
  2. SEOサービスを購入する際は、価格ばかりに注目するべきではない。優れたSEOは、型にはまった取り組みではない。低価格のSEOプロバイダーでも、ルートを提示してくれるかもしれないが、ベストプラクティスに根差したより高額の提案と比べ、結局、より多くのコストがかかり、より複雑になり、そして、よりリスクが高まる可能性がある。
  3. パフォーマンスベースで報酬を決める努力をする。 SEOコンサルタントが、理想的なリードとセールスを数多くもたらしているものの、リソースが不十分なら、自由を与え、「無制限」の予算を提供しよう(投資に対して、十分な利益を上げていることが条件)。多くの収益を得られる可能性がある。
  4. 知識の譲渡とSEOのトレーニングに力を入れる。時間と資金をこの2つの取り組みに投じるクライアントは、直接的なメリット、そして、持続的なメリットを多く獲得する。だからこそ、私は全てのクライアントに基礎的なSEOのトレーニングの実施を薦めているのだ – 私の収入が増えるからではなく、トレー二ングから大きな利点を得られるからだ。
  5. 応急措置の効果は長続きしない。一部の会社は、知識の譲渡を行う価値を理解していない。「問題を直してもらえれば」それで良しと考えているのだ。このタイプの会社は、間違いなく停滞、もしくは、失敗する。「修正」のコストは後に高くつく。

冒頭でも申し上げた通り、現在のデジタル経済において、会社を引っ張るのは容易ではない。しかし、今回紹介した提案を実行に移すると、トラフィック、リード、そして、セールスを増やすだけでなく、コストを抑えつつ、収益および戦略の目標を達成することが出来るようになるだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「5 Critical SEO Mistakes Leaders Must Avoid」を翻訳した内容です。

どれもまさにその通り!なことばかりですが、記事通りに効果的なSEOを運用するのは、中々の至難の業なのも事実。とはいえ、SEOがもたらすトラフィックやコンバージョンの影響力は意図的なSEOの難易度が増したとはいえ、まだまだ圧倒的なものがありますし、本気でSEOを導入している企業にはその効果を満喫しているところも多数あります。さてあなたの会社はどうしますか? — SEO Japan [G+]

パンダアップデート後でも薦められる3つの外部リンク構築手法

Googleのアルゴリズム進化で日本のSEOで定番だった外部リンク施策が通じなくなった今。とはいえ、まだまだできることはある、ということでサーチエンジンランドから今でも通じる外部リンク施策のアドバイスを。 — SEO Japan

google-matt-cutts-links-1364992271 「このたび、貴サイトの一部ページで、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反した手法が使用されている可能性があることが判明しました。」

この通知を受けた企業SEOの担当者は、通常、大きく落ち込むことになる。

SERP内のキーワードのヘッドタームを確認し、ウェブサイトがどこにも見当たらないことに気づく。「グーグルからペナルティーを受けた」ことを悟り、大きなショックを受けるのだ。

リンク構築の難問

グーグルは、ここ数年間、不自然なリンクの取り締まりを強化しており、SEO業界では、「リンク構築はもうダメなのか?」と言う疑問が上がっている。

リンク構築が終わったと考える人達は、「不自然」または「人為的」なリンクのグーグルの定義が、割と範囲が広いことを理由に挙げている:

「Google 検索結果でのサイトのランキングを操作することを意図したリンクは、リンク プログラムの一部と見なされることがあります。」

当然ながら、「怪しいリンク」に対するペナルティーは、とても厳しい。スポーツ選手は、ルールを違反したとしても、数試合欠場すれば、競技に復帰することが出来るが、グーグルのウェブマスターガイドラインを違反した会社は、もっと多くのものを失う可能性がある。

事実、一部の企業は、悪名高いグーグルのペナルティーを受けた結果、大幅に収益を減らしている。大規模な小売店、そして、eコマースを運営する企業は、自然な検索からのトラフィックを失うことで、収益が500万ドル経ると見られている。

小さな会社が、この手のペナルティーに直面すると、事業の閉鎖を余儀なくされることがある。繰り返そう。グーグルによって、自業自得であれ、どうであれ、事業の閉鎖に追い込まれる可能性があるのだ。

グーグルが、劣悪なリンクに対して、SEOの担当者に与えた恐怖は、とても大きい。「リンク構築は、もう役に立たなくなったのか?」と考える人がいてもおかしくはない。

リンク構築は

上の疑問に対しては、断固として「リンク構築は終わっていない。リンク構築は、健在だ」と声を大にして答えたい。しかし、慎重に行う必要はある。

ペンギン 2.0に関する最近のレポートのおかげで、保守的なSEO業者は、積極的なリンク構築に反対するかもしれないが、現実として、SERPの1ページ目の大半は、リンクプロフィールのおかげで、その地位を獲得している。

リンクは、検索業界における、グーグルの“弱味”である。グーグルは、検索結果ページでウェブサイトをランク付けする際に、今でもリンクに依存している。

それでは、エンタープライズSEOが、ペナルティーを受けずにリンク構築を行うには、どうすればいいのだろうか?ペナルティーを避けつつ、優れたリンクを活用して、自然に、上位にランクインするためには何をすればいいのだろうか?今回は、三名のリンク構築のエキスパートが薦める、リンク構築の王道を紹介していく。

1. リンク評価を行う

これは、確実に最初に実行する必要がある作業である。リンクの評価には、複数の段階があり、そして、ツールも必要になる。しかし、チャック・プライス氏のアドバイスに従っていれば、リンク評価を完了することが出来る。

リンク評価を実行する方法」の中で、チャック・プライス氏は、リンク評価の全てのステップを分かりやすく説明している。リンク構築を行うつもりかどうかに関わらず、すぐにリンク評価を行うことを薦める – 今後の問題を避ける上で役に立つためだ。

プライス氏は、「最新のリンクをウェブマスターツールからダウンロードする方法」と完全な被リンクプロフィールを手に入れる方法を説明している。この2つの取り組みによって、見直して、削除/無効化を考慮するリンクを特定することが可能になる。その例を挙げていく:

  • グーグルでインデックスされていないドメインからのリンク
  • マルウェアやウイルスの警告を含むウェブサイトからのリンク
  • スパムな、関係のないページ上にあるリンク
  • グーグルのページランクが、グレイバーまたはゼロのページ上のリンク
  • リンクネットワーク経由のリンク
  • サイトワイドのリンク – 特にブログロールとフッターのリンク
  • 有料リンク

2. 関連性を保つ

次の重要なステップは、関連性を確保することだ。関連するリンクを構築する方法に関する良質な記事をケン・ライアンズ氏が投稿している。

当該の記事「リンク構築: 関連性を是が非でも確保せよ」は、とても分かりやすい。ケン・ライアンズ氏は、信頼できるガイド、インフォグラフィック、業界のトレンド、グループインタビュー、業界の賞、ゲスト投稿等、そして、「リンクの購入」を適切なリンク構築戦略として取り上げている。全てのSEOの担当者に読んでもらいたい。

ライアンズ氏は、リンクの関連性を、グーグルが、信頼性を特定し、ターゲットの文書のトピックや前後関係を解釈し、適切な背景で関連する情報を提供し(つまり、関連するクエリの結果)、そして、リンクスパムを区別する方法と描写している。

関連性に関して、同氏は、関連するリンクの戦略において、次のようなアドバイスも提供している:

  • 詳細なレビュー: 注目に値する製品やサービス
  • 無料のツール: 主な目的は、接触をすること
  • コンテンツの収集: 広範な記事 & 週に一度提供するまとめ記事
  • リンク切れリンク構築: オーソリティのレベルが高く、関連するリンクを得る機会を掘り出す
  • ニッチのマイクロサイト: 特定のトピックやニッチに特化したサイト

3. PR戦略を活用する

最後に、詳しく説明されることが少ない取り組みを推奨する: それはPRを使って、リンク構築を行う取り組みである。KoMarketingでオンラインマーケティング部門のディレクターを務める、カシー・ジレット氏が、先日、「リンク構築に利用可能な5つのPR戦略」を投稿していた。

ジレット氏は、コンテンツを探し出し、ピッチを投稿し、ソースを求めている人達を探す – コネクションを作り、潜在的なリンクの機会を発見する上で役に立つ – PRに焦点を絞ったツールを批評している。

同氏は、記者が、ソーシャルメディアを使って、ストーリーを調達している事実を指摘している。検索マーケッターは、この取り組みから、リンク構築を行う大きな機会を得ることが出来る。また、ジレット氏は、分割したレポーターのリストを作成し、データを集めるためのツールを紹介している。

イベントでのインタビューもまた、リンクの源として活用することが出来るかもしれない。ジレット氏は、カンファレンスで、イベントの前、途中、そして、後に出席者にインタビューを求める人達が必ずいるので、インタビューを設定してもらえるかもしれないと述べている。

最後に、記事を投稿する機会をチェックする取り組みをジレット氏は薦めている。この取り組みから、質の高い被リンクを構築する、優れたメソッドを得られるためだ。

今回紹介したクリエイティブなプロの人達おかげで(他にも大勢いる)、リンク構築は、今も健在である。リンクがSEOの基盤になることは、周知の事実である – そのため、今回取り上げた戦略を検討してもらいたい。

これはリンク構築に対する、最も重要な答えではない – しかし、1) リンク評価を行い、2) 関連性を保ち、3) PR戦略を活用する取り組みをリンク構築戦略に盛り込めば、エンタープライズSEOは、失敗しないはずである。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Is Link Building Dead? 3 Tips For Link Builders Post-Penguin 2.0」を翻訳した内容です。

SEOのベテランにしてみれば「そんなこと分かってるよ!」という話だったかもしれませんし、この作業が面倒故に容易な有料リンクにサイト運営者もSEOサービス提供会社も頼りすぎてきた事実はあると思いますが、今後の外部最適化はこういった作業をいかに効率的に効果的に行えるかということにかかっているのもまた事実です。

私が関わる会社でも最近、社歌をPV配信(お金がないので、全て社員活用の低コスト映像)してみた所、逆にそれがウケたのか、ニコ動でプチブレイクし、社名検索時にもランクインするという快挙を成し遂げました。リード獲得的に良いのか?という話はありますが 汗、コンテンツマーケティング時代の到来とそれをうちのようなベンチャー企業ならともかく一定規模以上の企業で社内稟議を通して実施することの難しさを感じさせる出来事でもありました。 — SEO Japan [G+]

SEOのランキングレポートの必要性と妥当性を考える

ユーザー単位での検索結果のパーソナライゼーションや、特定キーワードの順位を追うことの意味の無さ論、順位より全体のトラフィックや収益が大事論などを前に、SEOの定番レポートでありながら、常に非難の雨にさらされ続けてきたランキングレポート。サーチエンジンランドから改めてそんなSEOのランキングレポートについて考えてみた記事を。 — SEO Japan

SEOコミュニティでは、以前から、自然ランキングのレポートの是非について、議論が交わされている。データの精度に関して、利用規約を破って、データをコピーするツールに関して、クライアントのレポートの必要性に関して等、この分野賛否両論のトピックに事欠かさない。また、ランキングレポートが、パフォーマンスを観察する上で、本当に必要かどうかを問う声も上がっている。この主張を押す側、そして、反対する側の双方が、説得力のある – そして、適切な – 意見を展開している。

SEOのエキスパートとして、主要な成果の基準(自然なトラフィックやコンバージョンの量)を優先するべきだ、と私個人は考えている。ビジネスの結果にとって、このメトリクスは、より適切だと思えるからだ。

「ランキング」の価値

同じクエリの検索結果で、ウェブサイトを上位にランクインさせることは可能である。そして、この「ランク」は、毎分、毎日、そして、デバイスによって、変動する。検索エンジンが結果を表示する前に検討する複雑な要素を考慮すると、ランキングを計測する確実な方法を編み出すことは、事実上不可能である。パーソナライズローカル、検索の履歴、利用されるデバイス等 – の不確定要素、そして、検索結果への影響の詳細な分析が行われている。

関連性のある自然なトラフィックをウェブサイトにもたらすためには、ウェブサイトをある程度高い順位にランクインさせなければならない。問題とされているのは、この順位を正確に特定し、具体的なランクの価値を割り当てる行為である。

先日、SEOのエキスパートのグループの力を借り、(非科学的)な実験を行い、ある会社が優先するフレーズのランクを分析した。実験の参加者には、15分間にわたって、グーグルを使って、米国内の様々な場所から、それぞれのコンピュータで、様々なブラウザとウェブプロキシを用いて、一部はログインした状態で、そして、ログアウトした状態で、まったく同じ検索を行ってもらった。

その結果、この会社のサイトは、1ページ目の様々な順位にランクインしていたものの、一部のケースでは、1ページ目から漏れていることが判明した。それでは、このフレーズに対する当該のウェブサイトの「ランク」は何位なのだろうか?謎である。

ランクを追い求める

特定のランクを狙う取り組みは、無益である。一方、計測可能で、行動に移すことが可能な基準に力を入れる取り組みは、有益である。

検索結果の「ランク」は、検索エンジンのユーザーに見てもらい、トラフィックをウェブサイトにもたらす効果がある。分析ツールでサイトの特定のページを精査すると – 自然の検索から、ウェブページにトラフィックを送り込むキーワードの量は、ページを最適化した特定のキーワードよりも遥かに多いことに気づくはずだ。実際の検索クエリは、ターゲットに選んだフレーズの副産物、ターゲットに選んだフレーズ、ブランドならではのフレーズのバリエーション、そして、ロングテールのフレーズの組み合わせである可能性が高い。

適切なキーワードとフレーズに対して、ページを最適化する際、当該のページへの自然のトラフィックの増加によって計測する目に触れる機会を永遠に追い求める傾向がある。(not provided)プライバシー保護の設定のため、キーワードを全て把握することは出来ないものの、自然のトラフィックに対するランディングページのレベルで、行動に移すことが可能なデータ(一部のクエリのデータ、エンゲージメント(オーディエンスの参加のレベル)のデータ、コンバージョンのデータ等)を数多く得ることが出来る。

ランキングレポートに焦点を絞るのではなく、事業の成果に影響を与える計測基準 – トラフィック、その次にコンバージョン(売り上げ、リード生成、エンゲージメント、その他のウェブページまたはウェブサイトの目標)を優先して、SEOプログラムの価値を証明するべきである。

結局、重要になるのは、品質である。潜在的なキーワードやフレーズの調査を真剣に行うのは、質の高いビジターを確保するためだ。ページの内容を検索の意図に合わせて、トラフィックを適切な訪問とコンバージョンに変える必要があるのだ。

何かが思い通りにいっていないことを、どうすれば知ることが出来るのだろうか?

パフォーマンスの観測と内部の評価を行うために、ランキングレポートが利用されることがある。大きな変化(特に順位の大幅な落下)を、重大なダメージを受ける前に、確認する取り組みは、重要視されている。積極的な姿勢は、SEOを成功に導く要素だと私は考えている。そして、ランキングレポートに頼らなくても、積極的に評価することが出来る効率の良い方法が、存在するはずである。

自然の検索結果を分析する3つの代案

ウェブマスターツール

グーグルウェブマスターツールは、大きなトラフィックの変化を記録すると、ウェブマスターに警告を発する(検索結果から脱落する – つまり、トラフィックに影響が現れる)。また、ウェブマスターツールは、キーワードレベルのデータが絶対に必要とされる場合、「ランク」に関するトレンドをチェックする上で有益な「平均掲載順位」をウェブマスターに伝えてくれる。Webmaster tools traffic / search clicks warnings

分析プログラム

大半の分析プログラムは、特定のパフォーマンスの基準を監視させ、警告を発するように設定することが出来る。グーグルアナリティクスでは、インテリジェンスイベント機能を介して、自動アラート(「大きな変化を検出すると、グーグルが生成する」)とカスタムアラート(自分で特定することが可能)を利用することが出来る。詳細はグーグルのページで確認してもらいたい:

Intelligence Events Overview in Google Analytics

自力で順位を確認

ランキングレポートよりも大幅にスピードは落ちるものの、自分で順位をチェックして、期待した結果と順位が一致しているか、そして、実際のリスティングが、上下のリスティングよりも優れていることを確認してもらいたい。

ペナルティの問題…

グーグルのデータベースを“取得”する行為は、利用規約に違反する。この規約の施行は不可能に近いものの、検索結果でユーザーの目に触れる機会を増やすことを望み、トラフィックを獲得するために必要な検索エンジンの利用規約を意図的に違反するのは、直観的に適切な方針だとは思えない。私ならルールを守り、所謂、“猛獣”を怒らせないように注意する。

グーグルの利用規約の本サービスの利用の項目を確認しよう:

本サービスを不正に利用しないでください。たとえば、本サービスの妨害や、Google が提供するインターフェースおよび手順以外の方法による本サービスへのアクセスを試みてはなりません。ユーザーは、法律(輸出、再輸出に関して適用される法規制を含みます)で認められている場合に限り、本サービスを利用することができます。

本当にランキングレポートが必要なのか?

クライアント、上司、または、マネージャーから、ランキングレポートには「y」位と記されているにも関わらず、実際の検索結果には「x」位であることを問われた経験があるなら、ランキングの報告が無益な取り組みだと気づいているはずである。結局、実際に検索を実行すると、レポートとは異なる結果が表示され – レポートの結果(の妥当性)を説明しなければならなくなるのだ。

「ランキング」と言う名の動く的を追いかけるのではなく、最も大事な測定アイテム、つまり、トラフィックコンバージョンに焦点を絞るべきである。ランキングレポートからは窺い知ることが出来ない情報を、パフォーマンスのデータから得ることが出来るからだ。

最後になるが、ランキングレポートだけでなく、デジタルパフォーマンスの領域には、進歩が必要とされている分野がいくつもある。事実、「SEO」と言う用語自体が、矛盾している。検索エンジンを最適化することが出来るのは、検索エンジンを運営する会社のスタッフのみである。そのため、「ウェブサイトの最適化」という表現の方が正しい。

現在、SEOのエキスパートは、複数の役目を持ち、サイトの質、技術的なパフォーマンス、ユーザビリティ、そして、従来のマーケティングに力を入れている…この点に関しては、違う機会に詳しく説明したいと思う。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Fallacy Of SEO Ranking Reports: How To Better Spend Your Time & Effort」を翻訳した内容です。

結局、順位よりトラフィックや成果が大事、という当たり前の結論にはなりました。ウェブマーケティングの進化に伴い、「SEO」ではなく「ウェブサイトの最適化」という表現が正しい、ということも分からなくはないのですけどね。ウェブサイトの最適化といっても、様々な要素がありますし、特にテクニカルなSEOは、一種、CSSやレスポンシブデザインのような、ウェブサイト制作上の重要な1要素として残っていくのだとは思います(コンテンツマーケティング路線はまた別の話として)。しかし今日のウェブ制作者の大半が妙なSEOへの毛嫌いも含めて、テクニカルSEOに対応できてない人が(そもそも学ぶ気もない)大半のもまた事実なんですが。逆にこの辺狙ったらかなりのビジネスチャンスとも思うのですが、さていかがでしょう。 — SEO Japan [G+]

コンテンツがユーザーを検索する時代

検索マーケティングの際、ユーザーの検索行動を考えるのはプランニングの基本中の基本ともいえますが、最近はGoogleの進化に伴って、Google Nowに代表されるように、検索エンジン自体がユーザー行動を予測し支援する時代に入りつつあります。その支援対象となるコンテンツに自社サイトやコンテンツが選ばれるかどうかが重要なわけですが、そんなパラダイムシフトに関して私たちはどう立ち向かうべきなのでしょうか?サーチエンジンランドから1つの見解を。 — SEO Japan

検索に関しては、サーバーサイドではなく、クライアントサイドでクエリの入力が始まると言う考えが定着している。しかし、グーグルナウやその他のサービスが、この長年にわたるトレンドを変えつつある。検索は、基本的にユーザーが始めたアクションを意味する。それでは、グーグルナウやナレッジグラフ等のテクノロジーによって、どのようにしてこの概念が変わりつつあるのだろうか?

まず、グーグルナウについて簡潔に説明していく。グーグルナウは、グーグルのモバイル検索アプリの内部で提供されており、ユーザーが生成したクエリに答えるだけでなく、推測テクノロジーを用いて、“カード”と言う形式で、ユーザーが必要としている可能性がある情報を提供する。グーグルは次のように説明している:

グーグルナウのカードは、最も必要と思われるときに表示されます。多くの場合、現在地、最近の検索、カレンダーの入力内容など、グーグルのアカウントで利用可能な情報に基づきます。

これは、モバイルの検索ユーザーにとって、非常に便利なプッシュテクノロジーを説明しているように私の耳には聞こえる。カードの例を次の画像で幾つか紹介する。

Google Now Cards

ナレッジグラフの拡大

自分からコンテンツを見つけるのではなく、コンテンツの方からユーザーを見つけると言うコンセプトには、実は、グーグルのユーザーは昔から親しみがある。グーグルのナレッジグラフは、このテクノロジーを以前から活用し、改善を行っている。例えば、検索用語[weather]をデスクトップのコンピュータに打ち込むと(ファイヤーフォックスを使い、グーグルにサインインしていない状態で)、次の結果が得られる:

Search Result Query Weather

下の画面全体のスクリーンショットを見れば、サインインしていないだけでなく、ファイヤーフォックスでプライベートブラウジング機能がオンになっていることが分かる。それでも、このクエリは、検索履歴のデータにアクセスすることなく、絞り込みを行い、コンテクストを加えていた – この場合、ジオロケーションさえあれば十分であった。

Full Version Above Screenshot

グーグルの検索結果、とりわけ、旅行およびレジャー業界に関して、その他の表示が強化された“答え”のタイプもまた大きな注目を集めている。

先日、[Encinitas Hotels]で検索を行ったところ、次のスポンサー付きの結果が表示されることに私は気づいた:

Search Google Encinitas Hotel

ナレッジグラフの収益化が行われている。明らかに仲介者の省略が行われているのだ。このケースでは、予約サービスが蚊帳の外に置かれている。消費者は、予約サービス同士の競争が激しくなり、手数料が下がるため、よりお得なパッケージを購入することが出来るようになるのだろうか?それとも、手数料は別の場所に消えるのだろうか?

いずれにせよ、航空券やホテルのセマンティック検索により、より有益な検索結果が生成され、ユーザーエクスペリエンスは向上するはずである。航空券の検索クエリ[Flights from San Diego to SFO]の結果を見てみよう。

Results Query Flights SD to SF

グーグルは、「パラメータ化されたクエリ」 – つまり、若干ハードコード化された自然な言語のクエリを変数に対応するプレースホルダー付きのクエリを使って、セマンティック検索の結果を活用している – ここでは、?loc1 から ?loc2までのフライトを示唆している(?locは空港の名前やコード)。

今後数年の間に素晴らしい機能が、グーグル(そして、その他の検索エンジン)からリリースされるはずだ。また、スタートレックのコンピュータを目指し、グーグルは着実に歩みを進めているように見える。

グーグルナウやグーグルグラス等、グーグルがもたらす最新の検索のイノベーションを介して「カード」のような表示を行う上で、セマンティックマークアップを使って、ページをマークアップすると、絶大な効果を発揮する。 グーグルが明らかにした最新のカードは、In depth articlesである。今後も新たにカードがリリースされていくはずだ。

ローカル & モバイルマーケティングにセマンティック検索が与えるインパクト

モバイルデバイスのローカル検索に対応する際、地域のビジネス(会社/店舗)を上位にランクインさせる取り組みの重要度はより高くなる。カルーセル内で1番目(あるいは、少なくとも、3番目まで)に表示されなければ、存在しないに等しい – 単純にグラフ内でのビジビリティはゼロである。スクリーンのサイズが小さいため、カルーセル内の大半の答えは、表示されない。

サンタモニカの美味しいハンバーガーに関する検索を例にとって考えてみよう。ラップトップ(少なくとも、グーグルにサインインした状態の私のラップトップにおいて)では、ローカルカルーセルの1位にUmami Burgerが表示された次の検索結果が返ってきた。

Search Santa Monica Burger  Local Carousel Results

モバイルの結果では、スクリーンが小さいため、ローカルカルーセルで1位になることの重要性は明白である:

Mobile Result Burger SM

セマンティックマークアップ & ナレッジカード

セマンティックマークアップは、機械が読み取れる情報を提供することが出来るため、アンサーエンジンに対処する際に有効に働く。検索エンジンのユーザーの個人情報(ジオロケーション、時間、過去の検索データ)との関係で考えると、グーグルは、インデックス内でコンテンツを絞り込み、SERPで直接答えを出すことが可能である。

schema.orgのマークアップをGメールに追加すると、グーグルナウを本来のパーソナルアシスタントのSiriにパワーアップさせ、さらにこのメリットを活かすことが出来る(この情報へのアクセスをグーグルに許可していることが前提)。搭乗券、フライトの遅れ、レストランの予約、ホテルの予約等の情報を把握する機能、そして、(カードと言う形で)タイミング良くユーザーに伝えるイベントリマインダー機能は、間違いなく便利である。

このようなカードは、必要に応じてプッシュされる。要するに、ユーザーのクエリの推測が可能になるのだ – そして、時間の経過と共に推測の精度は高まっていく。

さらに、インターネット全般、そして、デバイス間の相互通信の台頭および進化もまたプッシュ化の道を辿り、このトレンドをさらに加速させていくだろう(関連する情報のアラート等)。つまり、コンテンツの方からユーザーを探す取り組みが強化されるようになるのだ。

SEO業界の関係者にこのトレンドはどのような影響を与えるのだろうか?SEOは過去の遺物となるのだろうか?あるいは、本質、そして、手法を適応させなければならなくなるのだろうか?

まとめ

グーグルは、ナレッジグラフの構造化データと組み合わせて、ウェブページ上のセマンティックマークアップから得た構造化データ(通常は)を表示する最高のフォーマット/表示方法を試している。

通常、グーグルは、一度に数種類の表示形式を試し、ユーザーエクスペリエンスを最適化する取り組みを行っていると見られる。このような試みは、スタートレックのコンピュータになる夢、そして、アンサーエンジンの登場に深く関わっている。

現在、そして、今後の検索の世代に対して、ウェブサイトを強化して、最適化するため、次の取り組みを実施してもらいたい:

  • 出来るだけ多くのコンテンツをマークアップする
  • オーサーシップのステータスとパブリッシャーの情報をグーグルで活用する
  • 事前に情報をマークアップする

schema.orgは、活発であり、拡大を続けている。そのため、賢いマーケッター達は、出来るだけ多くの情報をマークアップし、変化が検索結果に影響を及ぼす際に、必要な浮力を得る取り組みを行っている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Used To Searching For Content? Now, Content Searches For You」を翻訳した内容です。

結局、マークアップちゃんとやりましょう、オーサーシップ構築しましょう、という話でした。日本では米国に比べるとまだまだ本格導入を行っているサイトは少ないようですが、今後確実に伸びてくるであろうこの世界、早目に対応できるかどうかが今後の検索マーケティングの成功のカギを握るのは間違いなさそうです。 — SEO Japan [G+]

検索順位を決めるSEO要素の進化、過去10年間の歴史

SMX West 2014も無事終了、進化を続けるSEOシーンに改めて休まず勉強を続けることの重要性を感じられずにはいられませんでした。今回はそんな進化を止めない検索結果の順位要素を過去に遡って比較してみてみようという面白い試みをサーチエンジンランドから。SMX Westでも講演したMozのランド・フィッシュキンが毎年発表しているSEOの順位要素データを元になっており、信頼性も高いそうなだけに興味深い内容。今日にいたる検索アルゴリズムの変遷、そして最新アルゴリズムの意味をより深く理解できると思います。 — SEO Japan

懐かしい話をしよう。SEO業界の有名人、ランド・フィッシュキン氏は、2005年に「Search Ranking Factors」(検索ランキングの要素)調査を立ち上げ、2年に1度のペースで、スタッフを交えて、鋭い見解を提供してきた。

8年間を通じた変化を見ていくと、面白いトレンドが浮かび上がってくる。経営陣または投資家に対して、SEOへの投資の必要性を説明することに苦労しているなら、過去を遡った見解が、役に立つ可能性がある。

簡単に背景を説明

誤解しないでもらいたいことがある。この調査には、1年分だけでも大量の情報が詰め込まれており、5年分の調査を簡潔にまとめる取り組みは、大変な労力が要求される。そのため、これは包括的な概要ではなく、「ハイライトのハイライト」と考えてもらいたい。

この調査では、一流のSEOのエキスパートが、様々なSEOの要素のインパクトを点数で評価している。対象となる要素は2年おきに改訂され、改善されているため、調査と調査を直接比較することは、不可能である。そこで、私は2011年と2013年に加えられたデータの相関関係ではなく、調査のデータ自体に注目した。

Mozの取り組みに固執する記事を作成することで、幾つかリスクが生まれる。まず、私がイメージギャラクターのように見えてしまう。しかし、保証しよう。これは広告目的の記事ではない。事実、SEO関連の情報は、Mozだけではなく、様々なサイトから仕入れている。次に、フィッシュキン氏から金銭が供与されているように思われる可能性がある。念のために言っておくが、その気があるなら、いつでも歓迎する。

控えめな見解: 2005年 & 2007年

Moz.comでは、2005年と2007年版のオリジナルの「Search Ranking Factors」調査を見つけることが出来なかった。しかし、Archive.orgで粘っていたところ、情報を見つけることに成功した。SEOの歴史が好きなら、このページをクリックして2005年版を、そして、このページで2007年にアップデートされたバージョン2に目を通してもらいたい。

Original 2005 Search Ranking Factors study by Rand Fishkin.

2005年に初めて実施されたSEOmozの「Search Ranking Factors」調査

2007 v2 Search Ranking Factors study by Rand Fishkin.

2007年に発表された「Search Ranking Factors」のバージョン 2

フィッシュキン氏が、2005年に671名がdel.icio.usでタグ付けし、「精力的にアップデートされた」VaughnsのGoogleのランキング要素リストに肉薄していることを喜んでいる姿を見て、思わず笑ってしまった。今なら、671回シェアしてもらうまでに2分間もかからないだろう。

Rand celebrates 671 del.icio.us tags in 2005.

2005年に671人にdel.icio.usでタグ付けされたことを喜ぶランド・フィッシュキン氏

2005年の調査には、12名の寄稿者(+ フィッシュキン氏)のみが参加していたが、2013年には120名以上に増えている。しかし、初回の調査では、今でも十分に興味深いデータが提供されている。2005年に特定されていた特に重要なランキング要素を以下に挙げていく:

  1. タイトルタグ
  2. リンクのアンカーテキスト
  3. 文書内で利用されているキーワード
  4. 文書のアクセシビリティ
  5. サイト内部のページから文書へのリンクの本数
  6. サイトの主なトピック
  7. リンクを張るページへの外部リンクの本数
  8. トピックのコミュニティでのサイトの人気度
  9. サイトの広範囲でのリンクの人気
  10. キーワードのスパム行為(「害をもたらすランキング要素」)

No.2「リンクのアンカーテキスト」を除く、全ての要素は、今でもある程度な重要な要素として健在である。

また、現在も、タイトルタグに注意する方針は、とても有効であり、キーワードスパムは慎むべきである。このデータに対して、「SEOが常に変化している」ことを示す、励みになる見解だと認識する方もいるかもしれない。しかし、2005年の時点で、今も尚、重要視されている「変わらない」トレンドが現れている — それは、適切なコンテンツ & 適切なリンクだ。

2007年版の上位の要素では、新しい要素が加わり、また、一部の要素に対して、変更が加えられたり、具体的に示されており、若干の変化が見られる:

  1. タイトルタグ内のキーワードの利用
  2. サイトの広範囲でのリンクの人気
  3. 被リンクのアンカーテキスト
  4. サイトの内部リンク構造でのリンクの人気度
  5. サイトの年齢
  6. サイトへの被リンクのトピックの関連性
  7. トピックのコミュニティでのサイトの人気度
  8. 本文のテキストでのキーワードの利用
  9. リンクを張るサイトの広範囲でのリンクの人気度
  10. サイトへの新しい被リンクの割合

リンクに関連する要素が、上位の大半を占めている(Wiepのリンクの価値の要素に関する調査も併せて紹介している)。これは、SEO業界自体が、生まれてから間もなく、有効な手法と無効な手法に関して、様々な考えが存在した時代に、SEO業者に対して、初めて示された有益なアドバイスであった。

このバージョンも、完全一致のアンカーテキストが有効であった時代を反映している。しかし、言うまでもなく、この数年後、Googleが質の低いリンクを取り締まり、完全一致のアンカーテキスト頼みのサイトは、しっぺ返しを食らうことになった。

2009年、2011年 & 2013年: 新たなトレンドが現れる

Mozは、2009年以降の調査を誇りに思っているようだ。2009年、2011年、そして、2013年の調査はMoz.comで簡単に見つけることが出来た。

The 2009 version of Search Ranking Factors, a.k.a. “V3.”

Search Ranking Factorsの2009年版、別名「V3」

Search Ranking Factors 2011 study.

Search Ranking Factors 2011年版

The most up-to-date Search Ranking Factors study from 2013.

Search Ranking Factorsの最新版(2013年)

2009年版2011年版、そして、2013年版の調査の形式は、過去の調査の形式から大幅に進化している。2009年の調査を最後に、総合的なランキング要素のリストが姿を消した。また、2009年版では、トップ 5のみが取り上げられている:

  1. 外部リンクのキーワードに焦点を絞ったアンカーテキスト
  2. 外部リンクの人気度(外部リンクの量/質)
  3. リンクのソースの多様性(固有のルートドメインからのリンクの本数)
  4. タイトルタグ内のキーワードの利用
  5. 信頼されているドメインからリンクの距離に基づくリンクの信頼度(例: TrustRank、Domain mozTrust等)

このデータは、当時、リンク構築が到達した熱狂的なレベルを反映している。このデータを見たら、方法が何であれ、誰でもリソースの大半をリンク構築に注ぎたくなるはずだ。

ドメインレベルでのリンクのオーソリティの基準

リンク構築の要素を具体的な領域に絞ると、面白いトレンドが幾つか見えてくる。 例えば、ブランドに関する事項は、2009年には全く触れられていない。しかし、この調査がリリースされる6ヵ月前に、ヴィンスアップデートの導入が行われていた。しかし、2011年、サイトのリンクプロフィールにおけるブランドの用語の割合は、ドメインレベルでのリンクのオーソリティの基準で8位、そして、2013年には6位に順位を上げていた。

また、ドメンイレベルでは、信頼性 vs 量に関するトレンドが新たに表れていた。2009年、被リンクの信頼のレベルは、ドメインレベルでのリンクの基準で1位に挙げられていた。2011年では3位、そして、2013年では2位であった。しかし、2011年と2013年の調査では、「固有のリンクを張るドメインの量」は、当時、そして、今でも、ドメインのリンクプロフィールの基準として、最も重要視されている。

しかし、ペンギンアップデートが行われ、ペナルティーを受けるサイトが続出しており、このデータは、直観とは相容れない結果となっている。事実、マット・グラット氏による2013年のレポートでのコメントは、上位の調査の結果を疑問視していた — 「Googleは、リンクの量を今まで以上に軽視しているように見える。その結果、重視されるリンクを獲得するインパクトが、さらに大きくなっているような気がする。」

また、リンクの多様性が、2009年の3位から、2011年と2013年には8位に順位を落とす中、トピックに関連するリンクの重要性は、上位を維持していた。

ページレベルでのリンクベースの特徴

完全一致のアンカーテキストは、どのように衰退していったのだろうか。2009年と2011年では1位に輝いていたものの、2013年には13位に大幅に順位を下げている。2013年のリストにいまだに残っていることが意外であったが、今も健在である — 事実、現在でも、完全一致のリンク構築を大々的に行うエージェンシーから距離を置こうとするクライアントに出会うことがある。

再び、「ページに対してリンクを張る固有のドメインの数」が2位に君臨し、シンプルな人気の重要度が浮き彫りになっている。リンクのトピックの関連性は、2009年の6位から、そして、2011年の7位から、2013年には3位に順位を上げており、注目に値する。しかし、このカテゴリーで特に影響力の強い要素の表現に最大のトレンドが反映されている。

2011年、5つの重要なページレベルでのリンクの要素には、軒並み「量」と言うワードが用いられていた。2013年になると、トップ 5には「多様性」、「量」、「トピックの関連性」、「多様性」、そして、「量」と言うワードが並んでいる。量は2013年でも重要視されているものの、その他のリンクの要素も重要と見なされるようになり、ハミングバードによってリンク構築がどのように変化するのか、そして、リンクの本数が、ランキングに今後も大きなインパクトを残すかどうかが問われるようになった。

ソーシャルの計測基準(ページレベル)

ソーシャルの分野に注目せずに、この記事を終えることは出来ない。2011年は、Twitterがソーシャルを制覇しており、この調査のソーシャルの基準を圧倒していた。2013年、Twitterに代わって、Google+が、調査結果を独占していた。

ただし、どう考えても、SEO業界は、検索へのソーシャルのインパクトを推測する取り組みを苦手にしている。例えば、2011年は、調査の参加者によると、Twitterの独り勝ち状態であった。しかし、同じ調査の相関関係のデータは、Facebookの要素が最も影響力が強いと示唆している。 そして、2013年、大勢のSEOのエキスパートが、Google+がランキングに多大な影響を与えると考えていた。しかし、Google自体は、何度もこの指摘を否定していた。

2013年版の調査での2点のコメントに、ソーシャルの現在、そして、未来への影響に対する、SEO業界の不安が集約されている気がする:

ハンナ・スミス氏: 「申し訳ないが、ページレベルのソーシャルの基準が、アルゴリズムで役割を果たしている、と言う指摘を受け入れられるだけの証拠を私は見たことがない。」

トッド・マリコート: 「Googleが、Google+を利用をさらにプッシュし、Google+のネットワークが大きくなると、そして、重要な関連性のデータの源として、信頼することが出来るようになると、さらに多くのソーシャルシグナルをグーグルは採用するようになるのではないだろうか。」

不透明な未来

ソーシャル、さらには、リンクでさえ、ランキングに影響を与えるのかどうか、今でも明確な答えは出されていない。リンク構築は、かつて、SEOの基本戦略であったが、一部の人達にとっては、一日も早く忘れたい苦い思い出となった。しかし、どのような種類の取り組み — リンク構築の取り組みも含む — が今後も利益をもたらすのかに関して、明確な手掛かりを与えている、大きなメタのトレンドが存在する。

「SEOではユーザーに焦点を絞れ」、「SEOの戦略は実際のビジターにメリットを与えなければならない」等の指摘は、至る所に転がっている。このような考えは、失敗や上位にランクインする効果のある取り組みに基づいているわけではない。長続きする検索ランキングの要素は、上位の獲得に有効であり、実際のユーザーにメリットを与える。そして、この要素こそが、今後も長期間に渡って、利益を与えてくれると期待することしか私達には出来ない。

リンク構築、そして、重要なリンクの獲得にも同じことが言える。過去のトレンドに基づくこの見解を考慮すると、今後も重視されるリンク構築では、アルゴリズムだけでなく、人間のユーザーに価値を与えることを意識しなければならないだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Fast Is SEO Really Changing? A Look Back At Search Ranking Factors」を翻訳した内容です。

サイト&ページ要素は当然としてもリンクやソーシャル要素の影響の変化が時代毎に出ていましたね。リンク中心のSEOがかつてあれだけもてはやされたのも過去のデータを見るに当然という気もします。ソーシャルに関してはGoogle+の影響力が話題にはなりますが、プラットフォームとしてはFacebookどころかTwitterにも限りなく後れを取っていますし、GoogleもそれをSEO要素に取り入れすぎることへはリスクもあり、かといってFacebookやTwitterがデータ提供してくれるとも限りませんし、非常に悩ましい状況なのでしょうね。記事で締めくくられているように「不透明な未来」ではありますが、「ユーザーに価値を与える」べく地道にコンテンツマーケティング的な努力をしていくしかないのでしょうか。 — SEO Japan [G+]

未来のSEOはSubject Experience Optimizationの略語になる

SEOという言葉、Googleのアルゴリズムやウェブマーケティングの進化に伴い、Search Engine Optimizationという言葉の存在意義が問われてくるのではと思う気がしなくもない私ですが、SEOは形をどころか言葉を変えて進化する、という意見をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

eating-words検索の未来を垣間見た。それは、キーワードを中心とした世界ではない。私はキーワードをユーザーの意図の目安として利用する取り組みを長年推奨してきたが、前言を撤回しようとしている。

検索は、大勢のエキスパートが考えもしなかった方向に進みつつある…テクノロジーの面で複雑且つ多種多様なプラットフォーム、デバイス、そして、インプットを融合しているのだ。

ユーザーが入力を始める前に計測することが可能な様々な要素 — 場所、検索の履歴、移動、サークル等 — を基にして、ユーザーの意図を発見する試みに検索エンジンが力を入れるようになるにつれ、ユーザーが実際に入力して、SERPにアクセスするワードの重要性は低くなった。また、グーグルナウやグーグルグラスで推し進められている会話型検索の台頭により、ユーザーは全く入力を行わない可能性もある。

現実の世界にあるキーワード

まずは、グーグルナウの仕組みを例にとって考えていこう。 「Who is the President of the United States?」(米国の大統領は誰?)と尋ねると、答え「it’s Barack Obama」(バラク・オバマです)が表示される。続いて、「Who is his wife?」(彼の妻は誰?)と尋ねると、答え「it’s Michelle Obama」(ミシェル・オバマです)」が再び表示される。しかし、ユーザーがこの答え、もしくは、SERPの別のページをクリックしたらどうなるだろうか?有名なファーストレディーがリストアップされたページが表示されるのかもしれない。サイトのオーナーは、リファラーのキーワードを[who is his wife](彼の妻は誰)だと考える。このキーワードは、[his](彼の)が示しているのが、オバマなのか、ジェファーソンなのか、もしくは、ワシントンなのか分からないため、有効ではない。

これは、キーワードベースのリファラーが向かおうとしている未来である。また、同時に「Not Provided」が100%になっても、腹を立てる必要がない理由の一つである(この問題の駆け引き、データの共有、そして、データに対する支払いを問題にするなら、腹を立てる理由は多々ある)。しかし、表面上は、有益な顧客のデータに関しては、それほど失うことは多くはないと言えるだろう。

ついにSEOは無用になるのか?

SEOは今後も有効に作用する。キーワードも消えることはない。従来の検索ボックスが普段の生活から姿を消すことはないだろう。しかし、検索ボックスにキーワードを入力する方法のバリエーションは、大幅に増える。

このような変化は、SEOを若干異なるコンセプトに成長させる上で欠かせない。念の為に伝えておくが、システムを操作する試みは、昨年のうちに、終了している。アルゴリズムをリバースエンジニアリングする試みは、多くの問題をもたらすだけである。

しかし、SEOの未来は、やはり最適化が鍵を握っている。ある意味、[SEO]に対するコンセプトを若干調整する必要はあるが、過去の取り組みが、再び新しい取り組みになる。昨年のSXSWカンファレンスで、マット・カッツ氏は、SEOを「Search Experience Opitimization」(検索体験の最適化)と考えるべきだと主張していた。今回、私はさらに一歩踏み込み、次の定義を提案する…

Subject Experience Optimization

SEOの関係者は、「マーケティング」、つまり、製品やサービスの宣伝および販売する行為について考えるのではなく、Subject(対象者) – つまりビジターに対して、出来るだけ質の高い体験を提供することに力を入れるべきである。

ユーザー体験を出来るだけ向上させるには、どのような要素の組み合わせを提示する必要があるのだろうか?ビジターは、ウェブサイトで、主にどのような行動を取ることを望んでいるのだろうか?そして、明確なヘッドラインとコピーを用いて、ビジターの基本的な動機と言葉に訴えかけるには、どうすればいいのだろうか?

1969年にR.A. フェアスロンによって考案された「Aboutness」と言うコンセプトがある。このコンセプトは、70年代の半ばにジョン・ハッチンが、そして、最近では、シャリ・スロウによって、再び注目を浴びる存在となった。 もともとは、図書館と情報科学の分野で利用されていたこのコンセプトは、マーケティングの世界では、ユーザーに対して、ページの「About」(内容)を明確にする試みを指す。

イメージを厳選し、適切な名前を与えることで、キーワードをベースとしたタイトルを作ることで、そして、ページの目的を明確に伝えるコピーを作成することで、アバウトネスを実現することが可能である。ここでキーワードが役に立つ。心を読むことが出来るなら話は別だが、ユーザーに行動を起こさせる言語を推測し、テストして、精度を高めなければならない。と言っても、より奥が深く、より詳細な「ユーザー体験の最適化」と混同しないでもらいたい。しかし、良質なSEOのエキスパートが考えるべき事柄と重複する部分も少しある。

テクニカルな最適化も生き残る

従来のSEO「Search Engine Optimization」の定義は、今後も有効であり、必要である。これは、検索エンジンを考慮して、ウェブサイトを最適化する方法に言及しており、検索エンジンがページをクロールして、複雑なコンテンツを理解してもらう取り組みから、schemaのマークアップに至るまで、様々な試みが含まれる。しかし、その他にも、今後注目するべき、さらに重要なSEOの要素が存在する。

エンティティ検索の台頭

今月の上旬に行われたSMX イーストでは、エンティティ検索、そして、今後のSEOに与える影響に関するパネル(私の知る限り、業界初)が行われた。デビッド・アマーランド氏は、セッションの冒頭で「木」についてオーディエンスに考えてもらいたいと呼び掛けていた。私は下の左の画像をイメージしたものの、すぐに、アマーランド氏が、右側の画像をイメージしてもらいたいのだと気が付いた:

trees

このセッションの残りの課題は、私が最初にイメージした事柄が原因で、とても鮮烈なものとなった。デビッド・アマーランド氏は、住んでいる世界によって、あるいは、木に対する理解によって、恐らく異なる事柄をイメージしたのではないかと指摘していた。私は、当時、エンティティとインフォメーションアーキテクチャについて考えていたため、「木」が左側の画像のように見えたのだ。

この例は、– 言葉が、考えを正しく表現することは出来ない — と言う普遍の真理を具体的に表現している。

グーグルが、居場所、前回撮影した写真、あるいは、検索履歴を基に、前回の休憩中に私がクライアントのためにインフォメーションアーキテクチャの作業を行っていたこと、もしくは、検索関連のカンファレンスに参加していたことを知っていたら、[木]に対する検索結果はその他のユーザーとは大幅に異なるものになった可能性がある。

そのため、新たなSEO — Subject Experience Optimization — の定義の下、クライアントのエンティティを明確に定義し、示す責任を負うことになる。どこに顧客はいるのか、何を専門としているのか?このような特徴は、その他のエンティティに対する関係をどのように形成するのか?「ローカル検索」、「オーサーシップ」、「リンクグラフ」等、中には良く知っているものもあるが、部分部分を足すだけでは、全体像は見えてこない。

SEOの未来は、キーワードではなく、「キーワード」がエンティティ、コンセプト、または、ターゲットに対してどのように関係を形成するのかがカギとなる。この点に関しては、エンティティ検索に関して、ポール・ブルーマーが投稿した記事を読んでおいてもらいたい。エマーランド氏のプレゼンにも目を通しておこう:

それがどのような形式を採用するのか、または、かつてDMOZを捨てたように、SEO業界がFreeBaseに群がるのかどうかに関しては、名言を避けたい。しかし、未来型の検索はすぐにやって来る。そこで、SEOは、すぐにトレンドに適応し、競合者をリードしていく必要がある。

クリエイティブコモンズの下、画像を利用した。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Eating My (Key)Words: Changing The Way We Think About SEO」を翻訳した内容です。

内容自体は普通に今後のSEOの在り方を書いたものでしたが、Subject Experience Optimizationとは言葉遊びの側面もあるかもですが中々粋な感じです。SubjectじゃなくてUserやVistorでもいいんじゃない?という意見はさておき。最も、本来のSEO自体、以前からSubject Experience Optimizationの意味合いも強かったわけですが、これまで注力されすぎた検索順位改善以上のその次のステージも含めて全体的にSEOに取り組むべき時代に入っていることは間違いありません。 — SEO Japan [G+]

あなたのSEOを劇的に改善する内部リンク構築戦略

意図的な外部リンク構築がペナルティ発動につながりかねない最近の「リンク構築」事情、中には外部リンク構築への取り組み他自体を全く止めてしまうサイトも増えているようです。外部がダメなら内部リンクの最適化に徹底的に取り組む!なんてサイトがもっと増えてきても良い気がしますが、意外となされていないのが現状だったりも。ということで、今回はサーチエンジンランドから内部リンク構築に関するガイド記事を。正しく行えば必ず集客に貢献するだけに、これを機会にあなたの内部リンク最適化を見直してみては。 — SEO Japan

「リンク構築」と言うワードを聞いた際に、一番初めに思いつくわけではないかもしれない。また、リンク構築において、セクシーな取り組みの一つには、挙げられないだろう。しかし、強固なリンク構築戦略を実行する上で、欠かせない取り組みの一つだと私は確信している。

…と言うことで、今回は、内部リンク構築について説明していく。

一斉に「えー」と言う声が聞こえてきそうだ。

心配する必要はない。アンカーテキストについて、長々と話すわけではない。代わりに、ロジカルな内部リンク構築戦略、そして、肝に銘じておいてもらいたい、より技術的な領域を幾つか挙げていく。

内部リンク構築戦略が重要である理由

SEOは、重要度の異なる多くのパーツで構成される、多角的な取り組みである。内部リンクが一番大事なパーツだと指摘しているわけではないが、確実に大事なパーツの一つに数えられる。

内部リンクは、SEOの取り組みの基盤となる。どのページを最も優先して欲しいのか、そして、どのページとどのページがテーマに関して関連しているのかを、検索エンジンに示すことが出来る。このようなシグナルは、価値、そして、意味をページに反映する上で、検索エンジンにとって、心強い味方になる。そのため、戦略的な内部リンク構築を介して、このシグナルを管理する取り組みを怠ると、検索エンジンの独断に翻弄されることになる。

グーグルがサイトに滞在する限られた時間の中で、どこにランク付けして欲しいのか、そして、どのページを優先しているのかに関して、検索エンジンを混乱させてしまうのは、何よりも悔やまれる。

内部リンクに関するロジカルな考え方

次のように内部リンク構築を見ている人達が多い:

internal linking

私はデザイナーではないので悪しからず。

この場合、「The Hulk」は最も重要なページである — つまり、グーグルにインデックスしてもらい、上位にランク付けしてもらいたいページだ。そのため、リンクを張る行為が論理的であるかどうか、あるいは、背景が一致しているかどうかに関わらず、その他の全てのページから、The Hulkページにリンクを張っている。

その結果、とんでもないことになる。このように内部リンクを構成してしまうと、検索エンジン、そして、ユーザーを混乱させてしまう。数百、もしくは、数千ページでこの方針を採用しているなら、尚更、ダメージは大きい。

その代わりに — あらゆるSEOおよびリンク構築の領域で推薦していることだが — ユーザーがウェブサイトをどのように移動しているのかについて、もっと真剣に考え、現在地に応じて、どの情報を有益と見なすか、考察してもらいたい。例えば、ページ Aの情報は、ページ Bに関連しているだろうか?ページ Aを読む人は、ページ Bも読みたいと思うだろうか?

通常、eコマースサイトは、この取り組みを巧みに実行している。ModClothを例にとって考えてみよう(同社のドレスが好きなこと以外は、このサイトを紹介する理由はない)。

mod-cloth-internal-linking

このページは、同様のスタイルのドレス、最も人気が高いドレス、そして、戻る/購入の情報に向けられた内部リンクを持つ。また、買い物客には、同じ生地、もしくは、カテゴリーの製品をタグを介して、閲覧する選択肢が与えられている。 唯一欠けているのは、ドレスを補うアクセサリ、マッチする靴、宝石、バッグ等の一連のリンクのみである。

ご覧のとおり、ModClothの内部構築戦略は、検索エンジンの結果ページを操作するのではなく、ユーザーに価値を提供することを重要視している。その結果、ユーザーが直感で理解することが可能であり、最も関連するキーワードに対して、最も重要なページを自然に優先する、内部リンクの構造が作られている。

もう一点例を挙げよう。現在、私はウェブサイトのデザイン変更を行っており、提供するサービスを今よりも巧みに提示することを、目標の一つに掲げている。効果的にこの取り組みを行うため、まず、単純に「自分がビジターだったら、そして、User Experince Designのサービスページにアクセスしたら、他に何を見たくなるのか」問い掛けることから始めた。この問いのおかげで、有益で、ロジカルな内部リンクに関する多くの優れたアイデアが生まれた。その一部を以下に挙げていく:

  • ポートフォーリオ: このページで、ビジターは、User Experience Designの仕事のサンプルを容易に確認することが出来る。
  • ケーススタディ: ビジターは、最近のクライアントの成果を確認することで、弊社の仕事の価値を見出すことが出来る。
  • スタッフ: ビジターは、User Experience Designのエキスパートをチェックすることが出来る。
  • 関連するブログの記事: 詳しい情報を求めるビジターのために、User Experience Designに関する詳細な記事、または、ニュース記事を用意しておく。
  • 関連するサービス: このページは、ビジターが検討する可能性のある付随する/関連するサービスのリストを提供する。

その結果、サービスページが、ウェブサイトのその他のセクションとどのように関連しているのかを、明確に理解することが出来るだけでなく、ページに掲載したい情報をリストアップしたことで、デザイナーの仕事が大幅に楽になった。

繰り返すが、検索エンジンに上位にランク付けしてもらいたいページではなく、ユーザーが有益だと考える情報を考慮することで、スパムすることなく、SEOの目標を達成する内部リンク構築戦略を策定することが可能になる。

内部リンクに関する技術面での検討事項

「テクニカルなSEO」に対して、別々に実施する特定のタスクのセットだと言うイメージを持っている人は多い。しかし、実際には、とりわけコンテンツの重複が考慮される領域においては、内部リンク構築戦略に、多くの技術的な領域を盛り込まなければならない。コンテンツの重複に関しては、他のページからリンクを張るページのバージョン、正規化しているページのバージョン、サイトマップ内のページのバージョン、そして、グーグルがインデックスしているページのバージョンが、一貫していなければならない。

実際にホームページで私が直面した問題を介して、このポイントを説明していく — www.352media.comはホームページの理想的なバージョンであった。そのため、このページのその他のバージョン(352media.com、/default、/default.aspx、/Default)から301 リダイレクトを設定して、重複するコンテンツを除去した。

リダイレクトを実装した後、問題は解決されたと私は推測した。しかし、その他のホームページのバージョンが、引き続き、検索結果に表示されていることが判明した。型破りなカノニカルタグがこの問題の原因であった:

  • “www.352media.com” から “www.352media.com/default.aspx”
  • “www.352media.com/default.aspx” から “www.352media.com/Default”

問題は、混乱したシグナルをグーグルに送っていた点である。ホームページの各種のバージョンから、www.352media.comにグーグルを導いていたものの、実際にグーグルがこのページに到達すると、今度は、たった今訪れていたページの方が、コンテンツを読みやすいと伝えていたのだ。

ブログでも同様の問題を抱えていた。グーグルのウェブマスターツールで、投稿/インデックスの比率に食い違いが見られたことで、この問題は明らかになった。ブログの記事にインデックスされたURLが、期待していたURLとは異なるケースが数多く見られたのであった:

  • 望ましいURL: http://www.352media.com/blog/Summing-Up-SEO-September.aspx
  • 実際にインデックスされたURL: http://www.352media.com/blog/post.aspx?id=3d843bb3-76b9-41c3-91b9-c80f92ac75af

さらに調査を行ったところ、再び、グーグルに混乱するシグナルを送っていたことが分かった。内部および外部のリンクにおいて、全て望ましいバージョンのURLを用いていたものの、2つ目のURLが正規化のバージョンだとグーグルに伝えていたため、このURLがインデックスされていたのだ。このように、どれだけ真剣に内部リンクの計画を練ったとしても、テクニカル SEOを戦略に盛り込んでいない状態では、失敗する。

結論

強固な内部リンク構築戦略は、頻繁にキーワードリッチなアンカーテキストを使って、ただ単に最も重要なページにリンクを張る方針を超越している。ユーザーのニーズを考慮し、技術的な面で一貫性を確保することで、自然で、直感的で、尚且つ、コンバージョンの目標と合致する内部リンク構築戦略を策定することが可能になる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、a href=”http://searchengineland.com/”target=”_blank”>Search Engine Landに掲載された「The Hitchhiker’s Guide To Internal Linking Strategy」を翻訳した内容です。

この記事はこの記事で参考にはなりますが、もう一歩具体策に踏み込んでほしかった気もします。実際、上位表示を達成したキーワードフレーズに対して対象コンテンツやページを設定し、適切な内部リンク最適化を行っていくだけでサイトの評価が高ければかなりのランキングアップを実現することも可能と思います。外部リンク対策を意図的にしかけにくい今日、プロアクティブな内部リンク構築がもっと見直されていっても良い気がする最近です。 — SEO Japan [G+]

初心者がアトリビューション分析の考え方を理解するための具体事例

日本でもアトリビューションに着目してウェブマーケティング予算を効率的に配分しようという動きが進みつつあるようですね。今回は、アトリビューション分析で一歩先を行く米国、、ではなくイギリスの事例からアトリビューション分析についての解説を。検索マーケティング視点につきサーチマーケッターが今後アトリビューションに取り組んでいく際の参考になりそうです。 — SEO Japan

慎重に考案したキャンペーンのアトリビューションは、ビジネスに対する本当の価値を表す。最初は、間違いの少ない絵を描く枠組みに決めても、割と早くその枠組みに艶を与えて、本当の価値と効率をマーケティングの予算の配分にもたらすことが可能になる。

先日、ある会社のマーケティングの担当者から「500万ポンドのマーケティング予算で、以前1500万ポンドの予算で得ていた利益と同等の利益を得るにはどうすればいいのか?」という質問を受けた。

多くのエージェンシーに、このような質問が寄せられる。不況後、マーケティング予算を拡大させた企業は、様々なチャンネルのマーケティング予算を組み合わせ、競合者に差をつけようと試みている。その際に、呪文のように繰り返されているのが、「効率」と言うワードである。

すると、当然、次のような疑問が浮かんでくる — 最も多くの収益をもたらしたのは、どのチャンネルなのか?今すぐ、ROIを計測するにはどうすればいいのか? — ちなみに、個人的に気に入っている問いは、「その分析データは、正確なのか?」だ。

この会社は、マーケティングミックス全体で行う、適切なオンラインキャンペーンから得られる効率をよく理解していたため、全体的にアプローチを見直すことに乗り気になっていた。しかし、当該のマーケットの特徴により、テレビが、今後もマーケティングミックスの大部分を担う点は、意地でも譲らなかった(残念ながら、ここではマーケットを明確に伝えることは出来ないが、ご自由に推測してもらいたい。ヒント: オンラインマーケティングにおいて歴史が長い、競争の激しい分野である。ただし、小売業ではない)。

また、この会社は、7-8ヶ国の言語をターゲットにする必要もあった。

このポイントは、全ての領域のマーケティングの予算を用いて、最大の見返りを得られる組み合わせを生み出す、理想的なマーケティングミックスを一から構築するチャンスのように思えた。

効果的なマーケティングミックスを作る

このケースでは、マーケティングミックスにおいて、明らかに優先する必要がある領域が幾つか存在する:

? 多言語(テクニカル)SEO。これは大きなポテンシャルを持つ領域である。驚くほど大きなチャンスであり、怠惰な競合相手を出し抜くことが出来るため、クライアントに有利に働く。これは一度きりの取り組みであり、予算から大きな金額を割り当てる。

? 競争があまり激しくない国。ターゲットの各地域で、PPCとSEOの競争の激しさを評価すると、毎月高額の費用が求められる双方の領域において、楽に得られる利益を世界中で見出すことが出来るようになる。また、それぞれのケースで、利益の規模を推測することも出来る。私達は、自然の検索の競争度を推測するためのツールを社内で作った。ちょっと時間を割いて考えれば、計測する手段が浮かんでくるのではないだろうか(アドバイス: マーケットのシェア、競合するページ、ランキング、当該の分野における関連するワード全体で占める割合、被リンクの強さ)。

? モバイルデバイスの競争のギャップ。モバイルデバイスに対するトラフィックのレベルが、今まで、PPCの入札への出費よりも高いことは、当然だと理解している — その結果、PPCの予算の入札戦略において、モバイルとタブレットを賢く分割することで、有効に利用することが可能なハンディキャップが生まれる(下の画像を参考にしてもらいたい)。

Kenshoo Mobile PPC Spend Vs Traffic

英国では、モバイルデバイスに対して、トラフィックと広告費の間にギャップがあることが2013年の始めに判明した。このギャップは、今も活用されていない。

? 動的リマーケティング。動的リマーケティングは、厳しく規定された目標に対して発動される。この手法は、失ったコンバージョンを捕える上で、予算を効率よく利用する効果が見込まれる。広告内で正確に適切な情報をマッチさせることが、リマーケティングの鍵を握る — そのため、静的な広告は(絶対に)避け、インベントリを使って、失ったコンバージョンの考えられる意図に関連するアイテムを明らかにする必要がある(私のクライアントは小売り業者ではないものの、「インベントリ」は持っている)。

? アフィリエイト。大幅に予算が削られると、アフィリエイトマーケティングが真っ先に退けられる。しかし、アフィリエイトマーケティングの撤廃を検討する前に、アトリビューションを確認してもらいたい。濃いコーヒーを飲みながら、まるまる1日確保し、アトリビューションモデルの基本に関するこの良質な記事の中で、アビナッシュ・コーシックが提供する例を一つずつじっくりと確認してもらいたい。 幾つか例を試し、特に、現在収益をもたらしているチェンネルを削る決定に与える影響を確認すると良いだろう。

? Eメール。動的リマーケティングの事例と同じように、Eメールのチャンネル用の予算の削減は、予算編成を失敗に導くことがある — なぜなら、このチャンネルのノンコンバータをソフトコンバージョン(登録、在庫の補充、最新のリリース/一足先の公開、一般的な情報、値引き、意見広告等)として吸い上げる力、そして、その後コンバートする力は、並外れて強いからだ。

とは言ったものの、Eメールのチャンネルで効率よく成果を上げられないことも多い。Eメールをコンバージョンパスの一環として統合しているサイトの目標の一つ一つに対して、送信する時間の間隔をカスタマイズしたアトリビューションモデルを考察すると、現在の価値がある程度把握できる。この価値は、このアクティビティに対する予算よりも大きい可能性が高いため、予算の額を変更する余地はほとんどない。

? ソーシャル。この会社は、現時点で、社内で巧みにソーシャルに対応しており、このマーケティングミックスの中でこのチャンネルに予算を割り当てる必要はないため、SEOのプロモーション予算に組み込まれる。

? オフライン。ユニバーサルアナリティクス、コールトラッキング、タグ付きのキャンペーン(URL短縮システムを使って、ソーシャルのエンゲージメントを豊かにする)を至る所で利用すれば、オフラインキャンペーンの影響を、コンバージョンパスにうまくアトリビュートすることが出来るようになるはずだ。このチャンネルに対しても、吟味を重ねたカスタムのアトリビューションモデルを考案してもらいたい。先のことを考えているなら、既存のデータにそのモデルを適用するべきだ。考えていなかったなら、タグ付けされたオフラインのキャンペーンのデータが入ってくるまで待つしかない。

その他に検討する必要があるのは、PPCの支出、オフライン、そして、SEOの実施(エージェンシー、または、社内)の予算配分のバランスである。ここでも、各チャンネルのアトリビューションモデルを考察することで、予算を削減すると発生するリスクを把握することが出来る。少なくとも、 時間を加えていくアトリビューションモデルを使って、理に叶った判断を下してもらいたい。

このバランスに関して、私は次のような判断を下した。

テクニカル SEOの利益の大きさ、そして、多国籍の特徴を考慮すると、ミドルテールのSEOとPPCキャンペーンを上位三ヶ国に大々的に割り当てることで、最も多くの見返りを得られる。テクニカル SEOにより、手っ取り早く得られる利益からメリットを享受することが可能であり、一般のSEOのパフォーマンスは、大幅に改善され、また、ランディングページは、全体のPPCキャンペーンを効果的にサポートする点において、より優れた品質スコアをもたらす。

ターゲットの地域で、適切にタグを付けた、小規模なテストのオフラインキャンペーンを行うことで、オフラインチャンネルに今後も残すことが可能な予算の最終的なスケールが示唆される。最も妥当だと思える推測アトリビューションモデルを使って、既定のROIの目標を達成することが出来ない場合は、後半のキャンペーンのPCCの予算に組み込み、最大のターゲットのマーケット(米国)のディスプレイとモバイルPPCのアクティビティの予算を増やす。

アフィリエイトマーケティングは、残念ながら、このミックスにおいては、バラ色の未来を約束されていない。このケースでは、マーケット内の競合者が多いため、過剰に気前の良いアフィリエイト契約が策定されている。また、大きくインベントリを収集し、SEOで成功するアフィリエイトの力を、グーグルが積極的に弾圧した結果、安価なトラフィックをもたらす力は失われ、低価格の契約を受け入れるアフィリエイトは少なくなった。

最初のオフライン広告を展開した後、パフォーマンスを見直して、1年間のマーケティングミックスを設定する。幾つかのシンプルなKPIに対するパフォーマンスによって、予算が加えられることもある。その結果、遥かに健全な基本のマーケティングミックス、そして、より競争力の強いオファーを介して、不況が訪れる前の状態に徐々に戻ることが可能になるだろう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Showing Value In 2014: SEO Attribution Deep Dive」を翻訳した内容です。

アトリビューション分析の基本的な考え方が理解できる記事でした。実践していくにはそれなりの試行錯誤と努力が必要と思いますが、限られたマーケ予算を効率的に使っていくためには、いずれ取り組まざるえないこの分野。今年中に一度はあなたのウェブマーケティングを棚卸してみては? — SEO Japan [G+]

ハーバード大学の研究報告:検索リターゲティングは検索広告とディスプレイ広告のギャップを埋めるか?

日本でも普及が進んできたリターゲティング広告。今回は特に検索リターゲティング広告に焦点を絞り、検索広告とディスプレイ広告のギャップを埋める存在としてその活用法を考えてみます。ハーバード大学の研究報告というこちらも気になる内容。 — SEO Japan

先日、ハーバード大学の経営大学院が、研究結果報告書「ディスプレイ広告は、検索に影響を与えるのか?アトリビューションとオンライン広告の仕組み」を発表した。この投稿では、報告書の詳しいデータと全ての調査結果を説明するのではなく、一部の結果に焦点を絞り、包括的なテーマを見ていきたいと思う:

  • 検索リターゲティングが、検索とディスプレイのギャップを埋める仕組み
  • ディスプレイ広告の予算を効果的に使って、検索リターゲティングを活用する方法
  • 検索とディスプレイにおける予算調整のリスクを検索リターゲティングが最小限に抑える仕組み

この報告者の中で、研究者は「ディスプレイ広告と検索広告に1ドルを投資すると、ディスプレイ広告では$1.24、検索広告では$1.75の利益になる。その結果、検索広告の予算の割合が36%を増え、その煽りを受けて、ディスプレイ広告の予算が削減された」と指摘している。

SEM vs Display ROI
研究者は、この調査の限界を理解しているものの、この結論は妥当だと思える。しかし、ディスプレイ広告とSEMの関係、とりわけ、銀行のみを対象としている点を考慮すると、過剰に簡略化していると言わざるを得ないだろう。

検索リターゲティングはキャンペーンのパフォーマンスの効果を最大限に高める

これはマーケッターにとって、最善のアプローチとは言えない。事実、この調査結果は、検索リターゲティングを使って、ディスプレイとSEMのパフォマーンスを最大限に高めるポテンシャルを強調している。 ディスプレイ広告は、検索を促し、その結果、検索のクリック率を高めることは、周知の事実である。この調査もまた、「ディスプレイには、検索を介したコンバージョンを高めるだけでなく、検索の訪問およびクリックを促す効果がある」と指摘している。

ディスプレイ広告の予算を効果的に管理する取り組みは、個人的には、難易度が高いと思う。ディスプレイ広告から、どれぐらいの予算を検索に移せばいいのだろうか?ディスプレイは、検索のコンバージョンにプラスの影響を与えるため、マーケッターは、SEMキャンペーンへの逆効果を考慮し、ディスプレイから必要以上に予算を奪わないように注意する必要がある。この問題を解決する上で、役に立つ可能性があるのが、検索リターゲティングだ。

検索リターゲティングは、ディスプレイ/検索のギャップを埋め、検索とディスプレイの予算を大幅に変える必要もなく、また、そのリスクを冒すこともなく、ディスプレイ広告の予算を遥かに効率的に使う機会をもたらす。

まず、マーケッターは、現在のディスプレイ広告の予算の一部を検索リターゲティングキャンペーンに移し、ディスプレイによる検索へのプラスのインパクトを確認するべきである。SEMキャンペーンを展開していない、関連する製品の検索を行っている消費者を獲得しているなら、当該の消費者をファネルに導いていることになる。

ディスプレイの予算を検索リターゲティングに移す

この取り組みは、次の2つのルートで、広告への投資の効率を改善する可能性がある:

  • SEMキャンペーンの範囲外の関連する製品やキーワードで検索を行っている消費者にディスプレイ広告を表示させることで、マーケッターは、ブランドの認知度を高め、当該の製品に対する検索を消費者に継続させることが出来る。

例えば、消費者がFord SUVに対する検索を行い、検索リターゲティングキャンペーンを通して、Toyota SUVの広告が表示されたと仮定する。これは、前回の記事で紹介した、ディスプレイ内のキーワードが拡大されており、SEMの範囲を超えているものの、マーケッターの製品に関連しているケースに該当する。

  • ディスプレイ広告は、マーケッターの製品に対する検索を行った消費者に表示される。その結果、ディスプレイキャンペーンのクリックスルー率を高める可能性がある。

例えば、この調査結果報告書では、「checking account」を検索し、キーワードベースの検索広告を見たものの、ディスプレイ広告が表示されなかったために、クリックしていなかった銀行の消費者に対して、ディスプレイ広告を見せると言う例が挙げられていた(検索のクリックを大幅に増やす可能性がある)。ディスプレイ広告を直接クリックする、もしくは、検索を促し、数日中にSEMを介したコンバージョンをもたらす可能性がある。

検索とディスプレイのギャップを埋める

ハーバードの報告書は、ディスプレイ広告が検索に影響を与える点、そして、キャンペーン全体において、大きなメリットを持っている点を完全に軽視しているわけではないが、パフォーマンスとROIを改善するためには、ディスプレイの予算を検索キャンペーンに移す方針が、解決策だと示唆している。

個人的には、完全にディスプレイの予算を移すのではなく、検索リターゲティングを用いて、両者の穴を埋める取り組みを薦める。こうすることで、ディスプレイ広告を自社製品、または、関連する製品に関心を持っている消費者に表示し、早い段階でコンバージョンファネルに消費者を導くことが可能になる。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Search Retargeting Is Bridging The Gap Between Search & Display」を翻訳した内容です。

リターゲティング広告に取り組んでいる方には興味深い内容だったと思いますが、それ以上にトップ大学がこういったネット広告界隈の研究に積極的に取り組んでいることに一層の興味が湧きました。私が関わっているデータアーティスト社でも大学との共同研究を行っていますし、いつか興味深い調査結果の報告ができればと思います。 — SEO Japan [G+]

マイクロデータとschemaの現状 – 構造化マークアップをSEOに活かすには

昨年行われたSMX Advancedで議論された構造化マークアップに関するセッションの書き起こし記事を。少し前のイベントになりますが、もちろん今でも十分通じる内容です。 — SEO Japan

advanced13_upclose 先週、私はSMX Advancedセッション「マイクロデータ & Schemaからリッチスニペットへ: 高度なSEO向けのマークアップ」に参加した。このセッションでは、エリザベス・オスメロスキ氏が進行役を務め、Searchmetrics社を設立したマーカス・トバー氏、Scripps Network社でSEMディレクターを務めるジュリア・ゴース氏、そして、Koshkonong LLCJのCEO、スティーブン・スペンサー氏が、講演者に名前を連ねていた。

このセッションが始まる前、スポンサーのブルース・クレイ氏が、スティーブン・スペンサー氏と私に対して、複数のschema/マークアップのタイプをデータハイライターと一緒に同じページで – 同時に – 用いた結果、グーグルが検索クエリに応じて異なるリッチスニペットを表示していると指摘していた。例えば、一つのクエリでレビューの星印、別のクエリでオーサーマークアップ等を表示させることが出来るのだ。実に興味深い指摘であった。キーワードの検索のタイプによって、異なる表示が呼び出される可能性は十分にあると思う。

Stephan Spencer, Elisabeth Osmeloski, and Marcus Tober

Science of SEOを運営するスティーブン・スペンサー氏が先陣を切り、RDFaの現在のバージョンが1.1であることを明かした。スペンサー氏は、60枚以上のスライドを用いて会場を沸かせ、リッチスニペットマークアップのタイプを簡単に説明していった。

以下に同氏が発表したプレゼンの内容を簡潔に箇条書きで紹介していく。

リッチスニペット:

  • リッチスニペットは、グーグルのリスティングでクリックスルー率を高める効果がある
  • オーサーの顔写真
  • 動画のサムネイル
  • 星評価
  • 製品ページについて
  • カテゴリページについて(全体的な評価に基づく)

グーグル+のオーサーシップマークアップがもたらすメリット:

  • クリックが増える
  • 検索エンジンのユーザーがページを訪問した後に「戻る」をクリックした際に、追加のリスティングが表示される

More listings appear with author snippets if a user visits the page then hits the back key to return to the search results!

グーグルのオーサーシップが不発に終わることもある。例えば、スペンサー氏が綴った本「The Art of SEO」に著者として強力した作者の名前が、スペンサー氏のサーチエンジンランドのオーサーページで言及されていたものの、エリック・エンゲ氏の写真がスペンサー氏の写真に代わって表示されていた。

優れた動画のサムネイルを得る方法 – 対応済みのフォーマットの一つをオンページのマークアップに加える:

  • schema.org/VideoObject(推奨)
  • Facebook Share
  • ヤフー!のRDFa

その他のアドバイス:

  • コードを実装した後に、グーグルの構造化データテストツールを使って検証する
  • Facebook Share 動画マークアップを利用する
  • 動画のXMLサイトマップを投稿する
  • shema.orgのリッチスニペットを活用する:
    • Reviews(評価)
    • Aggregate Reviews
    • Products/Offer
    • Breadcrumbs
    • Events

Ratings & Reviews:

  • http://schema.org/Rating
  • 必ずしもSERPに表示されるわけではない。信用に左右される
  • ビジビリティ、信用、CTRを改善する

Aggregate Reviewsを利用するアプローチは賢明である。

Site example that uses Aggregate Reviews at the Product page level.

http://schema.org/AggregateRatingと連動する。

Product/Offer:

  • Product http://schema.org/Product
  • Offer (製品の販売) http://schema.org/Offer
  • 検索エンジンに製品に関連するデータを与える
  • 今のところSERPに加えられる情報は価格のみ
  • SERPで価格が表示されるとCTRが高くなる

Breadcrumbs:

  • http://schema.org/WebPage
  • ブレッドクラムリンクをSERPに加える
  • リスティングが目立つ
  • サイトへのリンクをSERPに追加する
  • CTRを高くするポテンシャルを持つ

Examples of Breadcrumbs in Rich Snippets

Events http://schema.org/Event

現在地のschema(店舗や娯楽施設向け)

グーグルのデータハイライターの使い方:

  • ウェブマスターツール > 最適化 > データハイライターの順にアクセスする
  • 以前はウェブマスターツールのみでセマンティックマークアップを作るために利用されていた
  • ページにコードを加えない
  • 競合するサイトはマークアップを見ることが出来ない
  • テクノロジーに不慣れなクライアントやサイトに向いている
  • 大規模なサイトに対して、拡大しにくい(ただし「ページセット」を構築することは可能)
  • 記事、イベント、地域の店、製品、映画、レストラン、ソフトウェアアプリ、TVのエピソードに向いている

How-To: 構造化データ マークアップ支援ツール

  • ウェブマスターツールズ > その他のリソース > 構造化データ マークアップ支援ツールの順にアクセスする
  • ハイライターと同じように同じデータのタイプをマークアップする
  • 実際のHTMLコードをアウトプットする
  • ウェブページやeメールに対して利用することが可能
  • どんなサイトでも試すことが出来る
  • ページごとに実施する
  • 小さなサイト、または、開発者に対してコードの例を作る際に役に立つ

オープングラフ

  • フェイスブックでデータをマークアップする
  • http://developers.facebook.com/docs/opengraph/
  • 場所のマークアップをベースとした、センスの良い新しい機能が用意されている
  • 詳細 – http://searchengineland.com/seo-for-facebook-open-graph-search-150772
  • オープングラフがつけられた場所のページが“いいね!”されると、それぞれの場所にフェイスブックページを加える(とてもスマートな機能だと思う)
  • フェイスブックで場所のページを簡単に構築することが出来る

どのタイプのセマンティックマークアップを使うべきか?

  • RDFaを取るか、schema.orgを取るか?
  • 検索エンジンが作ったschema.orgは検索フレンドリーである
  • schemaの方が分かりやすい
  • RDFaは、W3Cの標準に準拠している
  • 新しいRDFa Liteは基本的にschemaと同じ
  • 次のページを読んでから決める:
  • http://manu.sporny.org/2012/mythical-differences/

スティーブン・スペンサー氏は、RDFa Liteが最も魅力的な選択肢だと指摘していた。

スペンサー氏による今後の予想:

  • schemaでサポートされるデータのタイプが増える
  • セマンティックデータのSERPへの統合が進む
  • 検索エンジンはSERPで直接データをさらに表示するようになる
  • データ自体を提供するだけでなく、データに価値を加えるにはどうすればいいのか?

推奨する取り組み

  • サイトのSEOを改善するため、今後何をすることが出来るのか?思いつく取り組みを3つ書き出し、実行に移す
  • 少しづつ作業を進めていく必要がある点を肝に銘じておこう
  • スペンサー氏が推奨する取り組みから一つ選び、実行すれば、ライバルを一歩リードすることが出来る

スティーブン・スペンサー氏が行ったプレゼンを全て見たいなら、次のスライドに目を通そう:



スペンサー氏に続いて、SearchMetricsマーカス・トバー氏がプレゼンを行った。

トバー氏は、(ゴミのスライドを見せながら)ウェブには大量の役に立たないアイテムが溢れていると指摘した。同氏は、一年間にどれだけ多くのページ/サイトが生まれているかを棒グラフで説明した。

Amazon.comはschemaを利用していないものの、グーグルはAmazonのサイトの構造を理解しているため、リッチスニペットを使って表示している。

トバー氏は、続いて“スニペット”に関する推奨を行った。

まず、SERPで若干表示が異なる映画のレビューサイトと製品/価格サイトの比較を行った。次に、検索「apple pie」を用いて、レシピのマークアップの統合の違いの例を紹介した。

Searchmetricsは、41万5000を超えるドメインから6万以上のキーワードを分析した。

アメリカのドメインでschemaを統合していないドメインは1%未満であった(0.27%)。

同社はschemaを利用したサイトのSEO ビジビリティを分析した。すると、schemaを持つサイトは、持たないサイトよりも69倍ビジビリティが高いことが判明した。

schemaはコンテンツのタイプに応じて振り分けられている:

Schema Use by Popularity

Distribution of site type categories according to Schema use.

schemaのタイプが最も浸透しているのは、ページで用いられている1つまたは2つの要素(SERPに表示されるschemaのタイプの数)。

共有されるコンテンツの平均的な評価のスタッツ:

  • 4-5 星: 63.42%
  • 2.5-3.5 星: 31.16%
  • 0-2 星: 5.42%

schemaが使われているサイトのランキングの平均は#22。使われていないサイトのランキングの平均は#25。この違いは、大きなブランドがschemaを統合している、または、schemaを使うサイトのビジビリティが高いためだと考えられる。

平均で、schemaが導入されている場合、コンテンツは3位上のランキングに値する。

続いてScripps Network Interactiveジュリア・ゴース氏がプレゼンを行い、メジャーなフード/レシピサイト(Food Network、Food.com、Travel Channel、HGTV等)に対するレシピのリッチスニペットを実施した際の経験談を語った。

2010年、グーグルはScripps Networks Interactiveを含むフード部門のサイトに接触し、hRecipeマイクロフォーマットをレシピページに加えるよう要請した。同社はこの要請を快諾した。

なぜグーグルはレシピに対してこのマークアップを加えたかったのだろうか?ゴース氏は、フードはポルノのような魅力があるからだと答えていた。食べ物の写真を撮影して、インターネット上でシェアする行為を望む人達を活用する考えは、理に適っていると言えるだろう。

同氏は、画像の検索結果で表示されたレシピのスニペットの例を紹介していた。

ゴース氏は、レシピ/オーサーのマークアップを混合した例に触れ、オーサーマークアップがレシピの価値を落とすと述べていた(オーサーマークアップ付きのページが1位にランク付けされていたため、この指摘にはあまり納得することが出来なかった)。

ゴース氏は、3つのページが全く同じSERPで同じクエリに対して上位にランク付けされているSERPの例も紹介していた。

リッチスニペットを導入することで、トラフィックが約42%増加したようだ。

Traffic improvement on Food.com after incorporating hRecipe Microformat

FoodNetwork.comのCTRは、導入後の60日間で10%増加していた。

同社はhRecipeとschemaをしばらく同時に利用していた、完全にschemaに切り換えた後、グーグルでのスニペットの表示に特に変化は見られなかった。ビング、ヤフー!、そして、グーグルからのトラフィックは増加しなかったようだ。ヤフー!の表示は異なっていた – 特殊なレシピはページを取り上げていたものの、検索結果内のインラインのリスティングは表示していなかった。

グーグルはリッチスニペットを貪欲に求めている。

Scrippsはその他のマークアップも統合しているようだ。

動画に対しては、スニペットの表示には一貫性が欠けており、サムネイルが表示されることもあれば、されないこともある。グーグルがフェイスブックのオープングラフコードのイメージを取り込むこともある。

同社は、司会者に対して人物のschemaを利用しているものの、司会者のウェブサイトとランキングで競合している。司会者のイメージは、グーグルのナレッジグラフの検索結果で、経歴ページへのリンク付きで表示されている。

マイクロフォーマットからschemaへの変更は、トラフィックには特に影響を与えなかった。動画にschemaとpersonを組み入れた結果、トラフィック、そして、当該のサイトのページのランキングにプラスの効果をもたらしたようだ。

まとめ

構造化データマークアップを初期の頃から導入してきた検索マーケッターとして、検索エンジンがもたらした制限の中で、イノベーションを起こすのは、非常に難しいと私は考えている。結局、構造化データマークアップを使うかどうか(もしくは、データハイライターを使って、グーグルがデータを解釈しやすくするかどうか)が鍵を握ることになる。

それでも、3名のプレゼンターは注目に値する指摘を行っていた:

  • スティーブン・スペンサー氏が明かした、戻るキーを押すと、オーサースニペット付きの別のリスティングが表示されると言う情報は、とても興味深い。パブリッシャーのクライアントに対して、オーサーシップのマークアップの導入を説得する際に、この点を教えてあげたい。
  • 失敗は構造化データを調整して、結果を最適化することで挽回することが出来る。
  • Aggregate Review(schema)は、カテゴリまたは複数のアイテムを持つインデックスページにとって、大いに役に立つ可能性がある。例えば、ある販売サイトの「Thin Screen TVs」に対するメインのカテゴリページ、もしくは、地域の宿泊施設を紹介するサイト上の「Hotels」のリスティングページ等だ。メインのカテゴリページは、ナビゲーショナル、または、隙間の要素が強いページであり、リッチスニペットのマークアップに欠けていることが多いため、上位へのランクインが難しい。マイクロフォーマット「Aggregate Reviews」は、このようなページのschemaとして活路を見出す可能性がある。
  • 古いマイクロフォーマットのマークアップ、RDFaに固執した方がいいのか、schema(マイクロデータ)に移行した方がいいのか、もしくは、同時に双方を使った方がいいのか、一時期良く分からない時があった。現在、schemaは十分にサポートされており、schemaへの完全な移行を躊躇せずに実行することが出来る環境が整ったと私は確信している。
  • マーカス・トバー氏は、schemaマークアップがとても有利であり、一部の特定のタイプのコンテンツにとって、ランキングおよびパフォーマンスの面で、schemaは唯一の武器だと発言していた。
  • ジュリア・ゴース氏は、プレゼンの中で、schemaの利用によって、ヤフー!のSERPのレシピの上に掲載される画像のカルーセルに加え、画像ナレッジグラフと画像検索結果にコンテンツが表示される可能性が高くなると言う意外な指摘を行っていた:
    Carousel of Images in Yahoo! Recipe Search Results
  • ページとコンテンツのタイプによっては、稀に、あるタイプのリッチスニペットが別のタイプのスニペットよりも価値が高くなる。このようなケースでは、サイトのパブリッシャーは、慎重に相対的な優位性を評価して、schemaを選別することで、SERPの表示をコントロールする必要がある。
  • しかし、SERPでオーサーマークアップを利用したブログは、Food.comのレシピのリッチスニペットほどの効果が見られなかったと言う指摘は、少し信頼性に欠けているように思えた。なぜなら、オーサーマークアップを持つブログのページが1位にランク付けされていたためだ。しかし、レシピの詳細に加え、食べ物のサムネイルのイメージを持つスニペットは、オーサーの名前と顔を表示するスニペットと比べ、確かにクリックしたくなるかもしれない。ただし、グーグルが、レシピ + オーサーシップのハイブリッド を同時に表示することを私は証明した。グーグルは、ハイブリッドのスニペットの表示を継続的に変更しており、一つのマークアップの選択肢を別のマークアップの代わり利用することで表示を操作しようと試みるのではなく、表示の選択をハイブリッドのマークアップに頼れるように、進化させていくのではないかと私は見ている。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「From Microdata & Schema To Rich Snippets: Markup For The Advanced SEO」を翻訳した内容です。


同種の記事は何度か紹介しているSEO Japanですが、イベントのセッションレポートはまた違う視点で見れて頭の整理になる点も多いですね。 — SEO Japan [G+]

エンタープライズSEOの秘訣 – SEO用業務計画のフレームワーク

エンタープライズSEOを成功させるためのフレームワーク作りの取り組みを解説した大手企業のウェブマーケティング/SEO担当者には参考になる記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

信じられないような話だが、企業のウェブサイトを担当する上で、最も厳しい取り組みは、方針の決定ではない。企業のウェブサイトにおいては、通常、改善する点は山ほどあり、作業リストは永遠と続いている — SEOを完璧に実施し、すべて適切な処置が施された「神」サイトであってもだ。

意思決定よりも大変なのは、このタスクを特定し、優先順位をつけ、実施しつつ、開発部門や関係部署の上司を含む全ての関係者から支持を取り付ける取り組みである。

私の知り合いの一流のエンタープライズ(企業)SEOの担当者は、全員、この難問に対処する方法を編み出している。規模が大きく、厄介な問題を分割し、対処可能な範囲で解決していくためのフレームワークをもたらす、システム、プロセス、そして、手法を既に確立している。

経営の世界では、このプロセスは、「業務計画」と呼ばれている。業務計画は、プロセスのフレームワークとして価値が高く、理解するべきであり、あらゆるプロジェクトに応用することが出来る。

SEO向けの業務計画

以下に、ウィキペディアによる業務計画の定義を掲載しておく:

業務計画とは、戦略的な目標と目的を戦術的な目標と目的に結びつけるプロセスを指す。業務計画は、節目、成功の条件を描写し、一定の業務期間において、戦略計画をどのように、あるいは、どのパーツを業務に導入するのか説明する… 業務計画は、年間の運営予算に対する基礎であり、そして、根拠でもある。

数年間を費やし、私も、とても簡単に実行し、大きな成果をもたらす業務計画へのアプローチを見出すことに成功した。このアプローチは、次の3つのシンプルな問いに対する答えに左右される:

  • 今、どこにいるのか?
  • どこに向かいたいのか?
  • どうすれば辿り着くことが出来るのか?

where are we now

それでは、早速、SEOの計画にどのように応用することが出来るのか検証していこう。

今、どこにいるのか?

SEOプロジェクト(あるいはSEO以外のプロジェクト)に着手する際は、まずは、現状を明確に把握しなければならない。SEO版の個人一般教書演説のようなものだ。要するに、現在の状況をしっかりと理解する必要がある。過去と比べてどうなのか、SEOの全ての領域において、どのように成長してきたのか、あるいは、どのようにパフォーマンスを下げてきたのかに至るまで、現在の状況をしっかりと網羅しなければならない。

下の図は、私が考慮する領域、そして、各領域で確認するポイントのサンプルを描いている。それぞれの領域では、もっと多くの要素をチェックしなければならないが、言いたいことは分かってもらえるはずだ。

results chart

(上から)結果 ・トラフィック・コンバージョン

ビジビリティ ・ランキング・ソーシャル

アセット ・コンテンツ・関係/リンク

基礎 ・アーキテクチャの問題・機会

内側から(基礎から)、あるいは、外側から(結果)から着手することが出来る。どちらからでも構わない。

注記:

  1. 現状の計測値として、ビジビリティから手を付ける過ちがよく見受けられる。「2014年はセマンティックマークアップの年になる」(日本語)でも触れたように、目的は、出来るだけ高いランクを獲得することではなく、出来るだけ多くのトラフィック(そして、成果)を獲得することである。
  2. まるで単一の製品を提供しているように、会社全体のウェブサイトのSEOを実施する過ちも回避してもらいたい。少数派の企業を担当しているな話は別だが、恐らく、多数の製品、サービス、そして、オファーを抱えているのではないだろうか。

分割は、強力なツールであり、パフォーマンスをより細かいレベルまで掘り下げて確認し、パフォーマンスにおける違いを特定する上で効果的である。米国の大統領が、経済が2%成長したと宣言したとする。これは朗報だが、詳しく調べてみると、工業生産高は4%増加したものの、消費者支出が0.5%下がっていたことが分かった。この情報は、力を入れるべき場所を教えてくれる。

現状を把握する点においても、同じことがいえる。パフォーマンスのレポートを事業分野ごと、または、事業部ごとに分割するために必要な取り組みを行い、それぞれの領域のパフォーマンスを理解しなければならない。

どこに向かいたいのか?

全てのマーケッターが、トラフィック、そして、コンバージョンを増やすことを目的に掲げている(また、そうするべきである)。様々な方法で、これから向かう目的地を特定することが出来るものの、個人的には、競争の状況を確認し、向かう場所に関して、自分自身を鼓舞する方法を好む。どんな業界に属しているのであれ、必ず、自分よりも優れた会社が一つや二つはあるはずだ。

競合者分析ツールは、検索の世界の自分の現在地を把握する上で大いに役立つ。

しかし、ライバルだと思い込んでいる会社だけでなく、自然の検索結果で実際に叩きのめされている本当の競合者を特定する必要がある。計測したキーワードに対する上位のサイトを集め、それぞれのドメインが持つSERPのシェアを視覚的に示すと、とても分かりやすい。

例えば、小売り大手、Searsの経営陣は、ターゲットやウォルマートが競合者だと考えているかもしれないが、検索においては、販売する各製品ラインによっては、数百社以上のライバルが存在する。

Searsに対する本当の競合者レポートを以下に掲載する(Searsが実際に成功しているキーワードを恣意的に集めてみた):

pie chart 1

画像をクリックすると、拡大する

以下の画像は、appliance(電化製品)に対するレポートだ:

pie chart 2

画像をクリックすると、拡大する

違いに気づいただろうか?また、「通常」の競合者に該当する競合者は含まれていただろうか?

各ランキングに重みづけを行う、または、さらに質的な計測を加えることで、より詳しいデータを得られるものの、この点は、別の機会で説明することにする。

どこに向かいたいのか?を決めるためには、競合者の情報を集め、分析し、自分の情報に対して、分割して、SEOの各取り組み(基礎、アセット、そして、ビジビリティ)のギャップを特定する必要がある。こうすることで、それぞれの領域の機会を見つけることが出来るようになる。

明らかなギャップに関しては、競合者が最適化を行っているものの、自分の会社は行っていない領域 — 自分の会社は持っていないコンテンツを競合者は持っている、もしくは、自分が持っていない関係を競合者は持っている — を調べれば特定することが可能だ。さらに、セマンティックマークアップ、内部リンク等、競合者のオンサイトの取り組みを調査する手もある。自力でこのタイプのデータを獲得するつもりなら、時間がかかることを前もって知っておいてもらいたい。しかし、その価値は十分にある。

どうすれば辿り着くことが出来るのか?

プロセスのほぼ最後のステップに当たるのが、現在地と目的地の間のギャップを埋める方法を特定する取り組みである — つまりSEOロードマップの策定だ。そのために必要なタスクを挙げていく:

  • 優先する、ハイレベルのプロジェクトのリストを作る。
  • プロジェクトを小規模なサブタスクに振り分ける。
  • 優先順位と影響を各タスクに割り当てる。
  • インパクトを予測する。

大量のキーワード、そして、コンテンツを持つ企業のサイトを運営している場合、予測は、難しいかもしれない。

単純に、分かっているキーワードを全て取り上げ、CTRの曲線に基づいて、すべて1位(あるいは3位以内)を獲得したら、トラフィックはどれだけ増えるのかを予測するミスがよく見受けられる。季節による影響、ターゲットのキーワードの個別のランキング、そして、競争の激しさのレベルを考慮していないため、これは、恐らく、予測の方法として最悪の部類に入るだろう。

時間を割いて検索量の傾向を調査し、初日から12ヶ月後までのランキングの改善計画を策定してもらいたい。続いて、集めたキーワードのデータに応じて、推測を行う。こうすることで、サイトの残りの部分に対して、推測を行う確固たる基盤が出来上がり、社内で分かち合えば、適当に予測する場合と比べて、遥かに大きな自信を得ることが出来るようになる。

結論

今回紹介した業務計画のフレームワークは、ロードマップを作る際の大事な要素に焦点を絞っているものの、– 実際の業務計画のインパクトを計測、監視、そして、反映する能力の重要性を決して忘れないでもらいたい

このフレームワークは、SEOを管理する方法に対して、今までとは違う見解を得る上で役に立つはずだ。

取り組みへの予算やサポートを要請する前に、業務計画を策定することで、詳細で周到な計画を裏付ける効果が見込めるため、必要な支持を得ることが出来るようになるだろう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Secrets Of Successful Enterprise SEO Part 1: Operational Planning For SEO」を翻訳した内容です。

以前に比べればSEOに対して協力的な人は増えているのではと思いますが、そうはいっても企業規模が大きくなればなる程、組織の構造が複雑であればある程、皆の支持を取り付けることはまだまだ至難の業とは思います。この記事が少しでも悩めるSEO担当者の救いとなることを願っています・・・。 — SEO Japan [G+]

SEOのリンク構築を助けてくれる7種の支援者たち

有料リンク等、あからさまな外部リンクによる上位表示が壊滅的に難しくなった今日のGoogle、そうはいってもリンク構築が重要なSEO施策の1つであることには変わりありません。アイデアを捻ってリンクを張ってもらえそうなコンテンツを投入し続けることが王道ではありませんが、実はあなたの周りにはあなたのリンク構築を助けてくれるとても素敵な皆さんがいるかもしれません。そんな素敵なリンク支援者について考えた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

最近のリンク構築は、実際の関係の構築に力を入れており、質の高いリンクを人間関係抜きで獲得する行為は、非常識のように思えてしまう。ディレクトリや記事の投稿等の取り組みが、今でも行われていることは事実だが、結局、人間がその投稿を認可することになるのではないだろうか?

関係の構築は簡単な取り組みではないのかもしれない。しかし、貢献することを望む人達は実在する。その上…既に知り合いになっている可能性もある。つまり、探す場所を分かっているかどうかが、成功を左右する:

1. ブランドのことを話題に取り上げている人達

現在、ブランドに言及しているものの、リンクを取り上げていないサイトを特定する取り組みは、最も基本的なリンク構築の手法の一つに数えられる。なぜなら、当該の人物は既にブランドを取り上げる決断を下しており、ブランドや製品をサイトで取り上げてもらえるように説得する必要はない。また、サイトのオーナーはリンクを加えるだけで良い。

リンクが張られていない言及を探し出す取り組みを取り上げた素晴らしい作品があるので、是非、目を通しておいてもらいたい:

2. ブランドを取り上げたいと望む人達

ウェブ上には、既に20億ページが存在し、その上、ひっきりなしに新たなコンテンツが加えられている。そのため、新たな話題を求めている人達は多い。私もその一人である。そのため…そのブランドに関するストーリーを書きたがっている人物を探すことが、鍵を握る。以下に、主要な手法を幾つか挙げていく:

  • 記事の監視
  • ツイッターの監視
  • HARO(Help a Reporter Out)のクエリ

もっとアイデアが必要なら、「今すぐにリンクを構築する効果のある5つのPR戦略」と「PRでリンクを獲得するための8つのステップ」を読んで、レポーターやブロガーからリンクを獲得する機会を探してもらいたい。

3. 従業員

従業員は、会社が手に入れることが可能なリク構築の資源の中でも、特に有効である。従業員は、(理想では)仕事にやりがいを感じ、会社を愛し、そして、友達に自分の仕事を知ってもらいたいと思っているはずである。従業員にブログを運営させることが出来るなら、記事を複数のプラットフォームでシェアしてくれる可能性は高い。

LinkedIn Sharing

私が昔勤めていた会社では、会社のサイトにリンクを張る方法をeメールで説明していた。このメールでは、次のアイテムが挙げられていた:

  • eメールの署名欄
  • ソーシャルネットワーク
  • 個人のサイト

従業員にブランドを取り上げてもらうには、他にどのような手があるだろうか?以下の記事を確認して、ヒントを学び、刺激を受けてもらいたい:

4. 友達 & 家族

昨年、Scarborough Researchは、自分自身をブロガーと考える母親が、アメリカには390万人存在すると報告していた。現在、グーグルで、「mommy bloggers」(母 ブロガー)を検索すると、800万以上の結果が返ってくる。実際に、皆さんの母親は、そのうちの一人だろうか?あるいは、友達の中に、該当する人がいるだろうか?

友達と家族は、リンク構築において過小評価されている関係である。友達、または、家族であるため、躊躇しているのだろう。しかし、フェイスブックのユーザーは、平均で130人の友達を持ち、リンクトインのユーザーの21%は500-999のコネクションを持っている。友達と家族のつながりは、思っている以上に範囲が広い可能性があるため、遠慮せずに頼むべきである。

Full Infographic at SocialBarrel

SocialBarrelでインフォグラフィック全体を見ることが出来る

また、同じ業界の友達の存在も忘れないでもらいたい。人、そして、関連するコンテンツをシェアする意欲は、検索マーケティング業界の魅力の一つだと個人的には思う。

5. 顧客

個人的に、口コミ、そして、顧客の力は、リンク構築のトピックの中で、特に好きな部類に入る。顧客は、今まで以上に大きな発言力を持っており、その力を使うことを恐れていない。一方の会社側も、顧客に話をしてもらう機会を今まで以上に持っている。

熱狂的なファン」を作るのは大変だが、リンクを遥かに超える大きな見返りを得ることが出来る。以下に参考にしてもらいた記事を幾つか挙げていく:

顧客にブランドについて話してもらい、記事で取り上げてもらうと良い。リンク構築の手法として優れているだけでなく、ビジネスにとっても有効である。

6. ブランドの支持者

顧客および熱狂的なファンと同じように、ブランドの支持者もまた、貢献することを望んでいる。ブランドの支持者は、ブランドに好印象を持っているものの、顧客とは限らない。

例えば、私はMailChimpが大好きだが、現在は、利用していない(過去に利用したことはある)。私は同社のブログ、そして、会社の雰囲気を良い印象を持っており、マスコットのフレディを尊敬している。MailChimpが、伝えたい情報を持っている時、もしくは、新しい記事を投稿する時、喜んでシェアする。また、他の人達にも躊躇せずに薦める。

Don't dress up Freddie!

フレディにオシャレをさせないで!

ブランドの支持者を特定する方法を知りたい方もいることだろう。ブランドの言及を探す方法と同じ方法で、ブランドを話題に上げている人やコンテンツをシェアしている人を探すことが出来る。Social MentionTopsyFresh Web Explorer、そして、Google+ Ripples等のツールは、この作業を始める上で便利だが、ソーシャルリスニングツールの利用を私は強く薦める。

7. 提携先 & 代理店

クライアントのために外部サイトのキャンペーンを行う際は、基礎的な取り組みから着手する — そのうちの一つが、提携先と代理店への協力要請である。

サービス業界の多くの企業においては、提携先の企業が、新たなビジネスを推進する上で、そして、既存のビジネスを補足する上で、重要な役割を担う。そもそも、すべての分野で専門家になることは出来ないはずである。

既存の提携先を評価する際に実施してもらいたい作業を挙げていく:

  • 既存の提携先のページを持っているかどうか確認する
  • ブログの記事の交換を検討する
  • レビューを求める
  • 協力してイベントを開催する
  • ブログでインタビューする(もしくはハングアウトを開催する)

上述した手法は、リンク構築にプラスの効果をもたらすだけでなく、良好なビジネスの関係を構築する上でも貢献する。

代理店にも同じことが言える。代理店は、製品を売ること、そして、リンクを張ることに協力するはずである。メーカーなら、代理店のウェブサイトの取り扱い品目のセクションをチェックしてみよう。代理店の多くが、メーカーのウェブサイトにリンクを張るはずである。

Line Card Links

その他の協力者

リンク構築に役に立つネットワーク、そして、コネクションを誰もが持っている。友達、家族、あるいは、顧客が、頼む相手として相応しいとは思えないかもしれないが、実際に尋ねてみなければ、分からないこともある。

リンク構築の役に立つ知り合いがいるかどうか考え、今年のリンク構築キャンペーンで良いスタートを切る方法を検討してみよう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The 7 Types Of People Who Want To Help You Build Links」を翻訳した内容です。

いわれてみるとどれも当たり前の候補者たちですが、実際に戦略的に活用しているケースは意外とない気もします。上手に活用すればあなたのサイトの評価もきっと上がるはず・・・? — SEO Japan [G+]

大手企業がインハウスの検索マーケティングチームを結成する完璧な方法教えます。その2。

パート1からの続き。こういう記事って意外とないので参考になります。 — SEO Japan

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私は「エンタープライズレベルの検索マーケティングチームを結成」に関する二部構成のコラムを始めた。 パート 1は、SERPで上位にランクインする上で、足を引っ張りかねない技術的な要素、そして、編集上の要素を含め、SEOにとって重要な要素を振り返ったところで終わった。

私の推薦に従っているなら、評判の高い検索リーダーを雇用し、チームメンバーを選び、レポートが認められ、そして、検索部門は、他の社内の部門と連携が取れている状態になっているはずだ。

パート 1では、SEO部門の理想的な構造 — SEO部門が形成された際に、担当する職務に関する重要な要素を指摘した。しかし、パート 2では、有料検索、ソーシャルメディア、そして、第三者ベンダーを異なる視点で説明していく。

有料検索とソーシャルメディアキャンペーンは、各種のキャンペーン管理ソフトウェアを使って、巧みに管理していくことが可能だが、ここでは、キャンペーンの管理と責任に関しては、割愛させてもらう。

それよりも、第三者のベンダーの採用に関する見解を含め、このようなチャンネルにおいて、ビジネスを成長させる際に検討してもらいたい、実証済みのレベルの高いテクニックを挙げていく(こちらの方がより重要度は高いと言えるだろう)。パート 2では、職務を説明する形式を取らずに、レベルの高い、売上げに、そして、純利益に漸進的な増加をもたらすためのテクニック、そして、例を幾つか提供していく。

最初の大きな問題: 有料検索の管理

有料検索キャンペーンの管理は、仲介に似ている。

有料検索チームは、検索予算の大部分をコントロールすることが多く、アドワーズのキャンペーンのみに力を入れる傾向が見られる。この予算は、制御がきかなくなることがあり、SEOとローカルとソーシャルとモバイルへの投資が合わせて5万ドル/月の状況で、あっと言う間にアドワーズに35万ドル/月を投じてしまう。

経験上、検索部門で長期的に効果のあるROIを実現するには、この割合を逆にした方が良い。有料検索の取り組みは、短期的な収益の目標達成には貢献するものの、SEO、ローカル、ソーシャルメディア、そして、モバイルへの投資は、今後、多くの収益を得られる効果が見込める。

ゼロからスタートするなら(割合としてはごく僅かだとは思うが)、予算の割合を管理し、コントロールしやすい状況にある。しばらくの間、有料検索キャンペーンを実施しているなら、– とりわけ、予算が先程挙げた予算の割合のように、バランスが取れていないなら、もう一度金額を確認した方が良いだろう。

収益に関するスプレッドシートを比較すれば、SEO、ソーシャル、ローカル、そして、モバイルもまた、検索の予算に対して、良好な見返りを与えることが分かるはずだ。パフォーマンスに応じて予算を振り分けるべきである。SEOが右肩上がりで伸びる一方で、有料検索が、横ばいの状態になっているのではないだろうか?

過去の経験に基づく例を挙げる: ある企業は、有料検索に年間2000万ドルを費やし、1億ドルの利益を得ていた(素晴らしい)。一方、SEO、ローカル、ソーシャル、そして、モバイル部門は、100万ドルの予算を得るのがやっとの状態であったが、1000万ドルの利益をもたらしていた(パフォーマンスとしては、こちらに軍配が上がる)。

各チャンネルのパフォーマンスを参考にして、私達は有料検索の予算を50%減らし、7500万ドルの利益を得た(ROIは大きく改善された)。そして、SEO、ローカル、ソーシャル、そして、モバイルへの投資を1000万ドルに増やし、1億2500万ドルの利益を獲得した。

このように、2100万ドルの資金を投じて、1億1000万ドルの収益を得ていた状況(1ドルの投資につき、5.24ドルの利益)から、2000万ドルを投資して、2億ドルの収益を得る状況(1ドルに対して、10ドルが返ってくる計算)に改善したのであった。明らかに、企業全体にとって、プラスに働いていることになる。

検索ディレクターは、検索チームを全体として考えながら、個々のパフォーマンスに応じて、各チャンネルに予算を配分していく必要がある。自己満足やエゴを優先する余裕はない — 全員が会社全体の利益を考慮しなければならない。通常、有料検索は「最適なチャンネル」ではなく、そのため、予算全体の大部分を配分するべきでない。

ソーシャルメディアの要点

SEOとソーシャルメディアは、ホットケートとシロップのように、相性が良い — 検索エンジンの大好物である。2010年12月に時計の針を戻すと、グーグルが、ソーシャルサイトのデータをランキングシグナルとして利用していると、マット・カッツ氏が動画の中で明らかにしていた。その後も、グーグルは、積極的にソーシャルシグナル(動画)をランキングアルゴリズムに導入していった、と見て間違いないだろう。このソーシャルシグナルには、シェアの数、いいね!の数、+1の数、ツイートの数、そして、リツイートの数等が含まれると見られる。

先日のブルームバーグ TVのインタビュー(動画)で、グーグルのリード検索デザイナーのジョン・ワイリー氏は、グーグル検索の15%は、ソーシャル関連の用語やクエリであり、状況が大きく変わっていると話していた。 ウェブは巨大であり、グーグルは、30兆もの個別のアドレスを探し出し、1日に200億サイトをクロールし、毎月、1000億の検索を処理していると主張している。

グーグルだけで、昨年、500億ドルの売上げを獲得し、そのうちの87%が検索に関連していたことを考慮すると、今まで見たことがない15%の検索に答えるため、検索エンジンが、全力で取り組むのは、当然と言えば当然である。

検索、ソーシャル & セマンティックウェブ

ここで、検索とソーシャルがセマンティックウェブに出会う。検索クエリの意図を理解し、ユーザーの意図に自信を持って結果を明確にマッチさせる取り組みを、セマンティック検索と呼ぶ。

コンテンツで使われる限られたキーワード以外を理解してもらうため、ツイッター、フェイスブック、そして、グーグル+等のソーシャルメディアで、明白な手掛かりを残す必要がある。ブランド、ウェブサイト、製品、そして、サービスに関する会話や雑談を作り出す必要がある(例えば、特売、クーポン、プロモーション、コンテスト等を通じて)。

ソーシャルシグナルは、どう考えても強力である — 多くのウェブサイトのビジターは、コメント、レビュー、いいね!、シェア、再シェアを介して、サイトと交流している。これが、セマンティック検索を通して、関連し、再び結びつく、多くのつながりを生み出す。検索、そして、ソーシャルメディアのデータが全てのつながりを結びつける仕組みを深く理解している、ソーシャルメディアチームとマーケッターは、検索のビジビリティを最大限に高める取り組みに最も向いている。このチームは、キーワードよりも遥かに強力な、具体的なトピックに関連するSERPで、ウェブサイトを上位にランクインさせることが出来る。

モジではなくモノを意識せよ

調査をほとんど行わなくても、ある結論が導き出される。2012年5月16日に投稿された「ナレッジグラフの導入:モノを認識する検索エンジンに向けて」を読むと、グーグルが、キーワードから距離を置き、現実の世界の「モノ」、そして、「モノ」の間の関連性を理解することに力を入れている点が分かる。ソーシャルメディアは、この方針において、明らかに大きな役目を担っている。

このデータで武装すると、検索ディレクターとソーシャルメディアマネージャーは、検索エンジンに統合する全ての要素を用いて、とても効果的なソーシャルメディア計画を立案することが可能になる。

ベンダーに注意: 危険区域

テレビ番組のドッグ・ウィスパラーでは、ドッグトレーナーのシーザ・ミラン氏が、噛みつく犬を「危険区域」の犬と呼んでいた。第三者ベンダーを選択する際は、ミラン氏に倣い、危険区域のベンダー、つまり噛みつくベンダーに注意してもらいたい。

オンラインマーケティングエージェンシー、検索エージェンシー、SEMツールのプロバイダー、SEOプラットフォーム、検索アナリスト等、検索のベンダーは多種多様である。ベンダーは、様々な姿形をしている。その中には、騙すことに長けたベンダーも混じっている。

私は大勢の優秀な人達と仕事をした経験があるが、残念ながら、日常生活にも言えるように、その知性を悪用する人達が中にはいる。検索のベンダーを選ぶ際は、細心の注意が必要であり、ここで真価を発揮するのが、検索リーダーである。検索リーダーは、経験を豊富に持っており、業界内の信頼のおけるベンダーのネットワークを心得ている。

絵に描いた餅を追いかける危険区域のベンダーを退ける一方で、ニーズと欠点に関して、成果をもたらすことが出来るベンダーを迎えたいところだ。

第三者ベンダーを選ぶ際は、セキュリティ、サイトのスピード、そして、グーグルが策定するルールの順守、の3つのポイントを考慮する必要がある。この3つのポイントに関しては、今まで以上に社内のスペシャリストが入念に検査し、ブランドとウェブサイトの評判を守る必要がある。

危険区域のベンダーは、グーグルのウェブマスターガイドラインを違反する可能性がある。ベンダーがホワイトハットな手法の利用を怠ったため、先日のペンギンおよびパンダアップデートで、多くのウェブサイトが打撃を受けていた。実際にいくつのサイトがペナルティーを受けたのかは分からないが、ペナルティーを解除する取り組みに長けた友人は、最近、多忙を極めている。

また、グーグルのルールに従っていたものの、グーグルがルールを変えてしまう状況を経験したこともある。そのため、グーグル、ヤフー!、そして、ビングの毎月の変更に全力で対応しなければならない。この領域に関しても、優れた検索リーダーがいると安心である。

最後になるが、ネイティブの最適化に勝るものはない点を肝に銘じておいてもらいたい。自分のドメイン/サブドメインでコンテンツの管理/配信する方針が正解だ。そのため、知識、テクノロジー、または、コンテンツを、ネイティブのサイトに反映することを受け入れてくれるベンダーを探すべきである。検索エンジンをネイティブのドメインから移動させ、第三者のコンテンツを持ち出す、埋め込みウィジェット、リダイレクト、そして、プロキシページをはじめとする手法の利用は避けよう。

これは個人的な感想だが、現在、グーグルは、第三者のプロキシページ、つまり、主要のドメイン(クライアント)が所有していない、あるいは、提供していない、SEOでランキングを高めるためのページを認めているような気がする。グーグルは、すべてのサイトではなく、恣意的に一部のサイトでのみこのページを許可しているように思える。しかし、このルールが覆され、第三者のコンテンツに依存しているウェブサイトのSEOが、役に立たなくなる日がやって来ると私は推測している。自分が所有していないアセットであり、今後のアルゴリズムの変更に左右されるアセットに、わざわざ資金を投じる価値はあるのだろうか?長期的な視点で考えると、割に合う取引だとは私には思えない。自分でコンテンツを作り、自分のドメイン、または、サブドメインから配信するべきである。

結論

全体像を分かっている検索リーダーを雇用し、強固な検索部門、そして、インハウスSEOチームを形成しよう。コアの管理者の階層を構築し、検索部門とその他の関係する部門との協力体制を作るべきである。そして、ウェブサイトのSERPのランキングに影響を与える、技術面および編集面での要素を含む、あらゆるSEOの要素に従うと良いだろう。また、有料検索とソーシャルメディアの要素に対応し、第三者のベンダーを採用する際は、細心の注意を払う必要がある。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Building An Enterprise-Level Search Marketing Team: Part 2」を翻訳した内容です。

完璧にこの体制を整えられる余裕がある企業は限られていると思いますし、そういう企業に限ってリスティング広告はともかくSEOに至ってはほぼ取り組んでいない状態の企業がまだまだ大半なのが現状なんですけどね。広告、SEO含めサーチマーケティングを120%活用している企業でさえ、ここで紹介されている必要人材を一人で全て行っているケースが多いと思います。だからこそ中小企業、ベンチャー&スタートアップにチャンスがあるわけですし、大手企業のマーケッターでSEO Japanを読んでいる人は相当レアとは思いますし、いたとしても社内でここに書かれている話を通せる環境にある人は少数と思いますが(本人の能力というより組織上)、5年後10年後の世界で勝利するには信じて続けるしかない。 — SEO Japan [G+]

大手企業がインハウスの検索マーケティングチームを結成する完璧な方法教えます。その1。

SEOのアウトソースで生きているSEO Japanがこんな記事紹介していいの?という内容ですが、いいんです。SEOに自信があるからできるんです!と拡大解釈してもらえたら、ということで。完全に大手企業向けの内容ではありますが、私自身の経験からいっても数名のスタートアップでも学べることはあります。 — SEO Japan

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数年前、一流のオンラインショッピングサイトを運営する会社の依頼を受け、エンタープライズレベルの検索マーケティングチームを作る取り組みに携わった。この仕事で得た教訓、そして、達成した結果は大きく、検索マーケティングチームを結成する必要がある人達のために、この経験を伝えたいと思う。

基盤: 検索リーダー

まずは自然の検索の取り組みを統率するリーダー、つまり自然の検索を専門とする経験豊かな人物を探すことから着手してもらいたい。

検索リーダーは、長年に渡り、成果を上げ、プラスの効果を与え続けてきた実績を持つ人物が該当する。恒久的な雇用契約を用意するのではなく、知識を伝えるエキスパートを探すべきである。リーダーには、通常の従業員の4倍の給与が与えられることもあるが、前年比150%の収益の増加が見込める。

また、リーダーの尽力により、最大で600:1の投資収益率を実現することも不可能ではない — つまり、1ドルの投資についき、600ドルの収益を得ることが出来る。そのため、コストに関しては、あまり気にする必要はない。長期的な視点で考えれば、些細な金額である。

リーダーへの報酬は、半分を給与として、残りの半分を業績に応じて支払うことを薦める。リーダーに対して、トップダウンのサポートを約束してもらいたい。リーダーを支援し、リーダーの意見に耳を傾け、エゴを捨てて、リーダーの言った通りに行動するよう重役に呼び掛ける必要がある。

誰かのキャリアや報酬を脅かすことが目的ではない。リーダーは、重役の大半よりも多くの報酬を受け取る。しかし、この状況が発生するのは、あくまでも、業績に応じたボーナスが支払われる場合のみである — 収益が大幅に上がることが条件であり、実際にそうなれば、チームの責任者、そして、チームのメンバーに対する評価も高くなるだろう。

もどきではなく、真のエキスパートを雇用する必要がある。本物のリーダーは、コネクションのネットワークを通じて職務を遂行し、分からないことは事前に認める。しかし、何をすればいいのか、そして、誰に尋ねればいいのかは分かっている。また、リーダーは、実際の作業に携わらず、指導と指示に徹する。

リーダーは、エキスパート達を指導し、それぞれの専門分野を遂行させる。本物のリーダーは、謙虚であり、「コミュニケーションスキル」に秀でている。社内の全従業員にリーダーが接触することが可能な環境を作るべきである — 事業の特定のセグメントにリーダーを隔離する、または、押し込める方針は認められない。リーダーに行動の自由を認める必要がある。2-5年間はリーダーを雇用する計画を立ててもらいたい。

検索ディレクターを任命する

次に、優秀な検索ディレクターを選出する — 出来れば、ビジネスモデルを深く理解し、助言に耳を傾けることが出来る、社内の人物が適している。検索ディレクターには、SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアの3つの検索のセグメントのスタッフを管理する能力が要求される。意外に思われるかもしれないが、ソーシャルメディアも含まれる。

リッチメディア、ウェブサイト、IT、ブランディング、分析、レポート等、その他の部門、そして、マーケティング部門の重役および最高技術責任者と連携することが可能な人物を選ぶ、または、雇用しよう。また、検索ディレクターにはユーモアのセンスも求められる — 信じられないかもしれないが、いずれユーモアが必要なときが必ずやって来る。

部門の階層

ベンダーの小切手にサインする権限を持つ、マーケティング部門のシニアバイスプレジデント(責任者)の直属の部下として、リーダーを迎え入れる必要がある。該当する責任者には、エゴを捨て、リーダーを完全にサポートしてもらわなければならない。

検索ディレクターを同じマーケティング部門の責任者の下に配置し、ディレクターと責任者と直接連携するようリーダーに求める。これで向かうところ敵なしのトリオが誕生したことになる。このトリオによって、毎月、そして、毎年、検索およびSEOの利益は増えていく。

報告

まずは、報告書を作成する必要がある。ブランド、および、非ブランドの自然検索の収益を報告書に別々に記録していく。有料検索とソーシャルメディアもまた別々に記載しなければならない。

リーダーのボーナスを決め、そして、非ブランドの自然検索の収益(つまりSEOの収益)に期待する額を策定する。1日前のスタッツと結果を毎日従業員に提供する必要がある。また、週、月、四半期、そして、年に一度、業績を報告する取り組みも求められる。

全体像と日々の成果を社員全員が分かる環境を作らければならない。データを隠すのではなく社内の誰もが見られるように公開する必要がある。こうすることで、モチベーションを維持し、責任感を持ってもらうことが出来るようになる。

検索と部門が協力する体制を作る

コアの管理レベルの主導者(リーダー、マーケティング部門の責任者、検索ディレクター)を中心として、あらゆる部門と協力する体制を構築することが出来る。部門の構造は、会社によって異なるかもしれないが、どの企業においても、社内の複数の基盤が該当する。以下のセグメントに対して責任者がいるはずであり、この責任者は、検索チームと連携する必要がある:

  • ウェブサイト
  • IT
  • ネットワークオペレーションセンター
  • ブランディング
  • マーケティング
  • 販売
  • リッチメディア
  • モバイル
  • アフィリエイト
  • レポート
  • 分析
  • 法務
  • 広報
  • 店舗を持つ場合、店舗に対する上記のセグメント

社内の全従業員に、検索部門の存在、そして、検索部門の取り組みを把握してもらいたい。

コアの管理トリオの結成、報告、そして、その他の部門との連携の確立を終えたら、次に、マネージャーとアナリストでチームを結成する段階に移る。

SEOを動かすマネージャーの採用

マネージャーを雇用しよう。SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアに対して、それぞれマネージャーを任命しておきたいところだ。マネージャーは検索ディレクターに報告し、チームの分析の全ての責任を持つ。また、マネージャーは、チームを管理し、そして、日々の戦略に基づいた取り組みを実施していく。

マネージャーは、オンラインマーケティングキャンペーンの企画および実行の経験を豊富に持ち、また、ベストプラクティスの知識を把握し、そして、人付き合いに長けたベテランがふさわしい。

このような人物は、組織で非常に重要である。十分な給与を払い、出来る限り、お礼や賛辞を送り、見返りを与えよう。SEOの取り組みを動かすのは、マネージャー達である。

検索チームの構成

会社の規模によっては、各マネージャーに対して、最高で5名のアナリストを与え、毎日目標を達成していってもらいたい。また、SEO、有料検索、そして、ソーシャルメディアのセクションにそれぞれ1名ずつインターンを派遣しよう。 

インターンは、上司に当たるアナリストがマネージャーに昇格する、あるいは、仕事を辞めると、アナリストに昇格する。インターンは、戦略的な目標と目的を達成するため、迅速に配置転換を行うことが出来る。今後のアナリスト候補およびマネージャー候補として、常に優れたインターンを数名維持しておくことを薦める。

当然、上述したメンバーの人数は、組織の規模に応じて、柔軟に変更してもらって構わない。ただし、同様の構造を用いると、巨大なエンタープライズの検索部門であっても、チームを管理するために必要な要のポジションを全て網羅することが出来るようになるだろう。

詳細にこだわる: SEOチームの要素

オンラインマーケティングチームを構成する際の基礎はこれで全て網羅した。次に、検索部門内の各チーム(SEO、ソーシャルメディア、有料検索)に焦点を絞って説明していく。

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イメージ: Shutterstock

SEOの要素には、ウェブサイトの検索結果の上位へのランクインを妨げる可能性のある全ての技術的な要素、および、編集に関する要素が含まれる。その中には、以下のSEOのベストプラクティスのリストも含まれている。ただし、このリストに限られるものではない:

  • リンクの評価と獲得
  • キーワードの発見/有料検索のテスト/最適化
  • タイトルの要素、メタタグ
  • セマンティックマークアップ、RDFa、マイクロデータ
  • ホスト名 DNS、サイトとページの読み込みのスピード
  • 内部リンク構築とリダイレクト
  • URIの構造、リンク切れ、行き止まりのページ
  • アンカーテキスト、イメージの最適化
  • 重複するコンテンツ、ワード数不足
  • robots.txt、セッション ID、サーバーおよびクロールのエラー
  • ローカル、モバイル、ソーシャルメディアのベストプラクティス
  • 店舗検索を介したコンバージョンツール
  • ソーシャル/SEOの統合

パート I: まとめ

一流の社内SEOチームを結成したいなら、全体像を理解するSEOリーダーを雇用するべきである。スピードアップにつながるためだ。

実績を持つ検索のエキスパートは、検索チームのメンバーを採用し、構成していくだけでなく、適切に機能し、トップレベルの重役とスムーズにコミュンケーションを取ることが可能なチームを介して、収益およびROIを高めていく。コストに関しては、心配しなくてもよい。やがて、取り戻せるためだ — 自然な検索は、適切なトラフィックの源として、利益が期待できる分野である。

次回のコラムでは、引き続き、有料検索とソーシャルメディアの要素を取り上げ、さらに、第三者のベンダーの利用に関するアドバイスを提供する予定だ。

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この記事は、Search Engine Landに掲載された「Building An Enterprise-Level Search Marketing Team: Part 1」を翻訳した内容です。