SpaceXがStarlink衛星インターネットを60機追加打ち上げ

SpaceX(スペースX)は追加で60機のStarlink衛星を打ち上げた。これは衛星ブロードバンドにおける4回目の打ち上げで、今年だけでも2回目となった。打ち上げは米国フロリダのケープ・カナベラル空軍基地から米国東部標準時1月29日の9時06分(日本時間同日23時6分)に実施され、ブースターは2019年にSpaceXの2回のミッションで使用されたものだ。

さらに同社は、ペイロードがロケットの第2段から分離された後、Falcon 9のブースターを大西洋のドローン船に着陸させて再び回収した。同社のブースターを回収する能力はかなり信頼性が高く、56回のすべての着陸のうち48回成功しており、最後の失敗は2018年12月だった。

Starlinkの衛星の配備は計画通りに進んでいるようで、現在SpaceXはStarlinkにて約240機の衛星を運用している。同社は1月初めに前回の衛星群を打ち上げた後、世界最大の民間衛星オペレーターとなり、今回さらにリードを広げたことになる。

衛星群の打ち上げは続けられており、SpaceXのCOOであるGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏によると、今年中にも米国とカナダの顧客向けに衛星ブロードバンドサービスを開始する予定だという。また、今年末までに少なくともあと6回の衛星打ち上げを予定しており、合計24回の打ち上げにより、全世界でのサービスが提供される。

一方でSpaceXは、衛星コンステレーションが地球からの天体観測に与える影響について天文学者から批判されているが、それに関してStarlink衛星の地球側を暗く塗る処理の実験を含む、対策を講じていると述べている。本日同社は、前回打ち上げた前述のコーティングを施した試験衛星の結果を評価しており、結果を分析しアップデートを提供すると発表した。

十分な衛星数が確保されれば、Starlinkはこれまで高速インターネットにアクセスできなかった地域に、スムーズなビデオ通話とストリーミングを提供する。SpaceXによると、これは遠隔地だけでなくクルーズ船や飛行機も含まれるという。

今回の打ち上げでは、ロケットの打ち上げ時にペイロードを保護する2個のフェアリングの両方を回収する試みが行われた。これらはロケットが宇宙に到達すると地球に落下し、SpaceXは大きなネットを装備した「Ms.Tree」と「Ms.Chief」という2隻の専用船を用いて捕獲を試みた。パラシュートにより落下するフェアリングをキャッチすることで、同社は1回の打ち上げにつき600万ドル(約6億6000万円)を節約できる可能性があり、これはFalcon 9の第1段ブースターに加えて、さらに再利用可能なパーツを追加することになる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがStarlink衛星打ち上げでフェアリングの片方を捕獲

SpaceX(スペースX)は米国時間1月29日のStarlink衛星の打ち上げで使用されたフェアリングの半分を回収し、再利用可能な打ち上げシステムに一歩近づいた。なお、フェアリングの半分は回収用に特別に大きなネットを貼った回収船「Ms.Tree」により、大西洋にて捕獲された。

同社はフェアリングの両方を回収しようとしていたが、もう一方の回収船「Ms. Chief」では回収に失敗し、海へと落下した。しかし同社はは海上に「軟着陸」したと伝えており、残りの半分も回収しようとしている。回収船を利用する目的は、海からフェアリングを回収するという困難で費用がかかり、さらにフェアリングに損害を与える手順を避けることにある。

SpaceXが回収しようとしている主な理由は金銭的なもので、使用されたフェアリングを再使用することで、打ち上げ費用をさらに600万ドル(約6億50000万円)ほど節約できる。同社の全体的なアプローチは、ロケットと同じく再使用に焦点を当て1回あたりの打ち上げコストを削減することだ。

同社がフェアリングを回収しようとしているもう1つの理由は、Crew Dragonのにおける同様の回収システムの可能性を証明するためだ。同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は最新の業績発表で、Crew Dragonの飛行中での中断テストが成功したことについて話し、将来的にはこのような回収船を使って宇宙飛行士を乗せた宇宙船を捕獲し、洋上でのクルー回収や地上への着陸と比べてプロセスを簡易化できると語った。

SpaceXはこれまでに3個のフェアリングを回収しているが、Falcon 9の第1段ブースターと同じくらい信頼性の高いフェアリング回収の実現には至っていない。それでも成功率は上昇しており、これは良い兆候だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXは有人Crew Dragonカプセルの船上ダイレクトキャッチを目指す

 

SpaceX(スペースX)はCrew Dragon宇宙船の空中脱出システムのテストに成功したところだ。宇宙飛行カプセルは無事、大西洋上に着水した。しかし記者会見でSpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は有人宇宙飛行カプセルの地球帰還は将来まったく異なる方式となるはずだと述べた。

マスク氏によれば、SpaceXの今後の目標は洋上を航行する専用船によってCrew Dragonを「キャッチする」ことだという。 これにより、現在のように洋上に着水してから引き上げるというステップが不要となる。SpaceXでは同様のシステムでFalcon 9、Falcon Heavyのカーゴベイをカバーする大型フェアリングを回収船に張ったネットでキャッチすることに成功している。

「実現させるにはNASAと協議を続ける必要があるが、SpaceXが(フェアリング回収のために開発した)船上キャッチが使えるので非常にクールなアイデアだと考えている。船上回収システムが本格的に稼働すれば、有人Dragonが軌道上からの降下にあたって着水方式による各種の不便さを取り除くことができる」とマスク氏は述べた。

SpaceXがカプセルを着水させず、船上でキャッチできれば運用コスト、再利用の両面でも大きな前進となるはずだ。SpaceXではNASA以外商用クライアントにもCrew Dragonによる有人宇宙飛行サービスを提供していく考えだ。もちろん船上キャッチは将来の目標であり、 Crew Dragonの打ち上げサービスは当面通常どおり着水によるとマスク氏は強調した。有人カプセルの船上キャッチプロジェクトにはNASAの承認と参加が必要であり、まずは現在テスト中のフェアリングのダイレクトキャッチの信頼性を高めて認定を得る必要がある。SpaceXは2枚1組のフェアリングの片側を一度だけキャッチすることに成功しているものの、ほかの数回の実験は失敗している。

マスク氏は「当然だが、まずはフェアリングのキャッチが確実にできるようになる必要がある。Dragonのキャッチを考えるのはその後だ。しかしこれが実現すれば海に落とすのに比べて大きな進歩になる」と語った。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook

SpaceXがCrew Dragon宇宙船の安全性テストをライブ配信

SpaceX(スペースX)はFalcon 9ロケットによるCrew Dragon宇宙船のテストを米国時間1月19日に実施した。これは、有人宇宙船の飛行中止(IFA)システムにおける重要なテストだ。この安全機能は、Crew DragonをFalcon 9ロケットから早期に分離し、宇宙船(今回のミッションでは宇宙飛行士は搭乗しない)を超高速に安全な位置まで推進する。

テストは当初1月18日の土曜日に予定されていたが、天候のために東部標準時10時30分(太平洋標準時で7時30分、日本時間1月19日00時30分)へと延期された。これは天候条件で可能な限り良好であることを目指したもので、スペースXの貨物宇宙船の打ち上げよりも厳しい基準だった。さらにこれは、民宇宙開発企業とその政府機関のパートナーが、実際の宇宙飛行士の搭乗を想定していることを反映している。なぜなら、宇宙飛行士の安全は最優先事項だからだ。

ミッションにおける 「飛行中のアボート」 プロセスは、ロケットとそのペイロードが上空約6万フィート(約18km)にて、打ち上げから約84秒後に自動的に起動するように設定されている。実際の有人ミッションでは、大気圏内でロケットが爆発するような問題が起きた場合にこれを利用し、搭乗している宇宙飛行士に可能な限りの脱出の機会を与える。

その目標はCrew Dragonのカプセルを分析し、データを収集するために宇宙船を迅速に回収することであり、これはIFAの過程で宇宙飛行士が体験するであろう状況に関する重要な情報となる。これは、海上の状況が発射台の状況とほぼ同じくらい重要であることを意味しており、NASAとスペースXはカプセルを回収する回収作業員の安全も確保したいと考えている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXのCrew Dragon初有人打ち上げは2020年第2四半期か

SpaceX(スペースX)とNASAはCrew Dragonの飛行中止システムのテストに成功した後、米国時間1月19日に記者会見を開き、ミッションと次のステップについて議論した。メディアが最初に質問したのは、実際に宇宙飛行士が搭乗するミッションのスケジュールについてで、SpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏がおおまかなスケジュールを回答した。

「最初の打ち上げに必要なハードウェアは、2月末までに準備が整うと我々は考えている」とマスク氏は発言した。「しかし、ハードウェアのすべてを徹底的にチェックし終えるまで、まだ多くの作業が残っている。また、国際宇宙ステーション(ISS)に到着するスケジュールの関係もある。ISSでは多くのミッションが予定されているため、適切なタイミングを決定する必要がある。現時点での一般的な見解では、ハードウェアの準備が整うのが第1四半期(1月〜3月)で、おそらく可能性が高いのは2月だろうが、遅くとも3月までには完了するだろう。そして、最初の有人打ち上げは第2四半期(4月〜6月)に実施される可能性が高いと思われる」。

NASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官はNASA側からの立場に言及し、最初の打ち上げでは実際のミッションタイミングに影響する要素がいくつかあるかもしれないと指摘した。

「これは非常に公平な評価だと考えている」とブライデンスタイン氏は語る。「また、NASAの観点から私たちの側でいくつかの決定をしなければならないだろう。最初のクルーのミッション期間を短くするか、あるいは長くするか。もし長期間になるのであれば、我々の宇宙飛行士たちが実際にISSに滞在するための追加の訓練をしなければならない」。

同氏によると、これらの決定は「数週間後には」行われる予定で、最初のミッションが短期間になるのか、あるいはより多くの目的を持った長期間のものとなるのかによって、Crew Dragonに搭乗する宇宙飛行士のスケジュールと訓練の必要性に影響し、打ち上げタイミングが変わる可能性があるという。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがCrew Dragon宇宙船の空中脱出システムのテストに成功

SpaceX(スペースX)は米国時間1月20日、Crew Dragon宇宙船の安全システムの重要なテストを完了した。テストではFalcon 9を使ってCrew Dragonを打ち上げたが、乗組員は搭乗しなかった。その後、打ち上げは意図的に中断され、空中脱出(IFA)システムを起動させて、打ち上げプロセスの約1分半後にCrew Dragonがロケットから分離した。

意図したとおり、Dragonカプセルは8基のSuper Dracoエンジンを点火し、ロケットから素早く分離した。実際のミッションでは、ロケットが万一故障した場合に搭乗した宇宙飛行士の安全を確保することになる。Crew Dragonエンジンはわずか7.5秒で半マイル(0.8km)飛行し、この加速中は宇宙飛行士に最大4G(地上重力の4倍)を与える。

Crew Dragonは、安全な距離に達したらパラシュートを開いて大西洋に着水し、カプセルの回収が実施される。実際の緊急事態では、空軍のエリート救助チームが可能な限り迅速に乗員を救出するが、今回のデモはカプセルを無傷かつ安全に回収することが主な目的であるため、その回収には2時間以上かかる可能性がある。

打ち上げられたFalcon 9ロケットは過去3回のミッションで使用されたもので、かつSpaceXが有人ミッションを想定して設計した最初のFalcon 9である。そして予定どおり、Falcon 9はCrew Dragonが分離すると大量の燃料とともに爆発した。

スペースXがCrew Dragonの有人飛行の準備がほぼ整ったことを実証したのは、これが初めてではない。2015年には、地上でのパッド・アボート試験に成功し、打ち上げ前に安全にミッションを中止できることを実証した。Crew DragonのSuper Dracoも、昨年11月に地上でのスタティック・ファイア・テストに成功した。SpaceXは2019年のSuper Dracoの初期テストでも致命的なエラーに遭遇したが、その後NASAと協力して原因を特定して間違いが繰り返されないように修正した。

SpaceXは昨年Crew Dragonによる完全な無人打ち上げのデモミッションも実施し、Falcon 9によってカプセルが打ち上げられ、軌道に投入されてランデブーし、国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングし、地球に帰還した。これは、最初の宇宙飛行士をISSへと輸送する商用サービス前のチェックとなり、今年中には実際にミッションが行われるはずだ。

同社のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、NASAとSpaceXが主催したミッション後の記者会見で、テストは基本的に計画どおりに実施され、これは有人ミッションに向けて順調な経過だと伝えた。

「全体的に見て、完璧なミッションだった」 とマスク氏は語った。そして「予想どおりの結果で、すごく興奮してる。これは本当に素晴らしい」を続けた。そして「これまでの経過はすべてが完璧に見える」とマスク氏はつけ加えた。「しかし、我々は宇宙船を物理的に回収し、テレメトリ(遠隔モニタ)に現れていない問題を確認する必要がある」とも述べた。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

日本時間1月18日22時、SpaceXが有人飛行直前の最終テストを実施

SpaceXとNASAは、目前に控えたSpaceXの商用有人宇宙船Cew Dragonの非常に重要な打ち上げテストの準備を進めている。これは、SpaceXが国際宇宙ステーションまで実際に人間を乗せて飛行する前に、必ずパシしなければならないデモンストレーションミッション 最後の大きな山場となる。米国東部時間午前8時(日本時間の午後10時)、打ち上げウィンドウが開く。SpaceXは時間内に、宇宙船Crew Dragonと打ち上げ機(ロケット)Falcon9の、いわゆる「インフライトアボート」(飛行中止)テストを行い、実際の有人飛行時に不測の事態が発生したときに、乗員を守る安全装置の働きを実証する。

今回のミッションでは、Falcon9の先端にCrew Dragonカプセルを搭載して打ち上げる。このFalcon9には、これまで3回のミッションで打ち上げに使用し、再生したブースターステージが使用されている。しかし、今回がこのFalcon9にとって最後のフライトとなる。管制着陸は行わず、ロケットはそのまま廃棄する計画だからだ。打ち上げは、意図的に早めに切り上げられる。テストはロケットが「マックスQ(最大動圧点)」、つまり飛行中に大気圏内の動圧が最大値に達した直後である打ち上げからおよそ84秒まで行われる。

この時点でロケットは、地表からおよそ19kmの高度、フロリダのケープカナベラル空軍基地の打ち上げ台から3kmの距離にいる。ここに到達すると、SpaceXに備えられた打ち上げ時脱出システムが自動的に作動する。これは、人間が乗った宇宙船をFalcon9から切り離し、乗員の安全が保たれる十分な距離まで高速移動させるというものだ。打ち上げからおよそ5分後、Crew Dragonはパラシュートシステムを展開し、その約10分後に、海岸から3〜3.5km沖合の大西洋上に着水する。

その後、Crew Dragonカプセルは海から回収され、ケープカナベラルに戻され、SpaceXで検査が行われる。この宇宙船には乗員のダミーが乗せられており、内部に備え付けられた複数のセンサーで、テスト中のキャビンがどのような状態だったかがわかるようになっている。調査チームはそれをもとに、早期にミッションが中止される非常事態において、脱出プロセスが予定通りに進行し、搭乗した宇宙飛行士たちの安全が守られることを証明したいと考えている。

このインフライトアボートシステムの他にも、SpaceXとNASAは、今回のテストで有人飛行に備えたいくつもの試験を行う。2020年後半に打ち上げを予定している初の有人ミッションに登場するBob Behnken(ボブ・ベンケン)宇宙飛行士とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)宇宙飛行士が、実際のミッションを疑似体験するための予行演習も行われる。2人は宇宙服を着て、発射塔のCrew DragonとFalcon9に乗り込むための通路を歩くことになっていると、NASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官はTwitterに投稿していた。

ジム・ブライデンスタイン「準備完了! 明日のSpaceXのインフライトアボートテストでCrew Dragonに乗ることはないが、宇宙飛行士のボブ・ベンケンとダグ・ハーリーは商用クルーミッションのリハーサルを行う。アメリカの国土からアメリカ人宇宙飛行士が飛び立つ日は近い!」

上記のとおり、今回のテストではロケットの回収は一切行わない。SpaceX有人ミッション管理ディレクターBenji Reed(ベンジ・リード)氏は、1月17日の記者会見で、Falcon9の第2段で、ある種の「点火」事象の発生を予期していると話していた。地上から見えるほど大きくなる可能性があるという。SpaceXのスタッフは、できる限り多くの破片を回収できるよう待機する。破片を研究に役立てるつもりだが、テストによる環境への悪影響を最小限にする狙いもある。

当初、このテストは、6カ月ほど前に実施される計画だったのだが、使用するはずのSpaceXのCrew Dragonカプセルがエンジンテストの際に予期せぬ事故で失われてしまった。SpaceXとNASAはその爆発事故を調査し、原因を解明し、同じ問題が二度と発生しないという自信を持つに至った。本日のテストで使われるCrew Dragonは、実際の有人飛行で使う予定だったもの。宇宙飛行士を乗せるための新しいカプセルは、現在、建造中だ。

SpaceXの打ち上げウィンドウは、米国東部時間1月18日の午前8時に開く。4時間開いている予定だが、リード氏によれば、必要に応じて延長できるという。NASAの商用有人プログラム・マネージャーのKathy Leuders(キャシー・ルーダー)氏は、打ち上げの条件だけでなく、回収の条件も非常に重要であり、どちらもこのテストの目的にとって最適でなければならないため、その両方の要因から正確な打ち上げ時間を決めることになると1月17日に話していた。特定の軌道に載せることが目的ではないため、時間ぴったりに打ち上げる必要はない。飛ばすか、止めるかの判断は、比較的柔軟に行える。もしもの場合のために、SpaceXでは1月19日と1月20日を予備日に設定している。

我々は、1月18日の朝(日本時間では1月18日、土曜日の夜)に始まるテストの様子をライブストリームとライブ取材でお伝えする。ストリーミングは打ち上げウィンドウが開く15分前(日本時間午後9時45分)から開始する予定なので、ぜひご覧いただきたい。

米国版TechCrunchのサイトでご覧ください)

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

イーロン・マスクがスペースXで開発する宇宙船の詳細を発表、耐用年数は民間航空機並み

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は現在、Starshipにかなり熱を上げているようだ。テキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設で現在開発中の軌道打ち上げを目指す宇宙船、Starshipのプロトタイプ「SN1」の進捗状況がわかる写真を公開している。米国時間1月16日の夜には、マスク氏はTwitterにおける一連の質問に対してStarshipの詳細と火星にコロニーを建設するというマスク氏の目標を達成するために、Starshipが担う役割について語った。

マスク氏は以前にもその一部について発言しているが、人類が火星での居住を確立し維持するために、Starshipが年間何メガトンもの積み荷を何度も火星へと送り届ける必要があると繰り返した。同氏によると、Starshipは平均して1日に3回の打ち上げられ、1回の飛行で100トン以上の積み荷を運ぶ。そして1機あたり年間1000回以上打ち上げられる計画だという。

最終的には年間100機のStarshipsを建造し、今後10年間で合計1000機のStarshipsを製造したいとマスク氏は言う。これによりStarshipsは年間100メガトンもの積み荷の運搬が可能になり、乗客なら約10万人を地球と火星が最も近づいた際に送ることができる。公転の関係で地球と火星は約2年に1度、最接近する。

マスク氏は別の質問に対して、実現にはStarshipを地球上空の軌道に乗せ、出発する前に宇宙空間で燃料を補給する必要があると答えている。そして26カ月に1度、約1000機の宇宙船が30日間の火星への輸送を行う。地球から火星に行くには、地球大気圏から脱出するために軌道上での燃料補給が必要となるが、火星からの打ち上げは同様ではないと、マスク氏は指摘する。

別のツイートへのマスク氏の返答によれば、SpaceXの最終的な目標は2050年までに100万人を火星に送ることだという。さらにその費用を十分に下げることで、「お金がなくてもローンで、誰でも行くことができる」ようにするという。またマスク氏は、将来の入植者には「火星ではたくさんの仕事があるだろう」と述べた。

マスク氏がSpaceX事業のあらゆる段階で強調してきたように、Starshipはシステムの再利用性が重要となる。宇宙船の耐用年数は20年〜30年程度を目標としており、これは現在の民間航空機と同様だと同氏は述べた。同社が上記の計画を経済的に実現可能にするためには、これに近い必要なやり方で行う必要がある。

現在、テキサスの施設で新しいStarshipのプロトタイプが開発中だ。SpaceXはすでに、Starship向けの新エンジンをテストするために、ノーズコーンのないサブスケールのデモモデルを開発しており、制御状態での低高度飛行に成功している。当初、同社は高高度におけるテスト飛行に使用する大型のプロトタイプを製作したが、初期の圧力テストに失敗。現在は設計を刷新し、改良された第3バージョンに移行しており、2020年の軌道飛行テストに使用される予定だ。

 

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXのドラゴン補給船が科学実験機器とともにISSから帰還

SpaceX(スペースX)は国際宇宙ステーション(ISS)への19回目の商用補給(CRS)ミッションを成功させ、使用されたDragon補給船が米国時間1月7日の朝早く、太平洋に着水した。今回使用されたDragon補給船は、SpaceXのCRSミッションで、すでに2回もISSを往復している。

12月5日にCRS-19ミッションで打ち上げられたDragon補給船は、12月8日にISSにドッキングし、約1カ月間係留されている間に宇宙飛行士が約5700ポンド(約2.6トン)の物資や実験機器を含む、その内容物を積み降ろした。そしてDragon補給船は、地上の研究者が研究するための実験素材を持ち帰っている。

その中には「ワムシ類」と呼ばれる微小な水生動物やマウスが含まれており、どちらも微小重力がさまざまな生物に及ぼす影響を研究するために利用された。またもう1つの実験は、宇宙飛行士が長期の宇宙滞在中に受ける、放射線被曝の解決策を科学者が開発するのを支援するというものだ。これはほんの一例にすぎず、学術機関やNASA、そして民間のパートナーによる、何百もの実験が行われている。

今後、Dragon補給船は太平洋から回収され、地上にて内容物が回収される。SpaceXは3月上旬にも補給ミッションを予定しており、ISSへの有人宇宙飛行を実現するためのCrew Dragonのミッションも継続している。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

SpaceXがCrew Dragon宇宙船の脱出装置の空中テストを1月18日に実施

SpaceX(スペースX)とNASAは、Crew Dragon宇宙船にとって重要な飛行中の脱出装置テストのための、公式なスケジュールを決定した。飛行中の脱出装置のテストは、NASAの宇宙飛行士がCrew Dragonに搭乗して飛び立つ前の必須の条件だ。NASAとSpaceXは現在、米国時間1月18日(日本時間1月19日)の土曜日にこのテストを実施する予定となっている。

飛行中の脱出装置のテストはその名のとおり、ミッションにトラブルが発生したことを想定して、実際にCrew Dragonが飛行している最中にそれを中断するものだ。宇宙船のカプセルをロケットから高速で分離することで搭乗している宇宙飛行士の安全を確保する。

これは、SpaceXとNASAの商業乗員輸送プログラムの最終目標に向けた長い道のりの中で、最も重要なステップのうちの1つだ。これにより、米国は独自に宇宙飛行士を打ち上げる能力の再確立を目指す。SpaceXはすでに、Crew Dragonが大気圏に突入した後に安全に降下するための新型パラシュートシステムの一連のテストに成功しており、今回の重要な脱出装置のテストが成功すれば、2020年後半には乗員を乗せたCrew Dragonを初めて打ち上げる予定だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

SpaceXがStarlink衛星群打ち上げへ、約180機の運用予定で民間として最大規模に

 

SpaceX(スペースX)は、2020年中に衛星インターネットサービスを開始する準備を進めるために、さらなるStarlink(スターリンク)の衛星群を打ち上げる。打ち上げは米国時間1月6日の東部標準時で午後9時19分(太平洋標準時で午後6時19分)から始まり、ミッションのライブ配信は打ち上げ時間の約15分前(東部標準時で午後9時4分、太平洋標準時で午後6時04)に始まる。

今回の打ち上げは2019年末に打ち上げられた60機と、テストと実験の目的で2019年に打ち上げられた60機のスペースXのStarlinkコンステレーションの合計120機に、60機の衛星を追加するものとなる。スペースXは約180機の衛星(なお、一部の打ち上げ済み衛星は稼働していない)を運用する予定で、これは現在活動している民間の衛星事業者の中で最もアクティブな運用例となる。

スペースXは、Starlinkのためにさらに多くの衛星を打ち上げる計画だ。その目的は、利用エリアが限られていたり、低速だったり、あるいはサービスがまったく提供されていない地域に高速ブロードバンドを提供することだ。Starlinkはまず、2020年末までにアメリカとカナダでサービスを開始し、60機のStarlink衛星をさらに20回打ち上げたいとしている。

スペースXは同社のグローバルインターネットサービスのために、3万機の衛星打ち上げ許可を申請しており、「Starlinkの総ネットワーク容量とデータ密度を、予想されるニーズの増加にあわせて拡張するための対策を講じる」と記している。同社は、Starlinkが天体観測に与える影響のために科学者から批判されてきたが、地球に面した衛星の側面を黒く塗るなど、その影響を最小限に抑えるための対策を講じるとも伝えている。

今回の打ち上げは、スペースXにとって2020年最初のものとなる。1月初旬からの打ち上げは、2020年に同社が計画している積極的なペースでのそれを期待させるものだ。打ち上げにはFalcon 9ロケットが使用される。このロケットは2019年の2回を含め、これまでに3回使用されている。今回の打ち上げにはブースターだけでなく、ロケットのペイロードを保護するフェアリングの半分の回収の試みも含まれている。

 

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

イーロン・マスクがStarshipの建造と飛行時期に関する詳細を明かす

SpaceX(スペースX)のCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏によると、ホリデーシーズンはテクノロジー業界の多くの企業にとって活動が停滞する時期かもしれないが、同社にとっては最新のStarshipプロトタイプ「Starship SN1」の生産性を強化する時期だったという。飛行可能なStarshipのプロトタイプはテキサス州ボカ・チカにあるSpaceXの開発施設で建設中で、マスク氏は先週末にその製造と組み立てを監督していた。

マスク氏はStarshipの主要部品の中でも「最も難易度が高い」と呼ぶ、完成したStarship SN1(Serial Number 1の略で、オリジナルのプロトタイプに使われていた「Mark」という命名法から離れ、より反復的な命名法に)の上部に位置する湾曲したドームの製作に取り組んでいる、SpaceXチームのビデオを共有した。彼はStarshipのSNは少なくとも20バージョンまで小さな改良が加えられると付け加えており、これはすなわち急ピッチでテストが行われることを意味する。

マスク氏はいつStarshipが実際に打ち上げられるのかについて「2〜3カ月後」と述べており、これは今年にプロトタイプのStarship Mk1が公開された時の、高高度テスト飛行のスケジュールと合致する。このプロトタイプは当初、高高度テスト用に飛行するものと位置づけられていたが、11月のテストでドーム部分が吹き飛ばされて以来、同氏はMk1の修理や再構築を試みるのではなく、新しい設計に移行すると述べている。

マスク氏はまた、Starshipの建設プロセスについての新しい詳細を共有し、2020年1月にSpaceXは将来の宇宙船ことStarship SN2の建設プロセスを、閉鎖された建物内に移行する予定だという。これは主に、ボカ・チカで経験した風の影響を遮断するためではあるが、ステンレス鋼(Starshipの胴体の主要材料)の溶接はアルミニウムよりも、塵や破片に対する危険性がずっと低いとも同氏は述べている。

マスク氏は別のツイートにて、宇宙船開発におけるSpaceXの以前の運用モデルからのもう一つの変更を詳述している。Starshipの開発は現在ボカ・チカに集中しており、一方でケープカナベラルのチームは「Falcon/Dragonに焦点を当てている」という。今まで、SpaceXは両方の拠点で2つのチームが並行してStarshipのプロトタイプ開発に取り組んできた。なお同氏は、ケープカナベラルで現在開発中のもう1つの初期プロトタイプことStarship Mk2の今後の詳細を明らかにしなかった。

そのほか、同氏が所有する採掘会社で2020年にラスベガス地下のトンネルを車両に開放する見通しであるThe Boring Co.(ボーリング・カンパニー)や、2020年または2021年にカリブ海地域の顧客にサービスが提供される可能性があるStarlink(スターリンク)、チョコレートチップマフィン(チワワのネットミーム)に関する最新情報も共有した。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが10回連続でパラシュートのテストに成功し安全性へのクエストをまた1つクリア

SpaceX(スペースX)は、2020年に予定されている同社宇宙船に宇宙飛行士を乗せて飛ばす計画を、今後も十分に続けていけるほどの成果で今年を終えようとしている。Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるこの宇宙企業は、米国時間12月22日、これまで何度も成功してきたパラシュートシステムのテストに成功。これで10度めの成功となるこのテストは、安全なシステムに向けての重要なマイルストーンであり、最新の設計が宇宙飛行士による実際の使用に耐えうるものであることを示している。

このパラシュートシステムは、宇宙飛行士が乗るSpaceXの商用宇宙船、Crew Dragonが地球への帰還時に大気圏に突入して以降の下降を遅くするために用いられる。現在の設計はメジャーなアップグレードとしては三度目のものでで、素材も縫い方も信頼性と強度を優先して改良されている。

[SpaceX: 昨日チームは、Crew DragonのパラシュートMark 3の一連の設計アップグレードテストの一環として、10度めの複数パラシュートによる着地テストに成功した。NASAの宇宙飛行士の安全な打ち上げと着陸に、一歩近づいた。]

2019年にマスク氏は、カリフォルニア州ホーソーンのSpaceX本社で行われたイベントで、来場したメディアやファンに向けて、Mark 3パラシュートシステムが実際に有人飛行に使用できると確信を持つためには、少なくとも10回連続でテストに成功する必要があると述べた。その再、NASAの管理官であるJim Bridenstine(ジム・ブリデンスティン)氏は、2019年中に10回連続で成功できるだろう、と言った。そして、そのとおりになった。

現在SpaceXは、有人飛行に向けての次の重要なステップを1月11日に予定している。それは「飛行中での飛行中止テスト」で、緊急時に機能すべき安全システムをテストする。そのシステムは打ち上げ途中で起動され、クルーを安全に打ち上げ船から離して安全なところへち運ぶ。それにより、異常事態に乗員を危機から救う。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXはFalcon 9の打ち上げに成功するもフェアリングの回収に失敗


SpaceX(スペースX)は、今年13番目となるロケットであり11番目となるFalcon 9の打ち上げに成功した。同社は、2019年には2機のFalcon Heavyも打ち上げている。今回の打ち上げでは、これまでに2回使用されたFalcon 9ブースターステージを再利用しているが、今回も洋上のドローン船上に着陸させて回収に成功した。さらに、2つに分かれたノーズフェアリングの回収も試みられた。これは宇宙船の貨物を保護するためのもので、上段が目標軌道に到達する前に剥がれ落ちるようになっている。

今回の打ち上げでは、ボーイング製の衛星が搭載され、Kacific(カシフィック)とスカパー JSATに通信サービスを提供することになっていた。この衛星も予定どおりの軌道に投入されたと考えられている。これが第1のミッションだったのは確かだが、その成功は課題の半分に過ぎない。SpaceXにとって重要なのはむしろ残りの半分である、同社の打ち上げシステムのより多くの部分を、徐々に再利用可能なものにしていくということだ。

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が創業したロケット会社であるSpaceXは、2015年からFalcon 9ブースターを回収してきた。さらに最近では、Super Heavyも回収している。これまでに合計47回の第1段ロケットの回収を成功させているが、ノーズフェアリングの回収システムは、ごく最近に導入されたものだ。SpaceXでは2017年に、まずフェアリングの降下をコントロールし片方を回収しているが、いったん海に落としてからの回収だった。その後、海中からすくい上げなくても済むように、はしけ型の回収船を使った方法にトライするようになった。そして、今年6月に打ち上げられたFalcon Heavyでは、2分割されたノーズフェアリングの片方の回収に初めて成功したのだった。

しかし今回、フェアリングを回収する試みは成功しなかった。SpaceXはTwitterで、2枚のノーズフェアリングはいずれも「もうちょっとのところで」待機していた船から外れてしまったと明かした。回収チームは、それらを海中から引き上げ、今後のミッションで再利用できないか方法を検討中だという。SpaceXは、以前に回収されたフェアリングを11月に初めて再飛行に使った。マスク氏は以前、この部品を再利用することで、SpaceXは1回のミッションで600万ドル(約6億5700万円)を節約できると述べていた。これは総打ち上げ費用の10%程度に相当する金額だ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Keplerが2機の小型ネットワーク衛星をSpaceXのFalcon 9で打ち上げ

小型衛星スタートアップのKepler Communications(ケプラー・コミュニケーションズ)はSpaceX(スペースX)と協力して、初の小型衛星コンステレーションの目標を達成しようとしている。SpaceXはFalcon 9ロケットにて、Keplerの小型衛星を2つに分けて打ち上げる予定だ。

トロントに拠点を置くKepler Communicationsは、人工衛星を利用した低電力かつIoTに直接接続するネットワークと高速データ転送機能を提供する、より大容量なネットワークを構築する。

KeplerはElon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceXが今年発表したライドシェアプログラムを利用して、合計400kgのペイロードを打ち上げる予定だ。今回の打ち上げでは、Keplerの人工衛星は太陽同期軌道へと投入される。これは、人工衛星が毎日同じ時間に太陽からみて地球上空の同一地点を通過するという意味だ。

Keplerは2020年から2023年までの3フェーズにて合計140機の人工衛星を軌道に投入する計画で、この衛星コンステレーションを中継システムとして運用し、軌道上の他の衛星群にデータを転送することを目指している。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが有人宇宙飛行システムの重要な節目を年内達成へ

SpaceXはCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏の立てた大胆なスケジュールの1つを、比較的順調に守っている。予定遵守に関する同社の実績からすると、珍しいが歓迎すべき事態だ。SpaceXは、Crew Dragon(クルードラゴン)カプセルに初めて宇宙飛行士を乗せる際に利用するパラシュートの最新システムの7回目のテストを完了した。

このパラシュートシステムは、現在テスト中のCrew Dragonが実運用にに入った後、搭乗する宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから地球に戻る際、安全に下降するためになくてはならないものだ。SpaceXはこのパラシュートシステムを複数回開発しており、現在のバージョン3は耐久性の高い材料と新しい新しい縫製技術によって最大の強度を実現している。

マスク氏は10月に、このMark 3システムのテストに10回連続して成功することが、SpaceXが有人宇宙船で新パラシュートシステムを使用するための信頼レベルだと言っていた。そしてNASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官は、その10回のテストが年内に完了する可能性を示唆していた。SpaceXは米国時間12月3日にこれまで7回のテストに成功しており、目標の10回を2019年中に達成する見込みであることを公表した。

これは2020年前半に全体デモンストレーションおよび実際の有人飛行を実施するという、ブライデンスタイン長官がSpaceXともう一つの商業有人飛行パートナーであるボーイングについて最近繰り返し語ってていたスケジュールにも沿っている。ボーイングは、有人飛行プログラムに不可欠なもうひとつのマイルストーンである脱出テストを今月行う予定だ。

今週SpaceXは、クルードラゴン用パラシュートの最新改定版Mark 3の7回目のシステムテストに成功した。このパラシュートは@space_stationから宇宙飛行士が地球に戻る際に安全な着陸を可能にするために用いられる

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXが再使用ドラゴンによる3回目のISS打ち上げに成功

SpaceX(スペースX)はNASAとの契約のもと、国際宇宙ステーション(ISS)への19回目の補給ミッションを打ち上げた。ミッションは東部標準時12時29分(日本時間12月6日2時29分)にフロリダ州ケープカナベラルから、約5200ポンド(約2.4トン)のペイロードを載せた、Dragon補給船を搭載したFalcon 9ロケットで行われた。

今回の打ち上げに使用されたドラゴン補給船 は、2014年と2017年に2回打ち上げられている。どちらのミッションでも、大西洋からブースターが回収され、メンテナンスが実施された。SpaceXはできるだけ再使用可能な打ち上げシステムを設計しており、宇宙ステーションで活動する宇宙飛行士からの荷物を積んでISSから帰還できるDragon補給船は、再使用ミッションのための完璧な宇宙船だ。

SpaceXはまた、今回の打ち上げに使用された最新型のFalcon 9の第1段ブースターを回収し、使用済みロケットを大西洋に浮かぶドローン船に着陸させた。今後、ドラゴン補給船は日曜日のランデブーに向けてISSへと向かう。そしてロボットアームのCanadarm2の助けを借りてステーションにドッキングし、約4週間ステーションに接舷して荷物を降ろした後、地球の研究者に向けた実験結果などの3800ポンド(約1.7トン)の荷物を積み込む。

今回のミッションで輸送されるペイロードには、Budweiser(バドワイザー)によるビール醸造装置、ミッションクリティカルなロボットのためにISS外部に設置される「ロボットホテル」、ロボット宇宙飛行士アシスタントのCIMONのアップデート版など、さまざまな実験装置が含まれている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXが「ロボットホテル」のISS打ち上げをライブ配信

SpaceX(スペースX)によるNASAとの契約のもとに実施される商業輸送ミッションこと、CRS-19の2回目が始まる。このミッションの目的は、補給物資、実験材料、その他の機器を国際宇宙ステーション(ISS)に送ることだ。ISSに届いた後は、宇宙飛行士によって積荷が降ろされる。

【編集部注】CRS-19の打ち上げが予定どおり実施され、成功した。

当初予定されていた打ち上げが強風のために中止された後、SpaceXはバックアップウィンドウの東部標準時の12月5日12時29分(日本時間12月6日2時29分)に打ち上げを予定している。なお、天候のために打ち上げが延期されることは珍しくはない。また、本日の打ち上げも延期される可能性があるが、現時点では次の打ち上げのためのバックアップは予定されていない。スペースXによる打ち上げのライブストリームは、打ち上げ時間の約15分前に始まり、実際の打ち上げは東部標準時12時14分ごろ(日本時間12月6日2時14分ごろ)となる。

今回のミッションでは、SpaceXが誇るロケットや宇宙船の再使用が継続され、Dragon補給船(5200ポンド=約2.4トンの荷物を積載する)は2014年と2017年に2回飛行したものだ。SpaceXはまた、Dragon補給船を打ち上げるFalcon 9ロケットの第1段ブースターの回収も予定している。

補給船内にはさまざまな科学実験装置が搭載されており、その中には宇宙でのビール製造の様子を解明するBudweiser(バドワイザー)の実験や、使われていない時にロボットを収納するロボットガレージといった、ISSの新しい装置が含まれている。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXの宇宙船「ドラゴン」が3度目のミッションでISSに向かう

【編集部注】打ち上げは上空の風の状態のために中止され、米国東部時間12月5日12時29分(日本時間12月6日2時29分)に延期された。新たな予備日時も設定されている。

米国時間12月4日、SpaceXは19回目の国際宇宙ステーション(ISS)商業補給ミッション(CRS)の打ち上げを米国東部時間12時51分(日本時間12月5日2時51分)に予定している。打ち上げはフロリダ州ケープ・カナベラル空軍基地で行われ、SpaceXがすでに2回使用している商用カプセルDragonを使用する。Dragonは2014年と2017年に飛行している。上のストリーミングビデオは発射の約15分前、米国東部時間12時36分ごろに始まる。

今回の打ち上げでは、ブースターロケットFalcon 9の回収も試みる予定で、制御された状態で地球に帰還し、大西洋沖に浮かぶ回収船「Of Course I Still Love You」(もちろん今も君を愛している)への着地を目指す。

Dragonカプセルに載せられてISSへと向かう貨物約5700ポンド(2.6トン)には、現在宇宙ステーションで進行中の科学ミッションや宇宙飛行士のための実験・研究機器が含まれている。重要任務を負うロボットが使用されていないときに滞在する保護施設である新しい「ロボットホテル」もその1つだ。

CRS-19ミッションには本日の打ち上げが何らかの理由で中止された場合に備えての予備打ち上げウィンドウが米国東部時間12月5日12時29分(日本時間12月6日2時29分)に設定されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのCybertruckはSpaceXのスターシップと同じステンレス鋼を使用

米国時間11月21日、Tesla(テスラ)のCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、注目の電動ピックアップ「Cybertruck」を米国ロサンゼルスで発表した。その人目を引くユニークなデザインで新型車は多くの注目を集めた。またその姿はトラックというより宇宙探査用のローバー(惑星探査機)を思わせる。そしてこの場合そのアナロジーがとりわけ的を射ている。なぜならこのCybertruckは、マスク氏が所有する別会社のSpaceXが、来るべき宇宙船Starshipの外壁に使用するのと同じステンレス鋼を身にまとっているからだ。

「この車は、文字どおりの防弾で9 mmの弾丸にも耐えられる」とマスク氏はお披露目の壇上で語った。「このボディはそれほど強力で硬く、我々が開発した冷間圧延ステンレス鋼で作られている。同じ合金を宇宙船のStarshipとこのCybertruckで使っている」。

以前マスク氏は、フルサイズの宇宙船「Starship Mk1」のプロトタイプを発表したイベントで、外壁にはステンレス鋼を使用し、その半分を大気圏再突入の高熱に耐えるためにガラスでさらに覆うつもりであることを明かした(Starshipは地球着陸の前に大気圏に「腹打ち飛込み」のように突入する)。Starshipが乗って打ち上げられる予定のスーパーヘビーロケットは、外壁をすべてステンレス鋼で覆われている。材料選びの理由はコストと有効性の両面からであり、実際にステンレスは高熱に耐えロケットを守ることに関して高い効果を示している。

テスラとSpaceXで同じステンレス鋼を使うことでコスト削減効果が得られることは明らかであり、Cybertruckが大量生産されるとなればなおさらだ。賛否あるデザインから考えるとありそうにないが、もしテスラが先日発表した価格を維持できるのであれば、経済性を買われて売れる可能性はある。CybertruckがSpaceXの仕事に恩恵を与える可能性はほかにもある。マスク氏はイベント前にTwitterで、火星には陸上輸送も必要だと言っていた。

そう、マスク氏はツイートで「加圧型」のCybertruckは「公式火星トラック」になると言った。例によって、マスク氏のツイートでジョークと実際の計画とを正確に区別することは困難だが、私は本件に関しては文字どおりの意味だと思っている。少なくともこの段階では。

宇宙飛行士用のCybertruck火星探査機は、理屈の上でTeslaとSpaceXの両方に益をもたらす。技術開発と製造の効率が上がるだけでなく、ステンレス鋼の例が示すように、宇宙向けにデザインすることに大きな利益の一つが、出来上がったテクノロジーを地球にも応用できる場合が多いことだからだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook